説明

呼び出しランプ

【課題】 呼び出しランプにおいて、部品点数を削減するとともに光源点灯用の操作部材を配置するためのスペースを不要にする。
【解決手段】 ベース6に搭載されたプリント基板2に実装されたLED3はリミットスイッチ5を作動させることにより点灯する。LED3およびリミットスイッチ5を覆う光拡散部材6は、LED3方向に移動自在に支持され、リミットスイッチ5を作動させる作動部20aが設けられている。光拡散部材8を覆うレンズ9は、LED3方向に移動自在に支持され、移動させることにより光拡散部材8が連動して移動し、作動部20aによってリミットスイッチ5が作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ台やパチスロ台等の各遊技機周辺に取り付けられる係員呼び出し用のランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の呼び出しランプとしては、内部に収納されたLEDから照射された光を拡散させる発光面が形成された本体と、この本体の発光面を覆うように本体に取り付けられレンズとして機能するカバーと、係員を呼ぶための呼び出し用ボタンとを備え、遊技者が呼び出し用ボタンを押下操作し、LEDを発光させることにより係員に報知するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−135317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来の呼び出しランプにおいては、光源を点灯させるための呼び出し用ボタンが呼び出しランプとは別に設けられているため、部品点数が増加するだけではなく、呼び出し用ボタンを配置するためのスペースが必要になるという問題があった。
【0005】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、部品点数を削減するとともに光源点灯用の操作部材を配置するためのスペースを不要にするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、光源およびこの光源を点灯させるスイッチと、これら光源およびスイッチを覆い、当該スイッチに向かって進退自在に支持された光拡散部材と、この光拡散部材を覆い、押下操作されることにより当該光拡散部材を前記スイッチに向かって前進させるレンズとを備え、前記光拡散部材に、前記レンズを介して当該光拡散部材を前記スイッチに向かって前進させることにより前記スイッチを作動させる作動部を設けたものである。
【0007】
本発明は、前記発明において、前記光源およびスイッチが実装されたプリント基板と、このプリント基板が搭載され、前記光拡散部材を支持するベースとを備え、前記光拡散部材に、前記ベースとの間に介装され、前記レンズによって前進させた当該光拡散部材を後退させる方向に付勢する弾性片を一体に設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レンズがスイッチを作動させる操作部材を兼用しているため、部品点数が削減されるだけではなく、スイッチを作動させるボタンを配置するための専用のスペースが不要になる。また、レンズを介して間接的に光拡散部材を押下するようにしているため、光拡散部材の変形を防止することができる。また、従来のボタン操作に比較してレンズの外形が大きいから操作性が向上する。
【0009】
前記発明のうちの一つの発明によれば、弾性片を光拡散部材に一体に設けたことにより、付勢部材の組付け忘れがなくなるだけではなく組付け工数も削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る呼び出しランプの外観を示し、同図(A)は平面図、同図(B)は側面図である。
【図2】図1(A)におけるII-II 線断面図であって、同図(A)は呼び出しランプを点灯させていない状態を示し、同図(B)は呼び出しランプを点灯させた状態を示す。
【図3】図1(A)におけるIII-III 線断面図であって、同図(A)は呼び出しランプを点灯させていない状態を示し、同図(B)は呼び出しランプを点灯させた状態を示す。
【図4】本発明に係る呼び出しランプにおける光拡散部材を示し、同図(A)は平面図、同図(B)は側面図、同図(C)は同図(A)におけるIV(C)-IV(C) 線断面図である。
【図5】本発明に係る呼び出しランプにおけるベースの平面図である。
【図6】本発明に係る呼び出しランプにおいて、レンズおよびカバーを取り外した状態の平面図である。
【図7】図2(A)におけるVII-VII 線断面図である。
