説明

囲いおよびその形成方法

【課題】簡単組み立てできる囲いの提供。
【解決手段】少なくとも1つの細長い実質的に平坦な壁部材11と、少なくとも1つのエッジ溝13を有している少なくとも1つの柱部材12と、を含んでいる囲いであって、少なくとも1つの壁部材11の各々が、少なくとも1つのエッジ溝13へとはまり込む縁を有しており、該壁部材11の縁が、間隔を空けて位置する複数の突起14を該壁部材11の各々の面から突き出させて有しており、前記エッジ溝13が、間に壁部材11の縁を受け入れる1対の間隔を空けて位置する実質的に平行なフランジと、該実質的に平行なフランジの少なくとも一方に位置する当接用の段部とを有しており、該当接用の段部が、第1の方向への通過は許すが第2の反対方向への通過は阻止するように前記壁部材11の突起14と係合する囲い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、囲い(enclosure)に関し、特に周囲よりも高い庭床(raised garden bed)などとしての使用に適した囲いに関する。
【背景技術】
【0002】
たくさんの種類の囲いが、一般的に利用可能である。本発明の文脈において通常は家庭用として屋外で使用される「囲い」を、庭床または動物用の柵として使用することができる。「囲い」を、特定の状況においては屋内で使用することもできる。
【0003】
この文脈において、この種の囲いは、典型的には、持ち家所有者によって組み立てられ、あるいは建設されるが、そのような者は、通常は、経験が少なく、高価な組み立て用の工具を利用できないことがほとんどである。またさらに、これらの目的に使用することができるさまざまな囲いが入手可能であるかもしれないが、それらは一般に、組み立てが難しく、組み立てに2人以上が必要であり、あるいは固定具または工具の使用を必要とする。
【0004】
したがって、屋外および厳しい環境において使用するために充分に丈夫であるだけでなく、簡単に組み立てることができ、部品の数が少なく、工具、固定具、または専門的な技術を必要としない囲いを提供することが、明らかに好都合であると考えられる。
【0005】
本明細書において先行技術文献に言及したとしても、そのような言及が、その文献がオーストラリアおよび他のあらゆる国において当技術分野における共通の一般的知識の一部を形成していると認めるものではないことを、明らかに理解できるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、囲いおよびその形成方法であって、上述の欠点のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に克服でき、あるいは消費者に有用または市販の選択肢を提供することができる囲いおよびその形成方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑み、本発明は、一形態において、広くには、少なくとも1つの細長い実質的に平坦な壁部材と、少なくとも1つのエッジ溝を有している少なくとも1つの柱部材と、を含んでいる囲いであって、少なくとも1つの壁部材の各々が、少なくとも1つのエッジ溝へとはまり込む縁を有しており、壁部材の縁が、間隔を空けて位置する複数の突起を壁部材の各々の面から突き出させて有しており、エッジ溝が、間に壁部材の縁を受け入れる1対の間隔を空けて位置する実質的に平行なフランジと、実質的に平行なフランジの少なくとも一方に位置する当接用の段部とを有しており、当接用の段部が、第1の方向への通過は許すが第2の反対方向への通過は阻止するように壁部材の突起と係合する囲いにある。
【0008】
第1の方向は、典型的には、柱の高さに対して直角であり、第2の方向も同様である。壁部材および柱を、お互いに対して柱の高さに平行な両方向に、摺動によって動かすことも可能である。
【0009】
本発明の囲いは、容易かつ経済的に大量生産し、梱包し、流通させることができる。好ましい実施形態は、典型的には、異なる構成部品を2つ(あるいは、端部キャップが含まれる場合には3つ)しか含まず、それらの構成部品を、工具、固定具、または高度な専門的技術を必要とせずに容易に組み立てまたは分解することができる。
【0010】
本発明の囲いは、好ましくはモジュール式である。囲いを、ユーザーによる組み立てを必要とする「フラットパック(flat pack)」として知られるかたちに梱包できることが、特に好ましい。
【0011】
本発明の構成部品は、典型的には、エッジ溝に対する壁部材の摺動ならびに/あるいは物理的および可聴式の両方による係合のフィードバックを伴うスナップ式の組み込みによって、組み立てることが可能である。
