説明

合成ゴムローラ用転写パッド

【課題】 合成ゴムローラに付着したゴミを除去する際に、合成ゴムローラに粘着剤が付着せず、合成ゴムローラに転写シートが巻き付かず、転写シートが捲り上がらず、且つ転写面に無駄なく合成ゴムローラに付着したゴミの除去ができることとした合成ゴムローラ用転写パッドを提供する。
【解決手段】 基材フィルムからなる基盤層2aと、該基盤層2aの上側片面にアクリル系粘着剤を塗布してなる粘着層2bと、該粘着層の上側に貼着した剥離紙2cからなる転写シート2を台紙状に積層するとともに、該台紙状に積層された前部及び後部側壁面に天糊1a及び1bを塗布し、一綴りの製本状態に構成し、合成ゴムローラに粘着剤が付着せず、合成ゴムローラに転写シートが巻き付かず、転写シートが捲り上がらず、且つ転写面に無駄なく合成ゴムローラに付着したゴミの除去ができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ゴムローラを使用して液晶画面などの掃除をした後に、合成ゴムローラに付着したゴミを除去するための合成ゴムローラ用転写パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、合成ゴムローラではなくシリコンゴムローラが使用されており、シリコンゴムローラを使用して掃除をした後に、シリコンゴムローラに付着したゴミを除去する際には、シリコンゴムローラ用の転写パッドが使用されてきた。
【0003】
また、シリコンゴムローラに付着したゴミを除去する際には、シリコンゴムローラ用の転写パッドを使用せずに、シリコンゴムローラを洗浄するといった方法が用いられていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−212363号公報
【0004】
また、各転写シートをパッド状に一綴りにする際には、転写パッドの後部側壁面のみ天糊で貼り付けられ製本されていた。
【0005】
さらに、ローラに付着したゴミを除去するために転写面を露出させる際には、剥離紙の全面を剥がしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シリコンゴムローラを使用し続けているとシリコンオイルがシリコンゴムローラ表面上に出てくるという欠点があったため、その欠点を克服し、且つ粘着力、耐久性及び帯電防止に優れた合成ゴムローラが開発されたものの、合成ゴムローラに付着したゴミをシリコンゴムローラ用の転写パッドを使用して除去しようとすると、転写シートの粘着剤が合成ゴムローラに付着するという問題点があった。
【0007】
また、合成ゴムローラに付着したゴミをシリコンゴムローラ用の転写パッドを使用して除去しようとすると、後部側壁面への天糊の塗布のみで貼り付けて製本されているため、合成ゴムローラに転写シートが手前側から巻き付くという問題点があった。
【0008】
また、合成ゴムローラに付着したゴミをシリコンゴムローラ用の転写パッドを使用して除去しようとすると、転写シートの手前側が捲り上がるという問題点があった。
【0009】
さらに、剥離紙を剥がした場合には転写面の全面が露出してしまうため、ローラに付着したゴミの除去を行った際には、転写面に余の部分が生じ、その余の転写面が無駄になるという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は、合成ゴムローラに転写シートの粘着剤が付着せず、また、転写シートが合成ゴムローラに巻き付かず、また、転写シートが捲り上がらず、さらに、転写面のスペースに無駄がなくローラに付着したゴミの除去を行うことのできる合成ゴムローラ用の転写パッドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に係る合成ゴムローラ用転写パッドは、基材フィルムからなる基盤層と、該基盤層の上側片面に粘着剤を塗布してなる粘着層と、該粘着層の上側に貼着した剥離紙とからなる転写シートを台紙状に積層するとともに、該台紙状に積層された前部側壁面及び後部側壁面に天糊を塗布し、一綴りの製本状態に構成されてなる合成ゴムローラ用転写パッドであって、合成ゴムローラに転写シートの粘着剤が付着せず、且つ転写シートが合成ゴムローラに巻き付かず、さらに転写シートが捲り上がらないことを特徴としている。また、転写シートの剥離紙を分離できる分離線を刻み込んだ構成とすることによって、転写面のスペースに無駄がなく合成ゴムローラに付着したゴミの除去を行うことができるようにしている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の合成ゴムローラ用転写パッドによれば、合成ゴムローラに付着したゴミを除去する際に、合成ゴムローラに転写シートの粘着剤が付着せず、且つ合成ゴムローラに転写シートが巻き付かず、さらに転写シートが捲り上がらないように、合成ゴムローラに付着したゴミを除去することができる。さらに、転写シートの転写面に無駄な空きスペースが生じることなく、効率的に合成ゴムローラに付着したゴミを除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。図1はこの発明に係る合成ゴムローラ用転写パッド1の構成を示す外観斜視図である。該転写パッド1は、図2で示す転写シート2を積層して構成されており、該転写シート2は、基材フィルムからなる基盤層2aと、該基盤層2aの上側片面に粘着剤を塗布してなる粘着層2bと、該粘着層2bの上側に設けられた剥離紙2cによって構成されている。
【0014】
