吐出コック
【課題】吐出部の誘導路内に溜まった残液を効率よく外部に排出することができる吐出コックを提供する。
【解決手段】円筒状のコック本体12、該コック本体12内に配され、弁体吐出部を開閉するための弁体、該弁体をコック本体12の外部から操作するための把持部14、及び液体を整流吐出する吐出口13bを有する整流用キャップ13から構成され、整流用キャップ13の吐出口13bの略中央部には、液体吐出後に外部の空気を整流用キャップ13内に導入し、該整流用キャップ13内の残液を排出するための円筒状の空気導入管20が配されていることを特徴とする。
【解決手段】円筒状のコック本体12、該コック本体12内に配され、弁体吐出部を開閉するための弁体、該弁体をコック本体12の外部から操作するための把持部14、及び液体を整流吐出する吐出口13bを有する整流用キャップ13から構成され、整流用キャップ13の吐出口13bの略中央部には、液体吐出後に外部の空気を整流用キャップ13内に導入し、該整流用キャップ13内の残液を排出するための円筒状の空気導入管20が配されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給部、例えば液体収納容器及び通流路に配置され、吐出後の吐出部の誘導路内の残液を効率よく排出することができる吐出コックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体供給部、例えば液体収納容器及び通流路に配置され、液体の流量を調節しながら液体を外部に吐出させるための吐出コックが知られている。従来より、特許文献1,2に記載されるような吐出コックが知られている。その吐出コックは、円筒状のバルブハウジングとその下端に形成される吐出口から液体を吐出するための棒状の弁体から構成されている。弁体は、その上端部において操作レバーと連結され、該操作レバーにより弁体が上下方向に往復させることにより、液体の吐出が調節される。弁体の開口部から吐出した液体は、吐出部に設けられた誘導路を通りバルブハウジングの開口部から外部に吐出される。弁体の開口部とバルブハウジングの開口部との間の誘導路は、弁体の開口部から吐出した液体の整流を主な目的としている。
【特許文献1】特開2003−12095号公報(図面)
【特許文献2】実開平7−11600号公報(図面)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1,2に開示される吐出コックは、液体吐出後に弁体の開口部から吐出した液体が表面張力により誘導路を塞ぎ、誘導路内部又は誘導路出口付近に残液として溜まる場合があるという問題があった。その問題は、誘導路上又は誘導路の出口付近に吐出した液体を整流するための整流板等の構造体が設けられている場合には特に顕著であった。誘導路上に溜まった残液は、特に液体が飲料である場合、不衛生であるため吐出後にすぐに外部に排出されることが好ましい。誘導路内の残液を外部に排出する方法として、外部から吐出コックに衝撃等を加えることにより排出することができる。しかしながら、その動作を繰り返すことは、吐出コックの耐久性の観点から好ましくない。その一方、残液の問題を解決するために吐出部において誘導路を設けずに弁体の開口部から直ぐに液体が外部に吐出する構成を採用することも可能であるが、吐出液の整流効果が得られず、液体が飛び散りやすくなり衣服等を汚すおそれがあった。
【0004】
本発明は、従来技術の上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、吐出部の誘導路内に溜まった残液を効率よく外部に排出することができる吐出コックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液体供給部と連結される筒状のコック本体、該コック本体内に配され、前記供給部と連通される吐出部を開閉するための弁体、該弁体に連結されるとともに、前記コック本体の外部に設けられる操作部、及び前記吐出部に設けられ、一端に液体を整流吐出する開口部を有する筒状の誘導部から構成される吐出コックにおいて、前記誘導部の開口部には、液体吐出時に該液体によって封鎖されることがなく、液体吐出後に外部の空気を誘導部内に導入し、該誘導部内の残液を排出するための空気導入管が取り付けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の吐出コックにおいて、前記空気導入管は、液体の吐出方向に対し、略平行に配されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の吐出コックにおいて、前記液体は、前記誘導部の内面に沿って吐出されるとともに、前記空気導入管は、連結部を介し、前記誘導部の開口部の略中央に配されることを特徴とする。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の吐出コックにおいて、前記空気導入管の液体吐出側の端部は、前記誘導部の開口端部より、下方に位置していることを特徴とする。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の吐出コックにおいて、前記誘導部の内周面は、液体の吐出方向にテーパ状に縮径されたテーパ面を有していることを特徴とする。
【0009】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の吐出コックにおいて、液体吐出後に外部の空気が空気導入管から誘導部内に導入される際、空気は液体の吐出側へ向かって誘導部内に導入されるよう構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吐出部の誘導路内に溜まった残液を効率よく外部に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の吐出コックを具体化した第一の実施形態を図1〜図14にしたがって説明する。
【0012】
図1〜図7に示されるように、本実施形態の吐出コック11は円筒状のコック本体12により構成される。コック本体12は図示しない供給部と連結するための連結管12aが接続されている。連結管12aは、コック本体12の軸方向に対し略垂直になるように、一方の端部とコック本体12の外周面において接続されている。連結管12aの他端部の内周面には、供給部に対し螺合により接続するための雌ネジ12bが設けられている。図2に示されるように、コック本体12の下端部には誘導部としての整流用キャップ13が取り付けられている。図6,8に示されるように整流用キャップ13は筒状に成型され、内周面に誘導路13aが形成されるとともに下端開口部に液体を整流吐出する吐出口13bを有している。吐出口13bは、吐出コック11の使用時に供給部からの液体をコック本体12を介して外部に吐出する。誘導路13aは、吐出する液体を整流するために、吐出口13b付近の内周面において液体の吐出方向である下方にテーパ状に縮径された第1テーパ面13cと第2テーパ面13dが上方から順に設けられている。第1テーパ面13cは、第2テーパ面13dより液体の吐出方向に対し傾斜の角度が急に構成されている。
【0013】
整流用キャップ13の第2テーパ面13dの略中央部には、液体吐出後に外部の空気を整流用キャップ13内に導入し、該整流用キャップ13内の残液を排出するための円筒状の空気導入管20が配置されている(図6,8)。空気導入管20は、中心軸線が直線であり、8枚の連結部としての連結片21を介して第2テーパ面13dに連結されている。空気導入管20は、液体の吐出方向(上下方向)に対し、略平行に配されている。液体は、第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間を通り、吐出口13bより外部に吐出する。空気導入管20の上端開口部20aの位置は、吐出動作において他の部材の動作を妨げることなく、且つ液体吐出時に該液体の進入によって封鎖されることがない液体流路以外の位置であれば特に限定されない。
【0014】
