説明

受水槽で水を有用なトルマリン処理水にする方法と、トルマリン処理水生成機能を備えた受水槽と、その水処理器。

【課題】給配水するための受水槽において、水をトルマリン鉱石に接触通水させることにより、効率的に有用なトルマリン処理水にする方法と機能を備えた受水槽を提供する。
【解決手段】受水槽1において、流入する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器10a、10bと10cを複数段直列に接続構成してなる水処理器と、流出しようとする水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒13を収納した容器からなる流出用水処理器とを用意し、当該受水槽内の水取入口からの流入水路上に前記水処理器を配設し、前記水取入口から流入してくる水の勢いにより前記水処理器を通水する際にトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、高効率にトルマリン処理をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給配水するために一時的に貯溜する受水槽において、水をトルマリン鉱石に接触通水させることにより、効率的に有用なトルマリン処理水にする方法と、有用なトルマリン処理水を生成することのできる機能を備えた受水槽に関する。
【0002】
本発明は、特に一般家屋、マンション、ビル、旅館、ホテル、工場等の給配水システムにおいて受水槽を設けている場合に、水道や井戸などの給水源から給水される水を一旦受水槽に貯水しておき、必要に応じて安定的に水を再配水しようとするような場合に受水槽において水質をより有用なものに改質するのに好適な技術である。
【背景技術】
【0003】
従来より、トルマリン鉱石は、珪酸塩類鉱物であり、永久微弱電流を発生させる、遠赤外線を放射する、ミネラルを溶出させる、といった特性があり、それらの特性が、以下に示すように、さまざまな有益な効用をもたらすことが知られている。
【0004】
第1に、トルマリン鉱石には、永久的に微弱電流を発生させる特性がある。
トルマリン鉱石は、極性結晶体であり、その結晶の両端にプラス電極とマイナス電極を自然に且つ永久的に保持する特性を有している。このためトルマリン鉱石のプラスの電極には大気中のマイナスイオンを引き寄せ吸収し、集められたマイナスイオンをトルマリン鉱石内に取り込み、これをマイナス電極に送って、余ったマイナスイオンをマイナス電極から放出し、0.06ミリアンペアの微弱電流を永久的に発生し続ける特性がある。このトルマリン鉱石の微弱電流を永久的に発生し続けるという特性は、熱や圧力を加えることによりさらに強まる焦電効果、圧電効果があり、静電気がたくさん発生し、電圧も高まることになる。このように電場を永久的に形成するトルマリン鉱石のことを、一般に「電気石」称している。
【0005】
当該トルマリン鉱石は、上記のような特性から、水にふれることで水を瞬間的にマイナスイオン化するし、同時に弱アルカリ性に変える力がある。つまり、トルマリン鉱石のマイナス電極に蓄えられた電子は、水に触れると瞬間的に放電され、水素イオンと水酸イオンとに電気分解される。また当該水素イオンは水分子と結合して、「ヒドロキシルイオン」と呼ばれる界面活性効果を持った物質を発生し続ける。これが、マイナスイオンである。更に、このような過程を経た水は、水素イオンが減少することでpH7.5を示す弱アルカリ性の性質を持つことになる。
【0006】
更に、水道水や一般の水は、塩素や不純物などが含まれているため分子活動が制限されHOという水分子は結合体となり易く、この結合体が多く集まって大きなクラスターを形成して存在していることが多い。このようにクラスターの大きい水は、飲んでも美味しくなく、なかなか吸収されにくいものとなる。このクラスターの大きい水にトルマリンを接触させると、その電圧によって、水のクラスターが分解され、正常な分子状態の水に戻り分子活動が活発に行われるようになるため、「浸透性や吸水性が高く、なめらかで、おいしい水」になる。これが水の活性化である。
【0007】
第2に、トルマリン鉱石は、遠赤外線を放射する特性がある。
トルマリン鉱石はその物性として、熱によって帯電する焦電現象(ピロ電気)が起こる。温度が2度上がるとその効果は2倍になるといわれている。また、トルマリン鉱石は、その物性として、わずかな衝撃でも帯電する圧電現象(ピエゾ電気)が起こる。この焦電気、圧電気をエネルギーとしてとらえると遠赤外線である。つまり、トルマリン鉱石に熱や圧力(衝撃)を加えることにより、波長4〜14ミクロンの遠赤外線に変換され放射することになるのである。これは「育成光線」とも称され、生物を活性化する働きがあるし、温熱効果による有益性も発現する。
【0008】
第3に、トルマリン鉱石からは、水にミネラルを溶出する特性がある。
トルマリン鉱石からは、トルマリン鉱石自体に含有されているマグネシウムや鉄やホウ素や珪素などの元素を水に溶出する。従って、トルマリン鉱石を水に入れることにより水をミネラル化することができる。