【0012】
一般に、壁部材は、間隔を空けて位置した柱の間に位置する。壁部材が互いに重なり合ってもよいが、これは、典型的には、壁部材間の固定具の使用を避けるために、水平方向の重なり合いよりもむしろ垂直方向の重なり合いに限られる。
【0013】
本発明の構成部品は、例えば矩形、三角形、または5つ以上の辺を有する囲いなど、種々さまざまな形状の形成を可能にする。囲いは、1つの壁部材および1つの柱が設けられる円形であってもよい。
【0014】
本発明の囲いは、その用途によって限定されるものではない。一般に、本発明の囲いは、物置、庭床、ペットの柵、などとして、屋外環境において使用されるが、特定の状況においては屋内で使用することもできる。
【0015】
本発明の囲いの壁部材は、同じ寸法である必要がない。例えば、壁パネルのうちのいくつかの高さが、特定の方向について日除けをもたらし、風よけとして機能し、あるいはプライバシーをもたらすために、他の壁パネルの高さよりも大きくてよい。
【0016】
本発明の囲いは、付属品と一緒に販売されてもよい(あるいは、付属品が別売りであって、単に囲いと一緒に使用されてもよい)。付属品を、これらに限られるわけではないが例として、日除け布または作業台を支持し、あるいは工具を保管するために、壁パネルまたは柱へと取り付けるために使用することができる。
【0017】
2つ以上の囲いを一緒に使用することが可能である。囲いを、単に互いに当接するように配置してもよいが、2つ以上の囲いを互いに接続してもよい。例えば、1つ以上の柱部材を、或る囲いを定めている壁部材と、第2の(あるいは、それ以上の)囲いの一部を定めるための1つ以上の追加の壁とを取り付けるために使用することができる。このやり方で、多数の囲いを一緒に形成し、すべての囲いの安定性および機能性を高めることができる。
【0018】
任意の1つ以上の囲いの高さを、1つの囲いを別の囲いの上に配置することによって増やすことができる。より高さの高い柱部材を、高さの高い囲いを形成するために使用することができ、あるいは柱部材を、囲いの高さの上方にずらすことができる。この実施形態においては、壁部材を、垂直方向において部分的に重ね合わせることができる。
【0019】
本発明の囲いは、少なくとも1つの細長い実質的に平坦な壁部材を含む。少なくとも1つの壁部材の各々が、少なくとも1つの柱部材の少なくとも1つのエッジ溝に受け入れられる端縁を有する。好ましくは、壁部材の端縁が、壁部材の少なくとも一方の面から突き出し、典型的には各面から突き出す複数の間隔を空けて位置する突起を有する。
【0020】
壁部材は、パネル部材であってよい。典型的には、壁部材が、実質的に平坦である。用語「実質的に平坦」は、壁部材が平面であることを必要とせず、より高い強度を典型的にもたらす波形の壁部材を包含する。
【0021】
壁部材またはパネル部材は、典型的には、1対の端縁ならびに上縁および下縁を有するおおむね矩形である。典型的には、端縁が、柱部材のエッジ溝に少なくとも部分的に受け入れられる。
【0022】
パネル部材は、鋼板などの連続的なパネル部材である。鋼板は、通常は、強度および剛性をもたらすために異形にされ、あるいは波形にされる。鋼板を、腐食を防止すべく処理することができ、塗装することができ、異形にすることなどができる。任意の異形を使用することができる。典型的には、壁部材がロール成形され、あるいは押し出しされる。
【0023】
例えば、アルミニウム、プラスチック、ファイバーグラス、または木材など、他の材料を壁パネルを形成するために使用することができる。
【0024】
パネルは、不連続なパネルを備えることができ、これは、ワイヤー格子パネル、開口を有するパネル、または孔の開いたパネルを含むことができる。
【0025】
パネルは、1枚以上の薄板を備えることができ、2倍厚さのパネル、3倍厚さのパネル、強化されたパネル、などを含むことができる。
【0026】
パネルは、パネルの用途に応じて、さまざまなサイズおよび形状ならびに厚さおよび外形を有することができる。
【0027】
壁パネルの縁は、好ましくは設けられた安全縁を有する。典型的には、安全縁は、上縁および下縁に設けられる。端縁は、通常はエッジ溝に受け入れられるため、安全縁は、通常はこれらの縁には設けられない。安全縁の形成は、典型的には、アーチ形の折り目が露出されるように壁パネルの縁を自分自身へと曲げ返すことを含む。
【0028】
エッジ溝の取り付けが所望されるパネル部材の縁については、間隔を空けて位置する複数の突起が設けられる。これは、上述のように、典型的には壁パネルの端縁またはその付近に位置するが、上縁および/または下縁にキャップを設けることができ、その場合には、これらの縁も間隔を空けて位置する複数の突起を備えることができる。
