説明

合意形成支援装置、合意形成支援プログラムおよび合意形成支援方法

【課題】対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、一般参加者の意見の分析を支援する。
【解決手段】合意形成支援装置1は、発言対象の識別子および発言種別を含む発言内容データを含む発言データ102を記憶する記憶装置100と、発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、発言内容データを受信すると、発言データ102に記憶する発言取得手段204と、発言データ102を表示するとともに、発言対象の種別または発言種別が選択されると、選択された発言対象の種別または発言種別を含む発言内容データを抽出して表示するフィルタリング手段206を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、議論に関する参加者の発言の分析を支援する合意形成支援装置、合意形成支援プログラムおよび合意形成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、一つのリスクへの対策が別のリスクを生み出す場合がある。例えば、エネルギー問題というリスク解決のために、バイオエタノールを利用したところ、食糧問題というリスクを引き起こしたことがある。これに備え、多重リスクを考慮して対策を検討する必要がある。
【0003】
この多重リスクを考慮して対応策を検討するにあたり、組織内における合意形成を支援する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。この非特許文献1に記載の方法によれば、複数のリスクを回避する複数の対策案について、例えば、トータルコストを最小にする最適な組み合わせを算出する。
【0004】
一方、情報通信の発達に伴い、新たなITリスクが増えている。このようなITリスクに対応するため、通信情報の監視やフィルタリング、や監視カメラの導入などの対応策が検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】佐々木良一、日高悠、守谷隆史、谷山光洋、矢島敬士、八重樫清美、川島泰正、吉浦裕、「多重リスクコミュニケーターの開発と適用」、情報処理学会論文誌、情報処理学会、2008年9月、Vol.49、No.9、p.3180−3190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の様なITリスクに対する対応策は、その影響力は大きく、多数の人に影響を及ぼす場合がある。また、ITリスクを軽減可能となっても、個人のプライバシーや利便性が犠牲になる場合もある。従って、これらの対応策の導入にあたっては、リスクと効果を考慮した上で、社会的合意形成が要求される。
【0007】
ここで、上記の非特許文献1に記載の方法によれば、組織内など、特定少数の合意形成について、効果が期待できるものの、数千人規模の社会的合意形成に適用するのは困難である。特に多数の一般人を含めて合意形成するためには、参加者の意見を的確に把握する必要がある。
【0008】
そこで、多数の意見を的確に把握して社会的合意形成を支援する方法の提案が期待されている。
【0009】
従って本発明の目的は、多数の意見を的確に把握して社会的合意形成を支援する合意形成支援装置、合意形成支援プログラムおよび合意形成支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、参加者の意見の分析を支援する合意形成支援装置に関する。すなわち本発明の第1の特徴に係る合意形成支援装置は、発言対象の識別子および発言種別を含む発言内容データを含む発言データを記憶する記憶装置と、発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、発言内容データを受信すると、発言データに記憶する発言取得手段と、発言データを表示するとともに、発言対象の種別または発言種別が選択されると、選択された発言対象の種別または発言種別を含む発言内容データを抽出して表示するフィルタリング手段を備える。
【0011】
ここで、発言データから、各発言内容データの発言に含まれるキーワードを取得するとともに、取得したキーワードが類似する発言内容データを含む複数のグループを生成し、各グループに含まれる発言内容データの数と、各グループの所定の発言内容データとを対応づけて表示する発言解析手段をさらに備えても良い。
【0012】
発言内容データはさらに、発言の作成日時を含み、発言解析手段はさらに、発言データから、各発言内容データの発言に含まれるキーワードを作成日時と対応づけて取得し、時間ごとにキーワードをカウントして表示しても良い。
【0013】
発言解析手段はさらに、発言対象の識別子を含む発言内容データをカウントして表示しても良い。
【0014】
所定の発言に対する返信として発言された発言内容データは、返信元の発言内容データを示す返信もと識別子を含み、発言解析手段はさらに、発言データの各発言内容データに対する返信の発言内容データの数をカウントして、返信の発言内容データ数の多い発言内容データを表示するとともに、発言データの各所定の発言内容データに対する返信を重ねた発言内容データの数をカウントして、返信を重ねた発言内容データの数の多い発言内容データを表示しても良い。
【0015】
本発明の第2の特徴は、対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、参加者の意見の分析を支援する合意形成支援装置に用いられる合意形成支援プログラムに関する。すなわち第2の特徴に係る合意形成支援プログラムは、コンピュータを、発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、発言対象の識別子および発言種別を含む発言内容データを受信すると、発言内容データを含む発言データに記憶する発言取得手段と、発言データを表示するとともに、発言対象の種別または発言種別が選択されると、選択された発言対象の種別または発言種別を含む発言内容データを抽出して表示するフィルタリング手段として機能させる。
【0016】
ここで、発言データから、各発言内容データの発言に含まれるキーワードを取得するとともに、取得したキーワードが類似する発言内容データを含む複数のグループを生成し、各グループに含まれる発言内容データの数と、各グループの所定の発言内容データとを対応づけて表示する発言解析手段をさらにコンピュータに機能させても良い。
【0017】
発言内容データはさらに、発言の作成日時を含み、発言解析手段はさらに、発言データから、各発言内容データの発言に含まれるキーワードを作成日時と対応づけて取得し、時間ごとにキーワードをカウントして表示しても良い。
【0018】
発言解析手段はさらに、発言対象の識別子を含む発言内容データをカウントして表示しても良い。
【0019】
所定の発言に対する返信として発言された発言内容データは、返信元の発言内容データを示す返信もと識別子を含み、発言解析手段はさらに、発言データの各発言内容データに対する返信の発言内容データの数をカウントして、返信の発言内容データ数の多い発言内容データを表示するとともに、発言データの各所定の発言内容データに対する返信を重ねた発言内容データの数をカウントして、返信を重ねた発言内容データの数の多い発言内容データを表示しても良い。
【0020】
本発明の第3の特徴は、対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、参加者の意見の分析を支援する合意形成支援方法に関する。本発明の第3の特徴に係る合意形成支援方法は、発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、発言対象の識別子および発言種別を含む発言内容データを受信すると、発言内容データを含む発言データに記憶するステップと、発言データを表示するとともに、発言対象の種別または発言種別が選択されると、選択された発言対象の種別または発言種別を含む発言内容データを抽出して表示するステップを備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、多数の意見を的確に把握して社会的合意形成を支援する合意形成支援装置、合意形成支援プログラムおよび合意形成支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る合意形成支援システムのシステム構成を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る合意形成支援システムの処理を説明するシーケンス図である。(その1)
【図3】本発明の実施の形態に係る合意形成支援システムの処理を説明するシーケンス図である。(その2)
【図4】本発明の実施の形態に係る合意形成支援システムの処理を説明するシーケンス図である。(その3)
【図5】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置が、最適解表示時に一般参加者端末に表示する画面の一例を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置が表示する発言入力部を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置が表示する発言入力部においてフィルタリングされた発言内容データを説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置が、対象問題専門家のメッセージの表示時に一般参加者端末に表示する画面の一例を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置が、オピニオンリーダ端末およびファシリテータ端末に表示する画面の一例を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置が、ディレクター端末に表示する画面の一例を説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置が、対象問題専門家端末に表示する画面の一例を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態係る合意形成支援システムにおいて、発言データの処理を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置の機能ブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、スタジオ議論支援手段を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、発言データを説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、タグ対応表データを説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、フェーズ対応データを説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、識別子集計条件を入力する画面の一例を説明する図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、識別子集計結果を表示する画面の一例を説明する図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、キーワード時系列分析条件を入力する画面の一例を説明する図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、キーワード時系列分析結果を表示する画面の一例を説明する図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、発言のツリー構造を説明する図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、発言の集約結果を表示する画面の一例を説明する図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置において、発言のつながりを関連づけて入力する画面の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0024】
