地上設置型変圧器装置
【課題】外箱内に変圧器とともに収容される構成要素が重量物を含んでいて、該重量物が外箱内の上部に配置された重量物支持フレームに支持される場合に、その重量物の着脱を容易に行うことができるようにした地上設置型変圧器装置を提供する。
【解決手段】主遮断器(重量物)6を吊り上げる吊り上げ装置20の上部を固定することができる吊り上げ装置固定金具30を取り付ける固定金具取り付け部40が、重量物支持フレーム4の上方に位置させた状態で外箱1の内側に設けられ、固定金具取り付け部に取り付ける吊り上げ装置固定金具30が外箱1内に常備されている。主遮断器を交換する際に、固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具30に吊り上げ装置20の上部を固定して、この吊り上げ装置20を用いることにより、遮断器6の上げ下ろしを無理なく行うことができるようにした。
【解決手段】主遮断器(重量物)6を吊り上げる吊り上げ装置20の上部を固定することができる吊り上げ装置固定金具30を取り付ける固定金具取り付け部40が、重量物支持フレーム4の上方に位置させた状態で外箱1の内側に設けられ、固定金具取り付け部に取り付ける吊り上げ装置固定金具30が外箱1内に常備されている。主遮断器を交換する際に、固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具30に吊り上げ装置20の上部を固定して、この吊り上げ装置20を用いることにより、遮断器6の上げ下ろしを無理なく行うことができるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路沿いの歩道上などに設置される地上設置型変圧器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、都市部においては、配電線の地中化に伴い、地上設置型変圧器装置を、道路沿いの歩道上などに設置している。一般に、地上設置型変圧器装置は、変圧器本体を絶縁油とともに変圧器タンク内に収容して構成した変圧器を、各種の保護用機器を含む変圧器以外の構成要素とともに外箱内に収容した構成を有する。保護用機器としては、地下の高圧配電線から引込まれた高圧ケーブルと変圧器の一次ブッシング端子との間に設けられる一次側開閉装置(LBS)、一次ブッシング端子と変圧器本体の一次側端子との間に挿入される高圧限流ヒューズ、及び変圧器の二次ブッシング端子と低圧配電線に接続される複数回線の配電用ケーブルとの間にそれぞれ挿入される配線用遮断器等が設けられる。この種の変圧器装置は例えば特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−82107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地上設置形変圧器装置においては、構成要素が重量物を含んでいて、該重量物が外箱内の高い位置に配置される場合に、該重量物をメンテナンスのために代替の製品と交換したり、故障した重量物を新しい製品と交換したりする際に、現地で該重量物の着脱を行うことが容易でないという問題があった。例えば、二次側保護用機器として、複数の低圧配電線にそれぞれ負荷電流を供給する回路に挿入する複数の配線用遮断器の他に、複数の配線用遮断器よりも上流側で変圧器の二次電流を一括して遮断する主遮断器を設けることが必要とされる場合、配線用遮断器は、地下に導出される配電用ケーブルを接続し易くするために、外箱内の下部に配置する必要があるため、主遮断器は、外箱内の上部に設けた支持フレームに支持した状態で配置する必要がある。このような地上設置形変圧器装置において、主遮断器が故障した場合、当該主遮断器の交換を現地で行うことが必要になるが、主遮断器を交換する際には、先ず故障した主遮断器を支持フレームから外して地上に下ろした後、新しい遮断器を持ち上げて支持フレームに装着する作業を行う必要がある。主遮断器は、数十キログラム以上の質量を有する重量物であるため、その上げ下ろしを人力だけで行うことは容易ではない。
【0005】
本発明の目的は、外箱内に変圧器とともに収容される構成要素が重量物を含んでいて、該重量物が外箱内の上部に配置される場合に、該重量物の着脱作業を容易に行うことができるようにした地上設置型変圧器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、変圧器と、該変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ接続される一次側保護用機器及び二次側保護用機器を含む変圧器以外の構成要素とが外箱内に収容され、外箱内に収容される構成要素は、重量物を含んでいて、該重量物が外箱内の上部に配置されている地上設置型変圧器装置を対象とする。
【0007】
本発明に係わる地上設置型変圧器装置においては、変圧器の側方に形成された外箱内の機器収容スペースの上部寄りの位置に重量物支持フレームが設けられ、この重量物支持フレームに重量物が着脱可能に支持される。また重量物の上げ下ろしを行う際に用いる吊り上げ装置の上部を固定する吊り上げ装置固定金具を取り付ける固定金具取り付け部が、重量物支持フレームの上方に位置させた状態で外箱の内側に設けられている。そして、上記固定金具取り付け部に取り付けられる吊り上げ装置固定金具が外箱内に常備され、重量物支持フレームに重量物を着脱する際に、固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具に吊り上げ装置を固定することにより、該吊り上げ装置を外箱に対して固定することができるようにした。
【0008】
上記のように構成しておくと、現地で重量物を着脱する際に、重量物の上げ下ろしを容易に行うことができるウインチ等の吊り上げ装置を吊り上げ装置固定金具に固定することにより、吊り上げ装置を外箱に対して固定することができるため、この吊り上げ装置を利用して重量物の上げ下ろしを無理なく行うことができ、重量物を着脱する際の作業性を向上させることができる。
【0009】
本発明の好ましい態様では、二次側保護用機器が、重量物支持フレームに支持されて、変圧器の二次巻線から出力される全電流が過大になったときに該二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する重量物としての主遮断器と、重量物支持フレームよりも下方に位置させた状態で外箱内の機器収容スペースに収容されて前記遮断器を通過した電流が分岐して入力される複数の配線用遮断器とを備えていて、各配線用遮断器を通過した電流が配電ケーブルを通して低圧配電線に供給される。
【0010】
上記のように、変圧器の二次巻線と配線用遮断器との間に、変圧器の二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する主遮断器を設けておくと、万一配線用遮断器が故障している状態で変圧器の二次巻線に許容値を超える過電流が流れたときに、該過電流を遮断して変圧器の二次巻線を保護することができる。
【0011】
この場合、配線用遮断器は、地下に導出される配電ケーブルを接続し易くするために、外箱の下部に配置する必要があるので、主遮断器は、外箱内の上部寄りの位置に設けた重量物支持フレームに支持した状態で設ける必要がある。そのため、メンテナンスのために主遮断器を一時的に代替の遮断器と交換する際や、故障した主遮断器を新しい遮断器と交換する際には、現地で重量物である主遮断器の上げ下ろしをする必要がある。本発明では、このような場合に、固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具にウインチ等の吊り上げ装置の上部を固定することにより、吊り上げ装置を外箱に取り付けることができるので、この吊り上げ装置を用いて無理なく遮断器の上げ下ろしを行うことができ、遮断器の着脱作業を容易かつ安全に行うことができる。
【0012】
