説明

回転ダンパとその回転ダンパを用いた減衰装置

【課題】連結部材内の軸に対して回転ダンパの回転中心が常に一定に保たれるようにする。
【解決手段】連結部材6内の軸aと相対的に回転するシートとの回転力を減衰させる回転ダンパDにおいて、減衰機構のケーシング16と、このケーシング16に設けるとともに上記軸aに取り付けるための連結部材6と、上記軸aとシートの相対的な回転力を上記減衰機構15に伝達するアーム部材とを備えている。上記連結部材6の軸中心と上記回転ダンパDの回転中心とをオフセットさせるとともに、上記アーム部材は上記シートに接触させるローラを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転ダンパとその回転ダンパを用いた減衰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、映画館や劇場などに用いられる跳ね上げ式の椅子は、機構的にそれほどの精度が要求されないので、当該シートを回転自在に支持する一対の軸受の回転中心が正確に一致しているとは限らない。
一方、上記椅子の跳ね上げ力を減衰するための従来の回転ダンパは、上記軸受と軸心を同じにして取り付けられていた。
【0003】
そのために、上記のように一対の軸受の軸中心がずれている状態で、それら軸受に支持された回転軸に、上記軸受と回転中心を同じにした回転ダンパを連結すると、その回転時に回転ダンパに偏荷重が作用し、その回転部分がこじれるような状態になって摩擦力が大きくなってしまう。そのために回転ダンパの減衰力が安定しないという問題が発生する。
【0004】
このような問題を解決するために開発されたのが特許文献1及び2に開示された装置で、これら装置は、回転ダンパと回転体とを別々に設けて、それら両者の回転中心をオフセットさせるとともに、回転ダンパの回転軸に基端を固定したアーム部材の先端を上記回転体に相対移動可能に接触させ、アーム部材の先端を回転体の開閉動作に追従させる構成にしている。したがって、開閉体が開閉すると、アーム部材の基端が回動するとともに、そのときの回転力が回転ダンパに伝達されて、所期の減衰力が発揮される。
上記のように回転ダンパの回転中心と回転体の軸中心とを別々にしたので、それら両者の中心がずれたとしても、回転ダンパの減衰力に影響を及ぼさなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3856724号公報
【特許文献2】特許第4575336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の装置では、回転ダンパの固定位置によって、回転ダンパに伝達される回転トルクが変わってしまうので、減衰力が安定しないという問題が発生する。
この発明の目的は、回転ダンパと回転体の回転軸との回転中心を別々にしながら、相対的な取り付け位置を一定にできる構成にして、安定した減衰力を発揮できる回転ダンパとそれを用いた減衰装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明である回転ダンパは、軸と相対的に回転する回転体との回転力を減衰させる回転ダンパに関し、ケーシングと、このケーシングに内蔵される減衰機構と、このケーシングに設けるとともに上記軸に取り付けるための連結部材と、上記軸と回転体の相対的な回転力を減衰機構に伝達するアーム部材とを備えている。そして、上記連結部材の軸中心と上記減衰機構の回転中心とをオフセットさせるとともに、上記アーム部材は上記回転体に直接または間接的に接触させる接触部を備えている。
なお、上記ケーシングは連結部材と一体に形成してもよいし、連結部材と一体にした回転ダンパ組込み部を設けてこの回転ダンパ組込み部に上記ケーシングを挿入するようにしてもよい。
【0008】
第2の発明である減衰装置は、軸と、この軸と相対的に回転する回転体と、これら軸と回転体の相対的な回転力を減衰させる回転ダンパとを備え、この回転ダンパのケーシングを上記軸に直接もしくは間接的に設けている。そして、上記回転ダンパの回転中心と上記軸の中心とをオフセットさせるとともに、上記軸と回転体の相対的な回転力を回転ダンパに伝達するアーム部材を当該回転ダンパの伝達軸に設け、このアーム部材の接触部を上記回転体に直接または間接的に接触させている。
なお、この第2の発明において、回転ダンパのケーシングを上記軸に直接もしくは間接的に設けるとは、回転ダンパのケーシングを上記軸と一体的に設けても良いし、ケーシングを軸とは別部材で構成してそれを軸に取り付けるようにしてもよいことを意味している。
【0009】
