回動式扉非常解錠システム
【課題】扉周りの美観上の要請に応えて室外側に扉の非常解用操作部を備えない非表示型ロック手段を付設し、室外側へ外開きするのを戸当りで規制する回動式扉を、非常時に室内側からロック状態にあるときでも、室外側から何ら道具を使わずに簡単に開けることを実現する。
【解決手段】ロック手段Bは、ロックレバー15を摺動可能に連結する取付体20を開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側に取り付け、ロックレバーが開き扉と扉枠間を跨いだ施錠位置に突出していても、開き扉の外開きの妨げにはならない構成にする。しかも、開き扉の外開きを規制する戸当りCは、ストッパ30を、床面fとの間の隙間xと隣接する開き扉の手先側角部38に取付部材25を固定し、その取付部材にストッパを扉枠に当接して開き扉が外開きするのを規制する当接位置から、扉枠から室外側に離して開き扉の外開き規制が解除される退避位置に切り換え移動可能に連結する。
【解決手段】ロック手段Bは、ロックレバー15を摺動可能に連結する取付体20を開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側に取り付け、ロックレバーが開き扉と扉枠間を跨いだ施錠位置に突出していても、開き扉の外開きの妨げにはならない構成にする。しかも、開き扉の外開きを規制する戸当りCは、ストッパ30を、床面fとの間の隙間xと隣接する開き扉の手先側角部38に取付部材25を固定し、その取付部材にストッパを扉枠に当接して開き扉が外開きするのを規制する当接位置から、扉枠から室外側に離して開き扉の外開き規制が解除される退避位置に切り換え移動可能に連結する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレブース等において、打掛錠やスライドボルト等のロック手段でロックされた開き扉等の回動式扉の室内側で使用者が倒れるなど、非常時に、室外側からロック手段によるロックを回避して回動式扉を開けるための回動式扉非常解錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレブース等で回動式扉に付設するロック手段には、ロックレバーを回動して施解錠する打掛錠や直線的に摺動して施解錠するスライドボルト等が使われ、本体を扉の手先側端部の室内側に組み付ける一方、反対の室外側には、扉の施解錠状態を外部に表示する表示器を配設し、それら本体と表示器とを、間に扉を挟んで連結した表示型であるのが一般的である。(特許文献1、2参照)。
【0003】
この種の表示型ロック手段は、ロック状態の開き扉の室内側で使用者が倒れるなど、非常時に備えて、トイレの室外側からでも非常解錠操作できるように、表示器に、室内側のロックレバーと連動する、例えば表側にすり割付きの解錠操作部を備えた構造になっている。従って、非常解錠時は、室外側から、解錠操作部のすり割等にコインやドライバ等の道具を係止させてロックレバーを解錠位置に回動させたり摺動させたりしてロック手段を簡単に解錠できるようにしている。
【0004】
ところで、ホテル等のトイレブースでは、美観上の強い要請から、例えば図17に示すように、それぞれパネル状の開き扉1とその間の扉枠2を直列に配設し、閉時は室外側の全体が面一になるように組み付けた扉構造体3で形成されている。しかし、表示器付きの表示型ロック手段では、扉構造体3の室外側の板面から表示器4…が幾つも突出し、この出っ張りが目だって見栄えが悪く、美的外観の重視されるホテルのトイレブース等では好ましくないという問題があった。
【0005】
そこで、最近、トイレブース等に設置する回動式扉は、たとえば周知のグレビティヒンジを用いて扉枠に回転可能に吊り込み、開時、ロックレバーを解錠位置に動かしてロック状態を解除すると、自動的に室内側に回転(内開き)し、所定開き角度の半開き状態で止めて保持する一方、閉時は、扉枠の笠木や上枠部等に戸当り部を当てて室外側に回転(外開き)するのを規制した構造とし、これにより、室外側から、一見して扉の施解錠状態が判るようにする一方、美観を損なう原因となる表示器を必要としない非表示型のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−256751号公報
【特許文献2】特開2003−106014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来、そのような非表示型のロック手段は、美観に配慮して扉の室外側に表示器を備えない以上、室外側には、構造上、上記した表示型のロック手段のように非常解錠用の操作部を設置する余地がない。そこで、例えばロック状態の開き扉の室内側で使用者が倒れるなどの緊急事態が発生した場合、救出のためには室内が狭いので扉を外側に開けたくても、扉は戸当りで外開きを規制され、内側にのみ開くことが可能であるところ、いまロック手段でロック状態にあるため、内側にも開けることができない。しかも、非表示型ロック手段を付設した回動式扉には、上述のように室外側に非常解錠用の操作部がない以上、結局、面倒でも、身の回りの道具を使ってロック手段や戸当り部を外したり、場合によっては扉自体を外したりしない限り開けることができないと云う課題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、扉周りの美観上の要請に応えて室外側に扉の非常解用操作部を備えないロック手段を付設し、室外側へ外開きするのを戸当りで規制する回動式扉を、非常時に室内側からロック状態にあるときでも、室外側から何ら道具を使わずに簡単に開けることを実現することにある。
【0009】
そのため、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、回動式扉Dを、吊元側のヒンジ部hにより回転可能に扉枠Fに吊り込んで内外両開き可能に組み付ける一方、該扉枠Fと前記扉Dを閉時には直列に配設する扉構造体Aと、ロックレバー15を、室内側から前記扉Dの開閉をロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置との間を移動させて前記扉Dを施解錠する一方、該扉Dの非常解用操作部を室外側に備えないロック手段Bと、室内外に通ずる隙間xと隣接した前記扉Dの手先側角部38に取付部材25を固定し、該取付部材25にストッパ30を、前記扉Dの閉時は前記扉枠Fに当接して前記扉Dが室外側へ回転して外開きするのを規制する当接位置と、開時は前記扉枠Fから離して前記扉Dの外開き規制を解除する退避位置とに切り換え移動可能に連結してなる戸当りCとを備え、前記ロック手段Bは、前記ロックレバー15を移動可能に連結する取付体20を、前記扉Dの手先側と対向する前記扉枠Fの端部室内側に固着し、非常解錠時は、前記戸当りCのストッパ30を、室外側から前記隙間xを通して前記当接位置から前記退避位置に切り換え移動させて前記扉Dの外開き規制を解除してなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回動式扉非常解錠システムにおいて、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記戸当りCは、前記開き扉Dの閉時、前記取付部材25に前記ストッパ30を係脱可能に掛け止めると共に該ストッパ30にトリガ35を係脱可能に係着して前記ストッパ30を回転規制状態で当接位置に保持してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、非表示型ロック手段を付設しているために、室外側に非常解錠用の操作部のない回動式扉を、そのロック手段でロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなど非常時に、室