説明

合紙の配置方法

【課題】連続した合紙を2枚の板の間に配置すると共に、適切な長さに切断する、合紙の配置方法を提供する。
【解決手段】板を上昇させる工程と、上方に配した板の直下位置に、別の板を配置する工程と、上方に配した板と、下方に配した板の間に、合紙を配置する工程と、上方に配した板を降下し、合紙を介して下方に配した板の上に配置する工程とからなる合紙の配置方法。合紙の配置は、連続した合紙の端部を固定した状態で、該合紙を、上方に配した板の下を、該板の長手方向に引き延ばすことにより行う。上方に配した板を降下する前、又は、降下中、又は、降下した後に、引き延ばした合紙を、下方に配した板の長手方向の長さと同等以上の長さで切断するとともに、該合紙の端部の固定を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の板の間に合紙を配置する方法に関するものである。詳しくは、連続した合紙を、2枚の板の間に配置すると共に、適切な長さに切断する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、2枚の板の間に、合紙を配置することが行われている。例えば、特許文献1には、2枚の窯業系サイディングを、互いの表面を対向させるとともに、その板間に合紙を介在させて、1つの梱包体とすることが開示されている。特許文献1の梱包体によれば、合紙により、2枚の窯業系サイディングの互いの表面は接することがなくなるので、保管、運搬の際に、窯業系サイディングの表面に擦り傷、摩耗等が発生することを防ぐことができる。また、窯業系サイディングの表面に塗装が施されている場合には、ブロッキングやてかりなどの発生を防ぐことができる。
【0003】
また、特許文献2には、搬送した板材を持ち上げて反転させた後に、後続の板材表面に合紙を配置し、合紙の押え方向にエアーを吹き付け、反転させた板材相互を積載する方法が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献2の方法では、事前に切断された合紙を用いるため、生産効率が悪く、コスト高となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−058846号公報
【特許文献2】特開平2−169415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、連続した合紙を2枚の板の間に配置すると共に、適切な長さに切断する、合紙の配置方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、2枚の板間に合紙を配置する、合紙の配置方法を提供する。
本発明の合紙の配置方法は、板を上昇させる工程と、上方に配した板の直下位置に、別の板を配置し、上方に配した板と、下方に配した板の間に、合紙を配置する工程と、上方に配した板を降下し、合紙を介して下方に配した板の上に配置する工程とからなる。本発明において、合紙の配置は、連続した合紙の端部を固定した状態で、該合紙を、上方に配した板の下を、該板の長手方向に引き延ばすことにより行う。また、上方に配した板を降下する前、又は、降下中、又は、降下した後に、引き延ばした合紙を、下方に配した板の長手方向の長さと同等以上の長さで切断するとともに、該合紙の端部の固定を解除する。それにより、引き延ばした合紙は、上方に配した板と下方に配した板との間に挟持されるので、互いの板の表面に、擦り傷、摩耗、ブロッキング、てかり等が発生することを防ぐことができる。また、事前に切断された合紙を用いないので、生産効率が良く、コストを抑えることができる。更に、ロール状等で保管された合紙を用いることができるので、合紙の保管、輸送性、作業性に優れる。
なお、本発明において、合紙を引き延ばす前の、該合紙の端部の固定を、上方に配した板の直下ではない位置で行うと、上方に板が配されるまで、該合紙の端部を固定した状態で引き延ばす工程を待つこととなり、上方に板が配された後、直ぐに合紙の引き延ばしを行えるので、生産効率に優れ、好ましい。
更に、本発明においては、合紙の切断、及び、該合紙の端部の固定の解除を、上方に配した板が、下方に配した板の上に配置されるまでに行うこともできるし、上方に配した板が、下方に配した板の上に配置された後に行うこともできる。前者の場合には、合紙の切断、及び、該合紙の端部の固定の解除を、上方に配した板の降下中に行うことができるので、より生産効率に優れる。後者の場合には、合紙が2枚の板に挟持された状態で、該合紙の切断、及び、該合紙の端部の固定の解除を行うので、より該合紙の位置がずれにくい。
更に、本発明では、引き延ばす前の合紙の端部を固定する位置の近傍に、該合紙を固定する別の固定部を設け、該合紙に張力を与えた状態で引き延ばすと、該合紙の切断が行いやすく、該合紙の位置ずれが発生しにくいので、好ましい。別の固定部の近傍で、合紙の切断を行うと、より該合紙の切断が行いやすいので、より好ましい。