第3の発明である減衰装置は、上記回転体に、アーム部材の先端を保持する保持部材を設けるとともに、この保持部材は、上記回転体に対向する対向面を備え、この対向面と回転体との間で上記アーム部材の接触部を保持する構成にしている。そして、上記軸と回転体との相対回転過程で、上記保持部材の対向面内に位置したアーム部材が上記保持部材と干渉しない方向に当該アーム部材を折曲している。
【0010】
第4の発明である減衰装置は、上記アーム部材が、その回転中心から所定の距離を保持した第1接触部と、この第1接触部と所定の距離を保持するとともに上記回転中心及び第1接触部を結ぶ直線に対して折曲した線上に第2接触部を設けている。そして、上記第1接触部を上記回転体に設けた第1接触面に接触させ、上記第2接触部を上記回転体に設けた第2接触面に接触させている。
【0011】
第5の発明である減衰装置は、上記回転ダンパのケーシングを連結部材に固定するとともに、この連結部材には軸挿入穴を形成し、軸挿入穴には上記軸を挿入するとともに、これら軸挿入穴と軸とが相まって回り止め機構を構成する一方、上記回転体は上記軸に設けた回転支持部材に対して回転可能に支持されている。
上記回り止め機構は、軸挿入穴と軸とを相対回転させない構成ならどのようなものでもよく、例えば、軸挿入穴と軸とを多角形にしたり、あるいはそれら両者を楕円形にしたり、あるいはキー等を介してそれら両者をはめ合わせたりすることによって、構成にすることができる。
【0012】
第6の発明である減衰装置は、上記回転体が、回転可能にした椅子のシートであり、しかも、このシートには、それを跳ね上げる方向のばね力を作用させるとともに、上記回転ダンパは上記回転体の跳ね上げ方向に抗する減衰力を発揮する構成にしている。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明にかかわる回転ダンパによれば、ケーシングに連結部材を設けたので、ケーシングと連結部材との相対的な位置関係が固定的に定まる。そして、この連結部材を軸に取り付ければ、減衰機構と軸との相対的な位置関係も常に一定になる。しかも、このアーム部材の接触部を回転体に接触させるだけで足りるので、連結部材に取り付けた軸の取付精度が悪くても、当該減衰機構による減衰力に影響を及ぼさない。したがって、取り付け誤差や軸受精度などに係りなく、常に安定した減衰力を得ることができる。
【0014】
第2の発明にかかわる減衰装置によれば、例えば、回転体が劇場や映画館などの精度が要求されない跳ね上げ椅子であっても、いつも安定した減衰力を発揮させることができる。
【0015】
第3の発明にかかわる減衰装置によれば、アーム部材を折曲させたので、当該アーム部材と保持部材とが干渉することはない。このように両者が干渉しないので、回転体の回動範囲を大きく保つことができる。
【0016】
第4の発明にかかわる減衰装置によれば、例えばシートが着座可能状態にあるときに、第1,2接触部の両者が第1,2接触面に接触している構成にすれば、回転体の回動過程で、上記第1,2接触部と第1,2接触面とが常時接触していることになるので、それらの衝突音などが発生しない。
【0017】
第5の発明にかかわる減衰装置によれば、連結部材に形成した軸挿入穴に軸を挿入すれば、回転ダンパと軸との位置関係を一定に保ちながら、連結部材を軸に簡単に取り付けることができる。
第6の発明にかかわる減衰装置によれば、椅子のシートが跳ね上げられるときに、安定した減衰力を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】回転体である椅子のシートが着座可能状態に維持された状態の断面図である。
【図2】回転体である椅子のシートが跳ね上げられた状態の断面図である。
【図3】シートを支持する要部を拡大した断面図である。
【図4】回転ダンパを組み込んだ連結部材の斜視図である。
【図5】回転ダンパを組み込んだ連結部材の断面図である。
【図6】折曲したアーム部材と回転体の回転角度との相対関係を示したもので、図6(a)は回転体をほぼ12度傾けた状態の説明図、図6(b)は同じく30度傾けた状態の説明図、図6(c)は同じく60度傾けた状態の説明図、図6(d)は同じく立てた状態の説明図である。
【図7】真直ぐにしたアーム部材と回転体の回転角度との相対関係を示したもので、図7(a)は回転体をほぼ12度傾けた状態の説明図、図7(b)は同じく30度傾けた状態の説明図、図7(c)は同じく60度傾けた状態の説明図、図7(d)は同じく立てた状態の説明図である。
