説明

合成皮革

【課題】乾式法による発泡層を有する合成皮革において、従来の製造方法よりも工程を簡略化し、養生期間を必要としない合成皮革の提供。
【解決手段】少なくとも表皮層と発泡層と繊維質基材とからなる合成皮革であって、発泡層は、末端にイソシアネート基を有し、イソシアネート基の含有率が2〜6重量%であるウレタンプレポリマーから形成されるものであり、ウレタンプレポリマーの塗工後、加熱雰囲気下でウレタンプレポリマーのイソシアネート基の15〜40%を反応させた後に繊維質基材を貼り合わせ、加湿加熱雰囲気下で残りのイソシアネート基を反応硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然皮革に酷似した風合いを備える合成皮革に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、天然皮革の代替品として人工皮革や合成皮革が使用されている。人工皮革や
合成皮革は、天然皮革と同等の風合いや柔軟性を付与するために、発泡層を設けることが
提案されている。
【0003】
人工皮革、すなわち湿式法において微発泡層を設ける方法としては、ポリウレタンエラ
ストマーのジメチルホルムアルデヒド等の水混和性有機溶媒との混和物を繊維質基材に含
侵させた後、水等の非溶媒中で凝固させることにより発泡層(微多孔層)を形成させたも
のが知られている。
【0004】
上記の湿式法で得られた人工皮革にあっては、風合いが天然皮革に類似した好ましいも
のであるが、製造工程が煩雑であるため高価なものである。特に、伸縮性に富む織布、編
み物を繊維質基材として使用する場合には、含侵、凝固、乾燥、表面仕上げ等の工程にお
ける寸法変化を抑制するために、寒冷紗等のごく薄い生地を繊維質基材の背面に貼り合せ
て使用し、最後に剥離除去するという煩雑で、非経済的な製造方法を採用しなければなら
ないものである。
【0005】
他方、乾式法において発泡層を設ける方法としては、本出願人が先に提案したように、
ウレタンプレポリマーを作製して、これを加湿加熱雰囲気下において発泡および硬化させ
る方法がある。具体的には、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを加
湿加熱雰囲気下において反応させることにより、発泡層を構成し、ポリウレタンウレア発
泡体からなる層の片面に表皮層、もう一方の面に接着層を介して繊維基材層を設けて、合
成皮革を成すことが知られている(特許文献1等)。
【0006】
上記方法にて得られる合成皮革は、天然皮革に近似した風合いを有するもので、消費者
から受け入れられていた。また、湿式法による人工皮革と比較すると製造工程が簡略であ
り、さらには、有機溶剤の使用量は非常に少ないため環境に配慮した製造方法と言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−5244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記方法にて得られる合成皮革は、湿式法と比較すると製造工程は簡略
であるものの、改善の余地を残すものであった。すなわち、上記方法においては、発泡層
の片面に表皮層、もう一方の面に接着層を介して繊維質基材層を積層するため、少なくと
も4層を積層する必要がある。また、接着層を設けているため、接着層を構成する樹脂を
完全に硬化させるためには、48時間程度の養生工程を必要とする。接着層を構成する樹
脂の硬化が完了せずに、離型紙を剥離すると、繊維質基材の布目に樹脂が染み出してしま
ったり、表面のシボが消えてしまったりする問題があり、合成皮革の表面概観を著しく劣
化させてしまう。
本発明は、上記乾式法による発泡層を有する合成皮革において、従来の製造方法よりも
工程を簡略化し、養生期間を必要としない合成皮革を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、発泡層を構成する樹脂の組成および硬化方法を検討し、発泡層が接着層を兼
ねた、すなわち接着層を設けない合成皮革について種々検討を行った。
本発明の具体的な構成は、以下のとおりである。
本発明の合成皮革は、少なくとも表皮層と発泡層と繊維質基材とからなる合成皮革であっ
て、発泡層は、末端にイソシアネート基を有し、イソシアネート基の含有率が2〜6重量
%であるウレタンプレポリマーから形成されるものであり、ウレタンプレポリマーの塗工
後、加熱雰囲気下でウレタンプレポリマーのイソシアネート基の15〜40%を反応させ
た後に繊維質基材を貼り合わせ、加湿加熱雰囲気下で残りのイソシアネート基を反応硬化
させることにより得られるものであることを特徴とする合成皮革である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の合成皮革は、天然皮革と酷似する風合いを有するものである。また、発泡層は
、発泡層と接着層を兼ねるものであるため、従来の乾式の合成皮革の製造方法と比較して
格段に工程が簡略化される。さらに、接着層を設けていないので、養生工程を必要とせず
、成形後すぐに製品化することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の合成皮革は、少なくとも表皮層と発泡層と繊維質基材とからなる合成皮革であ
