説明

吸収性物品

【課題】折り返された状態のウイングの外面に剥離紙が配されて覆われているとしても、製品の前後が判断し易く、製品の前後を誤って装着し難い吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、吸収体23を備えた吸収性本体2を有し、吸収性本体2の排泄部領域Aにウイング4を有している。ウイング4は、使用前においては、表面シート21側に折り返されている。折り返された状態のウイング4の外面には、下着に固定するための粘着部41が配され、粘着部41を覆い粘着部41に剥離自在に止着される剥離紙7が配されている。剥離紙7には、吸収性物品1Aの前後の違いを示す識別情報71が印刷されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、女性用失禁パッド等の女性用吸収性物品(以下吸収性物品)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、吸収体を備えた縦長の吸収性本体の両側部から幅方向外方に延出する一対のウイングを有する生理用ナプキンが知られている。このような生理用ナプキンは、使用前においては、例えば、一対のウイングが内側に折り返されており、折り返された状態ではウイングの内面が表面材の肌当接面側に当接し、ウイングの外面側に粘着部が形成される。該ウイングの外面には、下着に固定するための粘着部を覆うように剥離紙が配されている。このような、折り返された状態のウイングの外面に剥離紙が配された生理用ナプキンにおいては、剥離紙で覆われているため製品の前後が分かり難く、製品の前後を逆にして装着してしまうという問題があった。
【0003】
ところで、特許文献1には、トップシートの一部分に、2色調の着色部分を設け、深みのある知覚が創り出される生理用ナプキンが記載されている。
また、引用文献2には、バックシートに設けられたズレ止め部に止着される剥離紙に、文字、記号、模様又は図形等の識別情報が設けられており、光透過性を有するトップシート及びバックシートを用いることにより、バックシートの裏面側に配された剥離紙の識別情報がトップシート側から視認可能に構成されている吸収性物品が記載されている。
しかし、特許文献1にも特許文献2にも、折り返された状態のウイングの外面に剥離紙が配された生理用ナプキンに関して何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005−512682号公報
【特許文献2】特開2005−103065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、前述した折り返された状態のウイングの外面に剥離紙が配された吸収性物品の有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、肌対向面側に表面シート、非肌対向面側に裏面シート及びそれら両シート間に液保持性の吸収体を備えた縦長の吸収性本体を有し、該吸収性本体における装着者の体液排泄部に当接する排泄部領域の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対のウイングを有する吸収性物品であって、一対の前記ウイングは、使用前においては、前記表面シート側に折り返されて、前記表面シートと面する内面と、該内面の裏面側である外面を有し、折り返された状態の前記ウイングの外面には、下着に固定するための粘着部が配され、該粘着部を覆い該粘着部に剥離自在に止着される剥離紙が配されており、前記剥離紙には、前記吸収性物品の前後の違いを示す識別情報が印刷されている吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品によれば、折り返された状態のウイングの外面に剥離紙が配されて覆われているとしても、製品の前後が判断し易く、製品の前後を誤って装着し難い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である生理用ナプキンの斜視図である。
【図2】図2は、図1のY1−Y1線断面図である。
【図3】図3(a)〜(b)は、それぞれ、図1の生理用ナプキンの有する剥離紙に施される識別情報の他の例である。
【図4】図4(a)は、図1の生理用ナプキンを包装材に収容した個別包装状態を示す図であり、図4(b)〜(c)は、それぞれ、前方よりの折れ線から開封した際の状態を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態である生理用ナプキンの斜視図である。
【図6】図6は、図5のY2−Y2線断面図である。
【図7】図7(a)〜(f)は、それぞれ、図5の生理用ナプキンの有する剥離紙に施される識別情報の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明をその好ましい第1実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の吸収性物品の第1実施形態である生理用ナプキン1A(以下、ナプキン1Aともいう)は、図1に示すように、肌対向面側に表面シート21、非肌対向面側に裏面シート22及びそれら両シート21,22間に液保持性の吸収体23を備えた縦長の吸収性本体2を有している。また、図1に示すように、ナプキン1Aは、吸収性本体2における装着者の体液排泄部(膣口等)に当接する排泄部領域Aの両側部2S,2Sそれぞれから幅方向Y外方に延出する一対のウイング4,4を有している。ナプキン1Aにおいては、図1に示すように、吸収性本体2の長手方向Xに沿う両側部2S,2Sに一対の立体ギャザー3,3が形成されている。