本発明の好ましい態様では、上記吊り上げ装置固定金具が、吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなり、固定金具取り付け部は、吊り上げ装置固定金具の先端部を外箱から外部に突出させて、該吊り上げ装置固定金具を重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で外箱に対して固定するように設けられている。
【0013】
上記のように、重量物を着脱する際に、吊り上げ装置固定金具を重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で外箱に対して固定するようにしておくと、吊り上げ装置の上部を吊り上げ装置固定金具に固定する作業や、重量物の上げ下ろしをする作業を、外箱内に収容された機器に邪魔されることなく、容易に行うことができる。
【0014】
本発明の他の好ましい態様では、吊り上げ装置固定金具が、吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなっていて、該吊り上げ装置固定金具が、固定金具取り付け部に取り付けられたガイドレールにより前後にスライドし得るように支持されている。この場合、固定金具取り付け部は、吊り上げ装置固定金具の先端部を外箱から外部に引出して、該吊り上げ装置固定金具を重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で外箱に対して固定するように設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現地で遮断器等の重量物を着脱する際に、重量物の上げ下ろしを容易に行うことができるウインチ等の吊り上げ装置の上部を吊り上げ装置固定金具に固定することにより、吊り上げ装置を外箱に対して固定することができるようにしたため、この吊り上げ装置を利用して重量物の上げ下ろしを無理なく行うことができ、重量物を着脱する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係わる地上設置型変圧器装置の、外箱の天井部を外し、点検用扉を開いた状態での斜視図である。
【図2】本実施形態に係わる地上設置型変圧器装置の、外箱の点検用扉を外した状態での正面図である。
【図3】本実施形態において、吊り上げ装置固定金具を外箱に取り付けた状態を示した要部の正面図である。
【図4】本実施形態で用いる吊り上げ装置固定金具の平面図である。
【図5】本実施形態に係わる地上設置型変圧器装置の、外箱の扉及び側板を外した状態を、外箱内に収容される部品の一部の図示を省略して示した斜視図である。
【図6】本実施形態において、吊り上げ装置固定金具を外箱から引出して外箱に対して固定した状態を示した図5と同様の斜視図である。
【図7】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に吊り上げ装置を固定した状態を示した側面図である。
【図8】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に吊り上げ装置を固定した状態を示した斜視図である。
【図9】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に吊り上げ装置を固定して、該吊り上げ装置を用いて遮断器を重量物支持フレームから取り外す準備をしている状態を示した要部の斜視図である。
【図10】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に固定した吊り上げ装置のフックに遮断器を吊り上げるロープを引っ掛けた状態を示した要部の斜視図である。
【図11】本発明に係わる地上設置型変圧器装置の実施形態において、遮断器を着脱する際に用いる吊り上げ装置の一例を示した斜視図である。
【図12】本発明に係わる地上設置型変圧器装置の実施形態の電気的な構成の一例を示した単線結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1ないし図10は本発明に係わる地上設置型変圧器装置の一実施形態の構造を示したものである。これらの図において、1は、長方形の底板101と、底板101の四隅に下端が固定された複数の主支柱102と、底板101に下端が固定された補助支柱103と、主支柱102及び補助支柱103の上端に固定された長方形状の枠体104と、枠体104の上に支持された天井部105とを有するほぼ直方体状の外箱である。
【0018】
本実施形態では、外箱1の底板101の短辺方向(図1のX方向)を外箱の奥行き方向とし、底板101の長辺方向(図1のY方向)を外箱の横方向とする。外箱1の奥行き方向の一方の端面及び他方の端面をそれぞれ外箱の前面1a及び背面1bとし、外箱1を正面から見た場合に横方向の一端(左端)側及び他端(右端)側にそれぞれ位置する側面をそれぞれ外箱の左側面1c及び右側面1dとする。
【0019】
外箱1内は、外箱の前面に対向するように配置された仕切り壁106と、外箱1の左側面に対向するように配置された仕切り壁107と、仕切り壁107と外箱1の左側面との間の空間を前後に仕切るように設けられた仕切り壁108とにより、外箱1の背面側に開口した変圧器収容室1Aと、外箱1の左側面に開口した一次側保護機器収容室1Bと、外箱1の前面に開口した二次側保護機器収容室1Cと、一次側保護機器収容室1Bに隣接して配置されて外箱の正面に開口した計器類収容室1Dとに仕切られている。仕切り壁106ないし108は、底板101と枠体104との間を適宜につなぐように設けられた補助支柱103を利用して外箱1に固定されている。
【0020】
外箱1には、一次側保護機器収容室1Cの前面側開口部を開閉する観音開きの点検用扉111と、計器類収容室1Dの前面側開口部を開閉する片開きの点検用扉112と、一次側保護機器収容室1Bの左側面側開口部を開閉する片開きの点検用扉113とが取り付けられている。外箱1の他の開口部は側板により閉鎖される。
【0021】
外箱1の変圧器収容室1A内には、変圧器2が収容されている。変圧器2は直方体状の変圧器タンク内に変圧器本体を絶縁油とともに収容した油入変圧器である。変圧器2は、そのタンクの長手方向を外箱1の横方向に向け、外箱1の背面1b寄りに位置させた状態で外箱1内に配置されている。
【0022】
変圧器タンクの外箱1の左側面1cに面した側面には、変圧器タンク内で変圧器本体の一次側に高圧限流ヒューズを通して接続された一次ブッシング端子が取り付けられ、変圧器タンクの上面には、変圧器本体の二次側につながる二次ブッシング端子が取り付けられている。変圧器の一次ブッシング端子は、一次側保護機器収容室1B内に配置されて仕切り壁107に支持された一次側開閉器(LBS)3に接続されている。外箱1の底板101の一次側保護機器収容室1B内に臨む部分には、地下のケーブルピットに開口した窓部110が設けられ、地下のケーブルピットから窓部110を通して立ち上げられた高圧ケーブルが、一次側開閉器3を通して変圧器の一次ブッシング端子に接続される。
【0023】
外箱1内の右側面寄りの位置には、外箱の上部寄りに位置させて、外箱に対して適宜の手段により固定された重量物支持フレーム4が設けられ、この重量物支持フレーム4に遮断器収容ケース5(図5参照)が取り付けられている。遮断器収容ケース5内には、変圧器2の二次電流が過大になったときに該二次電流を一括して遮断する重量物としての主遮断器6が収容されている。また仕切り壁106には、遮断器収容ケース5を一次側保護機器収容室1B内に開口させる遮断器取り付け用窓部120が形成され、この遮断器取り付け用窓部120を通して主遮断器6を遮断器収容ケース5に着脱し得るようになっている。
【0024】