内側へ回転して開けたくても、前記扉は、いまロック手段でロックされて内開き規制状態にあるため、室外側に開けたくても、戸当りで外開き規制状態にあるが、そのような場合でも、ロック手段は、ロックレバーを移動可能に連結する取付体を開き扉の手先側と対向する扉枠の端部室内側に取り付けるから、ロックレバーが開き扉と扉枠間を跨いだ施錠位置に突出していても、開き扉の外開きの妨げにはならず、一方、いま開き扉の外開きを規制した戸当りは、ストッパを、室内外と通ずる隙間と隣接する開き扉の手先側角部に取付部材を固定し、その取付部材にストッパを扉枠に当接して開き扉D外開きするのを規制する当接位置から、扉枠から室外側に離して開き扉の外開き規制が解除される退避位置とに切り換え移動可能に連結しているため、何ら身の回りの道具を使わずとも、室外側から、隙間を通して戸当りのストッパを扉枠から室外側に離れた退避位置に切り換え移動する簡単な外部操作で非常解錠して開き扉を外開きすることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、戸当りは、開き扉の閉時、取付部材に係脱可能にストッパを掛け止めると共にストッパに係脱可能にトリガを係着してストッパを回転規制状態で当接位置に保持する構成にすることにより、取付部材に対する掛け止めを外してストッパを、開き扉の外開き規制が解除される退避位置に切り換え移動させるには、その前にストッパに対するトリガの係着状態を解除する操作が必要であり、そのように2段操作が必要な構成にすることにより、例えば掃除中に偶然に掃除具が軽く当ったりする程度でも簡単に戸当りのストッパが動いて切り換わり誤って開き扉が外開きしてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)本発明の一例である回動式扉非常解錠システムを適用した扉構造体を閉扉状態において示す斜視図、(b)非常解錠時に戸当りによる開き扉の外開き規制を解除した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図2】扉構造体を、開き扉を閉めてロックした状態において室外側から視て示す正面図である。
【図3】ロック手段を示す分解斜視図である。
【図4】ロック手段を示す組立斜視図である。
【図5】戸当りを示す分解斜視図である。
【図6】(a1)戸当りを組み立てて戸当り状態で示す斜視図、(a2)a1の戸当りを向きを変えて示す斜視図、(b1)戸当りを戸当り解除状態で示す斜視図、(b2)b1の戸当りを向きを変えて示す斜視図である。
【図7】戸当りを(a)通常の戸当り状態で示す斜視図、(b)トリガを外した状態で示す斜視図、(c)非常解錠時の戸当り解除状態で示す斜視図である。
【図8】扉構造体を(a)開き扉を閉めてロックした状態において室内側から視て示す背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図9】扉構造体を(a)開き扉をロック解除した半開き状態において室内側から示す背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図10】扉構造体を開き扉をロック解除した半開き状態において室外側から示す正面図である。
【図11】扉構造体を、非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室内側から視て示す斜視図である。
【図12】扉構造体を、非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室内側から視て示す背面図である。
【図13】扉構造体を、非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室外側から視て示す正面図である。
【図14】ロック手段が打掛錠の扉構造体を(a)開き扉を閉めてロックした状態において室内側から視て示す図8と同様な背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図15】ロック手段が打掛錠の扉構造体を(a)開き扉をロック解除した半開き状態において室内側から示す図9と同様な背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図16】ロック手段が打掛錠の扉構造体を(a)非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室内側から視て示す図12と同様な背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図17】従来の表示型ロック手段を付設したトイレブースの扉構造体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1(a)は本発明の回動式扉非常解錠システムを適用した扉構造体を閉扉状態において示す斜視図、(b)は非常解錠時に戸当りによる開き扉の外開き規制を解除した状態を示す部分拡大斜視図、図2は扉構造体を、開き扉を閉めてロックした状態において室外側から視て示す正面図である。図中符号Aで示す扉構造体は、例えばトイレブース内に設置した扉体で、ロック手段Bと、戸当りCとで本発明の回動式扉非常解錠システムを構成するようになっている。
【0016】
図示例の扉構造体Aは、それぞれパネル状をなす回動式扉の開き扉Dと開き扉Dを支持する扉枠Fを複数組備え、それら開き扉Dと扉枠Fを、互いの縦長な縦框面を突き合わせて直列に配設し、笠木Eで扉枠F間を連結して閉時は室外側の板面が面一になるように組み付け、開き扉Dと床面fの間と、開き扉Dと笠木Eの間には、それぞれ横長な隙間x・yが形成される構造になっている。開き扉Dは、吊元側を周知のグレビティヒンジからなるヒンジ部hにより正逆回転可能に扉枠Fに軸釣して内外両開き可能に組み付け、開時、ロック手段Bによるロックを解除すると、自動的に室内側へ回転(内開き)して後、所定開き角度の半開き状態で止めて保持されるようになっている。
【0017】
ロック手段Bは、金属製のロックレバー15と、樹脂製の取付体20のみからなり、開き扉Dの施解錠状態を室外側に表示する表示器を備えない非表示型の錠手段である。
【0018】
ロックレバー15は、図3および図4に示すように、全体に略みぞ形に成形し、特に、その溝部開口縁に、互いに対向して断面略L形状に曲げ延びる係合片15aを有するが、係合片15aの一側に、その一部を切り欠いて突当て段部(図示省略)を設けている。取付体20は、ベースプレート21とストッププレート22の2体に分割し、ベースプレート21には、片側板面にストッププレート22を嵌め込む嵌合凹部21aを設けると共に両側面に長手方向に沿ってガイド溝21bを凹設し、ストッププレート22には、長さ方向一端側にL状に曲げ延びる一対の弾性片22aを突設してなる。
【0019】
そこで、ロック手段Bは、開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fに組み付ける。即ち、開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側にベースプレート21をねじ止めしてから、嵌合凹部21aにストッププレート22を嵌め合わせて取付体20を組み立てる。それから、ガイド溝21bにロックレバー15の係合片15aを係合し、ドライバ等を使って弾性片22aを押え付けながら、ロックレバー15をスライドさせ、取付体20に設ける規制凸部(図示省略)がロックレバー15側の突当て段部間に位置するスライド規制位置にセットする。すると、弾性片22aの弾性復帰力でストッププレート22が、規制凸部と突当て段部との係合高さ位置まで押し上げられる。しかる後、ロックレバー15の両端にキャップ23を被せると、図4に示すようにロック手段Bが組み立てられる。そこで、ロック手段Bは、ロックレバー15を、規制凸部が突当て段部に突き当たるスライド規制範囲の間で摺動させると、それに従って開き扉Dが施解錠される。即ち、ロックレバー15を、室内側から、規制凸部が突当て段部に突き当たる一側の開き扉Dがロックされる施錠位置と、他側のロックが解除される解錠位置との間を直線的に摺動して開き扉Dを施解錠する。