空気導入管20の液体吐出側の端部にある下端開口部20bの位置は、液体吐出時又は液体の吐出後に該液体の進入によって封鎖されることがない位置であれば特に限定されない。例えば整流用キャップ13の吐出口13bの位置と上下方向(吐出方向)において略同一又はその位置より下方の位置が挙げられる。図8に示されるように空気導入管20の下端開口部20bが吐出口13bより、下方に位置している方が好ましく、液体の吐出時及び吐出後に空気導入管20の下端開口部20bが液体によって封鎖される可能性をより低減させることができる。連結片21は、空気導入管20の外周面と第2テーパ面13dの間において、吐出方向に対し平行に配され、且つ8枚の連結片21が等間隔に整列して設けられる(図6)。
【0015】
コック本体12の上部には、操作部としての把持部14が設けられ、吐出口13bにおける供給部から通流した液体の吐出調節を行なう(図1,8)。把持部14の外周面は、操作時における指の滑り止め防止を目的として、また把持部14のコック本体12に対する回動位置の確認を容易にするために略台形山状の断面形状を有する操作片14aが長手方向に沿って設けられている。操作片14aは、吐出が閉鎖されている時は、把持部14の前方に位置する。
【0016】
次に、図7,8に基づいて、吐出コック11の内部構造について説明する。図8に示されるようにコック本体12の内部は、その内周面により通流路12dが形成され、連結管12aの内周面と連通している。コック本体12の下端開口部における内周面には、反吐出方向へテーパ状に縮径されたテーパ面を有する第1縮径部12fが形成されている。コック本体12の下端開口部は、整流用キャップ13と接続されている。コック本体12の中央上部の内周面には、上端開口部にまで延びる第2縮径部12gが形成されている。コック本体12の上端の開口端面には、把持部14を上方に付勢するための弾性体である圧縮コイルバネ15を嵌装するための収容溝12hが設けられている。収容溝12hは、長手方向に管状に延びるとともに長手方向に対する垂直断面がリング状をなしている。圧縮コイルバネ15の下端部は、コック本体12に対し回動不能に収容溝12hの底面部に取り付けられる。圧縮コイルバネ15は、下方へ時計回りのつる巻き螺旋である。
【0017】
図8に示されるように、把持部14は、有蓋円筒状に成形され、その内周面14bと蓋部裏面14cとにより凹状部14dを形成している。把持部14の内周面14bとコック本体12の上部外周面12iは軸方向及び周方向にスライド移動可能に接触している。圧縮コイルバネ15の上端部は、把持部14に対し回動不能に蓋部裏面14cにおいて取り付けられる。圧縮コイルバネ15は圧縮状態で蓋部裏面14cと当接し、把持部14は、それによりコック本体12に対し上方に付勢されている。把持部14には、ストッパー16を介し棒状の弁体17が軸方向に対し不動に、且つ周方向へ相対回動可能に支持されている。把持部14の蓋部にはキャップ18が取り付けられている。
【0018】
図7,8に示されるように、弁体17はコック本体12の通流路12d及び第2縮径部12gに嵌挿されている。弁体17の下端外周面は、下方に向けてテーパ状に拡径され、且つ第1縮径部12fのテーパ面と相対向するテーパ面を有するテーパ部17aが形成されている。テーパ部17aには、液漏れ防止用のシールリング19を収容するためのリング状収容溝17bが設けられている。コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aにより弁体吐出部17cが構成される。弁体吐出部17cは、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aの離間及び接近により開閉される。弁体17の下端部は、テーパ部17aと略平行のテーパ面を有し、略円錐状に切り込まれた凹部17dが形成されている。把持部14及びそれに連結されている弁体17は、圧縮コイルバネ15により上方に付勢されているため、弁体吐出部17cが閉鎖時においてコック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aは、シールリング19を介し圧接されている(図8)。
【0019】
次に、吐出コック11の吐出抑制手段について説明する。
図1,2,7〜9に示されるように、上部外周面12iの左右両側面には、コック本体12の長手方向に沿って溝部としての一対の縦溝12j,12kがそれぞれ刻まれている。一対の縦溝12j,12kは、それぞれコック本体12の上端面を貫通している。一対の縦溝12j,12kの上端部からは、それぞれ反時計周り方向へ上部外周面12i及びコック本体12の上端面の両面に沿って、周方向に延びる溝部としての横溝12m,12nが刻まれている。図9に示されるように横溝12m,12nは、それぞれコック本体12の中心軸に対し略90°の範囲において、刻まれている。
【0020】
図7〜9に示されるように、把持部14の内周面14b上に前後一対の突部14e,14fが長手方向(上下方向)に沿って設けられている。把持部14の前方に設けられている突部14eの下端部は、弁体吐出部17cが閉鎖時において、横溝12nの縦溝12kが刻まれていない方の端部と当接している。把持部14の後方に設けられている突部14fの下端部は、弁体吐出部17cが閉鎖時において、横溝12mの縦溝12jが刻まれていない方の端部と当接している。
【0021】
次に、本実施形態の吐出コック11の作用について図1、10〜14に基づいて説明する。
本実施形態の吐出コック11は、図示しない供給部とコック本体12が連結管12aを介し接続されることにより使用される。弁体吐出部17cが閉鎖状態では、図1に示されるように把持部14の操作片14aが前方位置にある。そして、圧縮コイルバネ15により把持部14及びそれに連結されている弁体17が上方に付勢されているため、弁体吐出部17cにおいてコック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aは、シールリング19を介し圧接している。吐出コック11を開状態にするには、最初に図10(a)に示されるように把持部14をコック本体12に対し時計回り且つ水平方向(矢印X方向)に回動させる。そして、把持部14の前方に設けられている突部14eの下端部は、横溝12n上を係合しながらスライド移動し、縦溝12kの一方の側面に当接する。同様に、把持部14の後方に設けられている突部14fの下端部は、横溝12m上を係合しながらスライド移動し、縦溝12jの一方の側面に当接する。把持部14を水平方向に回動させる際、把持部14は、圧縮コイルバネ15と回動不能に取り付けられているため、圧縮コイルバネ15の周方向への付勢力に抗して回動させる必要がある。
【0022】
次に、図10(b)に示されるように、把持部14は、下方(矢印Y方向)にスライド移動される。その時、把持部14の軸方向に延びる突部14eは、コック本体12の軸方向に延びる縦溝12kにスライド移動しながら挿入される(図11〜13参照)。同様に、把持部14の軸方向に延びる突部14fは、コック本体12の軸方向に延びる縦溝12jにスライド移動しながら挿入される。把持部14を軸方向且つ下方へ移動させる際、把持部14は、圧縮コイルバネ15の長手方向への付勢力に抗して移動される。そして、把持部14に支持されている弁体17も下方へ移動し、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aとが離間する。その際、弁体17が下方に移動することにより下端部の凹部17d内に空気導入管20の上端開口部20aが嵌挿される。
【0023】
上記吐出コック11の開動作により、供給部から通液した液体が通流路12dを通りコック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aの間の弁体吐出部17cから流出する。弁体吐出部17cから流出した液体22は、整流用キャップ13の誘導路13aを通り、第1テーパ面13c及び第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間を順に通り、吐出口13bから吐出コック11の外に吐出される(図14(a))。その際、空気導入管20の上端開口部20aは、弁体17の凹部17d内に配され、弁体17の下端部より上方に位置するため、液体が空気導入管20の上端開口部20aから進入することはなく、空気導入管20は液体で封鎖されることはない。
【0024】
