説明

商品陳列用補助具

【課題】
商品陳列台に用いる商品陳列用補助具であって、商品の陳列形態の自由度が大きく、多様な形態で商品を陳列することができるとともに、野菜等の陳列商品の屑や塵等の清掃が容易であり、衛生的な商品陳列用補助具を提供する。
【解決手段】
商品陳列台1における商品の支持面2上に載置して、前記商品支持面2とは異なる態様で、商品を陳列するための商品陳列用補助具4であって、上面5aを側面視において波形が連続するように形成した敷設シート5と、下面6bに前記敷設シート5の波形と噛み合う波形を設けるとともに、上面6cに商品陳列面を設けた陳列用ブロック6とからなり、敷設シート5を商品陳列台1の商品支持面2上に敷設するとともに、この敷設シート5上に陳列ブロック6を、両者の波形を噛み合わせて載置することにより、陳列用ブロック6を固定的に載置しうるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商店、スーパーマーケット、百貨店等において、商品陳列台上に商品を陳列するために用いる商品陳列用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
商品陳列台を用いた商品陳列では、顧客が多種多様の商品を容易に見得るように、またボリューム感が出るように、商品に対応して様々な陳列形態が採られている。例えば、商品陳列台の水平な陳列面(商品支持面)上に仕切りを設け、該陳列面上に仕切りごとに商品を並べたり、または陳列面を傾斜させて商品を並べたり、あるいは陳列面に雛壇状に形成して各段に商品を並べたりする等の陳列形態が採られている。
【0003】
しかし、多種多様の商品に応じて、頻繁な陳列形態の変更に対応できる商品陳列台を、それぞれ用意しておくことは、費用の面および保管スペースの面で困難である。そのため1台の商品陳列台を、陳列形態を変更できるようにしておき、例えば商品陳列台の陳列面を水平または傾斜させて商品を陳列したり、あるいは陳列面の上に着脱自在な商品陳列用補助具を敷設して、雛壇状に形成し、この雛壇状の各段に商品を陳列したりすることができるようにした商品陳列台が、従来公知である(特許文献1参照)。
【0004】
しかし特許文献1に記載されている商品陳列用補助具は、雛壇状の商品陳列面が、水平面とこの水平面に隣接する垂直面とを連続させた形状で作られているため、表面が球面となっている果物等の商品の場合、陳列したときに、商品と垂直面との間に隙間が生じるため、見栄えが悪いばかりでなく、陳列密度も低く、陳列効率が悪いという問題がある。
【0005】
この問題に対応するため、本願出願人は、先に、幅広面と幅狭面とが、側面視においてほぼ直角をなして前後方向に交互に連続するような商品陳列面を有するとともに、前記幅狭面を、側面視において凹入する円弧面とした商品陳列用補助具に関する発明を特許出願した(特許文献2参照)。
【0006】
前記発明によると、表面が球面となっている商品を陳列する際に、幅狭面に形成した凹入する円弧面を利用して、商品と、垂直面との間に隙間を少なくした状態で陳列することができるため、陳列の見栄えを良くし、購買意欲を高めることができるとともに、陳列密度も上がり、陳列効率を高めることができる。
【0007】
しかし、一方、幅広面と幅狭面とが、側面視においてほぼ直角をなして前後方向に交互に連続するように形成した商品陳列面を有する商品陳列用補助具であるため、商品陳列用補助具の長さが所定以上の大きさを有するものとなり、商品陳列台上に載置する商品陳列用補助具の数を多くすることができず、商品の陳列形態の自由度を大きくし難い面がある。
【0008】
また、商品陳列台の傾斜する商品支持面に、上下方向に等間隔で左右方向のスリットを設け、このスリットに側面視L型の商品陳列用補助具を差込んで商品陳列面を形成するものが公知である(特許文献3参照)。
【0009】
この特許文献3に示されるものは、任意のスリットを選択して商品陳列用補助具を載置できるため、商品の陳列形態の自由度は、比較的大きい。
【0010】
しかし、陳列商品、たとえば野菜等の商品の屑や塵等がスリット内に入り込み、清掃が困難で不衛生であるという問題がある。
【特許文献1】特許第3459059号
【特許文献2】特願2005−320764