【0020】
戸当りCは、図5および図6に示すように、取付部材25と、ストッパ30と、トリガ35とからなる。取付部材25は、やや縦長な金属板を曲げて成形し、複数のねじ挿通穴を有する固定板部25aと、固定板部25aの片側側縁の長さ方向両端からそれぞれ直角に曲げて互いに向き合う方向に突設した一対の支持片25b・25cを有する。固定板部25aには、図中上側の支持片25b側の角縁から図中上向きの長さ方向にフック部25dを突設する一方、下側の支持片25c側の角縁を支持片25cまで円弧状に切り欠いて逃げ凹部25eを形成している。支持片25b・25cには、それらの間隔より長い丸軸状の枢軸26を挿通する軸穴27・27が設けられている。
【0021】
ストッパ30は、ホルダ31とパッド32とからなる。ホルダ31は、やや縦長な金属板をコ形に曲げてつくり、両端の向い合う方向に突出した図中上下の係止片31a・31bにおいて、それぞれ一端側に枢軸26が挿通する軸穴33・33を設ける一方、他端側を切り欠いて幅狭なパッド取付部31c・31cを形成する。係止片31a・31bには、パッド取付部31cと軸穴33の間に連結ピン28が嵌合するピン穴29・29を設け、一方の係止片31aには、加えて幅方向に長い矩形の掛け止め穴34が設ける。パッド取付部31c・31cには、互いに向き合う方向に押え凸部31dを突設する。パッド32は、クッション性をもったゴムや軟質プラスチックなどで、やや縦長な略矩形のブロック状に成形し、ホルダ31のパッド取付部31c・31c間に押え凸部31d・31dの食い込み状態で挟んで接着している。
【0022】
トリガ35は、金属製で、枢軸26と対応する長さの支持シャフト35aの両端に、略矩形板片状のアーム片35b・35cを互いに向い合う方向に突設している。支持シャフト35aには、図中下側のアーム片35c寄りに規制突部35dを突設する一方、規制突部35dとアーム片35cとの間には、ストッパ30の係止片31bの厚さに対応し、その係止片31bが係合可能な間隙を開けて係合溝37を凹設する。規制突部35dは、突出方向先端に枢軸26の周面形状に合わせた曲面からなる嵌合凹面19を形成してなる。アーム片35b・35cには、ホルダ31のピン穴29と対応する連結ピン28のピン穴39・39が設けられ、下側のアーム片35cの図中下面には、外部操作用の摘み部35eが突設されている。
【0023】
そこで、戸当りCは、ストッパ30の係止片31a・31bとトリガ35のアーム片35b・35cを重ねてピン穴29・39に連結ピン28を挿着し、トリガ35をストッパ30に連結ピン28を支点として回動可能に連結する。次いで、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34に掛け止めてストッパ30を回転規制状態とし、取付部材25の固定板部25aに対して直角な向きに配置してから、枢軸26を取付部材25の軸穴27とストッパ30の軸穴33に挿通し、ストッパ30を、取付部材25にEリング41とOリング42を用いて枢軸26を中心に回動可能に連結すると共に、図6(a1)・(a2)に示すように、枢軸26の下縁と支持片25c間の枢軸26の下端軸部26aに沿って図中上下に移動可能に連結する。それから、トリガ35を連結ピン28を中心として図中矢示す一方向に回転して係合溝37にストッパ30の係止片31bを係合させる一方、規制突部35dの嵌合凹面19を枢軸26の下端部26aに嵌合させて、ストッパ30の上下動規制状態でトリガ35を取付部材25に連結する。
【0024】
以って、戸当りCは、掛け止め穴34に取付部材25のフック部25dを掛け止めてストッパ30を回転規制した状態で、取付部材25の固定板部25に対して直角な戸当り位置に保持すると共に、係止片31bをトリガ35の係合溝37に係合して上下動も規制した状態にして組み立てる。そこで、戸当りCは、摘み部35eを持ってトリガ35を図6(b1)・(b2)中矢示する他方向に回転し、係止片31bを係合溝37から外してトリガ35によるストッパ30の上下動規制状態を解除してから、ストッパ30を下降し、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34から外してストッパ30の回転規制状態を解除すれば、ストッパ30を、取付部材25の固定板部25aから鈍角に開いて離れた退避位置に切り換え移動可能に取付部材25に連結した構造になっている。
【0025】
そこで、本発明において、扉構造体Aには、図1に示すように、開き扉Dの下端の手先側角部38と、それと対向する扉枠Fの端部とにわたり、図6(a1)・(a2)に示した前記組立状態の戸当りCの外形状に合わせて、扉側の取付段部44aと扉枠側の受け段部44bからなる戸当り凹部44を形成する。
【0026】
一方、戸当りCは、前記組立状態、即ち、ストッパ30を、掛け止め穴34に取付部材25のフック部25dを掛け止めて回転規制した戸当り位置に保持すると共に、係止片31bをトリガ35の係合溝37に係合させ上下動の規制状態において、取付部材25の固定板部25aを、図6(a1)に示すように、扉側の取付段部44aの端面43にねじ止めし、ストッパ30のパッド32を室内側に向けた状態で手先側角部38から扉枠Fの受け段部44bに向けて突出させて開き扉Dに組み付けてなる。
【0027】
さて、本発明において、トイレの使用時、開き扉Dをロックするときは、いまトイレの室内側に半開き状態で開いた開き扉Dを、トイレ室内から閉止させてから、いま扉枠F側の解錠位置にあるロック手段Bのロックレバー15を取付体20に対し、図1(a)・図8中矢印方向に摺動し、開き扉Dと扉枠F間に跨る施錠位置まで突出させて開き扉Dをロックし、室内側に内開きするのを規制する。このとき、トイレ室内から開き扉Dを閉止すると、回転規制状態で戸当り位置に保持した戸当りCのストッパ30が扉枠Fの受け段部44bにパッド32を介して当接して開き扉Dが室外側へ外開きするのを規制し、以って、開き扉Dをロックする。なお、この開き扉Dの閉時、扉構造体Aにおいて、戸当りCは、出っ張ることなく、開き扉Dと扉枠Fの室外側の板面と面一に戸当り凹部44内に納まっている。
【0028】
一方、開き扉Dのロックを解除するときは、トイレの室内側から、施錠位置にあるロックレバー15を、図9に示すように解錠位置へ摺動する。すると、開き扉Dは、図10でも示すように、グレビティヒンジのヒンジ部hにより自動的に室内側へ回転し、所定開き角度の半開き状態で止めて保持され、これにより、ロック手段Bに開き扉の施解錠状態を室外側に表示する表示器を備えなくても、室外側から開き扉Dの開き具合を一見して施解錠状態、即ち、トイレの使用状態が判るようになっている。
【0029】
他方、開き扉Dをロック手段Bでロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなど非常時に、室外側から開き扉Dを非常解錠するときは、床面fとの間の隙間xに手を入れて、まず、戸当りCのトリガ35を、摘み部35eを摘んで図7(a)中矢示する他方向に回転し、図7(b)に示すように、係止片31bを係合溝37から外してトリガ35によるストッパ30の上下動規制状態を解除する。しかる後、ストッパ30を引き下げて、図7(c)に示すように、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34から外し、ストッパ30の回転規制状態を解除し、図11、図12および図13に示すように、扉枠Fの受け段部44bに当接した戸当り位置にあったストッパ30を、枢軸26を中心に回転して扉枠Fから室外側へ離れた退避位置に切り換え移動させて開き扉Dの外開き規制を解除し、以って、開き扉Dを非常解錠する。