基材フィルムからなる基盤層2aは、PP樹脂からなる合成フィルムであり、クリーンルーム等でも使用することができる。
【0015】
粘着層2bは、基盤層2aに塗布されたアクリル系粘着剤からなり、図4で示す合成ゴムローラ4に付着したゴミを除去する際に、合成ゴムローラ4に粘着剤が付着せずに、合成ゴムローラ4に付着したゴミを除去することができる。
【0016】
剥離紙2cは、粘着層2bの粘着剤により目的としない場所に貼り付くこと、ほこりが粘着すること等により、粘着層2bの粘着力が低下するのを防ぐためのものであり、ポリラミネート紙からなる。
【0017】
また、図1に示す合成ゴムローラ用転写パッド1は、転写シート2を積層した前部側壁面及び後部側壁面に天糊を塗布してなる一綴りの製本状態に構成されている。該転写パッド1の前部側壁面は、天糊1aを塗布して糊付けされており、また、該転写パッド1の後部側壁面は、天糊1bを塗布して糊付けされている。ここで、天糊1aは前部側壁面の一部には塗布されずに、転写パッド1の製本状態が構成されている。天糊1a及び天糊1bは、水溶性粘着剤からなる。
【0018】
上記に示す構成とすることにより、つまり、前部側壁面が天糊1aによって固定されていることにより、図4に示す合成ゴムローラ4に付着したゴミを本発明の転写パッド1を使用して除去しても、転写シート2が合成ゴムローラ4に巻き付かず、且つ転写シート2が手前側から捲り上がらずに、転写パッド1を使用することができる。
【0019】
また、天糊1aは、上記に示したように、前部側壁面の一部には塗布されずに転写パッド1が製本状態に構成されているので、使用により粘着層2bの粘着力が低下した転写シート2を転写パッド1から剥がす際には、天糊1aが前部側壁面に塗布されていない部分から容易に転写シート2を剥がすことができる。
【0020】
図3は、転写シート2から剥離紙2cを剥離する過程を示す図である。転写シート2から剥離紙2cを剥離することによって、粘着剤を塗布してなる粘着層2bである転写面が露出し、図4に示す合成ゴムローラ4に付着したゴミを除去することができる。
【0021】
図4は、合成ゴムローラ用転写パッド1の使用状態を説明する図であり、露出した粘着層2bを塗布した転写面に合成ゴムローラ4を使用することによって、合成ゴムローラ4に付着したゴミを除去することができる。
【0022】
上記実施例では、転写シート2の転写面全面を使用して合成ゴムローラ4に付着したゴミを除去していたが、例えば、図5に示すように、各転写シート2の剥離紙を縦方向に剥離紙5dと剥離紙5eに分離できるよう分離線を刻み込むことによって、一方の剥離紙を剥離すれば足りる合成ゴムローラ4との関係においてゴミ除去にとっての無駄な余の転写面が生じず、効率的にゴミを除去することができる。
【0023】
また、剥離紙を剥離紙5dと剥離紙5eとに分離することによって、片面ごとに剥離紙を剥がすことができるので、剥がしていない一方の剥離紙の上に手を置き、転写パッドが動かないように手を汚さずに押さえることができる。
【0024】
さらに、二つに分離した一方の剥離紙は未だ剥がされていないので、他方の剥離紙を剥がしてその転写面を使用しても合成ゴムローラ4が一方の転写面にはみ出さずに、使用者が容易に転写面に無駄なくゴミの除去を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
上記実施例では、剥離紙を縦方向に二つに分離できるように分離線を刻み込んだが、三分割或いは四分割など複数に分離できるように分離線を刻み込んでもよく、また、横方向に分離線を刻み込んでもよく、用途や合成ゴムローラの大きさ等に応じて汎用的に剥離紙を分離できるように分離線を刻み込めばよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る合成ゴムローラ用転写パッドの構成を示す図である。
【図2】転写シートの構成を示す断面図である。
【図3】転写シートから剥離紙を剥離する過程を示す図である。
【図4】実施例の使用状態を説明する図である。
【図5】他の実施例の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 転写パッド
1a 天糊
1b 天糊
2 転写シート
2a 基盤層
2b 粘着層
2c 剥離紙
4 合成ゴムローラ
5 転写面を二分割した転写パッド
5a 分離した一方の剥離紙
5b 分離したもう一方の剥離紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムからなる基盤層と、該基盤層の上側片面に粘着剤を塗布してなる粘着層と、該粘着層の上側に貼着した剥離紙とからなる転写シートを台紙状に積層するとともに、該台紙状に積層された前部側壁面及び後部側壁面に天糊を塗布し、一綴りの製本状態に構成されてなることを特徴とする合成ゴムローラ用転写パッド。
【請求項2】
上記剥離紙に予め任意面として分離できる分離線が刻み込まれたことを特徴とする請求項1に記載の合成ゴムローラ用転写パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−36175(P2008−36175A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215095(P2006−215095)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(301063876)山田五包装株式会社 (1)
【Fターム(参考)】