ナプキン1Aは、図1に示すように、ナプキン1Aの長手方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。
【0010】
本明細書において、「肌対向面」とは、吸収性本体2などを構成する各部材の表裏両面のうち、装着時に装着者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、吸収性本体2などを構成する各部材の表裏両面のうち、装着時に装着者の肌側とは反対側に向けられる面である。
また図中に示すX方向とは、ナプキン1A又は吸収性本体2の長手方向と同方向であり、中心線CLに平行な方向である。また、図中に示すY方向とは、ナプキン1A又は吸収性本体2の幅方向と同方向であり、中心線CLに垂直な方向である。
また、吸収性本体2の排泄部領域Aとは、装着者の体液排泄部(膣口等)に当接する領域であり、両側部2S,2Sにウイング4を有する領域でもある。吸収性本体2における、排泄部領域Aよりも前方に位置する領域(生理用ナプキン装着時に排泄部領域Aよりも装着者の前方に配される領域)を前方領域Bといい、排泄部領域Aよりも後方に位置する領域(生理用ナプキン装着時に排泄部領域Aよりも装着者の後方に配される領域)を後方領域Cという。
【0011】
第1実施形態のナプキン1Aについて更に詳述する。
吸収性本体2は、図1,図2に示すように、液透過性の表面シート21、液不透過性又は撥水性の裏面シート22及び両シート21,22間に介在配置された液保持性の吸収体23を備えている。
吸収体23は、前方領域Bから後方領域Cに亘って延在しており、平面視で、前後縁部が丸みを帯びた略長方形状を有している。
表面シート21は、図2に示すように、吸収体23の上面の全域を被覆している。表面シート21の前後端部は、丸みを帯びており、吸収体23の前後端部それぞれから長手方向Xに延出している。表面シート21の両側縁部は、長手方向Xに沿う直線状であり、吸収体23の両側縁部それぞれから幅方向Yに若干延出しているが、裏面シート22の側縁部よりは中心線CL寄りに離間している。
裏面シート22は、図2に示すように、吸収体23の下面の全域を被覆している。裏面シート22の前後端部は、丸みを帯びており、吸収体23の前後端部それぞれから長手方向Xに延出している。裏面シート22の両側縁部は、吸収体23の両側縁部それぞれから幅方向Yに延出している。
【0012】
表面シート21には、図1に示すように、表面シート21及び吸収体23が一体的に圧密化されて形成された圧搾溝24が設けられている。圧搾溝24は、高い圧搾により深く凹んだ部分と低い圧搾により浅く凹んだ部分とからなる段構造を有している。ナプキン1Aの圧搾溝24は、図1に示すように、表面シート21の上面における、後述するサイドシート31によって被覆されていない領域に、前方領域Bから後方領域Cに亘って略楕円状に形成されている。
【0013】
ウイング4は、図1に示すように、排泄部領域Aにおいて吸収性本体2の側部2Sから延出している。ウイング4は、使用前においては、表面シート21側に折り返されているが、使用時においては、ショーツ等の下着のクロッチ部の下面(外面)側に折り返されて用いられるものである。ウイング4は、図1に示すように、平面視で、下底(上底よりも長い辺)が中心線CL側に位置する略台形形状を有している。
【0014】
一対の立体ギャザー3,3それぞれは、吸収性本体2の側部2Sの肌対向面側に吸収性本体2の全長に亘って設けられたサイドシート31と、サイドシート31の自由端部31fに伸長状態で固定された弾性部材32とを備えている(図2参照)。詳述すると、サイドシート31は、図1に示すように、吸収性本体2の肌対向面側の側部2Sを被覆しており、吸収性本体2の肌対向面側における側部2Sに、吸収性本体2の長手方向Xに沿って前方領域Bから後方領域Cの全長に亘って設けられている。
【0015】
サイドシート31は、図2に示すように、幅方向Yの内方側において表面シート21側に2つ折りされて、自由端部31fを形成している。このように形成された自由端部31fは、図2に示すように、2層領域となっており、その折返し部付近に伸長状態の弾性部材32を長手方向Xに沿って固定している。ナプキン1Aにおいて、サイドシート31の2層領域は、表面シート21の幅方向Yの外方端と略同じ位置まで、言い換えれば、ウイング4に至らない範囲で形成されている。従って、ウイング4は、1層のサイドシート31及び裏面シート22により形成されている(図2参照)。図2に示すように、サイドシート31に配された伸長状態の弾性部材32から幅方向Y外方に離間した位置(サイドシート31が2層領域となっている領域の幅方向Y外方端部)においては、2層領域のサイドシート31、表面シート21及び裏面シート22を熱融着して形成された接合部33が配されている。接合部33は、前方領域Bから後方領域Cに亘って吸収性本体2の長手方向Xに直線状に延びて形成されており、その幅方向Yの内方端(中心線CL側の端)が、サイドシート31が起立する際の起立基端となる。また、接合部33は、吸収性本体2と、ウイング4との境界線となる。接合部33は、ナプキン1Aにおいては、熱融着により形成されているが、ホットメルト等の接着剤等により形成されていてもよく、それらの併用であってもよい。
【0016】
ナプキン1Aにおいては、図2に示すように、表面シート21、裏面シート22及びサイドシート31が、それぞれの周縁部に沿って、熱融着によって接合されており、ナプキン1Aの周縁部に周縁シール部6を形成している。周縁シール部6を形成する熱融着法としては、熱エンボス加工、超音波エンボス加工であってもよく、ホットメルト等の接着剤等により形成されていてもよく、それらの併用であってもよい。