【特許文献3】特開2002−58751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記現状に鑑み、商品陳列台に用いる商品陳列用補助具であって、商品の陳列形態の自由度が大きく、多様な形態で商品を陳列することができるとともに、野菜等の陳列商品の屑や塵等の清掃が容易であり、衛生的な商品陳列用補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、「特許請求の範囲」の欄における各請求項に記載するように、次のような構成からなる発明によって解決される。
(1)商品陳列台における商品支持面上に載置して、前記商品支持面におけるのとは異なる態様で、商品を陳列するための商品陳列用補助具であって、上面を側面視において波形が連続するように形成した敷設シートと、下面に前記敷設シートの波形と噛み合う波形を設けるとともに、上面に商品陳列面を設けた陳列用ブロックとからなり、敷設シートを商品陳列台の商品支持面上に敷設するとともに、この敷設シート上に陳列ブロックを、両者の波形を噛み合わせて載置することにより、陳列用ブロックを固定的に載置しうるようにしたとする。
【0013】
(2)上記(1)項において、商品陳列台における商品支持面を、前下がりの傾斜面とする。
【0014】
(3)上記(2)項において、敷設シートの波形を、敷設シートを商品陳列台の傾斜する商品支持面に敷設したときに、刃面が上方を向く鋸歯状とするとともに、陳列用ブロックの下面の波形を、前記鋸歯状の波形に噛み合う形状にする。
【0015】
(4)上記(1)項〜(3)項のいずれかにおいて、陳列用ブロックを、平面視をほぼ四辺形状とするとともに、側面視を横方向に長い三角形状とし、その下方となった面を、敷設シートの波形と噛み合う波形を有するものとし、かつ上方となった面を、商品陳列面とする。
【0016】
(5)上記(4)項において、陳列用ブロックにおける上下の面の下端同士を接続する端面を、凹入する円弧状に形成する。
【0017】
(6)上記(1)項〜(5)項のいずれかにおいて、敷設シートと陳列用ブロックの少なくとも一方の対向する波形面を、弾性材により形成する。
【0018】
(7)上記(6)項において、弾性材を、ポリオレフィン発泡体により形成する。
【0019】
(8)上記(1)項〜(7)項のいずれかにおいて、陳列用ブロックの一方の面を敷設シートに係合させたとき、陳列用ブロックにおける商品陳列面となる上面が、ほぼ水平となるようにする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
請求項1記載の発明によれば、商品陳列用補助具は、上面を側面視において波形が連続するように形成した敷設シートと、下面に前記敷設シートの波形と噛み合う波形を設けるとともに、上面に商品陳列面を設けた陳列用ブロックとから形成されているため、敷設シートを商品陳列台の商品支持面上に敷設したのち、陳列用ブロックを敷設シートの任意の位置に載置するだけで、陳列用ブロックの下面の波形が、敷設シートの上面の波形と噛み合って固定されるため、陳列用ブロックを敷設シート上の所望の位置に載置することができ、商品の陳列形態の自由度が大きい。
【0021】
また、敷設シートの上面は、側面視が波形が連続する形状であるため、スリットのように野菜等の陳列商品の屑や塵等が入り込むことがなく清掃が容易であり、衛生的である。特に、敷設シートは商品陳列台の商品支持面上に、単に敷設してあるだけであるので、敷設シートを商品陳列台の商品支持面から簡単に取りはずし、縦方向にするだけで、商品屑や塵は簡単に取り除かれ、かつ敷設シートの水洗等も用意である。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、商品陳列台における商品支持面を傾斜面とすることにより、売り場の単位面積当りの商品陳列面積を大きくすることができるとともに、商品陳列台の商品支持面を傾斜させても、陳列用ブロックの下面の波形が、敷設シートの波形と噛み合っているため、陳列用ブロックが下方にずれることがない。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、商品陳列台の商品支持面の傾斜角度を大きくしても、陳列用ブロックが下方にずれることがない。