次に、弁体吐出部17cを閉鎖状態に戻すには、把持部14から手を離すのみで、自動的に把持部14は、吐出前の位置に戻る。つまり、把持部14は、まず圧縮コイルバネ15の長手方向の付勢力に従って、上方へ移動する。それにより、弁体17も上方へ移動し、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aは、シールリング19を介し圧接することにより、弁体吐出部17cは閉鎖される。さらに、把持部14は、圧縮コイルバネ15の周方向への付勢力に従って、回動する。そして、回動した把持部14は、突部14eの下端部と横溝12nの端部、及び突部14fの下端部と横溝12mの端部が当接することにより、弁体吐出部17cが閉鎖する位置にて止まる。
【0025】
上記吐出コック11の閉動作により、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aの間の弁体吐出部17cから液体の流出が停止する。図14(b)に示されるように、液体の流出停止直後は、第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間、連結片21の間、及び吐出口13b付近に残液23が表面張力により一時的に付着する。その際、空気導入管20の下端開口部20bが吐出口13bより、下方に位置している場合、残液の表面張力により空気導入管20の下端開口部20bが封鎖される可能性をより低減させることができる。
【0026】
その後、図14(c)に示されるように、残液23が自重により下方に移動する際、整流用キャップ13内に空気導入管20を介し外部の空気が導入される。それにより、整流用キャップ13内の負圧は解消されるため、整流用キャップ13内の残液及び吐出口13b付近に付着した残液は留まることなく効率的に滴下・排出される。
【0027】
第1の実施形態の吐出コック11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態において、誘導部としての整流用キャップ13の吐出口13bにおいて、液体吐出時に該液体によって封鎖されることがない空気導入管20を取り付けた。その空気導入管20は、液体吐出後に外部の空気を整流用キャップ内に導入し、滴下しようとする残液によって生ずる整流用キャップ内の負圧を解消することができる。それにより、整流用キャップ内に溜まった残液を効率よく滴下・排出することができる。
【0028】
(2)本実施形態において、好ましくは空気導入管20は、液体の吐出方向に対し、略平行に配されるよう構成した。したがって、空気導入管20の外周面及び第2テーパ面13dの間により吐出する液体の整流効果を高めることができる。
【0029】
(3)本実施形態において、弁体吐出部17cから流出した液体22が、整流用キャップ13の内面である誘導路13aを通り、第1テーパ面13c及び第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間を順に通り、吐出口13bから吐出コック11の外に吐出されるよう構成した。空気導入管20は、連結片21を介し、吐出口13bの開口部の略中央に配されている。したがって、液体の流路から外れるように空気導入管20の開口部が配されるため、空気導入管20内へ液体が進入し、該液体によって空気導入管20が封鎖される可能性をより低減することができる。また、空気導入管20が吐出口13bの開口部の略中央に配されるため、空気導入管20の外周面により整流効果を高めることができる。
【0030】
(4)本実施形態において、好ましくは空気導入管20の下端開口部20bが吐出口13bより、下方に位置するよう構成される。したがって、液体の吐出時及び吐出後に空気導入管20の下端開口部20bが表面張力により吐出口13b付近に付着した残液によって封鎖される可能性をより低減させることができる。
【0031】
(5)本実施形態において、誘導路13aは、吐出口13b付近の内周面において液体の吐出方向である下方にテーパ状に縮径された第1テーパ面13cと第2テーパ面13dが上方から順に設けられている。したがって、吐出する液体の整流効果をより高めることができる。
【0032】
(6)本実施形態において、連結片21は吐出方向に平行になるように配されている。したがって、吐出する液体の整流効果をより向上させることができる。
(7)本実施形態において、液体吐出時に空気導入管20の上端開口部20aは、弁体17の下端部に形成される凹部17d内に配され、弁体吐出部17cを構成する弁体17の下端部より上方に位置するよう構成される。したがって、液体が空気導入管20の上端開口部20aから進入することにより、空気導入管20が液体で封鎖されるおそれがない。
【0033】
(8)本実施形態において、弁体吐出部17cをコック本体12の反吐出方向へテーパ状に縮径された第1縮径部12fと、弁体17の外面において第1縮径部12fに相対向するよう吐出方向へテーパ状に拡径されたテーパ部17aとから構成した。したがって、軸方向のストロークを変えることにより最大流量を容易に変更することができる。それにより、従来のものよりも流量を容易に大きくすることができる。尚、軸方向へのストロークの変更は、例えば縦溝12j,12kの長さを変えることにより容易に達成することができる。
【0034】
なお、第1の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、誘導路13aの形状は、弁体吐出部17cからの液体を整流吐出する機能を有していれば特に限定されない。
【0035】
・上記実施形態において、空気導入管20の外周面に配される連結片21の数は特に限定されないが、整流効果を向上させることができ、且つ残水の排出に影響を与えない8本程度が好ましい。
【0036】
・上記実施形態において、空気導入管20は、連結片21を用いて第2テーパ面13dに取り付けることにより吐出口13bに配されるように構成した。しかしながら、空気導入管20は、他の場所に連結されることにより、吐出口13bに配されるように構成してもよい。
【0037】
・上記実施形態において、連結片21の大きさ等は特に限定されない。例えば連結片21の吐出方向における長さは長い方が整流効果は高いが、長すぎると空気導入管20の端部から液体が侵入するおそれ及び排液阻害するおそれがあるため、目的・用途等に応じ適宜設計することができる。
【0038】
・上記実施形態において、吐出口13bにおける空気導入管20の取り付け位置等は特に限定されず、液体の吐出方向に対し、中心軸が傾斜してもよく、吐出口13bの中心から外れていてもよい。
【0039】
・上記実施形態において、空気導入管20の断面形状、外観及び大きさ等は空気を導入可能な筒形状であれば特に限定されない。例えば、空気導入管をU字状、J字状、又は、くの字状に構成し、整流用キャップ13外に配される管の開口部を液体の吐出流路から外れるように取り付けてもよい。かかる構成によれば、吐出液によって空気導入管20が封鎖される可能性をより一層低減させることができる。
【0040】
・上記実施形態において、空気導入管20の上端開口部20aは液体吐出時において弁体17の下端部によって密閉されるように構成してもよい。かかる構成により、上端開口部20aからの液体の侵入を確実に防止することができる。
【0041】
・上記実施形態において、供給部としては特に限定されず、例えば液体を貯めておくタンク、及び通流管が挙げられる。タンクとしては、例えば温水タンク、冷水タンク、及び薬液貯蔵タンクが挙げられる。通流管としては、例えば温水管及び冷水管が挙げられる。
【0042】
・上記実施形態において、吐出コック11が適用される液体としては、特に限定されず、水、飲料水、薬品等が挙げられる。飲料水としては、例えば各種清涼飲料水、炭酸水、果汁及びアルコール類が挙げられる。
【0043】
(第2の実施形態)
以下、本発明の吐出コックを具体化した第2の実施形態を図15〜図17にしたがって説明する。
【0044】
図15に示されるように、本実施形態の吐出コック31は、筒状のコック本体32、及び弁体33により構成される。コック本体32の内周面には、通流路32aが形成されている。コック本体32の側面には、図示しない供給部と連結するための連結管32bが接続されている。連結管32bの内周面には、供給部に対し螺合により接続するための雌ネジ32dが設けられている。
【0045】
