説明

地中熱ヒートポンプ装置

【課題】負荷運転時に地中熱循環回路を流れる熱媒の流量が可変されるものにおいて、パワー半導体の冷却を適切に行うことができる地中熱ヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】熱源側熱交換器7の熱媒流路7bをバイパスしてパワー半導体16の発する熱を放熱する放熱器17と熱的に接続したバイパス管15を備え、負荷側を加熱または冷却する負荷運転時の負荷の大小に応じて地中熱循環ポンプ14の回転数を可変制御する地中熱ヒートポンプ装置であって、熱源側熱交換器7の熱媒流路7bとバイパス管15とは、バイパス管15を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きが、熱源側熱交換器7の熱媒流路7bを流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きより大きく、且つ、地中熱循環ポンプ14の回転数の可変範囲の略全域でバイパス管15の圧力損失が熱源側熱交換器7の熱媒流路7bの圧力損失より大きくなるような関係性を有するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱源側の地中熱循環回路を循環する熱媒を利用してパワー半導体を適切に冷却できる地中熱ヒートポンプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の地中熱ヒートポンプ装置においては、図4に示すように、圧縮機101、負荷側熱交換器102、膨張弁103、熱源側熱交換器104を冷媒配管105で環状に接続したヒートポンプ回路106と、熱源側熱交換器104と地中に設置された地中熱交換器107を熱媒配管108で環状に接続した地中熱循環回路109と、地中熱循環回路109に熱媒としての不凍液を循環させる地中熱循環ポンプ110と、床暖房パネル等の負荷端末111と負荷側熱交換器102を循環液配管112で環状に接続した負荷側循環回路113と、負荷側循環回路113に循環液を循環させる負荷側循環ポンプ114と、圧縮機101の駆動をインバータ制御するパワー半導体115と、パワー半導体115に取り付けられパワー半導体115で発生する熱を放熱するヒートシンク116と、熱源側熱交換器104の上流側において熱媒配管108から分岐しヒートシンク116と熱的に接続したバイパス管117とを備え、圧縮機101、地中熱循環ポンプ110、負荷側循環ポンプ114を駆動させ、熱源側熱交換器104を蒸発器、負荷側熱交換器102を凝縮器として機能させて、負荷端末111で被空調空間を加熱する暖房運転等の負荷運転を行っている時に、バイパス管117側にも熱媒を循環させることによりヒートシンク116を冷却しパワー半導体115の冷却を行うものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−30708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来の地中熱ヒートポンプ装置において、パワー半導体115を適切に冷却するためには、パワー半導体115を冷却するのに必要とされる適切な流量がバイパス管117側に流れるように、バイパス管117の配管径や配管長を設定することが重要となり、例えば、地中熱循環ポンプ110の回転数が固定され、地中熱循環回路109を流れる熱媒の流量が固定されているような場合は、バイパス管117側に熱媒が適切な流量流れるようにバイパス管117の配管径や配管長を設定することは容易である。
【0005】
しかし、前記負荷運転の負荷の大小に応じて地中熱循環ポンプ110の回転数が可変され、地中熱循環回路109を流れる熱媒の流量が可変されるようなものの場合、その可変流量に応じたバイパス管117の配管径や配管長の設定が必要となるが、地中熱循環回路109に大流量で熱媒が循環する場合に対応させて、バイパス管117側に熱媒が適切な流量流れるようにバイパス管117を設定した場合、バイパス管117によってバイパスされる部分の熱媒配管108を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性とバイパス管117を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性が、図5に示すような関係になり、地中熱循環回路109に小流量で熱媒を循環させた時に、バイパス管117によってバイパスされる部分の熱媒配管108とバイパス管117との圧力損失の差が大きく、バイパス管117によってバイパスされる部分の熱媒配管108側にのみ熱媒が流れ、バイパス管117側にはほとんど熱媒が流れず、パワー半導体115の冷却が行われなくなるおそれがあり、それによって、パワー半導体115が過熱状態となり異常停止する問題を有するものであった。
【0006】
逆に、熱媒配管108に小流量で熱媒が循環する場合に対応させて、バイパス管117側に熱媒が適切な流量流れるようなバイパス管117を設定した場合、バイパス管117によってバイパスされる部分の熱媒配管108を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性とバイパス管117を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性が、図6に示すような関係になり、熱媒配管108に大流量で熱媒が循環した時に、バイパス管117によってバイパスされる部分の熱媒配管108とバイパス管117との圧力損失の差が小さく、バイパス管117側に流れる熱媒が過大となり、パワー半導体115が過冷却状態となり結露を生じさせてしまうおそれがあり、それによって、パワー半導体115もしくは周辺の電気回路がショートして異常停止する問題を有するものであった。