(概要)
本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1は、ファシリテータおよび複数のオピニオンリーダ間のコミュニケーションと、一般参加者によるコミュニケーションと、の2階層のコミュニケーションを支援するとともに、このコミュニケーションを制御するディレクターを支援することにより、社会的合意形成を支援する。合意形成支援装置1はさらに、一般参加者の理解を助けるため、議論の対象問題の専門家のコミュニケーションも支援する。ここで、ファシリテータおよび複数のオピニオンリーダ間のコミュニケーションを、第1階層と称する。また、一般参加者によるコミュニケーションを第2階層と称する。ディレクターは、第1階層および第2階層の全体的な議論の方向性を判断して適宜メッセージや解析結果を出力して、合意形成を支援する。
【0025】
第1階層においては、上記の非特許文献1に記載の支援をさらに拡張して、コミュニケーションを支援する。本発明の実施の形態においては、第1階層におけるコミュニケーションの支援を、図13に示す合意形成支援装置1のスタジオ議論支援手段201により実現する。
【0026】
第2階層においては、第1階層における議論の様子を、一般参加者に動画データとして配信するとともに、この動画データに対して一般参加者が意見を入力することにより、一般参加者が議論に参加できるよう支援する。本発明の実施の形態においては、第2階層におけるコミュニケーションの支援を、図13に示す合意形成支援装置1の一般参加者支援手段202により実現する。ここで、本発明の実施の形態において一般参加者は、システマテックルートの意見形式と、ヒューリスティックルートでの意見形式のいずれでも、意見を入力することができる。
【0027】
ここで、「システマテックルート」とは、議論の対象についての興味がある人が、意見を述べる形態である。システマテックルートは、対象に対する高い動機づけと、対象に対する高い処理能力がある人に好適なコミュニケーション形態である。システマテックルートでは、一般参加者は、画面に表示されたテキストボックス等に、意見を文字入力することにより、任意の意見データを合意形成支援装置1に入力することができる。システマテックルートにおいては、合意形成支援装置1が掲示板を設けたり、Twitter(登録商標)のようなマイクロブログシステムを用いても良い。このような汎用的なマイクロブログシステムを用いることにより、数万人規模の一般参加者からの意見を収集することができる。
【0028】
システマテックルートにおける意見は、一般参加者の識別子を関連づけたり、他の一般参加者の意見にリプライする形式をとる。これにより、各意見を関連づけることができる。従って、グラフ理論と自然言語処理技術により、これらの意見のうち重要性や感心が高いものを自動的に分析し、オピニオンリーダに効果的に反映させることができる。
【0029】
「ヒューリスティックルート」とは、任意の意見は主張せず、他人の意見を選択する形態である。ヒューリスティックルートは、対象に対する高い動機づけもなく、対象に対する高い処理能力もない人に好適なコミュニケーション形態である。ヒューリスティックルートでは、一般参加者は、画面に表示さえ各人の意見を、ラジオボタン等で選択することにより、意見をテキスト形式で表現した発言内容データを合意形成支援装置1に入力することができる。ヒューリスティックルートにより、より多くの一般参加者の意見を収集することができる。
【0030】
本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1は、ウェブ利用公聴会、コンセンサス会議、事業仕訳、テレビの討論番組などで用いられる。合意形成支援装置1は、このような議論会場で議論に出席する者と、この議論の様子を視聴する者との間で、合意形成できるように支援する。合意形成支援装置1は、議論会場での議論の様子を一般参加者端末8に表示するとともに、一般参加者端末8に一般参加者の意見を入力させ、その意見を取得する。また、合意形成支援装置1は、ディレクターによる議論の客観的な分析結果やメッセージ、さらに一般参加者によって入力された意見を、議論会場に設置された表示モニタや、議論に参加しているオピニオンリーダが参照する端末に表示する。これにより、オピニオンリーダは一般参加者の意見を考慮しつつ、議論を進めることができる。さらに合意形成支援装置1は、対象問題専門家の解説やメッセージを一般参加者が参照する端末に表示する。これにより一般参加者は、対象問題専門家の解説やメッセージを元に、対象問題を把握し、適切に議論に参加することができる。
【0031】
このように、本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1は、ファシリテータ、オピニオンリーダ間のコミュニケーションと、多数の一般参加者によるコミュニケーションと、の2階層のコミュニケーションを支援することにより、社会的合意形成を支援することができる。
【0032】
(合意形成支援システム)
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1が用いられる合意形成支援システム10を説明する。合意形成支援システム10は、議論支援システム9、動画配信装置6、マイクロブログ提供装置7および一般参加者端末8を備える。議論支援システム9、動画配信装置6、マイクロブログ提供装置7および一般参加者端末8は、通信ネットワーク5bによって双方向に通信可能に接続されている。通信ネットワーク5bは、例えばインターネットである。
【0033】
動画配信装置6は、一般的なコンピュータであって、議論支援システム9から、議論のライブ映像が配信されると、それを、一般参加者端末8に配信する。このライブ映像は、後述する合意形成支援装置1によって生成される画面に、リンクされて配信されても良い。
【0034】
マイクロブログ提供装置7は、一般的なコンピュータであって、一般参加者端末8から入力された発言内容データを、合意形成支援装置1から取得して、一般参加者端末8や議論支援システム9に配信しても良い。この意見データは、後述する合意形成支援装置1によって生成される画面に、リンクされて配信されても良い。マイクロブログ提供装置7は、Twitter(登録商標)などのマイクロブログのサービスを提供するサーバである。
【0035】
マイクロブログ提供装置7は、本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10に参加する全ての人の意見データを取得して配信しても良い。合意形成支援システム10に参加する全ての人とは、一般参加者に限らず、ディレクター、ファシリテータ、オピニオンリーダ、対象問題専門家なども含む。また、合意形成支援装置1から各発言内容データを取得することにより、この議論に参加していないマイクロブログのユーザも、この発言内容データを閲覧することができる。
【0036】
この発言内容データは、発言のID、作成時間、発言者のID、発言が他の発言の返信である場合、その他の発言の発言者のID、その他の発言のIDおよび発言の本文の各データを含む。ここで、発言者のIDは、マイクロブログ提供装置7で発番されるIDである。
【0037】
本発明の実施の形態においてマイクロブログ提供装置7は、発言内容データの発言の本文は、所定の文字数以内という制限を持つ。また、この発言に、所定のタグ(ハッシュタグ)を含めることにより、合意形成支援装置1は、このタグを検索キーとして、このタグに関連する発言を収集することができる。
【0038】
一般参加者端末8は、一般参加者が使用する情報機器である。一般参加者端末8は、入力装置、表示装置、中央処理制御装置、記憶装置などを備え、具体的には、デスクトップ型パソコン、ノート型パソコン、スマートフォン、携帯電話機である。本発明の実施の形態において一般参加者は多数を想定しており、各一般参加者が、一般参加者端末8a、8b、8c…のいずれか一つを使用する。本発明の実施の形態において、一般参加者端末8a、8b、8c…を特に区別しない場合、単に一般参加者端末8と記載する場合がある。
【0039】
議論支援システム9は、オピニオンリーダの集まる会議場や、テレビ討論の場合はテレビ局のスタジオなど、第1階層におけるコミュニケーションがとられる場所に設けられる。議論支援システム9は、合意形成支援装置1、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3、ディレクター端末4、対象問題専門家端末9および表示モニタ11を備える。合意形成支援装置1、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3、ディレクター端末4、対象問題専門家端末9および表示モニタ11は、通信ネットワーク5aによって相互に接続されている。通信ネットワーク5aは、例えばLAN(Local Area Network)である。図1に示す例において、対象問題専門家端末9は通信ネットワーク5aに接続される場合を説明したが、通信ネットワーク5bに接続されても良い。
【0040】
合意形成支援装置1は、ディレクターによる議論進行の把握を支援するとともに第1階層におけるコミュニケーションと第2階層におけるコミュニケーションを支援して、オピニオンリーダ、一般参加者などによる社会的合意形成を支援する。合意形成支援装置1は、一般的なコンピュータで所定の処理を実行するプログラムが実行されることによって実現される。合意形成支援装置1は、図13に示すように、スタジオ議論支援手段201、一般参加者支援手段202、ディレクター支援手段207等を備える。
