説明

可搬型放射線画像変換装置、放射線画像撮影システム及びプログラム

【課題】通気を行うことができ、かつ異物の侵入を抑制することができる可搬型放射線画像変換装置、放射線画像撮影システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】放射線検出器60及び電子カセッテ制御部64が収納されると共に、通気口が形成された筐体、当該筐体に設けられ、通気口を開放及び閉塞する蓋部材、通気口を開放及び閉塞するように蓋部材を移動させるアクチュエータ106、放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、通気口が開放または閉塞されるようにアクチュエータ106を制御するCPU64Aを有する電子カセッテ32と、環境情報を電子カセッテ32に入力する送受信機42Hを有するコンソール42と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型放射線画像変換装置、放射線画像撮影システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上にX線感応層を配置し、X線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等を用いて照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像情報を生成し、生成した画像情報を記憶する可搬型放射線画像変換装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)が実用化されている。
【0003】
電子カセッテは、照射された放射線により発生する微弱な信号を検出して放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路を筐体に収納しており、当該画像情報を生成する際に電子回路で発生する熱の影響で信号の検出結果が一定とならず、画質が低下する場合がある、という問題が知られている。
【0004】
この問題を解決するための技術として、特許文献1には、電子カセッテの筐体にファンを設け、ファンによる送風で筐体内の電子回路を冷却する技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、電子カセッテの筐体に通気口を設け、非撮影時に通気口を開放して筐体内の空気を当該通気口から外に排出すると共に、当該通気口から筐体内に外気を取り込むことにより装置全体を冷却する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2001−281345号公報
【特許文献2】特開平10−177224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、筐体内が密閉された空間となっているため、電子回路を十分に冷却することができない、という問題点があった。
【0007】
特許文献2の技術では、筐体内の空気を通気口から外に排出すると共に、通気口から外気を筐体内に取り込むようにしているので、特許文献1の技術よりも高い冷却効果が期待できるものの、例えば、手術中に電子カセッテを使用する場合、非撮影時に通気口が開放されていると、筐体内が外部に曝されるため、筐体内に血液などの異物が侵入する虞がある、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、通気を行うことができ、かつ異物の侵入を抑制することができる可搬型放射線画像変換装置、放射線画像撮影システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の可搬型放射線画像変換装置は、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路が収納されると共に、通気口が形成された筐体と、前記筐体に設けられ、前記通気口を開放及び閉塞する蓋体と、前記通気口を開放及び閉塞するように前記蓋体を移動させる移動手段と、前記放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、前記通気口が開放または閉塞されるように前記移動手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載の可搬型放射線画像変換装置によれば、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路が収納される筐体に形成された通気口を開放及び閉塞する蓋体は通気口を開放及び閉塞するように移動手段によって移動される。
【0011】
ここで、本発明では、制御手段により、放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、通気口が開放または閉塞されるように移動手段が制御される。
【0012】
このように、本発明の可搬型放射線画像変換装置によれば、放射線画像を撮影する環境に応じて筐体に形成された通気口が開放または閉塞されるので、通気を行うことができ、かつ異物の侵入を抑制することができる。
【0013】
なお、請求項1に記載の可搬型放射線画像変換装置は、請求項2に記載の発明のように、前記環境情報と前記通気口を開放するか閉塞するかを示す開閉情報とが関連付けられて記憶された記憶手段と、環境情報を受け付ける受付手段と、を更に備え、前記制御手段が、前記受付手段により受け付けられて入力された前記環境情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられている開閉情報を前記記憶手段から読み出し、当該開閉情報に応じて前記通気口が開放または閉塞されるように前記移動手段を制御するものとしても良い。これにより、受付手段が環境情報を受け付けることにより通気口を開放または閉塞するための制御が行われるので、ユーザが意図しないタイミングで通気口が開放または閉塞することを防止することができる。
【0014】
また、請求項2記載の可搬型放射線画像変換装置は、請求項3記載の発明のように、前記制御手段が、前記受付手段が前記記憶手段に記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する開閉情報を受け付けた場合には当該他の環境情報及び当該開閉情報を関連付けて前記記憶手段に記憶する制御を行うものとしても良い。これにより、記憶手段における環境情報及び当該環境情報に関連付けられた開閉情報を増やすことができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0015】
また、請求項2又は請求項3記載の可搬型放射線画像変換装置は、請求項4記載の発明のように、前記記憶手段に、前記環境情報に対応させて当該環境情報により示される環境での前記放射線画像の撮影可能枚数を示す撮影可能枚数情報を関連付けて記憶し、前記制御手段が、前記受付手段により受け付けられて入力された前記環境情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられた撮影可能枚数情報を前記記憶手段から読み出し、当該撮影可能枚数情報により示される撮影可能枚数が予め定められた枚数未満である場合に撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを表示するように制御を行うものとしても良い。これにより、撮影者は撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを意識しながら撮影を行うことができるので、重要度の異なる複数枚の放射線画像を得るにあたり、重要度の高い放射線画像を得る前に撮影ができなくなるという事態の発生を回避することができる。
【0016】
また、請求項4記載の可搬型放射線画像変換装置は、請求項5記載の発明のように、前記制御手段が、前記受付手段が前記記憶手段に記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する撮影可能枚数情報を受け付けた場合には当該他の環境情報及び当該撮影可能枚数情報を関連付けて前記記憶手段に記憶する制御を行うものとしても良い。これにより、記憶手段における環境情報及び当該環境情報に関連付けられた撮影可能枚数情報を増やすことができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0017】
また、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置は、請求項6記載の発明のように、前記筐体が予め定められた場所に設置されたことを検知する検知手段を更に備え、前記制御手段が、前記検知手段により前記筐体が予め定められた場所に設置されたことが検知された場合に、前記通気口を開放するように前記移動手段を制御するものとしても良い。これにより、可搬型放射線画像変換装置を予め定められた場所に設置することにより通気口を開放することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0018】