図示の例では、遮断器収容ケース5の下部に前後にスライド自在な遮断器支持ベース501(図9参照)が設けられていて、前方に引き出した遮断器支持ベース501の上に重量物である主遮断器6を載せて固定した状態で、遮断器支持ベース501を遮断器収容ケース5内に押し込むことにより、主遮断器6を定位置に配置することができるようになっている。主遮断器6の着脱を容易にするため、遮断器取り付け用窓部120は、遮断器支持ベース501上に載せられた主遮断器6と外箱の上部の枠体104との間に隙間G(図2参照)を形成するように、その高さ寸法に余裕を持たせて設けられている。主遮断器6は三相の遮断部を有していて、三相の遮断部の電源側端子が、変圧器収容室1A内で変圧器2の三相の二次ブッシング端子に接続される。
【0025】
二次側保護機器収容室1C内の下部には、配線用遮断器7が変圧器の二次側に接続される低圧回線の数だけ(図示の例では6個)横方向に並べて設けられて、仕切り壁106に支持されている。配線用遮断器7の上方には、横方向に伸びる3枚の帯板状の銅バー8が、外箱1の前後方向に平行に並べて配置され、これらの銅バーは、絶縁支持物9を介して仕切り壁106に支持されている。3枚の銅バー8には、遮断器6の三相の遮断部の負荷側端子からそれぞれ導出された三相の接続導体10がそれぞれ接続され、一連の配線用遮断器7,7,…のそれぞれに設けられた三相の電源側端子7aが対応する相の銅バー8に接続されている。各配線用遮断器7の三相の負荷側端子7bには、地下のケーブルピットから立ち上げられた低圧配電ケーブル(図示せず。)が接続され、変圧器2の二次ブッシング端子が、主遮断器6と銅バー8と複数の(図示の例では6個の)配線用遮断器7とを通して複数回線(図示の例では6回線)の低圧配電ケーブルに接続される。外箱1内の計器類収容室1D内には、計器類を収容したケース9等が収容される。
【0026】
本実施形態の地上設置型変圧器装置の電気的構成は図12に示された単線結線図の通りである。同図において、11uないし11wは地下のケーブルピットから立ち上げられた三相の高圧ケーブル、12uないし12wは高圧ケーブル11uないし11wを一次側開閉器3に接続するケーブルコネクタ、2uないし2wは変圧器タンクに取り付けられた変圧器の一次ブッシング端子、13uないし13wは、変圧器タンク内で、一次ブッシング端子2uないし2wと変圧器2の本体の一次側端子との間を接続するように設けられた高圧限流ヒューズ、14u〜14wは変圧器タンクの上部に取り付けられた二次ブッシング端子である。変圧器2の二次ブッシング端子14u〜14wは、主遮断器6と配線用遮断器7とを通して低圧配電ケーブル15に接続されている。
【0027】
本実施形態のように、変圧器2の二次巻線と配線用遮断器7との間に、変圧器の二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する主遮断器6を設けておくと、万一配線用遮断器7が故障している状態で変圧器2の二次巻線に許容値を超える過電流が流れたときに、該過電流を遮断することができるので、変圧器2の二次巻線を過電流から確実に保護することができる。
【0028】
本実施形態において、一次側保護機器収容室1C内に配置する保護機器のうち、配線用遮断器7は、地下に導出される低圧配電ケーブルを接続し易くするために、外箱1の下部に配置する必要がある。従って、主遮断器6は、図示のように、外箱内の上部に設けた重量物支持フレーム4に支持した状態で設ける必要がある。そのため、メンテナンスのために主遮断器6を代替の遮断器と交換する際や、故障した主遮断器6を新しい遮断器と交換する際には、現地で重量物である主遮断器6の上げ下ろしをする必要がある。
【0029】
そこで、本実施形態では、重量物の上げ下ろしを行う際に手動操作される吊り上げ装置を用いるものとし、この吊り上げ装置の上部を固定する吊り上げ装置固定金具30を外箱1の上部に固定することができるようにする。
【0030】
本実施形態で用いる吊り上げ装置20の一例を、図11に示した。図11に示された吊り上げ装置20は、水平方向に向けた状態で配置される腕部21と、腕部21の長手方向の一端から上方に起立した起立部22と、起立部22の上端に取り付けられた第1のプーリ23と、長手方向を腕部21の長手方向に対して直角な方向に向けて配置されて上端が腕部21の他端に固定された脚部24と、腕部21の他端に取り付けられた第2のプーリ25と、脚部24の下端に取り付けられた巻取りドラム26と、巻取りドラム26を回転させる際に操作される手動ハンドル27と、手動ハンドル27の回転を減速してドラム26に伝達する減速機構28と、腕部21の一端の下面に固定された断面U字型の取り付け金具29と、巻取りドラム26に捲かれたワイヤWとを備えたウィンチからなっている。ワイヤWはドラム26から巻き戻されてプーリ25を経てプーリ23の外周に導かれ、プーリ23から下方に垂下させられたワイヤWの先端にフックFが取り付けられている。
【0031】
図示の吊り上げ装置20は、腕部21の一端に固定された取り付け金具29を、上げ下ろしを行う重量物(本実施形態では主遮断器6)の上方に位置させた状態で外箱1の上部に固定した吊り上げ装置固定金具30に固定することにより外箱1に取り付けられる。そして、ドラム26から繰り出されたワイヤWの先端に取り付けられたフックFに、重量物を縛り付けているロープを引っ掛けた状態で、ハンドル27を操作してドラム26にワイヤWを巻き取ったり、ドラム26からワイヤWを巻き戻したりすることにより、僅かな操作力で重量物の上げ下ろしを行う。
【0032】
本実施形態においては、現地で重量物の着脱を行うことができるようにするため、吊り上げ装置20を固定する部分を先端に有する吊り上げ装置固定金具30が外箱1内に常備されており、重量物の上げ下ろしを行う際に、常備している吊り上げ装置固定金具30を外箱1に固定して、この吊り上げ装置固定金具30に吊り上げ装置20を固定することにより、吊り上げ装置20を外箱1に取り付けることができるようになっている。
【0033】
本実施形態で用いる吊り上げ装置固定金具30は、図4に示されているように、互いに平行に配置された帯板状の一対の横鋼材30a,30bと、横鋼材30a,30bに対して直角な方向に配置された一対の縦鋼材30c,30dとを組み合わせて接合することにより形成された矩形状の枠体からなっている。図示の例では、一方の横鋼材30aが設けられた端部が吊り上げ装置固定金具30の先端部30Aとなっていて、先端部30A側の横鋼材30aの長手方向の中央部寄りの部分に、吊り上げ装置20の取り付け金具29を固定する際に用いるボルトを貫通させる一対の取り付け孔30a1,30a2が形成されている。また吊り上げ装置固定金具30の互いに平行に伸びる左右の縦鋼材30c及び30dには、それぞれの長手方向に間隔をあけて、3つの取り付け孔30c1〜30c3及び30d1〜30d3が設けられている。
【0034】
本実施形態では、吊り上げ装置固定金具30の先端30Aから取り付け孔30c1までの距離及び先端30Aから取り付け孔30d1までの距離が等しく設定されるとともに、取り付け孔30c1と30c2との間の距離が取り付け孔30d1と30d2との間の距離に等しく設定され、また取り付け孔30c2と取り付け孔30c3との間の距離及び取り付け孔30d2と取り付け孔30d3との間の距離がそれぞれ取り付け孔30c1と30c2との間の距離及び取り付け孔30d1と30d2との間の距離に等しく設定されている。即ち、取り付け孔30c1ないし30c3及び30d1ないし30d3は、対応する取り付け孔どうしが、固定金具30の先端30A部に対して同じ位置で横方向に並ぶように設けられている。
【0035】
本実施形態においては、図3に示すように、外箱1の上部に、吊り上げ装置固定金具30をボルト止めすることができる固定金具取付け部40が設けられていて、この固定金具取付け部40に、窓部120の幅方向に間隔をあけて、断面がL字形を呈する一対のガイドレール41,41が取り付けられている。一対のガイドレール41、41は、それぞれの先端を外箱1の前面の手前の位置に位置させ、かつそれぞれの一辺41a,41aを対向させた状態で設けられていて、これらガイドレールの一辺41a,41aの上に吊り上げ装置固定金具30の幅方向の両端が載せられることにより、吊り上げ装置固定金具30が外箱にスライド自在に支持されている。
【0036】
