説明

圧着端子

【課題】細線化された導体部分であっても、確実な機械接続性及び電気接続性を得ることができる圧着端子およびその設計方法を提供する。
【解決手段】被覆電線100の導体102を圧着するワイヤーバレル部10を有する圧着端子1であって、引張り強度がワイヤーバレル部10を構成する純銅製板材の引張り強度以上、または600MPa以上である素線102aを7本束ね、断面積Sが0.066mmに形成した導体102を圧着するワイヤーバレル部10のクリンプ幅Wを、圧着状態において、素線102aが圧着方向Zの略2段状の安定圧着配置となるように、以下の数式(1)


(ただし、W:クリンプ幅、S:導体部分の断面積、n:素線の本数、t:圧着前のワイヤーバレル片12の厚み)を満足する幅に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、被覆電線の導体部分に圧着して、被覆電線の先端に装着する圧着端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被覆電線の先端に装着する端子金具として、被覆をはがした導体部分を圧着する圧着部を備えた圧着端子が多く用いられている。
詳しくは、圧着端子は、長手方向の先端側に配置した端子接続部と、被覆電線の導体部分を圧着する長手方向の基端側に配置した圧着部とで構成するとともに、該圧着部を、前記導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出するワイヤーバレルと呼ばれる圧着片とで構成している。
【0003】
上記構成で構成された圧着端子は、圧着底面に載置した導体部分を圧着片で圧着することによって、端子接続部と導体部分とを電気的かつ機械的に接続することができる。
【0004】
しかし、このような圧着端子と導体部分との接続において、圧着片による圧着が弱いと導体部分との電気的接続における電気抵抗が増大し、逆に、圧着片による圧着が強いと、導体部分の強度が低下し、使用上必要な強度以下の荷重で破断する惧れがあった。
【0005】
そこで、圧着部と導体部分との間に別部材である圧着部材を介在させて圧着することによって導体部分が破断するような強い圧着を行わずとも、接触面積を拡大させ、電気抵抗を小さくすることのできる圧着方法が提案されており(特許文献1参照)、この圧着方法を用いることによって、良好な電気的接続及び機械的接続を両立することはできる。
【0006】
しかし、近年の電子機器の軽量化、小型化に応じた電線の細線化が図られており、細線化された導体部分を圧着端子に圧着する際、別部材で構成する圧着部材を介在させることは困難であった。
【0007】
さらにまた、細線化された導体部分は、強度を確保するために、合金化などにより引張り強度の高い素線を用いることが多く、たとえば、圧着部を構成する部材より導体部分の引張り強度が高くなる場合等においては、従来の圧着技術では安定して圧着させることが困難であった。
【特許文献1】特開2005−302475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、細線化された導体部分であっても、確実な機械接続性及び電気接続性を得ることができる圧着端子およびその設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、被覆電線の導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出する圧着片とで構成し、前記導体部分を圧着する圧着部を有する圧着端子であって、引張り強度が、前記圧着部を構成する部材の引張り強度以上、または600MPa以上である素線を3乃至9本束ね、断面積が0.6mm以下に形成した前記導体部分を圧着する前記圧着部のクリンプ幅を、圧着状態において、前記素線が、前記圧着片が前記導体部分を圧着する圧着方向に略2段状の安定圧着配置となる安定圧着幅に形成したことを特徴とする。
【0010】
この発明の態様として、前記安定圧着幅を、以下の数式(1)
【0011】
【数1】

