説明

回転コネクタ装置

【課題】フラットケーブルの磨耗を大幅に低減することができる回転コネクタ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】リテーナ41の上面に、該リテーナ41の同心円で周方向に対し所定間隔を隔てて配置され、リテーナ41に回転自在に軸支された複数の第1回転ローラ43を設けるとともに、該複数の第1回転ローラ43のうち1つの第1回転ローラ43の反転部分Crが巻き掛けられる側に、該反転部分Crの接離が許容される間隔を隔てて反転部分Crが押し付け許容され、リテーナ41に回転自在に軸支された第2回転ローラ44を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両に装着される回転コネクタ装置に関し、詳しくは、ステアリングホイール側と車体側との間をフラットケーブルにより電気的に接続するために用いられるものにおいて、フラットケーブルの磨耗を大幅に低減することができるような回転コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステアリングシャフト(ステアリングホイール)側に固定されるロータ部材(ロテータ)と、ステアリングコラム(車体)側に固定され、前記ロータ部材を回転自在に収容するステータ部材(ステータ)とを備えるとともに、前記ロータ部材と前記ステータ部材とで構成する収容空間に、可撓性を有する帯状のフラットケーブルを、巻き締めおよび巻き戻し可能に収容した回転コネクタ装置が知られている。
【0003】
そして、前記フラットケーブルを用いた回転コネクタ装置として、例えば既に提案済みの回転コネクタ(特許文献1参照)には、環状空間内に収納されたフラットケーブルの反転部分を、ホルダ(リテーナ)に軸支された回転ローラと、該回転ローラの近傍に突設されたガイド壁とでガイドする構成について開示されている。
【0004】
詳述すると、図8に示すように、上述のフラットケーブルCの外側巻き部分Coはステータ部材の外筒体61の内周面に沿って巻き付けられ、該フラットケーブルCの内側巻き部分Ciはロータ部材の内筒体62の外周面に沿って巻き付けられた状態で環状空間内に収納されている。また、フラットケーブルCの反転部分Crは、ホルダに軸支された一つの回転ローラ63に巻き掛けられている。また、反転部分Crが巻き掛けられた回転ローラ63は、ホルダと同心円で周方向に複数配置されたその他の回転ローラ63の軸中心Pを通る基準線D上に配置している。
【0005】
上記構成の回転コネクタのロータ部材が時計回り方向に回転する際、フラットケーブルCの反転部分Crがガイド壁64に押し付けられ、その押し付け力によってホルダが時計回り方向に回転する。また、ロータ部材が反時計回り方向に回転する際、フラットケーブルCの反転部分Crが巻き掛けられる回転ローラ63を反時計回り方向に引っ張り、ホルダが反時計回り方向に回転する。
【0006】
上述のような構造では、外筒体61の内周面に巻き付けられたフラットケーブルCの外側巻き部分Coには変曲点が存在しないが、内筒体62の外周面に巻き付けられたフラットケーブルCの内側巻き部分Ciには変曲点が存在するため、内側巻き部分Ciの変曲点を跨ぐ曲率変形率が該変曲点の下流側および上流側に向けて徐々に大きくなる。
【0007】
したがって、時計回り方向に回転する際、フラットケーブルCにおける曲率変形率の大きい反転部分Crがガイド壁64の外側角部付近に押し当てられた状態で規制され、フラットケーブルCの反転部分Crがガイド壁64の外側角部付近に摺動しながらフラットケーブルCが送り出される。
【0008】
つまり、フラットケーブルCの反転部分Crとガイド壁64とは点接触或いは線接触するので、反転部分Crとガイド壁64との接触面積が小さく、フラットケーブルCの反転部分Crが受けるリテーナからの荷重(反力)が部分的に集中して付与された状態で摺動することとなる。このため、コネクタの回転操作を繰り返した場合、フラットケーブルCのラミネートが磨耗しやすく、不具合が生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−217974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、フラットケーブルの磨耗を大幅に低減することができる回転コネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、環状の回転側リング板と、該回転側リング板の内周縁に形成された円筒状の内周筒部とで構成するロテータと、環状の固定側リング板と、該固定側リング板の外周縁に形成された円筒状の外周筒部とで構成するステータとを時計回り方向と反時計回り方向とに相対回転可能に嵌合し、前記ロテータの回転側リング板および内周筒部と、前記ステータの固定側リング板および外周筒部とで構成する収容空間に、回転ローラが軸支された環状のリテーナと、前記ロテータ側と前記ステータ側とを電気的に接続するとともに、長さ方向の途中に巻き方向を反転してなる反転部分が形成されたフラットケーブルとを、巻き締めおよび巻き戻し可能に収容した回転コネクタ装置であって、前記リテーナの上面に、該リテーナの同心円で周方向に対し所定間隔を隔てて配置され、前記リテーナに回転自在に軸支された複数の第1回転ローラを設けるとともに、該複数の第1回転ローラのうち1つの第1回転ローラの前記反転部分が巻き掛けられる側に、該反転部分の接離が許容される間隔を隔てて前記反転部分が押し付け許容され、前記リテーナに回転自在に軸支された第2回転ローラを設けた回転コネクタ装置であることを特徴とする。