【0017】
一対のウイング4,4は、使用前においては、図1に示すように、表面シート21側に折り返されて、表面シート21と面する内面と該内面の裏面側である外面を有し、折り返された状態のウイング4の外面には、ショーツ等の下着に固定するための粘着部41が配され、粘着部41を覆い粘着部41に剥離自在に止着される剥離紙7が配されている。表面シート21側に折り返された状態のウイング4の外面とは、折り返さない状態のウイング4(幅方向Y外方に向いた状態のウイング4)の非肌対向面となる面である。このように配された粘着部41によって、使用時に、ショーツ等の下着のクロッチ部の下面(外面)側に折り返されたウイング4を、クロッチ部に止着できるようになっている。粘着部41は、図1に示すように、ナプキン1Aにおいては、平面視して長手方向Xに長い矩形状に形成されている。尚、ナプキン1Aの粘着部41は、矩形状に形成されているが、この形状に限られるものではない。
【0018】
剥離紙7は、図1に示すように、ナプキン1Aにおいては、排泄部領域Aを覆う矩形状のものであり、具体的には、長手方向Xにおいては、折り返された状態のウイング4を覆う長さであり、幅方向Yにおいては、吸収性本体2の幅と略同じ長さに形成されている。尚、剥離紙7の形状は、ナプキン1Aにおいては、上述したように矩形状のものであるが、矩形状のものに限らず、例えば、後述する図3(a)に示すように、一部(文字を印刷する部分)が前方に延出した形状であってもよい。
【0019】
剥離紙7としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている剥離紙を特に制限なく用いることができるが、前後の識別を高める為に好ましくは、次のような剥離紙が好ましい。折り返された状態のウイング4の形状を認識できるように、透明性がある紙を用いることが好ましい。透明性の指標として、透明度で示すことが出来る。透明度(%)は100%に近いほど透明性が高く、0%に近いほど透明性が低いことを示す。具体的には、透明度が50〜95%である剥離紙を用いることが好ましく、透明度が65〜90%である剥離紙を用いることが更に好ましい。上記範囲の透明性のある剥離紙を得るには、剥離紙の繊維の配向を一方向に揃えたり、使用する繊維は白色度が高いものを用いたりすることで達成出来る。
透明度は、ハンター白色度を以下のように測定して求めることが出来る。JIS−P8123(紙・パルプ)に準じてハンター式測色色差計で青色フィルタを用い,完全な白色を100%とし,透過中心波長457mμにおける反射率からハンター白色度を求める。ハンター式測色色差計で得られた,L(明度),a・b(色相・彩度)をもとに次式により求める。

W(白色度)=100−√(100-L)2 + a2 + b2で求められる。
このような透明度を有する剥離紙としては、セルロース繊維50〜100重量%からなる基材シートに剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
【0020】
剥離紙7には、図1に示すように、生理用ナプキン1Aの前後の違いを示す識別情報71が印刷されている。剥離紙7に印刷された識別情報71は、生理用ナプキン1Aにおいては、生理用ナプキン1Aの前後の違いを示し、且つ生理用ナプキン1Aの前後を識別可能な「FRONT」なる文字である。このような「FRONT」なる文字からなる識別情報が、剥離紙7の前方部分に印刷されている。
【0021】
また、ナプキン1Aは、包装材8に収納され、個別包装状態となっていてもよい。図4(a)は、剥離紙7が配された生理用ナプキン1Aと生理用ナプキン1Aを個装する包装材8とを少なくとも前部と後部にて長手方向(Y方向)に折り曲げ畳んでなる折部を有する個装体を示しており、図4(b)に示すように、該個装体の最も前方寄りの折部を開封すると、識別情報71が視認可能なように、識別情報71が印刷されている。具体的には、ナプキン1Aを個装する包装材8は、ナプキン1Aの外方全域に亘って延出しており、長手方向Xに長い矩形状のシートである。剥離紙7が配されたナプキン1Aは、包装材8上に配され、ナプキン1Aの長手方向(Y方向)を略3等分する位置の前方寄りの折部L1及び後方寄りの折部L2で、包装材8と共に表面シート2側に折り曲げられて、三つ折りに折り畳まれる。次に、包装材8と共に三つ折りに折り畳まれたナプキン1Aは、ナプキン1Aの両側縁から幅方向Y外方に延出する包装材8の両側部それぞれをヒートシール等の公知の固定方法により固定して封止すると共に、包装材8の開封開始端を公知のタブテープ81で所定箇所に止着することにより、図4(a)に示すように、ナプキン1Aを包装材8に収納した個別包装状態の個装体となる。尚、包装材8上に配されたナプキン1Aは、ナプキン1Aにおいては、三つ折りされているが、包装材8に収納されれば、三つ折りでなくてもよく、例えば、四つ折りでもよい。図4(a)に示すように、ナプキン1Aを包装材8に収納した個別包装において、例えば図1に示す「FRONT」なる文字を剥離紙7に印刷する位置としては、図4(b)に示すように、最も前方寄りの折部L1を開封すると、剥離紙7の「FRONT」なる文字の識別情報が視認可能なように、「FRONT」なる文字の識別情報が剥離紙7の前方部分に印刷されていることが好ましく、剥離紙7の取り出し性の観点からは、図4(c)に示すように、最も前方寄りの折部L1よりも前方に、「FRONT」なる文字の識別情報が印刷されていることが更に好ましい。
【0022】