【図8】保持部材の先端に角度を設けるとともに、真直ぐにしたアーム部材と回転体の回転角度との相対関係を示したもので、図8(a)は回転体をほぼ12度傾けた状態の説明図、図8(b)は同じく30度傾けた状態の説明図、図8(c)は同じく60度傾けた状態の説明図、図8(d)は同じく立てた状態の説明図である。
【図9】第1,2接触部を設けたアーム部材と回転体の回転角度との相対関係を示したもので、図9(a)は回転体をほぼ12度傾けた状態の説明図、図9(b)は同じく30度傾けた状態の説明図、図9(c)は同じく60度傾けた状態の説明図、図9(d)は同じく立てた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図示の実施形態は、図1,2に示すように、跳ね上げ式の椅子Tに設けたもので、この椅子Tは、肘掛1を設けた一対のフレーム2,2間に、この発明の回転体であるシートSを回動自在に取り付けるとともに、上記フレーム2,2間に背もたれ3を設けている。
上記のようにしたシートSは軸aに支持されているが、この軸aの一方の側にはその外側から順に回転支持部材4、板状のスペーサー5及び連結部材6を固定している。
【0020】
また、上記軸aの他方の側には同じく外側から順に回転支持部材7、スペーサー8及びスプリングホルダ9を固定している。さらに、上記スプリングホルダ9の内端にはフランジ9aを設けるとともに、スプリングホルダ9の周囲に設けたコイルスプリング10の先端をこのフランジ9aに固定している。
【0021】
上記回転支持部材4,7は、その外形を円形にし、その円形部にシートSに固定した回転部材11,12をはめている。このようにしたコイルスプリング10のばね力で、シートSが、通常は、図2に示す、跳ね上げ位置を保つとともに、この跳ね上げ位置から上記ばね力に抗して当該シートSを図1に示す着座位置まで回動させることによって、人が着座できることになる。そして、人が着座したシートSから離れれば、コイルスプリング10のばね力によって、シートSが再び跳ね上げ位置に自動的に復帰する。
【0022】
なお、この実施形態には、図示していないストッパーを備え、シートSが回動して着座位置に到達すると、上記ストッパーが機能して当該シートの回動を停止させてその着座位置を保持する。一方、シートSが回動して跳ね上げ位置に到達すると、上記ストッパーが機能して当該シートの回動を停止させてその跳ね上げ位置を保持する。
【0023】
上記連結部材6は、図4に示すように、上記角形の軸aがはまる軸挿入穴13を貫通させるとともに、この軸挿入穴13と軸線を平行にした回転ダンパ組み込み部14を形成している。そして、この回転ダンパ組込み部14には、図5に示すように回転ダンパDの減衰機構15を保持したケーシング16を組み込んでいる。
上記のように回転ダンパ組込み部14に組み込んだ回転ダンパDは、伝達軸17が回転することによって所期の減衰力を発揮するが、この伝達軸17にはアーム部材18を設け、アーム部材18の長手方向を上記回転ダンパDの伝達軸17に直交させるとともに、アーム部材18の先端には、この発明の接触部を構成するローラ19を設けている。
【0024】
上記した連結部材6の角形の軸挿入穴13に角形の軸aを挿入することによって、それら両者の相対回転を阻止させた状態で、軸aに対して連結部材6を一体化できるが、これら軸aと連結部材6の軸挿入穴13とを角形にすることによって、それら両者が相まってこの発明の回り止め機構を構成するものである。
【0025】
なお、軸aと連結部材6との相対回転を阻止するためには、軸aと軸挿入穴13とを角形にするほか、それらを楕円形にしてもよいし、さらにそれら両者の間にキーなどを挿入していもよく、回転を阻止する手段は特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、回転ダンパ組込み部14と回転ダンパDのケーシング16とを別々にしたが、回転ダンパ組込み部14を回転ダンパDのケーシングにして、この回転ダンパ組込み部14に減衰機構15を直接組み込むようにしてもよい。
【0026】
上記のようにしたアーム部材18の先端に設けたローラ19は、上記連結部材6を軸aに固定した状態で、シートSの裏面に設けた板状部27(図3参照)に取り付けてなる保持部材20に挿入される構成にしているが、図3は保持部材20を省略している。
そして、上記保持部材20は、図6に示すように、シートSの裏面と対向する対向面20aを設け、この対向面20aとシートSの裏面との間に形成される対向間隔内にローラ19が移動可能に挿入される。ただし、上記ローラ19は、シートSが跳ね上げ位置から着座位置まで回動する過程で、上記対向間隔内に常に位置するが、上記対向面20a及びシートSの裏面のそれぞれに対して、当該ローラ19が自転するために必要な最少間隔を保つ構成にしている。