【0012】
前記フラットケーブルは、複数の扁平な平角導体を所定のピッチで平行に配列し、電気絶縁体で被覆した可撓性を有する帯状の伝送線であることを含み、さらには、平角導体を備えていないダミーケーブルであることを含む。また、フラットケーブルは、一本或いは複数本巻き回ししており、少なくとも一本は前記伝送線である。
【0013】
上記構成により、回転コネクタ装置をフラットケーブルがロテータ(内周筒部)から巻き解かれる方向へ回転操作した際、第1回転ローラの周面から巻き解かれながら移動する反転部分と第2回転ローラとの間の接触摩擦抵抗を、第2回転ローラが反転部分の押し付け力で回転することにより抑制することができる。これにより、反転部分(フラットケーブル)の磨耗を大幅に低減することができる。
【0014】
この発明の態様として、前記第2回転ローラを、前記第1回転ローラよりも小径に形成するとともに、前記第2回転ローラの軸中心を、前記複数の第1回転ローラの軸中心を通る円状の基準線よりも外側に配置することができる。
【0015】
上記構成により、第2回転ローラを確実に回転させることができ、反転部分と第2回転ローラとの間の接触摩擦抵抗をより確実に抑制することができる。
詳しくは、前記ロテータの内周筒部の外周面に沿うように巻かれた内側巻き部分に変曲点が存在することにより、フラットケーブルがロテータ(内周筒部)から巻き解かれる際には、フラットケーブルが前記内周筒部から半径方向の外側(径外方向)に向かって送り出されることになり、その結果、反転部分では、その先端部が径外方向に偏ることになる。
上述したように、第2回転ローラを第1回転ローラよりも小径に形成するとともに、その軸中心を、基準線よりも外側に配置することで、先端部が径外方向に偏った反転部分を第2回転ローラに適切に接触させることができ、その結果、反転部分の押し付け力を確実に第2回転ローラに伝達させることができる。これにより、第2回転ローラを確実に回転させることができ、反転部分と第2回転ローラとの間の接触摩擦抵抗をより確実に抑制することができる。
【0016】
また、この発明の態様として、前記ロテータの内周筒部と前記第2回転ローラとの間に、前記反転部分の侵入を規制する径内側規制部を設けることができる。
【0017】
上記構成により、第2回転ローラの軸中心を外側に配置したことに伴って前記ロテータの内周筒部と第2回転ローラとの間に形成された大きな隙間に反転部分が侵入することを規制できる。このため、フラットケーブルの電気的特性が損なわれることを防止できる。
【0018】
詳しくは、第2回転ローラの軸中心を外側に配置したことに伴って、内周筒部と第2回転ローラとの間には大きな隙間が形成されることから、リテーナが、何らかの原因によりロテータの回転に追従して円滑に回転できなくなり、反転部分に弛みが生じると、この弛み部分が、内周筒部と第2回転ローラとの間の隙間に侵入し易くなる。
そして、仮に、反転部分の弛み部分が前記隙間に侵入すると、弛み部分が折れ曲がり、フラットケーブルの電気的特性を損なう虞がある。
【0019】
上述したように、ロテータの内周筒部と第2回転ローラとの間に径内側規制部を設けることで、第2回転ローラの軸中心を外側に配置したことに伴って内周筒部と第2回転ローラとの間に形成された大きな隙間に反転部分が侵入することを規制できる。このため、フラットケーブルの電気的特性が損なわれることを防止できる。
【0020】
また、この発明の態様として、前記径内側規制部を、前記リテーナおよび前記第2回転ローラの軸中心を通る仮想線と、前記ロテータの内周筒部、前記ステータの外周筒部、および前記第2回転ローラに接する仮想円との間の領域に配置することができる。
【0021】
上記構成により、前記ロテータの内周筒部と第2回転ローラとの間の隙間に反転部分が侵入することを確実に規制できる一方、フラットケーブルがロテータ(内周筒部)から円滑に巻き解かれている際、規制部が反転部分に不用意に接触することを確実に防止できる。このため、規制部との接触に起因する反転部分の磨耗を防止しつつ、反転部分の円滑な移動を確保できる。
【0022】
また、この発明の態様として、前記ステータの外周筒部と前記第2回転ローラとの間に、前記反転部分の侵入を規制する径外側規制部を設けることができる。
【0023】
上記構成により、前記ステータの外周筒部と第2回転ローラとの間の隙間に反転部分が侵入することを規制できる。このため、フラットケーブルの電気的特性が損なわれることを防止できる。
【0024】