包装材8としては、生理用ナプキン等の吸収性物品の個別包装に、従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、包装材8としては、樹脂フィルムや不織布等を用いることができ、滑らかさや、シート強度、耐液性(接着剤の染みだし抵抗性)の点からは、スパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)との複合不織布(SM,SMS等)が好ましく、柔軟性の観点からは、バインダー繊維によるエアースルー不織布が好ましい。
【0023】
識別情報71の印刷を施す方法としては、フレキソ、グラビア、インクジェット方式等の公知の方法により剥離紙7の外面に印刷することが考えられる。その際、剥離紙7の識別情報71の印刷には、蛍光顔料又は蓄光塗料を含有する印刷塗料を用いることが、トイレ等の暗い部屋でも生理用ナプキン1Aの前後の違いを認識できる観点から好ましい。蛍光顔料としては、カルシウム、バリウム、マグネシウム、カドミウム等の酸化物、硫化物、珪酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩等を主成分とする顔料が挙げられる。蓄光塗料に含まれる蓄光材とは、俗に夜光とも呼ばれ、太陽光や蛍光灯などの光エネルギー(紫外線)を吸収して発光し、エネルギーの供給が止まった後も暗闇で徐々に光を放出する材料のことであり、耐光性及び耐熱性に対して極めて安定しており、有害物質が含まれず極めて安全性が高い観点から、アルミナ系酸化物を用いることが好ましい。
【0024】
上述したナプキン1Aの形成材料について説明する。
表面シート21、裏面シート22、吸収体23としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている各種の材料などを特に制限なく用いることができる。
例えば、表面シート21としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート22としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体23としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したものや、各種公知のポリマーシート等を用いることができる。
【0025】
サイドシート31としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている各種の材料などを特に制限なく用いることができる。
例えば、サイドシート31としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。
また、ナプキン1Aにおいては、吸収性本体2における吸収体23と裏面シート22との間も接着剤によって接合することが好ましい。この接着剤は、スパイラルパターン等のパターン塗工によって低坪量に塗工することが好ましい。
【0026】
上述した本発明の吸収性物品の第1実施形態であるナプキン1Aを使用した際の作用効果について説明する。
ナプキン1Aは、図1に示すように、一対のウイング4,4を有しており、使用前においては、一対のウイング4,4が表面シート側に折り返されており、折り返された状態のウイング4の外面には、剥離紙7が配されている。しかし、剥離紙7には、前後の違いを示す「FRONT」なる文字の識別情報が剥離紙7の前方部分に印刷されているので、製品の前後が分かり易い。即ち、「FRONT」なる文字の識別情報が印刷されている剥離紙7の前方部分が製品の前方であると使用者(装着者)が使用前に判断できるので、製品の前後を逆にして装着してしまうという問題が生じ難い。
また、前後の違いを示す識別情報71が剥離紙7に印刷されていると、生理用ナプキンを平面視しただけでは、幅方向Yに伸びる中心線で折り返しても略対称で且つ中心線CLで折り返しても略対称なナプキンであったとしても、平面視しただけでは認識できない内部の構成の違い、例えば、吸収体23に含まれる吸水性ポリマーの粒子の分布が異なるナプキンである場合においても、製品の前後を逆にして装着してしまうという問題が生じ難い。
【0027】
上述の第1実施形態の使い捨てナプキン1Aの剥離紙7に印刷される識別情報71は、生理用ナプキン1Aの前後の違いを示し且つ生理用ナプキン1Aの前後を識別可能である、図1に示す「FRONT」なる文字以外に、例えば、図3(a)に示すような「前」なる文字も挙げられる。
図3(a)に示すような「前」なる文字を、剥離紙7の前方部に識別情報71として印刷する際には、剥離紙7として、光透過性(透明性)を有する紙を用いることが好ましい。このような光透過性(透明性)を有する剥離紙7を用いると、前方部の「前」なる識別情報71以外の部分は透明であるので、表面シート21側に折り返された状態の一対のウイング4等が確認できるので、製品の前後が更に分かり易い。尚、「前」なる文字を印刷する際には、グラデーションを施してもよい。「前」なる文字は、剥離紙7の前方部に設けられた摘み部に印刷してもよい。
また、生理用ナプキン1Aの前後を識別可能か否かは定かではないが、少なくとも生理用ナプキン1Aの前後の違いを示す識別情報71としては、例えば、図3(b)に示すような矢印の図形も挙げられる。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態の生理用ナプキンについて、図5〜図7に基づいて説明する。
第2実施形態の生理用ナプキン1Bについては、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、生理用ナプキン1Aと同様であり、生理用ナプキン1Aの説明が適宜適用される。