(ただし、W:クリンプ幅、S:導体部分の断面積、n:素線の本数、t:圧着前の圧着片厚)を満足する幅に設定することができる。
【0012】
上記被覆電線は、銅合金、アルミニウム合金等の導電性が高く、引張り強度の高い複数の素線で構成された導体部分を絶縁性被覆体で被覆する被覆電線であることを含む。
【0013】
上記圧着部は、圧着底面と、圧着底面の幅方向両側に配置されたいわゆるバレル片と呼ばれる圧着片とを備え、圧着前の状態で背面視略U型のオープンバレル形式のワイヤーバレルであることを含む。
【0014】
上記圧着端子は、上記圧着部と、雌型コネクタBOX、雄型コネクタBOX、あるいはねじ挿通孔等の端子接続部とを備えた接続端子や、圧着部のみで構成する接続端子であることを含む。
【0015】
上記クリンプ幅は、いわゆるクリンプワイドと呼ばれる圧着状態の圧着部の幅方向の外形の長さ、すなわち圧着底面部分の横幅をいう。
上記圧着部を構成する部材は、純銅、または、黄銅やコルソン系銅合金等の銅合金であることを含む。
【0016】
上記圧着片による前記導体部分の圧着方向は、圧着アプリケータのクリンパによって圧着片が導体部分を圧着底面に圧着する方向であり、幅方向に対して略直交する高さ方向をいう。
【0017】
略2段状は、導体部分を構成する複数本の素線が圧着方向に2段状に重なった状態をいい、詳しくは、並びに乱れはあるものの多くの素線が2段状となっている状態であることを含む。
【0018】
このように、被覆電線の導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出する圧着片とで構成し、前記導体部分を圧着する圧着部を有する圧着端子において、引張り強度が、前記圧着部を構成する部材の引張り強度以上、または600MPa以上である素線を3乃至9本束ね、断面積が0.6mm以下に形成した前記導体部分を圧着する前記圧着部のクリンプ幅を、圧着状態において、前記素線が、前記圧着片が前記導体部分を圧着する圧着方向に略2段状の安定圧着配置となる安定圧着幅に形成することによって、被覆電線の細線化により、引張り強度が高い素線を、複数本束ねて構成した導体部分であっても、安定した圧着状態で接続することができる。
【0019】
詳しくは、圧着状態の圧着部内部において、導体部分を構成する素線が圧着方向に2段状となり、圧着する圧着片や圧着底部との間に隙間がなく、素線と圧着部との接触面積の多い安定した状態で圧着することができる。したがって、高い機械接続性及び高い電気接続性を両立できる接続状態を構成することができる。
【0020】
なお、断面積が0.12mm以下である導体部分を用いると、より高い効果を得ることができ、より望ましい。さらにまた、6〜9本の素線で構成された導体部分の場合、細径の導体部分として屈曲性が確保でき、より望ましい。
【0021】
また、前記安定圧着幅を、上記数式(1)を満足する幅に設定することによって、導体部分の断面積、導体部分を構成する素線の本数、圧着部を構成する部材厚に応じたクランプ幅を設定でき、画一的な略2段状の安定圧着状態を容易に実現することができる。したがって、上記数式(1)で求めたクリンプ幅で形成された接続端子は、安定した機械接続性及び電気接続性を実現することができ、接続信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、細線化された導体部分であっても、確実な機械接続性及び電気接続性を得ることができる圧着端子およびその設計方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は斜視図による圧着端子1の説明図を示し、図2はワイヤーバレル部10の圧着方法を説明する説明図を示し、図3はワイヤーバレル部10の幅方向断面図による説明図を示し、図4は不安定圧着状態のワイヤーバレル部10の幅方向断面図による説明図を示している。
【0024】
被覆電線100の導体102を載置するバレル底部11と、バレル底部11の幅方向Yの両側から延出するワイヤーバレル片12とで構成し、導体102を圧着するワイヤーバレル部10を有する圧着端子1のワイヤーバレル部10のクリンプ幅Wを、圧着状態において、素線102aが、ワイヤーバレル片12によって導体102が圧着される圧着方向Zの略2段状の安定圧着配置となる安定圧着幅で形成している。
【0025】
なお、ワイヤーバレル部10のクリンプ幅Wを構成する安定圧着幅は、以下の数式(1)
【0026】
【数2】