【0009】
上記の通り、トルマリン鉱石は、その特性から、マイナスイオンを発生させ、水の分子を瞬時にマイナスイオン化し、弱アルカリ化し、水を活性化し、遠赤外線を放射し、界面活性効果を生じさせ、ミネラルを溶出するなど多様な働きをする。その結果、具体的には、トルマリン鉱石を活用することによって、金属の腐食防止、水質改善・調製、空気の浄化・脱臭、抗菌作用による鮮度維持、酸化防止、洗浄効果、水のミネラル化、植物の発育・育成、生物の細胞活性化、温熱治療、新陳代謝の活性化、血液浄化など多様な分野で有益な効用を発揮させることができるとされている。つまり、トルマリン鉱石は、水処理、空気浄化、環境改善、土壌改良、生活空間の浄化、健康増進、食品の品質改善、農業・園芸などの分野で活用・応用する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、トルマリン鉱石が発生させる電流は微弱であり、出来る電場も小さいため、単にトルマリン鉱石に接触するだけとか、瞬間的に又は短時間に接触するだけでは、上記のようなトルマリン鉱石の作用、効果を顕著に得ることがむずかしい。また、トルマリン鉱石は、高度の高い岩塊であるため、その取り扱いが限定され、その利用の仕方が難しい。このためトルマリン鉱石をそのまま活用する方法では、人間が認知できる程度に有用性のあるトルマリン鉱石の作用効果を得るのは難しく、トルマリン鉱石の実用的な活用がいまひとつ実現していないというのが現状である。
【0011】
本発明者は、トルマリン鉱石の多様な働きを認めながらも、その活用によって有用性の認知できるような作用効果を得る実用的な活用の仕方について研究をしてきた。その結果、トルマリン鉱石の特性を最も顕著に発現する活用の仕方は、水にトルマリン鉱石を接触させ水質を改善させたトルマリン処理水を効率的に造り、このトルマリン処理水を活用することが便利であり、トルマリン鉱石の作用・効果が最も効率的に発現できる方法であることに気付いた。なぜなら、ミネラル処理水は、その水をおいしくし、その水を活性化したり水をミネラル化し、その水の洗浄力を向上させ、この水を用いて食品の鮮度を維持し、生物の細胞を活性化し、植物の発育・育成を促進するなど多様な利用の仕方が可能になるからである。発明者はこの点に着目して、有用なトルマリン処理水を効率的に製造する技術を開発するように研究目標を集中させて努力することにより完成したのが本発明である。
【0012】
従来より、トルマリン鉱石を水に接触させてトルマリン処理水にする技術としては、例えば、特開平2−198688号、特開平4−145194号、特開平5−15872号、特開平5−64787号、特開平6−86799号などが開示されている。しかし、これらは、単に浴槽水の底面にトルマリン鉱石を沈ませて置くだけのものや、トルマリン鉱石を充填した容器を管路の送流中において接触させただけのものであった。このように瞬間的に水とトルマリン鉱石とを接触する方法や、静置したトルマリン鉱石に水を単に接触するだけの方法では、微弱電流によって多量な水をトルマリン処理することが出来なかった。まして認知できる程度にトルマリン鉱石の作用、効果を発現したトルマリン処理水を得るには、それなりの積極的な工夫が必要である。
【0013】
本発明は、このような技術的課題を解決すべく検討した結果、一般家屋、マンション、ビル、旅館、ホテル、工場等の給配水システムにおいては、水道や井戸などの給水源から給水される水を一旦受水槽に貯水しておき、必要に応じて安定的に水を再配水しようとする受水槽に着目した。受水槽に入っている水は、使用する直前の水であって、しかもある程度の時間貯溜しているものである。このため、受水槽において、トルマリン処理するのが最も合理的な場所であり、水をトルマリンと充分接触させて確実にトルマリン処理水にするには好適な場所であるあることに気付いた。
【0014】
また、本発明者は、トルマリン鉱石の物性として加圧すると表面に電場を生じるという圧電効果(ピエゾ電気)がある点に着目し、受水槽内に貯溜されている水にトルマリン鉱石を強い圧力を持って繰返し接触させるように構成することによって、高効率に有用なトルマリン処理水を製造することができることに気付いた。そこで本発明は、当該圧電効果(ピエゾ電気)を出来るだけ利用しながら、経済的負担を少なくて、高効率なトルマリン処理ができる具体的な方法を開発したのである。そして、当該高効率なトルマリン処理法を用いて、有用なトルマリン処理水を生成することの出来る機能を備えた受水槽を開発したのである。
【0015】
叙上のように本発明は、トルマリン鉱石に強い圧力で繰返し水を接触させることにより、トルマリン鉱石の特性である圧電効果を発現させ、接触水に効率的な電流供給をして水質を改善する処理(トルマリン処理)をして、高効率に有用なトルマリン処理水を製造する方法を具現化した点が特徴である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
