説明

台テープで連続する表示テープ片

【課題】 布地の使用素材や洗濯方法等を表示する表示テープ片が連続してプリントされた合成樹脂製等の布地のテープを用い、これを切断してU字形状に折り返した単体表示テープ片を衣服等に縫い付ける作業員の現場での作業を容易・簡略かつ確実にする行うことができるようにした表示テープ片を提供する。
【解決手段】 表示テープ片が連続してプリントされたテープをあらかじめ切断して単体表示テープ片となし、この多数枚の表示テープ片の自由端を作業員が作業現場で順次に容易に剥ぎ取れるように連続した長尺な台テープ上に所定の間隔を置いて順次に点溶接してなる台テープで連続する表示テープ。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、衣服やシャツ,下着類、靴下類,ハンカチ等の布製見回り品などに縫い付けられて、該衣服等の使用素材やその洗濯方法等を表示する表示テープ片に関するもので、この表示テープ片は文字や絵によるもので「表示ネーム」あるいは「洗濯マークテープ」とも呼ばれている。
【0002】
【従来の技術】
従来、この表示テープ片は図1に示される通りナイロン布等の布地の上に各片の文字や絵が多数枚連続してプリントされた長尺なテープ状2のまま作業場に供され、作業現場では作業員がこのテープを手作業でカットして単体表示テープ片1とし、これを図1で示されるように手指により中央で折り返し、その場でミシンで直接衣服等に縫着している。
【0003】
また、場合によっては、縫い付け作業前に長尺な連続テープ状2をカットし、折り返した両端をあらかじめミシン等で仮止め3しておき、ばらばらに積まれた多数の表示テープ片から一つずつを取り出して衣服等に縫い付ける。
【0004】
しかしながら、これら従来の方法では作業員の作業能率が大幅に低下せざるを得なかった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、多数の表示テープ片を一つづつ取り出す作業員の作業を簡素化し、表示テープ片の衣服等への縫い付け作業を容易にすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案では、連続してプリントされた多数の表示テープ片から構成される1本の長尺なテープを単体の表示テープ片に切断し、それぞれを予じめ折返してU字状にし、各片の両端縁をそろえてなる自由端の位置を順次にずらして長尺な台テープの面に容易に剥離できるように所定の間隔を置いて仮止め接着してなるものである。
【0007】
以下の実施形態から明らかな通り、本考案は切断後に折返して使用される表示テープ片の場合だけでなく、切断後平らなままで使用される表示テープ片の場合にも適用され得るものである。
【0008】
また、本考案では、一枚の表示テープ片の自由端の位置をずらして台テープ上に接着するばかりでなく、複数枚の表示テープ片を重ね、自由端をそろえてこの重なった自由端の位置をずらして複数枚を重ねてなる表示テープ片を順次に台テープ上に接着することもできる。
【0009】
台テープ上で連続する本考案になる表示テープ片は、作業員によって作業現場で順次に台テープから剥ぎ取られたとき、その折返されたままでミシン等で仮止めされていない両端縁も、本考案にあっては互いに接着された状態であり、複数枚の表示テープ片が重ねられて台テープに接着された場合にも、それらの重合する自由端の全部が接着されたままであるので、作業員の単体表示テープ片の衣服等への縫い付け作業の能率が更に高められのである。以下、本考案の実施形態をより具体的に説明する。
【0010】
【考案の実施の形態】
長尺のテープ状で連続してプリントされた多数の表示テープ片1はテープ2から切断されてU字形状に折返され、その一枚毎の両端4をそろえ、かつ隣接する各片1のそれぞれの両端4からなる自由端が重ならないように該表示テープ片1より細幅な台テープ5の長さ方向で順次に所定の間隔でずらして、図2と3に図示される通りに台テープ5上に置き、符号6で示されるところで点溶着した。
【0011】
この点溶着6はプローブ状の灼熱したニクロム線を表示テープ片の自由端4と台テープ5上に突き刺して行った。共に合成樹脂製布地になる表示テープ片1と台テープ5はプローブ状のニクロム線が当たったところで局部的に(図示の実施例図では3点で)溶融後固化して互いに溶着した。
【0012】