【0029】
ナプキン1Bは、図5,図6に示すように、表面シート21、裏面シート22及びそれら両シート21,22間に吸収体23を備えた吸収性本体2を有している。また、図5,図6に示すように、ナプキン1Bは、吸収性本体2における排泄部領域Aの両側部2S,2Sそれぞれから幅方向Y外方に延出する一対のウイング4,4及び吸収性本体2における排泄部領域Aより後方の後方領域Cの両側部2S,2Sそれぞれから幅方向Y外方に延出する一対の後方フラップ5,5を有している。ナプキン1Bにおいては、図5に示すように、吸収性本体2の長手方向Xに沿う両側部2S,2Sに一対の立体ギャザー3,3が形成されている。
【0030】
第2実施形態のナプキン1Bについて更に詳述する。
一対の後方フラップ5,5を有するナプキン1Bは、主に夜間用の生理用ナプキンとして用いられる。夜間用の生理用ナプキンは、その装着時間が長時間に亘るため装着中に排泄される液の量も多くなり、多量の液を吸収し保持する高い吸収力及び保持力が必要とされる。そのため、後方フラップ5を有するナプキン1Bは、ある程度の大きさを有していることが好ましく、その長さは、好ましくは27cm以上であり、更に好ましくは30cm以上である。
【0031】
吸収体23は、ナプキン1Bにおいては、図6に示すように、上部吸収体231と、上部吸収体231の非肌対向面側に配される下部吸収体232とからなる2層構造を有している。上部吸収体231は、平面視で、図5に示すように、下部吸収体232よりも長さ及び幅が短くなっており、下部吸収体232には接合されていない。下部吸収体232は、図5に示すように、前方領域Bから後方領域Cに亘って延在しており、平面視で、前後縁部が丸みを帯びた略長方形状に形成されている。また、上部吸収体231は、図5に示すように、排泄部領域Aから後方領域Cに亘って配されており、後方領域Cに向かって先細り形状に形成されている。このような上部吸収体231は、吸収性本体2の排泄部領域Aから後方領域Cに亘って、いわゆる中高領域を形成する。従って、吸収体23を含む吸収性本体52は、排泄部領域Aに中高領域を備えるようになる。
【0032】
表面シート21には、図5に示すように、表面シート21から下部吸収体232までが一体的に圧密化されて形成された圧搾溝24が設けられている。ナプキン1Bの圧搾溝24は、図5に示すように、表面シート21の上面における、サイドシート31によって被覆されていない領域に形成されており、上部吸収体231の外周縁よりも外方において上部吸収体231を包囲するように形成されている中央圧搾溝241と、中央圧搾溝241よりも前方側に形成されている前方圧搾溝242と、中央圧搾溝241よりも後方側に形成されている後方圧搾溝243とを有している。中央圧搾溝241は、上部吸収体231の形状に対応して、長手方向Xの後端に向かって先細り形状に形成されている。前方圧搾溝242は、吸収性本体2の長手方向Xの前端に向かって凸に湾曲した略半円弧状であり、後方圧搾溝243は、吸収性本体2の長手方向Xの後端に向かって凸に湾曲した略半円弧状である。前方圧搾溝242及び後方圧搾溝243は、中央圧搾溝241の外方に設けられており、前方圧搾溝242の長手方向Xの後端及び後方圧搾溝243の長手方向Xの前端が中央圧搾溝241と連結されて閉じた環を形成している。
【0033】
ウイング4は、図5に示すように、排泄部領域Aにおいて吸収性本体2の側部2Sから延出している。ウイング4は、使用前においては、表面シート21側に折り返されているが、使用時においては、ショーツ等の下着のクロッチ部の下面(外面)側に折り返されて用いられるものである。ウイング4は、図5に示すように、平面視で、下底(上底よりも長い辺)が中心線CL側に位置する略台形形状を有している。
【0034】
後方フラップ5は、図5に示すように、後方領域Cにおいて吸収性本体2の側部2Sから延出している。後方フラップ5は、使用前においては、表面シート21側に折り返されているが、使用時においては、吸収性本体2から延出した状態で折り返されることなくショーツ等の下着の内面に後述する粘着部51を介して固定されて用いられるものである。ナプキン1Bの後方フラップ3は、後方領域Cに配されており、排泄部領域Aから後方領域Cに向かって幅方向Yの幅が漸次拡がる形状を有している。また、夜用のナプキンなどに形成されている後方フラップ5は、使用時にショーツの内面に臀部を覆うように広げて使用され、使用前は、吸収性本体2の長手方向に沿う両側部に沿ったラインに沿って幅方向内方に折り畳まれている。折り返した状態での後方フラップ5の内面は表面シート21の肌当接面側と当接し、後方フラップ5の外面は表面シート21と当接せず、外面側にショーツの後側に固定するための粘着部51が形成され、該粘着部51を覆うように剥離紙7が配されている。
【0035】
一対の立体ギャザー3,3それぞれは、吸収性本体2の側部2Sの肌対向面側に吸収性本体2の全長に亘って設けられたサイドシート31と、サイドシート31の自由端部31fに伸長状態で固定された弾性部材32とを備えている(図6参照)。詳述すると、サイドシート31は、図5に示すように、吸収性本体2の肌対向面側の側部2Sを被覆しており、吸収性本体2の肌対向面側における側部2Sに、吸収性本体2の長手方向Xに沿って前方領域Bから後方領域Cの全長に亘って設けられている。
【0036】
