説明

商品陳列棚

【課題】商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性が良好な商品陳列棚を提供する。
【解決手段】商品陳列棚100は、互いに対向して配置される第1及び第2側壁部10、20と、それぞれマガジン40を支持する複数段の棚部30と、を有している。棚部30は、第1側壁部10と第2側壁部20とを、それらの対向間隔を伸縮可能に連結するリンク機構を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マガジンを搭載可能な商品陳列棚に関し、特に、横幅を変更可能な商品陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な商品がいわゆる什器(商品陳列棚)に陳列されている。
【0003】
様々な商品のうち、例えばたばこ商品などの特定の商品を陳列するための什器は、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置が載置されたレジカウンタ上又はその周辺に配置されることが一般的である。
【0004】
なお、ここで云うたばこ商品とは、実際に喫煙される紙巻たばこではなく、複数の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージ、および複数のパッケージを収容しているカートンを意味している。
【0005】
ところで、コンビニエンスストアなどの店舗のレジカウンタ上又はその周辺において商品を陳列可能なスペースは、店舗毎に異なり、また季節毎の商品サイクルに応じても変動する。このため、商品陳列棚には、商品の陳列スペースの大きさを必要に応じて容易に変更できることが望まれる。
【0006】
特許文献1には、側板と分割底板とをそれぞれ有する左トレイ半体と右トレイ半体とを備え、これらトレイ半体の分割底板同士を左右の側板の間隔を変化させる方向にスライド可能に結合した構成の商品陳列棚(タバコ陳列システムケース)が記載されている。この商品陳列棚には、左右の側板の間隔が特定の間隔のときに働くクリックストップ機構が設けられている。このクリックストップ機構は、一方の分割底板に一体に形成された弾性片と、この弾性片に設けられた突起と、他方の分割底板に形成されこの突起が嵌合離脱しうるクリック穴と、からなる。
【0007】
特許文献2には、互いに対向する一対の側壁部材と、これら側壁部材を連結する連結部材と、を有する商品陳列棚(商品陳列用什器)が記載されている。この商品陳列棚においては、連結部材は棒形状を有し、軸方向に任意数を接続できるようになっている。そして、連結部材の接続数を選択することによって、一対の側壁部材の間の距離を調整し、商品陳列棚の横幅を変更することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3163708号公報
【特許文献2】登録実用新案第3138292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の技術では、商品陳列棚の横幅の変更操作は、商品陳列棚の各段のクリックストップ機構の突起とクリック穴とを離脱させてから行う必要がある。このため、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性が悪い。
【0010】
特許文献2の技術では、商品陳列棚の横幅を変更するためには、棒形状の連結部材を継ぎ足したり、或いは、連結部材を取り外したりする必要がある。よって、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性が悪い。
【0011】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性が良い商品陳列棚を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、互いに対向して配置される第1及び第2側壁部と、
それぞれマガジンを支持する複数段の棚部と、
を有し、
前記棚部は、前記第1側壁部と前記第2側壁部とを、それらの対向間隔を伸縮可能に連結するリンク機構を有することを特徴とする商品陳列棚を提供する。
【0013】
この商品陳列棚によれば、棚部を構成するリンク機構は、第1及び第2側壁部の対向間隔を伸縮可能に、第1及び第2側壁部を連結している。よって、このリンク機構により第1及び第2側壁部を相互に連結したままで、第1及び第2側壁部の対向間隔を広げたり狭めたりし、商品陳列棚の横幅を変更することができる。このように、リンク機構を介して連結されている第1側壁部と第2側壁部とを互いに遠ざけたり、互いに近づけたりすることにより、商品陳列棚の横幅を変更する操作を容易且つスムーズに行うことができるため、その操作性を良好なものとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、商品陳列棚の横幅を変更する操作の操作性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図2】第1の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図4】第1の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図5】第1の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図6】第1の実施形態に係る商品陳列棚の構成要素を分解して示した平面図である。
【図7】第1の実施形態に係る商品陳列棚の正面図である。
【図8】第1の実施形態に係る商品陳列棚の側面図である。
【図9】第1の実施形態に係る商品陳列棚の斜視図である。
【図10】商品陳列棚の棚支持部及びその周辺を示す拡大正面図である。
【図11】マガジンの側面図である。
【図12】前面化粧パネルの斜視図である。
【図13】前面化粧パネルの側面図である。
【図14】前面化粧パネルの正面図である。
【図15】第2の実施形態に係る商品陳列棚の対向間隔規制部の平面図である。
【図16】第2の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図17】第2の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図18】第2の実施形態に係る商品陳列棚の平面図である。
【図19】第2の実施形態に係る商品陳列棚の正面図である。
【図20】変形例に係る商品陳列棚の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0017】
〔第1の実施形態〕
図1乃至図5は第1の実施形態に係る商品陳列棚100の平面図である。図1乃至図5の各図では、商品陳列棚100の横幅が互いに異なる。商品陳列棚100にマガジン40を横並びにして配置できる数は、図1の状態では2つ、図2の状態では3つ、図3の状態では4つ、図4の状態では5つ、図5の状態では6つである。図6は商品陳列棚100の構成要素を分解して示した平面図である。図7は商品陳列棚100の正面図である。図8は商品陳列棚100の側面図である。図9は商品陳列棚100の斜視図である。