一方、上記目的を達成するために、請求項7記載の放射線画像撮影システムは、 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置と、前記環境情報を前記可搬型放射線画像変換装置に入力する入力手段を有する通信装置と、を備えている。
【0019】
請求項7に記載の放射線画像撮影システムによれば、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置と同様に作用するので、当該可搬型放射線画像変換装置と同様の効果を得ることができる。
【0020】
一方、上記目的を達成するために、請求項8記載のプログラムは、コンピュータを、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路が収納されると共に、通気口が形成された筐体の当該通気口を、前記放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、開放するか閉塞するかを判断する判断手段、及び前記判断手段による判断結果に応じて前記通気口が開放または閉塞されるように、前記通気口を開放及び閉塞するように前記蓋体を移動させる移動手段を制御する制御手段として機能させるためのものである。
【0021】
従って、請求項8記載のプログラムによれば、請求項1に記載の発明と同様に作用するので、請求項1に記載の発明と同様に、通気を行うことができ、かつ異物の侵入を抑制することができる。
【0022】
また、請求項9記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置を構成する制御手段として機能させるためのものである。
【0023】
従って、請求項9記載のプログラムによれば、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置と同様に作用するので、当該可搬型放射線画像変換装置と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、通気を行うことができ、かつ異物の侵入を抑制することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0026】
〔第1の実施形態〕
【0027】
先ず、本第1の実施形態に係る放射線情報システム10の構成について説明する。図1には、本第1の実施形態に係る放射線情報システム10{以下、「RIS10」(RIS:Radiology Information System)とも称する。)の各構成要素を示すブロック図が示されている。
【0028】
RIS10は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)の一部を構成する。
【0029】
RIS10は、複数の撮影依頼入力端末12(以下、「入力端末12」とも称する。)と、RISサーバ14と、複数の放射線画像撮影システム18(以下、「撮影システム18」とも称する。)と、を含んで構成されている。
【0030】
RISサーバ14は、RIS10全体の管理をするものであり、LAN(Local Area Network)ケーブル20又は無線LAN22により、各入力端末12及び撮影システム18と相互通信が可能に構成されている。また、RISサーバ14は、HIS全体の管理をするHISサーバ24に接続されている。
【0031】
入力端末12は、医師26(図2を参照。)や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力・閲覧をするためのものであり、放射線画像の撮影依頼(撮影予約)もこの入力端末12からなされる。各入力端末12は、表示装置付きのパーソナルコンピュータから構成され、RISサーバ14とLANにより接続されて相互通信が可能となっている。
【0032】
RISサーバ14は、各入力端末12からの撮影依頼を受け付け、撮影システム18における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース28を含んで構成されている。
【0033】
データベースは、患者30(図2を参照。)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液、患者ID等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等、患者30に関する情報、撮影システム18の電子カセッテ32の識別番号、型式、サイズ、感度、使用可能な撮影部位(対応可能な撮影依頼の内容)、使用開始年月日、使用回数等、電子カセッテ32に関する情報、及び電子カセッテ32を用いて放射線画像を撮影する環境、すなわち、電子カセッテ32を使用する環境(一例として、手術室や放射線画像の撮影専用に設置された撮影室など)を示す環境情報を含んで構成されている。
【0034】
撮影システム18は、RISサーバ14からの指示に応じて医師26や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム18は、撮影条件に従った放射線量からなる放射線Xを被写体としての患者30に照射する撮影装置34と、患者30を透過した放射線Xを検出し、放射線画像情報に変換する放射線検出器(後述)を内蔵する電子カセッテ32と、前記放射線検出器によって検出された放射線Xに基づく放射線画像を表示する表示装置36と、電子カセッテ32に内蔵されるバッテリ38(図3、図4及び図11を参照。)を充電するクレードル40と、電子カセッテ32、撮影装置34、表示装置36及びクレードル40を制御するコンソール42と、を備える。電子カセッテ32、撮影装置34、表示装置36及びクレードル40と、コンソール42との間では、無線通信による信号の送受信が行われる。
【0035】
図2には、本第1の実施形態に係る撮影システム18を配置した様子の一例として、撮影システム18が撮影室としての手術室44内に設置された様子が示されている。図2の手術室44では、撮影システム18に加えて、患者30が横臥する手術台46が配置されると共に、医師26が手術に使用する各種器具が載置される器具台48が手術台46の側部に配置される。また、手術台46の周りには、麻酔器、吸引器、心電計、血圧計等、手術に必要な様々な機器が配置される(これらの機器は、図2では省略されている。)。
【0036】
撮影装置34は、自在アーム50に連結され、患者30の撮影部位に応じた所望の位置に移動可能であると共に、医師26による手術の邪魔とならない位置に待避可能である。同様に、表示装置36は、自在アーム52に連結され、撮影された放射線画像を医師26が容易に確認できる位置に移動可能である。
【0037】
図2の例は、撮影システム18が手術室44内に設置されているが、放射線画像の撮影専用に設置された撮影室内等、他の場所に撮影システム18を設置しても良い。
【0038】
図3には、電子カセッテ32の内部構成を示す図が示されている。
【0039】
同図に示すように、電子カセッテ32は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体54を備えている。筐体54の内部には、放射線Xが照射される筐体54の照射面56側から、患者30による放射線Xの散乱線を除去するグリッド58、患者30を透過した放射線Xを検出する放射線検出器60(放射線変換パネル)、及び、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板62が順に配設される。なお、筐体54の照射面56をグリッド58として構成してもよい。
【0040】
また、筐体54の内部には、電子カセッテ32の電源であるバッテリ38と、バッテリ38から供給される電力により放射線検出器60を駆動制御する電子カセッテ制御部64と、放射線検出器60によって検出した放射線Xの情報を含む信号をコンソール42との間で送受信する送受信機66とが収容される。
【0041】
電子カセッテ32は、手術室44等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ32を防水性、密閉性を有する構造とし、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ32を繰り返し続けて使用することができる。
【0042】
電子カセッテ32は、手術室44で使用される場合に限られるものではなく、例えば、検診や病院内での回診にも適用することができる。
【0043】
また、電子カセッテ32と外部機器との間での無線通信は、通常の電波による通信に代えて、赤外線等を用いた光無線通信で行うようにしても良い。
【0044】