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、陳列用ブロックの敷設シート上への載置形態として、陳列用ブロックの前後を逆にした2通りの形態が選択できるとともに、商品陳列面を、前記2通りの載置形態のうちの一方をほぼ水平面、他方を傾斜面となるように容易に構成することができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、側面視において、上下の面の下端同士を接続する端面を、凹入する円弧状に形成してあるため、この円弧面により、球状の果物等を陳列した場合に、隙間が小さくなり、陳列の見栄えがよくなるとともに、陳列密度も向上する。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、敷設シートと陳列用ブロックの少なくとも一方の波形面が弾性材により形成されているため、敷設シートと陳列用ブロックとの波形同士がより密接に噛み合い、陳列用ブロックの位置安定性が一層良好となる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、弾性材がポリオレフィン発泡体により形成されているため、耐水性と耐候性とに優れ、かつ十分な弾性を有するものとすることができる。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、陳列面が水平であるため、商品の陳列が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の商品陳列用補助具を適用した商品陳列台の斜視図、図2は、その要部分解拡大斜視図である。
商品陳列台1は、傾斜した商品支持面2を有し、この商品支持面2の下端前方には、商品の落下防止板3が、その上端3aを商品支持面2の下端2aより上方に突出させて設けられている。
商品支持面2上には、本発明の商品陳列用補助具4が載置されている。
商品陳列用補助具4は、敷設シート5と陳列用ブロック6とよりなる。
敷設シート5は、上面5aを、側面視において、波形が前後方向に連続する波形面としてなり、下面は平面である。
敷設シート5の大きさは、商品陳列台1の商品支持面2とほぼ同じ大きさ、または、敷設シート5数枚を並置することにより、前記商品支持面2とほぼ同じ大きさになるように形成されている。
陳列用ブロック6は、平面視がほぼ四辺形状であるとともに、側面視が横方向に長いほぼ横向き二等辺三角形状をなし、上下の面の下端同士を接続する端面6aは、凹入する円弧面に形成されている。
【0030】
前記二等辺のうち、下面6bを、敷設シート5の上面5aの波形と噛み合う波形面を有するものとし、かつ上面6cを、商品陳列面となるようにしてある。
なお、陳列用ブロック6の側面形は、直角三角形状もしくは楔状あるいは細長台形状であってもよい。
【0031】
図1に示すように、敷設シート5を、商品陳列台1の商品支持面2上に敷設し、この商品支持面2上に、陳列用ブロック6を、商品支持面2と陳列用ブロック6の両者の対向する波形同士が噛み合うように、前後左右方向に連続して載置することにより、雛壇状の商品陳列面が形成されている。
【0032】
敷設シート5と陳列用ブロック6の少なくとも一方の波形面は、弾性材により形成されることが、両者の噛み合いを良好にし、陳列用ブロック6の位置安定性を向上させるうえで好ましい。
【0033】
このためには、敷設シート5と、陳列用ブロック6の全体を弾性材で形成してもよいが、波形面だけを弾性材で形成してもよい。
【0034】
弾性材としては、ポリオレフィン発泡体が、耐水性等とともに、十分な弾性を有するため望ましい。
【0035】
図3は、林檎や蜜柑等の表面が球面を有する商品7を陳列した状態を示す側面図である。
【0036】
雛壇状の各段の上面6cである商品陳列面は、水平となっており、球状の商品7は、陳列用ブロック6における円弧面6aに当接し、隙間が小さくなり、陳列の見栄えがよくなるとともに、陳列密度も向上している。
【0037】
なお、陳列用ブロック6の水平の商品陳列面である上面6cも、ゆるやかな波形が連続する形状に形成されており、これにより陳列商品7の落下が防止されている。
【0038】
図4は、別の陳列形態を示す図3相当の側面図である。
【0039】
図4に示すように、陳列用ブロック6の敷設シート5上への載置を、図3に示す場合と前後を逆にして載置することにより、陳列用ブロック6の商品陳列面6cを傾斜させて、商品7を上下方向にボリューム感を出させて陳列することができる。
この場合、陳列用ブロック6の円弧面である端面6aは、商品7の落下防止の作用をなしている。
【0040】
