説明

固定砥粒ソーワイヤの製造方法および固定砥粒ソーワイヤ

【課題】尖端が外方を向くように砥粒を付着させる。
【解決手段】表面に微細な凹部を有する乾燥状態の鋼線3を,電流が通電されているソレノイドコイルの内部空間を走行させながら通過させることによって,表面から垂直な方向を向く漏洩磁束を有するように鋼線3を磁化する。磁化された鋼線3を,ニッケルプレコーティングダイヤモンド砥粒が流動自在に堆積された砥粒流動槽を通過させて上記鋼線3の表面に上記砥粒を磁力によって付着する。砥粒が付着した鋼線3をニッケル水溶液が溜められた浴槽を通過させて電解ニッケルめっきする。固定砥粒ソーワイヤ4が製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,固定砥粒ソーワイヤの製造方法および固定砥粒ワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン,サファイアなどの高硬度の脆性材料のインゴットを薄く切断してウエハを製作するために,固定砥粒ソーワイヤが用いられている。固定砥粒ソーワイヤは,電着,ロウ付け,レジンなどによってダイヤモンドなどの細かい粉砕物をワイヤの表面に固定したものである。走行する固定砥粒ソーワイヤにシリコンなどのインゴットを押しつけることによって,インゴットが薄く切断されてウエハが製作される。
【0003】
引用文献1,2には,ピアノ線を磁気コイルまたは磁石によって磁化し,磁力によって砥粒をピアノ線に吸着または付着させる方法が記載されている。しかしながら,磁気コイルまたは磁石によって単にピアノ線を磁化させることだけでは,ピアノ線に付着する砥粒の方向が安定しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭53−14489号公報
【特許文献2】特開2004−50301号公報
【発明の開示】
【0005】
この発明は,尖端が外方を向くようにワイヤの表面に砥粒を付着させる方法を提供することを目的とする。
【0006】
この発明はまた,尖端が外方を向いて付着した砥粒を有する固定砥粒ソーワイヤを提供することを目的とする。
【0007】
この発明による固定砥粒ソーワイヤの製造方法は,表面に微細な凹部を有する乾燥状態の鋼線を,電流が通電されているソレノイドコイルの内部空間を走行させながら通過させることによって,上記鋼線の表面から外方を向く漏洩磁束を有するように上記鋼線を磁化し,上記磁化された鋼線を,多数の金属被膜砥粒が流動自在に堆積された砥粒付着装置を通過させて上記鋼線の表面に上記金属被膜砥粒を付着し,上記金属被覆砥粒が付着した鋼線の表面に固着材を被覆する。
【0008】
この発明による固定砥粒ソーワイヤは,電流が通電されているソレノイドコイルの内部空間に,表面に微細な凹部を有する乾燥状態の鋼線を走行させながら通過させて表面から外方を向く漏洩磁束を有するように磁化された鋼線を,多数の金属被覆砥粒が流動自在に堆積された砥粒付着装置を通過させて上記鋼線の表面に上記金属被覆砥粒を付着させ,上記金属被覆砥粒が付着した鋼線の表面に固着材を被覆させたものである。
【0009】
鋼線の表面には微細な凹部(または傷)が多数存在する。この微細な凹部は一般に鋼線を製造する過程(延伸工程等)において鋼線の表面に発生する。微細な凹部を表面に有する乾燥状態の鋼線を,電流が通電されているソレノイドコイルの内部空間を走行させながら通過させると鋼線は磁化(好ましくは飽和磁化)され,鋼線の表面の微細な凹部から磁束が漏洩する。漏洩磁束によって,砥粒付着装置において鋼線の表面には磁力で金属被覆砥粒が付着する。金属被覆砥粒は,たとえばダイヤモンド粉砕物をニッケルによって被覆したものである。金属被覆砥粒は磁束の方向にその長手方向を向けて付着しやすい。表面に微細な凹部を有する鋼線を磁化することで鋼線の表面の凹部の箇所において生じる漏洩磁束は,鋼線の表面から外方に向かう方向成分を含む。このため,鋼線の表面には,鋼線の外方にその長手方向を向けて金属被膜砥粒が付着しやすい。また,金属被膜砥粒は安定した姿勢で鋼線の表面に付着しやすいので,多数の金属被膜砥粒はその尖端を外方に向けて突出させた姿勢で鋼線の表面に付着しやすい。