表示テープ片1から台テープ5に向かったプローブ状の点溶接であるので、その熱効果から台テープ5と表示テープ片1間の溶着は表示テープ片1の両端縁4間どうしの溶着よりも多少弱く、作業員は表示テープ片1を台テープ5から容易に剥ぎ取ることができ、しかも表示テープ片の両端どうしは互いに点溶着6したままで残ることになる。
【0013】
表示テープ片1の両端ならびにそれらと台テープ5との間の接着は、必ずしも上記した点溶着6の如き加熱溶着でなくて、適当な接着剤を使用したり、台テープ5自体に粘着性テープを使用してもよい。また、表示テープ片1と台テープ5は必ずしも合成樹脂製の布地に限られず、綿布その他の材料によるものでもよい。
【0014】
図4に示される本考案の他の実施例では、表示テープ片1はテープ2からカットされた後に折り返さないで平らなままであり、この多数枚を互いに所定の間隔を置いて順次に台テープ5の面上に点溶着6して、台テープ5上で連続する表示テープ片1を構成するものでる。
【0015】
また、図5で示される実施例では、図2で示されると同様なU字形状に折り返した2枚の表示テープ片1をそれらの自由端がそろうようにして互いに重合し、台テープ5に共に点溶着6した例を示している。
【0016】
また、図6では、2枚の平らな表示テープ片1を上下に互いに重ねて台テープ5に溶着している。更に、図7では平らな表示テープ片1aとU字形状に折り返した表示テープ片1bとを上下に互いに重ねて台テープ5に点溶接6した例を示している。
【0017】
【考案の効果】
本考案は上述のように長尺の台テープの面に該台テープの長さ方向に互いに所定の間隔を置いてそれぞれ上記テープの長さ方伺を横切る方向に延びる端縁部が容易に剥ぎ取り可能に止着された多数の表示テープ片からなる台テープで連続する表示テープ片であるので、各表示テープ片を作業員が衣服等に縫い付ける際の現場での手作業が省力化され、作業能率の向上に寄与するところは非常に大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】多数枚の表示テープ片が連続してプリントされたテープを切断してU字形状の表示テープ片とする工程を説明する斜視図である。
【図2】本考案になる台テープ上で連続する単体の表示テープ片を表側から見た斜視図である。
【図3】図2に示される表示テープ片を裏側から見た斜視図である。
【図4】本考案に係る台テープで連続する表示テープ片の他の実施例を示す説明的な斜視図である。
【図5】本考案に係る台テープで連続する表示テープ片の他の実施例を示す説明的な斜視図である。
【図6】本考案に係る台テープで連続する表示テープ片の他の実施例を示す説明的な斜視図である。
【図7】本考案に係る台テープで連続する表示テープ片の他の実施例を示す説明的な斜視図である。
【符号の説明】
1−表示テープ片
2−表示片プリントテープ
3−従来の仮止め用ミシン目
4−表示テープ片の端縁部
5−台テープ
6−点溶着部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 連続する長尺の台テープの面に該台テープの長さ方向に互いに所定の間隔を置いてそれぞれ上記テープの長さ方向を横切る方向に延びる端縁部が容易に剥ぎ取り可能に止着された多数の表示テープ片からなることを特徴とする台テープで連続する表示テープ片。
【請求項2】 前記各表示テープ片は台テープに止められた端縁部と反対側で折り返されてU字形状をなす請求項1記載の台テープで連続する表示テープ片。
【請求項3】 複数の前記表示テープ片をそれぞれの端縁部がそろうように重ね合わせ、そのそろえた端縁部で前記台テープに止め、このように重ね合わされて台テープに止められた複数の表示テープ片が台テープの長さ方向に所定の間隔を置いて順次並ぶように配置してなる請求項1又は2記載の台テープで連続する表示テープ片。
【請求項4】 前記各表示テープ片が台テープに粘着又は点溶接により仮止めされてなる請求項1,2又は3記載の台テープで連続する表示テープ片。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【登録番号】第3042595号
【登録日】平成9年(1997)8月6日
【発行日】平成9年(1997)10月21日
【考案の名称】台テープで連続する表示テープ片
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−4186
【出願日】平成9年(1997)4月16日
【出願人】(000000398)厚木ナイロン工業株式会社 (13)