図5は、敷設シート5上への陳列用ブロック6の別の載置形態を示す図1相当の斜視図である。
図5においては、隣接する各段間において、陳列用ブロック6を左右方向に、陳列用ブロック6の左右方向の幅の2分の1だけずらして載置してある。陳列用ブロック6をずらして載置した段における左右端には、左右方向の幅が2分の1の陳列用ブロック8が載置されている。このような載置形態をとることにより、各陳列用ブロック6、8の位置安定性が向上する。
【0041】
さらに、その他の敷設シート5上への陳列用ブロック6の載置形態として、たとえば、図3と図4に示した陳列用ブロック6の載置形態を前後方向または左右方向に交互に行うか、あるいは、図3または図4のいずれかの載置形態を、左右方向に所定の間隔を設けて行うなどして、種々の変化に富んだ陳列形態を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態の商品陳列用補助具を適用した商品陳列台の斜視図である。
【図2】同じく、本発明の一実施形態の商品陳列用補助具を適用した商品陳列台の要部分解拡大斜視図である。
【図3】商品を陳列した状態を示す側面図である。
【図4】同じく、商品を陳列した状態を示す側面図である。
【図5】敷設シート上への陳列用ブロックの別の載置形態を示す図1相当の斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 商品陳列台
2 商品支持面
2a 下端
3 落下防止板
3a 上端
4 商品陳列用補助具
5 敷設シート
5a 上面
6 陳列用ブロック
6a 端面(円弧面)
6b 下面
6c 商品陳列面(上面)
7 商品
8 陳列用ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列台における商品支持面上に載置して、前記商品支持面におけるのとは異なる態様で、商品を陳列するための商品陳列用補助具であって、上面を側面視において波形が連続するように形成した敷設シートと、下面に前記敷設シートの波形と噛み合う波形を設けるとともに、上面に商品陳列面を設けた陳列用ブロックとからなり、敷設シートを商品陳列台の商品支持面上に敷設するとともに、この敷設シート上に陳列ブロックを、両者の波形を噛み合わせて載置することにより、陳列用ブロックを固定的に載置しうるようにしたことを特徴とする商品陳列用補助具。
【請求項2】
商品陳列台における商品支持面を、前下がりの傾斜面としたことを特徴とする請求項1記載の商品陳列用補助具。
【請求項3】
敷設シートの波形を、敷設シートを商品陳列台の傾斜する商品支持面に敷設したときに、刃面が上方を向く鋸歯状とするとともに、陳列用ブロックの下面の波形を、前記鋸歯状の波形に噛み合う形状にしたことを特徴とする請求項2記載の商品陳列用補助具。
【請求項4】
陳列用ブロックを、平面視をほぼ四辺形状とするとともに、側面視を横方向に長い三角形状とし、その下方となった面を、敷設シートの波形と噛み合う波形を有するものとし、かつ上方となった面を、商品陳列面としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の商品陳列用補助具。
【請求項5】
陳列用ブロックにおける上下の面の下端同士を接続する端面を、凹入する円弧状に形成したことを特徴とする請求項4記載の商品陳列用補助具。
【請求項6】
敷設シートと陳列用ブロックの少なくとも一方の対向する波形面を、弾性材により形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の商品陳列用補助具。
【請求項7】
弾性材を、ポリオレフィン発泡体により形成したことを特徴とする請求項6記載の商品陳列用補助具。
【請求項8】
陳列用ブロックの一方の面を敷設シートに係合させたとき、陳列用ブロックにおける商品陳列面となる上面が、ほぼ水平となるようにしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の商品陳列用補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−206808(P2008−206808A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47483(P2007−47483)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】