コック本体32の下側開口部には、誘導部34が一体成形されている。誘導部34の内周面には、液体35を整流する誘導路34aが形成され、該誘導路34aの下端開口部には液体35を整流吐出する吐出口34bが形成されている。吐出口34bは、吐出コック31の使用時に供給部からの液体を通流路32a及び誘導路34aを介して外部に吐出する。
【0046】
コック本体32の上側開口部には、キャップ36が取り付けられている。キャップ36には棒状の弁体33が上下方向の往復動可能に支持されている。弁体33の下端部には弁部33aが設けられ、コック本体32の下側開口部に設けられる弁孔32cとの間において弁体吐出部33bを形成している。弁体33の上端には図示しない把持部が設けられている。弁体33とキャップ36との間にはコイルバネ37が設けられ、弁体33はコイルバネ37により下方に付勢されている。従って、弁体33をコイルバネ37の付勢力に抗して上方にスライド操作すると、弁体33が持ち上げられ、弁体吐出部33bが開放される。
【0047】
図15,17に示されるように、誘導路34aの略中央部には、液体吐出後に外部の空気を誘導部34内に導入し、該誘導部34内の残液を排出するための円筒状の空気導入管38が配置されている。空気導入管38は、中心軸線が直線であり、8枚の連結部としての連結片39を介して誘導路34aに連結されている。連結片39は第1の実施形態の連結片21と同様の構成を採用することができる。空気導入管38は、液体の吐出方向(上下方向)に対し、略平行に配されている。空気導入管38の上端開口部38aには、吐出する液体の侵入を防止するために半球状の保護キャップ40が連結板41を介し取り付けられている。保護キャップ40の開口部40aの内径は空気導入管38の直径よりも大きく構成され、保護キャップ40の開口部40a内に上端開口部38aを挿入した状態で取り付けられる。
【0048】
上記吐出コック31の開動作により、供給部から通液した液体35が通流路32aを通り弁体吐出部33bから流出する(図15)。弁体吐出部33bから流出した液体35は、誘導路34aを通り、吐出口34bから吐出コック31の外に吐出される。その際、空気導入管38の上端開口部38aは、保護キャップ40が取り付けられているため、液体が空気導入管38の上端開口部38aから進入するおそれはない。
【0049】
上記吐出コック31の閉動作により、弁体吐出部33bから液体の流出が停止する(図16)。液体の流出停止直後は、誘導路34aと空気導入管38の外周面の間、連結片39の間、及び吐出口34b付近に残液42が表面張力により一時的に付着する。その後、残液42が自重により下方に移動する際、誘導部34内に外部の空気が矢印方向に従って空気導入管38及び保護キャップ40の内面を介し導入される。つまり、外部の空気は液体の吐出方向へ向けて誘導部34内に導入される。それにより、誘導路34a内の負圧は解消されるため、誘導部34内の残液及び吐出口34b付近に付着した残液は留まることなく効率的に滴下・排出される。
【0050】
第2の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。尚、第1の実施形態と共通する効果の記載は省略する。
(1)本実施形態において、空気導入管38の上端開口部38aにおいて、吐出する液体の侵入を防止するために半球状の保護キャップ40を該保護キャップ40の開口部40a内に上端開口部38aを挿入した状態で取り付けた。したがって、液体が空気導入管38の上端開口部38aから進入することがなく、且つ誘導部34内に外部の空気を導入することができる。
【0051】
(2)本実施形態において、保護キャップ40を半球状に構成した。したがって、保護キャップ40表面の球面により、液体の整流効果を高めることができる。
なお、第2の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0052】
・上記実施形態において、空気導入管38及び保護キャップ40の形状は、液体吐出後に外部の空気が誘導部34内に導入される際に空気が液体の吐出方向へ向けて誘導部34内に導入されるよう構成すれば特に限定されない。
【0053】
・上記実施形態において、保護キャップ40を用いずに構成してもよい。例えば空気導入管38を逆J字状に屈曲させて、上方に位置する開口部を誘導部34内に配することにより構成してもよい。かかる構成によっても液体吐出時に空気導入管の上端開口部から液体が侵入して空気導入管を閉鎖するおそれがなく、且つ誘導部34内に外部の空気を導入することができる。尚、かかる構成においても、外部の空気は液体の吐出方向へ向けて誘導部34内に導入される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1の実施形態の吐出コックの正面・平面・右側面側からの斜視図。
【図2】第1の実施形態の吐出コックの背面・底面・左側面側からの斜視図。
【図3】第1の実施形態の吐出コックの底面図。
【図4】第1の実施形態の吐出コックの正面図。
【図5】第1の実施形態の吐出コックの右側面図。
【図6】第1の実施形態の吐出コックの図4におけるD−D断面図。
【図7】第1の実施形態の吐出コックの分解斜視図。
【図8】第1の実施形態の吐出コックの断面図。(a)図4におけるA−A断面図。(b)図5におけるB−B断面図。
【図9】第1の実施形態の吐出コックの図4におけるC−C断面図。
【図10】第1の実施形態の使用時における吐出コックの正面・平面・右側面側からの斜視図。(a)把持部をコック本体に対し回動させた時の図。(b)(a)の動作の次に、把持部をコック本体に対し軸方向へスライドさせた時の図。
【図11】第1の実施形態の吐出時における吐出コックの正面図。
【図12】第1の実施形態の吐出時における吐出コックの右側面図。
【図13】第1の実施形態の吐出時における吐出コックの断面図。(a)図11におけるE−E断面図。(b)図12におけるF−F断面図。
【図14】第1の実施形態の吐出コックの整流用キャップ13の要部断面図。(a)液体吐出時の図。(b)液体停止直後の図。(c)残液排出時の図。
【図15】第2の実施形態の吐出コックの断面図(開状態)。
【図16】第2の実施形態の吐出コックの断面図(閉状態)。
【図17】第2の実施形態の吐出コックの図15におけるG−G断面図。
【符号の説明】
【0055】
11,31…吐出コック、12,32…コック本体、13…誘導部としての整流用キャップ、13a,34a…誘導路、13b,34b…吐出口、13c…第1テーパ面、13d…第2テーパ面、14…操作部としての把持部、17,33…弁体、17c,33b…弁体吐出部、20,38…空気導入管、20b…下端開口部、21,39…連結片、22,35…液体、23,42…残液、34…誘導部、40…保護キャップ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給部、例えば液体収納容器及び通流路に配置され、吐出後の吐出部の誘導路内の残液を効率よく排出することができる吐出コックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体供給部、例えば液体収納容器及び通流路に配置され、液体の流量を調節しながら液体を外部に吐出させるための吐出コックが知られている。従来より、特許文献1,2に記載されるような吐出コックが知られている。その吐出コックは、円筒状のバルブハウジングとその下端に形成される吐出口から液体を吐出するための棒状の弁体から構成されている。弁体は、その上端部において操作レバーと連結され、該操作レバーにより弁体が上下方向に往復させることにより、液体の吐出が調節される。弁体の開口部から吐出した液体は、吐出部に設けられた誘導路を通りバルブハウジングの開口部から外部に吐出される。弁体の開口部とバルブハウジングの開口部との間の誘導路は、弁体の開口部から吐出した液体の整流を主な目的としている。
【特許文献1】特開2003−12095号公報(図面)