更に、本発明では、上方に配した板を降下し、合紙を介して下方に配した板の上に配置する工程において、下方に配した板を上昇させることもできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連続した合紙を2枚の板の間に配置すると共に、適切な長さに切断する、合紙の配置方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例において、合紙の配置方法を行う前の状態を示す図である。
【図2】図2は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例において、板移動装置の直下に板を配した状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例において、板を板搬送装置より上方に配した状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例において、上方に配した板の直下に別の板を配した状態を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例において、2枚の板の間に合紙を配した状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例において、合紙を切断した状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例において、2枚の板を合紙を介して積載した状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例において、合紙の配置方法を行う前の状態を示す図である。
【図9】図9は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例において、板移動装置の直下に板を配した状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例において、板を板搬送装置より上方に配した状態を示す図である。
【図11】図11は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例において、上方に配した板の直下に別の板を配した状態を示す図である。
【図12】図12は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例において、2枚の板の間に合紙を配した状態を示す図である。
【図13】図13は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例において、2枚の板を合紙を介して積載した状態を示す図である。
【図14】図14は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例において、合紙を切断した状態を示す図である。
【図15】図15は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、合紙の配置方法を行う前の状態を示す図である。
【図16】図16は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、板移動装置の直下に板を配した状態を示す図である。
【図17】図17は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、板を板搬送装置より上方に配した状態を示す図である。
【図18】図18は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、上方に配した板の下に合紙を配している状態を示す図である。
【図19】図19は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、上方に配した板の直下に、合紙と別の板を配した状態を示す図である。
【図20】図20は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、上方に配した板を降下させ、合紙と接触した状態を示す図である。
【図21】図21は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、合紙を切断した状態を示す図である。
【図22】図22は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、2枚の板を合紙を介して積載した状態を示す図である。
【図23】図23は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、合紙の配置方法を行う前の状態を示す図である。
【図24】図24は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、板移動装置の直下に板を配した状態を示す図である。
【図25】図25は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、板を板搬送装置より上方に配した状態を示す図である。