【0007】
そこで、本発明は、地中熱循環回路109を流れる熱媒の流量が可変されるものにおいて、パワー半導体115の冷却を適切に行うことができる地中熱ヒートポンプ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、圧縮機、負荷側熱交換器の冷媒流路、減圧手段、熱源側熱交換器の冷媒流路を冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路と、前記熱源側熱交換器の熱媒流路と地中に設置された地中熱交換器とを熱媒配管で環状に接続した地中熱循環回路と、該地中熱循環回路に熱媒を循環させる回転数可変の地中熱循環ポンプと、前記圧縮機の駆動を制御するパワー半導体と、該パワー半導体の発する熱を放熱する放熱器と、前記熱源側熱交換器より上流側の前記熱媒配管から分岐し前記熱源側熱交換器の熱媒流路をバイパスして前記放熱器と熱的に接続したバイパス管とを備え、前記地中熱交換器により地中と熱交換し、前記熱源側熱交換器を蒸発器または凝縮器として機能させると共に、前記負荷側熱交換器を凝縮器または蒸発器として機能させて負荷側を加熱または冷却する負荷運転を行い、該負荷運転時の負荷の大小に応じて前記地中熱循環ポンプの回転数を可変制御する地中熱ヒートポンプ装置であって、前記熱源側熱交換器の熱媒流路と前記バイパス管とは、前記バイパス管を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きが、前記熱源側熱交換器の熱媒流路を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きより大きく、且つ、前記地中熱循環ポンプの回転数の可変範囲の略全域で前記バイパス管の圧力損失が前記熱源側熱交換器の熱媒流路の圧力損失より大きくなるような関係性を有するものとした。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、負荷運転時の負荷の大小に応じて地中熱循環ポンプの回転数を可変制御する地中熱ヒートポンプ装置であって、熱源側熱交換器の熱媒流路とバイパス管とは、バイパス管を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きが、熱源側熱交換器の熱媒流路を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きより大きく、且つ、地中熱循環ポンプの回転数の可変範囲の略全域でバイパス管の圧力損失が前記熱源側熱交換器の熱媒流路の圧力損失より大きくなるような関係性を有するものとしたことで、負荷の大小に応じて地中熱循環ポンプの回転数を可変制御する負荷運転時において、パワー半導体が過冷却状態となることがなく、また、過熱状態となることもなく、パワー半導体の適切な冷却を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の地中熱ヒートポンプ装置の一実施形態の概略構成図。
【図2】同一実施形態のパワー半導体を冷却する構造を示す図。
【図3】同一実施形態の熱源側熱交換器の熱媒流路とバイパス管の流量に対する圧力損失の特性を示す図。
【図4】従来の地中熱ヒートポンプ装置の概略構成図。
【図5】従来の地中熱ヒートポンプ装置の熱媒配管とバイパス管の流量に対する圧力損失の特性を示す図。
【図6】従来の地中熱ヒートポンプ装置の熱媒配管とバイパス管の流量に対する圧力損失の特性を示す他の図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、この発明の地中熱ヒートポンプ装置の一実施形態について図面に基づき説明する。
図1のように、本実施形態の地中熱ヒートポンプ装置は、大きく分けてヒートポンプユニット1と、地中熱交換部2と、負荷熱交換部3とから構成されるものである。
【0012】
前記ヒートポンプユニット1は、冷媒を圧縮する能力可変の圧縮機4と、圧縮機4から吐出された高温冷媒を流通させ、この高温冷媒と負荷熱交換部3の負荷側の熱媒との熱交換を行う凝縮器としての負荷側熱交換器5の冷媒流路5aと、負荷側熱交換器5の冷媒流路5aから流出する冷媒を減圧する減圧手段としての膨張弁6と、膨張弁6によって減圧された低温冷媒と地中熱交換部2の熱源側の熱媒との熱交換を行う蒸発器としての熱源側熱交換器7の冷媒流路7aとを備え、これらを冷媒配管8で環状に接続してヒートポンプ回路9を形成しているものである。なお、ヒートポンプユニット1の冷媒としては、二酸化炭素冷媒やHFC冷媒等の任意の冷媒を用いることができるものである。また、10は膨張弁6から圧縮機4に至るまでの熱源側熱交換器7側の冷媒配管8、つまり低圧側の冷媒配管8に設けられ、低圧側の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段としての冷媒温度センサである。
【0013】