【0041】
スタジオ議論支援手段201は、第1階層のコミュニケーションを支援するとともに、一般参加者の意見データを表示し、オピニオンリーダに認識させる。また、スタジオ議論支援手段201は、ファシリテータやオピニオンリーダによって入力されたパラメータに基づいて、最適解を算出して表示する。ファシリテータやオピニオンリーダは、表示された最適解を参照して、議論を進める。
【0042】
一般参加者支援手段202は、第2階層のコミュニケーションを支援するとともに、ファシリテータおよびオピニオンリーダによる議論の様子や最適解を表示し、一般参加者に認識させる。一般参加者支援手段202は、一般参加者によって入力された意見データを取得して、他の一般参加者にも表示する。
【0043】
ディレクター支援手段207は、ディレクターによって入力される指示に基づいて、議論の進捗に合わせて、ファシリテータ、オピニオンリーダ等の意見を、所定の解析方法で解析して、その解析結果を出力する。この解析結果は、ディレクターによって指定された端末に出力される。
【0044】
ファシリテータ端末2は、ファシリテータが使用するコンピュータである。本発明の実施の形態においてファシリテータは一人を想定しており、司会者がファシリテータを兼ねる場合について説明する。
【0045】
オピニオンリーダ端末3は、オピニオンリーダが使用するコンピュータである。本発明の実施の形態においてオピニオンリーダは数人を想定しており、各オピニオンリーダが、オピニオンリーダ端末3a、3b…のいずれか一つを使用する。本発明の実施の形態において、オピニオンリーダ端末3a、3b…を特に区別しない場合、単にオピニオンリーダ端末3と記載する場合がある。
【0046】
ディレクター端末4は、ディレクターが使用するコンピュータである。対象問題専門家端末9は、対象問題専門家が使用するコンピュータである。
【0047】
表示モニタ11は、スタジオ議論支援手段201が画面を表示する表示装置である。表示モニタ11は、例えば議論会場に設置され、ファシリテータ、オピニオンリーダ等、会場にいる人が参照できるサイズである。
【0048】
本発明の実施の形態において合意形成支援装置1には、最適解を算出するための定式化のデータである定式化結果データが記憶されている。定式化結果データに基づく定式にパラメータデータを与えることにより、スタジオ議論支援手段201は、そのパラメータデータに対応する最適解を算出することができる。この定式化結果データに基づく定式は、最適解を算出するための目的関数や制約条件の式である。
【0049】
本発明の実施の形態において、対象となる問題として、例えば、ある地方自治体における個人情報漏洩問題について、それに対してとるべき対策案を検討する場合について説明する。個人情報漏洩問題の複数の対策案について、本発明の実施の形態において合意形成支援装置1が、トータルコストを最小にする最適な組み合わせに関する社会的合意形成を支援する場合について説明する。ここで、議論が始まる前に、予め、地方自治体における個人情報漏洩問題が生じる原因や不正の方法などが分析される。例えば、個人情報の持出経路や持出方法が明確化される。この結果、個人情報の持出経路として、内部犯による情報漏洩発生と、外部犯による情報漏洩発生とが考えられる。また、内部犯による情報漏洩発生は、個人情報を取り扱う隔離エリアに入れる従業員によるものと、隔離エリアに入れない従業員によるものと、に分類される。
【0050】
さらに、個人情報漏洩問題の対応策の候補も検討する。対応策として、外部へのメール監視、ファイアウォールの設置、侵入検知システムの導入、個人情報サーバの脆弱性の管理、隔離エリアでの外部媒体への保存管理、隔離エリア内への入退出管理システムの導入、隔離エリア内への持ち物検査の実施などが、挙げられる。
【0051】
本発明の実施の形態において、合意形成支援装置1は、これらの対策案のうち最適な対策案の組み合わせについて、社会的合意形成を支援する。ここで、各対策案の組み合わせを評価する指標が必要となる。
【0052】
本発明の実施の形態においては、目的関数として、トータルコストを最小化することとする。このトータルコストは、個人情報漏洩の発生確率×損害額+対策費用で算出される。また、制約条件として、関与者ごとに興味のある項目が考えられる。本発明の実施の形態においては、自治体の幹部、住民および職員がそれぞれ興味のあることを制約条件として挙げている。自治体の幹部が興味のある制約条件として、対策コストが考えられる。住民が興味のある制約条件として、個人情報漏洩確率が考えられる。職員が興味のある制約条件としてプライバシー負担度および利便性負担度が考えられる。
【0053】
本発明の実施の形態において、ファシリテータ、各オピニオンリーダ等が与えるパラメータは、目的関数や制約条件の式における係数や、制約条件の制限値である。地方自治体の個人情報漏洩問題において、制約条件の制限値は、制約条件となる対策コスト、個人情報漏洩確率、プライバシー負担度および利便性負担度のそれぞれの最大値である。また、ファシリテータ、各オピニオンリーダ等は、パラメータとして新たな対策案を追加しても良い。新たな対策案が追加された場合、その対策案に関するパラメータも併せて入力される。
【0054】
ファシリテータ、各オピニオンリーダは、各自の意見に従って、それぞれがパラメータを与えることにより、合意形成支援装置1は、それぞれの意見を反映した制約条件に基づいて、対策案の最適な組み合わせを算出する。さらに、一般参加者の意見に基づいて調整されたパラメータを与えることにより、合意形成支援装置1は、オピニオンリーダおよび一般参加者による社会的合意に達した対策案を出力することができる。
【0055】
図2ないし図4を参照して、本発明の実施の形態に係る社会的合意形成の方法を説明する。図2ないし図4における説明において、矢印はデータの送受信を示す。例えば、ファシリテータ端末2の入力装置から入力されたデータを、合意形成支援装置1に送信したり、合意形成支援装置1で生成された画面データをファシリテータ端末2に送信して、ファシリテータ端末2の表示装置に表示することを示している。合意形成支援装置1の実線の矩形は、合意形成支援装置1におけるコンピュータの処理を示す。点線の矩形は、オピニオンリーダ自身の行動を示す。また、合意形成支援装置1の処理は、スタジオ議論支援手段201の処理、一般参加者支援手段202の処理およびディレクター支援手段207の処理とに分類して記載する。
【0056】
まず、ステップS1において、ファシリテータ端末2から合意形成支援装置1に、ファシリテータによって入力された初期パラメータが、入力される。ステップS2においてスタジオ議論支援手段201は、入力された初期パラメータに基づいて、初期解を算出する。ここで、合意形成支援装置1は予め、対象を組み合わせ最適化問題として定式化した定式化結果データ152を記憶している。スタジオ議論支援手段201は、ファシリテータ端末2から入力された初期パラメータデータと定式化結果データ152に基づいて、対策案の最適組み合わせを算出する。ここで算出される対策案の最適組み合わせを、初期解と称する。
【0057】
ステップS3においてスタジオ議論支援手段201は、ステップS2において算出された初期解を表示する。スタジオ議論支援手段201は、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3、ディレクター端末4、対象問題専門家端末9、表示モニタ11などの議論会場の表示装置に、初期解を表示する。
【0058】
オピニオンリーダは、オピニオンリーダ端末3の表示装置に表示された初期解を参照し、独自の意見に対応する独自パラメータを、オピニオンリーダ端末3に入力する。複数のオピニオンリーダのそれぞれの意見に基づいたパラメータデータが入力されると、スタジオ議論支援手段201は、パラメータデータから各オピニオンリーダの最適解データを算出して、記憶装置100に記憶する。具体的には、ステップS4においてオピニオンリーダ端末3から合意形成支援装置1に、オピニオンリーダによって入力された独自パラメータが入力される。ステップS5においてスタジオ議論支援手段201は、入力された独自パラメータに基づいて、各オピニオンリーダの最適解を算出する。ここで、スタジオ議論支援手段201は、予め記憶された定式化結果データ152と、各オピニオンリーダによって入力された独自パラメータデータとに基づいて、各オピニオンリーダの最適解を算出する。各オピニオンリーダが独自パラメータデータを入力するので、オピニオンリーダが5人いる場合、ステップS5で5通りの最適解が算出される。
【0059】
次に一般参加者支援手段202は、記憶装置100からオピニオンリーダの最適解データを読み出して、各オピニオンリーダの最適解データと、一般参加者に支持するオピニオンリーダを選択させる投票画面を、一般参加者端末8に表示する。さらに一般参加者支援手段202は、一般参加者端末8から、一般参加者の意見データとして、一般参加者によって選択されたオピニオンリーダの識別子取得し、この意見データを集計した意見解析データを、記憶装置100に記憶する。
【0060】
具体的には、ステップS6においてスタジオ議論支援手段201および一般参加者支援手段202は、ステップS5において算出された各オピニオンリーダの最適解を表示する。スタジオ議論支援手段201は、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3、表示モニタ11などの議論会場の表示装置に、各オピニオンリーダの最適解を表示する。一般参加者支援手段202は、一般参加者端末8に、各オピニオンリーダの最適解を表示する。また、ディレクター端末4、対象問題専門家端末9などにも、各オピニオンリーダの最適解が表示される。
【0061】
一方ステップS7においてオピニオンリーダたちは、一般参加者や他のオピニオンリーダに独自の意見をアピールする。一般参加者端末8に、このアピールの様子が動画データとして配信され、一般参加者は、この動画データを参照して、いずれのオピニオンリーダの意見に賛同するかを決定する。また、他のオピニオンリーダの意見を聞いて、ステップS4で設定した独自パラメータを修正して入力しても良い。この場合スタジオ議論支援手段201は、修正されたパラメータで、再度最適解を算出する。
【0062】
ここで合意形成支援装置1は一般参加者端末8に、各オピニオンリーダの最適解のうち、いずれのオピニオンリーダの最適解を支持するか、投票画面を表示する。一般参加者は、投票画面に表示された各オピニオンリーダの最適解のいずれかを選択する。ステップS8において一般参加者端末8は、一般参加者によって選択された最適解の識別子の情報を、合意形成支援装置1に送信する。また、ステップS8において一般参加者支援手段202は、一般参加者にヒューリスティックルートによる意見として、テキストボックスに意見を入力させても良い。
【0063】