って、発泡層は、末端にイソシアネート基を有し、イソシアネート基の含有率が2〜6重
量%であるウレタンプレポリマーから形成されるものであり、ウレタンプレポリマーの塗
工後、加熱雰囲気下でウレタンプレポリマーのイソシアネート基の15〜40%を反応さ
せた後に繊維質基材を貼り合わせ、加湿加熱雰囲気下で残りのイソシアネート基を反応硬
化させることにより得られるものであることを特徴とする合成皮革である。
【0013】
まず始めに、発泡層について説明する。発泡層は、末端にイソシアネート基を有し、イ
ソシアネート基の含有率が2〜6重量%であるウレタンプレポリマーからなる。
【0014】
ウレタンプレポリマーは、グリコールとジイソシアネートとを反応させて得られるもの
である。
ウレタンプレポリマーを構成するグリコールとしては、長鎖グリコールと短鎖グリコー
ルを混合したグリコール混合物を用いることが好適である。長鎖グリコールと短鎖グリコ
ールを混合したグリコール混合物を用いることにより、柔軟性と強度を兼ね備えた発泡層
を得ることができる。
【0015】
長鎖グリコールとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレン/オキシメチレン
グリコール、ポリエチレングリコールアジペート、ポリブチレングリコールアジペート、
ポリネオペンチルグリコールアジペート、ポリブチレン/ヘキシレングリコールアジペー
ト、ポリカプロラクトン、ポリ−3−メチルペンタンジオールアジペート、ポリ−β−メ
チルバレロラクトン、ダイマー酸ジオールから選ばれるグリコール、あるいはこれらの混
合物が好適である。
これら長鎖グリコールの数平均分子量は1000〜5000であり、特に1000〜3
000が好適である。
【0016】
短鎖グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール
、3−メチルペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ノナン
ジオール、2,4−ジエチル−1,5ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン
、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3プロパンジオールから選
ばれるグリコール、あるいはこれらの混合物が好適である。
なお、上記短鎖グリコールの分子量は300以下であり、特にハロゲンを含有せず、2
個の水酸基が結合している炭素原子間の距離がC以下であるものが好ましい。
【0017】
上記長鎖グリコールと短鎖グリコールは数平均分子量が400〜1800になるように
混合しグリコール混合物とすることが望ましく、グリコール混合物の数平均分子量は、7
00〜1500であることがさらに望ましい。グリコール混合物の数平均分子量が400
未満であると、室温付近の温度であっても硬さが変化しやすいため、合成皮革の風合いを
損ねるおそれがある。一方、グリコール混合物の数平均分子量が1800を超えると、得
られる発泡層の破断時の伸度が大きくなる傾向にあるため、合成皮革としての引張強度が
低下する傾向にある。
【0018】
ウレタンプレポリマーを構成するジイソシアネートとしては特に限定されないが、4,
4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6
−トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、ノルボルナンジイソシアネートから選択されるものが好ましい。
【0019】
ウレタンプレポリマーの合成方法としては、熱溶解させたジイソシアネートを反応容器
内のグリコールおよび溶媒中に連続添加する方法や、グリコール、ジイソシアネート、溶
媒を一括して反応容器内に仕込み、撹拌しながら徐々に加熱していく方法が挙げられる。
【0020】
上記のようにして合成させるウレタンプレポリマーは、末端にイソシアネート基を有す
るものであって、イソシアネート基の含有率は2〜6重量%となるように調整する必要が
あり、好ましくは、3.5〜4.5重量%である。イソシアネート基の含有率が2重量%
未満であると、所望の発泡状態とならず、反対にイソシアネート基の含有率が6重量%を
超えると尿素結合の割合が大きくなりやすいため風合いが硬くなって、合成皮革として不
適当となる。本発明においては、イソシアネート基の含有率を上記範囲内にすることによ
って、適度に部分架橋し、一定の分子量を有する発泡層を得ることができる。
【0021】
ウレタンプレポリマーの合成に使用する有機溶媒の使用量は、全樹脂100重量部当た
り、0〜20部程度の範囲が好ましく、溶媒量が多すぎると粘度低下が著しく、ウレタン
プレポリマー溶液中に水分を取り込み難くなり、発泡性が低下する。なお、溶媒は用いな
くともウレタンプレポリマーの合成は可能であるが、ウレタンプレポリマーの粘度調整お
よびの貯蔵安定性、発泡性等を考慮すると、溶媒を用いたほうが合成は容易である。
【0022】
ウレタンプレポリマー溶液には、触媒が添加されていてもよい。触媒としては、錫化合