特許を受けようとする第1発明は、給配水のために一時的に水を貯溜しておく受水槽において、流入する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器を複数段直列に接続構成してなる水処理器と、流出しようとする水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器からなる流出用水処理器とを用意し、当該受水槽内の水取入口からの流入水路上に前記水処理器を配設し、前記水取入口から流入してくる水の勢いにより前記水処理器を通水する際にトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、当該受水槽内の中央部に前記水処理器の一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、当該貯溜中の水が、受水槽内で起こる対流により前記水処理器を通水してトルマリン鉱石と流圧をもって繰返し接触し得るようになし、当該受水槽内の流出口直前には流出用水処理器を配設し、水が当該受水槽の流出口から流出しようとするときは、貯溜する水深圧と流出口の負圧とにより生じる流出水流とによって前記流出用水処理器を通水する際にトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、受水槽内で貯溜する水に繰返し圧力をもってトルマリン鉱石と接触することにより、高効率にトルマリン処理をするようにしたことを特徴とする受水槽で水を有用なトルマリン処理水にする方法である。
【0017】
当該第1発明は、受水槽で水を有用なトルマリン処理水にする方法の基本発明である。本発明の本旨は、トルマリン鉱石に強い圧力で繰返し水を接触させることにより、トルマリン鉱石の特性である圧電効果を発現させ、接触水に効率的な電流供給をして水質を改善する処理(トルマリン処理)をすることにより高効率に有用なトルマリン処理水を製造する方法を具現化した点にある。
【0018】
このような基本的技術的思想を具現化するため、本発明は、トルマリン鉱石粒を収納した容器を複数段直列に接続構成してなる水処理器を、受水槽内の水取入口からの流入水路上と、受水槽内の中央部にその一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、更に受水槽内の流出口直前に流出用水処理器を配設した。これら3箇所の特定された配設場所は、いずれも水に強い流れがあるか、高水圧な場所であり、トルマリン鉱石に対し加圧力をもって接触することができるので、トルマリン鉱石の圧電効果によって接触水に対して効率的な電流供給をすることができるのである。その結果、接触水は強い電荷によるトルマリン処理が繰返し行われ、それだけ大きく水質を改善するので、有用なトルマリン処理水を生成することができるのである。
【0019】
また水処理器は、トルマリン鉱石粒を収納した容器を複数段直列に接続構成してなるので、これに流入する水は、水処理器を通水するだけで複数段の数だけ繰返しトルマリンと接触するので、接触水に対して繰り返しトルマリン鉱石の電流を供給できることになる。
【0020】
更にまた、受水槽内の中央部に配設した水処理器は、受水槽内で起こる対流により前記水処理器を通水してトルマリン鉱石と流圧をもって繰返し接触し得るので、受水槽内で貯溜している間に水を確実にトルマリン処理することが出来る。
【0021】
このように、本発明は、接触水に対して圧電効果によって効率的に発生するピアゾ電気を高効率に供給されるうえ、それが水取入口、中央部、流出口の3ヶ所で繰返し行われることにより確実に有用なトルマリン処理水にすることができるのである。しかもこのように有用なトルマリン処理水を生成するのに、新たなエネルギーを加える装置や器具を設ける必要がないので、経済的に安価である。
【0022】
特許を受けようとする第2発明は、第1発明に記載するように、受水槽内の水取入口からの流入水路上に前記水処理器を配設し、受水槽内の中央部には前記水処理器の一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、受水槽内の流出口直前には流出用水処理器を配設してなる受水槽において、更に当該受水槽内に水中ポンプを水中に沈めるように配設するとともに、当該水中ポンプで汲み上げた水の送水管を水処理器にまで配管して、送水が水処理器を通水するようになし、当該水処理器の中を通水する際に、その流水の勢いによりトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになすとともに、受水槽内に貯溜中の水に対流を起こさせてトルマリン鉱石と繰返し流圧をもって接触するようになし、受水槽内で貯溜する水に何度も圧力をもってトルマリン鉱石と接触することにより、高効率にトルマリン処理をするようにしたことを特徴とする受水槽で水を有用なトルマリン処理水にする方法である。
【0023】