ステップS9においてディレクター支援手段207は、一般参加者の意見として、ステップS8で受信した投票結果を解析するとともに、テキストボックスに入力された意見を解析する。ステップS10において一般参加者支援手段202およびスタジオ議論支援手段201は、投票の結果を表示する。また、ディレクター支援手段207は、解析結果を、所定のオピニオンリーダやファシリテータに表示しても良い。
【0064】
ステップS10において、オピニオンリーダの最適解と、一般参加者が指示するオピニオンリーダの集計結果が表示されると、議論対象となる最適解が選択される。スタジオ議論支援手段201は、各オピニオンリーダの最適解データのうち、議論対象となる最適解データの識別子が入力されると、入力された識別子の最適解データを、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3および表示モニタ11等の表示装置に表示する。一般参加者支援手段202も、入力された識別子の最適解データを、一般参加者端末8の表示装置に表示する。また、ディレクター端末4、対象問題専門家端末9などにも、入力された識別子の最適解データが表示される。
【0065】
ここで、図3のステップS11においてファシリテータが、議論対象とする最適案の識別子を入力する。また、議論対象となる最適解は、例えば、最も多くの一般参加者に選択されたオピニオンリーダの最適解であっても良いし異なっても良い。この場合合意形成支援装置1は、ステップS9での一般参加者の意見の集計結果に基づいて、各オピニオンリーダの最適解を支持する数を比較し、最も多くの票を集めたオピニオンリーダの最適案を取得する。ステップS12において合意形成支援装置1は、議論対象の最適解を、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3、ディレクター端末4、一般参加者端末8、対象問題専門家端末9および表示モニタ11の各表示装置に表示する。
【0066】
ステップS12以降、合意形成支援装置1は、議論会場での議論の様子を一般参加者端末8に表示するとともに、一般参加者端末8に、一般参加者の意見を入力させる。ここで、一般参加者支援手段202は、さらに、一般参加者に議論対象となる最適解データに対する意見データを入力させる意見入力画面を一般参加者端末8に表示するとともに、一般参加者端末8から発言内容データを取得して記憶装置107に記憶する。また、スタジオ議論支援手段201は、さらに、記憶装置107からこの発言内容データを含む発言データ102を読み出してファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3、ディレクター端末4、一般参加者端末8、対象問題専門家端末9および表示モニタ11等の表示装置に表示する。
【0067】
具体的には一般参加者は、ステップS12で表示された議論対象の最適解についての意見を、一般参加者端末8に入力する。ステップS13において一般参加者端末8は、その情報を合意形成支援装置1に入力する。ステップS14において、ディレクター支援手段207は、ディレクターの指示によりステップS13で入力された一般参加者の意見を解析する。ステップS15において合意形成支援装置1は、ステップS14で解析した一般参加者の意見を、各表示装置に表示する。
【0068】
例えば、ディレクター端末4は、一般参加者によって入力された意見の解析結果を、所定の端末に出力する。これにより、ファシリテータ、オピニオンリーダ、ディレクターなどは、一般参加者の意見を考慮しつつ、議論を進めることができる。また対象問題専門家は、一般参加者の意見を参考にし、必要があれば、対象問題の理解を促すメッセージを発信することができる。このように合意形成支援装置1は、このような議論会場で議論に出席する者と、この議論の様子を視聴する者との間で、合意形成できるように支援することができる。また、ディレクターがヒューリスティックルートによる意見を適宜解析し数値化して出力することにより、議論内容を客観的に判断しつつ、議論を進行させることができる。
【0069】
ステップS16において、議論会場のオピニオンリーダたちは、ステップS15で表示された一般参加者の意見やディレクターによって表示された解析結果を参照しながら、議論対象の最適解について、さらに議論を重ねる。その結果、議論対象の最適解に修正が必要になった場合、ファシリテータは、その議論対象の最適解の元になったパラメータを修正した修正パラメータを、ファシリテータ端末2に入力する。ステップS17においてファシリテータ端末2は、入力された修正パラメータを合意形成支援装置1に入力する。ステップS18においてスタジオ議論支援手段201は、ステップS17で入力された修正パラメータに基づいて、修正最適解を算出する。さらに、ステップS19において合意形成支援装置1は、ステップS18で算出された修正最適解を、各表示装置に表示する。
【0070】
ステップS13ないしステップS19の処理は、複数のオピニオンリーダと、一般参加者と、の合意形成がなされるまで繰り返される。ここで、合意形成としては、複数のオピニオンリーダと一般参加者の多数が、現在提示されている修正最適案に同意することである。また、テレビ番組など、所定時間内に結論を出す場合、その時間が到達したタイミングで合意形成したと見なしても良い。
【0071】
修正最適解データを合意解とする指示が入力されると、一般参加者支援手段202は、一般参加者端末8に、この合意解を支持するか否かを入力する新たな投票画面を表示する。一般参加者支援手段202は、一般参加者端末8から、合意解を支持するか否かを示す意見データを取得する。ディレクター支援手段207は、この意見データを集計した解析結果データ104を、記憶装置107に記憶するとともに、この解析結果データ104を一般参加者端末8に表示する。同様に、スタジオ議論支援手段201は、この解析結果データ104を、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3および表示モニタ11等の表示装置に表示する。また、解析結果データ104は、ディレクター端末4、対象問題専門家端末9の表示装置にも表示される。
【0072】
ステップS21において合意形成支援装置1は、そのときの議論対象であった最新の最適解を、合意解として各表示装置に表示する。この最新の最適解は、議論対象となった最適解から、議論を経て修正された修正解である。
【0073】
ここで合意形成支援装置1は一般参加者端末8に、合意解に同意するか否かの投票画面を表示する。一般参加者は、投票画面に表示された合意解に同意するか否かのいずれか選択する。ステップS22において一般参加者端末8は、一般参加者によって選択された選択肢の情報を、合意形成支援装置1に送信する。ステップS23において一般参加者支援手段202は、一般参加者の意見として、ステップS22で受信した投票結果を解析する。ステップS24においてスタジオ議論支援手段201および一般参加者支援手段202は、ステップS23の結果を表示する。
【0074】
図2ないし図4に示す処理の間、各端末には、各端末のユーザに適した画面が表示される。例えば、一般参加者端末8には、図5または図8に示す一般参加者表示画面P101またはP102が表示される。オピニオンリーダ端末3およびファシリテータ端末2には、図9に示すオピニオンリーダ・ファシリテータ表示画面P103が表示される。ディレクター端末4には、図10に示すディレクター表示画面P104が表示される。対象問題専門家端末9には、図11に示す対象問題専門家表示画面P105が表示される。
【0075】
図5を参照して、一般参加者支援手段202が、一般参加者端末8に表示する一般参加者表示画面P101を説明する。
【0076】
一般参加者表示画面P101は、議論会場表示部P101a、最適解表示部P101b、投票表示部P101c、発言入力部P101dおよび発言表示部P101eを備える。議論会場表示部P201aは、ファシリテータ、オピニオンリーダ等が議論している様子を、ライブ放送として配信された動画を表示している。最適解表示部P101bには、ステップS5で算出された各オピニオンリーダの最適解が表示されている。投票表示部P101cには、ステップS9で解析された投票結果が表示されている。投票表示部P101cには、各オピニオンリーダA〜Eのそれぞれについて、支援する一般参加者の数が円グラフとして表示されている。発言入力部P101dは、システマテックルートによる意見を入力するものである。
【0077】
発言入力部P101dには、テキストボックスが用意され、一般参加者は、このテキストボックスに自由に意見を記載することができる。また、この発言入力部P101には、誰または何に対する意見なのか、さらに発言の書類を選択するコンボボックスが設けられている。図6(a)に示すように、「誰または何」に対する意見なのかを選択するコンボボックスには、発言対象として、オピニオンリーダの名前や、対策案、最適解など、意見の対象が記載されている。「発言の種類」を選択するコンボボックスには、発言の種別として、賛成、反対、質問、新規意見などが記載されている。一般参加者は、これらのコンボボックスから選択して、図6(b)に示すように入力する意見が、誰または何に対する意見なのか、また賛成なのか反対なのか、を選択する。図6(b)に示す例では、オピニオンリーダAに対する反対意見が、テキストボックスに入力されることになる。
【0078】
これらのコンボボックスで選択された発言対象や発言の種類は、テキストボックスに記載された発言とともに合意形成支援装置1に送信される。発言とともに送信される発言対象や発言の種類は、合意形成支援装置1などにおいて発言を分析する際に参照される。
【0079】
発言表示部P101eには、一般参加者やオピニオンリーダ等から入力された発言が表示される。各発言には、発言の対象や発言の種類が対応づけられている。これらの発言対象や発言の種類は、図6を参照して説明した通り、意見の入力者の入力に基づいて決定される。また発言表示部P101eに、「誰または何」に対する意見なのかを選択するコンボボックスと、「発言の種類」を選択するコンボボックスとが設けられている。ユーザが、これらのコンボボックスから発言の対象と発言の種類を選択すると、選択された発言の対象および種類に対応する意見データのみをフィルタリングすることができる。例えば、「オピニオンリーダAに対する賛成」意見が選択されると、図5の発言表示部P101eに表示された発言のうち、図7に示すように、「オピニオンリーダAに対する賛成」意見のみがフィルタリングされて表示される。
【0080】
ここで、対象問題専門家が何らかのメッセージを発信した場合、一般参加者端末8には、図8に示す一般参加者端末表示画面P102が表示される。図8に示す一般参加者表示画面P102は、図5を参照して説明した一般参加者表示画面P101と比べて、最適解表示部P101bを備えず、専門家メッセージ表示部P102bを備える点が異なる。専門家メッセージ表示部P102bには、対象問題専門家が、対象問題専門家端末9に入力したメッセージが表示される。このメッセージは、議論の対象問題について、対象問題専門家が一般参加者の理解を促すために入力したメッセージである。
【0081】