固定金具取付け部40のガイドレール41,41寄りの部分には、先端部30Aが外箱1の前面よりも奥に押し込まれた状態にある吊り上げ装置固定金具30の4つの取り付け孔30c1,30c2及び30d1,30d2をそれぞれ貫通させた4本のボルトをねじ込むためのネジ穴と、外箱1から先端部30Aが引き出された状態にある吊り上げ装置固定金具30の4つの取り付け孔30c2,30c3及び30d2,30d3をそれぞれ貫通させた4本のボルトをねじ込むためのネジ穴とを含む少なくとも4つのネジ穴が設けられている。従って、ガイドレール41,41により支持された吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に押し込んで、該吊り上げ装置固定金具30の先端部30Aが外箱1から前方に突出しないようにした状態で、4つの取り付け孔30c1,30c2及び30d1,30d2をそれぞれ貫通させた4本のボルトを固定金具取付け部40に設けられた4つのネジ穴にねじ込むことにより、図1、図3及び図5に示されているように、吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に収容した状態で保持させることができ、吊り上げ装置固定金具30の先端部30Aを外箱1の前面から外側に引き出した状態で、4つの取り付け孔30c2,30c3及び30d2,30d3をそれぞれ貫通させた4本のボルトを固定金具取付け部40に設けられた4つのネジ穴にねじ込むことにより、吊り上げ装置固定金具30を、図6ないし図10に示されているように、その先端部30Aを外箱1の前面から前方に突出させた状態で(オーバハングさせた状態で)、外箱1に固定することができるようになっている。
【0037】
現地で重量物である遮断器6を交換する際には、先ず図6に示すように、吊り上げ装置固定金具30を外箱1に固定しているボルトを外して、吊り上げ装置固定金具30の先願部30Aを外箱1の前面より前方に引出し、この状態で、吊り上げ装置固定金具30を外箱1の固定金具取付け部40にボルト止めする。
【0038】
次いで、図8に示すように、吊り上げ装置20の腕部21に固定された取り付け金具29を、吊り上げ装置固定金具30の先端部の横鋼材30aに嵌合させて、取り付け金具29を横鋼材30aにボルト止めする。
【0039】
上記のようにして吊り上げ装置20の上部を吊り上げ装置固定金具30の先端部に固定した後、図9に示すように、遮断器6を遮断器支持ベース501とともに遮断器収容ケース5から引出す。また遮断器6を遮断器支持ベース501に固定しているボルトを外して、遮断器6と遮断器支持ベース501との機械的な結合を解く。この状態で遮断器6にロープ50(図10参照)を巻き付けて、このロープで遮断器6を縛り、ロープ50の弛ませた部分をフックFに引っ掛ける。次いでハンドル27を回してワイヤWをドラム26に巻き取ることにより、遮断器6を吊り上げて遮断器支持ベース501から浮かせ、遮断器6を吊り上げ装置20側に揺動させて、吊り上げ装置20の上部に吊下げた状態にする。この状態で、遮断器支持ベース501を遮断器収容ケース5内に押し込んで、吊下げられている遮断器6の下方から遮断器支持ベース501を退避させる。しかる後、操作ハンドル27を操作してワイヤWをドラム26から巻き戻すことにより、遮断器6を低位置に下ろす。このようにして遮断器6を低位置に下ろした後、適宜の搬送手段により遮断器6を搬出する。新たな遮断器6を外箱内に組み込む作業は、上記と逆の手順により行うことができる。
【0040】
上記の実施形態のように、吊り上げ装置固定金具30を外箱の上部に取り付けたガイドレール41,41により前後にスライドし得るように支持しておくと、吊り上げ装置20を支持する位置に吊り上げ装置固定金具30を固定する作業と、用済みになった吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に収容する作業とを簡単に行うことができる。また吊り上げ装置固定金具30が常に決まった場所に配置されることになるため、吊り上げ装置固定金具30が紛失するのを防ぐことができる。
【0041】
上記の実施形態では、吊り上げ装置固定金具30を外箱の上部に取り付けたガイドレール41,41により前後にスライド自在に支持するようにしたが、本発明は、このように構成する場合に限定されるものではなく、吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に設けた適宜の収納場所に収納しておいて、重量物の上げ下ろしを行う際に吊り上げ装置固定金具30を収納場所から取り出して、該吊り上げ装置固定金具30を吊り上げ装置20を取り付けるのに適した箇所に固定するようにしてもよい。
【0042】
上記の実施形態では、主遮断器の上げ下ろしを行う場合を例にとったが、主遮断器以外の重量物の着脱を行う必要がある地上設置型変圧器装置にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、地上設置型変圧器装置の外箱内に吊り上げ装置固定金具を常備しておいて、現地で遮断器等の重量物を着脱する必要が生じた際に、吊り上げ装置固定金具を外箱の上部に取り付けて、この固定金具に重量物の上げ下ろしを容易にするウインチ等の吊り上げ装置を固定することができる。従って、配電系統に多く設置される地上設置型変圧器装置の保守を現地で容易かつ安全に行うことができ、産業上の利用可能性が大である。
【符号の説明】
【0044】
1 外箱
2 変圧器
4 重量物支持フレーム
5 遮断器収容ケース
501 遮断器支持ベース
6 主遮断器(重量物)
7 配線用遮断器
20 吊り上げ装置
30 吊り上げ装置固定金具
40 固定金具取り付け部
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路沿いの歩道上などに設置される地上設置型変圧器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、都市部においては、配電線の地中化に伴い、地上設置型変圧器装置を、道路沿いの歩道上などに設置している。一般に、地上設置型変圧器装置は、変圧器本体を絶縁油とともに変圧器タンク内に収容して構成した変圧器を、各種の保護用機器を含む変圧器以外の構成要素とともに外箱内に収容した構成を有する。保護用機器としては、地下の高圧配電線から引込まれた高圧ケーブルと変圧器の一次ブッシング端子との間に設けられる一次側開閉装置(LBS)、一次ブッシング端子と変圧器本体の一次側端子との間に挿入される高圧限流ヒューズ、及び変圧器の二次ブッシング端子と低圧配電線に接続される複数回線の配電用ケーブルとの間にそれぞれ挿入される配線用遮断器等が設けられる。この種の変圧器装置は例えば特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−82107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地上設置形変圧器装置においては、構成要素が重量物を含んでいて、該重量物が外箱内の高い位置に配置される場合に、該重量物をメンテナンスのために代替の製品と交換したり、故障した重量物を新しい製品と交換したりする際に、現地で該重量物の着脱を行うことが容易でないという問題があった。例えば、二次側保護用機器として、複数の低圧配電線にそれぞれ負荷電流を供給する回路に挿入する複数の配線用遮断器の他に、複数の配線用遮断器よりも上流側で変圧器の二次電流を一括して遮断する主遮断器を設けることが必要とされる場合、配線用遮断器は、地下に導出される配電用ケーブルを接続し易くするために、外箱内の下部に配置する必要があるため、主遮断器は、外箱内の上部に設けた支持フレームに支持した状態で配置する必要がある。このような地上設置形変圧器装置において、主遮断器が故障した場合、当該主遮断器の交換を現地で行うことが必要になるが、主遮断器を交換する際には、先ず故障した主遮断器を支持フレームから外して地上に下ろした後、新しい遮断器を持ち上げて支持フレームに装着する作業を行う必要がある。主遮断器は、数十キログラム以上の質量を有する重量物であるため、その上げ下ろしを人力だけで行うことは容易ではない。
