説明

回路基板の収納構造

【課題】回路基板をソケットに抜き差し自在に取り付けて保持する場合に、煮汁等が落下してきても電子回路に煮汁がかかることを防止できるとともに、振動が作用しても回路基板とソケットとの接触不良を防止することができる回路基板の収納構造を提供する。
【解決手段】屋根部31を備えた収納部3内に回路基板4を収納させることにより煮汁等がかかることを防止し、また屋根部31の内面から1対の弾性片を突設させて、その弾性片で回路基板4を保持して回路基板4が揺れないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガス器具の制御装置に用いられる回路基板の収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばガス器具では、ガス器具の制御を行うためのマイコンなどが取り付けたれた回路基板が用いられる。この回路基板は従来は大型化していたため、回路基板上に電子部品を取り付け、その回路基板をケーシング内に内蔵しているので全体的に大型化し、取り付ける場所が制限されるなどの不具合が生じていた。
【0003】
ところが、電子部品の小型化などにより回路基板を小型化することができるようになり、ケーシングに内蔵することなく、回路基板をソケットに直接抜き差し自在に取り付け、ソケットをガス器具内の適所に固定することにより回路基板を保持するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−247065号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成では、ソケットをガス器具に固定するので、回路基板自体はソケットに差し込まれている部分のみで保持され、いわゆる片持ち状態になっている。そのため、ガス器具に震動が加わると、回路基板が震動し揺れることになる。回路基板が揺れると、ソケットに差し込まれている部分に曲げ応力が集中し、そのため回路基板とソケットとの間で接触不良が生じるおそれがある。
【0005】
また、従来のものでは、回路基板がガス器具内で剥き出し状態のため、例えばガスコンロに内蔵した場合、煮汁などが回路基板にかかるおそれがある。回路基板自体をコーティングすることは可能であるが、回路基板にかかった煮汁が回路基板を伝ってソケットとカイト基板との接続部分に入り込み、端子類を腐食させ、あるいは接触不良の原因となる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、上述の不具合の生じない回路基板の収納構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による回路基板の収納構造は、ソケットに抜き差し自在に取り付けられた回路基板を収納する回路基板の収納構造であって、下方に開口する屋根部を備えた収納部を設け、この収納部に回路基板を下方の開口から挿入すると、ソケットと収納部とが係合して回路基板の脱落を防止するロック機構と、収納された回路基板の揺れを防止する固定手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
回路基板が収納される収納部には屋根部が設けられているので、煮汁などがかかっても屋根部で煮汁が遮られ、回路基板に煮汁が直接かかることが防止される。また、固定手段により回路基板の揺れが防止される。
【0009】
なお、上記固定手段は収納部の屋根部の内面から開口に向かって突出した1対の弾性片であって、回路基板を収納部に挿入すると両弾性片の間に回路基板が進入し、弾性片を撓ませて両弾性片で回路基板を挟持することにより回路基板を固定するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明は、回路基板をソケットに差し込んで保持する場合に、情報から煮汁が落下してきても電子回路に煮汁がかかることが防止され、また、震動が作用しても回路基板が揺れないので、電子部品とソケットとの接触が不良になるおそれが生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1を参照して、1は本発明が適用されるテーブル式のガスコンロであり、内部の制御装置等の電源は乾電池を用いている。この乾電池は、ガスコンロ1の前面左端に取り付けられた電池ケース2内に収納されている。
【0012】
この電池ケース2は引き出し部21とケース本体22とで構成されており、引き出し部21及びケース本体22は共に樹脂成形されている。本発明ではケース本体22に一体に収納部3を形成した。この収納部3は下方に開口しており、その開口から回路基板4が挿入される。
【0013】
この回路基板4はソケット5に抜き差し自在に取り付けられており、電磁式の開閉弁やモータなどの負荷等(図示せず)に対してフラットコードやハーネスなどのコード51を介して接続されている。ソケット5には係合爪52が形成されており、回路基板4を収納部3内に下方から挿入すると、ソケット5が収納部3の開口を閉塞する。なお、その状態で係合爪52が収納部3の係合部32に係合して、ソケット5と共に回路基板4が収納部3から脱落することを防止するように構成されている。
【0014】
なお、収納部3には屋根部31が形成されており、情報から煮汁等の液体が落下してきても、この屋根部31があるため煮汁等が回路基板やソケット52にかかることがない。
【0015】
また、図3を参照して、屋根部31の下面には1対の弾性片32を形成した。これら弾性片32は回路基板4を収納部3に挿入するまでは垂直に下方に延在しているが、回路基板4を収納部3に挿入すると、回路基板4が両弾性片32の間に進入して、両弾性片3を互いに離れる方向に弾性変形する。弾性片32を弾性変形させた力は反作用として回路基板4を両側から挟み込むことになり、回路基板4は弾性片32によって固定され揺れることがない。
【0016】
ところで、上記図3を用いた説明では1対の弾性片32を用いて回路基板4の揺れを防止したが、図4に示すようにゴム状の弾性ブロック5を収納部3内に挿入し、回路基板4を収納部3に挿入した状態で回路基板4が弾性ブロック5を変性させて、回路基板4の揺れを防止するように構成してもよい。
【0017】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】電池ケースの構造を示す斜視図
【図3】収納部内の状態を示す図
【図4】他の実施の形態における収納部内の状態を示す図
【符号の説明】
【0019】
1 ガスコンロ
2 電池ケース
3 収納部
4 回路基板
5 弾性ブロック
32 弾性片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケットに抜き差し自在に取り付けられた回路基板を収納する回路基板の収納構造であって、下方に開口する屋根部を備えた収納部を設け、この収納部に回路基板を下方の開口から挿入すると、ソケットと収納部とが係合して回路基板の脱落を防止するロック機構と、収納された回路基板の揺れを防止する固定手段とを備えたことを特徴とする回路基板の収納構造。
【請求項2】
上記固定手段は収納部の屋根部の内面から開口に向かって突出した1対の弾性片であって、回路基板を収納部に挿入すると両弾性片の間に回路基板が進入し、弾性片を撓ませて両弾性片で回路基板を挟持することにより回路基板を固定することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の収納構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−78436(P2008−78436A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256748(P2006−256748)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)
【Fターム(参考)】