【0030】
従って、本発明では、上述のように非表示型ロック手段Bを付設しているために、室外側に非常解錠用の操作部のない開き扉Dを、そのロック手段Bでロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなどの非常時に、室内側に開けたくても、開き扉Dは、いまロック手段Bでロックされて内開き規制状態にあり、室外側に開けたくても、戸当りCで外開き規制状態にあるが、そのような場合でも、ロック手段Bは、ロックレバー15を摺動可能に連結する取付体20を開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側に取り付けるから、ロックレバー15が開き扉Dと扉枠F間を跨いだ施錠位置に突出していても、開き扉Dの外開きの妨げにはならず、一方、いま開き扉Dの外開きを規制した戸当りCは、ストッパ30を、床面fとの間の隙間xと隣接する開き扉Dの手先側角部38に取付部材25を固定し、その取付部材25にストッパ35を扉枠Fの受け段部44bに当接して開き扉Dが外開きするのを規制する当接位置から、扉枠Fから室外側に離して開き扉Dの外開き規制が解除される退避位置に切り換え移動可能に連結しているため、何ら身の回りの道具を使わずとも、室外側から、隙間xを通して戸当りCのストッパ35を扉枠Fから室外側に離れた退避位置に切り換え移動させる簡単な外部操作で非常解錠して開き扉Dを外開きすることができる。
【0031】
上述した図示実施の形態において、ロック手段Bは、ロックレバー15を施錠位置と解錠位置との間を直線的に摺動させて施解錠するスライドボルトであったが、本発明では、それに限らず、例えば以下の図示実施の形態に示すように、ロックレバーを施錠位置と解錠位置との間を回動させて施解錠する打掛錠等であってもよい。なお、ロック手段が打掛錠の下記図示実施の形態において、上記図示実施の形態における構成と同一のものは同じ符号を付して説明する。
【0032】
図示他例の回動式扉非常解錠システムは、図14、図15および図16に示すように、トイレブース内に設置した扉構造体Aと、打掛錠のロック手段B´と、開き扉Dの手先側角部38に組み付けた戸当りCとにより構成されている。
【0033】
打掛錠のロック手段B´は、ロックレバー40と、取付体45と、レバー受け50のみからなり、開き扉Dの施解錠状態を室外側に表示する表示器を備えない非表示型の錠手段である。ロックレバー40は、樹脂製の円形キャップ状の支持カバー40aと金属製の棒状レバー本体40bとを備え、レバー本体40bを支持カバー40aの径方向に貫挿してインサート成形によって一体化してなる。取付体45は、複数のねじ挿通穴を有した金属製の丸座状に形成してなる。一方、レバー受け50は、固定板片に化粧キャップを被せた取付座50aと、取付座50aの一端に直角に立設した丸軸状の受け部50bとからなる。
【0034】
図示他例において、ロック手段B´は、開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側に取付体45をねじ止めしてから、取付体45に支持カバー40aを被せて回動可能にロックレバー40を嵌着し、レバー本体40bが垂直に起立した解錠位置と水平に倒れた施錠位置との間の角度範囲で回動するようにロックレバー40を取付体45に連結してなる。一方、レバー受け50は、ロックレバー40が施錠位置にあるときレバー本体40bが受け部50bに係止する高さ位置において、開き扉Dの手先側の端部室内側に固着してなる。
【0035】
さて、図示他例において、トイレの使用時、開き扉Dをロックするときは、いまトイレ室内側に半開き状態で開いた開き扉Dを、トイレ室内から閉止させてから、扉枠F側の解錠位置に起立したロックレバー40を取付体45に対し、図14中矢印方向に回動し、レバー本体40bがレバー受け50の受け部50bに係止して開き扉Dと扉枠F間に跨る施錠位置に倒して開き扉Dをロックし、室内側に内開きするのを規制する。このとき、トイレ室内から開き扉Dを閉止すると、回転規制状態で戸当り位置に保持した戸当りCのストッパ30が扉枠Fの受け段部44bにパッド32を介して当接して開き扉Dが室外側へ外開きするのを規制し、以って、開き扉Dをロックする。一方、開き扉Dのロックを解除するときは、トイレ室内側から、施錠位置にあるロックレバー40を、図15に示すように解錠位置へ回動し、開き扉Dの内開き規制を解除する。すると、開き扉Dは、グレビティヒンジのヒンジ部hにより自動的に室内側へ回転し、所定開き角度の半開き状態で止めて保持される。
【0036】
他方、開き扉Dをロック手段B´の打掛錠でロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなど非常時に、室外側から開き扉Dを非常解錠するときは、床面fとの間の隙間xに手を入れて、まず、図7(a)・(b)・(c)に示したと同様に、戸当りCに備えるトリガ35の摘み部35eを摘んでトリガ35を回転し、係止片31bを係合溝37から外してトリガ35によるストッパ30の上下動規制状態を解除する。しかる後、ストッパ30を引き下げて、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34から外し、ストッパ30の回転規制状態を解除し、扉枠Fの受け段部44bに当接した戸当り位置にあったストッパ30を、図16に示すように、枢軸26を中心に回転させて扉枠Fから室外側へ離れた退避位置に切り換え移動させて開き扉Dの外開き規制を解除し、以って、開き扉Dを非常解錠する。
【0037】
このようにロック手段B´が打掛錠の図示他例においても、何ら身の回りの道具を使わずとも、室外側から、隙間xを通して戸当りCのストッパ35を扉枠Fから室外側に離れた退避位置に切り換え移動させる簡単な外部操作で非常解錠して開き扉Dを外開きすることができる
【0038】
上述した図示実施の形態において、戸当りCは、開き扉Dの下端側の手先側角部38に組み付けるが、手を使ってストッパ30を切り換え移動操作できる高さの部位であれば、開き扉Dと笠木E間の隙間yと隣接した開き扉Dの上端側の手先側角部に組み付けるようにしてもよい。
【0039】
なお、以上の図示実施の形態において、扉は、開き扉Dであったが、吊元側のヒンジ部により回動可能に吊り込む回動式扉であれば、開き扉に限らず、折戸等であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
A 扉構造体
B・B´ ロック手段
C 戸当り
D 開き扉
E 笠木
F 扉枠
f 床面
h ヒンジ
x・y 隙間
15 ロックレバー
20 取付体
25 取付部材
30 ストッパ
35 トリガ
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレブース等において、打掛錠やスライドボルト等のロック手段でロックされた開き扉等の回動式扉の室内側で使用者が倒れるなど、非常時に、室外側からロック手段によるロックを回避して回動式扉を開けるための回動式扉非常解錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレブース等で回動式扉に付設するロック手段には、ロックレバーを回動して施解錠する打掛錠や直線的に摺動して施解錠するスライドボルト等が使われ、本体を扉の手先側端部の室内側に組み付ける一方、反対の室外側には、扉の施解錠状態を外部に表示する表示器を配設し、それら本体と表示器とを、間に扉を挟んで連結した表示型であるのが一般的である。(特許文献1、2参照)。
【0003】