【0010】
この発明によると,尖端が外方を向いた姿勢で多数の金属被覆砥粒が鋼線の表面に付着するので,切れ味のよい固定砥粒ソーワイヤが得られる。また,金属被覆砥粒は乾燥状態下で付着されるので,金属被覆砥粒の凝集が生じにくい。
【0011】
固着材は,磁力によって鋼線の表面に付着している金属被覆砥粒を,鋼線の表面に固定(固着)するためのものである。固着材としては,ニッケル等の金属,レジンなどが用いられる。たとえばニッケルめっき液が溜められためっき浴槽に金属被覆砥粒が付着した鋼線を浸し,上記めっき浴槽に電流を通電することによって,電着によりニッケルを鋼線の表面に被覆する。ニッケルによって金属被覆砥粒は鋼線の表面に強固に固定される。
【0012】
一実施態様では,上記ソレノイドコイルの内部空間の中心線方向と上記ソレノイドコイルの内部空間を走行する鋼線の走行方向とを異ならせることによって,上記漏洩磁束の密度が制御される。漏洩磁束密度が大きすぎると鋼線の表面において金属被覆砥粒の凝集が生じ,逆に小さすぎると付着する金属被覆砥粒の数が少なくなる。ソレノイドコイルの内部空間を走行する鋼線の走行方向を上記ソレノイドコイルの内部空間の中心線方向と一致させると鋼線は最も強く磁化され,走行方向を中心線方向からずらす(傾ける)と磁化の強さは弱まる。これを利用して漏洩磁束密度の大きさが制御される。たとえば,漏洩磁束密度は3〜5×10-4T(テスラ)に制御される。直径が0.18mmの鋼線の場合,150〜200個/mm程度の金属被覆砥粒が鋼線の表面に付着する。漏洩磁束密度はソレノイドコイルに通電する電流量を調整することによって制御してもよい。
【0013】
他の実施態様では,金属被覆砥粒が付着した鋼線を振動させることによって余剰の付着金属被覆砥粒がふるい落とされる。金属被覆砥粒が凝集した場合にその凝集を軽減することができる。均等に金属被覆砥粒が付着した固定砥粒ソーワイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】固定砥粒ソーワイヤの製造装置を示すブロック図である。
【図2】ソレノイドコイルの正面図である。
【図3】(A)は鋼線の拡大正面図を,(B)は鋼線における磁束線の分布を,それぞれ示す。
【図4】ソレノイドコイルの一部の拡大正面図である。
【図5】砥粒付着装置の構造を示す。
【図6】固定砥粒ソーワイヤの一部の縦断面図である。
【図7】固定砥粒ソーワイヤの写真である。
【図8】他の態様の砥粒付着装置の構造を示す。
【実施例】
【0015】
図1は固定砥粒ソーワイヤの製造装置を示すブロック図である。
【0016】
繰出しボビン1にブラスめっきが施された鋼線3が巻き回されている。繰出しボビン1から一定の速度で鋼線3が繰出される。
【0017】
繰出しボビン1から繰出された鋼線3は,希塩酸水溶液が溜められた希塩酸槽11に浸漬されてその表面の酸化物が除去された後,水が溜められた水洗槽12を通されて水洗いされる。水洗いされた鋼線3は乾燥装置13においてその水分が除去される。乾燥装置13においては,たとえば高温の熱風,ノズルからの送風などが鋼線3に吹付けられる。
【0018】
乾燥状態の鋼線3は磁化装置14に進む。
【0019】
図2は磁化装置14が備えるソレノイドコイル21を示している。
【0020】