図4には、放射線検出器60の回路構成を示すブロック図が示されている。放射線検出器60は、放射線Xを感知して電荷を発生させるアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる光電変換層68を行列状の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)70のアレイの上に配置した構造を有し、発生した電荷を蓄積容量72に蓄積した後、各行毎にTFT70を順次オンにして、電荷を画像信号として読み出す。図4では、光電変換層68及び蓄積容量72からなる1つの画素74と1つのTFT70との接続関係のみを示し、その他の画素74の構成については省略している。なお、アモルファスセレンは、高温になると構造が変化して機能が低下してしまうため、所定の温度範囲内で使用する必要がある。従って、電子カセッテ32内に放射線検出器60を冷却する手段を配設することが好ましい。また、放射線検出器60は、アモルファスセレンのような放射線Xを直接的に電荷に変換するX線-電荷変換材料の代わりに、蛍光体材料と光電変換素子(フォトダイオード)を用いて間接的に電荷に変換しても良い。蛍光体材料としては、ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)が良く知られている。この場合、蛍光材料によってX線−光変換を行い、光電変換素子のフォトダイオードによって光−電荷変換を行う。
【0045】
各画素74に接続されるTFT70には、行方向と平行に延びるゲート線76と、列方向と平行に延びる信号線78とが接続される。各ゲート線76は、ライン走査駆動部80に接続され、各信号線78は、読取回路を構成するマルチプレクサ82に接続される。
【0046】
ゲート線76には、行方向に配列されたTFT70をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部80から供給される。この場合、ライン走査駆動部80は、ゲート線76を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ84とを備える。アドレスデコーダ84には、電子カセッテ制御部64からアドレス信号が供給される。
【0047】
また、信号線78には、列方向に配列されたTFT70を介して各画素74の蓄積容量72に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器86によって増幅される。増幅器86には、サンプルホールド回路88を介してマルチプレクサ82が接続される。マルチプレクサ82は、信号線78を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ90とを備える。アドレスデコーダ90には、電子カセッテ制御部64からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ82には、A/D変換器92が接続され、A/D変換器92によってデジタル信号に変換された放射線画像情報が電子カセッテ制御部64に供給される。
【0048】
次に、図5〜図10を参照しながら電子カセッテ32の発熱部を冷却するための構成について説明する。なお、上記発熱部としては、例えば、バッテリ38、放射線検出器60、電子カセッテ制御部64、各種回路のうち発熱する発熱回路、各種素子のうち発熱する発熱素子が該当する。
【0049】
図5は、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32の外観を示す斜視図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。図6は、図5のa−a線断面図である。図7は、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32の外観を示す斜視図であり、通気口が開放された状態を示す図である。図8は、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32の開閉機構を示す正面図であり、通気口が開放された状態を示す図である。図9は、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32の開閉機構を示す部分断面図である。図10は、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32の開閉機構を示す正面図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。
【0050】
電子カセッテ32の筐体54は、外縁に4辺54A,54B,54C,54Dを有する形状、具体的には、四辺形状(四角形状)をしている。より具体的には、電子カセッテ32の筐体54は、長方形状をしている。また、筐体54は、角が丸くなった形状をしている。図2及び図3では、筐体54の形状を概略的に示しており、角を有する形状となっている。なお、筐体54は、角を有する形状であっても良い。
【0051】
4辺54A,54B,54C,54Dをなす筐体54の側面94A,94B,94C,94Dには、図6及び図7に示すように、筐体54の内部へ外気を取り込み可能な通気口96が形成されている。なお、側面94Aが辺54Aに対応し、側面94Bが辺54Bに対応し、側面94Cが辺54Cに対応し、側面94Dが辺54Dに対応している。
【0052】
通気口96は、筐体54の全周にわたって連通し、側面94A,94B,94C,94Dに形成された単一の開口で構成されている。なお、通気口96は、側面94A,94B,94C,94Dのそれぞれに独立して形成される構成であっても良く、また、側面94A,94B,94C,94Dのうちの2つ又は3つの側面が連通する構成であっても良い。更に、通気口96は、発熱部に対応して配置されていれば良く、発熱部が4辺54A,54B,54C,54Dのうちの1辺に沿って配置される場合には、その1辺をなす側面94A,94B,94C,94Dに形成されていれば良い。従って、通気口96は、側面94A,94B,94C,94Dのうちの何れかに少なくとも形成されていれば良い。
【0053】
また、通気口96は、2つの側面に形成される場合には、対向する側面(例えば、側面94A、側面94C)に形成される構成あっても良く、また、隣接する側面(例えば、側面94A、側面94B)に形成される構成であっても良い。
【0054】
筐体54には、通気口96を覆う蓋部材98が設けられている。
【0055】
蓋部材98は、無端の環状にされた帯体で形成されている。蓋部材98は、側面94A,94B,94C,94D及び通気口96を筐体20の外面側から覆うと共に、各側面を締め付けるように筐体54の側面94A,94B,94C,94Dに設けられており、筐体54の外側から加わる衝撃を吸収する弾性材で形成されている。すなわち、蓋部材98は筐体54の外側から加わる衝撃を吸収する緩衝部材としても機能する。蓋部材98を構成する弾性材としては、例えば、ゴムや樹脂が用いられる。
【0056】
蓋部材98には、図6に示すように、通気口96に入り込む凸部98Aが形成されている。この凸部98Aにより、蓋部材98と筐体54との接触面積が増大し、筐体54の密閉性が高められる。
【0057】
図8に示すように、電子カセッテ32は、蓋部材98を開放または閉塞させる開閉機構100を備えている。開閉機構100は、筐体54にスライド移動可能に設けられたスライダ102と、スライダ102に設けられたリンク部材104と、スライダ102をスライド移動させるアクチュエータ106と、を備えている。
【0058】
図9に示すように、スライダ102、リンク部材104及びアクチュエータ106は、通気口96を間に挟むように筐体54の両側にそれぞれ配置されている。
【0059】
リンク部材104は、先端部が蓋部材98に回動可能に取り付けられると共に後端部がスライダ102に回動可能に取り付けられている。
【0060】
具体的には、リンク部材104の先端部は、蓋部材98に接着等により固定されると共に薄肉とされた脆弱部98Bを回動中心として回動するようになっている。一方、リンク部材104の後端部は、スライダ102に軸部108により回動可能に支持され、軸部108を回動中心として回動するようになっている。
【0061】
スライダ102は、筐体54に設けられたレール110に取り付けられており、このレール110に案内されて筐体54の側面94Bに沿ってスライド移動可能とされている。具体的には、スライダ102は、リンク部材104の先端部が取り付けられた蓋部材98の部位に軸部108が対向する対向位置(図8参照。)と、リンク部材104の長さよりも若干短い距離分対向位置から退避した退避位置(図10参照。)との間をスライド移動可能とされている。
【0062】
本第1の実施形態に係る電子カセッテ32では、アクチュエータ106としてソレノイドを適用している。上記ソレノイドは、プランジャがケース内に吸引されているときにスライダ102が退避位置に位置し、プランジャがケースから引き出されているときにスライダ102が対向位置に位置するように、ケースが筐体54の内壁に、プランジャがスライダ102に各々固定されている。上記ソレノイドは通電時にプランジャがケース内に吸引され、非通電時には巻装されたコイルばねの付勢力によりプランジャがケースから引き出される。
【0063】
スライダ102がアクチュエータ106により対向位置に移動すると、図8に示すように、リンク部材104の長手方向が辺54Bと直交する方向に向き、リンク部材104の先端部が筐体54の外側へ突出して蓋部材98を筐体54の外側へ押圧する。これにより、蓋部材94が通気口96を開放する開放位置へ移動する。
