説明

台所テレビ装置

【課題】台所に設けられた上部収納庫1の底板11の下面に取り付けられる台所テレビ2では本体3を上部収納庫1内に格納すると、上部収納庫1内の収納スペースが狭められる。そこで、本体3を上部収納庫1の底板11の下面に取り付けるようにしたい。ところが、本体3が露出すると、アンテナ線などの本体3に接続する配線が露出し、体裁が悪くなる。また、本体3の側面に接続用の端子を設けたのでは、その側面が障害物で邪魔されないように取付位置が制限される。
【解決手段】本体の後端部に凹状の端子収納部を設け、通常時はその端子収納部をカバー5で覆うようにした。端子収納部への配線は上部収納庫1内から配線し、あるいは本体後方の壁面内部を通すことによって外部への露出を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所に設置可能であって、水平な下面に取り付けれる本体と、その本体に垂下されるモニタ部とを備えた台所テレビ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の台所テレビ装置として、例えば台所に設置されている上部収納庫の底板に長方形の窓穴を形成し、この窓穴を上部収納庫の内側から覆う本体を備えると共に、この窓穴を通して本体から下方に垂下されたモニタ部を有する台所テレビ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−241919号公報(図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の台所テレビ装置では、本体が上部収納庫内に配置されるため、上部収納庫内で本体の上に棚板を設置するなどして、本体に収納物が接触しないようにする必要がある。そのため、上部収納庫の収納スペースが本体によって侵食され、収納スペースが減少するという不具合が生じる。
【0004】
なお、このような不具合を解消するため、本体を上部収納庫の底板下面に単に固定しただけでは、本体に接続されるアンテナ線や電源コードが剥き出しとなり、体裁が悪く、そのままの形態で実施することはできない。
【0005】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、上部収納庫の収納スペースを損なうことなく、かつ体裁が悪くならない台所テレビ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明による台所テレビ装置は、台所に設置された上部収納庫の底板下面に取り付け可能な箱状の本体と、この本体に垂下されたモニタ部とを備えた台所テレビ装置において、モニタ部は本体の前端部分に垂下されると共に、本体の後端部から前方に向かって凹状の端子収納部を形成し、その端子収納部の左右内側面に外部との信号の入出力をするための端子を取り付けたことを特徴とする。
【0007】
本体を上部収納庫の底板下面に取り付けた状態で、外部からの配線を行う場合、凹状の端子収納部内に設けられた端子に接続することになる。この端子収納部への配線は、上部収納庫内を通して、更に上部収納庫の底板に形成した必要最小限の貫通孔を通して配線することができ、体裁を損なわない。また、本体の後端が台所の壁面に近接する場合には、配線を壁面内を通し、更に壁面に形成した配線用の貫通孔を通して配線することができ、やはり体裁が損なわれない。なお、端子収納部を凹状に形成した場合、左右両側面のほかに後方に向いた前端面の3つの内面が形成される。ところが、この前端面は後方に向いているので端子をその前端面に設けた場合には、前方から見た場合、端子が隠れて目視できない。これに対して、本発明のように、左右両側面に端子を設けると、少し視線を左右に振るだけで前方から左右両側面の端子を目視することができる。また、このように凹状の端子収納部を形成したので、本体の側面が壁面や冷蔵庫、食器収納庫などの厨房機器によって塞がれても配線に支障がなく、したがって、台所テレビの設置位置に制約を受けることがない。
【0008】
ところで、AV入力端子は外部からの映像信号や音声信号が入力される端子であるが、この端子に信号線を恒久的に接続して使用する場合のほか、使用したい場合に一時的に信号線を接続する使用形態も考えられる。AV入力端子に接続されるプラグは抜き差し方向に比較的長いものが多い。そのため、プラグの着脱にある程度のスペースが必要となる。またその他のケーブル類についてもプラグ部分近傍で屈曲させなければならないが、Sの曲率半径は可能な限り大きい方が望ましい。