【特許文献2】実開平7−11600号公報(図面)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1,2に開示される吐出コックは、液体吐出後に弁体の開口部から吐出した液体が表面張力により誘導路を塞ぎ、誘導路内部又は誘導路出口付近に残液として溜まる場合があるという問題があった。その問題は、誘導路上又は誘導路の出口付近に吐出した液体を整流するための整流板等の構造体が設けられている場合には特に顕著であった。誘導路上に溜まった残液は、特に液体が飲料である場合、不衛生であるため吐出後にすぐに外部に排出されることが好ましい。誘導路内の残液を外部に排出する方法として、外部から吐出コックに衝撃等を加えることにより排出することができる。しかしながら、その動作を繰り返すことは、吐出コックの耐久性の観点から好ましくない。その一方、残液の問題を解決するために吐出部において誘導路を設けずに弁体の開口部から直ぐに液体が外部に吐出する構成を採用することも可能であるが、吐出液の整流効果が得られず、液体が飛び散りやすくなり衣服等を汚すおそれがあった。
【0004】
本発明は、従来技術の上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、吐出部の誘導路内に溜まった残液を効率よく外部に排出することができる吐出コックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液体供給部と連結される筒状のコック本体、該コック本体内に配され、前記供給部と連通される吐出部を開閉するための弁体、該弁体に連結されるとともに、前記コック本体の外部に設けられる操作部、及び前記吐出部に設けられ、一端に液体を整流吐出する開口部を有する筒状の誘導部から構成される吐出コックにおいて、前記誘導部の開口部には、液体吐出時に該液体によって封鎖されることがなく、液体吐出後に外部の空気を誘導部内に導入し、該誘導部内の残液を排出するための空気導入管が取り付けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の吐出コックにおいて、前記空気導入管は、液体の吐出方向に対し、略平行に配されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の吐出コックにおいて、前記液体は、前記誘導部の内面に沿って吐出されるとともに、前記空気導入管は、連結部を介し、前記誘導部の開口部の略中央に配されることを特徴とする。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の吐出コックにおいて、前記空気導入管の液体吐出側の端部は、前記誘導部の開口端部より、下方に位置していることを特徴とする。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の吐出コックにおいて、前記誘導部の内周面は、液体の吐出方向にテーパ状に縮径されたテーパ面を有していることを特徴とする。
【0009】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の吐出コックにおいて、液体吐出後に外部の空気が空気導入管から誘導部内に導入される際、空気は液体の吐出側へ向かって誘導部内に導入されるよう構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吐出部の誘導路内に溜まった残液を効率よく外部に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の吐出コックを具体化した第一の実施形態を図1〜図14にしたがって説明する。
【0012】
図1〜図7に示されるように、本実施形態の吐出コック11は円筒状のコック本体12により構成される。コック本体12は図示しない供給部と連結するための連結管12aが接続されている。連結管12aは、コック本体12の軸方向に対し略垂直になるように、一方の端部とコック本体12の外周面において接続されている。連結管12aの他端部の内周面には、供給部に対し螺合により接続するための雌ネジ12bが設けられている。図2に示されるように、コック本体12の下端部には誘導部としての整流用キャップ13が取り付けられている。図6,8に示されるように整流用キャップ13は筒状に成型され、内周面に誘導路13aが形成されるとともに下端開口部に液体を整流吐出する吐出口13bを有している。吐出口13bは、吐出コック11の使用時に供給部からの液体をコック本体12を介して外部に吐出する。誘導路13aは、吐出する液体を整流するために、吐出口13b付近の内周面において液体の吐出方向である下方にテーパ状に縮径された第1テーパ面13cと第2テーパ面13dが上方から順に設けられている。第1テーパ面13cは、第2テーパ面13dより液体の吐出方向に対し傾斜の角度が急に構成されている。
【0013】
整流用キャップ13の第2テーパ面13dの略中央部には、液体吐出後に外部の空気を整流用キャップ13内に導入し、該整流用キャップ13内の残液を排出するための円筒状の空気導入管20が配置されている(図6,8)。空気導入管20は、中心軸線が直線であり、8枚の連結部としての連結片21を介して第2テーパ面13dに連結されている。空気導入管20は、液体の吐出方向(上下方向)に対し、略平行に配されている。液体は、第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間を通り、吐出口13bより外部に吐出する。空気導入管20の上端開口部20aの位置は、吐出動作において他の部材の動作を妨げることなく、且つ液体吐出時に該液体の進入によって封鎖されることがない液体流路以外の位置であれば特に限定されない。
【0014】
空気導入管20の液体吐出側の端部にある下端開口部20bの位置は、液体吐出時又は液体の吐出後に該液体の進入によって封鎖されることがない位置であれば特に限定されない。例えば整流用キャップ13の吐出口13bの位置と上下方向(吐出方向)において略同一又はその位置より下方の位置が挙げられる。図8に示されるように空気導入管20の下端開口部20bが吐出口13bより、下方に位置している方が好ましく、液体の吐出時及び吐出後に空気導入管20の下端開口部20bが液体によって封鎖される可能性をより低減させることができる。連結片21は、空気導入管20の外周面と第2テーパ面13dの間において、吐出方向に対し平行に配され、且つ8枚の連結片21が等間隔に整列して設けられる(図6)。
【0015】
コック本体12の上部には、操作部としての把持部14が設けられ、吐出口13bにおける供給部から通流した液体の吐出調節を行なう(図1,8)。把持部14の外周面は、操作時における指の滑り止め防止を目的として、また把持部14のコック本体12に対する回動位置の確認を容易にするために略台形山状の断面形状を有する操作片14aが長手方向に沿って設けられている。操作片14aは、吐出が閉鎖されている時は、把持部14の前方に位置する。
【0016】
次に、図7,8に基づいて、吐出コック11の内部構造について説明する。図8に示されるようにコック本体12の内部は、その内周面により通流路12dが形成され、連結管12aの内周面と連通している。コック本体12の下端開口部における内周面には、反吐出方向へテーパ状に縮径されたテーパ面を有する第1縮径部12fが形成されている。コック本体12の下端開口部は、整流用キャップ13と接続されている。コック本体12の中央上部の内周面には、上端開口部にまで延びる第2縮径部12gが形成されている。コック本体12の上端の開口端面には、把持部14を上方に付勢するための弾性体である圧縮コイルバネ15を嵌装するための収容溝12hが設けられている。収容溝12hは、長手方向に管状に延びるとともに長手方向に対する垂直断面がリング状をなしている。圧縮コイルバネ15の下端部は、コック本体12に対し回動不能に収容溝12hの底面部に取り付けられる。圧縮コイルバネ15は、下方へ時計回りのつる巻き螺旋である。
【0017】
図8に示されるように、把持部14は、有蓋円筒状に成形され、その内周面14bと蓋部裏面14cとにより凹状部14dを形成している。把持部14の内周面14bとコック本体12の上部外周面12iは軸方向及び周方向にスライド移動可能に接触している。圧縮コイルバネ15の上端部は、把持部14に対し回動不能に蓋部裏面14cにおいて取り付けられる。圧縮コイルバネ15は圧縮状態で蓋部裏面14cと当接し、把持部14は、それによりコック本体12に対し上方に付勢されている。把持部14には、ストッパー16を介し棒状の弁体17が軸方向に対し不動に、且つ周方向へ相対回動可能に支持されている。把持部14の蓋部にはキャップ18が取り付けられている。