この種の表示型ロック手段は、ロック状態の開き扉の室内側で使用者が倒れるなど、非常時に備えて、トイレの室外側からでも非常解錠操作できるように、表示器に、室内側のロックレバーと連動する、例えば表側にすり割付きの解錠操作部を備えた構造になっている。従って、非常解錠時は、室外側から、解錠操作部のすり割等にコインやドライバ等の道具を係止させてロックレバーを解錠位置に回動させたり摺動させたりしてロック手段を簡単に解錠できるようにしている。
【0004】
ところで、ホテル等のトイレブースでは、美観上の強い要請から、例えば図17に示すように、それぞれパネル状の開き扉1とその間の扉枠2を直列に配設し、閉時は室外側の全体が面一になるように組み付けた扉構造体3で形成されている。しかし、表示器付きの表示型ロック手段では、扉構造体3の室外側の板面から表示器4…が幾つも突出し、この出っ張りが目だって見栄えが悪く、美的外観の重視されるホテルのトイレブース等では好ましくないという問題があった。
【0005】
そこで、最近、トイレブース等に設置する回動式扉は、たとえば周知のグレビティヒンジを用いて扉枠に回転可能に吊り込み、開時、ロックレバーを解錠位置に動かしてロック状態を解除すると、自動的に室内側に回転(内開き)し、所定開き角度の半開き状態で止めて保持する一方、閉時は、扉枠の笠木や上枠部等に戸当り部を当てて室外側に回転(外開き)するのを規制した構造とし、これにより、室外側から、一見して扉の施解錠状態が判るようにする一方、美観を損なう原因となる表示器を必要としない非表示型のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−256751号公報
【特許文献2】特開2003−106014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来、そのような非表示型のロック手段は、美観に配慮して扉の室外側に表示器を備えない以上、室外側には、構造上、上記した表示型のロック手段のように非常解錠用の操作部を設置する余地がない。そこで、例えばロック状態の開き扉の室内側で使用者が倒れるなどの緊急事態が発生した場合、救出のためには室内が狭いので扉を外側に開けたくても、扉は戸当りで外開きを規制され、内側にのみ開くことが可能であるところ、いまロック手段でロック状態にあるため、内側にも開けることができない。しかも、非表示型ロック手段を付設した回動式扉には、上述のように室外側に非常解錠用の操作部がない以上、結局、面倒でも、身の回りの道具を使ってロック手段や戸当り部を外したり、場合によっては扉自体を外したりしない限り開けることができないと云う課題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、扉周りの美観上の要請に応えて室外側に扉の非常解用操作部を備えないロック手段を付設し、室外側へ外開きするのを戸当りで規制する回動式扉を、非常時に室内側からロック状態にあるときでも、室外側から何ら道具を使わずに簡単に開けることを実現することにある。
【0009】
そのため、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、回動式扉Dを、吊元側のヒンジ部hにより回転可能に扉枠Fに吊り込んで内外両開き可能に組み付ける一方、該扉枠Fと前記扉Dを閉時には直列に配設する扉構造体Aと、ロックレバー15を、室内側から前記扉Dの開閉をロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置との間を移動させて前記扉Dを施解錠する一方、該扉Dの非常解用操作部を室外側に備えないロック手段Bと、室内外に通ずる隙間xと隣接した前記扉Dの手先側角部38に取付部材25を固定し、該取付部材25にストッパ30を、前記扉Dの閉時は前記扉枠Fに当接して前記扉Dが室外側へ回転して外開きするのを規制する当接位置と、開時は前記扉枠Fから離して前記扉Dの外開き規制を解除する退避位置とに切り換え移動可能に連結してなる戸当りCとを備え、前記ロック手段Bは、前記ロックレバー15を移動可能に連結する取付体20を、前記扉Dの手先側と対向する前記扉枠Fの端部室内側に固着し、非常解錠時は、前記戸当りCのストッパ30を、室外側から前記隙間xを通して前記当接位置から前記退避位置に切り換え移動させて前記扉Dの外開き規制を解除してなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回動式扉非常解錠システムにおいて、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記戸当りCは、前記開き扉Dの閉時、前記取付部材25に前記ストッパ30を係脱可能に掛け止めると共に該ストッパ30にトリガ35を係脱可能に係着して前記ストッパ30を回転規制状態で当接位置に保持してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、非表示型ロック手段を付設しているために、室外側に非常解錠用の操作部のない回動式扉を、そのロック手段でロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなど非常時に、室内側へ回転して開けたくても、前記扉は、いまロック手段でロックされて内開き規制状態にあるため、室外側に開けたくても、戸当りで外開き規制状態にあるが、そのような場合でも、ロック手段は、ロックレバーを移動可能に連結する取付体を開き扉の手先側と対向する扉枠の端部室内側に取り付けるから、ロックレバーが開き扉と扉枠間を跨いだ施錠位置に突出していても、開き扉の外開きの妨げにはならず、一方、いま開き扉の外開きを規制した戸当りは、ストッパを、室内外と通ずる隙間と隣接する開き扉の手先側角部に取付部材を固定し、その取付部材にストッパを扉枠に当接して開き扉D外開きするのを規制する当接位置から、扉枠から室外側に離して開き扉の外開き規制が解除される退避位置とに切り換え移動可能に連結しているため、何ら身の回りの道具を使わずとも、室外側から、隙間を通して戸当りのストッパを扉枠から室外側に離れた退避位置に切り換え移動する簡単な外部操作で非常解錠して開き扉を外開きすることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、戸当りは、開き扉の閉時、取付部材に係脱可能にストッパを掛け止めると共にストッパに係脱可能にトリガを係着してストッパを回転規制状態で当接位置に保持する構成にすることにより、取付部材に対する掛け止めを外してストッパを、開き扉の外開き規制が解除される退避位置に切り換え移動させるには、その前にストッパに対するトリガの係着状態を解除する操作が必要であり、そのように2段操作が必要な構成にすることにより、例えば掃除中に偶然に掃除具が軽く当ったりする程度でも簡単に戸当りのストッパが動いて切り換わり誤って開き扉が外開きしてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)本発明の一例である回動式扉非常解錠システムを適用した扉構造体を閉扉状態において示す斜視図、(b)非常解錠時に戸当りによる開き扉の外開き規制を解除した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図2】扉構造体を、開き扉を閉めてロックした状態において室外側から視て示す正面図である。
【図3】ロック手段を示す分解斜視図である。
【図4】ロック手段を示す組立斜視図である。
【図5】戸当りを示す分解斜視図である。
【図6】(a1)戸当りを組み立てて戸当り状態で示す斜視図、(a2)a1の戸当りを向きを変えて示す斜視図、(b1)戸当りを戸当り解除状態で示す斜視図、(b2)b1の戸当りを向きを変えて示す斜視図である。
【図7】戸当りを(a)通常の戸当り状態で示す斜視図、(b)トリガを外した状態で示す斜視図、(c)非常解錠時の戸当り解除状態で示す斜視図である。