【図26】図26は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、上方に配した板の下に合紙を配した状態を示す図である。
【図27】図27は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、上方に配した板の直下に、合紙と別の板を配した状態を示す図である。
【図28】図28は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、上方に配した板を降下させるとともに、板移動装置の直下に配した板を上昇させ、2枚の板により合紙を挟持した状態を示す図である。
【図29】図29は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、合紙を切断した状態を示す図である。
【図30】図30は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例において、2枚の板を合紙を介して積載した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
【0011】
図1〜図7は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例を示した工程図である。
図1は、本発明にかかる合紙の配置方法の一実施例を行う前の状態を示した図である。本実施例は、合紙B、板搬送装置C、板昇降装置D、合紙端部固定装置E1、合紙切断装置F1、合紙固定装置G1を用いて行われる。板搬送装置Cは、図1において、奥側から手前側に向かって板を搬送する装置である。板昇降装置Dは、板搬送装置C上に搬送されてきた板を、吸着パッドで吸着し、上方に昇降させる装置である。合紙端部固定装置E1は、チャックの開閉により、合紙Bの端部の固定、解除を行う装置である。合紙固定装置G1は、合紙Bの幅方向に延びた装置であり、合紙端部固定装置E1の近傍に設けられている。そして、合紙固定装置G1は、内部に、合紙Bが通過することが可能なスリットを有しており、該スリットは、合紙端部固定装置E1が移動する際には上下幅を大きくし、合紙端部固定装置E1が停止している際には上下幅を小さくする構成である。合紙切断装置F1は、合紙端部固定装置E1の近傍に設けられた、合紙Bを切断するための刃を有した装置であり、該刃が合紙Bを挟むことにより、合紙Bを切断する。図1では、ロール状に巻かれた合紙Bが用いられており、合紙Bの端部は、合紙端部固定装置E1により固定されており、合紙端部固定装置E1近傍の合紙は、別の合紙固定装置G1により固定されている。そのため、合紙Bは、下方に大幅にたるむことがなく、一定の張力が与えられた状態である。
次に、本実施例では、図2に示す通り、板昇降装置Dの直下に建築板A1が搬送される。本実施例では、建築板A1は、表面に凹凸模様を有しており、手前で反転され、表面が下側となるように配されている。
次に、本実施例では、図3に示す通り、板昇降装置Dにより、建築板A1が板搬送装置Cより上方に配される。板昇降装置Dは吸着パッドを有しており、該吸着パッドが降下して建築板A1の背面に吸着する。そして、吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを上昇させることにより、建築板A1を板搬送装置Cより上方に配している。なお、図2において、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G1、合紙切断装置F1は建築板A1の直上には位置しないので、建築板A1を上昇させる際に、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G1、合紙切断装置F1が障害となることはない。
次に、本実施例では、図4に示す通り、板搬送装置Cにより、建築板A1の直下位置に、別の建築板A2が搬送される。本実施例では、建築板A2も表面に凹凸模様を有しており、表面が上側となるように配されている。すなわち、建築板A1と建築板A2の表面は互いに向かい合っている。
次に、本実施例では、図5に示す通り、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。本実施例においては、合紙端部固定装置E1が、図4の位置から図5の位置に、合紙Bの端部を固定した状態で移動することにより、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。図5における合紙端部固定装置E1の位置は、図4における合紙端部固定装置E1の位置から、建築板A2の長手方向に、建築板A2の長手方向の長さ以上に離れた位置である。そのため、合紙端部固定装置E1が、合紙Bの端部を掴んだ状態で、建築板A2の上を、合紙Bを建築板A2の長手方向に引き延ばすこととなり、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。なお、合紙固定装置G1、合紙切断装置F1は移動せず、図5の状態において、合紙Bは、合紙端部固定装置E1と合紙固定装置G1により固定されているので、張力が与えられた状態である。