サイドシート31は、図6に示すように、幅方向Yの内方側において表面シート21側に2つ折りされて、自由端部31fを形成している。このように形成された自由端部31fは、図6に示すように、2層領域となっており、その折返し部付近に伸長状態の弾性部材32を長手方向Xに沿って固定している。ナプキン1Bにおいて、サイドシート31の2層領域は、表面シート21の幅方向Yの外方端と略同じ位置まで、言い換えれば、ウイング4及び後方フラップ5に至らない範囲で形成されている。従って、ウイング4は、1層のサイドシート31及び裏面シート22により形成されており(図6参照)、後方フラップ5も同様に、1層のサイドシート31及び裏面シート22により形成されている。図6に示すように、サイドシート31に配された伸長状態の弾性部材32から幅方向Y外方に離間した位置(サイドシート31が2層領域となっている領域の幅方向Y外方端部)においては、2層領域のサイドシート31、表面シート21及び裏面シート22を熱融着して形成された接合部33が配されている。接合部33は、前方領域Bから後方領域Cに亘って吸収性本体2の長手方向Xに直線状に延びて形成されており、その幅方向Yの内方端(中心線CL側の端)が、サイドシート31が起立する際の起立基端となる。また、接合部33は、吸収性本体2とウイング4との境界線となり、更に、吸収性本体2と後方フラップ5との境界線となる。
【0037】
一対のウイング4,4及び一対の後方フラップ5,5は、それぞれ、使用前においては、図5に示すように、表面シート21側に折り返されており、折り返された状態のウイング4の外面にはショーツ等の下着に固定するための粘着部41が配され、更に折り返された状態の後方フラップ5の外面にはショーツ等の下着に固定するための粘着部51が配されている。ナプキン1Bにおいては、一対のウイング4,4の粘着部41,41及び一対の後方フラップ5,5の粘着部51,51を覆い各粘着部41,51に剥離自在に止着される剥離紙7が配されている。表面シート21側に折り返された状態のウイング4の外面とは、折り返さない状態のウイング4(幅方向Y外方に向いた状態のウイング4)の非肌対向面となる面である。表面シート21側に折り返された状態の後方フラップ5の外面も同様である。各粘着部41,51は、図5に示すように、ナプキン1Bにおいては、平面視して長手方向Xに長い矩形状に形成されている。尚、ナプキン1Bの各粘着部41,51は、矩形状に形成されているが、この形状に限られるものではない。
【0038】
剥離紙7は、図5に示すように、ナプキン1Bにおいては、排泄部領域Aから後方領域Cに亘る領域を覆う矩形状のものであり、具体的には、長手方向Xにおいては、折り返された状態のウイング4及び後方フラップ5を覆う長さであり、幅方向Yにおいては、吸収性本体2の幅と略同じ長さに形成されている。尚、剥離紙7の形状は、ナプキン1Bにおいては、上述したように矩形状のものであるが、矩形状のものに限らず、例えば、後述する図7(a)に示すように、前方側の一部が折り返された状態のウイング4の側辺に対応する形状であってもよい。
【0039】
剥離紙7には、図5に示すように、生理用ナプキン1Bの前後の違いを示す識別情報71が印刷されている。剥離紙7に印刷された識別情報71は、生理用ナプキン1Bにおいては、生理用ナプキン1Bの前後の違いを示し、且つ生理用ナプキン1Bの前後を識別可能な、表面シート21上に形成された圧搾溝24の形状及び中高領域を形成する上部吸収体231の形状である。具体的には、生理用ナプキン1Bの剥離紙7の識別情報71は、圧搾溝24に対応する圧搾溝24の平面視形状24’であり、該平面視形状24’が、圧搾溝24に対応する位置に、圧搾溝24を平面視した形状と同形同大に形成されている。更に詳述すると、圧搾溝24を構成する前方圧搾溝242、中央圧搾溝241及び後方圧搾溝243それぞれの平面視形状241’,242’,243’であり、該平面視形状241’,242’,243’が、それぞれの圧搾溝241,242,243に対応する位置に、それぞれの圧搾溝241,242,243を平面視した形状と同形同大に形成されている。
【0040】
加えて、生理用ナプキン1Bの剥離紙7の識別情報71は、上部吸収体231(中高領域)に対応する上部吸収体231(中高領域)の平面視形状231’であり、該平面視形状231’が、上部吸収体231(中高領域)に対応する位置に、上部吸収体231(中高領域)を平面視した形状と同形同大に形成されている。このように、生理用ナプキン1Bの剥離紙7の識別情報71は、圧搾溝24(241,242,243)に対応する圧搾溝24(241,242,243)の平面視形状24’(241’,242’,243’)と上部吸収体231(中高領域)に対応する上部吸収体231(中高領域)の平面視形状231’とを組み合わせた形状である。
【0041】
第2実施形態のナプキン1Bの形成材料について説明する。第2実施形態のナプキン1Bについては、第1実施形態の使い捨てナプキン1Aの形成材料と同様である。
【0042】
上述した本発明の第2実施形態のナプキン1Bを使用した際の作用効果について説明する。
第2実施形態のナプキン1Bの効果については、第1実施形態の使い捨てナプキン1Aの効果と同様であり、ナプキン1Aの効果の説明が適宜適用される。
【0043】
上述の第2実施形態の使い捨てナプキン1Bの剥離紙7に印刷される識別情報71は、生理用ナプキン1Bの前後の違いを示し且つ生理用ナプキン1Bの前後を識別可能なように、図5に示すような、圧搾溝24(241,242,243)に対応する圧搾溝24(241,242,243)の平面視形状24’(241’,242’,243’)と上部吸収体231(中高領域)に対応する上部吸収体231(中高領域)の平面視形状231’とを組み合わせた形状である以外に、例えば、図7(a)に示すように、折り返された状態のウイング4に対応するウイングの平面視形状4’であり、該平面視形状4’が、折り返された状態のウイング4に対応する位置に、折り返された状態のウイング4を平面視した形状と同形同大に形成されている図形が挙げられる。それに加えて、図7(a)に示すように、折り返された状態の後方フラップ5に対応する後方フラップの平面視形状5’であり、該平面視形状5’が、折り返された状態の後方フラップ5に対応する位置に、折り返された状態の後方フラップ5を平面視した形状と同形同大に形成されている図形が挙げられる。