【0018】
図1乃至図9に示すように、本実施形態に係る商品陳列棚100は、互いに対向して配置される第1及び第2側壁部10、20と、それぞれマガジン40を支持する複数段の棚部30と、を有している。棚部30は、第1側壁部10と第2側壁部20とを、それらの対向間隔を伸縮可能に連結するリンク機構を有する。なお、商品陳列棚100は、例えば、第1及び第2側壁部10、20を水平な載置面6(図7、図8)上に載置して用いられる。
【0019】
棚部30のリンク機構は、例えば、複数のパンタグラフ構造を有している。ここで、パタングラフ構造とは、4つのリンクを閉ループ状に順次接続することにより構成された四節リンクである。パンタグラフ構造の平面形状は、以下に例示する平行四辺形と菱形の他、その他の四角形等であっても良い。
パンタグラフ構造は、例えば、その4つの節点のうち、1つの節点(第1節点)が第1側壁部10に対して連結され、他の1つの節点(第2節点)が第2側壁部20に対して連結され、残る2つの節点が第1及び第2側壁部10、20の何れに対しても接していない。
なお、第1節点は、第1側壁部10の一部分(例えば第1側壁部10の奥行き方向における一部区間)を含んで構成されていても良く、同様に、第2節点は、第2側壁部20の一部分を含んで構成されていても良い。この場合、パンタグラフ構造の平面形状は、五角形或いは六角形となる。
【0020】
棚部30のリンク機構は、具体的には、例えば、3つのパンタグラフ構造110、120、130を有している。
【0021】
図6に示すように、パンタグラフ構造110は、それぞれ棒状の4つのリンク111、112、113、114の先端部を順次に接続することにより構成されている。各リンク111〜114は、それぞれ水平に配置されている(それぞれ長手方向が水平方向に延在するように配置されている)。各リンク111〜114は、例えば、平板状のものであり、それぞれの板面が上下方向を向いている。
【0022】
互いに対向するリンク111とリンク113は互いに長さが等しく且つ互いに平行となっている。同様に、互いに対向するリンク112とリンク114は互いに長さが等しく且つ互いに平行となっている。そして、リンク111及びリンク113の長さと、リンク112及びリンク114の長さとは、互いに異なる。このため、パンタグラフ構造110の全体の平面形状は、例えば、平行四辺形となっている。
例えば、リンク111及びリンク113の長さよりも、リンク112及びリンク114の長さの方が長い。
【0023】
例えば、リンク111及び113が互いに同じ高さに配置され、リンク112及び114が互いに同じ高さに配置され、且つ、リンク111及び113よりも、リンク112及び114が、下に位置している。
【0024】
リンク111とリンク112は、連結軸115を介して相互に連結されている。連結軸115の軸心方向は鉛直方向であり、リンク111とリンク112は、連結軸115を中心として、水平面内で相互に回動可能となっている。
【0025】
同様に、リンク112とリンク113は連結軸116を介して相互に連結され、リンク113とリンク114は連結軸117を介して相互に連結され、リンク114とリンク111は連結軸118を介して相互に連結され、それぞれ水平面内で相互に回動可能となっている。
【0026】
このうち、連結軸115は、リンク111とリンク112を相互に回動可能に連結しているだけでなく、リンク111及びリンク112の相互に連結されている端部を、第1側壁部10に設けられたガイド溝13に対して連結している(図1乃至図5参照)。更に、連結軸115は、このガイド溝13に沿って前後移動可能となっている。
同様に、連結軸117は、リンク113とリンク114を相互に回動可能に連結しているだけでなく、リンク113及びリンク114の相互に連結されている端部を、第2側壁部20に設けられたガイド溝23に対して連結している(図1乃至図5参照)。更に、連結軸117は、このガイド溝23に沿って前後移動可能となっている。
このように、ガイド溝13、23は、リンク機構のパンタグラフ構造110の節点を前後移動可能にガイドしている。
【0027】
図1乃至図5に示すように、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔の変化に伴い、パンタグラフ構造110の平面形状は変化するが、該平面形状は、例えば、常に平行四辺形に維持される。
【0028】
パンタグラフ構造130は、パンタグラフ構造110をほぼ左右反転したような構造をなしている。すなわち、パンタグラフ構造130は、それぞれ棒状の4つのリンク131、132、133、134の先端部を順次に接続することにより構成され、各リンク131〜134は、それぞれ水平に配置されている。各リンク131〜134は、例えば、平板状のものであり、それぞれの板面が上下方向を向いている。
【0029】
互いに対向するリンク131とリンク133は互いに長さが等しく且つ互いに平行となっており、互いに対向するリンク132とリンク134は互いに長さが等しく且つ互いに平行となっており、リンク131及びリンク133の長さと、リンク132及びリンク134の長さとは、互いに異なる。このため、パンタグラフ構造130の全体の平面形状は、例えば、平行四辺形となっている。
例えば、リンク131及びリンク133の長さの方が、リンク132及びリンク134の長さよりも長い。
【0030】
例えば、リンク131及び133が互いに同じ高さに配置され、リンク132及び134が互いに同じ高さに配置され、且つ、リンク131及び133よりも、リンク132及び134が、下に位置している。
【0031】
リンク131とリンク132は、軸心方向が鉛直方向の連結軸135を介して相互に連結され、連結軸135を中心として、水平面内で相互に回動可能となっている。
同様に、リンク132とリンク133は連結軸136を介して相互に連結され、リンク133とリンク134は連結軸137を介して相互に連結され、リンク134とリンク131は連結軸138を介して相互に連結され、それぞれ水平面内で相互に回動可能となっている。
【0032】
このうち、連結軸135は、リンク131とリンク132を相互に回動可能に連結しているだけでなく、リンク131及びリンク132の相互に連結されている端部を、第1側壁部10に設けられたガイド溝15に対して連結している(図1乃至図5参照)。更に、連結軸135は、このガイド溝15に沿って前後移動可能となっている。
同様に、連結軸137は、リンク133とリンク134を相互に回動可能に連結しているだけでなく、リンク133及びリンク134の相互に連結されている端部を、第2側壁部20に設けられたガイド溝25に対して連結している(図1乃至図5参照)。更に、連結軸137は、ガイド溝25に沿って前後移動可能となっている。
このように、ガイド溝15、25は、リンク機構のパンタグラフ構造130の節点を前後移動可能にガイドしている。
【0033】