詳しくは、リテーナがロテータの回転に追従して円滑に回転できなくなり、反転部分の弛みが大きくなると、この弛み部分が、外周筒部と第2回転ローラとの間の隙間に侵入する虞があり、反転部分の弛み部分が前記隙間に侵入すると、該弛み部分が折れ曲がり、フラットケーブルの電気的特性を損なう虞がある。
【0025】
上述したように、ステータの外周筒部と第2回転ローラとの間に径外側規制部を設けたことで、外周筒部と第2回転ローラとの間の隙間に反転部分が侵入することを規制でき、フラットケーブルの電気的特性が損なわれることを防止できる。
【0026】
また、この発明の態様として、前記径外側規制部を、前記リテーナおよび前記第2回転ローラの軸中心を通る仮想線と、前記リテーナの軸中心を通り、前記第2回転ローラに接する接線との間の領域に配置することができる。
【0027】
上記構成により、前記ステータの外周筒部と第2回転ローラとの間の隙間に反転部分が侵入することを確実に規制できる一方、フラットケーブルがロテータ(内周筒部)から円滑に巻き解かれている際、規制部が反転部分に不用意に接触することを確実に防止できる。このため、規制部との接触に起因する反転部分の磨耗を防止しつつ、反転部分の円滑な移動を確保できる。
【0028】
また、この発明の態様として、前記リテーナの上面に、前記複数の第1回転ローラ間に配置されたローラ間規制部を設け、前記径内側規制部および径外側規制部を前記ローラ間規制部に一体形成することができる。
【0029】
上記構成により、前記ロテータの内周筒部および前記ステータの外周筒部と第2回転ローラとの間の隙間に反転部分が侵入することを規制する機能と、前記外周筒部の内周面に沿うように巻かれた外側巻き部分、および前記内周筒部の外周面に沿うように巻かれた内側巻き部分をガイドする機能とを兼用することができる。このため、リテーナの構成を簡素化することができる。
【0030】
また、この発明の態様として、前記ローラ間規制部を、前記第2回転ローラに沿った形状に形成し、該第2回転ローラを囲むように配置することができる。
【0031】
上記構成により、第2回転ローラの外周に砂塵等の異物が付着することを防止できる。この場合、第2回転ローラの外周に付着した異物が、第2回転ローラの回転によって反転部分との接触部まで搬送されるといった不都合がないため、異物の介在に起因する接触摩擦抵抗の増加を確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、フラットケーブルの磨耗を大幅に低減することができる回転コネクタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態のステアリングロールコネクタの外観斜視図。
【図2】本実施形態のステアリングロールコネクタの分解斜視図。
【図3】ロテータを分離したステアリングロールコネクタの平面図。
【図4】図1中のA−A線矢視断面図。
【図5】図4中の一部を示す拡大端面図。
【図6】第2回転ローラおよびその周辺を示す要部拡大図。
【図7】本実施形態のフラットケーブルの反転部分および第2回転ローラの動作説明図。
【図8】従来のフラットケーブルの反転部分の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
本実施形態のステアリングロールコネクタ10(SRC10)は、図1乃至図5に示すように、ケーブルハウジング11と、リテーナ41と、回転ロックユニット51とで構成している。
【0035】
なお、図1、図2は、ステアリングロールコネクタ10のそれぞれ外観斜視図、分解斜視図である。図3は、後述するロテータ13を分離したステアリングロールコネクタ10の平面図である。図4は、図1中のA−A線矢視断面図である。図5は、図4中の一部を示す拡大端面図である。図6は、第2回転ローラ44およびその周辺を示す要部拡大図である。図7は、フラットケーブルCの反転部分Crおよび第2回転ローラ44の動作説明図である。
【0036】
ケーブルハウジング11は、平面視中央部分に軸方向に貫通する差込孔Hが形成された略円筒状の形態で構成されている。なお、差込孔Hは、前記ステアリングコラム(図示省略)に支持されたステアリングシャフトの挿入を許容する径で形成されている。
また、前記ステアリングシャフトの上端部には、回転操作を行うためのステアリングホイールが固定されている。
【0037】
ケーブルハウジング11は、相対回転可能に嵌合されたステータ12とロテータ13とで構成している。ケーブルハウジング11の内部には、図2乃至図5に示すように、フレキシブルフラットケーブルC(以下、「フラットケーブルC」という)を適宜巻いた状態で収容する収容空間Sを構成している。
ここで、フラットケーブルCは、複数の扁平な平角導体を所定のピッチで平行に配列し、電気絶縁体で被覆した可撓性を有する帯状の伝送線である。
【0038】
前記収容空間Sは、相対回転可能に構成したステータ12の固定側リング板14および外周筒部15と、ロテータ13の回転側リング板21および内周筒部22とで構成されている。
【0039】