次に、本実施例では、図6に示す通り、合紙Bは、合紙切断装置F1により切断される。ここで、合紙切断装置F1は、合紙Bの上下に配した刃が合紙Bを挟むことにより合紙Bを切断する。なお、合紙切断装置F1は、合紙端部固定装置E1を移動させる距離を考慮し、切断する合紙Bが建築板A1、A2の長手方向の長さよりも長くなる位置に設けてある。そのため、図6において、切断された合紙Bの長さは、建築板A2の長手方向の長さよりも長い。
次に、本実施例では、図7に示す通り、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドが降下して、建築板A1を、合紙Bを介して建築板A2の上に配している。このとき、合紙端部固定装置E1のチャックは開き、合紙Bの端部の固定も解除される。そして、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1から離れた後、間に合紙Bを介在させた建築板A1、A2は、板搬送装置Cにより次の工程に搬送される。その後、合紙端部固定装置E1、板昇降装置Dの吸着パッドは図1に示した位置に戻り、合紙端部固定装置E1は合紙Bの端部を固定し、次の板が搬送されるのを待機する。
【0012】
このように、本実施例によれば、事前に切断された合紙ではなく、連続した合紙を適切な長さに切断するとともに、該合紙を2枚の板の間に配置することができるので、生産効率が良く、コストを抑えることができる。更に、ロール状に巻かれた合紙を用いることができるので、合紙の保管、輸送性、作業性に優れる。更に、本実施例では、紙端部固定装置E1と合紙固定装置G1により合紙Bが固定された状態で合紙Bの切断を行うので、合紙Bは切断されやすい。
【0013】
なお、先の実施例において、建築板A1の直下に建築板A2を配する工程と、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bを配する工程を同時に行っても良い。その場合には、図4の状態が削除されることとなり、上方に建築板A1が配された後、直ぐに合紙Bの引き延ばしを行えるので、生産効率がより優れる。
【0014】
図8〜図14は、本発明にかかる合紙の配置方法の別の実施例を示した工程図である。
図8は、本発明にかかる合紙の配置方法を行う前の状態を示した図である。図8は、合紙の供給構成、合紙の供給位置、合紙切断装置、合紙固定装置が図1と異なる。詳しくは、合紙Bはロールを介在させて引っ張られており、さらに張力が与えられている。また、合紙の供給位置は図1よりも低く設けられている。合紙切断装置F2は、合紙Bの幅方向に横断して、合紙Bを切断する構成である。合紙固定装置G2は、合紙Bを左右からチャックにより挟む構成であり、合紙固定装置G2のチャックは、合紙端部固定装置E1が移動する際には開き、合紙端部固定装置E1が停止している際には閉じる構造である。他は図1と同様であり、ロール状に巻かれた合紙Bが用いられている。
次に、本実施例では、図9に示す通り、板昇降装置Dの直下に建築板A1が搬送される。本実施例でも、建築板A1は、手前で反転され、表面が下側となるように配されている。
次に、本実施例では、図10に示す通り、板昇降装置Dにより、建築板A1が板搬送装置Cより上方に配される。板昇降装置Dは吸着パッドを有しており、該吸着パッドが降下して建築板A1の背面に吸着する。そして、吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを上昇させることにより、建築板A1を板搬送装置Cより上方に配している。なお、図9において、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G2、合紙切断装置F2は建築板A1の直上には位置しないので、建築板A1を上昇させる際に、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G2、合紙切断装置F2が障害となることはない。
次に、本実施例では、図11に示す通り、板搬送装置Cにより、建築板A1の直下位置に、別の建築板A2が搬送される。本実施例では、建築板A2は、表面が上側となるように配されている。すなわち、建築板A1と建築板A2の表面は互いに向かい合っている。
次に、本実施例では、図12に示す通り、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。本実施例においては、合紙端部固定装置E1が、図11の位置から図12の位置に、合紙Bの端部を固定した状態で移動することにより、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。図12における合紙端部固定装置E1の位置は、図11における合紙端部固定装置E1の位置から、建築板A2の長手方向に、建築板A2の長手方向の長さ以上に離れた位置である。そのため、合紙端部固定装置E1が、合紙Bの端部を掴んだ状態で、建築板A2の上を、合紙Bを建築板A2の長手方向に引き延ばすこととなり、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。なお、合紙固定装置G2、合紙切断装置F2は移動せず、図12の状態において、合紙Bは、合紙端部固定装置E1と合紙固定装置G2により固定されているので、張力が与えられた状態である。