【0005】
本発明の目的は、外箱内に変圧器とともに収容される構成要素が重量物を含んでいて、該重量物が外箱内の上部に配置される場合に、該重量物の着脱作業を容易に行うことができるようにした地上設置型変圧器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、変圧器と、該変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ接続される一次側保護用機器及び二次側保護用機器を含む変圧器以外の構成要素とが外箱内に収容され、外箱内に収容される構成要素は、重量物を含んでいて、該重量物が外箱内の上部に配置されている地上設置型変圧器装置を対象とする。
【0007】
本発明に係わる地上設置型変圧器装置においては、変圧器の側方に形成された外箱内の機器収容スペースの上部寄りの位置に重量物支持フレームが設けられ、この重量物支持フレームに重量物が着脱可能に支持される。また重量物の上げ下ろしを行う際に用いる吊り上げ装置の上部を固定する吊り上げ装置固定金具を取り付ける固定金具取り付け部が、重量物支持フレームの上方に位置させた状態で外箱の内側に設けられている。そして、上記固定金具取り付け部に取り付けられる吊り上げ装置固定金具が外箱内に常備され、重量物支持フレームに重量物を着脱する際に、固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具に吊り上げ装置を固定することにより、該吊り上げ装置を外箱に対して固定することができるようにした。
【0008】
上記のように構成しておくと、現地で重量物を着脱する際に、重量物の上げ下ろしを容易に行うことができるウインチ等の吊り上げ装置を吊り上げ装置固定金具に固定することにより、吊り上げ装置を外箱に対して固定することができるため、この吊り上げ装置を利用して重量物の上げ下ろしを無理なく行うことができ、重量物を着脱する際の作業性を向上させることができる。
【0009】
本発明の好ましい態様では、二次側保護用機器が、重量物支持フレームに支持されて、変圧器の二次巻線から出力される全電流が過大になったときに該二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する重量物としての主遮断器と、重量物支持フレームよりも下方に位置させた状態で外箱内の機器収容スペースに収容されて前記遮断器を通過した電流が分岐して入力される複数の配線用遮断器とを備えていて、各配線用遮断器を通過した電流が配電ケーブルを通して低圧配電線に供給される。
【0010】
上記のように、変圧器の二次巻線と配線用遮断器との間に、変圧器の二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する主遮断器を設けておくと、万一配線用遮断器が故障している状態で変圧器の二次巻線に許容値を超える過電流が流れたときに、該過電流を遮断して変圧器の二次巻線を保護することができる。
【0011】
この場合、配線用遮断器は、地下に導出される配電ケーブルを接続し易くするために、外箱の下部に配置する必要があるので、主遮断器は、外箱内の上部寄りの位置に設けた重量物支持フレームに支持した状態で設ける必要がある。そのため、メンテナンスのために主遮断器を一時的に代替の遮断器と交換する際や、故障した主遮断器を新しい遮断器と交換する際には、現地で重量物である主遮断器の上げ下ろしをする必要がある。本発明では、このような場合に、固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具にウインチ等の吊り上げ装置の上部を固定することにより、吊り上げ装置を外箱に取り付けることができるので、この吊り上げ装置を用いて無理なく遮断器の上げ下ろしを行うことができ、遮断器の着脱作業を容易かつ安全に行うことができる。
【0012】
本発明の好ましい態様では、上記吊り上げ装置固定金具が、吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなり、固定金具取り付け部は、吊り上げ装置固定金具の先端部を外箱から外部に突出させて、該吊り上げ装置固定金具を重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で外箱に対して固定するように設けられている。
【0013】
上記のように、重量物を着脱する際に、吊り上げ装置固定金具を重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で外箱に対して固定するようにしておくと、吊り上げ装置の上部を吊り上げ装置固定金具に固定する作業や、重量物の上げ下ろしをする作業を、外箱内に収容された機器に邪魔されることなく、容易に行うことができる。
【0014】
本発明の他の好ましい態様では、吊り上げ装置固定金具が、吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなっていて、該吊り上げ装置固定金具が、固定金具取り付け部に取り付けられたガイドレールにより前後にスライドし得るように支持されている。この場合、固定金具取り付け部は、吊り上げ装置固定金具の先端部を外箱から外部に引出して、該吊り上げ装置固定金具を重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で外箱に対して固定するように設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現地で遮断器等の重量物を着脱する際に、重量物の上げ下ろしを容易に行うことができるウインチ等の吊り上げ装置の上部を吊り上げ装置固定金具に固定することにより、吊り上げ装置を外箱に対して固定することができるようにしたため、この吊り上げ装置を利用して重量物の上げ下ろしを無理なく行うことができ、重量物を着脱する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係わる地上設置型変圧器装置の、外箱の天井部を外し、点検用扉を開いた状態での斜視図である。
【図2】本実施形態に係わる地上設置型変圧器装置の、外箱の点検用扉を外した状態での正面図である。
【図3】本実施形態において、吊り上げ装置固定金具を外箱に取り付けた状態を示した要部の正面図である。
【図4】本実施形態で用いる吊り上げ装置固定金具の平面図である。
【図5】本実施形態に係わる地上設置型変圧器装置の、外箱の扉及び側板を外した状態を、外箱内に収容される部品の一部の図示を省略して示した斜視図である。
【図6】本実施形態において、吊り上げ装置固定金具を外箱から引出して外箱に対して固定した状態を示した図5と同様の斜視図である。
【図7】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に吊り上げ装置を固定した状態を示した側面図である。
【図8】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に吊り上げ装置を固定した状態を示した斜視図である。
【図9】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に吊り上げ装置を固定して、該吊り上げ装置を用いて遮断器を重量物支持フレームから取り外す準備をしている状態を示した要部の斜視図である。
【図10】本実施形態の地上設置型変圧器装置において、外箱に固定した吊り上げ装置のフックに遮断器を吊り上げるロープを引っ掛けた状態を示した要部の斜視図である。
【図11】本発明に係わる地上設置型変圧器装置の実施形態において、遮断器を着脱する際に用いる吊り上げ装置の一例を示した斜視図である。