【図8】扉構造体を(a)開き扉を閉めてロックした状態において室内側から視て示す背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図9】扉構造体を(a)開き扉をロック解除した半開き状態において室内側から示す背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図10】扉構造体を開き扉をロック解除した半開き状態において室外側から示す正面図である。
【図11】扉構造体を、非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室内側から視て示す斜視図である。
【図12】扉構造体を、非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室内側から視て示す背面図である。
【図13】扉構造体を、非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室外側から視て示す正面図である。
【図14】ロック手段が打掛錠の扉構造体を(a)開き扉を閉めてロックした状態において室内側から視て示す図8と同様な背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図15】ロック手段が打掛錠の扉構造体を(a)開き扉をロック解除した半開き状態において室内側から示す図9と同様な背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図16】ロック手段が打掛錠の扉構造体を(a)非常解錠時に戸当りの開き扉の外開き規制を解除した開扉状態において室内側から視て示す図12と同様な背面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図17】従来の表示型ロック手段を付設したトイレブースの扉構造体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1(a)は本発明の回動式扉非常解錠システムを適用した扉構造体を閉扉状態において示す斜視図、(b)は非常解錠時に戸当りによる開き扉の外開き規制を解除した状態を示す部分拡大斜視図、図2は扉構造体を、開き扉を閉めてロックした状態において室外側から視て示す正面図である。図中符号Aで示す扉構造体は、例えばトイレブース内に設置した扉体で、ロック手段Bと、戸当りCとで本発明の回動式扉非常解錠システムを構成するようになっている。
【0016】
図示例の扉構造体Aは、それぞれパネル状をなす回動式扉の開き扉Dと開き扉Dを支持する扉枠Fを複数組備え、それら開き扉Dと扉枠Fを、互いの縦長な縦框面を突き合わせて直列に配設し、笠木Eで扉枠F間を連結して閉時は室外側の板面が面一になるように組み付け、開き扉Dと床面fの間と、開き扉Dと笠木Eの間には、それぞれ横長な隙間x・yが形成される構造になっている。開き扉Dは、吊元側を周知のグレビティヒンジからなるヒンジ部hにより正逆回転可能に扉枠Fに軸釣して内外両開き可能に組み付け、開時、ロック手段Bによるロックを解除すると、自動的に室内側へ回転(内開き)して後、所定開き角度の半開き状態で止めて保持されるようになっている。
【0017】
ロック手段Bは、金属製のロックレバー15と、樹脂製の取付体20のみからなり、開き扉Dの施解錠状態を室外側に表示する表示器を備えない非表示型の錠手段である。
【0018】
ロックレバー15は、図3および図4に示すように、全体に略みぞ形に成形し、特に、その溝部開口縁に、互いに対向して断面略L形状に曲げ延びる係合片15aを有するが、係合片15aの一側に、その一部を切り欠いて突当て段部(図示省略)を設けている。取付体20は、ベースプレート21とストッププレート22の2体に分割し、ベースプレート21には、片側板面にストッププレート22を嵌め込む嵌合凹部21aを設けると共に両側面に長手方向に沿ってガイド溝21bを凹設し、ストッププレート22には、長さ方向一端側にL状に曲げ延びる一対の弾性片22aを突設してなる。
【0019】
そこで、ロック手段Bは、開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fに組み付ける。即ち、開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側にベースプレート21をねじ止めしてから、嵌合凹部21aにストッププレート22を嵌め合わせて取付体20を組み立てる。それから、ガイド溝21bにロックレバー15の係合片15aを係合し、ドライバ等を使って弾性片22aを押え付けながら、ロックレバー15をスライドさせ、取付体20に設ける規制凸部(図示省略)がロックレバー15側の突当て段部間に位置するスライド規制位置にセットする。すると、弾性片22aの弾性復帰力でストッププレート22が、規制凸部と突当て段部との係合高さ位置まで押し上げられる。しかる後、ロックレバー15の両端にキャップ23を被せると、図4に示すようにロック手段Bが組み立てられる。そこで、ロック手段Bは、ロックレバー15を、規制凸部が突当て段部に突き当たるスライド規制範囲の間で摺動させると、それに従って開き扉Dが施解錠される。即ち、ロックレバー15を、室内側から、規制凸部が突当て段部に突き当たる一側の開き扉Dがロックされる施錠位置と、他側のロックが解除される解錠位置との間を直線的に摺動して開き扉Dを施解錠する。
【0020】
戸当りCは、図5および図6に示すように、取付部材25と、ストッパ30と、トリガ35とからなる。取付部材25は、やや縦長な金属板を曲げて成形し、複数のねじ挿通穴を有する固定板部25aと、固定板部25aの片側側縁の長さ方向両端からそれぞれ直角に曲げて互いに向き合う方向に突設した一対の支持片25b・25cを有する。固定板部25aには、図中上側の支持片25b側の角縁から図中上向きの長さ方向にフック部25dを突設する一方、下側の支持片25c側の角縁を支持片25cまで円弧状に切り欠いて逃げ凹部25eを形成している。支持片25b・25cには、それらの間隔より長い丸軸状の枢軸26を挿通する軸穴27・27が設けられている。
【0021】
ストッパ30は、ホルダ31とパッド32とからなる。ホルダ31は、やや縦長な金属板をコ形に曲げてつくり、両端の向い合う方向に突出した図中上下の係止片31a・31bにおいて、それぞれ一端側に枢軸26が挿通する軸穴33・33を設ける一方、他端側を切り欠いて幅狭なパッド取付部31c・31cを形成する。係止片31a・31bには、パッド取付部31cと軸穴33の間に連結ピン28が嵌合するピン穴29・29を設け、一方の係止片31aには、加えて幅方向に長い矩形の掛け止め穴34が設ける。パッド取付部31c・31cには、互いに向き合う方向に押え凸部31dを突設する。パッド32は、クッション性をもったゴムや軟質プラスチックなどで、やや縦長な略矩形のブロック状に成形し、ホルダ31のパッド取付部31c・31c間に押え凸部31d・31dの食い込み状態で挟んで接着している。
【0022】
トリガ35は、金属製で、枢軸26と対応する長さの支持シャフト35aの両端に、略矩形板片状のアーム片35b・35cを互いに向い合う方向に突設している。支持シャフト35aには、図中下側のアーム片35c寄りに規制突部35dを突設する一方、規制突部35dとアーム片35cとの間には、ストッパ30の係止片31bの厚さに対応し、その係止片31bが係合可能な間隙を開けて係合溝37を凹設する。規制突部35dは、突出方向先端に枢軸26の周面形状に合わせた曲面からなる嵌合凹面19を形成してなる。アーム片35b・35cには、ホルダ31のピン穴29と対応する連結ピン28のピン穴39・39が設けられ、下側のアーム片35cの図中下面には、外部操作用の摘み部35eが突設されている。