鋼線3は,磁化装置14においてソレノイドコイル21の内部空間(ソレノイドコイル21によっておおよそ仕切られる円筒状の空間)に通される。電流iをソレノイドコイル21に通電するとソレノイドコイル21の内部空間に磁場が発生する。鋼線3は,ソレノイドコイル21の内部空間を通過する間に,内部空間に発生している磁場によって磁化される。ソレノイドコイル21の内部空間における磁場の磁束方向(SN方向)と鋼線3の長手方向(走行方向)とはほぼ一致するので,鋼線3はその長手方向をSN方向にして磁化される。
【0021】
図3(A)は鋼線3の拡大正面図である。図3(B)は鋼線3の表面に近い部分の拡大縦断面を示すもので,磁化された鋼線3における磁束線の分布を示している。図3(B)の縦断面図においてブラスめっき層の図示は省略されている。また,ハッチングの図示も省略されている。
【0022】
ソレノイドコイル21によって発生する磁場によって鋼線3を飽和磁化すると,ソレノイドコイル21の内部空間を抜け出た後の鋼線3に残留磁束が残る。図3(A)に示すように,鋼線3の表面には多数の細かい凹部ないし傷3aが存在する。図3(B)に示すように,この凹部3aの位置において残留磁束の漏洩が発生する。鋼線3の表面の凹部3aの位置における漏洩磁束の磁束線は,鋼線3の表面からほぼ垂直な方向に外方に向かい,弧を描いて再び鋼線3の表面に戻る軌跡を描く。
【0023】
漏洩磁束は,上述のように鋼線3の表面の凹部3aの部分に発生し,後述するように,この漏洩磁束によって金属で被膜された砥粒が鋼線3の表面に付着する。鋼線3の表面の凹部3aは鋼線3の製造過程(延伸工程等)において生じる。もちろん,意図的に鋼線3の表面に凹部3aを形成してもよい。
【0024】
漏洩磁束の大きさ(漏洩磁束密度)は,ソレノイドコイル21の内部空間の中心線方向と,鋼線3の走行方向とを異ならせることによって微調整することができる。図4は,鋼線3の走行方向(鋼線3の長手方向)を,ソレノイドコイル21の内部空間の中心線方向Sから10°傾けた状態を拡大して示している。鋼線3の走行方向をソレノイドコイル21の内部空間の中心線Sと一致させると,鋼線3は最も強く磁化されて最も大きな漏洩磁束密度となる。走行方向を中心線Sからずらす(傾ける)と漏洩磁束密度は小さくなる。たとえば,漏洩磁束密度は3〜5×10-4T(テスラ)となるように制御される。鋼線3の直径が0.18mmの場合,漏洩磁束密度を3〜5×10-4T(テスラ)にすると,150〜200個/mm程度の砥粒が鋼線3の表面に付着する。鋼線3の走行方向の調整に代えてまたは加えて,ソレノイドコイル21に通電する電流iの電流量を調整することによって,漏洩磁束密度を調整することもできる。
【0025】
図1に戻って,磁化装置14において磁化された鋼線3は砥粒付着装置15に進む。
【0026】
図5は砥粒付着装置15の構造を示している。
【0027】
砥粒付着装置15は円柱状の砥粒流動槽31を備えている。砥粒流動槽31は天板32,側壁33および底板34によって囲まれた内部空間を持つ。砥粒流動槽31の内部に,上記内部空間を上下方向にほぼ二分する仕切板35が設けられている。砥粒流動槽31の天板32,底板34,仕切板35のほぼ中央には,鋼線3の直径よりも少し大きな直径を有する通過穴32a,34a,35aがそれぞれあけられている。磁化された鋼線3は,ガイドロール51を経て砥粒流動槽31の底板34の通過穴34aを通されて砥粒流動槽31の内部空間に入り,仕切板35の通過穴35a,天板32の通過穴32aをこの順番に通されて砥粒流動槽31から外部に導き出され,ガイドロール52を経て次の工程(仮固定用めっき槽16(図1参照))に進む。
【0028】