【0009】
そこで、上記端子収納部の左右両側面を後方に向かって所定角度傾けて形成した。これにより、AV入力端子や他の端子に対する抜き差し方向に後方のスペースを利用することができ、AV入力端子に対するプラグの抜き差しが容易になり、また他の恒久的に配線されるコード類についても屈曲部の曲率半径を大きくすることができる。
【0010】
次に、従来のものでは本体を上部収納庫内に設置したため、本体が台所内の雰囲気に晒されることはなかった。ところが、本発明のように本体を上部収納庫から出し、上部収納庫の底板の下面に露出した状態で取り付けると、台所特有の水蒸気や油煙に本体が晒されることになる。特に、上部収納庫の底板の下面に沿って油煙や水蒸気が流れる場合が多く、本体から端子が露出していると、これら油煙などが汚れとなって端子に付着し望ましくない。そのため、上記構成による台所テレビでは、端子収納部を覆うカバー部材を取り付ける必要が生じる。ところが、台所の構造によっては本体の後方に壁面が近接している場合があり、カバー部材の開閉時に本体の後端部より更に後方にカバー部材が移動するように構成すると、カバー部材が壁面に干渉してカバー部材の開閉を行うことができなくなる。
【0011】
そこで、上記端子収納部の下面と後面とを覆う断面L字状のカバー部材を設けると共に、このカバー部材の屈曲部が揺動中心となるように、カバー部材を本体に着脱自在に係合させると共に、カバー部材が本体に装着されている状態から、カバー部材の下面部分を下方に所定角度揺動させた後に、カバー部材を本体から取り外すように構成した。
【0012】
この構成では、カバー部材の底面部分を下方に揺動させると、必然的に後面部分は本体内部、すなわち前方へ揺動する。そのため、本体の後方に壁面が近接していても、カバー部材の特に後面部分が壁面に干渉することがない。
【0013】
なお、本体の後方に壁面が近接している場合には、上述のように、配線は壁面内を通す。その際、上記カバー部材のうち、端子収納部の後面を覆う部分に取り外し可能な蓋部材を設け、この蓋部材を取り外した状態でカバー部材を本体に取り付けると、蓋部材が取り外された部分を介して端子収納部が後方に開放されるように構成しておけば、蓋部材の取り外された部分を通して壁面内からの配線を本体側へ導入することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明から明らかなように、本発明は、上部収納庫の底板下面に本体を取り付けるように構成したので、上部収納庫内の収納スペースが減少することが無く、かつ、本体に端子収納部を設けたので、配線が広がらず体裁を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1を参照して、1は台所K内に設置された上部収納庫であり、内部は収納用の空間が確保されている。この上部収納庫1の底板11の下面に本発明による台所テレビ2を取り付けた。
【0016】
図2に示すように、この台所テレビ2は底板11の下面に固定される箱状の本体3と、この本体3の下面であって前端よりも部分に垂下されたモニタ部4とで構成されている。モニタ部4は本体3との連結部分を中心に前後後方に揺動することができ、図示の状態から本体3に近接する姿勢に跳ね上げることができる。また、図示の状態でモニタ部は垂直軸を中心に左右両方へ回動することができる。
【0017】
本体3の後端部分にはカバー5で覆われた端子収納部31を形成した。この端子収納部31は、図3および図4に示すように、本体3の後端部から前方に向かって凹状に形成した。また、左右内側面32,33には各種の端子を設けた。この台所テレビ2には外部からの電源コードおよびアンテナからの受信信号が送られてくるケーブルなど、必ず接続しなければならないコード類Lがある。そして、そのようなコード類Lは一旦本体3に接続すると、ほとんど取り外すことがない。このように恒久的に接続されるコード類Lが接続される端子を右側の内側面33に設けた。
【0018】
一方、外部から映像信号や音声信号であるAV信号が入力されるAV入力端子32aは左側の内側面32に取り付けた。このAV入力端子32aには、居間などのDVD装置などのAV機器と接続するためAV信号用のコードを恒久的に接続してもよいが、通常は何も接続せず、一時的にAV信号を入力してモニタ部4で映像や音楽を再生してもよい。
【0019】