【0023】
そこで、戸当りCは、ストッパ30の係止片31a・31bとトリガ35のアーム片35b・35cを重ねてピン穴29・39に連結ピン28を挿着し、トリガ35をストッパ30に連結ピン28を支点として回動可能に連結する。次いで、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34に掛け止めてストッパ30を回転規制状態とし、取付部材25の固定板部25aに対して直角な向きに配置してから、枢軸26を取付部材25の軸穴27とストッパ30の軸穴33に挿通し、ストッパ30を、取付部材25にEリング41とOリング42を用いて枢軸26を中心に回動可能に連結すると共に、図6(a1)・(a2)に示すように、枢軸26の下縁と支持片25c間の枢軸26の下端軸部26aに沿って図中上下に移動可能に連結する。それから、トリガ35を連結ピン28を中心として図中矢示す一方向に回転して係合溝37にストッパ30の係止片31bを係合させる一方、規制突部35dの嵌合凹面19を枢軸26の下端部26aに嵌合させて、ストッパ30の上下動規制状態でトリガ35を取付部材25に連結する。
【0024】
以って、戸当りCは、掛け止め穴34に取付部材25のフック部25dを掛け止めてストッパ30を回転規制した状態で、取付部材25の固定板部25に対して直角な戸当り位置に保持すると共に、係止片31bをトリガ35の係合溝37に係合して上下動も規制した状態にして組み立てる。そこで、戸当りCは、摘み部35eを持ってトリガ35を図6(b1)・(b2)中矢示する他方向に回転し、係止片31bを係合溝37から外してトリガ35によるストッパ30の上下動規制状態を解除してから、ストッパ30を下降し、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34から外してストッパ30の回転規制状態を解除すれば、ストッパ30を、取付部材25の固定板部25aから鈍角に開いて離れた退避位置に切り換え移動可能に取付部材25に連結した構造になっている。
【0025】
そこで、本発明において、扉構造体Aには、図1に示すように、開き扉Dの下端の手先側角部38と、それと対向する扉枠Fの端部とにわたり、図6(a1)・(a2)に示した前記組立状態の戸当りCの外形状に合わせて、扉側の取付段部44aと扉枠側の受け段部44bからなる戸当り凹部44を形成する。
【0026】
一方、戸当りCは、前記組立状態、即ち、ストッパ30を、掛け止め穴34に取付部材25のフック部25dを掛け止めて回転規制した戸当り位置に保持すると共に、係止片31bをトリガ35の係合溝37に係合させ上下動の規制状態において、取付部材25の固定板部25aを、図6(a1)に示すように、扉側の取付段部44aの端面43にねじ止めし、ストッパ30のパッド32を室内側に向けた状態で手先側角部38から扉枠Fの受け段部44bに向けて突出させて開き扉Dに組み付けてなる。
【0027】
さて、本発明において、トイレの使用時、開き扉Dをロックするときは、いまトイレの室内側に半開き状態で開いた開き扉Dを、トイレ室内から閉止させてから、いま扉枠F側の解錠位置にあるロック手段Bのロックレバー15を取付体20に対し、図1(a)・図8中矢印方向に摺動し、開き扉Dと扉枠F間に跨る施錠位置まで突出させて開き扉Dをロックし、室内側に内開きするのを規制する。このとき、トイレ室内から開き扉Dを閉止すると、回転規制状態で戸当り位置に保持した戸当りCのストッパ30が扉枠Fの受け段部44bにパッド32を介して当接して開き扉Dが室外側へ外開きするのを規制し、以って、開き扉Dをロックする。なお、この開き扉Dの閉時、扉構造体Aにおいて、戸当りCは、出っ張ることなく、開き扉Dと扉枠Fの室外側の板面と面一に戸当り凹部44内に納まっている。
【0028】
一方、開き扉Dのロックを解除するときは、トイレの室内側から、施錠位置にあるロックレバー15を、図9に示すように解錠位置へ摺動する。すると、開き扉Dは、図10でも示すように、グレビティヒンジのヒンジ部hにより自動的に室内側へ回転し、所定開き角度の半開き状態で止めて保持され、これにより、ロック手段Bに開き扉の施解錠状態を室外側に表示する表示器を備えなくても、室外側から開き扉Dの開き具合を一見して施解錠状態、即ち、トイレの使用状態が判るようになっている。
【0029】
他方、開き扉Dをロック手段Bでロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなど非常時に、室外側から開き扉Dを非常解錠するときは、床面fとの間の隙間xに手を入れて、まず、戸当りCのトリガ35を、摘み部35eを摘んで図7(a)中矢示する他方向に回転し、図7(b)に示すように、係止片31bを係合溝37から外してトリガ35によるストッパ30の上下動規制状態を解除する。しかる後、ストッパ30を引き下げて、図7(c)に示すように、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34から外し、ストッパ30の回転規制状態を解除し、図11、図12および図13に示すように、扉枠Fの受け段部44bに当接した戸当り位置にあったストッパ30を、枢軸26を中心に回転して扉枠Fから室外側へ離れた退避位置に切り換え移動させて開き扉Dの外開き規制を解除し、以って、開き扉Dを非常解錠する。
【0030】
従って、本発明では、上述のように非表示型ロック手段Bを付設しているために、室外側に非常解錠用の操作部のない開き扉Dを、そのロック手段Bでロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなどの非常時に、室内側に開けたくても、開き扉Dは、いまロック手段Bでロックされて内開き規制状態にあり、室外側に開けたくても、戸当りCで外開き規制状態にあるが、そのような場合でも、ロック手段Bは、ロックレバー15を摺動可能に連結する取付体20を開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側に取り付けるから、ロックレバー15が開き扉Dと扉枠F間を跨いだ施錠位置に突出していても、開き扉Dの外開きの妨げにはならず、一方、いま開き扉Dの外開きを規制した戸当りCは、ストッパ30を、床面fとの間の隙間xと隣接する開き扉Dの手先側角部38に取付部材25を固定し、その取付部材25にストッパ35を扉枠Fの受け段部44bに当接して開き扉Dが外開きするのを規制する当接位置から、扉枠Fから室外側に離して開き扉Dの外開き規制が解除される退避位置に切り換え移動可能に連結しているため、何ら身の回りの道具を使わずとも、室外側から、隙間xを通して戸当りCのストッパ35を扉枠Fから室外側に離れた退避位置に切り換え移動させる簡単な外部操作で非常解錠して開き扉Dを外開きすることができる。
【0031】
上述した図示実施の形態において、ロック手段Bは、ロックレバー15を施錠位置と解錠位置との間を直線的に摺動させて施解錠するスライドボルトであったが、本発明では、それに限らず、例えば以下の図示実施の形態に示すように、ロックレバーを施錠位置と解錠位置との間を回動させて施解錠する打掛錠等であってもよい。なお、ロック手段が打掛錠の下記図示実施の形態において、上記図示実施の形態における構成と同一のものは同じ符号を付して説明する。
【0032】
図示他例の回動式扉非常解錠システムは、図14、図15および図16に示すように、トイレブース内に設置した扉構造体Aと、打掛錠のロック手段B´と、開き扉Dの手先側角部38に組み付けた戸当りCとにより構成されている。
【0033】