図9を参照して、スタジオ議論支援手段201が、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3に表示する、オピニオンリーダ・ファシリテータ表示画面P103を説明する。オピニオンリーダ・ファシリテータ表示画面P103は、図5に示す一般参加者表示画面P101と比べて、ディレクターコメント表示部P103fを備えている点が異なる。ディレクターコメント表示部P103fは、ディレクターからファシリテータやオピニオンリーダ向けにコメントが入力された場合、そのコメントを表示する。これにより、ディレクターは対象のファシリテータまたはオピニオンリーダのみに、コメントを伝えることができる。
【0082】
また、ディレクターから一般参加者の意見解析結果が出力された場合、最適解表示部P103bや投票表示部P103cは削除され、意見解析結果表示部を含む画面(図示せず)が表示される。
【0083】
図10を参照して、ディレクター支援手段207が、ディレクター端末4に表示する、ディレクター表示画面P104を説明する。ディレクター表示画面P104は、図5に示す一般参加者表示画面P101と比べて、解析表示部P104bを備えている点が異なる。解析表示部P104bは、一般参加者端末8の意見を解析する解析方法を指定したり、その解析結果の出力先を指定したりする。例えば、ディレクターは、図10に示すように、解析方法や出力先をチェックボックスで指定する。また、他の端末に解析結果を出力しない場合、ディレクターは、解析表示部P104bの解析結果タブをクリックして、解析結果を確認することができる。
【0084】
また、図10に示すディレクター表示画面P104においては、意見入力部P104dにフェーズ切替ボタンが設けられている。ディレクターがこのフェーズ切替ボタンを押下すると、後述するように、合意形成支援装置1は、その時刻を記録する。記録されたフェーズの時刻情報は、後述するように、時系列分析などの意見データの解析において参照される。また、意見入力部P104dにおいて所定のオピニオンリーダやファシリテータを指定してコメントを入力することができる。これにより、ディレクターは、図9のディレクターコメント表示部P103fで説明した通り、所定のオピニオンリーダまたはファシリテータにのみコメントを伝えることができる。
【0085】
図11を参照して、対象問題専門家支援手段210が、対象問題専門家端末9に表示する、対象問題専門家表示画面P105を説明する。対象問題専門家表示画面P105に表示される情報のうち、議論会場表示部P105aおよび意見表示部P105aは、図5に示す一般参加者表示画面P101の議論会場表示部P101aおよび意見表示部P101aと同様である。
【0086】
意見入力部P105cは、対象問題専門家が、一般参加者に送信するメッセージを入力する。意見入力部P105cには、参考URL入力欄が設けられており、対象問題専門家は、この対象問題の解説に関連するURLなどを入力することもできる。この参考URL入力欄に入力されたウェブページは、参照HPレビュー部P105fにプレビュー表示される。提供情報候補一覧P105dには、議論内容に含まれるキーワードについて、対象問題専門家支援手段210が検索したウェブページの概要などが一覧表示されている。議論に関連するウェブページの内容を表示することによって、対象問題専門家支援手段210は、関連情報を表示することにより、対象問題専門家のメッセージ入力を支援することができる。分析結果表示部P105eには、ディレクター端末4から出力された解析結果などが表示される。
【0087】
本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1は、一般参加者、オピニオンリーダ、ファシリテータ、ディレクター等の参加者から入力された発言を管理に関連する。合意形成支援装置1は、参加者から入力された発言を記録して、他の参加者に提供する。このとき合意形成支援装置1は、各参加者から受信した発言を合意形成支援装置1の記憶装置に記憶するとともに、この記憶装置から発言を読み出して、他の参加者に提供する。また別の方法として、各参加者から受信した発言を合意形成支援装置1の記憶装置に記憶するとともに、この記憶装置から発言を読み出して、他の参加者に提供する。
【0088】
また別の方法として、マイクロブログ提供装置7を利用する方法がある。この方法では、合意形成支援装置1は、参加者から発言が入力されると、マイクロブログ提供装置7に発言データをアップロードする。さらに合意形成支援装置1は、マイクロブログ提供装置7から発言をダウンロードして、意見を解析したり、所定の端末に表示する。
【0089】
図12を参照して、マイクロブログ提供装置7を利用する場合の発言の処理の流れを説明する。合意形成支援装置1は、(1)において一般参加者端末8など、参加者の端末に、画面を表示する。ここで表示する画面は、図5、8ないし11を参照して説明した画面である。ここでは、一般参加者が発言を入力する場合を説明するが、オピニオンリーダ、ファシリテータ、ディレクターなどが発言を入力する際も同様である。
【0090】
一般参加者端末8に図5で示す一般参加者端末表示画面P101が表示されると、(2)において一般参加者は、発言入力部P101dのテキストボックスに、一般参加者自身の意見を入力する。(3)において一般参加者が送信ボタンを押下すると、一般参加者端末8は、入力された発言のデータを合意形成支援装置1に送信する。このとき、発言対象の識別子および発言種別も、発言のデータとともに、合意形成支援装置1に送信される。
【0091】
合意形成支援装置1は、一般参加者端末8から意見が送信されると、(4)において、入力された意見からアップロードするデータを生成する。具体的には合意形成支援装置1は、意見に含まれる発言対象の識別子および発言種別を、後述するタグ対応表データ1021を参照して、タグに変換し、参加者名をマイクロブログ提供装置7内のIDに変換して、マイクロブログ提供装置7に発言データをアップロードする。ここで、本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10における参加者は、マイクロブログ提供装置7におけるIDを事前に申告する。従って合意形成支援装置1は、各参加者の名前と、マイクロブログ提供装置7内のIDとを対応づけたテーブルを備える。
【0092】
また合意形成支援装置1は、発言の本文に、本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10が使用する発言であること示すタグを挿入する。例えば合意形成支援装置1は、参加者が入力した発言の末尾に”#smrc”のハッシュタグを挿入する。合意形成支援装置1は、マイクロブログ提供装置7から、”#smrc”を含む発言を抽出することにより、本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10に関連する発言のみを取得することができる。ここで、合意形成支援システム10が使用する発言であること示すタグを挿入した後の発言の本文の文字数が所定の文字数を超える場合、(5)において、発言の本文を分割して、マイクロブログ提供装置7にアップロードする。分割する方法としては、所定の文字数で分割する方法、所定の文字数を超えない範囲で句点や読点で分割する方法などが考えられる。
【0093】
このように生成した発言データを、(6)において合意形成支援装置1はマイクロブログ提供装置7にアップロードする。マイクロブログ提供装置7にアップロードされた発言は、通常のマイクロブログ提供装置7に入力された発言と同様に、発言が表示される。従って、本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10の参加者以外の参加者も、合意形成支援装置1からアップロードされた発言を参照することができる。
【0094】
合意形成支援装置1が、参加者に発言を表示したり解析や集計したりする際、(7)においてマイクロブログ提供装置7から発言をダウンロードする。このとき合意形成支援装置1は、検索キーワードとして、”#smrc”を指定することにより、合意形成支援装置1がアップロードした発言のみをダウンロードすることができる。さらに、発言対象の識別子に対応するタグや発言種別に対応するタグも指定することにより、これらの条件に合致する発言のみを取得することができる。このようにダウンロードした発言は、(8)において合意形成支援装置1の記憶装置に記憶される。さらに、(9)に示すように、ディレクター端末4などの参加者の端末に、発言を表示するための画面を表示する。
【0095】
この発言を解析する際、(10)においてディレクター端末4から、解析条件が入力される。この解析条件とは、解析方法、解析期間、解析対象などである。ディレクター端末4から解析条件が入力されると、合意形成支援装置1は、(11)において(8)において保存した意見を、(10)で指定された検索条件で解析する。合意形成支援装置1は、解析した結果を、(12)においてディレクター端末4に表示する。
【0096】
(合意形成支援装置)
本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1は、複数のオピニオンリーダによる議論と、議論に対する一般参加者の意見との合意形成を支援する。合意形成支援装置1は、図13に示すように、記憶装置100、中央処理制御装置200、入力装置310、表示装置320および通信制御装置330を備える一般的なコンピュータである。合意形成支援装置1は、一般的なコンピュータに、合意形成支援プログラムがインストールされ実行されることによって実現される。合意形成支援装置1は、オピニオンリーダが閲覧する表示モニタ11と、一般参加者が閲覧する一般参加者端末3に接続される。
【0097】
入力装置310は、マウス、キーボードなどであって、合意形成支援装置1に操作者の指示を与える。表示装置320は、合意形成支援装置1の出力内容を表示して操作者に認識させる。通信制御装置330は、通信ネットワーク5aを介して、他の装置と相互に通信するためのインタフェースである。
【0098】
記憶装置100には、合意形成支援プログラムが記憶されるとともに、スタジオ議論支援データ101、発言データ102、フェーズ対応データ103、解析結果データ104、対象問題専門家支援データ105およびスタジオ映像データ106が記憶される。これらのデータは、中央処理制御装置200で実装される各処理手段によって出力され読み出されるデータである。
【0099】
中央処理制御装置200は、合意形成支援プログラムが実行されることによって、スタジオ議論支援手段201、一般参加者支援手段202、発言管理手段203、ディレクター支援手段207、対象問題専門家支援手段210およびスタジオ映像制御手段211を備える。
【0100】
スタジオ議論支援手段201は、ファシリテータ、オピニオンリーダなどの議論会場における議論を支援する。スタジオ議論支援手段201は、スタジオ議論支援データ101を参照し出力する。
【0101】