次に、本実施例では、図13に示す通り、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを降下させることにより、建築板A1を、合紙Bを介して建築板A2の上に配している。本実施例では、合紙Bの切断よりも前に建築板A1が建築板A2の上に積載されることとなる。
次に、本実施例では、図14に示す通り、合紙Bは、建築板A1と建築板A2に挟まれた状態で、合紙切断装置F2により切断される。ここで、合紙切断装置F2は、刃が合紙Bを、幅方向に横断することにより合紙Bを切断する装置であり、合紙固定装置G2の近傍に設けてある。このとき、合紙端部固定装置E1のチャックは開き、合紙Bの端部の固定も解除される。そして、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1から離れた後、間に合紙Bを介在させた建築板A1、A2は、板搬送装置Cにより次の工程に搬送される。その後、合紙端部固定装置E1、板昇降装置Dの吸着パッドは図1に示した位置に戻り、合紙端部固定装置E1は合紙Bの端部を固定し、次の板が搬送されるのを待機する。
【0015】
このように、本実施例によれば、事前に切断された合紙ではなく、連続した合紙を適切な長さに切断するとともに、該合紙を2枚の板の間に配置することができるので、生産効率が良く、コストを抑えることができる。また、ロール状に巻かれた合紙を用いることができるので、合紙の保管、輸送性、作業性に優れる。更に、本実施例では、紙端部固定装置E1、合紙固定装置G2、2枚の板により合紙Bが固定された状態で合紙Bの切断を行うので、合紙Bは切断されやすい。
【0016】
なお、図13において、合紙端部固定装置E1のチャックを開き、合紙Bの端部の固定解除を行っても良い。図13では、合紙Bは建築板A1と建築板A2により挟持されているので、合紙端部固定装置E1による合紙Bの固定がなくとも、合紙Bの切断は可能である。
【0017】
図15〜図22は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例を示した工程図である。
図15は、本発明にかかる合紙の配置方法を行う前の状態を示した図である。図15は、合紙切断装置、合紙固定装置、合紙の供給位置、合紙端部固定装置の位置、合紙固定装置の位置が図8と異なる。詳しくは、合紙切断装置F3は、合紙Bに熱線を当てることにより、合紙Bを切断する構成である。合紙固定装置G3は、図8の合紙固定装置G2と同様に合紙Bを左右からチャックにより挟む構成であり、チャックの開閉についても合紙固定装置G2と同様であるが、水平方向に可動することが合紙固定装置G2と異なる。合紙の供給位置は、図8よりも若干高く設けられている。合紙端部固定装置E1は、合紙Bの端部を固定していない状態で、合紙Bから離れた位置で待機している。他は図8と同様であり、ロール状に巻かれた合紙Bが用いられている。
次に、本実施例では、図16に示す通り、板昇降装置Dの直下に建築板A1が搬送される。本実施例でも、建築板A1は、手前で反転され、表面が下側となるように配されている。
次に、本実施例では、図17に示す通り、板昇降装置Dにより、建築板A1が板搬送装置Cより上方に配される。板昇降装置Dは吸着パッドを有しており、該吸着パッドが降下して建築板A1の背面に吸着する。そして、吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを上昇させることにより、建築板A1を板搬送装置Cより上方に配している。なお、図16において、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G3、合紙切断装置F3は建築板A1の直上には位置しないので、建築板A1を上昇させる際に、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G3、合紙切断装置F3が障害となることはない。
次に、本実施例では、図18に示す通り、建築板A1の下方に合紙Bが配される。本実施例においては、合紙固定装置G3が、合紙Bを掴んだ状態で、図17の位置から図18の位置に移動するとともに、合紙端部固定装置E1が、図17の位置から図18の位置に移動し、チャックを閉じることにより、合紙Bの端部を固定する。