【図8】本発明に係る呼び出しランプにおいて、カバーに光拡散部材を組み付けた状態の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図8に基づいて説明する。なお、明細書中において方向を説明するために使用した「上、下」は、あくまでも図中における方向を説明した便宜上のものであって、本発明に係る呼び出しランプが実際に使用される際の上、下の方向とは必ずしも一致するものではない。
【0012】
図2に全体を符号1で示す呼び出しランプは、プリント基板2に実装された光源としての一対のLED3,3およびリミットスイッチ5と、プリント基板2が搭載されるベース6と、このベース6に固定されるカバー7と、前記一対のLED3,3およびリミットスイッチ5を覆う光拡散部材8と、この光拡散部材8を覆うレンズ9とによって概ね構成されている。
【0013】
リミットスイッチ5は、図5および図7に示すようにプリント基板2の中央部に設けられており、図3に示すように作動杆5aが光拡散部材8の後述する作動突部20aによって押下されることによりLED3,3が点灯する。
【0014】
ベース6は、図5に示すように円板状に形成されており、図2に示すように周縁の下端には袴部11が下方に向かって突設され、プリント基板2を固定するためのスタッド12が立設されている。また、ベース6の上面の周縁部には、図5に示すように光拡散部材8の後述する弾性片22が載置される載置片13と、光拡散部材8が図2中矢印B方向へ移動したときにこの光拡散部材8の後述する鍔21が係止される係止片14とが立設されている。
【0015】
図5において、15,15はボルトを挿通させための一対の挿通孔であって、この挿通孔15を挿通させたボルトをカバー7の後述するスタッド18bに螺合させることにより、カバー7がベース6に固定される。16は呼び出しランプ1を図示しない遊技機周辺の設置面に設置するためのボルトを挿通させる挿通孔である。
【0016】
カバー7は、図2に示すように円筒状に形成されており、上端縁に内フランジ18が設けられ、この内フランジ18の下面には、光拡散部材8の矢印A−B方向への移動を案内するガイド壁18aが下方に向かって突設され、内フランジ18の端縁には、レンズ9の矢印A−B方向への移動を案内するガイド壁19が立設されている。内フランジ18の下面には、図8に示すようにベース6の挿通孔15に対応した一対のスタッド18b,18bが突設されている。また、内フランジ18にはベース6の挿通孔16に対応した一対の遊挿孔18c,18cが設けられている。
【0017】
光拡散部材8は全体が透光性を有するプラスチックによって形成されており、図4に示すように周縁に鉛直壁20bが全周にわたって形成された皿状の光拡散部20と、鉛直壁20bの開口端に、一体に突設された鍔21および平面視において円周方向に等間隔をおいて断面が逆への字状に形成された三つの弾性片22とからなる。光拡散部20の裏面には、全体にわたってシボ加工によってLED3,3からの光を拡散させる無数の微細な凹凸が形成されており、裏面中央部にはリミットスイッチ5を作動させる作動突部20aが一体に突設されている。
【0018】
鍔21には略全周にわたって鉛直壁20bと対向するリブ21aが立設されており、このリブ21aと鉛直壁20bとの間に係入溝23が形成されている。また、鍔21の三つの弾性片22間の部位には、レンズ9の後述する弾性係合片25が係入される三つの係入孔21bが円周方向に等間隔をおいて設けられている。
【0019】
レンズ9は、図2に示すように全体が乳白色のプラスチックによってドーム状に形成されており、開口端部9aの厚みが薄く形成されている。また、レンズ9の開口端の円周方向に三等分した部位には、図3に示すように先端に係合爪25aが形成された三本の弾性係合片25(二本の弾性係合片25は図示を省略)が下方に向かって一体に突設されている。レンズ9の頂部9bの表面には、図1(A)に示すようにレンズ9を押下操作するための押下操作位置を指示する表示が付されている。
【0020】
次に、主に図2ないし図4を用いて、このように構成された呼び出しランプの組付け方法について説明する。予め、図2に示すようにLED3,3およびリミットスイッチ5が実装されたプリント基板2をベース6のスタッド12に搭載させておく。この状態で、ベース6の三つの載置片13上のそれぞれに、光拡散部材8の各弾性片22を載置させる。
【0021】
次いで、カバー7を光拡散部材8の上方から被せ、内フランジ18の下面を光拡散部材8の鍔21の上面に対接させ、ベース6の下方側から挿通孔15(図6参照)に挿通させたボルトをスタッド18bに螺合させることにより、カバー7をベース6に固定する。