【0018】
図7,8に示されるように、弁体17はコック本体12の通流路12d及び第2縮径部12gに嵌挿されている。弁体17の下端外周面は、下方に向けてテーパ状に拡径され、且つ第1縮径部12fのテーパ面と相対向するテーパ面を有するテーパ部17aが形成されている。テーパ部17aには、液漏れ防止用のシールリング19を収容するためのリング状収容溝17bが設けられている。コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aにより弁体吐出部17cが構成される。弁体吐出部17cは、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aの離間及び接近により開閉される。弁体17の下端部は、テーパ部17aと略平行のテーパ面を有し、略円錐状に切り込まれた凹部17dが形成されている。把持部14及びそれに連結されている弁体17は、圧縮コイルバネ15により上方に付勢されているため、弁体吐出部17cが閉鎖時においてコック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aは、シールリング19を介し圧接されている(図8)。
【0019】
次に、吐出コック11の吐出抑制手段について説明する。
図1,2,7〜9に示されるように、上部外周面12iの左右両側面には、コック本体12の長手方向に沿って溝部としての一対の縦溝12j,12kがそれぞれ刻まれている。一対の縦溝12j,12kは、それぞれコック本体12の上端面を貫通している。一対の縦溝12j,12kの上端部からは、それぞれ反時計周り方向へ上部外周面12i及びコック本体12の上端面の両面に沿って、周方向に延びる溝部としての横溝12m,12nが刻まれている。図9に示されるように横溝12m,12nは、それぞれコック本体12の中心軸に対し略90°の範囲において、刻まれている。
【0020】
図7〜9に示されるように、把持部14の内周面14b上に前後一対の突部14e,14fが長手方向(上下方向)に沿って設けられている。把持部14の前方に設けられている突部14eの下端部は、弁体吐出部17cが閉鎖時において、横溝12nの縦溝12kが刻まれていない方の端部と当接している。把持部14の後方に設けられている突部14fの下端部は、弁体吐出部17cが閉鎖時において、横溝12mの縦溝12jが刻まれていない方の端部と当接している。
【0021】
次に、本実施形態の吐出コック11の作用について図1、10〜14に基づいて説明する。
本実施形態の吐出コック11は、図示しない供給部とコック本体12が連結管12aを介し接続されることにより使用される。弁体吐出部17cが閉鎖状態では、図1に示されるように把持部14の操作片14aが前方位置にある。そして、圧縮コイルバネ15により把持部14及びそれに連結されている弁体17が上方に付勢されているため、弁体吐出部17cにおいてコック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aは、シールリング19を介し圧接している。吐出コック11を開状態にするには、最初に図10(a)に示されるように把持部14をコック本体12に対し時計回り且つ水平方向(矢印X方向)に回動させる。そして、把持部14の前方に設けられている突部14eの下端部は、横溝12n上を係合しながらスライド移動し、縦溝12kの一方の側面に当接する。同様に、把持部14の後方に設けられている突部14fの下端部は、横溝12m上を係合しながらスライド移動し、縦溝12jの一方の側面に当接する。把持部14を水平方向に回動させる際、把持部14は、圧縮コイルバネ15と回動不能に取り付けられているため、圧縮コイルバネ15の周方向への付勢力に抗して回動させる必要がある。
【0022】
次に、図10(b)に示されるように、把持部14は、下方(矢印Y方向)にスライド移動される。その時、把持部14の軸方向に延びる突部14eは、コック本体12の軸方向に延びる縦溝12kにスライド移動しながら挿入される(図11〜13参照)。同様に、把持部14の軸方向に延びる突部14fは、コック本体12の軸方向に延びる縦溝12jにスライド移動しながら挿入される。把持部14を軸方向且つ下方へ移動させる際、把持部14は、圧縮コイルバネ15の長手方向への付勢力に抗して移動される。そして、把持部14に支持されている弁体17も下方へ移動し、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aとが離間する。その際、弁体17が下方に移動することにより下端部の凹部17d内に空気導入管20の上端開口部20aが嵌挿される。
【0023】
上記吐出コック11の開動作により、供給部から通液した液体が通流路12dを通りコック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aの間の弁体吐出部17cから流出する。弁体吐出部17cから流出した液体22は、整流用キャップ13の誘導路13aを通り、第1テーパ面13c及び第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間を順に通り、吐出口13bから吐出コック11の外に吐出される(図14(a))。その際、空気導入管20の上端開口部20aは、弁体17の凹部17d内に配され、弁体17の下端部より上方に位置するため、液体が空気導入管20の上端開口部20aから進入することはなく、空気導入管20は液体で封鎖されることはない。
【0024】
次に、弁体吐出部17cを閉鎖状態に戻すには、把持部14から手を離すのみで、自動的に把持部14は、吐出前の位置に戻る。つまり、把持部14は、まず圧縮コイルバネ15の長手方向の付勢力に従って、上方へ移動する。それにより、弁体17も上方へ移動し、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aは、シールリング19を介し圧接することにより、弁体吐出部17cは閉鎖される。さらに、把持部14は、圧縮コイルバネ15の周方向への付勢力に従って、回動する。そして、回動した把持部14は、突部14eの下端部と横溝12nの端部、及び突部14fの下端部と横溝12mの端部が当接することにより、弁体吐出部17cが閉鎖する位置にて止まる。
【0025】
上記吐出コック11の閉動作により、コック本体12の第1縮径部12fと弁体17のテーパ部17aの間の弁体吐出部17cから液体の流出が停止する。図14(b)に示されるように、液体の流出停止直後は、第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間、連結片21の間、及び吐出口13b付近に残液23が表面張力により一時的に付着する。その際、空気導入管20の下端開口部20bが吐出口13bより、下方に位置している場合、残液の表面張力により空気導入管20の下端開口部20bが封鎖される可能性をより低減させることができる。
【0026】
その後、図14(c)に示されるように、残液23が自重により下方に移動する際、整流用キャップ13内に空気導入管20を介し外部の空気が導入される。それにより、整流用キャップ13内の負圧は解消されるため、整流用キャップ13内の残液及び吐出口13b付近に付着した残液は留まることなく効率的に滴下・排出される。
【0027】
第1の実施形態の吐出コック11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態において、誘導部としての整流用キャップ13の吐出口13bにおいて、液体吐出時に該液体によって封鎖されることがない空気導入管20を取り付けた。その空気導入管20は、液体吐出後に外部の空気を整流用キャップ内に導入し、滴下しようとする残液によって生ずる整流用キャップ内の負圧を解消することができる。それにより、整流用キャップ内に溜まった残液を効率よく滴下・排出することができる。
【0028】
(2)本実施形態において、好ましくは空気導入管20は、液体の吐出方向に対し、略平行に配されるよう構成した。したがって、空気導入管20の外周面及び第2テーパ面13dの間により吐出する液体の整流効果を高めることができる。
【0029】