ステータ12は、車体側の適宜の部材、例えばステアリングコラムのコンビネーションブラケットスイッチ(図示省略)に固定されている。
また、ステータ12は、底板として環状に形成した固定側リング板14と、この固定側リング板14の外周縁から垂直に延びる円筒状の外周筒部15とで構成している。固定側リング板14の外周縁と外周筒部15の下端とは嵌合により一体に構成している。
【0040】
外周筒部15は、図4、図5に示すように、円筒状の外側外周筒部15oと、該外側外周筒部15oよりも僅かに小径で内側に形成された円筒状の内側外周筒部15iとで構成され、外側外周筒部15oと内側外周筒部15iとが半径方向において近接して対向するよう同心円状に配置した2層構造で構成されている。
【0041】
外側外周筒部15oと内側外周筒部15iとは、ステアリングホイールの軸方向(図4および図5中の上下方向)の中間部において連結部18により一体に連結されている。外側外周筒部15oと内側外周筒部15iとの半径方向の間に構成される隙間は、連結部18により上下方向に分断され、図5に示すように、上下各側向けて開口した2つの溝部gu,gdが構成されている。
また、上側に向けて開口された溝部guは、ステータ12の軸芯を中心として外側外周筒部15o又は内側外周筒部15iに沿って周方向に連続して形成されている。
【0042】
また、前記内側外周筒部15iの上部には、図5に示すように、収容空間Sで巻き回したフラットケーブルCよりも上方で該収容空間Sに向けて半径方向の内側(径内方向)へ突出し、該フラットケーブルCを上方からガイドするガイド突出片16が鍔状に形成されている。
【0043】
ガイド突出片16は、平面視円環状に内側外周筒部15iの上部の内周縁に沿って収容空間Sへ真直ぐに突出しているが、前記ガイド突出片16の下面16uは、半径方向の内側に沿って上方へ傾斜するテ―パ形状で形成されている。
【0044】
なお、ステータ12には、ステータ側コネクタ17が取り付けられている(図2参照)。
ステータ側コネクタ17は、第1ステータ側コネクタ17Aと第2ステータ側コネクタ17Bとがある。第1ステータ側コネクタ17Aと第2ステータ側コネクタ17Bとは、所定間隔を隔ててそれぞれのコネクタ接続口が同じ方向を向くように外周筒部15の外側に配置されている。
【0045】
ステータ側コネクタ17は、ロアコラムカバー(図示省略)内において車体側の電気回路等から引き出されたケーブル(図示省略)にそれぞれ接続される。
【0046】
前記ロテータ13は、環状に形成された回転側リング板(天板)21と、この回転側リング板21の内周縁から垂直に延びる円筒状の内周筒部22とで構成している。
そしてロテータ13は、図示省略するステアリングホイールに固定され、そのステアリングホイールとともに一体的に回転するように構成されている。したがって、ロテータ13は、ステータ12に対して前記ステアリングホイールの回転軸と同一の軸回りに回転することができる。
【0047】
回転側リング板21は、ロテータ13の回転軸の方向で前記固定側リング板14に対面するように配置されている。
また、前記内周筒部22は、外周筒部15と半径方向で対面するように配置されている。
【0048】
なお、ロテータ13には、該ロテータ13の回転に伴って一体的に回転するロテータ側コネクタ23が取り付けられる。
ロテータ側コネクタ23は、第1ロテータ側コネクタ23Aと第2ロテータ側コネクタ23Bとがある。
【0049】
ロテータ側コネクタ23は、ステアリングホイール内において、例えばホーンスイッチ、エアバッグユニットなどの電気回路から引き出されたケーブル(図示省略)にそれぞれ接続される。
【0050】
第1ロテータ側コネクタ23Aおよび第1ステータ側コネクタ17A、並びに、第2ロテータ側コネクタ23Bおよび第2ステータ側コネクタ17Bは、それぞれ収容空間Sに配置されたフラットケーブルCによって相互に電気的に接続されている。
【0051】
上述のリテーナ41は、一つのベースリング42と複数の第1回転ローラ43、第2回転ローラ44とで構成され、収容空間Sにおいてロテータ13の回転軸を中心にして回転可能に配置されている。
【0052】
第1回転ローラ43は、リテーナ41と同心円で周方向に対して所定の等間隔を隔てて複数配置している。また、第1回転ローラ43は、それぞれ後述のローラ支持突部46に軸支され、それぞれが前記ロテータ13の回転軸と平行な軸を中心として回転自在に設けられている。
【0053】
第2回転ローラ44は、フラットケーブルCを後述するように第1回転ローラ43の周りに折り返した折り返し部分(後述する反転部分Cr)を径外側からガイドするように配置している。
【0054】
詳しくは、第2回転ローラ44は、第1回転ローラ43の反転部分Crが巻き掛けられる側で、該反転部分Crの接離が許容される間隔を隔てて、第1回転ローラ43の時計回り方向X側に配置している。
【0055】