仕切板35の上に,平均径が20μm の細かいニッケルプレコーティングダイヤモンド砥粒41が多数堆積されている。ニッケルプレコーティングダイヤモンド砥粒(以下,砥粒という)41は,ダイヤモンド粉砕物の表面にニッケルが被膜(被覆)されているものである。また,仕切板35には多数の通気孔35bがあけられている。多数の通気孔35bの径はいずれも砥粒41の径よりも小さい。
【0029】
砥粒流動槽31の側壁33の,仕切板35によって仕切られた下側の内部空間に連通する位置に吸気口33aが形成され,かつ上側の内部空間に連通する位置に排気口33bが形成されている。吸気口33aには,一端がブロア(送風機)61に接続された送風パイプ62の他端が接続されている。
【0030】
ブロア61からの送風は,送風パイプ62を通して吸気口33aから砥粒流動槽31の内部空間に送られる。上述したように,仕切板35には多数の通気孔35bがあけられているので,ブロア61からの送風は仕切板35の通気孔35bを通って上方に向かい,その後排気口33bから外部に排気される。
【0031】
仕切板35の上に堆積されている砥粒41は,仕切板35の下方から上方に向かう送風によって流動(移動)自在な状態となる。
【0032】
鋼線3は上述のように磁化されている。そして,砥粒41の表面にはニッケルが被膜されている。ニッケルは強磁性体であるので,鋼線3が仕切板35の穴35aを通過するときに,流動自在の多数の砥粒41が鋼線3の表面に磁力によって付着する。表面に多数の砥粒41が付着した状態の鋼線3が砥粒流動槽31から外部に導かれる。
【0033】
図1に戻って,磁力によって表面に多数の砥粒41が付着している状態の鋼線3は,スルファミン酸ニッケル水溶液が溜められた仮固定用電気めっき槽16に浸漬されて電解ニッケルめっきが行われる。仮固定用電気めっき槽16には電流密度20A/dm2 の電流が通電され,鋼線3はここで約15秒間浸漬される。約0.5 〜1μmの層厚のニッケルめっき層が鋼線3の表面に積層される。ニッケルめっきによって,磁力により付着している多数の砥粒41がめっき固定される。
【0034】
仮固定用電気めっき槽16を経た後,厚めっき用電気めっき槽17において再度の電解ニッケルめっきが行われる。厚めっき用電気めっき槽17にもスルファミン酸ニッケル水溶液が溜められている。厚めっき用電気めっき槽17に電流密度20A/dm2 の電流が通電され,鋼線3はここで約75秒〜150 秒間浸漬される。約5μmのニッケルめっき層が鋼線3の表面に積層される。なお,仮固定用電気めっき槽16におけるニッケルめっき層の積層と,厚めっき用電気めっき槽17におけるニッケルめっき層の積層は,1つの共通のめっき槽を用いて連続的に実施してもよい。
【0035】
ニッケルめっきされた鋼線3はその後水洗槽18によって水洗いされ,乾燥装置19において乾かされた後に巻取ボビン2によって巻取られる。巻取ボビン2によって巻取られる最終状態の鋼線3を,以下,固定砥粒ソーワイヤ4と呼ぶ。
【0036】
図6は,上述の工程を経て製造される固定砥粒ソーワイヤ4の表面に近い部分の縦断面図である。
【0037】
固定砥粒ソーワイヤ4は,鋼線3と,鋼線3の表面に積層されたブラス層71,およびニッケル層72,73を含む。ニッケル層72が仮固定用電気めっき槽16において積層されるめっき層であり,ニッケル層73が厚めっき用電気めっき槽17において積層されるめっき層である。
【0038】
多数の砥粒41が,鋼線3の表面の微細な凹部3aの位置においてブラス層71に接するようにして固定されている。砥粒41は,上述のように,ダイヤモンド粉砕物42の表面にニッケル膜43を被膜したものである。上述した仮固定用電気めっき槽16および厚めっき用電気めっき槽17におけるめっき工程において,砥粒41の表面にもニッケル層72,73は積層される。多数の砥粒41はニッケル層72,73によって鋼線3(ブラス層71)の表面に強固に固定される。
