説明

四方向で使用出来る二層式靴踵

【課題】お気に入りの靴を長く愛用する目的で、摩耗した靴踵の四方向への取付位置の変更や部品の交換が手軽に行える二層式靴踵を提供する。
【解決手段】 二層式靴踵において、靴踵上層部(1)の中空内に相互の軸が直角に交差した上、歯車が噛み合っている大小一対の傘歯車を設置するとともに、軸が垂直となる傘歯車大(3)の軸内にめねじを刻設し、靴踵下層部(2)に頭部を埋設して固着したおねじ(7)と連結する。その上で靴踵上層部(1)と靴踵下層部(2)の接合動作および分離動作を靴踵上層部(1)の側面から操作する為に、靴踵上層部(1)の側面に水平孔を貫通させて傘歯車小(4)のねじ穴付き頭部を挿設する。また、靴踵上層部(1)と靴踵下層部(2)の接合面の内部形状が四角柱形の面対偶であり、外形が円柱形である靴踵。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はお気に入りの靴を長く愛用する目的で、摩耗した靴踵の四方向への取付位置の変更や部品の交換が手軽に行える二層式靴踵に関するものである。
【技術背景】
【0002】
従来より、靴を長く履く目的で摩耗した靴踵を交換出来る靴や二層式の靴踵がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特許公開2001−314206
【特許文献2】 特許公開 平10−085006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、靴踵を交換する度に中敷きを張り替えたり釘を打ち直したりして、靴本体に手を加え無用の経費と手間を掛けていた点である。
【0005】
そこで、靴製造時の標準品としても汎用交換部品としても利用出来る上、靴の本底への固着後は、靴本体に手を加えず靴踵下層部のみの取付位置の変更や部品の交換だけで済む二層式靴踵を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は二層式靴踵において、靴踵上層部の中空内に相互の軸が直角に交差した上、歯車が噛み合っている大小一対の傘歯車を設置するとともに、軸が垂直となる傘歯車大の軸内にめねじを刻設し、靴踵下層部に頭部を埋設して固着したおねじと連結する。その上で靴踵上層部と靴踵下層部の接合動作および分離動作を靴踵上層部の側面から操作する為に、靴踵上層部の側面に水平孔を貫通させて傘歯車小のねじ穴付き頭部を挿設する。
【0007】
さらに、靴踵下層部の取付位置を四方向に変更させる事と靴踵下層部自体の空回りを防ぐ為に、靴踵上層部と靴踵下層部の接合面の内部形状を四角柱形の面対偶とし、外形を円柱形とする。
【発明の効果】
【0008】
靴の本底に靴踵上層部を固着して、靴製造時の標準品としても汎用交換部品としても利用出来る上、靴踵下層部が摩耗した場合には、靴踵下層部の取付位置の変更や部品の交換が市販のねじ回し用具ひとつで手軽に出来るものである。
【0009】
靴踵下層部が片減りした場合、左右の靴踵下層部をそれぞれ90ずつ四方向に取付位置の変更を行えば摩耗状態を均等に保てるので、お気に入りの靴を長く履く事が可能となり経済的である。
【0010】
また、靴踵下層部を交換する為の傘歯車小のねじ穴付き頭部は直接地面に触れない靴踵上層部側面のあごの部分や内側に設定出来るので、地面からの干渉が少なく傷みにくい上、外観を損なう事もない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図2のA−A断面図と靴への取付想像図である。
【図2】本発明の正面図である。
【図3】本発明の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は靴踵を交換する度に靴本体の中敷きを張り替えたり釘を打ち直したりせずに、摩耗した靴踵下層部のみの取付位置の変更や部品の交換が、手軽に出来る事を条件に実施した。
【実施例】
【0013】
二層式靴踵において、靴踵上層部(1)の中心部の上下に適宜な四角柱形の中空を設け、上の中空の一側面の適宜な位置に中心からの水平孔ひとつを貫通させ、頭部にねじ穴を刻設した傘歯車小(4)の頭部を水平孔の外側から操作出来る様に調整リング小(6)とともに上の中空内に設置する。
【0014】
また、靴踵上層部(1)の中心に適宜な垂直孔を貫通させ、その垂直孔の上部に軸内にめねじを刻設した傘歯車大(3)を傘歯車小(4)と相互の軸が直角に交わる様に歯車を噛み合わせて設置した上、垂直孔の下から調整リング大(5)を挿設する。
【0015】
さらに、靴踵下層部(2)は靴踵上層部(1)の中心部の下面と相互に面対偶をなす様に中心部が隆起した四角柱形とし、その靴踵下層部(2)の中心に四角頭のおねじ(7)の頭部を埋設して固着した上、靴踵上層部(1)の中空内に設置した傘歯車大(3)の軸内のめねじと連結する。
【0016】
その上で靴踵上層部(1)と靴踵下層部(2)の接合動作および分離動作を、靴踵上層部(1)の側面の水平孔に挿設した傘歯車小(4)のねじ穴付き頭部を市販のねじ回し用具によって締め上げれば、靴踵下層部(2)が引き上げられ靴踵上層部(1)との四角柱形における相互の面対偶と相まって接合が安定する。
【0017】
靴の本底と靴踵上層部(1)の固着は接着剤でもねじ締めや釘打ちによっても良い。
【0018】
傘歯車や調整リングなどの部材は金属製でも合成樹脂製でも良い。
【符号の説明】
【0019】
1 靴踵上層部
2 靴踵下層部
3 傘歯車大
4 傘歯車小
5 調整リング大
6 調整リング小
7 四角頭おねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二層式靴踵において、靴踵上層部(1)の中空内に相互の軸が直角に交差した上、歯車が噛み合っている大小一対の傘歯車を設置するとともに、軸が垂直となる傘歯車大(3)の軸内にめねじを刻設し、靴踵下層部(2)に頭部を埋設して固着したおねじ(7)と連結する。その上で靴踵上層部(1)と靴踵下層部(2)の接合動作および分離動作を靴踵上層部(1)の側面から操作する為に、靴踵上層部(1)の側面に水平孔を貫通させて傘歯車小(4)のねじ穴付き頭部を挿設する。以上の構成が特徴の靴踵。
【請求項2】
請求項1において、靴踵上層部(1)と靴踵下層部(2)の接合面の内部形状が四角柱形の面対偶であり、外形が円柱形である靴踵。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−555(P2013−555A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143530(P2011−143530)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【特許番号】特許第5019241号(P5019241)
【特許公報発行日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【出願人】(506141948)
【Fターム(参考)】