また、第2回転ローラ44は、第1回転ローラ43と同様、ローラ支持突部46に軸支され、前記ロテータ13の回転軸と平行な軸を中心として回転自在に設けられている。なお、図4、図5では、第1回転ローラ43の断面構造を一例として示しており、便宜上、第2回転ローラ44の断面構造の図示を省略しているが、第2回転ローラ44の断面構造も、図4、図5に示す断面構造と略同様である。
【0056】
また、第2回転ローラ44は、リテーナ41と同心円で周方向に配置された第1回転ローラ43よりも小径に形成されるとともに、軸中心Paが複数の第1回転ローラ43の軸中心Pを通る円状の基準線Dよりも外側となるように配置している(図3参照)。
【0057】
ところで、ベースリング42は、平面視円環状をした板状のベースリング本体部45とローラ支持突部46と規制部47,48とで構成されている。
ベースリング本体部45は、前記固定側リング板14に載置され、ステータ12に対して相対回転可能に構成されている。
前記ローラ支持突部46は、ベースリング本体部45の周方向に複数配置され、第1、第2回転ローラ43,44を軸支可能に上方に向けて突出している。
【0058】
規制部47,48は、リテーナ41に軸支された第1回転ローラ43の間に配置しており、このうち、規制部48は、所定の間隔を隔てて、反転部分Crが巻き掛けられる第1回転ローラ43の時計回り方向X側に配置している。
【0059】
そして、規制部47,48は、ベースリング本体部45に対して上方に向けて突出しており、第1回転ローラ43の外側でステータ12の外周筒部15(内側外周筒部15i)の内周面に沿うように巻かれた後述の外側巻き部分Co、および第1回転ローラ43の内側でロテータ13の内周筒部22の外周面に沿うように巻かれた後述の内側巻き部分Ciをガイドするように配置している。
【0060】
ここで、規制部47は、第1回転ローラ43の周面と同一又は同一以上の曲率に湾曲した壁状に形成している。
【0061】
一方、規制部48では、その一端側を、規制部47と同様、第1回転ローラ43の周面と同一又は同一以上の曲率に湾曲した壁状に形成し、他端側を、第2回転ローラ44を囲む壁状に形成している。
【0062】
また、規制部48では、その他端側が、第2回転ローラ44の形状に沿うようにその外側、内側に向かって二股に分かれている。そして、規制部48の他端部には、第2回転ローラ44とロテータ13の内周筒部22との間の隙間に反転部分Crが侵入することを規制するための径内側規制部48aを一体形成するとともに、第2回転ローラ44とステータ12の外周筒部15(内側外周筒部15i)との間の隙間に反転部分Crが侵入することを規制するための径外側規制部48bを一体形成している。
【0063】
規制部48では、径内側規制部48aを、図6に示すように、リテーナ41の軸中心Po、および第2回転ローラ44の軸中心Paを通る仮想線Laと、ロテータ13の内周筒部22、ステータ12の外周筒部15(内側外周筒部15i)、および第2回転ローラ44に接する仮想円(図6では便宜上円弧で示す。)αとの間のハッチングの領域Z1内に配置している。
【0064】
一方、規制部48では、径外側規制部48bを、仮想線Laと、リテーナ41の軸中心Poを通り、接点Pbで第2回転ローラ44に接する接線Lbとの間のハッチングの領域Z2内に配置している。
【0065】
ところで、前記回転ロックユニット51は、図2に示すように、ロック体52とバネ受けスリーブ54と、該ロック体52および該バネ受けスリーブ54との間に介在する戻しバネ53とで構成している。
【0066】
バネ受けスリーブ54を戻しバネ53の付勢力に抗して押し上げることで、ステータ12に対してロテータ13が相対回転しないようロック体52でロックすることができる。或いは、ステアリングホイールの芯金のボス部(図示省略)を挿入することで自由に相対回転することを許容するようロック体52によるロックを解除することができる。
【0067】
フラットケーブルCは、2本を重ね合わせて巻き回した状態で収容空間Sに収容している。重ね合わせた2本のうち一方のフラットケーブルCにおける長さ方向の一端を第1ステータ側コネクタ17A側に接続するとともに、他端を第1ロテータ側コネクタ23A側に接続している。
【0068】
また、重ね合わせた2本のうち他方のフラットケーブルCにおける長さ方向の一端を第2ステータ側コネクタ17B側に接続するとともに、他端を第2ロテータ側コネクタ23B側に接続している。
【0069】
このようなフラットケーブルCは、ケーブルハウジング11の内部の収容空間Sにおいて固定側リング板14に対して回転自在に載置されたリテーナ41によって支持され、巻回した状態で収容されている。
【0070】
詳しくは、フラットケーブルCは、収容空間Sにおいて、第1ステータ側コネクタ17A、第2ステータ側コネクタ17Bのそれぞれから前記収容空間Sへ引き込まれ、図3乃至図5に示すように、第1回転ローラ43の外側でステータ12の外周筒部15(内側外周筒部15i)の内周面に沿うように巻かれた変曲点が存在しない外側巻き部分Coが形成される。
【0071】
このようにして、外側巻き部分Coの基端は、ステータ側コネクタ17の位置において固定されている。