当該第2発明は、第1発明の構成要素に加えて、受水槽内に水中ポンプを水中に沈めるように配設するとともに、当該水中ポンプで汲み上げた水の送水管を水処理器にまで配管して、送水が水処理器を通水するように構成したものである。これによって、当該水処理器の中を通水する際に、その流水の勢いによりトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになすとともに、受水槽内に貯溜中の水に対流を起こさせてトルマリン鉱石と繰返し流圧をもって接触するようになし、受水槽内で貯溜する水に何度も圧力をもってトルマリンと接触することにより、高効率にトルマリン処理をするようにした点に特徴がある。即ち、効率的なトルマリン処理を第1発明より強化したことが特徴の発明である。
【0024】
特許を受けようとする第3発明は、給配水するために一時的に水を貯溜しておく受水槽と、流入する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器を複数段直列に接続構成してなる水処理器と、流出する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器からなる流出用水処理器と、必要に応じて用いる水中ポンプと送水管とを用意する。そのうえで、前記受水槽内の水取入口からの流入水路上に前記水処理器を配設し、前記水取入口から流入してくる水が前記水処理器を通水する際にトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、受水槽内の中央部には前記水処理器の一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、当該貯溜中の水が、受水槽内で起こる対流により前記水処理器を通水して繰返しトルマリン鉱石と接触するようになし、受水槽内の流出口直前には流出用水処理器を配設し、水が当該受水槽の流出口から流出しようとするとき、前記流出用水処理器を通水してトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、更に必要に応じて受水槽内に水中ポンプを水中に沈めるように配設するとともに、汲み上げた水の送水管を水処理器の上方にまで配管して、当該水中ポンプで汲み上げた水が送水され水処理器の中を流入通水する際に、繰返しトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになす。本発明は、これら3ヶ所に配設した水処理器にて受水槽内の水とトルマリン鉱石とが強い圧力で繰返し接触することにより、有用なトルマリン処理水を生成するようにしたことを特徴とする有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽である。
【0025】
第3発明は、有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽である。第1発明、第2発明にかかる有用なトルマリン処理水を生成する方法を実施するための具体的装置を備えた高機能受水槽である。受水層は、給配水するために一時的に水を貯溜しておくためのものであり、ここで、有用なトルマリン処理水を生成してすぐに給配水して使用するので、トルマリン処理水の有益な効用の時間による劣化がなく合理的である。また、受水槽や給配水するための送水管の腐食を防止するので、以後のメンテナンスを大幅に軽減することができる。
【0026】
特許を受けようとする第4発明は、第1発明、第2発明、第3発明に記載する籠状又は網状の容器を上段、中段、下段と複数段に区分して直列に接続した構成となし、上段容器には粒径が約3.0〜5.0mmのトルマリン鉱石粒を充填し、中段容器には粒径が約1.5〜3.0mmのトルマリン鉱石粒を充填し、下段容器には0.5〜1.5mmのトルマリン鉱石粒を充填し、流入する水が各段のトルマリンに接触しながら通水できるようにしたことを特徴とする水処理器である。
【0027】
当該第4発明は、水処理器の発明である。容器を複数段に直列接続した構成にし、各段に粒径の異なるトルマリン鉱石粒を充填した点に特徴がある。複数段に区分して各段にトルマリン鉱石粒を充填しているので、この水処理器を通水するだけで、複数回繰返してトルマリン鉱石と接触させることが出来るのである。
【0028】
尚、トルマリン鉱石粒は、その粒径が小さくなっても、微弱電流を発生する機能は変わらないという特性があり、しかも粒径が小さければ各段の容器に入る数が増えて、電圧が大きくなるとされている。従って、上記のように各段毎に粒径を変えることにより、水に供給する電圧を変えることができるので、水質が多少異なっていても、水へのトルマリン処理を確実に行うことが出来る。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る有用なトルマリン処理水にする方法は、叙上のように、給配水するために一時的に貯溜する受水槽において、水をトルマリン鉱石に接触通水させてトルマリン処理をするものである。本発明は、受水槽において有用なトルマリン処理水を生成するものであるが、受水槽の水はトルマリン処理水を生成してすぐに給配水して使用する性質があるので、トルマリン処理水の有益な効用の時間による劣化がなく、有用性を発揮するのに合理的である。また、水は受水槽内にしばらくの間貯溜することになるので、その間繰返し水とトルマリン鉱石との接触をさせる時間を確保できる。そのため接触水を確実なトルマリン処理することが可能となるのである。