端子収納部31は、通常はカバー5で覆われているので、AV信号用のコードをAV入力端子32aに接続する際にはカバー5を取り外す。カバー5を取り外すと、AV入力端子32aが露出するので、手作業でAV入力端子32aにコードを接続する。具体的にはコードの先端に接続されているプラグPをAV入力端子32aに差し込む。
【0020】
プラグPは抜き差し方向に比較的長尺であるため、特に引き抜き方向に障害物が近接していないことが望まれる。両内側面32,33は対向しているので、プラグPを引き抜く際に右側のない側面33が邪魔にならないようにすることが望ましい。そこで、左側の内側面32を後方に傾けて形成した。なお、右側の内側面33も同じく後方に傾けて形成したので、コード類Lの屈曲部分の曲率半径を大きくすることができる。
【0021】
ところで、カバー5は下面部51と後面部42とから構成された断面L字状の形成されており、その屈曲部に左右1対の揺動軸54を形成した。この揺動軸54は端子収納部31に設けられた軸受け部34に係合する。また、後面部52には着脱自在の蓋板53を設けた。
【0022】
図5を参照して、カバー5が本体3に取り付けられている状態、すなわち端子収納部31がカバー5で覆われている状態で、下面部51の前端を本体3から外し、揺動軸54を中心として下方に揺動させる。すると、後面部52は前方に向かって揺動する(Iに示す状態)。次にカバー5を若干持ち上げ、更に前方に引いて揺動軸54を軸受け部34から外す(IIに示す状態)。この状態になればカバー5は自重で下に下がり、本体3から取り外される。特にIに示す状態からわかるように、カバー5を本体3から取り外す際に、本体3の後面より後面部52が後方へ突き出すことが無く、従って、本体3の後方に壁部Wが近接していても、カバー5を壁部Wに干渉させることなく取り外すことができる。
【0023】
図5に示すように、本体3の後方に壁部Wが近接している場合には各種の配線は壁部Wに形成した配線用の貫通孔WHを通して配線する。このとき、蓋板53を取り外しておき、蓋板53が取り外された空間を通して配線を行う。
【0024】
また、対面式キッチンのように、本体3の後方に壁部Wが無い場合には、底板11に貫通孔11aを設けて、その貫通孔11aを通して配線を行えばよい。
【0025】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】台所テレビを下方から見た斜視図
【図3】本体を直下から見た図
【図4】内側面の状態を示す図
【図5】カバーの着脱手順を説明する図
【符号の説明】
【0027】
1 上部収納庫
2 台所テレビ
3 本体
4 モニタ部
5 カバー
32 内側面
32a AV入力端子
51 下面部
52 後面部
54 揺動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台所に設置された上部収納庫の底板下面に取り付け可能な箱状の本体と、この本体に垂下されたモニタ部とを備えた台所テレビ装置において、モニタ部は本体の前端部分に垂下されると共に、本体の後端部から前方に向かって凹状の端子収納部を形成し、その端子収納部の左右内側面に外部との信号の入出力をするための端子を取り付けたことを特徴とする台所テレビ装置。
【請求項2】
上記端子収納部の左右両側面を後方に向かって所定角度傾けて形成したことを特徴とする請求項1に記載の台所テレビ装置。
【請求項3】
上記端子収納部の下面と後面とを覆う断面L字状のカバー部材を設けると共に、このカバー部材の屈曲部が揺動中心となるように、カバー部材を本体に着脱自在に係合させると共に、カバー部材が本体に装着されている状態から、カバー部材の下面部分を下方に所定角度揺動させた後に、カバー部材を本体から取り外すように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の台所テレビ装置。
【請求項4】
上記カバー部材のうち、端子収納部の後面を覆う部分に取り外し可能な蓋部材を設け、この蓋部材を取り外した状態でカバー部材を本体に取り付けると、蓋部材が取り外された部分を介して端子収納部が後方に開放されることを特徴とする請求項3に記載の台所テレビ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−142700(P2007−142700A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332352(P2005−332352)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)