【0029】
一形態において、これらの突起は、パネル部材から打ち出すことができるラグを備える。他の種類の突起も考えられるが、この段階においては、打ち出しによるラグが、突起を形成するための最も便利かつ費用対効果に優れたやり方であると考えられる。
【0030】
突起は、間隔を空けて位置しており、突起間の距離、突起のサイズ、突起の形状は、必要とされる取り付けの種類に適するようにさまざまであってよい。すなわち、取り付けがきわめて堅固であるように意図される場合には、通常よりも多数の突起を使用することができる。
【0031】
あるいは、より良好な固定作用をもたらすために、突起のサイズを大きくすることができる。
【0032】
パネル部材をエッジ溝の各側へと固定し、より確実な固定作用をもたらすことができるよう、突起がパネル部材の各々の面から延びていることが好ましい。
【0033】
エッジ溝とパネル部材との間の固定の強度を改善するために、パネル部材の間隔を空けて位置する複数の突起は、パネル部材の縁からいくらか離れていることが好ましい。すなわち、突起とパネル部材の縁との間に存在する金属が多いほど、突起が引きちぎられる可能性が少なくなる。
【0034】
さらに、本発明の囲いは、少なくとも1つのエッジ溝を有する少なくとも1つの柱部材を備えている。各々のエッジ溝が、間に壁部材の縁が受け入れられる1対の間隔を空けて位置する実質的に平行なフランジと、これら実質的に平行なフランジの少なくとも一方に位置する当接用の段部とを有しており、この当接用の段部が、第1の方向への通過は許すが第2の反対方向への通過は阻止するように壁部材の突起と係合する。
【0035】
壁部材を摺動によってエッジ溝に係合させることができ、さらには/あるいはスナップ式の係合を使用できることを、はっきりと見て取ることができる。
【0036】
本発明の柱部材は、典型的には細長くて全長/全高にわたって一定の断面を有している。柱部材を形成するために、押し出しプロセスが好ましい。
【0037】
柱部材は、金属などの任意の材料から形成することができるが、プラスチックが好ましく、特に耐衝撃性改質UV安定化プラスチックが好ましい。特に好ましいプラスチックは、硬質PVCとしても知られる無可塑ポリ塩化ビニル(uPVC)である。
【0038】
柱部材に、端部キャップおよび/または足を設けることができる。設けられる場合、端部キャップまたは足は、好ましくは、端部キャップまたは足を柱に対して保持すべくエッジ溝に受け入れられるように構成された部位を有する押し込みによる構成部品である。端部キャップまたは足は、好ましくはプラスチックから製造される。摩擦または干渉によるはまり合いが、端部キャップまたは足を柱部材から比較的容易に取り外すことができるようにするために好ましい。
【0039】
典型的には、各々の柱部材が、少なくとも1対のエッジ溝を備える。エッジ溝は、お互いに対して任意の角度にあってよく、エッジ溝の間の角度は、囲いまたは囲いの内部の仕切りを形成すべく特定の互いの角度に壁または仕切りを設けるように選択される。例えば、柱が、約60°離れた3つのエッジ溝、約90°離れた4つのエッジ溝、90°離れた3つのエッジ溝、180°離れた2つのエッジ溝、150°離れた2つのエッジ溝、120°離れた2つのエッジ溝、または90°離れた2つのエッジ溝を備えることができる。
【0040】
典型的な溝形状は、1対の間隔を空けて位置する実質的に平行な横フランジと、接続部材(溝がどのように使用されるかに応じて底壁または上壁あるいは縁の壁となることができる)とを有する実質的にU字形の形状である。
【0041】
溝の長さ、断面のサイズ、および太さは、適合するようにさまざまであってよく、また溝は、(使用される材料に応じて)腐食を防ぎ、あるいは装飾的な外観をもたらすように、被覆または他のやり方で処理することもできる。所望であれば、溝に排水用のスロットまたは孔を設けることが可能である。
【0042】
横フランジの端部を、壁またはパネル部材を導き入れるために先細りにすることができる。
【0043】
エッジ溝は、パネル部材の突起を固定することができる少なくとも1つの当接用の段部を有している。この少なくとも1つの当接用の段部は、エッジ溝の側壁の少なくとも一方(好ましくは、両方)の外縁の返しリップを備えることができる。返しリップを、エッジ溝へと容易にロール成形または他の方法で形成することができる。
【0044】
エッジ溝が、スポット溶接、接着剤、または固定具によって取り付けることができる別途の突起を含むことが可能である。この別途の突起を、所望であれば工場において設けることができる。
【0045】