なお、上記ローラ19は、それをシートSの板状部27に直接接触させてもよいし、ローラ19と上記裏面との間に板材などを介在させて間接的に接触させてもよい。
【0027】
そして、上記アーム部材18は、図4においてへの字状に折曲しているが、その折曲方向は、シートSが着座位置から跳ね上げ位置まで回動する範囲、すなわち図6に示す(a)〜(d)の回動範囲で、アーム部材18が保持部材20に干渉しない方向である。さらに具体的には、上記ローラ19は、シートSが着座位置である図6(a)の位置にあるとき、保持部材20の対向面20aとシートSの裏面との対向間隔の最深部に位置するが、このときに上記アーム部材18が保持部材20と干渉しない方向に、当該アーム部材18を折曲している。
【0028】
次にこの実施形態の作用を説明する。
アーム部材18の先端に設けたローラ19が、シートSの裏面に設けた保持部材20内に挿入される位置関係を保って、連結部材6を軸aにはめつける。このようにして連結部材6を軸aにはめつけることによって、軸aに対する回転ダンパDの軸中心との位置関係がオフセットされた状態で必然的に定まるとともに、アーム部材18の先端に設けたローラ19とシートSの裏面との相対位置も必然的に定まる。したがって、従来のように回転ダンパDの取り付け位置に応じて、その減衰力が変化するという問題は発生しない。
【0029】
また、軸aを支持する位置が多少ずれていても、つまり、軸aの位置精度が悪くても、その軸aの回転中心と回転ダンパDの軸中心とがオフセットされているので、回転ダンパDの減衰力に影響を及ぼさない。
なお、この実施形態では、連結部材6を軸aと別部材にして、それらをはめ合わせるようにしたが、連結部材6と軸aとを一体に形成してもよい。
【0030】
そして、シートSが着座位置である図6(a)の位置にあるときには、アーム部材18の先端に設けたローラ19が保持部材20の最深部に位置するとともに、この状態で、アーム部材19と保持部材20とは干渉しないこと上記したとおりである。
シートSが図6(a)の着座位置から、その跳ね上げ方向に少し回動した図6(b)(c)の位置では、アーム部材18と保持部材20の対向面20aとの間には、十分なすき間が維持され、それらは干渉しない。
【0031】
そして、シートSが、図6(d)に示す、跳ね上げ位置においては、アーム部材18のほとんどが保持部材20から抜けて、ローラ19のみが保持部材20内に位置するようにしている。
このようにアーム部材18のローラ19を、シートSの回動範囲において常に保持部材20内に位置させておけば、シートSの回動にともなってアーム部材18も必ず回動するので、回転ダンパDには常の所期の減衰力を発揮させることができる。
【0032】
上記の実施形態において、アーム部材18を折曲したのは、アーム部材18と保持部材20との干渉を避けて、回転体のシートSの回動範囲を大きく取れるようにしたものであるが、回動範囲が狭くてもよい用途においては、アーム部材18の折曲は必須事項ではない。
【0033】
例えば、シートSの回動範囲を大きくしようとすれば、保持部材20もある程度長く保たなければならなくなる。もし、保持部材20の長さを長く保ちつつ、アーム部材18を折曲せずに直線状にすると、図7(a)に示すように、シートSを着座位置にしたとき、保持部材20とアーム部材18とが干渉してしまい、その干渉位置以上は回動できなくなる。
ただし、図7(b)〜(d)の範囲であれば、回転体であるシートSの回動には何の影響も及ぼさない。
【0034】
また、図8に示すように、保持部材20の先端をめくり上げる方向に折曲した折曲部20bを設けておけば、回転体であるシートSが図8(a)に示す着座位置にあるとき、アーム部材18と保持部材20とが干渉したりしない。
【0035】
ただし、シートSが、図8(d)に示す、跳ね上げ位置にあるとき、上記折曲部20bとローラ19との間に大きなすき間21が形成されてしまう。このようにすき間21が形成されると、シートSを、図8(d)に示す、跳ね上げ位置から着座位置方向に回動するとき、ローラ19と上記折曲部20bとの衝突音が発生するだけでなく、そのすき間21の回動範囲では減衰力が発揮されず、シートSを回動させるときに不快感を与えてしまう。
したがって、ローラ19が上記折曲部20bの位置まで抜け出ない回動範囲であれば、上記のように折曲部20bを設けることで、十分に対応できる。
【0036】