なお、フラットケーブルCは、収容空間Sにおいて上述したように2本一組として重ね合わせて巻き回されているが、図4、図5では、簡略化して一本のみを巻き回した状態で図示している。
【0072】
そして、図3中の二点鎖線で示すように、フラットケーブルCの長さ方向の途中には、複数の第1回転ローラ43のうち1つにU字型に巻き掛かるようにして向きを反転させた反転部分Crが形成される。
【0073】
フラットケーブルCは、その後は、長さ方向の他端側を第1回転ローラ43の内側でロテータ13の内周筒部22の外周面に沿うように巻かれた変曲点が存在する内側巻き部分Ciが形成される。
また、フラットケーブルCは、最終的には収容空間Sから引き出されて第1ロテータ側コネクタ23A、第2ロテータ側コネクタ23B側に接続される。
【0074】
このようにして、内側巻き部分Ciの基端は、ロテータ側コネクタ23の位置において固定されている。
上述したように、前記収容空間Sの内部においてフラットケーブルCは、ロテータ13とステータ12とが相対回転することにより、外側巻き部分Coと内側巻き部分Ciとの間でそれぞれ巻き付けと巻き解きのいずれかが行われる。
【0075】
上述したステアリングロールコネクタ10によるフラットケーブルCの巻き付け動作および巻き解き動作を説明する。
巻き付け時および巻き解き時において、フラットケーブルCは、外側巻き部分Coと内側巻き部分Ciとの間の巻き状態のバランスの変化に追従するように反転部分Crがリテーナ41とともに適宜回転する。
【0076】
これにより、ステアリングロールコネクタ10は、フラットケーブルCを収容空間S内で常に整列された巻き付け状態で保持することができるとともに、円滑なステアリングホイールの回転操作を可能としている。
【0077】
詳しくは、ロテータ13が図3、図7における時計回り方向Xに回転した際、一端がロテータ13に固定されたフラットケーブルCの反転部分Crが、第1回転ローラ43の周面から巻き解かれながらリテーナ41の周方向で時計回り方向Xに移動する。
【0078】
この移動により、フラットケーブルCの反転部分Crが、図6中二点鎖線で示すように、第2回転ローラ44に押し付けられる。このとき、第2回転ローラ44は、反転部分Crの押し付けに伴う押し付け力により、時計回り方向X1に回転するとともに、リテーナ41の周方向に押され、リテーナ41が時計回り方向Xに回転する。
【0079】
一方、ロテータ13が図3、図7における反時計回り方向Yに回転した際、一端がロテータ13に固定されたフラットケーブルCの反転部分Crが、リテーナ41の周方向で反対時計回り方向Yに移動する。
【0080】
この移動により、図6中実線で示すフラットケーブルCの反転部分Crが巻き掛けられている第1回転ローラ43を反時計回り方向Yに引っ張り、該第1回転ローラ43が反時計回り方向Y1に回転するとともに、リテーナ41が反時計回り方向Yに回転する。
このとき、フラットケーブルCの反転部分Crは、第1回転ローラ43とともに同様に移動するが、第2回転ローラ44には接触しないまま前記と同様に移動する。
【0081】
このように、本実施形態では、リテーナ41に回転自在に軸支された第2回転ローラ44を設けたことで、ステアリングロールコネクタ10をフラットケーブルCがロテータ13(内周筒部22)から巻き解かれる時計回り方向Xへ回転操作した際、第1回転ローラ43の周面から巻き解かれながら移動する反転部分Crと第2回転ローラ44との間の接触摩擦抵抗を、第2回転ローラ44が反転部分Crの押し付け力で回転することにより抑制することができる。これにより、反転部分Cr(フラットケーブルC)の磨耗を大幅に低減することができる。
【0082】
また、反転部分Crと第2回転ローラ44との接触部に砂塵等の異物が介在したとしても、第2回転ローラ44が回転することによって異物を前記接触部から排出することができるため、異物の介在に起因する接触摩擦抵抗の増加を抑制することができる。
【0083】
ところで、内側巻き部分Ciに変曲点が存在することにより、ロテータ13が時計周り方向Xに回転して、フラットケーブルCがロテータ13(内周筒部22)から巻き解かれる際には、フラットケーブルCが内周筒部22から半径方向の外側(径外方向)に向かって送り出されることになり、その結果、反転部分Crでは、その先端部が、図6に示す仮想円αと比べて、径外方向に偏ることになる(図3、図7中二点鎖線で示す反転部分Cr参照)。
【0084】
そこで、本実施形態では、第2回転ローラ44を第1回転ローラ43よりも小径に形成するとともに、その軸中心Paを、基準線Dよりも外側に配置している。このように、第2回転ローラ44の軸中心Paを外側に配置することで、先端部が径外方向に偏った反転部分Crを第2回転ローラ44に適切に接触させることができ、その結果、反転部分Crの押し付け力を確実に第2回転ローラ44に伝達させることができる。これにより、第2回転ローラ44を確実に回転させることができ、反転部分Crと第2回転ローラ44との間の接触摩擦抵抗をより確実に抑制することができる。
【0085】