確実な固定作用をもたらすために、当接用の段部は、パネル部材をエッジ溝の両方の側壁に対して固定できるよう、エッジ溝の各々の側壁に位置する突起であってよく、あるいはエッジ溝の各々の側壁に位置する突起を含むことができる。
【0046】
エッジ溝の突起は、パネル部材の突起との係合が可能であるように相応に配置される必要がある。この理由で、エッジ溝の突起がエッジ溝の最も外側の部分に隣接することが好ましく、これによってパネル部材の突起をパネル部材の縁からいくらか離すことができる。
【0047】
あるいは、エッジ溝が、壁パネルの突起または突出部を少なくとも部分的に受け入れることができるように、収容穴をエッジ溝の各々の側壁に有することができる。
【0048】
特定の形態においては、収容穴が、実質的にU字形であってよく、壁部材の平面に対して直角に延びることができる。この構成においては、典型的には、U字形の収容穴の1つの壁が、当接用の段部を形成する。フランジの間の開口への壁パネルの横移動は、突起を通過させるために必要な壁部材の突起またはエッジ溝のフランジの或る程度の小さな一時的変形によって可能である。ひとたび突起が収容穴に整列すると、典型的には変形が止み、使用されている材料の自然の付勢により、収容穴からの突起の横方向への取り出しを防止することができる。
【0049】
壁パネルを、壁パネルまたは柱をお互いに対して上方または下方へと摺動させることによって、柱部材から取り外すことができる。
【0050】
また、ストッパ手段を、壁部材がエッジ溝へと過度に挿入されることがないように、エッジ溝の内部に設けることができる。
【0051】
エッジ溝とパネル部材とを押し合わせて固定することができるよう、エッジ溝が、突起を受け入れるべく或る程度広がることができるよう、或る程度の弾性を有することが好ましい。
【0052】
あるいは、突起が或る程度の弾性を有してもよく、さらなる代案においては、エッジ溝およびパネル部材の両方を或る程度まで弾性的にできると考えられる。
【0053】
壁部材を、エッジ溝へと任意の方向に挿入することができ、例えば水平方向に挿入でき、垂直方向に挿入でき、あるいは最初に柱の一端を壁部材に係合させ、他端に向かって作業して、斜めに挿入することも可能である。
【0054】
本発明の囲いは、1つ以上の仕切りを備えることも可能である。一般に、仕切りは、単純に、囲いにおいて側壁のうちの1つ以上と任意の他の側壁または囲いの内側の他の地点との間を延びる壁部材である。
【0055】
典型的には、仕切りおよび仕切りの位置は、1つ以上の柱によって定められる。有用となりうる任意の数の仕切りおよび仕切りの任意の構成を、生み出すことができる。柱の種々の組み合わせの使用が、囲いそのものだけでなく、囲いの内側の仕切りについても、種々の形状を形成することができる。
【0056】
上述の柱を使用することで、囲いの体積を種々の隔てられた領域へと分割すべく、1つ以上の仕切り壁を囲いに設けることができることが、明らかである。例えば、柱が、約60°離れた3つのエッジ溝、約90°離れた4つのエッジ溝、90°離れた3つのエッジ溝、180°離れた2つのエッジ溝、150°離れた2つのエッジ溝、120°離れた2つのエッジ溝、または90°離れた2つのエッジ溝を備えることができる。これらが、囲いに仕切り壁部材を設けることを可能にする。
【0057】
本明細書に記載される特徴のいずれも、本発明の技術的範囲において、本明細書に記載される他の特徴の任意の1つ以上と任意の組み合わせにて組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の種々の実施形態を、以下の図面を参照して説明する。
【0059】
【図1】本発明の好ましい実施形態に従って壁パネルを120°の柱へと取り付ける方法を示す断面概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態による好ましい柱の断面図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態に従って囲いを形成するために使用される壁パネルの端面図である。
【図3A】図3に示したパネルの一端の詳細図である。
【図4】図3に示したとおりの2つの壁パネルの間の重なり合いの部分の詳細図である。
【図5A】好ましい実施形態の90°の「T字」柱の断面図である。
【図5B】好ましい実施形態の90°の柱の断面図である。
【図5C】好ましい実施形態の120°の「T字」柱の断面図である。
【図5D】好ましい実施形態の120°の柱の断面図である。
【図5E】第1の好ましい実施形態の180°の柱の断面図である。
【図5F】第2の好ましい実施形態の180°の柱の断面図である。