【0044】
また、生理用ナプキン1Bの前後を識別可能とし、前後の違いを示す識別情報71としては、例えば、図7(b)に示すように、圧搾溝24に対応する圧搾溝24の平面視形状24’のみの図形が挙げられる。詳述すると、識別情報71は、図7(b)に示すように、圧搾溝24を構成する前方圧搾溝242、中央圧搾溝241及び後方圧搾溝243それぞれの平面視形状241’,242’,243’であり、該平面視形状241’,242’,243’が、それぞれの圧搾溝241,242,243に対応する位置に、それぞれの圧搾溝241,242,243を平面視した形状と同形同大に形成されている。
【0045】
また、生理用ナプキン1Bの前後を識別可能とし、前後の違いを示す識別情報71としては、例えば、図7(c)に示すように、上部吸収体231(中高領域)に対応する上部吸収体231(中高領域)の平面視形状231’のみの図形が挙げられる。詳述すると、識別情報71は、図7(c)に示すように、上部吸収体231(中高領域)に対応する上部吸収体231(中高領域)の平面視形状231’であり、該平面視形状231’が、上部吸収体231(中高領域)に対応する位置に、上部吸収体231(中高領域)を平面視した形状と同形同大に形成されている。
【0046】
また、生理用ナプキン1Bの前後を識別可能とし、前後の違いを示す識別情報71としては、例えば、図7(d)に示すように、圧搾溝24に対応する圧搾溝24の平面視形状24’に、グラデーションを施した図形が挙げられる。詳述すると、識別情報71は、図7(d)に示すように、圧搾溝24を構成する前方圧搾溝242、中央圧搾溝241及び後方圧搾溝243それぞれの平面視形状241’,242’,243’であり、該平面視形状241’,242’,243’が、それぞれの圧搾溝241,242,243に対応する位置に、それぞれの圧搾溝241,242,243を平面視した形状と同形同大に形成されている。さらに、圧搾溝24の平面視形状24’の内部において、前方から後方に向かって印刷の濃度を徐々に薄くなるようにグラデーションを施している。
【0047】
また、生理用ナプキン1Bの前後を識別可能とし、前後の違いを示す識別情報71としては、例えば、図7(e)に示すように、圧搾溝24に対応する圧搾溝24の平面視形状24’、折り返された状態のウイング4に対応するウイングの平面視形状4’及び折り返された状態の後方フラップ5に対応する後方フラップの平面視形状5’を組み合わせた図形が挙げられる。詳述すると、識別情報71は、図7(e)に示すように、圧搾溝24を構成する前方圧搾溝242、中央圧搾溝241及び後方圧搾溝243それぞれの平面視形状241’,242’,243’であり、該平面視形状241’,242’,243’が、それぞれの圧搾溝241,242,243に対応する位置に、それぞれの圧搾溝241,242,243を平面視した形状と同形同大に形成されている。また、折り返された状態のウイング4に対応するウイングの平面視形状4’が、折り返された状態のウイング4に対応する位置に、折り返された状態のウイング4を平面視した形状と同形同大に形成されている。それに加えて、折り返された状態の後方フラップ5に対応する後方フラップの平面視形状5’が、折り返された状態の後方フラップ5に対応する位置に、折り返された状態の後方フラップ5を平面視した形状と同形同大に形成されている。
【0048】
また、生理用ナプキン1Bの前後を識別可能とし、前後の違いを示す識別情報71としては、例えば、図7(f)に示すように、折り返された状態のウイング4に対応するウイングの平面視形状4’が、折り返された状態のウイング4に対応する位置に、折り返された状態のウイング4を平面視した形状と同形同大に形成されている。それに加えて、図7(f)に示すように、折り返された状態の後方フラップ5に対応する後方フラップの平面視形状5’が、折り返された状態の後方フラップ5に対応する位置に、折り返された状態の後方フラップ5を平面視した形状と同形同大に形成されている。
また、図7(f)に示す剥離紙7は、矩形状のものではなく、折り返された状態のウイング4に対応するウイングの平面視形状4’に沿わせた形状部分71を有している。詳述すると、該形状部分71は、図7(f)に示すように、ウイングの平面視形状4’の前方側の側辺42’に対応するように、該側辺42’に沿わせた形状に形成されているため、個装状態でもより前後の区別がつきやすい。
【0049】
本発明の吸収性物品は、上述の第1実施形態の使い捨てナプキン1A及び第2実施形態の生理用ナプキン1Bに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第1実施形態の使い捨てナプキン1A、第2実施形態の生理用ナプキン1Bにおける各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
【0050】
例えば、上述の実施形態の生理用ナプキン1Aにおいては、長手方向Xに略3等分する位置の前方寄りの折部L1及び後方寄りの折部L2で、包装材8と共に折り曲げられて、三つ折りに折り畳まれるが、三つ折り以上に折り畳まれていてもよい。