但し、第2回転ローラ44の軸中心Paを外側に配置したことに伴って、内周筒部22と第2回転ローラ44との間には大きな隙間が形成されることから、リテーナ41が、何らかの原因によりロテータ13の回転に追従して円滑に回転できなくなり、反転部分Crに弛みが生じると、以下に述べるような問題が生じる。
【0086】
詳しくは、上述した弛み部分が、内周筒部22と第2回転ローラ44との間の隙間に侵入し易くなる。そして、仮に、反転部分Crの弛み部分が前記隙間に侵入すると、弛み部分が折れ曲がり、フラットケーブルCの電気的特性を損なう虞がある。
【0087】
そこで、本実施形態では、ロテータ13の内周筒部22と第2回転ローラ44との間に径内側規制部48aを設けている。これにより、上述したように第2回転ローラ44の軸中心Paを外側に配置したことに伴って内周筒部22と第2回転ローラ44との間に形成された大きな隙間に反転部分Crが侵入することを規制できる。このため、フラットケーブルCの電気的特性が損なわれることを防止できる。
【0088】
また、径内側規制部48aを、リテーナ41の軸中心Po、および第2回転ローラ44の軸中心Paを通る仮想線Laと、ロテータ13の内周筒部22、ステータ12の外周筒部15(内側外周筒部15i)、および第2回転ローラ44に接する仮想円αとの間の領域Z1内に配置することで、内周筒部22と第2回転ローラ44との間の隙間に反転部分Crが侵入することを確実に規制できる一方、フラットケーブルCがロテータ13(内周筒部22)から円滑に巻き解かれている際、径内側規制部48aが反転部分Crに不用意に接触することを確実に防止できる。このため、径内側規制部48aとの接触に起因する反転部分Crの磨耗を防止しつつ、反転部分Crの円滑な移動を確保できる。
【0089】
また、リテーナ41が、ロテータ13の回転に追従して円滑に回転できなくなり、反転部分Crの弛みが大きくなると、この弛み部分が、外周筒部15(内側外周筒部15i)と第2回転ローラ44との間の隙間に侵入する虞があり、反転部分Crの弛み部分が前記隙間に侵入すると、該弛み部分が折れ曲がり、フラットケーブルCの電気的特性を損なう虞がある。
【0090】
そこで、本実施形態では、ステータ12の外周筒部15(内側外周筒部15i)と第2回転ローラ44との間に径外側規制部48bを設けている。これにより、外周筒部15(内側外周筒部15i)と第2回転ローラ44との間の隙間に反転部分Crが侵入することを規制でき、フラットケーブルCの電気的特性が損なわれることを防止できる。
【0091】
また、径外側規制部48bを、リテーナ41の軸中心Po、および第2回転ローラ44の軸中心Paを通る仮想線Laと、リテーナ41の軸中心Poを通り、接点Pbで第2回転ローラ44に接する接線Lbとの間の領域Z2内に配置することで、外周筒部15(内側外周筒部15i)と第2回転ローラ44との間の隙間に反転部分Crが侵入することを確実に規制できる一方、フラットケーブルCがロテータ13(内周筒部22)から円滑に巻き解かれている際、径外側規制部48bが反転部分Crに不用意に接触することを確実に防止できる。このため、径外側規制部48bとの接触に起因する反転部分Crの磨耗を防止しつつ、反転部分Crの円滑な移動を確保できる。
【0092】
ここで、領域Z1,Z2を比較すると、図6に示すように、径外側規制部48bに対応する領域Z2の反転部分Cr側の端部を、径内側規制部48aに対応する領域Z1の反転部分Cr側の端部よりも反転部分Crから離間した位置に設定している。これにより、本実施形態では、フラットケーブルCをロテータ13(内周筒部22)から巻き解く際、上述したように反転部分Crの先端部が径外方向に偏ったとしても、反転部分Crと各規制部48a,48bとの接触を確実に防止できるようになっている。
【0093】
また、本実施形態では、複数の第1回転ローラ43間に配置した規制部48の一部に、各規制部48a,48bを一体形成したことで、内周筒部22および外周筒部15(内側外周筒部15i)と第2回転ローラ44との間の隙間に反転部分Crが侵入することを規制する機能と、外側巻き部分Coおよび内側巻き部分Ciをガイドする機能とを規制部48で兼用することができる。このため、リテーナ41の構成を簡素化することができる。
【0094】
また、規制部48を、第2回転ローラ44に沿った形状に形成し、該第2回転ローラ44を囲むように配置したことで、第2回転ローラ44の外周に砂塵等の異物が付着することを防止できる。この場合、第2回転ローラ44の外周に付着した異物が、第2回転ローラ44の回転によって反転部分Crとの接触部まで搬送されるといった不都合がないため、異物の介在に起因する接触摩擦抵抗の増加を確実に抑制できる。
【0095】
なお、上述した実施形態では、第1回転ローラ43間の規制部48に径内側規制部48aおよび径外側規制部48bを一体形成することとしたが、本発明では、これら径内側規制部48aおよび径外側規制部48bを別部材で構成してもよい。
【0096】