【0022】
この状態で、光拡散部材8はカバー7のガイド壁18aによって、矢印A−B方向に移動自在に案内され、鍔21がベース6の係止片14に係止されるまで、矢印B方向への移動が可能となる。鍔21がベース6の係止片14に係止されると、載置片13に載置されている光拡散部材8の弾性片22が弾性変形し、この弾性変形によって光拡散部材8は矢印A方向に付勢される。
【0023】
次いで、レンズ9の開口端部9aを係入溝23内に挿入させ、三本の弾性係合片25を、弾性変形させながら光拡散部材8の三つの係入孔21bに係入させることにより、図3(A)に示すように係合爪25aを係入孔21bの孔縁に係合させる。この状態で、レンズ9の光拡散部材8からの矢印A方向への抜けが規制され、レンズ9がカバー7のガイド壁19によって矢印A−B方向に移動自在に支持されるとともに、開口端部9aの下端が係入溝23の底部に当接する。
【0024】
最後に、カバー7の遊挿孔18c(図8参照)から遊挿させたボルトをベース6の挿通孔16に挿通させ、遊技機周辺の設置面に設けたねじ孔に螺合させることにより、呼び出しランプ1が設置面に取り付けられる。
【0025】
このように、遊技機周辺の設置面に取り付けられた呼び出しランプ1において、遊技者が係員を呼ぶ場合は、レンズ9の頂部9bを指等によって矢印B方向へ押下操作することにより、レンズ9が矢印B方向へ移動する。このレンズ9の矢印B方向への移動に連動し、レンズ9の開口端部9aの下端が鍔21に当接している光拡散板8が、弾性片22の付勢力に抗して矢印B方向へ移動する。
【0026】
光拡散部材8が矢印B方向へ移動し、光拡散部材8の鍔21が係止片14に係止されることにより、リミットスイッチ4が作動突部20aによって作動されるのでLED3,3が点灯する。レンズ9の頂部9bの矢印B方向への押下操作を解除することにより、光拡散部材8は弾性片22の付勢力によって矢印A方向へ移動し、これと連動してレンズ9も矢印A方向に移動する。
【0027】
このように、レンズ9がスイッチ5を作動させる部材を兼用しているため、部品点数が削減されるというだけではなく、スイッチ5を作動させるボタンを配置するための専用のスペースが不要になる。また、レンズ9を介して間接的に光拡散部材8を押下するようにしているため、光拡散部材8の変形を防止することができる。また、従来のボタン操作に比較して操作部であるレンズ9の外形が大きいから操作性が向上する。また、弾性片22を光拡散部材8に一体に設けたことにより、付勢部材の組付け忘れがなくなるだけではなく組付け工数も削減することができる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、弾性片22の付勢力のみによって光拡散部材8を復帰させるようにしたが、ベース6と光拡散部材8との間に圧縮コイルばねを介装し、弾性片22と圧縮コイルばねとを併用してもよい。
【符号の説明】
【0029】
1…呼び出しランプ、2…プリント基板、3…LED(光源)、5…リミットスイッチ、6…ベース、7…カバー、8…光拡散部材、9…レンズ、20a…作動部、22…弾性片、25…弾性係合片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源およびこの光源を点灯させるスイッチと、
これら光源およびスイッチを覆い、当該スイッチに向かって進退自在に支持された光拡散部材と、
この光拡散部材を覆い、押下操作されることにより当該光拡散部材を前記スイッチに向かって前進させるレンズとを備え、
前記光拡散部材に、前記レンズを介して当該光拡散部材を前記スイッチに向かって前進させることにより前記スイッチを作動させる作動部を設けたことを特徴とする呼び出しランプ。
【請求項2】
前記光源およびスイッチが実装されたプリント基板と、
このプリント基板が搭載され、前記光拡散部材を支持するベースとを備え、
前記光拡散部材に、前記ベースとの間に介装され、前記レンズによって前進させた当該光拡散部材を後退させる方向に付勢する弾性片を一体に設けたことを特徴とする請求項1記載の呼び出しランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−131003(P2011−131003A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295256(P2009−295256)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【出願人】(000105660)サクサプレシジョン株式会社 (8)
【Fターム(参考)】