【図12】本発明に係わる地上設置型変圧器装置の実施形態の電気的な構成の一例を示した単線結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1ないし図10は本発明に係わる地上設置型変圧器装置の一実施形態の構造を示したものである。これらの図において、1は、長方形の底板101と、底板101の四隅に下端が固定された複数の主支柱102と、底板101に下端が固定された補助支柱103と、主支柱102及び補助支柱103の上端に固定された長方形状の枠体104と、枠体104の上に支持された天井部105とを有するほぼ直方体状の外箱である。
【0018】
本実施形態では、外箱1の底板101の短辺方向(図1のX方向)を外箱の奥行き方向とし、底板101の長辺方向(図1のY方向)を外箱の横方向とする。外箱1の奥行き方向の一方の端面及び他方の端面をそれぞれ外箱の前面1a及び背面1bとし、外箱1を正面から見た場合に横方向の一端(左端)側及び他端(右端)側にそれぞれ位置する側面をそれぞれ外箱の左側面1c及び右側面1dとする。
【0019】
外箱1内は、外箱の前面に対向するように配置された仕切り壁106と、外箱1の左側面に対向するように配置された仕切り壁107と、仕切り壁107と外箱1の左側面との間の空間を前後に仕切るように設けられた仕切り壁108とにより、外箱1の背面側に開口した変圧器収容室1Aと、外箱1の左側面に開口した一次側保護機器収容室1Bと、外箱1の前面に開口した二次側保護機器収容室1Cと、一次側保護機器収容室1Bに隣接して配置されて外箱の正面に開口した計器類収容室1Dとに仕切られている。仕切り壁106ないし108は、底板101と枠体104との間を適宜につなぐように設けられた補助支柱103を利用して外箱1に固定されている。
【0020】
外箱1には、一次側保護機器収容室1Cの前面側開口部を開閉する観音開きの点検用扉111と、計器類収容室1Dの前面側開口部を開閉する片開きの点検用扉112と、一次側保護機器収容室1Bの左側面側開口部を開閉する片開きの点検用扉113とが取り付けられている。外箱1の他の開口部は側板により閉鎖される。
【0021】
外箱1の変圧器収容室1A内には、変圧器2が収容されている。変圧器2は直方体状の変圧器タンク内に変圧器本体を絶縁油とともに収容した油入変圧器である。変圧器2は、そのタンクの長手方向を外箱1の横方向に向け、外箱1の背面1b寄りに位置させた状態で外箱1内に配置されている。
【0022】
変圧器タンクの外箱1の左側面1cに面した側面には、変圧器タンク内で変圧器本体の一次側に高圧限流ヒューズを通して接続された一次ブッシング端子が取り付けられ、変圧器タンクの上面には、変圧器本体の二次側につながる二次ブッシング端子が取り付けられている。変圧器の一次ブッシング端子は、一次側保護機器収容室1B内に配置されて仕切り壁107に支持された一次側開閉器(LBS)3に接続されている。外箱1の底板101の一次側保護機器収容室1B内に臨む部分には、地下のケーブルピットに開口した窓部110が設けられ、地下のケーブルピットから窓部110を通して立ち上げられた高圧ケーブルが、一次側開閉器3を通して変圧器の一次ブッシング端子に接続される。
【0023】
外箱1内の右側面寄りの位置には、外箱の上部寄りに位置させて、外箱に対して適宜の手段により固定された重量物支持フレーム4が設けられ、この重量物支持フレーム4に遮断器収容ケース5(図5参照)が取り付けられている。遮断器収容ケース5内には、変圧器2の二次電流が過大になったときに該二次電流を一括して遮断する重量物としての主遮断器6が収容されている。また仕切り壁106には、遮断器収容ケース5を一次側保護機器収容室1B内に開口させる遮断器取り付け用窓部120が形成され、この遮断器取り付け用窓部120を通して主遮断器6を遮断器収容ケース5に着脱し得るようになっている。
【0024】
図示の例では、遮断器収容ケース5の下部に前後にスライド自在な遮断器支持ベース501(図9参照)が設けられていて、前方に引き出した遮断器支持ベース501の上に重量物である主遮断器6を載せて固定した状態で、遮断器支持ベース501を遮断器収容ケース5内に押し込むことにより、主遮断器6を定位置に配置することができるようになっている。主遮断器6の着脱を容易にするため、遮断器取り付け用窓部120は、遮断器支持ベース501上に載せられた主遮断器6と外箱の上部の枠体104との間に隙間G(図2参照)を形成するように、その高さ寸法に余裕を持たせて設けられている。主遮断器6は三相の遮断部を有していて、三相の遮断部の電源側端子が、変圧器収容室1A内で変圧器2の三相の二次ブッシング端子に接続される。
【0025】
二次側保護機器収容室1C内の下部には、配線用遮断器7が変圧器の二次側に接続される低圧回線の数だけ(図示の例では6個)横方向に並べて設けられて、仕切り壁106に支持されている。配線用遮断器7の上方には、横方向に伸びる3枚の帯板状の銅バー8が、外箱1の前後方向に平行に並べて配置され、これらの銅バーは、絶縁支持物9を介して仕切り壁106に支持されている。3枚の銅バー8には、遮断器6の三相の遮断部の負荷側端子からそれぞれ導出された三相の接続導体10がそれぞれ接続され、一連の配線用遮断器7,7,…のそれぞれに設けられた三相の電源側端子7aが対応する相の銅バー8に接続されている。各配線用遮断器7の三相の負荷側端子7bには、地下のケーブルピットから立ち上げられた低圧配電ケーブル(図示せず。)が接続され、変圧器2の二次ブッシング端子が、主遮断器6と銅バー8と複数の(図示の例では6個の)配線用遮断器7とを通して複数回線(図示の例では6回線)の低圧配電ケーブルに接続される。外箱1内の計器類収容室1D内には、計器類を収容したケース9等が収容される。
【0026】
本実施形態の地上設置型変圧器装置の電気的構成は図12に示された単線結線図の通りである。同図において、11uないし11wは地下のケーブルピットから立ち上げられた三相の高圧ケーブル、12uないし12wは高圧ケーブル11uないし11wを一次側開閉器3に接続するケーブルコネクタ、2uないし2wは変圧器タンクに取り付けられた変圧器の一次ブッシング端子、13uないし13wは、変圧器タンク内で、一次ブッシング端子2uないし2wと変圧器2の本体の一次側端子との間を接続するように設けられた高圧限流ヒューズ、14u〜14wは変圧器タンクの上部に取り付けられた二次ブッシング端子である。変圧器2の二次ブッシング端子14u〜14wは、主遮断器6と配線用遮断器7とを通して低圧配電ケーブル15に接続されている。
【0027】
本実施形態のように、変圧器2の二次巻線と配線用遮断器7との間に、変圧器の二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する主遮断器6を設けておくと、万一配線用遮断器7が故障している状態で変圧器2の二次巻線に許容値を超える過電流が流れたときに、該過電流を遮断することができるので、変圧器2の二次巻線を過電流から確実に保護することができる。
【0028】
本実施形態において、一次側保護機器収容室1C内に配置する保護機器のうち、配線用遮断器7は、地下に導出される低圧配電ケーブルを接続し易くするために、外箱1の下部に配置する必要がある。従って、主遮断器6は、図示のように、外箱内の上部に設けた重量物支持フレーム4に支持した状態で設ける必要がある。そのため、メンテナンスのために主遮断器6を代替の遮断器と交換する際や、故障した主遮断器6を新しい遮断器と交換する際には、現地で重量物である主遮断器6の上げ下ろしをする必要がある。
【0029】
そこで、本実施形態では、重量物の上げ下ろしを行う際に手動操作される吊り上げ装置を用いるものとし、この吊り上げ装置の上部を固定する吊り上げ装置固定金具30を外箱1の上部に固定することができるようにする。
【0030】