【図6A】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図6B】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図6C】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図6D】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図6E】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図6F】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図6G】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図6H】本発明を利用して形成することができる囲いの種々の形状の概略の平面図である。
【図7A】本発明の囲いにおいて使用することができる分割壁のさまざまな構成の概略の平面図である。
【図7B】本発明の囲いにおいて使用することができる分割壁のさまざまな構成の概略の平面図である。
【図7C】本発明の囲いにおいて使用することができる分割壁のさまざまな構成の概略の平面図である。
【図7D】本発明の囲いにおいて使用することができる分割壁のさまざまな構成の概略の平面図である。
【図8】本発明において使用することが可能である柱の種々さまざまな断面形状の図である。
【図9】本発明を使用して単純に形成することができる囲いの種々さまざまなサイズの代表的なサイズの図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、囲い10が提供される。
【0061】
好ましい実施形態の囲い10は、いくつかの細長い実質的に平坦な壁部材11と、いくつかの柱部材12とで形成され、各々の柱部材12が、壁部材11の縁を挿入してスナップ式の係合によって保持することができる少なくとも2つのエッジ溝13を有しており、スナップ式の係合の特に好ましい実施形態が、図1に示されている。
【0062】
各々の壁部材11は、エッジ溝13へとはまり込む1対の端縁(その一方だけが、図1には示されている)を有しており、壁部材11の端縁が、壁部材11の各々の面から突き出す複数の突起14を、壁部材11の全高にわたって間隔を空けつつ有している。
【0063】
エッジ溝13は、間に壁部材11の縁を受け入れる1対の間隔を空けて位置する実質的に平行なフランジ15によって定められている。当接用の段部17が、壁部材11の突起14について、第1の方向への通過は許すが、第2の反対方向への通過は阻止すべく、壁部材11の突起14に係合するように実質的に平行なフランジ15の各々に設けられている。
【0064】
第1の方向は、典型的には柱の高さに対して直角であり、第2の方向も同様である。壁部材および柱を、柱の高さに平行な両方の方向において、摺動によってお互いに対して移動させることも可能である。
【0065】
本発明の囲い10は、容易かつ経済的に大量生産し、梱包し、流通させることができる。
【0066】
通常は、壁部材が、間隔を空けて位置した柱の間に位置する。
【0067】
本発明の構成部品は、例えば矩形、三角形、または5辺以上を有する囲いなど、種々の異なる形状の形成を可能にするが、図9に示されているような六角形の囲いが好ましい。
【0068】
図6A〜図6Hに示されるとおり、2つ以上の囲いを一緒に使用することが可能である。囲い10を、単に互いに当接するように配置してもよいが、2つ以上の囲いを互いに接続してもよい。例えば、1つ以上の柱部材12を、或る囲い10を定めている壁部材を取り付けるためだけでなく、第2の(あるいは、それ以上の)囲いの一部を定めるためにも使用することができる。このやり方で、多数の囲いを一緒に形成し、すべての囲いの安定性および機能性を高めることができる。
【0069】
本発明の囲いは、少なくとも1つの細長い実質的に平坦な壁部材11を含んでいる。各々の壁部材11が、好ましくは、柱部材12のエッジ溝13に受け入れられる端縁を有している。
【0070】
特に図3に示されているように、壁部材11は、鋼板などの連続的なパネル部材である。鋼板は、通常は、強度および剛性をもたらすために異形にされ、あるいは波形にされる。鋼板を、腐食を防止すべく処理することができ、塗装することができ、異形にすることなどができる。任意の異形を使用することができる。典型的には、壁部材がロール成形され、あるいは押し出される。
【0071】
エッジ溝への取り付けが所望されるパネル部材の縁に、複数の間隔を空けて位置する突起が設けられる。上述のように、これは、典型的には、壁パネルの端縁に隣接すると考えられる。