図1乃至図5に示すように、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔の変化に伴い、パンタグラフ構造130の平面形状は変化するが、該平面形状は、例えば、常に平行四辺形に維持される。
【0034】
パンタグラフ構造120は、それぞれ棒状の4つのリンク121、122、123、124の先端部を順次に接続することにより構成され、各リンク121〜124は、それぞれ水平に配置されている。なお、各リンク121〜124は、例えば、平板状のものであり、それぞれの板面が上下方向を向いている。
【0035】
例えば、各リンク121〜124は互いに長さが等しい。互いに対向するリンク121とリンク123は互いに平行となっており、互いに対向するリンク122とリンク124は互いに平行となっている。このため、パンタグラフ構造120の全体の平面形状は、例えば、菱形となっている。
【0036】
例えば、リンク121及び123が互いに同じ高さに配置され、リンク122及び124が互いに同じ高さに配置され、且つ、リンク121及び123よりも、リンク122及び124が、下に位置している。
【0037】
リンク121とリンク122は、軸心方向が鉛直方向の連結軸125を介して相互に連結され、連結軸125を中心として、水平面内で相互に回動可能となっている。
同様に、リンク122とリンク123は連結軸126を介して相互に連結され、リンク123とリンク124は連結軸127を介して相互に連結され、リンク124とリンク121は連結軸128を介して相互に連結され、それぞれ水平面内で相互に回動可能となっている。
【0038】
このうち、連結軸125は、リンク121とリンク122を相互に回動可能に連結しているだけでなく、リンク121及びリンク122の相互に連結されている端部を、第1側壁部10の軸支孔14(図6)に対して軸支している(図1乃至図5参照)。
同様に、連結軸127は、リンク123とリンク124を相互に回動可能に連結しているだけでなく、リンク123及びリンク124の相互に連結されている端部を、第2側壁部20の軸支孔24(図6)に対して軸支している(図1乃至図5参照)。
【0039】
図1乃至図5に示すように、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔の変化に伴い、パンタグラフ構造120の平面形状は変化するが、該平面形状は、例えば、常に菱形に維持される。
【0040】
例えば、リンク111、113、132、134の長さは互いに等しく、リンク112、114、131、133の長さは互いに等しく、パンタグラフ構造130の平面寸法は、パンタグラフ構造110のそれと等しい。
【0041】
また、パンタグラフ構造120の各リンク121〜124の長さは、リンク111、113、132、134よりも長く、リンク112、114、131、133よりも短い。
【0042】
平面視において、各パンタグラフ構造110、120、130は、互いに交差している。そして、これらパンタグラフ構造110、120、130の一部分ずつが互いに上下に重なっている。
例えば、リンク111とリンク113との間にリンク121、123、131及び133が位置し、リンク121とリンク123との間にリンク131及び133が位置している。
同様に、リンク132とリンク134との間にリンク122、124、112及び114が位置し、リンク122とリンク124との間にリンク112及び114が位置している。
そして、例えば、リンク112及び114は、リンク121、131、133、123に対して平面視において交差し、リンク131及び133は、リンク122、112、114及び124に対して平面視において交差している。
第1及び第2側壁部10、20の対向間隔が変化しても、各パンタグラフ構造110、120、130は、互いに交差した状態に維持される。
【0043】
例えば、パンタグラフ構造110、120、130を構成するリンク112、114、121〜124、131、134の中間部分同士が、平面視におけるそれらの交点にて互いに連結されている。すなわち、各リンク112、114、121〜124、131、134は、平面視におけるそれらの交点にて、軸心方向が鉛直方向の連結軸101を介して相互に回動可能に連結されている。
これにより、複数のパンタグラフ構造110、120、130が互いに連結され、一体的に伸縮動作するようになっている。
なお、リンク112、114、121〜124、131、134の中間部分とは、それらの両端の節点同士の間の部分を意味する。
【0044】
なお、連結軸101は、各リンク112、114、121〜124、131、134に形成された丸穴を介して、各リンク112、114、121〜124、131、134を連結していても良いし、或いは、遊びを考慮して、各リンク112、114、121〜124、131、134に形成された長孔を介して、各リンク112、114、121〜124、131、134を連結していても良い。或いは、連結軸101は省略しても良い。
【0045】
例えば、リンク111、121、131、133、123及び113は、互いに平行となっており、リンク132、122、112、114、124及び134は、互いに平行となっている。
また、リンク111、121、131、133、123及び113は、互いに同じ高さに配置され、リンク132、122、112、114、124及び134は、互いに同じ高さに配置されている。
【0046】
例えば、連結軸118、128及び138は、この順番で横方向に一列に並んでおり、側面視において互いに重なるように配置されている。これら連結軸118、128及び138は、等間隔に配置されている。
同様に、連結軸136、126及び116は、この順番で横方向に一列に並んでおり、側面視において互いに重なるように配置されている。これら連結軸136、126及び116は、等間隔に配置されている。
連結軸118と連結軸136は前後方向に並び、正面視において互いに重なるように配置されている。同様に、連結軸128と連結軸126は前後方向に並び、正面視において互いに重なるように配置されている。同様に、連結軸138と連結軸116は前後方向に並び、正面視において互いに重なるように配置されている。
【0047】
例えば、連結軸115、125及び135は、この順番で前後方向に一列に並んでおり、正面視において互いに重なるように配置されている。これら連結軸115、125及び135は、等間隔に配置されている。
同様に、連結軸137、127及び117は、この順番で前後方向に一列に並んでおり、正面視において互いに重なるように配置されている。これら連結軸137、127及び117は、等間隔に配置されている。
連結軸115と連結軸137は横方向に並び、側面視において互いに重なるように配置されている。同様に、連結軸125と連結軸127は横方向に並び、側面視において互いに重なるように配置されている。同様に、連結軸135と連結軸117は横方向に並び、側面視において互いに重なるように配置されている。
【0048】