次に、本実施例では、図19に示す通り、合紙端部固定装置E1が、合紙Bの端部を掴んだ状態で、図18の位置から図19の位置に移動するとともに、板搬送装置Cにより、建築板A1の直下位置に、別の建築板A2が搬送される。それにより、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。なお、合紙固定装置G3は、チャックを開いた状態で、図18の位置から図19の位置に移動し、図19の位置で再びチャックを閉じ、合紙Bを固定する。また、本実施例では、建築板A2は、表面が上側となるように配されており、建築板A1と建築板A2の表面は互いに向かい合っている。
次に、本実施例では、図20に示す通り、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを降下させることにより、建築板A1が降下し、建築板A1と合紙Bが接触している。
次に、本実施例では、図21に示す通り、合紙Bは、合紙切断装置F3により切断される。ここで、合紙切断装置F3は、合紙Bの下に配した熱線を上昇させて合紙Bに接触させることにより合紙Bを切断する。なお、合紙切断装置F3は、合紙端部固定装置E1との距離を考慮し、切断する合紙Bが建築板A1、A2の長手方向の長さよりも長くなる位置に設けてある。そのため、図21において、切断された合紙Bの長さは、建築板A1、A2の長手方向の長さよりも長い。
次に、本実施例では、図22に示す通り、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを更に降下させることにより、建築板A1を、合紙Bを介して建築板A2の上に配している。このとき、合紙端部固定装置E1のチャックは開き、合紙Bの端部の固定も解除される。そして、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1から離れた後、間に合紙Bを介在させた建築板A1、A2は、板搬送装置Cにより次の工程に搬送される。その後、板昇降装置Dの吸着パッドは図15に示した位置に戻り、次の板が搬送されるのを待機する。
【0018】
このように、本実施例によれば、事前に切断された合紙ではなく、連続した合紙を適切な長さに切断するとともに、該合紙を2枚の板の間に配置することができるので、生産効率が良く、コストを抑えることができる。また、ロール状に巻かれた合紙を用いることができるので、合紙の保管、輸送性、作業性に優れる。
【0019】
図23〜図30は、本発明にかかる合紙の配置方法の更に別の実施例を示した工程図である。
図23は、本発明にかかる合紙の配置方法を行う前の状態を示した図である。図23は、合紙の供給位置と、板支持装置Hを有することが図8と異なる。合紙の供給位置は、図8よりも若干高く設けられている。板支持装置Hは、板搬送装置Cよりも下方に設けられているが、垂直方向に昇降することが可能なので、板搬送装置C上の建築板を昇降することができる。他は図8と同様であり、ロール状に巻かれた合紙Bが用いられている。
次に、本実施例では、図24に示す通り、板昇降装置Dの直下に建築板A1が搬送される。本実施例でも、建築板A1は、手前で反転され、表面が下側となるように配されている。
次に、本実施例では、図25に示す通り、板昇降装置Dにより、建築板A1が板搬送装置Cより上方に配される。板昇降装置Dは吸着パッドを有しており、該吸着パッドが降下して建築板A1の背面に吸着する。そして、吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを上昇させることにより、建築板A1を板搬送装置Cより上方に配している。なお、図24において、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G2、合紙切断装置F2は建築板A1の直上には位置しないので、建築板A1を上昇させる際に、合紙端部固定装置E1、合紙固定装置G2、合紙切断装置F2が障害となることはない。
次に、本実施例では、図26に示す通り、建築板A1の下方に合紙Bが配される。本実施例においては、合紙端部固定装置E1が、図25の位置から図26の位置に、合紙Bの端部を固定した状態で移動することにより、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。図26における合紙端部固定装置E1の位置は、図25における合紙端部固定装置E1の位置から、建築板A2の長手方向に、建築板A2の長手方向の長さ以上に離れた位置である。そのため、合紙端部固定装置E1が、合紙Bの端部を掴んだ状態で、建築板A2の上を、合紙Bを建築板A2の長手方向に引き延ばすこととなり、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが配される。なお、合紙固定装置G2、合紙切断装置F2は移動せず、図26の状態において、合紙Bは、合紙端部固定装置E1と合紙固定装置G2により固定されているので、張力が与えられた状態である。
次に、本実施例では、図27に示す通り、板搬送装置Cにより、建築板A1の直下位置に、別の建築板A2が搬送される。それにより、建築板A1と建築板A2の間に合紙Bが介在することとなる。なお、本実施例では、建築板A2は、表面が上側となるように配されており、建築板A1と建築板A2の表面は互いに向かい合っている。