【0072】
好ましい形態においては、これらの突起が、パネル部材から打ち出すことができるラグを備えている。
【0073】
壁部材11をエッジ溝13の各側へと固定して、より確実な固定作用をもたらすことができるよう、突起14が、図1に示されるように、壁部材11の各々の面から突き出すことが好ましい。
【0074】
エッジ溝13と壁部材11との間の固定の強度を改善するために、壁部材の複数の間隔を空けて位置する突起14は、図1に示されているようにパネル部材の縁からいくらか離れていることが好ましい。すなわち、突起とパネル部材の縁との間に存在する金属が多いほど、突起が引きちぎられる可能性が少なくなる。
【0075】
壁部材の上縁および下縁には、安全縁50を設けることができ、その1つの好ましい形態が、図3Aに示されている。この安全縁50は、怪我を好都合に最小化する涙滴形の縁が形成されるように、壁部材11の縁を自分自身へと曲げ返すことによって形成されている。
【0076】
壁部材11を、図4に示されているように重ね合わせてもよい。
【0077】
壁部材11を摺動によってエッジ溝13に係合させることができ、さらには/あるいはスナップ式の係合を使用してもよいことを、はっきりと見て取ることができる。
【0078】
柱部材は、任意の材料から形成することが可能であるが、プラスチックが好ましく、特に耐衝撃性改質UV安定化プラスチックが好ましい。特に好ましいプラスチックは、硬質PVCとしても知られる無可塑ポリ塩化ビニル(uPVC)である。
【0079】
エッジ溝13は、お互いに対して任意の角度にあってよく、エッジ溝13同士の角度は、囲いを形成するようにお互いに対して特定の角度にある壁または仕切りをもたらすように選択される。例えば、図8に示されているように、柱12に、2つのエッジ溝を90°離して設けることができ(図5Bにも示されている)、3つのエッジ溝13を約60°離して設けることができ(図5Cにも示されている)、4つのエッジ溝を約90°離して設けることができ、3つのエッジ溝を90°離して設けることができ(図5Aにも示されている)、2つのエッジ溝を180°離して設けることができ(図5Eおよび図5Fにも示されている)、2つのエッジ溝を150°離して設けることができ、2つのエッジ溝を120°離して設けることができ(図5Dにも示されている)、あるいは2つのエッジ溝を90°離して設けることができる。
【0080】
典型的な溝の形状は、1対の間隔を空けて位置する実質的に平行な横フランジ15と、接続部材20(溝がどのように使用されるかに応じて底壁または上壁あるいは縁の壁となることができ、図5Eに示されるように2つ以上であってもよい)とを有する実質的にU字形の形状である。
【0081】
溝の長さ、断面の大きさ、および太さは、適合するようにさまざまであってよく、溝を腐食(金属の場合)を防ぐように着色、被覆、または他のやり方で処理することもでき、あるいは溝が、装飾的な外観をもたらすこともできる。所望であれば、溝に排水用のスロットまたは孔を設けることが可能である。
【0082】
横フランジ15の自由端16は、壁部材11を導き入れるように先細りであってよい。
【0083】
エッジ溝13は、パネル部材の突起14を固定することができる当接用の段部17を有している。
【0084】
図示の実施形態によれば、各々のエッジ溝13が、壁パネル11の突起14を少なくとも途中まで収容できるよう、エッジ溝13を形成している各々のフランジ15に収容穴18を有している。
【0085】
図1および図2に示した特定の形態においては、収容穴18が、実質的にU字形であり、壁部材11の平面に対して直角に延びている。この構成においては、U字形の収容穴18の1つの壁が、当接用の段部17を形成する。フランジ15の間の溝13への壁パネル11の横移動は、突起14を通過させるために必要な壁部材11の突起14またはエッジ溝13のフランジ15の或る程度の小さな一時的変形によって可能である。ひとたび突起14が収容穴18に整列すると変形が止み、使用されている材料の自然の付勢により、収容穴18からの突起14の横方向への取り出しを防止することができる。
【0086】
壁パネル11を、壁パネル11または柱12をお互いに対して上方または下方へと摺動させることによって、柱部材12から取り外すことができる。
【0087】
さらに、ストッパ部材19が、壁部材11がエッジ溝13へと過度に挿入されることがないように、エッジ溝13の中に設けられる。
【0088】
エッジ溝とパネル部材とを押し合わせて固定することができるよう、エッジ溝が、突起を受け入れるべく或る程度広がることができるよう、或る程度の弾性を有することが好ましい。