打掛錠のロック手段B´は、ロックレバー40と、取付体45と、レバー受け50のみからなり、開き扉Dの施解錠状態を室外側に表示する表示器を備えない非表示型の錠手段である。ロックレバー40は、樹脂製の円形キャップ状の支持カバー40aと金属製の棒状レバー本体40bとを備え、レバー本体40bを支持カバー40aの径方向に貫挿してインサート成形によって一体化してなる。取付体45は、複数のねじ挿通穴を有した金属製の丸座状に形成してなる。一方、レバー受け50は、固定板片に化粧キャップを被せた取付座50aと、取付座50aの一端に直角に立設した丸軸状の受け部50bとからなる。
【0034】
図示他例において、ロック手段B´は、開き扉Dの手先側と対向する扉枠Fの端部室内側に取付体45をねじ止めしてから、取付体45に支持カバー40aを被せて回動可能にロックレバー40を嵌着し、レバー本体40bが垂直に起立した解錠位置と水平に倒れた施錠位置との間の角度範囲で回動するようにロックレバー40を取付体45に連結してなる。一方、レバー受け50は、ロックレバー40が施錠位置にあるときレバー本体40bが受け部50bに係止する高さ位置において、開き扉Dの手先側の端部室内側に固着してなる。
【0035】
さて、図示他例において、トイレの使用時、開き扉Dをロックするときは、いまトイレ室内側に半開き状態で開いた開き扉Dを、トイレ室内から閉止させてから、扉枠F側の解錠位置に起立したロックレバー40を取付体45に対し、図14中矢印方向に回動し、レバー本体40bがレバー受け50の受け部50bに係止して開き扉Dと扉枠F間に跨る施錠位置に倒して開き扉Dをロックし、室内側に内開きするのを規制する。このとき、トイレ室内から開き扉Dを閉止すると、回転規制状態で戸当り位置に保持した戸当りCのストッパ30が扉枠Fの受け段部44bにパッド32を介して当接して開き扉Dが室外側へ外開きするのを規制し、以って、開き扉Dをロックする。一方、開き扉Dのロックを解除するときは、トイレ室内側から、施錠位置にあるロックレバー40を、図15に示すように解錠位置へ回動し、開き扉Dの内開き規制を解除する。すると、開き扉Dは、グレビティヒンジのヒンジ部hにより自動的に室内側へ回転し、所定開き角度の半開き状態で止めて保持される。
【0036】
他方、開き扉Dをロック手段B´の打掛錠でロックしたままトイレ室内に使用者が倒れるなど非常時に、室外側から開き扉Dを非常解錠するときは、床面fとの間の隙間xに手を入れて、まず、図7(a)・(b)・(c)に示したと同様に、戸当りCに備えるトリガ35の摘み部35eを摘んでトリガ35を回転し、係止片31bを係合溝37から外してトリガ35によるストッパ30の上下動規制状態を解除する。しかる後、ストッパ30を引き下げて、取付部材25のフック部25dを掛け止め穴34から外し、ストッパ30の回転規制状態を解除し、扉枠Fの受け段部44bに当接した戸当り位置にあったストッパ30を、図16に示すように、枢軸26を中心に回転させて扉枠Fから室外側へ離れた退避位置に切り換え移動させて開き扉Dの外開き規制を解除し、以って、開き扉Dを非常解錠する。
【0037】
このようにロック手段B´が打掛錠の図示他例においても、何ら身の回りの道具を使わずとも、室外側から、隙間xを通して戸当りCのストッパ35を扉枠Fから室外側に離れた退避位置に切り換え移動させる簡単な外部操作で非常解錠して開き扉Dを外開きすることができる
【0038】
上述した図示実施の形態において、戸当りCは、開き扉Dの下端側の手先側角部38に組み付けるが、手を使ってストッパ30を切り換え移動操作できる高さの部位であれば、開き扉Dと笠木E間の隙間yと隣接した開き扉Dの上端側の手先側角部に組み付けるようにしてもよい。
【0039】
なお、以上の図示実施の形態において、扉は、開き扉Dであったが、吊元側のヒンジ部により回動可能に吊り込む回動式扉であれば、開き扉に限らず、折戸等であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
A 扉構造体
B・B´ ロック手段
C 戸当り
D 開き扉
E 笠木
F 扉枠
f 床面
h ヒンジ
x・y 隙間
15 ロックレバー
20 取付体
25 取付部材
30 ストッパ
35 トリガ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動式扉を、吊元側のヒンジ部により回転可能に扉枠に吊り込んで内外両開き可能に組み付ける一方、該扉枠と前記扉を閉時には直列に配設する扉構造体と、
ロックレバーを、室内側から前記扉の開閉をロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置との間を移動させて前記扉を施解錠する一方、該扉の非常解用操作部を室外側に備えないロック手段と、
室内外に通ずる隙間と隣接した前記扉の手先側角部に取付部材を固定し、該取付部材にストッパを、前記扉の閉時は前記扉枠に当接して前記扉が室外側へ回転して外開きするのを規制する当接位置と、開時は前記扉枠から離して前記扉の外開き規制を解除する退避位置とに切り換え移動可能に連結してなる戸当りとを備え、
前記ロック手段は、前記ロックレバーを移動可能に連結する取付体を、前記扉の手先側と対向する前記扉枠の端部室内側に固着し、非常解錠時は、前記戸当りのストッパを、室外側から前記隙間を通して前記当接位置から前記退避位置に切り換え移動させて前記扉の外開き規制を解除してなることを特徴とする、回動式扉非常解錠システム。
【請求項2】
前記戸当りは、前記開き扉の閉時、前記取付部材に前記ストッパを係脱可能に掛け止めると共に該ストッパにトリガを係脱可能に係着して前記ストッパを回転規制状態で当接位置に保持してなることを特徴とする、請求項1に記載の回動式扉非常解錠システム。
【請求項1】
回動式扉を、吊元側のヒンジ部により回転可能に扉枠に吊り込んで内外両開き可能に組み付ける一方、該扉枠と前記扉を閉時には直列に配設する扉構造体と、
ロックレバーを、室内側から前記扉の開閉をロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置との間を移動させて前記扉を施解錠する一方、該扉の非常解用操作部を室外側に備えないロック手段と、
室内外に通ずる隙間と隣接した前記扉の手先側角部に取付部材を固定し、該取付部材にストッパを、前記扉の閉時は前記扉枠に当接して前記扉が室外側へ回転して外開きするのを規制する当接位置と、開時は前記扉枠から離して前記扉の外開き規制を解除する退避位置とに切り換え移動可能に連結してなる戸当りとを備え、
前記ロック手段は、前記ロックレバーを移動可能に連結する取付体を、前記扉の手先側と対向する前記扉枠の端部室内側に固着し、非常解錠時は、前記戸当りのストッパを、室外側から前記隙間を通して前記当接位置から前記退避位置に切り換え移動させて前記扉の外開き規制を解除してなることを特徴とする、回動式扉非常解錠システム。
【請求項2】
前記戸当りは、前記開き扉の閉時、前記取付部材に前記ストッパを係脱可能に掛け止めると共に該ストッパにトリガを係脱可能に係着して前記ストッパを回転規制状態で当接位置に保持してなることを特徴とする、請求項1に記載の回動式扉非常解錠システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−87451(P2013−87451A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227043(P2011−227043)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(592114703)株式会社ベスト (69)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(592114703)株式会社ベスト (69)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
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