【0064】
一方、スライダ102がアクチュエータ106により退避位置に移動すると、図10に示すように、リンク部材104の長手方向が辺54Bに沿った方向に向き、リンク部材104の先端部が筐体54の内側に収納されて蓋部材98が筐体54の外側から筐体54側へ引っ張られる。これにより、蓋部材98が通気口96を閉塞する閉塞位置へ移動する。
【0065】
このように、スライダ102がスライド移動することにより、リンク部材104が筐体54の側面94Bに対して起立して蓋部材98が開放位置へ移動し、リンク部材104が筐体54の側面94Bに対して傾倒して蓋部材62が閉塞位置へ移動する。
【0066】
上記では、辺54Bをなす側面94Bに配置された開閉機構100について説明したが、開閉機構100は各側面94A,94C,94Dにも配置されており、通気口96は、各側面94A,94B,94C,94Dにおいて蓋部材98を独立して開閉する構成となっている。なお、開閉機構100は、少なくとも側面94A,94B,94C,94Dの何れかに配置されていれば良い。
【0067】
また、通気口96が開放された状態において外気を筐体54内部に流通させるためのファンを筐体54内部に設けても良い。
【0068】
図11は、本第1の実施形態に係る放射線画像撮影システム18のより詳細な構成を示すブロック図である。
【0069】
同図に示すように、撮影装置34は、撮影スイッチ34Aと、放射線Xを出力する放射線源34Bと、コンソール42から無線通信により撮影条件等に関する信号を受信する一方、コンソール42に対して無線通信による撮影完了信号等の信号を送信する送受信機34Cと、撮影スイッチ34Aから供給される撮影開始信号及び送受信機34Cから供給される撮影条件に基づいて放射線源34Bを制御する線源制御部34Dと、を備えている。
【0070】
撮影装置34の線源制御部34Dは、コンソール42の送受信機42H(後述)及び撮影装置34の送受信機34Cを介して、コンソール42のCPU(中央処理装置)42Aより患者30の撮影条件を無線通信により取得し、取得した撮影条件に従って放射線源34Bを制御することにより、所定の放射線量からなる放射線Xを患者30に照射する。
【0071】
電子カセッテ32は、バッテリ38と、電子カセッテ制御部64と、コンソール42から無線通信により前述した環境情報などの各種情報を受信する一方、撮影して得られた放射線画像情報をコンソール42に無線通信により送信する送受信機66と、放射線検出器60と、を備えている。
【0072】
バッテリ38は、電子カセッテ制御部64、送受信機66、放射線検出器60、及び電子カセッテ制御部64からの指示に従ってアクチュエータ106の作動を制御するドライバ120に電気的に接続されており、各部に電力を供給する。
【0073】
電子カセッテ制御部64は、CPU64A、ROM(Read Only Memory)64B、RAM(Random Access Memory)64C、NVM(Non Volatile Memory)64D、及び画像メモリ64Eを含んで構成されている。
【0074】
CPU64Aは、電子カセッテ32全体の動作を司るものである。ROM64Bは、電子カセッテ32の作動を制御する制御プログラム、後述する開閉制御処理プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM64Cは、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM64Dは、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。画像メモリ64Eは、放射線検出器60によって検出された放射線画像情報を記憶するものである。
【0075】
なお、本第1の実施形態に係るNVM64Dには、前述した環境情報と通気口96を開放するか閉塞するかを示す開閉情報とが関連付けられて予め記憶されており、更に、当該環境情報と当該環境情報により示される環境での放射線画像の撮影可能枚数を示す撮影可能枚数情報とが関連付けられて予め記憶されている。
【0076】
CPU64Aには、放射線検出器60、ROM64B、RAM64C、NVM64D、画像メモリ64E及び送受信機66が接続されている。また、CPU64Aには、ドライバ120を介してアクチュエータ106が接続されている。従って、CPU64Aは、放射線検出器60を構成するライン走査駆動部80(図4を参照。)のアドレスデコーダ84及びマルチプレクサ82のアドレスデコーダ90に対してのアドレス信号の供給と、ROM64B、RAM64C、NVM64D及び画像メモリ64Eへのアクセスと、コンソール42との送受信機66を介した各種情報の送受信と、ドライバ120を介したアクチュエータ106の作動の制御と、を各々行うことができる。
【0077】
クレードル40は、クレードル40全体の動作を制御するクレードル制御部40Aと、コンソール42との間で無線通信により各種情報の送受信を行う送受信機40Bと、電子カセッテ32のバッテリ38に電力を供給する電力供給部40Cと、を備えている。
【0078】
なお、本第1の実施形態に係るクレードル40では、電子カセッテ32が装填されることにより、電力供給部40Cがバッテリ38に電力を供給すると共に、画像メモリ64Eに放射線画像情報が記憶されている場合にはクレードル制御部40Aが当該放射線画像情報を取得し、取得した放射線画像情報を送受信機40Bを介してコンソール42に送信する。
【0079】
表示装置36は、コンソール42から放射線画像情報を受信する受信機36Aと、受信した放射線画像情報の表示制御を行う表示制御部36Bと、表示制御部36Bによって処理された放射線画像情報を表示する表示部36Cと、を備えている。
【0080】
コンソール42は、CPU42A、ROM42B、RAM42C、NVM42D、受付部42E,表示制御部42F、表示部42G及び送受信機42Hを備えている。
【0081】
CPU42Aは、コンソール42全体の動作を司るものである。ROM42Bは、コンソール42の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM42Cは、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM42Dは、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。受付部42Eは、複数のキーを含んで構成され、各種情報や指示を受け付けるものである。表示制御部42Fは、受信した各種情報の表示制御を行うものである。表示部42Gは、表示制御部42Fによって処理された各種情報を表示するものである。送受信機42Hは、放射線画像情報、環境情報などの各種情報を無線通信により送受信するものである。
【0082】
なお、本第1の実施形態では、表示部36C,42GとしてLCD(Liquid Crystal Display)を用いて可視表示を行っているが、これに限らず、表示部36C,42Gとして有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ等の他のディスプレイを用いて可視表示を行っても良い。
【0083】
次に、本第1の実施形態に係るRIS10の全体的な動作について簡単に説明する。
【0084】
入力端末12は、医師26又は放射線技師からの、環境情報を含む撮影依頼を受け付ける。当該撮影依頼では、電子カセッテ32を使用する環境、撮影の日時及び撮影条件{撮影の部位、角度及び枚数、放射線Xを照射するための管電圧、管電流、照射時間並びに電子カセッテ32のサイズ及び感度等}が指定される。
【0085】
入力端末12は、受け付けた撮影依頼の内容をRISサーバ14に通知する。RISサーバ14は、入力端末12から通知された撮影依頼の内容をデータベース28に記録する。
【0086】
コンソール42は、RISサーバ14にアクセスすることにより、RISサーバ14から撮影依頼の内容及びこれに関連付けられた環境情報を取得し、撮影依頼の内容を表示部42Gに表示する。
【0087】
医師26や放射線技師が表示部42Gに表示された撮影依頼の内容に基づいて放射線画像の撮影を開始すると、撮影装置34の放射線源34Bから患者30に放射線Xが照射される。当該放射線Xは患者30を透過し、電子カセッテ32のグリッド58によって散乱線が除去された後、放射線検出器60に照射され、放射線検出器60を構成する各画素74の光電変換層68によって電気信号に変換され、蓄積容量72に電荷として保持される(図4参照。)。次いで、各蓄積容量72に保持された患者30の放射線画像情報である電荷情報は、電子カセッテ制御部64を構成するCPU64Aからライン走査駆動部80及びマルチプレクサ82に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
【0088】