を満足する幅に設定されている。
なお、上記数式(1)において、Wはクリンプ幅を示し、Sは導体102の断面積を示し、nは素線102aの本数を示し、tは圧着前のワイヤーバレル片12の厚みを示している。
【0027】
なお、導体102は、引張り強度がワイヤーバレル部10を構成するコルソン系銅合金製の板材の引張り強度以上であり、600MPa以上である1000MPaの素線102aを3乃至9本の範囲内である7本束ね、断面積Sが0.6mm以下となる0.08mmに形成している。
【0028】
上述した圧着端子1の構成について詳述すると、圧着端子1は、長手方向Xの前方から後方に向かって、図示省略する雄型コネクタの挿入を許容するコネクタボックス2と、コネクタボックス2の後方で、所定の長さの第1トランジション18を介して配置されたワイヤーバレル部10と、ワイヤーバレル部10の後方で所定の長さの第2トランジション19を介して配置されたインシュレーションバレル部15とを一体に構成している。
【0029】
なお、ワイヤーバレル部10は、被覆電線100の導体102をワイヤーバレル片12でかしめて圧着し、インシュレーションバレル部15は被覆電線100の絶縁被覆101をインシュレーションバレル片16でかしめて固定する構成である。
【0030】
被覆電線100は、電子機器の近年の小型化、軽量化に伴い、従来のより線と比べて細く、引張り強度の高い、素線102aを7本束ねて、断面積Sが0.08mmの導体102を形成している。
なお、素線102aは、引張り強度が圧着端子1を構成するコルソン系銅合金製の板材の引張り強度以上の1000MPa、直径dが0.12mmの細径素線である。
【0031】
圧着端子1は、引張り強度が600〜700MPaで、板厚tが0.15〜0.25mmのコルソン系銅合金製の板材を折り曲げ加工によって立体構成している。コネクタボックス2は、倒位の中空四角柱体で構成され、内部に、長手方向Xの後方に折り曲げ、挿入される雄型コネクタに接触する接触片2aを備えている。
【0032】
圧着前のワイヤーバレル部10は、図1(b)に示すように、バレル底部11と、その幅方向Yの両側から斜め外側上方に延出するワイヤーバレル片12とで構成し、後方視略U型に形成している。
【0033】
同様に、圧着前のインシュレーションバレル部15も、バレル底部17と、その幅方向両側から斜め外側上方に延出するインシュレーションバレル片16とで構成し、後方視略U型に形成している。
【0034】
このように構成された圧着端子1の圧着前の状態において、図1(b)に示すようにワイヤーバレル部10と被覆電線100とを配置し、図2に示す圧着アプリケータ200で圧着することで図1(c)に示すように、ワイヤーバレル部10で導体102を圧着して、圧着端子1を被覆電線100に装着することができる。
【0035】
詳しくは、被覆電線100の導体102がワイヤーバレル部10の内側となり、絶縁被覆101の前端付近がインシュレーションバレル部15の内側となるように、被覆電線100を圧着端子1の上方から載置し(図1(b)参照)、図2に示す圧着アプリケータ200のアンビル201にセットする(図2(a)参照)。
【0036】
そして、図2(b)に示すように、ワイヤーバレル部10の上からクリンパ202を降ろして、アンビル201とクリンパ202とでワイヤーバレル部10を挟み込んで、図2(c)に示すように、ワイヤーバレル片12をカールさせる。
これにより、ワイヤーバレル片12で導体102をバレル底部11に押圧して、幅方向Yに隣接する二山状の圧着状態を構成することができる(図3参照)。
【0037】
なお、このワイヤーバレル部10は、上記圧着状態において、クリンプ幅Wが上記の数式(1)を満足するよう設定されている。
これにより、導体102を構成する7本の素線102aは、図3に示すように、ワイヤーバレル部10の内部において圧着方向Zに2段状となり、バレル底部11やワイヤーバレル片12との間に隙間のない、安定した状態で圧着される。
【0038】
詳しくは、導体102の細線化に伴い、強度を確保するために、合金化などにより、上述したような引張り強度の高い素線102aを用いることが多く、ワイヤーバレル部10を構成する純銅製部材と比較して導体102が硬くなり、従来の圧着技術では安定して圧着させることが困難であったが、クリンプ幅Wが上記の数式(1)を満足するように設定することにより、ワイヤーバレル部10の内部で素線102aが圧着方向Zに2段に配列した安定圧着配置で圧着される。
【0039】
このような圧着方向Zに2段に配列される安定圧着配置で圧着されることで、圧着条件が安定し、最適な機械接続性と電気接続性を得ることができる。
逆に、クリンプ幅Wを数式(1)の範囲より小さく設定すると、図4(a)に示すように、素線102aが部分的に3段状になり、不安定圧着状態となる。
また、クリンプ幅Wを数式(1)の範囲より大きく設定すると、図4(b)に示すように、ワイヤーバレル部10内で素線102aがほぼ1段になり、不安定圧着状態となる。
【0040】
また、素線102aが3段になるように設定すると、素線102aの数が3〜9の範囲の導体102ではアスペクト比(圧着前)が縦長になって、ワイヤーバレル片12の先端同士が突き当て状態になりやすい。この場合、ワイヤーバレル片12がうまくカールせず下に食い込みにくいので、ワイヤーバレル片12の内側や外側の側面が座屈して、座屈シワ12aが入り、強度が保てなくなる。
【0041】
さらにまた、素線102aが1段になるように設定すると、量産時に管理できるのは圧着高さだけであるため、圧着時の圧着高さの許容範囲が狭くなり、工程管理が困難となる。
このようにして、上述の理由により、素線102aが3段や1段になると、圧着時の荷重が安定せず工程管理がしにくくなり、安定した圧着状態を確保することは困難となる。
【0042】
なお、素線102aが圧着方向Zの2段状の安定圧着配置となるクリンプ幅Wの下限値を示す上記の数式(1)の左辺第1項は、n本の素線102aを束ね、導体102の総断面積が断面積Sとなるときのn/2本の素線102aが並ぶ幅(素線102aの直径をdとしたとき、nd/2)を示している。左辺第2項は左右のワイヤーバレル片12の厚さの合計を示している。
【0043】
なお、素線102aが2段状の安定圧着配置となるクリンプ幅Wの上限値を示す上記の数式(1)の右辺は、少なくともワイヤーバレル片12の厚みが圧着によって最大1.5倍程度になることに基づき、右辺第1項が左辺に対して1.5倍に設定されている。さらに右辺第2項は圧着による増加するワイヤーバレル片12の厚み分の合計を示している。
【0044】
このように、圧着状態において、クリンプ幅Wが上記数式(1)を満足するようにワイヤーバレル部10を設定したことによって、素線102aは圧着方向Zに2段状となる安定圧着配置となり、安定した圧着状態を構成することができる。したがって、安定した機械接続性及び電気接続性を確保した接続状態を実現することができる。
【0045】
次に、このような安定した機械接続性及び電気接続性を確保した接続状態を実現することができる上記数式(1)についての確認試験について説明する。
この確認試験は、直径dが0.12mmの素線102aを7本束ねて断面積Sが0.08mmの導体102を形成し、クリンプ幅Wとワイヤーバレル片12の板厚tとをパラメータとするワイヤーバレル部10で、上記導体102を圧着した際の圧着状態を確認している。
【0046】
この確認試験の結果である、以下の表1において判定結果を示す“×”は素線102aが圧着方向Zに3段状、或いはほぼ1列に並んだ不安定圧着状態となること示し、“△”はところどころ乱れはあるもののほぼ素線102aが圧着方向Zに2段状に配置されたことを示し、“○”は素線102aがほぼ圧着方向Zに2段状に配置されたことを示している。
【0047】
なお、表中左側の“×”は素線102aが一列状に並んだ不安定圧着となり、表中右側の“×”は素線102aが圧着方向Zに3段状に配置された不安定圧着となっている。また、本確認試験において、上記判定結果のうち“○”及び“△”を安定圧着状態と判定している。
【0048】
【表1】