(3)本実施形態において、弁体吐出部17cから流出した液体22が、整流用キャップ13の内面である誘導路13aを通り、第1テーパ面13c及び第2テーパ面13dと空気導入管20の外周面の間を順に通り、吐出口13bから吐出コック11の外に吐出されるよう構成した。空気導入管20は、連結片21を介し、吐出口13bの開口部の略中央に配されている。したがって、液体の流路から外れるように空気導入管20の開口部が配されるため、空気導入管20内へ液体が進入し、該液体によって空気導入管20が封鎖される可能性をより低減することができる。また、空気導入管20が吐出口13bの開口部の略中央に配されるため、空気導入管20の外周面により整流効果を高めることができる。
【0030】
(4)本実施形態において、好ましくは空気導入管20の下端開口部20bが吐出口13bより、下方に位置するよう構成される。したがって、液体の吐出時及び吐出後に空気導入管20の下端開口部20bが表面張力により吐出口13b付近に付着した残液によって封鎖される可能性をより低減させることができる。
【0031】
(5)本実施形態において、誘導路13aは、吐出口13b付近の内周面において液体の吐出方向である下方にテーパ状に縮径された第1テーパ面13cと第2テーパ面13dが上方から順に設けられている。したがって、吐出する液体の整流効果をより高めることができる。
【0032】
(6)本実施形態において、連結片21は吐出方向に平行になるように配されている。したがって、吐出する液体の整流効果をより向上させることができる。
(7)本実施形態において、液体吐出時に空気導入管20の上端開口部20aは、弁体17の下端部に形成される凹部17d内に配され、弁体吐出部17cを構成する弁体17の下端部より上方に位置するよう構成される。したがって、液体が空気導入管20の上端開口部20aから進入することにより、空気導入管20が液体で封鎖されるおそれがない。
【0033】
(8)本実施形態において、弁体吐出部17cをコック本体12の反吐出方向へテーパ状に縮径された第1縮径部12fと、弁体17の外面において第1縮径部12fに相対向するよう吐出方向へテーパ状に拡径されたテーパ部17aとから構成した。したがって、軸方向のストロークを変えることにより最大流量を容易に変更することができる。それにより、従来のものよりも流量を容易に大きくすることができる。尚、軸方向へのストロークの変更は、例えば縦溝12j,12kの長さを変えることにより容易に達成することができる。
【0034】
なお、第1の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、誘導路13aの形状は、弁体吐出部17cからの液体を整流吐出する機能を有していれば特に限定されない。
【0035】
・上記実施形態において、空気導入管20の外周面に配される連結片21の数は特に限定されないが、整流効果を向上させることができ、且つ残水の排出に影響を与えない8本程度が好ましい。
【0036】
・上記実施形態において、空気導入管20は、連結片21を用いて第2テーパ面13dに取り付けることにより吐出口13bに配されるように構成した。しかしながら、空気導入管20は、他の場所に連結されることにより、吐出口13bに配されるように構成してもよい。
【0037】
・上記実施形態において、連結片21の大きさ等は特に限定されない。例えば連結片21の吐出方向における長さは長い方が整流効果は高いが、長すぎると空気導入管20の端部から液体が侵入するおそれ及び排液阻害するおそれがあるため、目的・用途等に応じ適宜設計することができる。
【0038】
・上記実施形態において、吐出口13bにおける空気導入管20の取り付け位置等は特に限定されず、液体の吐出方向に対し、中心軸が傾斜してもよく、吐出口13bの中心から外れていてもよい。
【0039】
・上記実施形態において、空気導入管20の断面形状、外観及び大きさ等は空気を導入可能な筒形状であれば特に限定されない。例えば、空気導入管をU字状、J字状、又は、くの字状に構成し、整流用キャップ13外に配される管の開口部を液体の吐出流路から外れるように取り付けてもよい。かかる構成によれば、吐出液によって空気導入管20が封鎖される可能性をより一層低減させることができる。
【0040】
・上記実施形態において、空気導入管20の上端開口部20aは液体吐出時において弁体17の下端部によって密閉されるように構成してもよい。かかる構成により、上端開口部20aからの液体の侵入を確実に防止することができる。
【0041】
・上記実施形態において、供給部としては特に限定されず、例えば液体を貯めておくタンク、及び通流管が挙げられる。タンクとしては、例えば温水タンク、冷水タンク、及び薬液貯蔵タンクが挙げられる。通流管としては、例えば温水管及び冷水管が挙げられる。
【0042】
・上記実施形態において、吐出コック11が適用される液体としては、特に限定されず、水、飲料水、薬品等が挙げられる。飲料水としては、例えば各種清涼飲料水、炭酸水、果汁及びアルコール類が挙げられる。
【0043】
(第2の実施形態)
以下、本発明の吐出コックを具体化した第2の実施形態を図15〜図17にしたがって説明する。
【0044】
図15に示されるように、本実施形態の吐出コック31は、筒状のコック本体32、及び弁体33により構成される。コック本体32の内周面には、通流路32aが形成されている。コック本体32の側面には、図示しない供給部と連結するための連結管32bが接続されている。連結管32bの内周面には、供給部に対し螺合により接続するための雌ネジ32dが設けられている。
【0045】
コック本体32の下側開口部には、誘導部34が一体成形されている。誘導部34の内周面には、液体35を整流する誘導路34aが形成され、該誘導路34aの下端開口部には液体35を整流吐出する吐出口34bが形成されている。吐出口34bは、吐出コック31の使用時に供給部からの液体を通流路32a及び誘導路34aを介して外部に吐出する。
【0046】
コック本体32の上側開口部には、キャップ36が取り付けられている。キャップ36には棒状の弁体33が上下方向の往復動可能に支持されている。弁体33の下端部には弁部33aが設けられ、コック本体32の下側開口部に設けられる弁孔32cとの間において弁体吐出部33bを形成している。弁体33の上端には図示しない把持部が設けられている。弁体33とキャップ36との間にはコイルバネ37が設けられ、弁体33はコイルバネ37により下方に付勢されている。従って、弁体33をコイルバネ37の付勢力に抗して上方にスライド操作すると、弁体33が持ち上げられ、弁体吐出部33bが開放される。
【0047】
図15,17に示されるように、誘導路34aの略中央部には、液体吐出後に外部の空気を誘導部34内に導入し、該誘導部34内の残液を排出するための円筒状の空気導入管38が配置されている。空気導入管38は、中心軸線が直線であり、8枚の連結部としての連結片39を介して誘導路34aに連結されている。連結片39は第1の実施形態の連結片21と同様の構成を採用することができる。空気導入管38は、液体の吐出方向(上下方向)に対し、略平行に配されている。空気導入管38の上端開口部38aには、吐出する液体の侵入を防止するために半球状の保護キャップ40が連結板41を介し取り付けられている。保護キャップ40の開口部40aの内径は空気導入管38の直径よりも大きく構成され、保護キャップ40の開口部40a内に上端開口部38aを挿入した状態で取り付けられる。
【0048】
上記吐出コック31の開動作により、供給部から通液した液体35が通流路32aを通り弁体吐出部33bから流出する(図15)。弁体吐出部33bから流出した液体35は、誘導路34aを通り、吐出口34bから吐出コック31の外に吐出される。その際、空気導入管38の上端開口部38aは、保護キャップ40が取り付けられているため、液体が空気導入管38の上端開口部38aから進入するおそれはない。
【0049】
上記吐出コック31の閉動作により、弁体吐出部33bから液体の流出が停止する(図16)。液体の流出停止直後は、誘導路34aと空気導入管38の外周面の間、連結片39の間、及び吐出口34b付近に残液42が表面張力により一時的に付着する。その後、残液42が自重により下方に移動する際、誘導部34内に外部の空気が矢印方向に従って空気導入管38及び保護キャップ40の内面を介し導入される。つまり、外部の空気は液体の吐出方向へ向けて誘導部34内に導入される。それにより、誘導路34a内の負圧は解消されるため、誘導部34内の残液及び吐出口34b付近に付着した残液は留まることなく効率的に滴下・排出される。