【0089】
あるいは、突起が或る程度の弾性を有することができ、さらなる代案においては、エッジ溝およびパネル部材の両方を或る程度まで弾性的にすることが考えられる。
【0090】
組み立ての際に、壁部材11を、エッジ溝13へと任意の方向に挿入することができ、例えば水平方向に挿入でき、垂直方向に挿入でき、あるいは最初に柱12の一端を壁部材11に係合させ、他端に向かって作業して、斜めに挿入することも可能である。
【0091】
本発明の囲いは、図7A〜図7Dに示されるように、1つ以上の仕切り21を備えることも可能である。一般に、仕切り21は、単純に、囲い10において側壁のうちの1つ以上と任意の他の側壁または囲いの内側の他の地点との間を延びる壁部材である。特に図7Cおよび図7Dに示されている仕切りは、単一の壁であってよいが、好ましくは仕切りの壁部材が取り付けられる中央の柱が設けられる。
【0092】
典型的には、仕切りおよび仕切りの位置は、1つ以上の柱によって定められる。有用となりうる任意の数の仕切りおよび仕切りの任意の構成を、生み出すことができる。柱の種々の組み合わせの使用が、囲いそのものだけでなく、囲いの内側の仕切りの種々の形状に適合する。
【0093】
上述の柱を使用することで、囲いの体積を種々の隔てられた領域へと分割すべく、1つ以上の仕切り壁を囲いに設けることができることが、明らかである。例えば、柱が、約60°離れた3つのエッジ溝、約90°離れた4つのエッジ溝、90°離れた3つのエッジ溝、180°離れた2つのエッジ溝、150°離れた2つのエッジ溝、120°離れた2つのエッジ溝、または90°離れた2つのエッジ溝を備えることができる。これらが、囲いに仕切り壁部材を設けることを可能にする。
【0094】
本明細書および特許請求の範囲(もしあれば)において、用語「・・・からなっている(comprising)」ならびにこの用語の「・・・からなる(comprisesおよびcomprise)」などの派生語は、そこで述べられている事物の各々を包含するが、1つ以上のさらなる事物が含まれることを排除するものではない。
【0095】
本明細書の全体を通して、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される個々の造作、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書のさまざまな場所で「一実施形態において」または「実施形態において」という表現が現れても、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、個々の造作、構造、または特徴を、任意の適切なやり方で1つ以上の組み合わせに組み合わせることが可能である。
【0096】
法律に従い、本発明を、構造的または組織的な特徴に多少なりとも特有の表現で説明した。本明細書において説明された手段は、本発明を実施する好ましい形態を含んでいるため、本発明が図示または説明した特定の特徴に限られないことを、理解すべきである。したがって、本発明は、当業者によって適切に解釈される添付の特許請求の範囲(もしあれば)の妥当な技術的範囲に包含されるあらゆる本発明の形態または変形にて請求される。
【符号の説明】
【0097】
10 囲い
11 壁部材
12 柱部材
13 エッジ溝
14 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの細長い実質的に平坦な壁部材と、少なくとも2つのエッジ溝を有している少なくとも1つの柱部材とを含んでいる囲いであって、少なくとも1つの壁部材の各々が、少なくとも1つのエッジ溝へとはまり込む縁を有しており、該壁部材の縁が、間隔を空けて位置する複数の突起を該壁部材の各々の面から突き出させて有しており、前記エッジ溝が、間に壁部材の縁を受け入れる1対の間隔を空けて位置する実質的に平行なフランジと、該実質的に平行なフランジの少なくとも一方に位置する当接用の段部とを有しており、該当接用の段部が、第1の方向への通過は許すが第2の反対方向への通過は阻止するように前記壁部材の突起と係合する囲い。
【請求項2】
少なくとも1つの壁部材の各々が、波形の部材である請求項1に記載の囲い。
【請求項3】
前記波形の部材における波形が、実質的に水平方向に延びている請求項2に記載の囲い。
【請求項4】
壁部材の各々が、おおむね矩形であって1対の端縁ならびに上縁および下縁を有しており、前記端縁が、前記少なくとも1つの柱部材の少なくとも1つのエッジ溝へと少なくとも部分的に受け入れられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項5】