また、本発明では、第2回転ローラ44に対する反転部分Crの押し付け力、つまりは第2回転ローラ44の回転力の増加を図るために、フラットケーブルCと併せて、平角導体を備えていないフラットケーブル(ダミーケーブル)を付加的に収容してもよい。
【0097】
また、本発明は、第1、第2回転ローラ43,44の径の比率を、図6、図7に示すような比率とすることに必ずしも限定されず、さらには、第2回転ローラ44を、第1回転ローラ43よりも小径に形成することにも限定されない。従って、上述した実施形態のように、第2回転ローラ44の軸中心Paを、基準線Dよりも外側に配置することに必ずしも限定されず、第1、第2回転ローラ43,44の径の比率や位置関係に応じて、第2回転ローラ44の軸中心Paを、基準線Dよりも内側に配置してもよい。
【0098】
また、第1、第2回転ローラ43,44を、図示のように円筒状とすることに必ずしも限定されず、例えば、第1、第2回転ローラとして、多角柱形状の回転ローラを用いてもよい。
【0099】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、回転コネクタ装置は、ステアリングロールコネクタ10に対応し、
以下同様に、
ローラ間規制部は、規制部47,48に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0100】
X…時計回り方向
Y…反時計回り方向
C…フラットケーブル
Cr…反転部分
La,Lb…仮想線
S…収容空間
Z1,Z2…領域
α…仮想円
10…ステアリングロールコネクタ
11…ケーブルハウジング
12…ステータ
13…ロテータ
15…外周筒部
22…内周筒部
41…リテーナ
43…第1回転ローラ
44…第2回転ローラ
47,48…規制部
48a…径内側規制部
48b…径外側規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の回転側リング板と、該回転側リング板の内周縁に形成された円筒状の内周筒部とで構成するロテータと、環状の固定側リング板と、該固定側リング板の外周縁に形成された円筒状の外周筒部とで構成するステータとを時計回り方向と反時計回り方向とに相対回転可能に嵌合し、
前記ロテータの回転側リング板および内周筒部と、前記ステータの固定側リング板および外周筒部とで構成する収容空間に、
回転ローラが軸支された環状のリテーナと、前記ロテータ側と前記ステータ側とを電気的に接続するとともに、長さ方向の途中に巻き方向を反転してなる反転部分が形成されたフラットケーブルとを、巻き締めおよび巻き戻し可能に収容した回転コネクタ装置であって、
前記リテーナの上面に、該リテーナの同心円で周方向に対し所定間隔を隔てて配置され、前記リテーナに回転自在に軸支された複数の第1回転ローラを設けるとともに、
該複数の第1回転ローラのうち1つの第1回転ローラの前記反転部分が巻き掛けられる側に、該反転部分の接離が許容される間隔を隔てて前記反転部分が押し付け許容され、前記リテーナに回転自在に軸支された第2回転ローラを設けた
回転コネクタ装置。
【請求項2】
前記第2回転ローラを、前記第1回転ローラよりも小径に形成するとともに、
前記第2回転ローラの軸中心を、前記複数の第1回転ローラの軸中心を通る円状の基準線よりも外側に配置した
請求項1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項3】
前記ロテータの内周筒部と前記第2回転ローラとの間に、前記反転部分の侵入を規制する径内側規制部を設けた
請求項2に記載の回転コネクタ装置。
【請求項4】
前記径内側規制部を、
前記リテーナおよび前記第2回転ローラの軸中心を通る仮想線と、
前記ロテータの内周筒部、前記ステータの外周筒部、および前記第2回転ローラに接する仮想円との間の領域に配置した
請求項3に記載の回転コネクタ装置。
【請求項5】
前記ステータの外周筒部と前記第2回転ローラとの間に、前記反転部分の侵入を規制する径外側規制部を設けた
請求項3または4に記載の回転コネクタ装置。
【請求項6】
前記径外側規制部を、
前記リテーナおよび前記第2回転ローラの軸中心を通る仮想線と、
前記リテーナの軸中心を通り、前記第2回転ローラに接する接線との間の領域に配置した
請求項5に記載の回転コネクタ装置。
【請求項7】
前記リテーナの上面に、前記複数の第1回転ローラ間に配置されたローラ間規制部を設け、
前記径内側規制部および径外側規制部を前記ローラ間規制部に一体形成した
請求項5または6に記載の回転コネクタ装置。
【請求項8】
前記ローラ間規制部を、前記第2回転ローラに沿った形状に形成し、該第2回転ローラを囲むように配置した
請求項7に記載の回転コネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97987(P2013−97987A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239177(P2011−239177)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)