図14を参照して、本発明の実施の形態に係るスタジオ議論支援手段201およびスタジオ議論支援データ101を説明する。
【0102】
スタジオ議論支援データ101は、パラメータデータ、定式化結果データ152および最適解データ153を備える。
【0103】
パラメータデータ151は、本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1が算出する最適解を算出するためのデータである。図2ないし図4で説明するように、本発明の実施の形態において、議論の進捗に応じて、様々なパラメータデータが合意形成支援装置1に入力される。ここで、パラメータデータ151は、定性的データまたは定量的データである。パラメータデータ151は、1点の数値として与えても良いし、また、分布の形で与えても良い。図2ないし図4で説明するように、本発明の実施の形態において、議論の進捗に応じて、様々なパラメータデータが合意形成支援装置1に入力される。具体的には、図2のステップS1で入力される初期パラメータ、ステップS4で入力される独自パラメータ、図3のステップS17で入力される修正パラメータである。これらの各パラメータが、パラメータデータ21として、記憶装置100に記憶される。
【0104】
定式化結果データ152は、最適解を算出するために用いられる計算式のデータである。定式化結果データ152に基づく計算式に、パラメータデータ151が入力されることにより、最適解が算出される。定式化結果データ152は、予め算出されて記憶されている。
【0105】
最適解データ153は、パラメータデータ151および定式化結果データ152から算出された最適解のデータである。本発明の実施の形態において、議論の進捗に応じて、合意形成支援装置1は、様々な最適解データを算出する。具体的には、図2のステップS2で算出される初期解、ステップS5で算出される各オピニオンリーダの最適解、図3のステップS18で算出される修正最適解である。これらの各最適解が、最適解データ23として、記憶装置100に記憶される。
【0106】
パラメータ取得手段251は、解を出力するためのパラメータを取得する手段である。パラメータ取得手段251は、取得したパラメータデータ151を、記憶装置100に記憶する。
【0107】
最適化手段252は、記憶装置100から、パラメータデータ151および定式化結果データ152を読み出して最適化の算出をし、最適解データ153を生成する。さらに最適化手段252は、最適解データ153を記憶装置100に記憶する。
【0108】
表示画面生成手段253は、オピニオンリーダ、ファシリテータ等が閲覧する画面データを生成する。表示画面生成手段253は、例えば、ファシリテータ端末2、オピニオンリーダ端末3、表示モニタ11などに表示する表示画面を生成し、各端末に出力する。表示画面生成手段253が生成する画面は、図9に示すオピニオンリーダ・ファシリテータ表示画面P103などである。
【0109】
表示画面生成手段253は、各画面を生成する際、記憶装置100に記憶された各データを読み出して、議論会場のオピニオンリーダやファシリテータに表示する画面を生成する。
【0110】
図13に示す発言管理手段203は、一般参加者、オピニオンリーダ、ファシリテータ、ディレクター等の参加者から入力された発言を管理する。発言管理手段203は例えば、参加者から入力された発言内容データ102aを記憶装置100に記憶する。さらに、発言管理手段203は、発言内容データ102aを処理して、発言データ102を生成する。発言データ102は、図15に示すようなデータの集合である。
【0111】
発言データ102は、複数の発言内容データ102a、この発言内容データ102aを管理するデータ、発言内容データ102aを解析した結果のデータなどを備える。発言内容データ102aは、発言のID、作成時間、発言者のID(from)、発言が他の発言の返信である場合、その他の発言の発言者のID(to)、その他の発言のID(fromID)および発言の本文の各データを含む。
【0112】
発言内容データ102aを管理するデータとして、ユーザデータ、発言の選択管理データ、タグデータなどが挙げられる。このユーザデータは、マイクロブログ提供装置7におけるIDと、このユーザの名前と、合意形成支援システム10におけるこのユーザの権限とが対応づけられている。合意形成支援システム10におけるこのユーザの権限とは、オピニオンリーダA、オピニオンリーダB、ファシリテータ、ディレクター、対象問題専門家などである。発言の選択管理データは、各発言に付与された、「誰・何に」対する発言かを示す発言対象タグと、賛成、反対などの発言の種別タグとを含むことを示す。
【0113】
タグデータは、マイクロブログ提供装置7で用いられるタグと、そのタグの意味などとを対応づけたデータである。タグデータでは、発言対象、発言種別、フェーズ切替などのタグを持ち、タグ対応表データ1021において各タグの意味が対応づけられる。
【0114】
タグ対応表データ1021は、例えば図16(a)に示すようなデータを備える。図16(a)に示すタグ対応表データ1021aは、発言対象に関するタグ、発言種別に関するタグ、フェーズ切替に関するタグが含まれる。発言対象に関するタグとしては、オピニオンリーダA、対策案A、最適解Aなど参加者が発言する対象と、その対象を特定するタグが対応づけられている。発言種別に関するタグとしては、賛成、反対、質問、新規意見、見落とし視点、事実の提示などの発言種別と、その発言種別を特定するタグが対応づけられている。例えば、オピニオンリーダAに対する賛成の発言をマイクロブログ提供装置7にアップロードする場合、合意形成支援装置1は、参加者が入力した発言の末尾に、「#ol_a #pros #smrc」を挿入して、マイクロブログ提供装置7に送信する。ここで「#smrc」は、本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10で用いられる発言内容データであることを示すタグである。
【0115】
フェーズ切替に関するタグとしては、当該発言の前後でフェーズが切り替わるタイミングであることを示すタグが含まれる。ここで、フェーズ切替に関するタグは、ディレクターが、例えば図10に示すフェーズ切替ボタンを押下し、その発言内容データが合意形成支援装置1に送信された際に、用いられる。このフェーズ切替に関するタグは、フェーズ対応データ103を生成する際に参照される。
【0116】
このような図16(a)に示すタグ対応表データ1021aにおいては、タグをみれば、どのような意味のタグかがわかるので、マイクロブログ提供装置7のみを参照するユーザも、発言の対象や発言種別を把握することができる。
【0117】
合意形成支援装置1は、図16(a)に示すタグ対応表データ1021aでなく、図16(b)に示すタグ対応表データ1021bを用いても良い。図16(b)に示すタグ対応表データ1021bは、図16(a)に示すタグ対応表データ1021aより、タグの長さが短い。例えば、オピニオンリーダAに対する賛成の発言をマイクロブログ提供装置7にアップロードする場合、合意形成支援装置1は、参加者が入力した発言の末尾に、「#a1_ #f1_ #smrc」を挿入して、マイクロブログ提供装置7に送信する。これにより、マイクロブログ提供装置7において発言本文に文字数制限がある場合、タグによって参加者自身の発言内容の文字数が制限されにくくなる。また、タグそのものは意味が不明であるが、図16(b)に示すタグ対応表データ1021bを参照することにより、合意形成支援装置1は、タグの意味を考慮して、発言内容データを参加者の端末に表示したり、解析したりすることができる。
【0118】
さらに、図16(c)に示すタグ対応表データを用いても良い。このタグ対応表データ1021cでは、発言対象や発言種別に、タグではなく、コードが対応づけられている。合意形成支援装置1は、これらのコードを連結したタグを作成して、マイクロブログ提供装置にアップロードする。例えばオピニオンリーダAに対する賛成の発言をアップロードする場合、合意形成支援装置1は、参加者が入力した発言の末尾に、「#smrc00_」を挿入して、マイクロブログ提供装置7に送信する。このような方法によれば、図16(b)の場合と比べてより発言内容の文字数が制限されにくい。また、図16(b)と同様に、タグそのものは意味が不明であるが、図16(c)に示すタグ対応表データ1021cを参照することにより、合意形成支援装置1は、タグの意味を考慮して、発言内容データを参加者の端末に表示したり、解析したりすることができる。
【0119】
発言データ102は、図15に示すように、発言内容データ102aを解析した結果のデータとして、発言ツリー構造管理データ、意見の集約管理データ、発言への反応データ、キーワード時系列分析データを備える。
【0120】
発言ツリー構造管理データは、各発言の発言のツリー構造に関連するデータを含む。発言ツリー構造管理データは、例えば、発言IDと、その発言に対する返信の数の対応表、発言IDと、その発言に対する子孫を含めた返信の数の対応表、発言IDと、その発言に対する返信の最大深さの対応表などのデータを含む。発言に対する返信の数は、所定の発言に対して直接に返信された発言の数である。発言ID「A」の発言に対する返信の数は、fromIDとして「A」が指定されている発言の数である。発言に対する子孫を含めた返信の数は、所定の発言を第1階層とし、この第1階層に対する返信を第2階層とし、この第2階層に対する返信を第3階層と定義した場合、所定の発言について、第1階層から、第2階層、第3階層…と、最も深い階層までの全ての発言の数の合計である。発言に対する返信の最大深さは、所定の発言を第1階層とした場合において、最も深い階層までの階層の数である。
【0121】
意見の集約管理データは、各発言を集約したデータである。この意見の集約管理データは、代表発言の本文、この代表発言に類似する発言の数、この発言に肯定する発言の数および否定する発言の数を含む。キーワード時系列分析データは、時系列分析した際の開始時間および終了時間と、分析データに含まれるキーワードのデータである。
【0122】
これらの発言データ102は、発言管理手段203およびディレクター支援手段207によって読み出されおよび作成される。
【0123】
発言管理手段203は、発言取得手段204、発言アップロード手段205およびフィルタリング手段206を備える。
【0124】
発言取得手段204は、参加者の端末に、発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、端末から発言内容データ102aを受信すると、発言データ102に記憶する。ここで、記憶装置100には、参加者端末から受信した発言データにさらに、マイクロブログ提供装置7からダウンロードした発言内容データ102aとそれに関するデータを含む発言データが記憶されても良い。
【0125】
発言アップロード手段205は、参加者の端末から受信した発言内容データ102aを、マイクロブログ提供装置7にアップロードする。この際発言アップロード手段205は、発言内容データにおける発言対象の識別子や発言種別を、図16を参照して説明したタグ対応表データ1021を参照してタグに変換して、マイクロブログ提供装置7にアップロードする。