すなわち、ライン走査駆動部80のアドレスデコーダ84は、CPU64Aから供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線76に接続されたTFT70のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ82のアドレスデコーダ90は、CPU64Aから供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部80によって選択されたゲート線76に接続された各画素74の蓄積容量72に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線78を介して順次読み出す。
【0089】
選択されたゲート線76に接続された各画素74の蓄積容量72から読み出された放射線画像情報は、各増幅器86によって増幅された後、各サンプルホールド回路88によってサンプリングされ、マルチプレクサ82を介してA/D変換器92に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像情報は、電子カセッテ制御部64の画像メモリ64Eに一旦記憶された後、送受信機66を介して、無線通信によりコンソール42に送信される。
【0090】
同様にして、ライン走査駆動部80のアドレスデコーダ84は、CPU64Aから供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線76に接続されている各画素74の蓄積容量72に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線78を介して読み出し、マルチプレクサ82及びA/D変換器92を介して電子カセッテ制御部64の画像メモリ64Eに記憶させる。
【0091】
コンソール42に送信された放射線画像情報は、送受信機42Hによって受信され、CPU42Aにおいて所定の画像処理が施された後、患者30の患者情報と関連付けられた状態でNVM42Dに記憶される。
【0092】
また、画像処理の施された放射線画像情報は、送受信機42Hから表示装置36に送信される。受信機36Aによって放射線画像情報を受信した表示装置36は、表示制御部36Bによって表示部36Cを制御し、放射線画像を表示する。医師26は、表示部36Cに表示された放射線画像を確認しながら手術を遂行する。
【0093】
ところで、コンソール42は、RISサーバ14から撮影依頼に含まれる環境情報を取得すると、当該環境情報を送受信機42Hを介して所定の電波強度(例えば、手術室44の何れの位置においても通信を確立できる電波強度)で送信し続ける。電子カセッテ32は、環境情報を受信すると、電子カセッテ32の通気口96を開放または閉塞するための制御を行う処理(開閉制御処理)を実行する。また、電子カセッテ32は、環境情報を受信すると、受信が完了したことを示す受信完了情報をコンソール42に送信する。コンソール42は、当該受信完了情報を受信すると、環境情報の送信を停止する。
【0094】
なお、本第1の実施形態に係るコンソール42では、RISサーバ14から環境情報を取得しているが、これに限らず、受付部42Eを介して環境情報を取得しても良い。
【0095】
次に、図12を参照して、上記開閉制御処理を実行する際の電子カセッテ32の処理ルーチンを説明する。なお、図12は、この際に電子カセッテ32のCPU64Aによって実行される開閉制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM64Bの所定領域に予め記憶されている。
【0096】
同図のステップ200では、受信した環境情報がNVM64Dに記憶されているか否かを判定し、否定判定となった場合には本開閉制御処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合にはステップ202へ移行し、NVM64Dから当該環境情報に関連付けられている撮影可能枚数情報を読み出す。
【0097】
次のステップ204では、上記ステップ202で読み出した撮影可能枚数情報により示される撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ206の処理を実行せずにステップ208へ移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ206へ移行し、撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報をコンソール42に送信する。コンソール42のCPU42Aは、送受信機42Hを介して当該情報を受信し、表示部42Gに対して、撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報を表示させると共に、表示装置36の表示部36Cに対して撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報を表示させるための表示情報を送受信機42Hを介して表示装置36に送信する。表示装置36の表示制御部36Bは、受信機36Aを介して当該表示情報を受信し、表示部36Cに対して撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報を表示させる。
【0098】
なお、本第1の実施形態に係る撮影システム18では、撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報を表示する形態例として、表示部36C,42Gを用いて可視表示を行う形態例を適用しているが、これに限らず、表示部36C,42Gによる可視表示に代えてスピーカ等の音声再生装置を用いて可聴表示を行ったり、印字することによる永久可視表示を行っても良い。また、上記可視表示、可聴表示及び永久可視表示の複数を組み合わせても良い。
【0099】
また、上記予め定められた枚数としては、筐体54内部の温度が上昇して放射線画像の画質が低下するものとして予め定められた撮影枚数が例示できる。
【0100】
ステップ208では、NVM64Dから、受信した環境情報に関連付けられている開閉情報を読み出し、次のステップ210では、上記ステップ208で読み出した開閉情報が通気口96を開放することを示しているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ212へ移行する。
【0101】
ステップ212では、通気口96が開放されているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ214の処理を実行せずに本開閉制御処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合にはステップ214へ移行し、通気口96を閉塞するようにアクチュエータ106の作動を制御した後、本開閉制御処理プログラムを終了する。
【0102】
一方、ステップ210において肯定判定となった場合にはステップ216へ移行し、通気口96が閉塞されているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ218の処理を実行せずに本開閉制御処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合にはステップ218へ移行し、通気口96を開放するようにアクチュエータ106の作動を制御した後、本開閉制御プログラムを終了する。
【0103】
次に、図13を参照して、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32において、環境情報及び当該環境情報に対応する開閉情報、並びに環境情報及び当該環境情報に対応する撮影可能枚数情報をNVM64Dに記憶することにより登録する際の処理ルーチンを説明する。なお、図13は、コンソール42から環境情報及び当該環境情報に対応する開閉情報、または環境情報及び当該環境情報に対応する撮影可能枚数情報が送信され、送信された情報を送受信機66が受信した際に電子カセッテ32のCPU64Aによって実行される登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM64Bの所定領域に予め記憶されている。
【0104】
同図のステップ300では、送受信機66が環境情報及び当該環境情報に対応する開閉情報を受信したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ302へ移行する。 ステップ302では、NVM64Dに送受信機66により受信した環境情報及び開閉情報がNVM64Dに記憶されているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ304の処理を実行せずに本登録処理プログラムを終了する一方、否定判定となった場合にはステップ304へ移行し、送受信機66により受信した環境情報及び開閉情報をNVM64Dに記憶することにより登録した後、本登録処理プログラムを終了する。
【0105】