例えば、ガイド溝13の前方にガイド溝15が配置され、ガイド溝23の後方にガイド溝25が配置されている。各ガイド溝13、15、23、25は、前後方向寸法が互いに等しい。ガイド溝15とガイド溝13との前後間隔と、ガイド溝23とガイド溝25との前後間隔は、互いに等しい。また、ガイド溝15とガイド溝23は、前後方向位置が互いに等しく、ガイド溝13とガイド溝25は、前後方向位置が互いに等しい。
また、軸支孔14の前後方向位置は、ガイド溝15とガイド溝13との中間に位置している。同様に、軸支孔24の前後方向位置は、ガイド溝23とガイド溝25との中間に位置している。
【0049】
このように、各パンタグラフ構造110、120、130は、第1側壁部10と第2側壁部20とを、それらの対向間隔を伸縮可能に連結している。
また、各パンタグラフ構造110、120、130は、このように構成及び配置されているため、これらパンタグラフ構造110、120、130を有するリンク機構は、平面視において、横方向及び前後方向にシンメトリックで均整のとれた構造となっている。
【0050】
図7に示すように、第1側壁部10は、平板な板状に形成され、その板面が左右方向を向くように配置される本体部11と、この本体部11に設けられた複数の棚支持部12と、を有している。
同様に、第2側壁部20は、平板な板状に形成され、その板面が左右方向を向くように配置される本体部21と、この本体部21に設けられた複数の棚支持部22と、を有している。
本体部11と本体部21とは、互いに平行に対向して配置される。
【0051】
棚支持部12は、本体部11において、第2側壁部20側を向く面11aに設けられている。同様に、棚支持部22は、本体部21において、第1側壁部10側を向く面21aに設けられている。
【0052】
左右で対をなす棚支持部12と棚支持部22は、互いに同じ高さに配置されている。これら一対の棚支持部12と棚支持部22により、各段の棚部30が支持されている。
なお、棚部30の段数は任意の複数段であるが、図7の例では、天板となる最上段の棚部30も含めて7段となっている。このため、棚支持部12及び22も、それぞれ7つずつ(7対)となっている。
【0053】
図10は棚支持部12、22及びその周辺を示す拡大正面図である。
【0054】
図10に示すように、棚支持部12、22は、正面形状及び正面断面形状がL字状の構造体(例えば、L字金具)である。
【0055】
棚支持部12は、例えば、第1側壁部10の本体部11の面11aに沿って固定されている平板状の固定部12aと、この固定部12aの下端部より第2側壁部20側に向けて水平に突出している平板状の突出部12bと、を有している。
固定部12aは、例えば、ビス7などの止着部材により、本体部11に固定されている。
突出部12bには、ガイド溝15と、軸支孔14と、ガイド溝13と、が形成されている(図6)。これらガイド溝15、軸支孔14、ガイド溝13の各々は、例えば、突出部12bの表裏を貫通している。
【0056】
同様に、棚支持部22は、第2側壁部20の本体部21の面21aに沿って固定されている平板状の固定部22aと、この固定部22aの下端部より第1側壁部10側に向けて水平に突出している平板状の突出部22bと、を有している。
固定部22aは、例えば、ビス7などの止着部材により、本体部21に固定されている。
突出部22bには、ガイド溝23と、軸支孔24と、ガイド溝25と、が形成されている(図6)。これらガイド溝23、軸支孔24、ガイド溝25の各々は、例えば、突出部22bの表裏を貫通している。
【0057】
上述のように、ガイド溝15には、リンク131及び132が連結軸135によって連結され、軸支孔14には、リンク121及び122が連結軸125によって連結され、ガイド溝13には、リンク111及び112が連結軸115によって連結されている。
同様に、ガイド溝23には、リンク113及び114が連結軸117によって連結され、軸支孔24には、リンク123及び124が連結軸127によって連結され、ガイド溝25には、リンク133及び134が連結軸137によって連結されている。
【0058】
なお、棚支持部12(固定部12a及び突出部12b(図6))は、本体部11に沿って前後方向に延在している。棚支持部12(固定部12a及び突出部12b(図6))は、例えば、図1乃至図5に示すように、本体部11の前端部から後端部に亘って延在している。
同様に、棚支持部22(固定部22a及び突出部22b(図6))は、本体部21に沿って前後方向に延在している。棚支持部22(固定部22a及び突出部22b(図6))は、例えば、図1乃至図5に示すように、本体部21の前端部から後端部に亘って延在している。
【0059】
図11はマガジン40の側面図である。
マガジン40は、上方に向けて開口する半筐体状に形成され、複数のたばこ商品60を縦置きで前後方向に一列で収容可能となっている。マガジン40は、前後方向に長尺に形成されている。
【0060】
マガジン40は、最後尾(図11で最も右側)のたばこ商品60の背面を前方(図11の左方)に付勢する図示しない押板を有している。そして、先頭のたばこ商品60がマガジン40から取り出されると、その押板が、マガジン40内の残りのたばこ商品60を1個のたばこ商品60の前後幅だけ前送りするようになっている。
【0061】
各段の棚部30と、その1つ上の段の棚部30との上下間隔は、たばこ商品60を収容した状態のマガジン40を各段の棚部30上に容易に搭載でき、且つ、各段の棚部30上から当該マガジン40を容易に取り出すことができる寸法に設定されている。
すなわち、各段の棚部30と、その1つ上の段の棚部30との上下間隔は、たばこ商品60を収容した状態のマガジン40を棚部30上に載置したときに、たばこ商品60の上端と、1つ上の段の棚部30と、の間にクリアランスが生じる寸法に設定されている。
【0062】
本実施形態に係る商品陳列棚100は、第1及び第2側壁部10、20の間に複数段の棚部30を水平に設けた構成であるため、上下に隣り合う棚部30の間の空間は、前方及び後方にそれぞれ開放している。
よって、商品陳列棚100の前方及び後方の何れからでも、棚部30上にマガジン40を出し入れできるようになっている。
【0063】
なお、同一の棚部30上に搭載される複数のマガジン40を横方向に連結するための横連結部(図示略)を各マガジン40が有していても良い。この場合、隣り合うマガジン40をその横連結部によって連結することにより、棚部30からのマガジン40の脱落を抑制できる。
【0064】
商品陳列棚100の横幅を変更する操作は、上記のパンタグラフ構造110、120、130を介して相互に連結されている第1側壁部10と第2側壁部20とを互いに遠ざけたり、互いに近づけたりすることにより、容易且つスムーズに行うことができる(図1乃至図5)。
【0065】
なお、図1の状態(以下、第1状態という)では、第1側壁部10と第2側壁部20との対向間隔(第1対向間隔D1)が、マガジン40の2つ分の幅となっている。よって、各段の棚部30上に、2つのマガジン40を横並びに搭載できる。
また、図2の状態(以下、第2状態という)では、第1側壁部10と第2側壁部20との対向間隔(第2対向間隔D2)が、マガジン40の3つ分の幅となっている。よって、各段の棚部30上に、3つのマガジン40を横並びに搭載できる。