【0030】
更にまた、本発明の有用なトルマリン処理水にする方法は、水取入口、中央部、流出口の3ヶ所に水処理器を配設し、それぞれの水処理器において、水とトルマリン鉱石とを強い圧力で接触するように構成するので、接触水は圧電効果によって効率的に発生するピアゾ電気を効率的に供給され、水質の改良し確実に有用なトルマリン処理水にすることができるのである。しかも、水取入口、中央部、流出口の3ヶ所に設けた水処理器で、各複数回ずつ繰返し行われることになる。従って本発明の場合には、確実に有用なトルマリン処理水にすることができるのである。
【0031】
第4発明に係る有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽は、水とトルマリン鉱石とを強い圧力で接触するように構成するのに、その配置を特定するだけで、新たにエネルギーを加える設備を設けることなく、確実に有用なトルマリン処理水にすることができるものである。本発明は、このように経済的負担が少なくても本発明の効果を得ることが出来る点も特徴の一つである。更に、本発明は、設置済み又は使用中の受水槽であっても水処理器を水取入口、中央部、流出口の3ヶ所に設定するだけで、簡便に本発明に係る有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽に変身させることが出来るので非常に実用的である。
【0032】
本発明に係る受水槽で生成されたトルマリン処理水は、水をおいしくし、水道の塩素を取り除き、受水槽や配水管などの赤錆、スラム、スケール、ゴミを取り除くことができるので、当該受水槽のメンテナンスを以後ほとんどする必要がなくなった。また、本発明に係る受水槽で生成されたトルマリン処理水を使用すると、トルマリン処理水を用いた浴槽、洗面器、便器などの水まわりの黄ばみ、ぬめりがなくなり、それら水まわり機器類の清掃が楽になった。更に又、本発明に係る受水槽で生成されたトルマリン処理水を使用すると、排水管や排水マスなどの油・ゴミ・ヘドロがほとんど無くなり、それらの機器のメンテナンスが楽になった。いけばな、切花などは、水が酸化しにくくなり、約3倍の長持ちをするようになった。このように、本発明に係る受水槽を使用し、当該受水槽が生成するトルマリン処理水は、上記のような種々の有益効果を発現するようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽を用いて、受水槽で水を有用なトルマリン処理水にする方法を図示実施例に基づいて詳細に説明する。
【0034】
図1は有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽の一実施例を示す縦断正面図であり、図2は同受水槽の一実施例を示す横断平面図であり、図3は、本発明に係る受水槽に用いる水処理器の一実施例を示す斜視図である。
【0035】
図中1は、給配水するために一時的に水を貯溜しておく受水槽であり、2は、流入する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器を複数段直列に接続構成してなる水処理器であり、3は、流出する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器からなる流出用水処理器であり、4は、水中ポンプであり、5は、送水管である。前記受水槽1の上部には水取入口6が設けられており、前記受水槽1の下部には流出口7が設けられている。
【0036】
当該水処理器2は、籠状又は網状の容器10を上段10a、中段10b、下段10cと三段階に区分して直列に接続した構成となっている。そして、上段容器10aには粒径が約3.0〜5.0mmのトルマリン鉱石粒11aを充填し、中段容器10bには粒径が約1.5〜3.0mmのトルマリン鉱石粒11bを充填し、下段容器10cには0.5〜1.5mmのトルマリン鉱石粒11cを充填し、上段から流入する水が各段に充填されているトルマリン鉱石粒に接触しながら通水できるように構成されたものである。尚、この水処理器2は、受水槽1内の水取入口6に設けるものと、受水槽1内の中央部に設けるものとの2個を用意する。
【0037】
当該流出用水処理器3は、籠状又は網状の容器12にトルマリン鉱石粒13を収納したもので、流出する水が接触しながら通水できるように構成したものである。
【0038】
本発明は、まず、前記受水槽1内の水取入口6からの流入水路上に前記水処理器2を配設し、前記水取入口6から流入してくる水が前記水処理器2を通水する際にトルマリン鉱石11a,11b、11cと強い圧力で接触するようにする。
【0039】