本実施形態で用いる吊り上げ装置20の一例を、図11に示した。図11に示された吊り上げ装置20は、水平方向に向けた状態で配置される腕部21と、腕部21の長手方向の一端から上方に起立した起立部22と、起立部22の上端に取り付けられた第1のプーリ23と、長手方向を腕部21の長手方向に対して直角な方向に向けて配置されて上端が腕部21の他端に固定された脚部24と、腕部21の他端に取り付けられた第2のプーリ25と、脚部24の下端に取り付けられた巻取りドラム26と、巻取りドラム26を回転させる際に操作される手動ハンドル27と、手動ハンドル27の回転を減速してドラム26に伝達する減速機構28と、腕部21の一端の下面に固定された断面U字型の取り付け金具29と、巻取りドラム26に捲かれたワイヤWとを備えたウィンチからなっている。ワイヤWはドラム26から巻き戻されてプーリ25を経てプーリ23の外周に導かれ、プーリ23から下方に垂下させられたワイヤWの先端にフックFが取り付けられている。
【0031】
図示の吊り上げ装置20は、腕部21の一端に固定された取り付け金具29を、上げ下ろしを行う重量物(本実施形態では主遮断器6)の上方に位置させた状態で外箱1の上部に固定した吊り上げ装置固定金具30に固定することにより外箱1に取り付けられる。そして、ドラム26から繰り出されたワイヤWの先端に取り付けられたフックFに、重量物を縛り付けているロープを引っ掛けた状態で、ハンドル27を操作してドラム26にワイヤWを巻き取ったり、ドラム26からワイヤWを巻き戻したりすることにより、僅かな操作力で重量物の上げ下ろしを行う。
【0032】
本実施形態においては、現地で重量物の着脱を行うことができるようにするため、吊り上げ装置20を固定する部分を先端に有する吊り上げ装置固定金具30が外箱1内に常備されており、重量物の上げ下ろしを行う際に、常備している吊り上げ装置固定金具30を外箱1に固定して、この吊り上げ装置固定金具30に吊り上げ装置20を固定することにより、吊り上げ装置20を外箱1に取り付けることができるようになっている。
【0033】
本実施形態で用いる吊り上げ装置固定金具30は、図4に示されているように、互いに平行に配置された帯板状の一対の横鋼材30a,30bと、横鋼材30a,30bに対して直角な方向に配置された一対の縦鋼材30c,30dとを組み合わせて接合することにより形成された矩形状の枠体からなっている。図示の例では、一方の横鋼材30aが設けられた端部が吊り上げ装置固定金具30の先端部30Aとなっていて、先端部30A側の横鋼材30aの長手方向の中央部寄りの部分に、吊り上げ装置20の取り付け金具29を固定する際に用いるボルトを貫通させる一対の取り付け孔30a1,30a2が形成されている。また吊り上げ装置固定金具30の互いに平行に伸びる左右の縦鋼材30c及び30dには、それぞれの長手方向に間隔をあけて、3つの取り付け孔30c1〜30c3及び30d1〜30d3が設けられている。
【0034】
本実施形態では、吊り上げ装置固定金具30の先端30Aから取り付け孔30c1までの距離及び先端30Aから取り付け孔30d1までの距離が等しく設定されるとともに、取り付け孔30c1と30c2との間の距離が取り付け孔30d1と30d2との間の距離に等しく設定され、また取り付け孔30c2と取り付け孔30c3との間の距離及び取り付け孔30d2と取り付け孔30d3との間の距離がそれぞれ取り付け孔30c1と30c2との間の距離及び取り付け孔30d1と30d2との間の距離に等しく設定されている。即ち、取り付け孔30c1ないし30c3及び30d1ないし30d3は、対応する取り付け孔どうしが、固定金具30の先端30A部に対して同じ位置で横方向に並ぶように設けられている。
【0035】
本実施形態においては、図3に示すように、外箱1の上部に、吊り上げ装置固定金具30をボルト止めすることができる固定金具取付け部40が設けられていて、この固定金具取付け部40に、窓部120の幅方向に間隔をあけて、断面がL字形を呈する一対のガイドレール41,41が取り付けられている。一対のガイドレール41、41は、それぞれの先端を外箱1の前面の手前の位置に位置させ、かつそれぞれの一辺41a,41aを対向させた状態で設けられていて、これらガイドレールの一辺41a,41aの上に吊り上げ装置固定金具30の幅方向の両端が載せられることにより、吊り上げ装置固定金具30が外箱にスライド自在に支持されている。
【0036】
固定金具取付け部40のガイドレール41,41寄りの部分には、先端部30Aが外箱1の前面よりも奥に押し込まれた状態にある吊り上げ装置固定金具30の4つの取り付け孔30c1,30c2及び30d1,30d2をそれぞれ貫通させた4本のボルトをねじ込むためのネジ穴と、外箱1から先端部30Aが引き出された状態にある吊り上げ装置固定金具30の4つの取り付け孔30c2,30c3及び30d2,30d3をそれぞれ貫通させた4本のボルトをねじ込むためのネジ穴とを含む少なくとも4つのネジ穴が設けられている。従って、ガイドレール41,41により支持された吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に押し込んで、該吊り上げ装置固定金具30の先端部30Aが外箱1から前方に突出しないようにした状態で、4つの取り付け孔30c1,30c2及び30d1,30d2をそれぞれ貫通させた4本のボルトを固定金具取付け部40に設けられた4つのネジ穴にねじ込むことにより、図1、図3及び図5に示されているように、吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に収容した状態で保持させることができ、吊り上げ装置固定金具30の先端部30Aを外箱1の前面から外側に引き出した状態で、4つの取り付け孔30c2,30c3及び30d2,30d3をそれぞれ貫通させた4本のボルトを固定金具取付け部40に設けられた4つのネジ穴にねじ込むことにより、吊り上げ装置固定金具30を、図6ないし図10に示されているように、その先端部30Aを外箱1の前面から前方に突出させた状態で(オーバハングさせた状態で)、外箱1に固定することができるようになっている。
【0037】
現地で重量物である遮断器6を交換する際には、先ず図6に示すように、吊り上げ装置固定金具30を外箱1に固定しているボルトを外して、吊り上げ装置固定金具30の先願部30Aを外箱1の前面より前方に引出し、この状態で、吊り上げ装置固定金具30を外箱1の固定金具取付け部40にボルト止めする。
【0038】
次いで、図8に示すように、吊り上げ装置20の腕部21に固定された取り付け金具29を、吊り上げ装置固定金具30の先端部の横鋼材30aに嵌合させて、取り付け金具29を横鋼材30aにボルト止めする。
【0039】
上記のようにして吊り上げ装置20の上部を吊り上げ装置固定金具30の先端部に固定した後、図9に示すように、遮断器6を遮断器支持ベース501とともに遮断器収容ケース5から引出す。また遮断器6を遮断器支持ベース501に固定しているボルトを外して、遮断器6と遮断器支持ベース501との機械的な結合を解く。この状態で遮断器6にロープ50(図10参照)を巻き付けて、このロープで遮断器6を縛り、ロープ50の弛ませた部分をフックFに引っ掛ける。次いでハンドル27を回してワイヤWをドラム26に巻き取ることにより、遮断器6を吊り上げて遮断器支持ベース501から浮かせ、遮断器6を吊り上げ装置20側に揺動させて、吊り上げ装置20の上部に吊下げた状態にする。この状態で、遮断器支持ベース501を遮断器収容ケース5内に押し込んで、吊下げられている遮断器6の下方から遮断器支持ベース501を退避させる。しかる後、操作ハンドル27を操作してワイヤWをドラム26から巻き戻すことにより、遮断器6を低位置に下ろす。このようにして遮断器6を低位置に下ろした後、適宜の搬送手段により遮断器6を搬出する。新たな遮断器6を外箱内に組み込む作業は、上記と逆の手順により行うことができる。
【0040】
上記の実施形態のように、吊り上げ装置固定金具30を外箱の上部に取り付けたガイドレール41,41により前後にスライドし得るように支持しておくと、吊り上げ装置20を支持する位置に吊り上げ装置固定金具30を固定する作業と、用済みになった吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に収容する作業とを簡単に行うことができる。また吊り上げ装置固定金具30が常に決まった場所に配置されることになるため、吊り上げ装置固定金具30が紛失するのを防ぐことができる。
