説明

吊具構造

【目的】 カメラ本体等に設けられる吊具の構成を簡略化し、コストの低減を図ることを目的とする。
【構成】 カメラ本体30の上部に配置されるアクセサリ−シュ−親板1の端部に延長部2を形成し、この延長部2に吊穴3を開口する。延長部2は側面カバ−30aの外側に突出させる。
【効果】 別体の吊具を製造する必要がなく、部品点数、組立工数が少なくなり、コストが低減する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、カメラ本体等の側部に設けられる吊具の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 カメラ本体には、カメラ吊り下げ用のストラップ等を装着する吊具が設けられていることは知られている。図3はその吊具を備えたカメラ本体の全体概略図を示しており、カメラ本体30の正面中央部には交換レンズを装着するマウント部31が備えられ、カメラ本体上面部には、外付けストロボ等を装着するアクセサリ−シュ−33、シャッタ−ボタン32、さらにはモ−ドボタン、ドライブボタン等の各種操作ボタン34,35が設けられている。また、カメラ本体30の内部には、一側部にスプ−ル室37、他側部にパトロ−ネ室38が備えられており、パトロ−ネ室38の上部にはフィルム巻き戻し機構39を有している。
【0003】 このようなカメラ本体30の両側上端部には、吊具32,32が設けられており、これら吊具32,32にストラップの両端部を装着してカメラ本体30を吊り下げることができるようになっている。図2は、吊具36の取付構造の一例であり、カメラ本体30の側面カバ−30aの上端部に溝部30bが形成され、その溝部30bにL字状の吊具36がネジ43,43で固定されている。この従来例ではカメラ本体30のスプ−ル室37の上面部に、カメラ本体内部に納まる長さのアクセサリ−シュ−親板40がネジ42,42によって固定され、アクセサリ−シュ−33がシュ−座41を介して親板40に固定されている。
【0004】 しかしながら、上述の吊具取付構造は、別体の吊具36をネジ42,42によってカメラ本体側面部に固定するため、組立工数や部品点数も多くなってコスト高になるという問題がある。なお、カメラ本体のプラスチック製の側面カバ−に吊具を一体成形したものもあるが、成形金型が複雑となり強度的にも不安がある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上述した問題に鑑み、ストラップ等を装着する吊具の構成を簡素化し、部品点数、組立工数を少なくしてコストの低減を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本考案の第1の手段は、器機本体内部に配置される部品支持用の親板を、器機本体の外側に延長させ、該延長部に吊穴を形成したことを特徴とする。 本考案の第2の手段は、カメラ本体内部のスプ−ル室側上部に配置されるアクセサリ−シュ−親板の端部をカメラ本体の外側に延長させ、該延長部に吊穴を形成したことを特徴とする。
【0007】
【実施例】
図1は、本考案を図3に示したカメラ本体30に適用した場合の実施例であり、従来と同一の部品には同一符合を付している。カメラ本体30内部のスプ−ル室側の上面部にはアクセサリ−シュ−親板1が配置され、この親板1にシュ−座41を介してアクセサリ−シュ−33が固定されている。アクセサリ−シュ−親板1は所定厚さのプラスチックで構成されており、先端部にはカメラ本体側面外方に突出する舌片状の延長部2が形成され、その延長部2に吊穴3が開口されている。なお、カメラ本体30の側面カバ−30aの上縁部には切欠部4が形成されている。
【0008】 アクセサリ−シュ−親板1は、ネジ42,42により側面カバ−30aの内壁部5に固定される。この場合、延長部2は側面カバ−切欠部4に係入され、延長部先端の吊穴3が側面カバ−30aより突出した状態で装着される。シュ−座金41とアクセサリ−シュ−33は、ネジ等によりアクセサリ−シュ−親板1に固定される。またアクセサリ−シュ−親板1の上部には上面カバ−(図示せず)が取り付けられる。
【0009】 上述の実施例では、アクセサリ−シュ−親板1の端部を延長させているが、スイッチ親板、フレキシブル基板の親板、その他、各種部品や機構を支持する親板をカメラ本体30の外側に延長する構成としてもよい。また延長部2の形状等も、上向きL字状にするなど任意に変更できる。さらに、本考案はカメラ本体のみならず、他の撮影器機、音響器機等にも応用することができる。
【0010】
【考案の効果】
以上説明した本考案によれば、器機本体内部の上部に配置される部品支持用の親板を器機本体の外側に延長させ、該延長部に吊穴を形成したことにより、吊具の構成が簡素化し、止めネジ等の部品点数、組立工数が少なくなるためコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】従来例を示す分解斜視図である。
【図3】従来例を示すカメラ本体の正面概略図である。
【符合の説明】
1 アクセサリ−シュ−親板
2 延長部
3 吊穴
4 側面カバ−切欠部
5 側面カバ−内壁
30 カメラ本体
30a 側面カバ−
33 アクセサリ−シュ−
41 シュ−座
42 ネジ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 器機本体内部に配置される部品支持用の親板を、器機本体の外側に延長させ、該延長部に吊穴を形成したことを特徴とする吊具構造。
【請求項2】 前記器機本体はカメラ本体であり、該カメラ本体内部のスプ−ル室側上部に配置されるアクセサリ−シュ−親板の端部をカメラ本体の外側に延長させ、該延長部に吊穴を形成したことを特徴とする請求項1に記載の吊具構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】実開平5−71835
【公開日】平成5年(1993)9月28日
【考案の名称】吊具構造
【国際特許分類】
【出願番号】実願平4−13805
【出願日】平成4年(1992)2月14日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)