次に、本実施例では、図28に示す通り、合紙Bは、降下してきた建築板A1と上昇してきた建築板A2により挟持された状態となる。建築板A1は、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1の背面に吸着した状態で、該吸着パッドを降下させることにより下降する。建築板A2については、板支持装置Hが建築板A2の裏面に接した状態で、該板支持装置Hが上昇することにより、建築板A2は上昇する。
次に、本実施例では、図29に示す通り、合紙Bは、建築板A1と建築板A2に挟まれた状態で、合紙切断装置F2により切断される。
次に、本実施例では、図30に示す通り、板支持装置Hが建築板A1、A2を支持した状態で、板支持装置Hを降下させることにより、間に合紙Bを介在させた建築板A1、A2を板搬送装置Cの上に移動させる。なお、板支持装置Hの降下は、合紙端部固定装置E1のチャックは開き、合紙Bの端部の固定も解除されるとともに、板昇降装置Dの吸着パッドが建築板A1から離れた後に行われる。そして、間に合紙Bを介在させた建築板A1、A2は、板搬送装置Cにより次の工程に搬送される。
【0020】
このように、本実施例によれば、事前に切断された合紙ではなく、連続した合紙を適切な長さに切断するとともに、該合紙を2枚の板の間に配置することができるので、生産効率が良く、コストを抑えることができる。また、ロール状に巻かれた合紙を用いることができるので、合紙の保管、輸送性、作業性に優れる。更に、本実施例では、紙端部固定装置E1、合紙固定装置G2、2枚の板により合紙Bが固定された状態で合紙Bの切断を行うので、合紙Bはより切断しやすい。
【0021】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載の発明の範囲において種々の変形態を取り得る。例えば、合紙Bに針を突き刺して固定する合紙端部固定装置とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、連続した合紙を2枚の板の間に配置すると共に、適切な長さに切断する、合紙の配置方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0023】
A1、A2 建築板
B 合紙
C 板搬送装置
D 板昇降装置
E1 合紙端部固定装置
F1〜F3 合紙切断装置
G1〜G3 合紙固定装置
H 板支持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の板間に合紙を配置する、合紙の配置方法であって、
板を上昇させる工程と、
上方に配した板の直下位置に、別の板を配置するとともに、上方に配した板と、下方に配した板の間に、合紙を配置する工程と、
上方に配した板を降下し、合紙を介して下方に配した板の上に配置する工程とからなり、
合紙の配置は、連続した合紙の端部を固定した状態で、該合紙を、上方に配した板の下を、該板の長手方向に引き延ばすことにより行い、
上方に配した板を降下する前、又は、降下中、又は、降下した後に、引き延ばした合紙を、下方に配した板の長手方向の長さと同等以上の長さで切断するとともに、該合紙の端部の固定を解除する
ことを特徴とする合紙の配置方法。
【請求項2】
合紙を引き延ばす前の、該合紙の端部の固定は、上方に配した板の直下ではない位置で行う
ことを特徴とする請求項1に記載の板間への合紙の配置方法。
【請求項3】
合紙の切断、及び、該合紙の端部の固定の解除を、上方に配した板が、下方に配した板の上に配置されるまでに行う
ことを特徴とする請求項1に記載の板間への合紙の配置方法。
【請求項4】
合紙の切断、及び、該合紙の端部の固定の解除を、上方に配した板が、下方に配した板の上に配置された後に行う
ことを特徴とする請求項1に記載の板間への合紙の配置方法。
【請求項5】
引き延ばす前の合紙の端部を固定する位置の近傍に、該合紙を固定する別の固定部を設け、該合紙に張力を与えた状態で引き延ばす
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の板間への合紙の配置方法。
【請求項6】
別の固定部の近傍で、合紙の切断を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の合紙の配置方法。
【請求項7】
上方に配した板を降下し、合紙を介して下方に配した板の上に配置する工程において、
下方に配した板が上昇する
ことを特徴とする請求項1に記載の合紙の配置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−112504(P2013−112504A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262519(P2011−262519)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000110860)ニチハ株式会社 (182)
【Fターム(参考)】