安全縁が、少なくとも前記上縁および下縁に設けられている請求項4に記載の囲い。
【請求項6】
前記壁部材が、不連続なパネルを備えている請求項1〜5のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項7】
前記突起が、前記壁部材から打ち抜かれたラグを備えている請求項1〜6のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項8】
前記突起が、より確実な固定作用をもたらすべくパネル部材を前記エッジ溝の各側へと固定できるよう、前記壁部材の各面から延びている請求項1〜7のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項9】
前記突起が、組み立てられるときにスナップ式の係合をもたらすが、壁部材をエッジ溝において摺動させることによって分離可能である請求項1〜8のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項10】
少なくとも1つの柱部材に、摩擦または干渉によるはまり合いによって端部キャップおよび/または足が設けられる請求項1〜9のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項11】
各々の柱部材が、少なくとも1対のエッジ溝を備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項12】
前記エッジ溝が、1対の間隔を空けて位置する実質的に平行な横フランジと、該横フランジの間の接続部材とを有する実質的なU字形である請求項1〜11のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項13】
前記横フランジの自由端が、壁部材またはパネル部材を導き入れるために先細りである請求項12に記載の囲い。
【請求項14】
各々のエッジ溝が、前記壁部材の突起を少なくとも部分的に収容するための収容穴を少なくとも一方の横フランジに有している請求項12または13に記載の囲い。
【請求項15】
前記壁パネルを横方向に前記横フランジの間のエッジ溝へと動かすことにより、壁部材の突起および/またはエッジ溝の横フランジが一時的に変形して、突起を通過させることができ、ひとたび突起が前記収容穴に整列すると、変形が止んで突起が収容穴へと付勢される請求項14に記載の囲い。
【請求項16】
少なくとも1つのストッパ部材が、壁部材がエッジ溝へと過度に挿入されることがないようにエッジ溝内に設けられる請求項12〜15のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項17】
1つ以上の仕切りをさらに備える請求項1〜16のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項18】
各々の仕切りが、当該囲いにおいて側壁のうちの1つ以上と任意の他の側壁または当該囲いの内側の他の地点との間を延びる壁部材である請求項17に記載の囲い。
【請求項19】
各々の仕切りが、2つの柱の間を延びており、各々の柱が、当該囲いを形成するために使用され、あるいは当該囲いの内側にある請求項17または18に記載の囲い。
【請求項20】
前記壁パネルのうちの少なくとも1つの壁パネルの高さが、他の壁パネルの高さよりも大きい請求項1〜19のいずれか一項に記載の囲い。
【請求項21】
複数の囲いが、1つ以上の柱部材を或る1つの囲いの一部としての少なくとも1つの壁部材を取り付けるためおよびさらなる囲いの一部を定めるために利用してつなぎ合わせられている請求項1〜20のいずれか一項に記載の囲い。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図6E】
image rotate

【図6F】
image rotate

【図6G】
image rotate

【図6H】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−70698(P2013−70698A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106108(P2012−106108)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【出願人】(512061135)ショルテス ファミリー ホールディングス プロプライエタリー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】