図9に示した他の実施形態は、アーム部材22の形態を変更したもので、このアーム部材22には、回転ダンパDの伝達軸17に連結した第1アーム部22aと、この第1アーム部22aに対してほぼ直角に曲げた第2アーム部22bとからなる。そして、第1アーム部22aの先端にはこの発明の第1接触部である第1ローラ23を設け、第2アーム部22bの先端に第2ローラ24を設けている。
【0037】
上記のようにした第1ローラ23はシートSの裏面における第1接触面25に接触させ、第2ローラ24をシートSの裏面における第2接触面26に接触させるようにしているが、これら第1,2ローラ23,24は、回転体であるシートSの回動過程において、第1,2接触面25,26に常時接触する構成にしている。
このように第1,2ローラ23,24を第1,2接触面25,26に常時接触させるようにしたので、例えば、シートSの回動過程で、第1,2ローラ23,24と第1,2接触面25,26との衝突音が発生したりしない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
映画館や劇場などに用いられる跳ね上げ式の椅子の跳ね上げ力を減衰するのに最適ある。
【符号の説明】
【0039】
T 椅子
S 回転体としてのシート
a 軸
4,7 回転支持部材
6 連結部材
13 軸挿入穴
D 回転ダンパ
15 減衰機構
16 ケーシング
17 伝達軸
18 アーム部材
19 アーム部材の接触部であるローラ
20 保持部材
20a 対向面
22 アーム部材
23 第1接触部である第1ローラ
24 第2接触部である第2ローラ
25 第1接触面
26 第2接触面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸と相対的に回転する回転体との回転力を減衰させる回転ダンパにおいて、ケーシングと、このケーシングに内蔵される減衰機構と、このケーシングに設けるとともに上記軸に取り付けるための連結部材と、上記軸と回転体の相対的な回転力を上記減衰機構に伝達するアーム部材とを備え、上記連結部材の軸中心と上記減衰機構の回転中心とをオフセットさせるとともに、上記アーム部材は上記回転体に直接または間接的に接触させる接触部を備えた回転ダンパ。
【請求項2】
軸と、この軸と相対的に回転する回転体と、これら軸と回転体の相対的な回転力を減衰させる回転ダンパとを備え、この回転ダンパのケーシングを上記軸に直接もしくは間接的に設ける一方、上記回転ダンパの回転中心と上記軸の中心とをオフセットさせるとともに、上記軸と回転体の相対的な回転力を回転ダンパに伝達するアーム部材を当該回転ダンパの伝達軸に設け、このアーム部材の接触部を上記回転体に直接または間接的に接触させてなる減衰装置。
【請求項3】
上記回転体には、アーム部材の先端を保持する保持部材を設けるとともに、この保持部材は、上記回転体に対向する対向面を備え、この対向面と回転体との間で上記アーム部材の接触部を保持する構成にし、上記軸と回転体との相対回転過程で、保持部材の上記対向面内に位置したアーム部材が上記保持部材と干渉しない方向に当該アーム部材を折曲した請求項2に記載した減衰装置。
【請求項4】
上記アーム部材は、
その回転中心から所定の距離を保持した第1接触部と、この第1接触部と所定の距離を保持するとともに上記回転中心及び第1接触部を結ぶ直線に対して折曲した線上に第2接触部を設け、上記第1接触部を上記回転体に設けた第1接触面に接触させ、上記第2接触部を上記回転体に設けた第2接触面に接触させた請求項2に記載した減衰装置。
【請求項5】
上記回転ダンパのケーシングを連結部材に固定するとともに、この連結部材には軸挿入穴を形成し、軸挿入穴には上記軸を挿入するとともに、これら軸挿入穴と軸とが相まって回り止め機構を構成する一方、上記回転体は上記軸に設けた回転支持部材に対して回転可能に支持された請求項2〜4のいずれかに記載した減衰装置。
【請求項6】
上記回転体が、回転可能にした椅子のシートであり、しかも、このシートには、それを跳ね上げる方向のばね力を作用させるとともに、上記回転ダンパは上記回転体の跳ね上げ方向に抗する減衰力を発揮する構成にした請求項2〜5のいずれかに記載した減衰装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−24348(P2013−24348A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161098(P2011−161098)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000110206)トックベアリング株式会社 (83)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】