物系触媒とアミン系触媒の両者を併用することが望ましい。
錫化合物系触媒としては、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジマエレート、ジブチル錫メルカプタイド、ジブチル酸化錫、錫アセ
チルアセテート等の有機錫系化合物が使用できる。
アミン系触媒としては、トリエチルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、
N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´テトラメチル
プロパン−1,3−プロパンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチレ
ンジアミン、N,N,N´,N´´,N´´−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,
N,N´,N´´,N´´ペンタメチルジエチレンジプロピレントリアミン、トリエチレ
ンジアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン等の第三級アミン化合物
が使用できる。
【0023】
ウレタンプレポリマー溶液には、必要に応じてこの他に、顔料、ブロッキング防止剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、加水分解防止剤、抗菌剤、防黴剤等を添加しても
差し支えない。
【0024】
本発明の合成皮革は、表皮層上に上記の発泡層を形成するウレタンプレポリマーをコー
ティングし、その後に繊維質基材を貼り合せてなる。発泡層を形成するウレタンプレポリ
マーの硬化は、まず、加熱雰囲気下でウレタンプレポリマーのイソシアネート基の15〜
40%を反応させ(1次硬化)、繊維質基材を貼り合わせた後、加湿加熱雰囲気下で、ウ
レタンプレポリマーのイソシアネート基を完全に反応させてなる(2次硬化)。このよう
な2段階の硬化工程を経ることにより、接着層を用いなくとも発泡層と繊維質基材の密着
が強固であり、かつ風合いを損ねることのない合成皮革を得ることができる。
【0025】
1次硬化のウレタンプレポリマーのイソシアネート基の反応が15%未満であると、発
泡層の硬化がほとんど進んでいない状態で繊維質基材を貼り合わせることになるため、繊
維質基材への発泡層の染込みが大きくなりすぎて、得られる合成皮革の風合いを損ねる。
反対に、40%を超えると、発泡層と繊維質基材との密着が弱く剥離しやすくなる。
【0026】
表皮層は、従来から合成皮革に使用されているものであればいずれのものであっても使
用できる。具体的には、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポ
リカプロラクトン系ポリウレタン、ポリエステル/ポリエーテル共重合系ポリウレタン、
ポリアミノ酸/ポリウレタン共重合樹脂、ポリカーボネートジオール成分と無黄変型ジイ
ソシアネート成分及び低分子鎖伸長剤等を反応させて得られる無黄変型ポリカーボネート
系ポリウレタンなどが挙げられる。また、合成皮革としての諸物性を損なわない範囲であ
れば、上記のポリウレタンにポリ塩化ビニルや合成ゴムなどを混合しても差し支えない。
【0027】
表皮層を形成する上記のポリウレタンは、メチルエチルケトン、トルエン、ジメチルホ
ルムアミドなどを溶剤とし、必要に応じて、着色剤、充填剤、光安定剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、難燃剤等の各種添加剤を添加して一液型のポリウレタン溶液とされる。
【0028】
表皮層は、上記の一液型のポリウレタン溶液を、離型紙などの離型性担体上に、ナイフ
コーター、コンマドクター、ロールコーター、リバースロールコーター、ロータリースク
リーンコーター、グラビアコーター、その他適宜の手段にて塗布し、乾燥させて得られる
ものである。離型紙などの離型性担体は、表面が平滑なものであってもよいし、絞模様等
が付されたものであってもよい。絞模様等が付された離型性担体を使用した場合には、こ
の離型性担体の絞模様等が転写されて形成された絞模様等による意匠が現出した合成皮革
得ることができる。
【0029】
本発明で用いる繊維質基材としては、本発明に使用される繊維質基材としては、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等の合成繊維、綿、麻などの天然繊維、レー
ヨン、スフ、アセテート等の再生繊維の単独あるいはこれらの混紡繊維よりなる編布、織
布、不織布など、従来から合成皮革の繊維質基材として使用されているものであればいず
れのものでもよい。また、繊維質基材は起毛したものであっても起毛していないものであ
ってもよい。
【0030】
本発明の合成皮革は、上記特定のウレタンプレポリマーからなる発泡層を用い、発泡層
の硬化方法を2段階にすることで、接着層を設けなくとも繊維質基材と強固に密着し、か
つ風合いを損ねない合成皮革が得られる。また、接着層を設けていないため、接着層の完
全硬化のための養生工程を要せず、生産効率が格段に向上する。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定