一方、ステップ300において否定判定となった場合には、ステップ306へ移行し、送受信機66により受信した環境情報及び撮影可能枚数情報がNVM64Dに記憶されているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ308の処理を実行せずに本登録処理プログラムを終了する一方、否定判定となった場合にはステップ308へ移行し、送受信機66により受信した環境情報及び撮影可能枚数情報をNVM64Dに記憶することにより登録した後、本登録処理プログラムを終了する。
【0106】
次に、図14を参照して、電子カセッテ32が予め定められた場所に設置された際(ここでは、電子カセッテ32のバッテリ38を充電するために電子カセッテ32がクレードル40に装填された際、より詳しくは、CPU64Aがバッテリ38の充電が開始されたことを検知した際)の処理ルーチンについて説明する。なお、図14は、この際に電子カセッテ32のCPU64Aによって実行される開放処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM64Bの所定領域に予め記憶されている。
【0107】
同図のステップ400では、通気口96が閉塞しているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ402の処理を実行せずに本開放処理プログラムを終了する。
【0108】
一方、ステップ400において肯定判定となった場合にはステップ402へ移行し、通気口96を開放するようにアクチュエータ106の作動を制御した後、本開放処理プログラムを終了する。
【0109】
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態に係る撮影システム18では、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器60及び電子カセッテ制御部64が収納されると共に、通気口96が形成された筐体54、当該筐体54に設けられ、通気口96を開放及び閉塞する蓋部材98、通気口96を開放及び閉塞するように蓋部材98を移動させるアクチュエータ106、放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、通気口96が開放または閉塞されるようにアクチュエータ106を制御するCPU64Aを有する電子カセッテ32と、環境情報を電子カセッテ32に入力する送受信機42Hを有するコンソール42と、を備えることにより、放射線画像を撮影する環境に応じて筐体54に形成された通気口96が開放または閉塞されるので、通気を行うことができ、かつ異物の侵入を抑制することができる。
【0110】
また、本第1の実施形態に係る撮影システム18では、電子カセッテ32が、環境情報と通気口96を開放するか閉塞するかを示す開閉情報とが関連付けられて記憶されたNVM64Dと、環境情報を受け付ける送受信機66と、を更に有し、CPU64A、送受信機66により受信されて入力された環境情報がNVM64Dに記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられている開閉情報をNVM64Dから読み出し、当該開閉情報に応じて通気口96が開閉されるようにアクチュエータ106を制御しており、送受信機66が環境情報を受信することにより通気口96を開放または閉塞するための制御が行われるので、ユーザが意図しないタイミングで通気口96が開放または閉塞することを防止することができる。
【0111】
また、本第1の実施形態に係る撮影システム18では、CPU64Aが、送受信機66がNVM64Dに記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する開閉情報を受信した場合には当該他の環境情報及び当該開閉情報を関連付けてNVM64Dに記憶する制御を行うことにより、NVM64Dにおける環境情報及び当該環境情報に関連付けられた開閉情報を増やすことができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0112】
また、本第1の実施形態に係る撮影システム18では、NVM64Dに、環境情報に対応させて当該環境情報により示される環境での放射線画像の撮影可能枚数を示す撮影可能枚数情報を関連付けて記憶し、CPU64Aが、送受信機66により受信されて入力された環境情報がNVM64Dに記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられた撮影可能枚数情報をNVM64Dから読み出し、当該撮影可能枚数情報により示される撮影可能枚数が予め定められた枚数未満である場合に撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを表示するように制御を行うことにより、撮影者は撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを意識しながら撮影を行うことができるので、重要度の異なる複数枚の放射線画像を得るにあたり、重要度の高い放射線画像を得る前に撮影ができなくなるという事態の発生を回避することができる。
【0113】
また、本第1の実施形態に係る撮影システム18では、CPU64Aが、送受信機66がNVM64Dに記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する撮影可能枚数情報を受信した場合には当該他の環境情報及び当該撮影可能枚数情報を関連付けてNVM64Dに記憶する制御を行うことにより、NVM64Dにおける環境情報及び当該環境情報に関連付けられた撮影可能枚数情報を増やすことができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0114】
また、本第1の実施形態に係る撮影システム18では、CPU64Aが、筐体54がクレードル40に装填されたことを検知した場合に、通気口96を開放するようにアクチュエータ106を制御することにより、電子カセッテ32をクレードル40に装填することにより通気口96を開放することができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0115】
〔第2の実施形態〕
【0116】
次に本発明の第2の実施形態を説明する。
【0117】
先ず、図15を参照して、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bの構成を説明する。なお、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bにおいて、図1〜図11と同一の構成要素には図1〜図11と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0118】
図15は、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bの外観を示す斜視図である。
【0119】
同図に示されるように、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bは、上記第1の実施形態で説明した電子カセッテ32と比較して、UI(ユーザ・インタフェース)パネル450が設けられている点のみが異なっている。
【0120】
図16は、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bの電気系の構成を示すブロック図である。
【0121】
UIパネル450は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。
【0122】
CPU64Aは、UIパネル450に接続されており、UIパネル450への各種情報の表示と、UIパネル450に対するユーザの操作指示内容の把握と、を各々行うことができる。
【0123】
なお、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bでは、電子カセッテ32の一側面に設けられたスイッチ(図示省略)をオン状態にすることによりUIパネル450は各種情報の受け付けが可能な状態となり、当該スイッチをオフ状態にすることによりUIパネル450は各種情報の受け付けが不可能な状態となるように構成されている。
【0124】
次に、図17を参照して、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32BにおいてUIパネル450により環境情報が受け付けられた際の処理ルーチンの説明をする。なお、図17は、この際に電子カセッテ32BのCPU64Aによって実行される開閉制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM64Bの所定領域に予め記憶されている。また、図17に示されるプログラムは、図12に示されるプログラムと比較して、ステップ206に代えてステップ206Bを適用している点のみが異なっているため、図17における図12に示されるプログラムと同一の処理を行うステップについては図12と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0125】