【0041】
上記の実施形態では、吊り上げ装置固定金具30を外箱の上部に取り付けたガイドレール41,41により前後にスライド自在に支持するようにしたが、本発明は、このように構成する場合に限定されるものではなく、吊り上げ装置固定金具30を外箱1内に設けた適宜の収納場所に収納しておいて、重量物の上げ下ろしを行う際に吊り上げ装置固定金具30を収納場所から取り出して、該吊り上げ装置固定金具30を吊り上げ装置20を取り付けるのに適した箇所に固定するようにしてもよい。
【0042】
上記の実施形態では、主遮断器の上げ下ろしを行う場合を例にとったが、主遮断器以外の重量物の着脱を行う必要がある地上設置型変圧器装置にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、地上設置型変圧器装置の外箱内に吊り上げ装置固定金具を常備しておいて、現地で遮断器等の重量物を着脱する必要が生じた際に、吊り上げ装置固定金具を外箱の上部に取り付けて、この固定金具に重量物の上げ下ろしを容易にするウインチ等の吊り上げ装置を固定することができる。従って、配電系統に多く設置される地上設置型変圧器装置の保守を現地で容易かつ安全に行うことができ、産業上の利用可能性が大である。
【符号の説明】
【0044】
1 外箱
2 変圧器
4 重量物支持フレーム
5 遮断器収容ケース
501 遮断器支持ベース
6 主遮断器(重量物)
7 配線用遮断器
20 吊り上げ装置
30 吊り上げ装置固定金具
40 固定金具取り付け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器と、該変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ接続される一次側保護用機器及び二次側保護用機器を含む前記変圧器以外の構成要素とが外箱内に収容され、前記外箱内に収容される前記構成要素は、重量物を含んでいて、該重量物が前記外箱内の上部に配置されている地上設置型変圧器装置であって、
前記変圧器の側方に形成された外箱内の機器収容スペースの上部寄りの位置に重量物支持フレームが設けられ、
前記重量物は前記重量物支持フレームに着脱可能に支持され、
前記重量物の上げ下ろしを行う際に用いる吊り上げ装置の上部を固定する吊り上げ装置固定金具を取り付ける固定金具取り付け部が、前記重量物支持フレームの上方に位置させた状態で前記外箱の内側に設けられて、前記固定金具取り付け部に取り付けられる吊り上げ装置固定金具が前記外箱内に常備され、
前記重量物支持フレームに重量物を着脱する際に、前記固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具に前記吊り上げ装置を固定することにより該吊り上げ装置を外箱に対して固定し得るように構成されていること、
を特徴とする地上設置型変圧器装置。
【請求項2】
前記二次側保護用機器は、前記重量物支持フレームに支持されて、前記変圧器の二次巻線から出力される全電流が過大になったときに該二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する前記重量物としての主遮断器と、前記重量物支持フレームよりも下方に位置させた状態で前記機器収容スペースに収容されて前記遮断器を通過した電流が分岐して入力される複数の配線用遮断器とを備えていて、各配線用遮断器を通過した電流が配電ケーブルを通して低圧配電線に供給される請求項1に記載の地上設置型変圧器装置。
【請求項3】
前記吊り上げ装置固定金具は、前記吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなり、
前記固定金具取り付け部は、前記吊り上げ装置固定金具の先端部を前記外箱から外部に突出させて、該吊り上げ装置固定金具を前記重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で前記外箱に対して固定するように設けられている請求項1又は2に記載の地上設置型変圧器装置。
【請求項4】
前記吊り上げ装置固定金具は、前記吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなっていて、前記固定金具取り付け部に取り付けられたガイドレールにより前後にスライドし得るように支持され、
前記固定金具取り付け部は、前記吊り上げ装置固定金具の先端部を前記外箱から外部に引出して、該吊り上げ装置固定金具を前記重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で固定するように設けられている請求項1又は2に記載の地上設置型変圧器装置。
【請求項1】
変圧器と、該変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ接続される一次側保護用機器及び二次側保護用機器を含む前記変圧器以外の構成要素とが外箱内に収容され、前記外箱内に収容される前記構成要素は、重量物を含んでいて、該重量物が前記外箱内の上部に配置されている地上設置型変圧器装置であって、
前記変圧器の側方に形成された外箱内の機器収容スペースの上部寄りの位置に重量物支持フレームが設けられ、
前記重量物は前記重量物支持フレームに着脱可能に支持され、
前記重量物の上げ下ろしを行う際に用いる吊り上げ装置の上部を固定する吊り上げ装置固定金具を取り付ける固定金具取り付け部が、前記重量物支持フレームの上方に位置させた状態で前記外箱の内側に設けられて、前記固定金具取り付け部に取り付けられる吊り上げ装置固定金具が前記外箱内に常備され、
前記重量物支持フレームに重量物を着脱する際に、前記固定金具取り付け部に取り付けた吊り上げ装置固定金具に前記吊り上げ装置を固定することにより該吊り上げ装置を外箱に対して固定し得るように構成されていること、
を特徴とする地上設置型変圧器装置。
【請求項2】
前記二次側保護用機器は、前記重量物支持フレームに支持されて、前記変圧器の二次巻線から出力される全電流が過大になったときに該二次巻線から出力される全電流を一括して遮断する前記重量物としての主遮断器と、前記重量物支持フレームよりも下方に位置させた状態で前記機器収容スペースに収容されて前記遮断器を通過した電流が分岐して入力される複数の配線用遮断器とを備えていて、各配線用遮断器を通過した電流が配電ケーブルを通して低圧配電線に供給される請求項1に記載の地上設置型変圧器装置。
【請求項3】
前記吊り上げ装置固定金具は、前記吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなり、
前記固定金具取り付け部は、前記吊り上げ装置固定金具の先端部を前記外箱から外部に突出させて、該吊り上げ装置固定金具を前記重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で前記外箱に対して固定するように設けられている請求項1又は2に記載の地上設置型変圧器装置。
【請求項4】
前記吊り上げ装置固定金具は、前記吊り上げ装置の上端を固定する部分を先端部に有する枠状の金具からなっていて、前記固定金具取り付け部に取り付けられたガイドレールにより前後にスライドし得るように支持され、
前記固定金具取り付け部は、前記吊り上げ装置固定金具の先端部を前記外箱から外部に引出して、該吊り上げ装置固定金具を前記重量物支持フレームに対してオーバーハングさせた状態で固定するように設けられている請求項1又は2に記載の地上設置型変圧器装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−74742(P2013−74742A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212609(P2011−212609)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
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