【0126】
フィルタリング手段206は、参加者の端末に発言データ102を表示するとともに、発言対象の種別または発言種別が選択されると、選択された発言対象の種別または発言種別を含む発言内容データ102aを抽出して表示する。例えば、図5に示すような画面において、発言対象の種別や発言種別が選択されると、フィルタリング手段206は、図7に示すように、選択された条件に合致する発言内容データのみを抽出して表示する。マイクロブログ提供装置7に発言内容データ102aが記憶される場合、フィルタリング手段206は、選択された条件をタグに変更し、マイクロブログ提供装置7からこのタグおよび合意形成支援システム10が使用することを示すタグを含む発言内容データを抽出して、参加者の端末に表示する。例えばフィルタリング手段206は、オピニオンリーダAに対する賛成の発言を検索する場合、図16(a)に示すタグ対応表データ1021aを参照して、「#ol_a #pros #smrc」をマイクロブログ提供装置7に送信する。マイクロブログ提供装置7は、「#ol_a #pros #smrc」を含む発言内容データを抽出して、合意形成支援装置1に送信する。
【0127】
ここで発言管理手段203は、不要な発言や意味のない発言を削除しても良い。例えば、発言内容の文字数が短すぎる場合、意味のない発言である可能性があるので、発言管理手段203は、発言を削除する対象として特定する。また、特定の参加者間の返信が続いている場合も、個人間の攻撃の発言である可能性があるので、発言管理手段203は、発言を削除する対象として特定する。削除対象として特定された発言は、発言管理手段203によって削除されても良いし、ディレクター等の端末に表示して、ディレクターの指示により削除されても良い。
【0128】
ディレクター支援手段207は、図10に示すようなディレクター端末4に画面を表示したり、ディレクター端末4におけるディレクターの操作に基づいて、情報を表示する。ディレクター支援手段207は、フェーズ切替手段208および発言解析手段209を備える。
【0129】
フェーズ切替手段208は、図2ないし図5を参照して説明した議論の進行を、いくつかのフェーズに分割して管理するために、ディレクターが指定したタイミングで、フェーズを定義する。具体的には、ディレクターが図12に示すディレクター表示画面P104の意見入力部P104dのフェーズ切替ボタンを押下すると、合意形成支援装置1のフェーズ切替手段208は、押下されたタイミングの時刻をフェーズ対応データ103に記録する。また、テキストボックスにフェーズ名が入力されている場合、フェーズ切替手段208は、入力されたフェーズ名と、押下されたタイミングの時刻とを対応づけてフェーズ対応データ103に記憶する。フェーズ対応データ103は、図17に示すように、フェーズ名と、そのフェーズを開始する時刻とを対応づけたデータである。
【0130】
発言解析手段209は、ディレクターに入力された条件に基づいて、発言データ102を解析する。発言解析手段209は、発言の集約、キーワード時系列分析、識別子の集計表示、ツリー構造分析などの各種の所定の解析を実行し、その結果を発言データ102に出力し、その出力の表示形態を解析結果データ104に出力する。このとき発言解析手段209は、発言データ102において、意味のない発言を除外して解析することが好ましい。
【0131】
識別子の集計表示をする際、発言解析手段209は、発言対象の識別子を含む発言内容データをカウントして表示する。発言解析手段209は、ディレクター端末4に、図18に示す画面を表示する。ディレクターは、図18に示す画面に、集計対象の時間帯を指定し、集計ボタンを押下する。この時間帯は、フェーズ単位で指定された場合、発言解析手段209は、フェーズ対応データ103から指定されたフェーズに対応する時間帯について処理する。
【0132】
発言解析手段209は、集計対象の時間帯を取得すると、発言データ102を検索して、各発言内容データを、発言対象の識別子および発言の種別ごとに集計する。その結果に基づいて、図19に示す画面を表示する。図19に示す画面は、発言対象の識別子および発言種別ごとにカウントされた結果が、棒グラフで表示する。図19に示す例によるとディレクターは、オピニオンリーダBに対する賛成意見が多いことを把握できる。
【0133】
キーワードを時系列に分析する際、発言解析手段209は、発言データ102から、各発言内容データ102aの発言に含まれるキーワードを作成日時と対応づけて取得し、時間ごとにキーワードをカウントして表示する。ここで発言解析手段209は、発言内容データの本文を形態素解析し、各発言に特徴的なキーワードを抽出する。特徴的なキーワードとは、助詞以外の単語であったり、一般的に用いられる単語以外の単語である。発言解析手段209は、抽出したキーワードに基づいて、時間ごとにカウントして表示する。発言解析手段209は、ディレクター端末4に図20に示す画面を表示する。ディレクターは、図20に示す画面に、分析対象の時間帯を指定し、分析ボタンを押下する。発言解析手段209は、分析対象の時間帯を取得すると、発言データ102を検索して、各発言内容データに含まれるキーワードを、所定時間単位ごとに集計する。その結果に基づいて、図21に示す画面を表示する。図21においては、指定された時間帯において、抽出されたキーワードについて、各キーワードが含まれる回数順にグラフ表示している。このような解析結果を、指定する時間を変更して表示することにより、ディレクターは、参加者の発言内容の傾向を客観的に把握することができる。
【0134】
発言のツリー構造を分析する際、発言解析手段209は、発言データ102に含まれる各種発言の返信を、図22に示すようなツリー構造で把握する。発言解析手段209は、発言に対する返信の数、発言に対する子孫を含めた返信の数、発言に対する返信の最大深さを算出する。発言に対する返信の数は、図22に示す例において、User03の発言に対して、User01およびUser15が返信しているので、2となる。発言に対する子孫を含めた返信の数は、User03の発言に対して、User01およびUser15が返信しており、これらの返信に対してさらに返信が重ねられた場合、その返信の数の合計となる。返信の最大深さは、図22に示す例において、User01の発言に対し、User04、…User01と直列的に返信しているので、この返信の数となる。
【0135】
このように発言のツリー構造を理解することにより、各発言を客観的に把握することができる。例えば、発言の最大深さが深い場合、深い意見がやりとりされている場合がある。また、所定の発言に対して多くの返信がある場合、反響の大きい発言である可能性がある。このように発言をツリー構造で把握することにより、重要な発言を抽出することができる。また、発言解析手段209は、発言のやりとりにおいて、キーパーソンとなる参加者も特定することができる。
【0136】
発言を集約する際、発言解析手段209は、発言データ102から、各発言内容データの発言に含まれるキーワードを取得するとともに、取得したキーワードが類似する発言内容データを含む複数のグループを生成し、各グループに含まれる発言内容データの数と、各グループの所定の発言内容データとを対応づけて表示する。
【0137】
発言解析手段209は、各発言内容データの本文を形態素解析し、各発言に特徴的なキーワードを抽出する。発言解析手段209は、抽出したキーワードに基づいて、類似する発言内容データをグルーピングして、複数のグループを作成し、さらに各グループに含まれる発言内容データの数をカウントする。また、発言解析手段209は、各グループから代表的な意見を抽出し、さらにこの代表的な意見について、肯定する意見の数、否定する意見の数をカウントする。
【0138】
この結果、発言解析手段209は、図23に示すような画面を出力することができる。発言解析手段209は、図23に示す画面の左欄には、集約した結果得られた代表的な発言を表示するとともに、右欄に、この発言に類似する発言数、肯定する発言の数、否定する発言の数を表示する。このように発言を集約して表示することにより、多数の発言の動向を把握し、合意形成の過程を客観的に判断することができる。
【0139】
対象問題専門家支援手段210は、図11に示すような対象問題専門家端末9に画面を表示したり、対象問題専門家端末9における対象専門家の操作に基づいて、情報を表示する。具体的には、対象問題専門家支援手段210は、意見入力部P105cに意見が入力されると、意見に含まれるキーワードに基づいてウェブを検索し、その検索結果得られたURLやタイトルを提供情報候補一覧表示部P105dに表示する。対象専門家がこの提供情報候補一覧表示部P105dに含まれるURLのいずれかをクリックすると、対象問題専門家支援手段210は、参照HPプレビュー画面P105に表示する。
【0140】
スタジオ映像制御手段211は、議論会場で、オピニオンリーダやファシリテータが議論している様子を撮影した映像データを、コンピュータが読み取り可能な形式に変換してスタジオ映像データ106を生成し、記憶装置100に記憶する。さらにスタジオ映像制御手段211は、スタジオ映像データ106を取得し、動画配信装置6にアップロードする。アップロードされたスタジオ映像データ106は、一般参加者端末8や表示モニタ11等でダウンロードされ、再生される。ここスタジオ映像データ106は、議論会場で、オピニオンリーダやファシリテータが議論している様子を撮影した映像データを、コンピュータが読み取り可能な形式に変換したデータである。
【0141】
図5においては、一般参加者が発言を入力したり発言を表示する画面を説明したが、図24を参照して所定の発言に対する返信を入力し返信する画面を説明する。図24(a)においては、第1階層の所定の発言が表示されている。マウスのダブルクリックなどによりこの第1階層の発言が選択されると、図24(b)に示すように、第1階層の発言に対する第2階層の返信の発言が表示される。
【0142】
ここで、図24(c)に示すように、第2階層の上部に表示された発言に対してマウスの右クリックが押下されると、この発言に対する返信を入力する画面が表示される。この画面に発言を入力してOKボタンが押下されると、この発言データは合意形成支援装置1に送信され、発言データ102に蓄積される。
【0143】
一方、図24(d)に示すように、マウスのダブルクリックなどにより第2階層の上部に表示された発言が選択されると、この第2階層の発言に対する第3階層の発言が表示される。ここで、図24(c)で入力された発言も、表示される。
【0144】
このように、発言を階層表示するとともに、所定の発言に対して返信を入力することにより、参加者は、どの発言に対する意見なのかを明確にすることができる。
【0145】