図示実施例における受水槽1の水取入口6は、水の供給源が水道管8であり、その放水口9の先端が受水槽1内の上部開口に連結しているので、供給される水道水の水圧で勢いよく流入されてくる。そこで、本発明では当該水道管8の放水口9に水処理器2を取り付けることによって、当該受水槽1内の水取入口6からの流入水路上に前記水処理器2を配設する。これによって、前記水取入口6から流入してくる水の勢いにより前記水処理器2を通水する際にトルマリン鉱石11a,11b、11cと強い圧力で接触するようになす。
【0040】
次に受水槽1内の中央部には前記水処理器2の一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、当該貯溜中の水が、受水槽1内で起こる対流により前記水処理器2を通水してトルマリン鉱石11a,11b、11cと流圧をもって繰返し接触するようにする。尚、図示実施例においては、前記受水槽1内に水中ポンプ4,4を水中に沈めるように配設する。そのうえ汲み上げた水の送水管5,5を水処理器2の上方にまで配管して、当該水中ポンプ4,4で汲み上げた水が送水され、当該水処理器2の中を流入通水する際に、繰返しトルマリン鉱石11a,11b、11cと繰返し強い圧力で接触するように構成している。
【0041】
更に、受水槽1内の流出口7直前には流出用水処理器3を配設し、水が当該受水槽1の流出口7から流出しようとするとき、貯溜する水圧と流出口7の負圧とにより生じる流出水流とによって前記流出用水処理器3を通水してトルマリン鉱石13と強い圧力で接触するようにする。
【0042】
上記のように本発明に係る有用なトルマリン処理水にする方法は、水取入口6、中央部、流出口7の3ヶ所に設けた水処理器2,3において、水とトルマリン鉱石とを強い圧力で接触するようにしたので、接触した水には圧電効果によって効率的に発生するピアゾ電気を効率的に供給され、水質の改良し確実に有用なトルマリン処理水にすることができるのである。しかも、水取入口6、中央部、流出口7の3ヶ所に設けた水処理器2,3で各複数回ずつ繰返し行われることにより、確実に有用なトルマリン処理水にすることができるのである。
【0043】
本発明に係る有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽1で生成された有用なトルマリン処理水の有益性について、次のようにして確認した。
【0044】
第1に、本発明を実施して生成したマリン処理水を飲料水として官能検査をした。十人のパネラーに、水道水(対象区)とその水道水を原料として本発明により生成したマリン処理水(試料)とを用意し、両者を飲んでおいしさと塩素臭とを比較してもらった。その結果、全員が、マリン処理水の方が水道水より、円やかでおいしい水になっているし、塩素の臭いがなくなったとの評価を得た。
【0045】
第2に、使用中の受水槽を本発明に係るトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽1に改造して、継続して使用したところ、当初の10日間は赤さび、スケール、ゴミなどが多量に配管の蛇口からでてきたが、次第に消えてきて2週間後には、きれいな水がでてくるようになった。調べてみると、配水管も受水槽もその内側がピカピカに磨かれたようにきれいになっており、ぬめりも取り除かれていた。これでは関連する水まわりのメンテナンスが殆んど必要ではなくなった。また、トルマリン処理水を使用した浴槽や洗面器や便器の黄ばみや、ぬめりが殆んど無くなり、それらの清掃が楽になった。更に、排水管の詰まりや、油、カビ、ゴミなどが少なくなって悪臭も弱くなった。更にまた、いけ花、切り花は、普通の水道水と比較して3〜4倍長持ちすることを確認した。これらのトルマリン処理水の有益性は、界面活性効果、抗菌効果、水の活性化、酸化還元電位の低下といった、作用効果が強く発現しているものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】有用なトルマリン処理水生成機能を備えた受水槽の一実施例を示す縦断正面図である。
【図2】同受水槽の一実施例を示す横断平面図である。
【図3】本発明に係る受水槽に用いる水処理器の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1:受水槽
2:水処理器
3:流出用水処理器
4:水中ポンプ
5:送水管
6:水取入口
7:流出口
8:水道管9
9:放水口
10a:上段容器
10b:中段容器
10c:下段容器
11a:トルマリン鉱石粒
11b:トルマリン鉱石粒
11c:トルマリン鉱石粒
12:容器
13:トルマリン鉱石粒


【特許請求の範囲】
【請求項1】
給配水のために一時的に水を貯溜しておく受水槽において、
流入する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器を複数段直列に接続構成してなる水処理器と、流出しようとする水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器からなる流出用水処理器とを用意し、