また、図3の状態(以下、第3状態という)では、第1側壁部10と第2側壁部20との対向間隔(第3対向間隔D3)が、マガジン40の4つ分の幅となっている。よって、各段の棚部30上に、4つのマガジン40を横並びに搭載できる。
また、図4の状態(以下、第4状態という)では、第1側壁部10と第2側壁部20との対向間隔(第4対向間隔D4)が、マガジン40の5つ分の幅となっている。よって、各段の棚部30上に、5つのマガジン40を横並びに搭載できる。
また、図5及び図7の状態(以下、第5状態という)では、第1側壁部10と第2側壁部20との対向間隔(第5対向間隔D5)が、マガジン40の6つ分の幅となっている。よって、各段の棚部30上に、6つのマガジン40を横並びに搭載できる。
【0066】
商品陳列棚100の横幅を変更するのに伴い、図1乃至図5に示すように、連結軸115はガイド溝13に沿って前後に移動し、連結軸135はガイド溝15に沿って前後に移動し、連結軸117はガイド溝23に沿って前後に移動し、連結軸137は前後に移動する。
より具体的には、商品陳列棚100の横幅が小さくなるほど、連結軸115及び連結軸137は後方へ移動し、連結軸135及び連結軸117は前方へ移動する。逆に、商品陳列棚100の横幅が大きくなるほど、連結軸115及び連結軸137は前方へ移動し、連結軸135及び連結軸117は後方へ移動する。
【0067】
例えば、第1状態(図1)では、連結軸115がガイド溝13の後端に位置し、ガイド溝13によって連結軸115の後方への移動が規制され、連結軸135がガイド溝15の前端に位置し、ガイド溝15によって連結軸135の前方への移動が規制され、連結軸117がガイド溝23の前端に位置し、ガイド溝23によって連結軸117の前方への移動が規制され、連結軸137がガイド溝25の後端に位置し、ガイド溝25によって連結軸137の後方への移動が規制されている。
従って、商品陳列棚100の横幅が、マガジン40の2つ分の横幅よりも縮んでしまうことが規制されている。
【0068】
例えば、第5状態(図5)では、連結軸115がガイド溝13の前端に位置し、ガイド溝13によって連結軸115の前方への移動が規制され、連結軸135がガイド溝15の後端に位置し、ガイド溝15によって連結軸135の後方への移動が規制され、連結軸117がガイド溝23の後端に位置し、ガイド溝23によって連結軸117の後方への移動が規制され、連結軸137がガイド溝25の前端に位置し、ガイド溝25によって連結軸137の前方への移動が規制されている。
従って、商品陳列棚100の横幅が、マガジン40の6つ分の横幅よりも広がってしまうことが規制されている。
【0069】
図7及び図8に示すように、商品陳列棚100は、例えば、その前面側に設けられる前面化粧パネル50を更に備えている。この前面化粧パネル50は、第1及び第2側壁部10、20に対して着脱自在となっている。なお、図1乃至図6、図9では、前面化粧パネル50の図示を省略している。
【0070】
図12は前面化粧パネル50の斜視図、図13は前面化粧パネル50の側面図である。図14は前面化粧パネル50の正面図であり、このうち図14(a)は前面化粧パネル50の横幅がマガジン40の5つ分の状態を示し、図14(b)は前面化粧パネル50の横幅がマガジン40の4つ分の状態を示し、図14(c)は前面化粧パネル50の横幅がマガジン40の3つ分の状態を示す。
【0071】
前面化粧パネル50は、例えば、第1部分51、第2部分52及び第3部分53を有している。第1乃至第3部分51〜53は、それぞれ板状に形成されている。
【0072】
第1乃至第3部分51〜53の各々の上縁部と下縁部とは、それぞれ側面視においてコ字状に折り曲げ形成されている。
ここで、第1乃至第3部分51〜53において、各々の上縁部及び下縁部を除く部位を本体部と称すると、これら3つの本体部のうち、第1部分51の本体部が最も前に位置し、第3部分53の本体部が最も奥に位置している。
そして、第1部分51の上縁部並びに下縁部の内側に第2部分52の上縁部並びに下縁部が位置し、第2部分52の上縁部並びに下縁部の内側に第3部分53の上縁部並びに下縁部が位置している。これにより、第1部分51の内側に第2部分52が保持され、第2部分52の内側に第3部分53が保持されている。そして、第2部分52は第1部分51に対して、第3部分53は第2部分52に対して、それぞれ横方向にスライド可能となっている。よって、前面化粧パネル50は横方向に伸縮可能となっている。
【0073】
第1部分51はマガジン40の3個分の横幅と、第1側壁部10の横幅と、第2側壁部20の横幅と、を合計した横幅を有している。第2部分52はマガジン40の2個分の横幅だけ第1部分51から横方向へ繰り出すことが可能となっている。第3部分53はマガジン40の1個分の横幅だけ第2部分52から横方向へ繰り出すことが可能となっている。
よって、商品陳列棚100の横幅の変更に合わせて、前面化粧パネル50の横幅も変更できる。
【0074】
第1部分51は、第1側壁部10に対して係止されるフック状の係止突起54を背面側に有し、第3部分53は、第2側壁部20に対して係止されるフック状の係止突起55を背面側に有している。例えば、第1部分51は上下一対の係止突起54を有し、第3部分53は上下一対の係止突起55を有している。
【0075】
図9に示すように、第1側壁部10には、その前面に開口する係止孔16が各係止突起54と対応する位置に形成され、第2側壁部20には、その前面に開口する係止孔26が各係止突起55と対応する位置に形成されている。
【0076】
例えば、第5状態(図5、図7、図9)のときに前面化粧パネル50を取り付けるには、先ず、第1部分51から第2部分52が繰り出され、且つ、第2部分から第3部分53が繰り出された状態とすることにより、前面化粧パネル50をマガジン40の6つ分の横幅に調節する(図7参照)。
この状態で、上下一対の係止孔16に上下一対の係止突起54を係止させ、且つ、上下一対の係止孔26に上下一対の係止突起55を係止させることにより、前面化粧パネル50を第1及び第2側壁部10、20間に架け渡すようにして取り付けることができる(図7)。
【0077】
なお、商品陳列棚100の各段の棚部30のうち、前面化粧パネル50が取り付けられる段と、天板を構成する最上段には、マガジン40を搭載しないことが挙げられる(図8参照)。
【0078】
また、第4状態(図4)のときに前面化粧パネル50を取り付けるには、先ず、第1部分51から第2部分52が繰り出され、且つ、第2部分52内に第3部分53が収まった状態とすることにより、前面化粧パネル50をマガジン40の5つ分の横幅に調節する(図14(a))。この状態で、上記と同様に、前面化粧パネル50を第1及び第2側壁部10、20間に架け渡すようにして取り付ける。
【0079】
また、第3状態(図3)のときに前面化粧パネル50を取り付けるには、先ず、第1部分51内に第2部分52が収まり、且つ、第2部分から第3部分53が繰り出された状態とすることにより、前面化粧パネル50をマガジン40の4つ分の横幅に調節する(図14(b))。この状態で、上記と同様に、前面化粧パネル50を第1及び第2側壁部10、20間に架け渡すようにして取り付ける。