【0039】
多数の砥粒41(ダイヤモンド粉砕物42)は規則的な外形(形状)を有していず,いずれも不規則な外形を持つ。しかしながら,多数の砥粒41はいずれもがその比較的尖端な形状を持つ部分を固定砥粒ソーワイヤ4の外方に向け,かつ比較的安定した(幅広の)部分がブラス層71に接するようにして固定されている。これは,上述のように鋼線3の凹部3aにおける漏洩磁束が鋼線3の表面から外方に向かう方向成分を有しており(図3(B)参照),砥粒41が磁力によって鋼線3(ブラス層71)の表面に付着するときに,砥粒41は鋼線3の表面の漏洩磁束の方向にその長手方向を向けて付着しやすく,かつ安定した姿勢で,すなわち比較的幅広の部分が鋼線3(ブラス層71)に接するようにして付着しやすいからである。この結果,多数の砥粒41はその尖端形状部分が固定砥粒ソーワイヤ4の外方を向いている。
【0040】
尖端形状部分が外方に向かって突出した状態の砥粒41が表面に固定されているので,固定砥粒ソーワイヤ4は切れ味がよい。シリコン,サファイアなどの高硬度の脆性材料のインゴットをスムーズかつ精度よく切断することができる。
【0041】
図7は試作した固定砥粒ソーワイヤ4の拡大写真である。
【0042】
図8は他の態様の砥粒付着装置15Aを示している。図5に示す砥粒付着装置15とは,砥粒流動槽31の天板32Aにあけられた通過穴(開口)32bの径が大きい点,およびガイドロール52に振動装置63から振動が与えられる点が異なる。
【0043】
振動装置63からの細かい振動がガイドロール52に与えられることによってガイドロール52に掛けられた鋼線3も振動する。振動によって余剰の砥粒41が鋼線3の表面からふるい落とされる。ガイドロール52は天板32Aの通過穴32bの上方に位置しており,このため,ふるい落とされた砥粒41は,砥粒流動槽31の天板32Aにあけられた通過穴32aを通って仕切板35の上に再び堆積される。余剰の砥粒41を鋼線3の表面から取除くことができる。
【符号の説明】
【0044】
3 鋼線
3a 凹部
4 固定砥粒ソーワイヤ
14 磁化装置
15 砥粒付着装置
16 仮固定用電気めっき層
17 厚めっき用電気めっき層
21 ソレノイドコイル
41 砥粒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に微細な凹部を有する乾燥状態の鋼線を,電流が通電されているソレノイドコイルの内部空間を走行させながら通過させることによって,上記鋼線の表面から外方を向く漏洩磁束を有するように上記鋼線を磁化し,
上記磁化された鋼線を,多数の金属被膜砥粒が流動自在に堆積された砥粒付着装置を通過させて上記鋼線の表面に上記金属被膜砥粒を付着し,
上記金属被覆砥粒が付着した鋼線の表面に固着材を被覆する,
固定砥粒ソーワイヤの製造方法。
【請求項2】
電流が通電されているソレノイドコイルの内部空間に,表面に微細な凹部を有する乾燥状態の鋼線を走行させながら通過させることによって得られる,表面から外方を向く漏洩磁束を有するように磁化された鋼線を,多数の金属被覆砥粒が流動自在に堆積された砥粒付着装置を通過させて上記鋼線の表面に上記金属被覆砥粒を付着させ,上記金属被覆砥粒が付着した鋼線の表面に固着材を被覆させた,固定砥粒ソーワイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−11486(P2012−11486A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149019(P2010−149019)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【Fターム(参考)】