当該受水槽内の水取入口からの流入水路上に前記水処理器を配設し、前記水取入口から流入してくる水の勢いにより前記水処理器を通水する際にトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、
当該受水槽内の中央部に前記水処理器の一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、当該貯溜中の水が、受水槽内で起こる対流により前記水処理器を通水してトルマリン鉱石と流圧をもって繰返し接触するようになし、
当該受水槽内の流出口直前には流出用水処理器を配設し、水が当該受水槽の流出口から流出しようとするときは、貯溜する水圧と流出口の負圧とにより生じる流出水流とによって前記流出用水処理器を通水する際にトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、
受水槽内で貯溜する水に繰返し圧力をもってトルマリン鉱石と接触することにより、高効率にトルマリン処理をするようにしたことを特徴とする受水槽で水を有用なトルマリン処理水にする方法。
【請求項2】
請求項1に記載するように、受水槽内の水取入口からの流入水路上に前記水処理器を配設し、受水槽内の中央部には前記水処理器の一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、受水槽内の流出口直前には流出用水処理器を配設してなる受水槽において、
更に当該受水槽内に水中ポンプを水に沈めるように配設するとともに、当該水中ポンプで汲み上げた水の送水管を水処理器にまで配管して、汲み上げられた水が送水され水処理器を通水するようになし、当該水処理器の中を通水する際に、その流水の勢いによりトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになすとともに、受水槽内に貯溜中の水に対流を起こさせて当該水処理器の中を通水するようになし、トルマリン鉱石と繰返し流圧をもって接触するようになし、
受水槽内で貯溜する水に繰返し圧力をもってトルマリン鉱石と接触することにより、高効率にトルマリン処理をするようにしたことを特徴とする受水槽で水を有用なトルマリン処理水にする方法。
【請求項3】
給配水するために一時的に水を貯溜しておく受水槽と、
流入する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器を複数段直列に接続構成してなる水処理器と、
流出する水が接触しながら通水できるようにトルマリン鉱石粒を収納した容器からなる流出用水処理器と、
必要に応じて用いる水中ポンプと送水管とを用意し、
前記受水槽内の水取入口からの流入水路上に前記水処理器を配設し、前記水取入口から流入してくる水が前記水処理器を通水する際にトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、
受水槽内の中央部には、前記水処理器の一部又は全部が貯溜水中に沈むように配設し、当該貯溜中の水が受水槽内で起こる対流により前記水処理器を通水して繰返しトルマリン鉱石と接触するようになし、
受水槽内の流出口直前には流出用水処理器を配設し、水が当該受水槽の流出口から流出しようとするとき、前記流出用水処理器を通水してトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、
更に必要に応じて受水槽内に水中ポンプを水中に沈めるように配設するとともに、汲み上げた水の送水管を水処理器の上方にまで配管して、当該水中ポンプで汲み上げた水が送水され水処理器の中を流入通水する際に、繰返しトルマリン鉱石と強い圧力で接触するようになし、
これら3ヶ所に配設した水処理器にて受水槽内の水とトルマリン鉱石とが強い圧力で繰返し接触することにより、有用なトルマリン処理水を生成するようにしたことを特徴とする有用なトルマリン処理水生成機能を備えた給配水用受水槽。
【請求項4】
請求項1、請求項2、請求項3に記載する水処理器が、籠状又は網状の容器を上段、中段、下段と三段階に区分して直列に接続した構成となし、上段容器には粒径が約3.0〜5.0mmのトルマリン鉱石粒を充填し、中段容器には粒径が約1.5〜3.0mmのトルマリン鉱石粒を充填し、下段容器には0.5〜1.5mmのトルマリン鉱石粒を充填し、流入する水が各段のトルマリン鉱石に接触しながら通水するようにしたことを特徴とする水処理器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−6343(P2008−6343A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177135(P2006−177135)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(300070114)イ・アール・エス販売株式会社 (1)
【Fターム(参考)】