【0080】
また、第2状態(図2)のときに前面化粧パネル50を取り付けるには、先ず、第1部分51内に第2部分52が収まり、且つ、第2部分52内に第3部分53が収まった状態とすることにより、前面化粧パネル50をマガジン40の3つ分の横幅に調節する(図14(c))。この状態で、上記と同様に、前面化粧パネル50を第1及び第2側壁部10、20間に架け渡すようにして取り付ける。
【0081】
前面化粧パネル50は、例えば、以下に説明するような構造により、該前面化粧パネル50の横幅を所定の横幅に容易に維持できるようになっているとともに、第1部分51からの第2部分52の脱落、並びに、第2部分52からの第3部分53の脱落が規制されるようになっている。
【0082】
具体的には、第1部分51の右端部と第2部分52の左端部とには、図示しない繰り出し時ストッパーが形成されている。第2部分52がマガジン40の2個分の横幅だけ第1部分51から右方に繰り出された位置(図14(a)、図14(b)の状態)で、これら繰り出し時ストッパー同士が係止し合うことにより、第2部分52が第1部分51に対して抜け止めされるようになっている。
更に、第1部分51の右端部には図示しない繰り出し時係合部が形成され、第2部分52の左端部には図示しない繰り出し時被係合部が形成されている。第2部分52がマガジン40の2個分の横幅だけ第1部分51から右方に繰り出された状態において、第1部分51の繰り出し時係合部が第2部分52の繰り出し時被係合部に対して係合することによって、第2部分52が第1部分51に対して仮固定される。この仮固定により、第1部分51からの第2部分52の繰り出し幅を容易にマガジン40の2つ分の横幅に維持できるようになっている。第1部分51の繰り出し時係合部と第2部分52の繰り出し時被係合部との係合状態は、ある程度以上の強い力で、第2部分52を第1部分51に収める方向へ動かすことによって、解除できるようになっている。
更に、第1部分51には、図示しない収納時ストッパーが形成されている。第1部分51と第2部分52の右端同士が揃うように第2部分52が第1部分51に対して収納された位置(図14(c)、図14(d)の状態)で、第2部分52の左端部と第1部分51の収納時ストッパーとが係止し合うことにより、第2部分52が第1部分51に対してそれ以上に収納方向(左方)へ移動することが規制されるようになっている。
【0083】
同様に、第2部分52の右端部と第3部分53の左端部とには、図示しない繰り出し時ストッパーが形成されている。第3部分53がマガジン40の1個分の横幅だけ第2部分52から右方に繰り出された位置(図14(a)、図14(c)の状態)で、これら繰り出し時ストッパー同士が係止し合うことにより、第3部分53が第2部分52に対して抜け止めされるようになっている。
更に、第2部分52の右端部には図示しない繰り出し時係合部が形成され、第3部分53の左端部には図示しない繰り出し時被係合部が形成されている。第3部分53がマガジン40の1個分の横幅だけ第2部分52から右方に繰り出された状態において、第2部分52の繰り出し時係合部が第3部分53の繰り出し時被係合部に対して係合することによって、第3部分53が第2部分52に対して仮固定される。この仮固定により、第2部分52からの第3部分53の繰り出し幅を容易にマガジン40の1つ分の横幅に維持できるようになっている。第2部分52の繰り出し時係合部と第3部分53の繰り出し時被係合部との係合状態は、ある程度以上の強い力で、第3部分53を第2部分52に収める方向へ動かすことによって、解除できるようになっている。
更に、第2部分52には、図示しない収納時ストッパーが形成されている。第2部分52と第3部分53の右端同士が揃うように第3部分53が第2部分52に対して収納された位置(図14(b)、図14(d)の状態)で、第3部分53の左端部と第2部分52の収納時ストッパーとが係止し合うことにより、第3部分53が第2部分52に対してそれ以上に収納方向(左方)へ移動することが規制されるようになっている。
【0084】
よって、前面化粧パネル50の横幅を、マガジン40の6つ分の横幅(図14(a))、マガジン40の5つ分の横幅(図14(b))、又は、マガジン40の4つ分の横幅(図14(c))に、それぞれ容易に維持できるようになっている。しかも、係止突起54と係止突起55との左右間隔が、第2状態のときの係止孔16と係止孔26との左右間隔よりも縮んでしまうことが規制されるようになっている。
なお、図14(a)の状態での係止突起54と係止突起55との左右間隔は、第5状態のときの係止孔16と係止孔26との左右間隔と等しい。同様に、図14(b)の状態での係止突起54と係止突起55との左右間隔は第4状態のときの係止孔16と係止孔26との左右間隔と等しく、図14(c)の状態での係止突起54と係止突起55との左右間隔は第3状態のときの係止孔16と係止孔26との左右間隔と等しく、図14(d)の状態での係止突起54と係止突起55との左右間隔は第2状態のときの係止孔16と係止孔26との左右間隔と等しい。
このため、前面化粧パネル50によって、商品陳列棚100の横幅を、第2状態、第3状態、第4状態及び第5状態のそれぞれの状態のときの横幅に維持できる。
【0085】
なお、第1状態(図1)のときには、商品陳列棚100へのマガジン40の搭載数をより多く確保できるように、例えば、前面化粧パネル50を取り付けないことが挙げられる。
ただし、第1状態に専用の前面化粧パネルとして、マガジン40の2つ分の横幅に相当する横幅の前面化粧パネル(図示略)を用意し、この前面化粧パネルを、上記と同様に、第1及び第2側壁部10、20間に架け渡すようにして取り付けるようにしても良い。或いは、上述のような繰り出し方式の前面化粧パネル50として、マガジン40の2つ分の横幅にも対応できるものを用いても良い。
【0086】
前面化粧パネル50の前面には、例えば、商品のブランドイメージなどを表す装飾表示(例えば、「XYZたばこ」といった表示など)が印字された装飾表示部3が形成されている。なお、第1及び第2側壁部10、20の外面にも、装飾表示部3と同様の装飾表示部5(図8参照)を形成しても良い。
【0087】
以上のような第1の実施形態によれば、棚部30を構成するリンク機構は、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔を伸縮可能に、第1及び第2側壁部10、20を連結している。よって、このリンク機構により第1及び第2側壁部10、20を相互に連結したままで、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔を広げたり狭めたりし、商品陳列棚100の横幅を変更することができる。このように、リンク機構を介して連結されている第1側壁部10と第2側壁部20とを互いに遠ざけたり、互いに近づけたりすることにより、商品陳列棚100の横幅を変更する操作を容易且つスムーズに行うことができるため、その操作性を良好なものとすることができる。