同図のステップ206Bでは、UIパネル450に対して撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報を表示させるように制御を行う。なお、本第2の実施形態では、UIパネル450を用いて可視表示を行っているが、これに限らず、UIパネル450による可視表示に代えてスピーカ等の音声再生装置を用いて可聴表示を行ったり、印字することによる永久可視表示を行っても良い。また、上記可視表示、可聴表示及び永久可視表示の複数を組み合わせても良い。
【0126】
次に、図18を参照して、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bにおいて環境情報及び当該環境情報に対応する開閉情報、並びに環境情報及び当該環境情報に対応する撮影可能枚数情報をNVM64Dに記憶することにより登録する際の処理ルーチンを説明する。なお、図18は、環境情報及び当該環境情報に対応する開閉情報、並びに環境情報及び当該環境情報に対応する撮影可能枚数情報をUIパネル450が受け付けた際に電子カセッテ32BのCPU64Aによって実行される登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM64Bの所定領域に予め記憶されている。また、図18に示されるプログラムは、図13に示されるプログラムと比較して、ステップ300に代えてステップ300Bを適用している点のみが異なっているため、図18における図13に示されるプログラムと同一の処理を行うステップについては図13と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0127】
同図のステップ300Bでは、UIパネル450により環境情報及び当該環境情報に対応する開閉情報が受け付けられたか否かを判定する。
【0128】
以上詳細に説明したように、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bでは、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器60及び電子カセッテ制御部64が収納されると共に、通気口96が形成された筐体54と、筐体54に設けられ、通気口54を開放及び閉塞する蓋部材98と、通気口96を開放及び閉塞するように蓋部材を移動させるアクチュエータ106と、放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、通気口96が開放または閉塞されるようにアクチュエータ106を制御するCPU64Aと、を備えることにより、放射線画像を撮影する環境に応じて筐体54に形成された通気口96が開放または閉塞されるので、通気を行うことができ、かつ異物の侵入を抑制することができる。
【0129】
また、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bでは、環境情報と通気口96を開放するか閉塞するかを示す開閉情報とが関連付けられて記憶されたNVM64Dと、環境情報を受け付けるUIパネル450と、を更に備え、CPU64Aが、UIパネル450により受け付けられて入力された環境情報がNVM64Dに記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられている開閉情報をNVM64Dから読み出し、当該開閉情報に応じて通気口96が開閉されるようにアクチュエータ106を制御しており、UIパネル450が環境情報を受け付けることにより通気口96を開放または閉塞するための制御が行われるので、ユーザが意図しないタイミングで通気口96が開放または閉塞することを防止することができる。
【0130】
また、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bでは、CPU64Aが、UIパネル450がNVM64Dに記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する開閉情報を受け付けた場合には当該他の環境情報及び当該開閉情報を関連付けてNVM64Dに記憶する制御を行うことにより、NVM64Dにおける環境情報及び当該環境情報に関連付けられた開閉情報を増やすことができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0131】
また、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bでは、NVM64Dに、環境情報に対応させて当該環境情報により示される環境での放射線画像の撮影可能枚数を示す撮影可能枚数情報を関連付けて記憶し、CPU64Aが、UIパネル450により受け付けられて入力された環境情報がNVM64Dに記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられた撮影可能枚数情報をNVM64Dから読み出し、当該撮影可能枚数情報により示される撮影可能枚数が予め定められた枚数未満である場合に撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを表示するように制御を行うことにより、撮影者は撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを意識しながら撮影を行うことができるので、重要度の異なる複数枚の放射線画像を得るにあたり、重要度の高い放射線画像を得る前に撮影ができなくなるという事態の発生を回避することができる。
【0132】
また、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32Bでは、CPU64Aが、UIパネル450がNVM64Dに記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する撮影可能枚数情報を受け付けた場合には当該他の環境情報及び当該撮影可能枚数情報を関連付けてNVM64Dに記憶する制御を行うことにより、環境情報及び当該環境情報に関連付けられた撮影可能枚数情報を増やすことができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0133】
以上、本発明を上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0134】
また、上記各実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0135】
例えば、上記各実施形態では、アクチュエータ106の動力をリンク部材104を介して蓋部材98に伝達して通気口96を開閉する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図19及び図20に示すように、筐体54の側面94Bに配置された伸縮可能なロッド460A,460Bと、ロッド460A,460Bが収容される収容体460Cと、を有する開閉機構460により通気口96を開閉しても良い。この場合、ロッド460A,460B及び収容体460Cは、通気口96を間に挟むように筐体54の両側にそれぞれ配置されている。
【0136】
ロッド460Aの先端部は、蓋部材98の表面に当接しており、ロッド460A,460Bが伸長してロッド460Aが蓋部材98を押圧することにより、蓋部材98が通気口96を開放する。
【0137】
また、ロッド460A,460Bが縮んで収容体460Cに収容されることにより、蓋部材98の弾性力によって蓋部材98は閉塞位置に復帰し、蓋部材98が通気口96を閉塞する。
【0138】
ロッド460Aを駆動する駆動機構としては、例えば、ソレノイドを用いることができる。また、開閉機構460は各側面94A,94C,94Dにも配置されており、通気口96は、各側面94A,94B,94C,94Dにおいて蓋部材98を独立して開閉する構成となっている。なお、開閉機構460は、側面94A,94B,94C,94Dの少なくとも何れかに配置されていれば良い。
【0139】
また、開閉機構460は、筐体54の側面94A,94B,94C,94Dではなく、図21に示すように、例えば、筐体54の隅部に配置された構成であってもよい。開閉機構460は、筐体54の4隅にそれぞれ配置されている。
【0140】
ロッド460A,460Bが伸長して、ロッド460Aが蓋部材98の隅部を押圧することにより、蓋部材98が側面94B,94Cに形成された通気口96を開放する。この構成では、側面94B,94Cに形成された通気口96を一度に開放することができる。また、通気口96を筐体54の隅部に配置することにより、筐体54のデッドスペースが小さくなる。
【0141】
また、上記第1の実施形態では、撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報をコンソール42の表示部42G及び表示装置36の表示部36Cにより表示する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、クレードル40に表示部を設け、当該表示部に撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを示す情報を表示するようにしても良い。