【0051】
また、上述の実施形態の生理用ナプキン1Bにおいては、一対のウイング4及び一対の後方フラップ5,5を有しているが、一対の後方フラップ5,5のみ有していてもよい。
【0052】
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外にも、例えば、失禁者用パッド、パンティーライナー等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1A,1B 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 吸収性本体
2S 側部
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
231 上部吸収体
231’ 上部吸収体(中高領域)に対応する中高領域の平面視形状
232 下部吸収体
24 圧搾溝
241 中央圧搾溝
242 前方圧搾溝
243 後方圧搾溝
24’ 圧搾溝に対応する圧搾溝の平面視形状
241’ 中央圧搾溝に対応する中央圧搾溝の平面視形状
242’ 前方圧搾溝に対応する前方圧搾溝の平面視形状
243’ 後方圧搾溝に対応する後方圧搾溝の平面視形状
3 立体ギャザー
31 サイドシート
31f 自由端部
32 弾性部材
33 接合部
4 ウイング
41 下着固定用の粘着部
4’ 折り返された状態のウイングに対応するウイングの平面視形状
42’ 後方フラップの前方側の側辺に対応する辺
5 後方フラップ
51 粘着部
5’ 折り返された状態の後方フラップに対応する後方フラップの平面視形状
6 周縁シール部
7 剥離紙
71 識別情報
8 包装材
81 タブテープ
L1 前方寄りの折部
L2 後方寄りの折部
A 排泄部領域,B 前方領域,C 後方領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌対向面側に表面シート、非肌対向面側に裏面シート及びそれら両シート間に液保持性の吸収体を備えた縦長の吸収性本体を有し、該吸収性本体における装着者の体液排泄部に当接する排泄部領域の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対のウイングを有する吸収性物品であって、
一対の前記ウイングは、使用前においては、前記表面シート側に折り返されて、前記表面シートと面する内面と、該内面の裏面側である外面を有し、
折り返された状態の前記ウイングの外面には、下着に固定するための粘着部が配され、該粘着部を覆い該粘着部に剥離自在に止着される剥離紙が配されており、
前記剥離紙には、前記吸収性物品の前後の違いを示す識別情報が印刷されている吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性本体における排泄部領域より後方の後方領域の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップを有し、一対の該後方フラップは、使用前においては、前記表面シート側に折り返されて、前記表面シートと面する内面と、該内面の裏面側である外面を有し、折り返された状態の前記後方フラップの外面には、下着に固定するための粘着部が配されており、一対の前記ウイングの前記粘着部及び一対の該後方フラップの該粘着部を覆い該各粘着部に剥離自在に止着される前記剥離紙が配されている請求項1の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性本体は、前記排泄部領域に中高領域を備えており、
前記識別情報は、前記中高領域に対応する該中高領域の平面視形状の図である請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記識別情報は、文字、折り返された状態の前記ウイングに対応する該ウイングの平面視形状の図、折り返された状態の前記後方フラップに対応する該後方フラップの平面視形状の図、前記表面シートから前記吸収体まで一体的に圧密化されて該表面シート上に形成された圧搾溝に対応する該圧搾溝の平面視形状の図、又はこれらを組み合わせた形状である請求項1〜3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記識別情報の印刷には、蛍光顔料又は蓄光塗料を含有する印刷塗料が用いられている請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記剥離紙には、透明度が50〜95%である紙が用いられている請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品は生理用ナプキン又は女性用失禁パッドである請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記剥離紙が配された請求項1〜7の何れか1項に記載の吸収性物品と該吸収性物品を個装する包装材とを少なくとも前部と後部にて長手方向に折り曲げ畳んでなる折部を有する個装体であって、前記個装体の最も前方寄りの折部を開封すると、前記識別情報が視認可能なように、該識別情報が印刷されている個装体。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−85818(P2013−85818A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230737(P2011−230737)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】