【0088】
また、リンク機構は、第1側壁部10と第2側壁部20とを、それらの対向間隔を伸縮可能に連結するパンタグラフ構造(例えば、パンタグラフ構造110、120、130)を有している。このため、例えば図20のようなX字状のリンク機構(後述)により第1及び第2側壁部10、20を相互に連結する場合と比べて、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔の変化量を大幅に増大させることができる。
【0089】
また、リンク機構は、複数のパンタグラフ構造110、120、130を有しているため、例えばパンタグラフ構造が1つだけの場合と比べて、リンク機構の強度を高めることができる。よって、このリンク機構によりマガジン40をより安定的に支持できる。
【0090】
また、リンク機構を構成する複数のパンタグラフ構造110、120、130の一部分ずつが互いに上下に重なるように配置されている。このため、平面視におけるパンタグラフ構造110、120、130同士の重複部分では、リンク機構の強度を一層高めることができる。また、平面視においてパンタグラフ構造110、120、130同士が重複していない部分が存在することによって、リンク機構によりマガジン40を支持可能な面積を拡大することができる。
【0091】
また、複数のパンタグラフ構造110、120、130を構成するリンク112、114、121〜124、131、134の中間部分同士が、平面視におけるそれらの交点にて互いに連結されているので、複数のパンタグラフ構造110、120、130の一体性を向上させ、リンク機構の強度を一層高めることができる。
【0092】
また、第1及び第2側壁部10、20には、リンク機構を構成するパンタグラフ構造110、130の節点を前後移動可能にガイドするガイド部として、ガイド溝13、15、23、25が設けられている。
よって、例えば、平行四辺形のパンタグラフ構造110、130と、菱形のパンタグラフ構造120とを併用し、それらパンタグラフ構造110、120、130によりそれぞれ第1及び第2側壁部10、20間を相互に連結した構造を実現できる。
【0093】
〔第2の実施形態〕
図15は第2の実施形態に係る商品陳列棚200(図16乃至図19)の補助棚部70の平面図である。図16乃至図18は商品陳列棚200の平面図である。図16乃至図18の各図では、商品陳列棚200の横幅が互いに異なり、商品陳列棚200にマガジン40を横並びにして配置できる数は、図16の状態では3つ、図17の状態では4つ、図18の状態では6つである。図19は商品陳列棚200の正面図である。
【0094】
本実施形態に係る商品陳列棚200は、棚部30の構成のみが第1の実施形態に係る商品陳列棚100と相違し、その他の点では商品陳列棚100と同様に構成されている。本実施形態の場合、棚部30は、上記の第1の実施形態に係る商品陳列棚100の棚部30の各構成(つまりパンタグラフ構造110、120、130からなるリンク機構)に加えて、以下に説明する補助棚部70を有している。
【0095】
図16乃至図18、及び、図19に示すように、補助棚部70は、例えば、上記のリンク機構上に載置され、該リンク機構により支持される。上記の第1の実施形態では、リンク機構によってマガジン40を直接支持するのに対し、第2の実施形態では、例えば、補助棚部70によってマガジン40を支持する。
【0096】
補助棚部70は、リンク機構上に搭載されることによって、第1及び第2側壁部10、20間に水平に架設されて、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔を規定の間隔に維持させる。すなわち、補助棚部70は、第1及び第2側壁部10、20同士の対向間隔の縮小を規制する突っ張り板として機能する。
【0097】
ここで、補助棚部70において、第1面11aと第2面21aとのうち何れか一方に沿って延在する部分を第1延在部と称し、第1面11aと第2面21aとのうち何れか他方に沿って延在する部分を第2延在部と称する。
第1延在部は、補助棚部70の一辺であるか、又は、補助棚部70の直線状に並ぶ複数点である。
また、第2延在部は、補助棚部70の辺であっても良いし、補助棚部70の直線状に並ぶ複数点であっても良いし、補助棚部70の一点であっても良い。
補助棚部70の向きを変更することにより、補助棚部70を第1及び第2側壁部10、20間に水平に架設したときの第1及び第2側壁部10、20間の対向間隔を3通り以上に可変となっている。
なお、第2延在部の少なくとも一部分は、第1延在部の後端よりも前に位置し、且つ、第1延在部の前端よりも後に位置していることが好ましい。
補助棚部70は、例えば、平板な板状部材である。
【0098】
補助棚部70は、第1面11aに沿って延在する第1部位と、第2面21aに沿って延在する第2部位と、を有している。例えば、第1部位及び第2部位の各々は、辺であるか、又は、直線状に並ぶ複数点である。補助棚部70は、互いに平行に対向する第1部位と第2部位との組を3組以上(具体的には、例えば、3組)有し、各組の第1部位と第2部位との対向間隔が互いに異なっている。
【0099】
図15に示すように、補助棚部70の平面形状は、例えば、六角形状である。
補助棚部70は、例えば、第2対向間隔D2で互いに平行に対向する第1辺及び第2辺71、72と、第3対向間隔D3で互いに平行に対向する第3辺及び第4辺73、74と、第5対向間隔D5で互いに平行に対向する第5辺及び第6辺75、76と、を有する平面形状に形成されている。
【0100】
より具体的には、例えば、第1辺71と第3辺73とのなす角度α1と、第2辺72と第4辺74とのなす角度α2とが、互いに等しく、且つ、それぞれ150°以上165°以下であり、第3辺73と第6辺76とのなす角度α3と、第4辺74と第5辺75とのなす角度α4とが、互いに等しく、且つ、それぞれ80°以上100°以下であり、第6辺76と第2辺72とのなす角度α5と、第5辺75と第1辺71とのなす角度α6とが、互いに等しく、且つ、それぞれ105°以上120°以下であり、角度α1、α2、α3、α4、α5及びα6の合計が720°であることが好ましい一例である。
【0101】
より具体的には、例えば、角度α1及びα2をそれぞれ約157°とし、角度α3及びα4をそれぞれ約90°とし、角度α5及びα6をそれぞれ約113°とし、対向間隔D2、D3、D5の比D2:D3:D5を約3:4:6とすることが好ましい一例である。補助棚部70の横幅を第2対向間隔D2とすることにより、補助棚部70上に3つのマガジン40を横並びに搭載できる(図16)。また、補助棚部70の横幅を第3対向間隔D3とすることにより、補助棚部70上に4つのマガジン40を横並びに搭載でき(図17)、補助棚部70の横幅を第5対向間隔D5とすることにより、補助棚部70上に6つのマガジン40を横並びに搭載できる(図18)。
【0102】