【0142】
また、上記第1の実施形態では、電子カセッテ32がコンソール42から送信された環境情報を受信する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、手術室44の出入り口付近に環境情報を送信し続ける送信装置を設置し、電子カセッテ32が当該出入り口を通るときに当該送信装置から送信される環境情報を受信するようにしても良い。
【0143】
また、上記各実施形態では、リンク部材104により蓋部材98を持ち上げることによって通気口96を開放するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通気口96を側面94A,94B,94C,94Dのそれぞれに独立して形成し、各側面にシャッタをスライド自在に設け、このシャッタをスライドさせることにより各側面の通気口96を開閉するようにしても良い。なお、通気口は側面94A,94B,94C,94Dの少なくとも1つに形成されていれば良く、この場合、通気口が形成される側面にシャッタを設ける。
【0144】
その他、上記第1の実施形態で説明した撮影システム18の構成(図1〜図11を参照。)及び上記第2の実施形態で説明した電子カセッテ32Bの構成(図15及び図16を参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0145】
また、上記各実施形態で説明したプログラムの処理の流れ(図12〜図14、図17及び図18を参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】実施形態に係る放射線情報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る放射線画像撮影システムが設置された手術室の様子を示す図である。
【図3】実施形態に係る電子カセッテの内部構成を示す斜視図である。
【図4】実施形態に係る放射線検出器の回路構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図である。
【図6】図5のa−a線断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図であり、通気口が開放された状態を示す図である。
【図8】実施形態に係る開閉機構を示す正面図であり、通気口が開放された状態を示す図である。
【図9】実施形態に係る開閉機構を示す部分断面図である。
【図10】実施形態に係る開閉機構を示す正面図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係る撮影システムの電気系の構成を示すブロック図である。
【図12】第1の実施形態に係る開閉制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1の実施形態に係る登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】第1の実施形態に係る開放処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図である。
【図16】第2の実施形態に係る電子カセッテの電気系の構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施形態に係る開閉制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第2の実施形態に係る登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】実施形態に係る電子カセッテの変形例を示す正面図であり、通気口が開放された状態を示す図である。
【図20】実施形態に係る電子カセッテの変形例を示す正面図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。
【図21】実施形態に係る電子カセッテの変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0147】
18 放射線画像撮影システム
32 電子カセッテ
42 コンソール(通信装置)
42H 送受信機(入力手段)
60 放射線検出器(電子回路)
64 電子カセッテ制御部(電子回路)
64A CPU(制御手段、検知手段、判断手段)
64D NVM(記憶手段)
66 送受信機(受付手段)
96 通気口
98 蓋部材(蓋体)
106 アクチュエータ(移動手段)
450 UIパネル(受付手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路が収納されると共に、通気口が形成された筐体と、
前記筐体に設けられ、前記通気口を開放及び閉塞する蓋体と、
前記通気口を開放及び閉塞するように前記蓋体を移動させる移動手段と、
前記放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、前記通気口が開放または閉塞されるように前記移動手段を制御する制御手段と、
を備えた可搬型放射線画像変換装置。
【請求項2】
前記環境情報と前記通気口を開放するか閉塞するかを示す開閉情報とが関連付けられて記憶された記憶手段と、
環境情報を受け付ける受付手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記受付手段により受け付けられて入力された前記環境情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられている開閉情報を前記記憶手段から読み出し、当該開閉情報に応じて前記通気口が開放または閉塞されるように前記移動手段を制御する請求項1記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記受付手段が前記記憶手段に記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する開閉情報を受け付けた場合には当該他の環境情報及び当該開閉情報を関連付けて前記記憶手段に記憶する制御を行う請求項2記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項4】
前記記憶手段に、前記環境情報に対応させて当該環境情報により示される環境での前記放射線画像の撮影可能枚数を示す撮影可能枚数情報を関連付けて記憶し、
前記制御手段は、前記受付手段により受け付けられて入力された前記環境情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、当該環境情報に関連付けられた撮影可能枚数情報を前記記憶手段から読み出し、当該撮影可能枚数情報により示される撮影可能枚数が予め定められた枚数未満である場合に撮影可能枚数が予め定められた枚数未満であることを表示するように制御を行う請求項2又は請求項3記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記受付手段が前記記憶手段に記憶されている環境情報以外の他の環境情報及び当該他の環境情報に対応する撮影可能枚数情報を受け付けた場合には当該他の環境情報及び当該撮影可能枚数情報を関連付けて前記記憶手段に記憶する制御を行う請求項4記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項6】
前記筐体が予め定められた場所に設置されたことを検知する検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記検知手段により前記筐体が予め定められた場所に設置されたことが検知された場合に、前記通気口を開放するように前記移動手段を制御する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置と、
前記環境情報を前記可搬型放射線画像変換装置に入力する入力手段を有する通信装置と、
を備えた放射線画像撮影システム。
【請求項8】
コンピュータを、
外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路が収納されると共に、通気口が形成された筐体の当該通気口を、前記放射線画像を撮影する環境を示し、かつ入力された環境情報に基づいて、開放するか閉塞するかを判断する判断手段、及び前記判断手段による判断結果に応じて前記通気口が開放または閉塞されるように、前記通気口を開放及び閉塞するように前記蓋体を移動させる移動手段を制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の可搬型放射線画像変換装置を構成する制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−8668(P2010−8668A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167293(P2008−167293)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】