このように本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10によれば、多数の参加者の意見として、テキスト情報を用いた発言を収集することができる。また、短時間で膨大な量の発言が送信されても、本発明の実施の形態に係る合意形成支援装置1が、発言をフィルタリングすることにより、オピニオンリーダ、ファシリテータ、ディレクターなどは、発言の動向を容易に把握することができる。例えば、参加者の端末から、発言とともに、発言対象や発言種別を受信することにより、合意形成支援装置1は、所定の発言をフィルタリングすることができる。
【0146】
このフィルタリング機能を用いて、最も指示されているオピニオンリーダの意見に対する発言を収集することができる。具体的には、発言対象として、最も指示されているオピニオンリーダの識別子が指定されると、このオピニオンリーダに対する意見のみを表示することができる。これにより、多数派の発言を考慮して、議論を深めることができる。
【0147】
また、ディレクターの指示により合意形成支援装置1は、発言データを解析することができる。その解析結果から、各参加者は発言の動向を把握することができる。発言データの解析は例えば、発言対象および発言種別ごとの集計、発言内容のキーワードの集計、発言の集約、発言の階層構造の分析などである。所定のフェーズや、直近1時間などの解析対象の時間が指定されると、合意形成支援装置1は、指定された時間の発言を解析することができる。ここで、さらに、合意形成支援装置1は、発言対象、発言種別、キーワードなどの検索条件を指定させ、発言を解析しても良い。
【0148】
例えば、発言の集約をすることによって、多くの参加者の発言が集約された意見を特定することができる。このような意見を、議論で取り上げることにより、有意義な議論を進めることができる。
【0149】
また、時間ごとに解析し、また発言の階層構造の分析により、参加者の意見の傾向が変わったきっかけやタイミングを把握することができる。さらに、その後の意見に着目することにより、有意義な議論を進めることができる。
【0150】
さらにこれらの解析を組み合わせて、合意形成支援装置1は、議論のキーパーソンの特定を支援することができる。合意形成支援装置1は、例えば、直接の返信数が多い発言をした参加者、子孫まで含めた返信数が多い発言をした参加者、階層の深い発言の元となった発言をした参加者、賛成または反対ボタンを多く押された発言をした参加者などを、キーパーソンとして特定することができる。合意形成支援装置1は、キーパーソンの意見や動向に着目して、効率的に議論を進めることができる。
【0151】
さらに合意形成支援装置1は、これらの解析結果を時間ごとに比較することにより、客観的な議論の動向や方向性を出力することができる。
【0152】
このように本発明の実施の形態に係る合意形成支援システム10によれば、多数の参加者の意見を効率的に処理することにより、多数の意見を的確に把握して議論の効果や効率を向上させ、社会的合意形成を支援することができる。
【0153】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0154】
例えば、本発明の実施の形態に記載した合意形成支援装置は、図13に示すように一つのハードウェア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウェア上に構成されても良い。また、既存のシステム上に実現されても良い。
【0155】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0156】
1 合意形成支援装置
2 ファシリテータ端末
3 ファシリテータ端末
4 ディレクター端末
5 通信ネットワーク
6 動画配信装置
7 マイクロブログ提供装置
8 一般参加者端末
9 対象問題専門家端末
10 合意形成支援システム
11 表示モニタ
100 記憶装置
101 スタジオ議論支援データ
102 発言データ
103 フェーズ対応データ
104 解析結果データ
105 対象問題専門家支援データ
106 スタジオ映像データ
151 パラメータデータ
152 定式化結果データ
153 最適解データ
200 中央処理制御装置
201 スタジオ議論支援手段
202 一般参加者支援手段
203 発言管理手段
204 発言取得手段
205 発言アップロード手段
206 フィルタリング手段
207 ディレクター支援手段
208 フェーズ切替手段
209 発言解析手段
210 対象問題専門家支援手段
211 スタジオ映像制御手段
251 パラメータ取得手段
252 最適化手段
253 表示画面生成手段
310 入力装置
320 表示装置
330 通信制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、前記議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、参加者の意見の分析を支援する合意形成支援装置であって、
発言対象の識別子および発言種別を含む発言内容データを含む発言データを記憶する記憶装置と、
発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、前記発言内容データを受信すると、前記発言データに記憶する発言取得手段と、
前記発言データを表示するとともに、前記発言対象の種別または前記発言種別が選択されると、前記選択された発言対象の種別または前記発言種別を含む前記発言内容データを抽出して表示するフィルタリング手段
を備えることを特徴とする合意形成支援装置。
【請求項2】
前記発言データから、各発言内容データの発言に含まれるキーワードを取得するとともに、取得した前記キーワードが類似する発言内容データを含む複数のグループを生成し、各グループに含まれる発言内容データの数と、各グループの所定の発言内容データとを対応づけて表示する発言解析手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の合意形成支援装置。
【請求項3】
前記発言内容データはさらに、発言の作成日時を含み、
前記発言解析手段はさらに、
前記発言データから、各発言内容データの発言に含まれる前記キーワードを前記作成日時と対応づけて取得し、時間ごとに前記キーワードをカウントして表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の合意形成支援装置。
【請求項4】
前記発言解析手段はさらに、
前記発言対象の識別子を含む発言内容データをカウントして表示する
ことを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の合意形成支援装置。
【請求項5】
所定の発言に対する返信として発言された発言内容データは、返信元の発言内容データを示す返信もと識別子を含み、
前記発言解析手段はさらに、
前記発言データの各発言内容データに対する返信の発言内容データの数をカウントして、返信の発言内容データ数の多い発言内容データを表示するとともに、
前記発言データの各所定の発言内容データに対する返信を重ねた発言内容データの数をカウントして、返信を重ねた発言内容データの数の多い発言内容データを表示する
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の合意形成支援装置。
【請求項6】
対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、前記議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、参加者の意見の分析を支援する合意形成支援装置に用いられる合意形成支援プログラムであって、
コンピュータを、
発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、発言対象の識別子および発言種別を含む発言内容データを受信すると、前記発言内容データを含む発言データに記憶する発言取得手段と、
前記発言データを表示するとともに、前記発言対象の種別または前記発言種別が選択されると、前記選択された発言対象の種別または前記発言種別を含む前記発言内容データを抽出して表示するフィルタリング手段
として機能させるための合意形成支援プログラム。
【請求項7】
前記発言データから、各発言内容データの発言に含まれるキーワードを取得するとともに、取得した前記キーワードが類似する発言内容データを含む複数のグループを生成し、各グループに含まれる発言内容データの数と、各グループの所定の発言内容データとを対応づけて表示する発言解析手段
をさらに機能させるための請求項6に記載の合意形成支援プログラム。
【請求項8】
前記発言内容データはさらに、発言の作成日時を含み、
前記発言解析手段はさらに、
前記発言データから、各発言内容データの発言に含まれる前記キーワードを前記作成日時と対応づけて取得し、時間ごとに前記キーワードをカウントして表示する
ことを特徴とする請求項7に記載の合意形成支援プログラム。
【請求項9】
前記発言解析手段はさらに、
前記発言対象の識別子を含む発言内容データをカウントして表示する
ことを特徴とする請求項7または8のいずれか1項に記載の合意形成支援プログラム。
【請求項10】
所定の発言に対する返信として発言された発言内容データは、返信元の発言内容データを示す返信もと識別子を含み、
前記発言解析手段はさらに、
前記発言データの各発言内容データに対する返信の発言内容データの数をカウントして、返信の発言内容データ数の多い発言内容データを表示するとともに、
前記発言データの各所定の発言内容データに対する返信を重ねた発言内容データの数をカウントして、返信を重ねた発言内容データの数の多い発言内容データを表示する
ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の合意形成支援プログラム。
【請求項11】
対象問題について、複数のオピニオンリーダによる議論と、前記議論に対する一般参加者の意見との合意形成において、参加者の意見の分析を支援する合意形成支援方法であって、
発言を入力させるとともに発言対象の識別子および発言種別を選択させる画面を表示し、発言対象の識別子および発言種別を含む発言内容データを受信すると、前記発言内容データを含む発言データに記憶するステップと、
前記発言データを表示するとともに、前記発言対象の種別または前記発言種別が選択されると、前記選択された発言対象の種別または前記発言種別を含む前記発言内容データを抽出して表示するステップ
を備えることを特徴とする合意形成支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−3880(P2013−3880A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134871(P2011−134871)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(800000068)学校法人東京電機大学 (112)
【出願人】(591184046)株式会社アドイン研究所 (9)