ここで、現在流通しているたばこ商品60のパッケージの寸法はある程度決まっており、およそ、幅5.5cm、高さ8.5〜9.0cm、奥行き1.3〜2.4cmである。そのため、顧客が銘柄を認識し易いようにたばこ商品60のパッケージを正面に向けて収容するマガジン40の寸法も、ある程度決まっている。コンビニエンスストアの商品陳列棚に採用されているマガジン40については、例えば、幅6.3〜6.5cm、高さ3.8〜4.0cm(奥行きはおよそ50cm弱)である。
このようなマガジン40を補助棚部70上に整列させるために、対向間隔D2、D3、D5は、マガジン40の幅+p(pはマガジン40同士の隙間で、例えば、およそ8mm±2mm)の整数倍に近い間隔が特に好ましい。例えば、第2対向間隔D2は18.9〜19.5cm+3pとすることができ、第3対向間隔D3は25.2cm〜26.0cm+4pとすることができ、第5対向間隔D5は37.8〜39.0cm+6pとすることができる。
【0103】
以上のような第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態に係る商品陳列棚100に補助棚部70を併用することにより、第1及び第2側壁部10、20間の対向間隔を規定の間隔(例えば、第2対向間隔D2、第3対向間隔D3、第5対向間隔D5の何れかの間隔)に容易に維持させることができる。
【0104】
図20は変形例に係る商品陳列棚100の平面図である。このうち図20(a)は、棚部30の横幅が伸びた状態を示し、図20(b)は、棚部30の横幅が縮んだ状態を示す。
【0105】
図20に示すように、この変形例の場合、棚部30は、例えば、前後一対のXリンク構造80、90を有している。前側のXリンク構造80は、第1リンク81と、第2リンク82と、を有している。第1リンク81と第2リンク82とは、連結軸101にて、相互に水平面内で回動可能に連結されている。同様に、後側のXリンク構造90は、第1リンク91と、第2リンク92と、を有し、第1リンク91と第2リンク92とは、連結軸101にて、相互に水平面内で回動可能に連結されている。
【0106】
例えば、第2リンク82の一端(例えば左端)の節点は、棚支持部12の前端部に対して水平面内で回動可能に連結されている。第2リンク82の他端(例えば右端)の節点は、ガイド溝23に連結され、該ガイド溝23に沿って前後に移動可能となっている。
第1リンク81の一端(例えば左端)の節点は、ガイド溝15に連結され、該ガイド溝15に沿って前後に移動可能となっている。第1リンク81の他端(例えば右端)の節点は、棚支持部22の前端部に対して水平面内で回動可能に連結されている。
【0107】
同様に、例えば、第1リンク91の一端(例えば左端)の節点は、棚支持部12の後端部に対して水平面内で回動可能に連結されている。第1リンク91の他端(例えば右端)の節点は、ガイド溝25に連結され、該ガイド溝25に沿って前後に移動可能となっている。
第2リンク92の一端(例えば左端)の節点は、ガイド溝13に連結され、該ガイド溝13に沿って前後に移動可能となっている。第3リンク92の他端(例えば右端)の節点は、棚支持部22の後端部に対して水平面内で回動可能に連結されている。
【0108】
図20の構造の場合も、リンク機構(前後一対のXリンク構造80、90)により、第1及び第2側壁部10、20の対向間隔が伸縮可能となるように、第1及び第2側壁部10、20が連結されている。よって、上記の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0109】
3 装飾表示部
5 装飾表示部
6 載置面
7 ビス
10 第1側壁部
11 本体部
11a 面
12 棚支持部
12a 固定部
12b 突出部
13 ガイド溝
14 軸支孔
15 ガイド溝
16 係止孔
20 側壁部
21 本体部
21a 面
22 棚支持部
23 ガイド溝
24 軸支孔
25 ガイド溝
26 係止孔
30 棚部
40 マガジン
50 前面化粧パネル
51 第1部分
52 第2分
53 第3部分
54 係止突起
55 係止突起
60 たばこ商品
70 補助棚部
71 第1辺
72 第2辺
73 第3辺
74 第4辺
75 第5辺
76 第6辺
80 Xリンク構造
81 第1リンク
82 第2リンク
90 Xリンク構造
91 第1リンク
92 第2リンク
100 商品陳列棚
101 連結軸
110 パンタグラフ構造
111 リンク
112 リンク
113 リンク
114 リンク
115 連結軸
116 連結軸
117 連結軸
118 連結軸
120 パンタグラフ構造
121 リンク
122 リンク
123 リンク
124 リンク
125 連結軸
126 連結軸
127 連結軸
128 連結軸
130 パンタグラフ構造
131 リンク
132 リンク
133 リンク
134 リンク
135 連結軸
136 連結軸
137 連結軸
138 連結軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置される第1及び第2側壁部と、
それぞれマガジンを支持する複数段の棚部と、
を有し、
前記棚部は、前記第1側壁部と前記第2側壁部とを、それらの対向間隔を伸縮可能に連結するリンク機構を有することを特徴とする商品陳列棚。
【請求項2】
前記リンク機構は、前記第1側壁部と前記第2側壁部とを連結する、少なくとも1つのパンタグラフ構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の商品陳列棚。
【請求項3】
前記リンク機構は、複数の前記パンタグラフ構造を有していることを特徴とする請求項2に記載の商品陳列棚。
【請求項4】
前記複数のパンタグラフ構造の一部分ずつが互いに上下に重なるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の商品陳列棚。
【請求項5】
前記複数のパンタグラフ構造を構成するリンクの中間部分同士が、平面視におけるそれらの交点にて互いに連結されることにより、前記複数のパンタグラフ構造が互いに連結されていることを特徴とする請求項4に記載の商品陳列棚。
【請求項6】
前記第1及び第2側壁部には、前記リンク機構の節点を前後移動可能にガイドするガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の商品陳列棚。
【請求項7】
前記第1及び第2側壁部間に水平に架設されることにより、前記第1及び第2側壁部の対向間隔を維持させる補助棚部を更に有し、
前記補助棚部の一辺又は直線状に並ぶ複数点を、前記第1側壁部において前記第2側壁部と対向する面である第1面と、前記第2側壁部において前記第1側壁部と対向する面である第2面と、のうち何れか一方に沿って延在させて、前記補助棚部を前記第1及び第2側壁部間に水平に架設したときの、前記第1及び第2側壁部間の対向間隔を、前記補助棚部の向きを変更することにより3通り以上に可変であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の商品陳列棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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