【0050】
第2の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。尚、第1の実施形態と共通する効果の記載は省略する。
(1)本実施形態において、空気導入管38の上端開口部38aにおいて、吐出する液体の侵入を防止するために半球状の保護キャップ40を該保護キャップ40の開口部40a内に上端開口部38aを挿入した状態で取り付けた。したがって、液体が空気導入管38の上端開口部38aから進入することがなく、且つ誘導部34内に外部の空気を導入することができる。
【0051】
(2)本実施形態において、保護キャップ40を半球状に構成した。したがって、保護キャップ40表面の球面により、液体の整流効果を高めることができる。
なお、第2の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0052】
・上記実施形態において、空気導入管38及び保護キャップ40の形状は、液体吐出後に外部の空気が誘導部34内に導入される際に空気が液体の吐出方向へ向けて誘導部34内に導入されるよう構成すれば特に限定されない。
【0053】
・上記実施形態において、保護キャップ40を用いずに構成してもよい。例えば空気導入管38を逆J字状に屈曲させて、上方に位置する開口部を誘導部34内に配することにより構成してもよい。かかる構成によっても液体吐出時に空気導入管の上端開口部から液体が侵入して空気導入管を閉鎖するおそれがなく、且つ誘導部34内に外部の空気を導入することができる。尚、かかる構成においても、外部の空気は液体の吐出方向へ向けて誘導部34内に導入される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1の実施形態の吐出コックの正面・平面・右側面側からの斜視図。
【図2】第1の実施形態の吐出コックの背面・底面・左側面側からの斜視図。
【図3】第1の実施形態の吐出コックの底面図。
【図4】第1の実施形態の吐出コックの正面図。
【図5】第1の実施形態の吐出コックの右側面図。
【図6】第1の実施形態の吐出コックの図4におけるD−D断面図。
【図7】第1の実施形態の吐出コックの分解斜視図。
【図8】第1の実施形態の吐出コックの断面図。(a)図4におけるA−A断面図。(b)図5におけるB−B断面図。
【図9】第1の実施形態の吐出コックの図4におけるC−C断面図。
【図10】第1の実施形態の使用時における吐出コックの正面・平面・右側面側からの斜視図。(a)把持部をコック本体に対し回動させた時の図。(b)(a)の動作の次に、把持部をコック本体に対し軸方向へスライドさせた時の図。
【図11】第1の実施形態の吐出時における吐出コックの正面図。
【図12】第1の実施形態の吐出時における吐出コックの右側面図。
【図13】第1の実施形態の吐出時における吐出コックの断面図。(a)図11におけるE−E断面図。(b)図12におけるF−F断面図。
【図14】第1の実施形態の吐出コックの整流用キャップ13の要部断面図。(a)液体吐出時の図。(b)液体停止直後の図。(c)残液排出時の図。
【図15】第2の実施形態の吐出コックの断面図(開状態)。
【図16】第2の実施形態の吐出コックの断面図(閉状態)。
【図17】第2の実施形態の吐出コックの図15におけるG−G断面図。
【符号の説明】
【0055】
11,31…吐出コック、12,32…コック本体、13…誘導部としての整流用キャップ、13a,34a…誘導路、13b,34b…吐出口、13c…第1テーパ面、13d…第2テーパ面、14…操作部としての把持部、17,33…弁体、17c,33b…弁体吐出部、20,38…空気導入管、20b…下端開口部、21,39…連結片、22,35…液体、23,42…残液、34…誘導部、40…保護キャップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給部と連結される筒状のコック本体、該コック本体内に配され、前記供給部と連通される吐出部を開閉するための弁体、該弁体に連結されるとともに、前記コック本体の外部に設けられる操作部、及び前記吐出部に設けられ、一端に液体を整流吐出する開口部を有する筒状の誘導部から構成される吐出コックにおいて、
前記誘導部の開口部には、液体吐出時に該液体によって封鎖されることがなく、液体吐出後に外部の空気を誘導部内に導入し、該誘導部内の残液を排出するための空気導入管が取り付けられていることを特徴とする吐出コック。
【請求項2】
前記空気導入管は、液体の吐出方向に対し、略平行に配されていることを特徴とする請求項1の吐出コック。
【請求項3】
前記液体は、前記誘導部の内面に沿って吐出されるとともに、前記空気導入管は、連結部を介し、前記誘導部の開口部の略中央に配されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吐出コック。
【請求項4】
前記空気導入管の液体吐出側の端部は、前記誘導部の開口端部より、下方に位置していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の吐出コック。
【請求項5】
前記誘導部の内周面は、液体の吐出方向にテーパ状に縮径されたテーパ面を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の吐出コック。
【請求項6】
液体吐出後に外部の空気が空気導入管から誘導部内に導入される際、空気は液体の吐出側へ向かって誘導部内に導入されるよう構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の吐出コック。
【請求項1】
液体供給部と連結される筒状のコック本体、該コック本体内に配され、前記供給部と連通される吐出部を開閉するための弁体、該弁体に連結されるとともに、前記コック本体の外部に設けられる操作部、及び前記吐出部に設けられ、一端に液体を整流吐出する開口部を有する筒状の誘導部から構成される吐出コックにおいて、
前記誘導部の開口部には、液体吐出時に該液体によって封鎖されることがなく、液体吐出後に外部の空気を誘導部内に導入し、該誘導部内の残液を排出するための空気導入管が取り付けられていることを特徴とする吐出コック。
【請求項2】
前記空気導入管は、液体の吐出方向に対し、略平行に配されていることを特徴とする請求項1の吐出コック。
【請求項3】
前記液体は、前記誘導部の内面に沿って吐出されるとともに、前記空気導入管は、連結部を介し、前記誘導部の開口部の略中央に配されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吐出コック。
【請求項4】
前記空気導入管の液体吐出側の端部は、前記誘導部の開口端部より、下方に位置していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の吐出コック。
【請求項5】
前記誘導部の内周面は、液体の吐出方向にテーパ状に縮径されたテーパ面を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の吐出コック。
【請求項6】
液体吐出後に外部の空気が空気導入管から誘導部内に導入される際、空気は液体の吐出側へ向かって誘導部内に導入されるよう構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の吐出コック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−100302(P2010−100302A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272237(P2008−272237)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(591141991)株式会社Deto (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(591141991)株式会社Deto (13)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]