されるものではない。
【0032】
<実施例1>
表皮層として、クリスボンNY331(DIC(株)製)を100g、顔料としてダイ
ラックブラックL1770を20g、酢酸プロピルを10g、DMFを10g用い、これ
らを混合させたものを、離型紙DE52(大日本印刷(株)製)上に、150g/m
塗布量で塗布し、約115℃の温度で90秒間乾燥させたものを準備した。
得られた表皮層上に発泡層を形成するウレタンプレポリマー溶液を0.3mmの厚さで
塗工し、発泡層を50℃の加熱オーブンに100秒間入れて、ウレタンプレポリマー中の
イソシアネート基の25%を反応させた後(1次硬化)、繊維質基材(単糸繊度4デニー
ルのマルチフィラメント加工糸からなるポリエステル繊維からなる厚み1.0mmの緯編
布(経方向伸び63%、緯方向伸び75%))を貼り合せて、110℃、湿度100%の
加熱加湿オーブンに通して、残りのイソシアネート基を反応させて(2次硬化)、離型紙
を剥離して、合成皮革を得た。
発泡層を形成するウレタンプレポリマー溶液の組成は表1に示すとおりである。
【0033】
<実施例2>
発泡層を構成するウレタンプレポリマー溶液を変更した以外は、実施例1と同様に合成
皮革を得た。
【0034】
<実施例3>
発泡層を構成するウレタンプレポリマー溶液を変更した以外は、実施例1と同様に合成
皮革を得た。
【0035】
<実施例4>
50℃のオーブンに70秒間入れて、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の15
%に減じる1次硬化を行った以外は、実施例1と同様に合成皮革を得た。
【0036】
<実施例5>
50℃のオーブンに110秒間入れて、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の3
0%に減じる1次硬化を行った以外は、実施例1と同様に合成皮革を得た。
【0037】
<実施例6>
50℃のオーブンに130秒間入れて、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の4
0%に減じる1次硬化を行った以外は、実施例1と同様に合成皮革を得た。
【0038】
<実施例7>
発泡層を構成するウレタンプレポリマー溶液を変更した以外は、実施例1と同様に合成
皮革を得た。
【0039】
<比較例1>
1次硬化を行わず、直ちに2次硬化を行った以外は実施例1と同様に合成皮革を得た。
【0040】
<比較例2>
80℃のオーブンに100秒間入れて、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の5
0%を減じる1次硬化を行った以外は、実施例1と同様に合成皮革を得た。
【0041】
<比較例3>
発泡層を構成するウレタンプレポリマー溶液を変更した以外は、実施例1と同様に合成
皮革を得た。
【0042】
<比較例4>
発泡層を構成するウレタンプレポリマー溶液を変更した以外は、実施例1と同様に合成
皮革を得た。
【0043】
上記実施例1〜7、比較例1〜4で得られた合成皮革について、以下の基準で接着強度
および風合いについて評価した。評価は表1に示す。
【0044】
<接着強度>
得られた合成皮革について、JIS K 6772に準じて接着強度(はく離強さ)を評価した。具体的には、得られた合成皮革を幅30mm、長さ150mmの試験片とし、表皮層及び発泡層からなる被膜と、繊維質基材とを端末から短辺に平行に長さ50mmはがす。そして、はがした被膜と繊維質基材を引張試験機(振子形引張試験機、又は自記記録装置付定足伸長形引張試験機)に取り付け、200mm/minの引張速度で引きはがし、その際の合成皮革の破断箇所によって接着強度を評価した。
◎・・・発泡層の材料破壊
○・・・表皮層と発泡層の界面で破壊
△・・・繊維質基材と発泡層の界面で破壊
×・・・繊維質基材と発泡層が接着していない
【0045】
<風合い>
得られた合成皮革の風合いについて、官能評価を行った。
◎・・・極めて良好
○・・・良好
×・・・不良
【0046】
【表1】

【0047】
上記実施例から、本発明の合成皮革は、接着層を設けなくとも接着強度および風合いに
優れた合成皮革が得られることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表皮層と発泡層と繊維質基材とからなる合成皮革であって、
発泡層は、末端にイソシアネート基を有し、イソシアネート基の含有率が2〜6重量%であるウレタンプレポリマーから形成されるものであり、ウレタンプレポリマーの塗工後、加熱雰囲気下でウレタンプレポリマーのイソシアネート基の15〜40%を反応させた後に繊維質基材を貼り合わせ、加湿加熱雰囲気下で残りのイソシアネート基を反応硬化させることにより得られるものであることを特徴とする合成皮革。

【公開番号】特開2012−197547(P2012−197547A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5731(P2012−5731)
【出願日】平成24年1月16日(2012.1.16)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】