上記表1からも、圧着する導体102及びワイヤーバレル片12の板厚tに応じた適切なクリンプ幅Wの範囲が存在し、その範囲を超えたクリンプ幅Wの場合、素線102aが不安定圧着状態となることが確認できた。
また、上記数式(1)は、上記表1中、“○”及び“△”で示される適切なクリンプ幅Wの範囲を算出することが確認できた。
【0049】
したがって、ワイヤーバレル部10をクリンプ幅Wが上記数式(1)を満足するよう設定することによって、ワイヤーバレル部10の内部で素線102aが圧着方向Zに2段状の安定圧着配置となる安定した機械接続性及び電気接続性がともに高い圧着を実現できる圧着端子1を得ることができる。
【0050】
なお、本実施例において、引張り強度が圧着端子1を構成するコルソン系銅合金製の板材の引張り強度以上の1000MPaであり、直径dが0.12mmの素線102aを7本束ねた断面積Sが0.08mmの導体102を形成したが、3〜9本の素線102aを束ね、断面積Sが0.6mm以下となるように導体102を構成すればよく、導体102の断面積Sが0.12mm以下である場合、上記効果がより高くなる。
【0051】
また、導体102を構成する素線102aの本数は、上記7本を含む、6乃至9本である場合、細径の導体部分として屈曲性が確保でき、より望ましい。
また、バレル底部11に幅方向の溝形状で形成した幅方向のセレーションを長手方向に所定間隔を隔てて複数配置してもよい。
【0052】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の導体部分は、導体102に対応し、
以下同様に、
圧着底面は、バレル底部11に対応し、
圧着片は、ワイヤーバレル片12に対応し、
圧着部は、ワイヤーバレル部10に対応し、
素線は、素線102aに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】圧着端子の斜視図による説明図。
【図2】ワイヤーバレル部の圧着方法を説明する説明図。
【図3】ワイヤーバレル部の幅方向断面図による説明図。
【図4】不安定圧着状態のワイヤーバレル部の幅方向断面図による説明図。
【符号の説明】
【0054】
1…圧着端子
10…ワイヤーバレル部
11…バレル底部
12…ワイヤーバレル片
100…被覆電線
102…導体
102a…素線
S…断面積
W…クリンプ幅
Y…幅方向
Z…圧着方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆電線の導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出する圧着片とで構成し、前記導体部分を圧着する圧着部を有する圧着端子であって、
引張り強度が、前記圧着部を構成する部材の引張り強度以上、または600MPa以上である素線を3乃至9本束ね、断面積が0.6mm以下に形成した前記導体部分を圧着する前記圧着部のクリンプ幅を、
圧着状態において、前記素線が、前記圧着片が前記導体部分を圧着する圧着方向に略2段状の安定圧着配置となる安定圧着幅に形成した
圧着端子。
【請求項2】
前記安定圧着幅を、以下の数式(1)
【数1】

(ただし、W:クリンプ幅、S:導体部分の断面積、n:素線の本数、t:圧着前の圧着片厚)
を満足する幅に設定した
請求項1に記載の圧着端子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−245698(P2009−245698A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89799(P2008−89799)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】