前記負荷側熱交換器5および前記熱源側熱交換器7はプレート式熱交換器で構成され、プレート式熱交換器は複数の伝熱プレートが積層され、冷媒を流通させる流路と流体を流通させる流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成されているものである。
【0014】
また、前記地中熱交換部2は、熱源側熱交換器7の熱媒流路7bと地中に設置され互いに並列に接続された複数の地中熱交換器11とを熱媒配管12で環状に接続する地中熱循環回路13と、地中熱循環回路13に熱媒として不凍液を循環させる回転数可変の地中熱循環ポンプ14とを備え、さらに、熱源側熱交換器7の上流側の熱媒配管12から分岐され熱源側熱交換器7の熱媒流路7bのみをバイパスするバイパス管15が備えられているものである。
【0015】
ここで、前記バイパス管15は、圧縮機4の駆動をインバータ制御するパワー半導体16の発熱を放熱する放熱器としてのヒートシンク17と熱的に接続されており、本実施形態では、図2に示すようにヒートシンク17を構成する複数のフィン18間にバイパス管15を這わせてフィン18とバイパス管15とを接触させ、バイパス管15に不凍液を循環させることにより、フィン18が冷却されパワー半導体16の冷却が行われるものである。
【0016】
なお、前記熱源側熱交換器7の熱媒流路7bとバイパス管15とは、図3に示すように、バイパス管15を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きが熱源側熱交換器7の熱媒流路7bを流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きより大きく、且つ、地中熱循環ポンプ14の回転数の下限から上限までの可変範囲、すなわち地中熱循環回路13での流量可変範囲の略全域でバイパス管15の圧力損失が熱源側熱交換器7の熱媒流路7bの圧力損失より大きくなるような関係性を有するものである。
【0017】
また、前記負荷熱交換部3は、負荷側熱交換器5の循環液流路5bと、被空調空間を加熱する床暖房パネル等の負荷端末19とを循環液配管20で環状に接続した負荷側循環回路21と、負荷側循環回路21に循環液を循環させる負荷側循環ポンプ22と、負荷端末19毎に分岐した負荷側循環回路21に各々設けられ、その開閉により負荷端末19への循環液の供給を制御する熱動弁23(23a、23b)とを備えているものである。なお、24は負荷側循環回路21に設けられ負荷端末19から負荷側熱交換器5の循環液流路5bに流入する循環液の温度を検出する負荷温度検出手段としての負荷温度センサである。
【0018】
25は冷媒温度センサ10、負荷温度センサ24の各温度センサの入力や被空調空間に設置されたリモコン(図示せず)からの信号を受けて、圧縮機4、膨張弁6、地中熱循環ポンプ14、負荷側循環ポンプ22の各アクチュエータの駆動を制御する制御手段で、前記パワー半導体16は前記制御手段25の基板上に実装されているものである。
【0019】
次に、一実施形態の地中熱ヒートポンプ装置の動作について説明する。
前記負荷端末19によって加熱される被空調空間に設置された前記リモコンにより被空調空間の加熱の指示がなされると、前記制御手段25は圧縮機4、地中熱循環ポンプ14、負荷側循環ポンプ22の駆動を開始させ、負荷運転としての暖房運転が開始される。
【0020】
前記暖房運転時に、地中熱交換部2では、地中熱交換器11によって地中と熱交換して地中熱を採熱し、その熱を帯びた不凍液が地中熱循環ポンプ14により熱源側熱交換器7の熱媒流路7bに供給される。そして、熱源側熱交換器7にて冷媒流路7aを流通する冷媒と熱媒流路7bを流通する不凍液とが対向して流れて熱交換が行われ、地中熱交換器11にて採熱された地中熱が冷媒側に汲み上げられて冷媒が加熱され熱源側熱交換器7は蒸発器として機能するものとなる。
【0021】
さらに、地中熱循環回路13を流れる不凍液は、熱源側熱交換器7の熱媒流路7bをバイパスするバイパス管15側にも流れ、パワー半導体16が発する熱を放熱するヒートシンク17がバイパス管15を流れる不凍液によって冷却されるものである。
【0022】
また、負荷熱交換部3では、負荷側熱交換器5の冷媒流路5aを流通する冷媒と負荷側熱交換器5の循環液流路5bを流通する循環液とが対向して流れて熱交換が行われて、負荷側熱交換器5は凝縮器として機能して負荷側循環回路21を循環する循環液が加熱され、加熱された循環液が熱動弁23を介して負荷端末19に送られ、リモコンにより指示された被空調空間を加熱するものである。
【0023】
前記暖房運転時において、パワー半導体16は暖房運転時の負荷の大小に応じてその発熱量が大小するものであり、負荷が大きい時、すなわち圧縮機4の出力が大きい時はパワー半導体16の発熱量も大きく、負荷が小さい時、すなわち圧縮機4の出力が小さい時はパワー半導体16の発熱量も小さいものである。
【0024】
ここで、前記制御手段25は、暖房運転中、冷媒温度センサ10の検出する低圧側の冷媒温度が予め設定された目標蒸発温度になるように地中熱循環ポンプ14の回転数を制御するものであるが、負荷が大きくなると、冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が下がり、制御手段25は、予め設定された目標蒸発温度になるように地中熱循環ポンプ14の回転数を上げて、地中熱循環回路13を循環する不凍液の流量を上げ、逆に負荷が小さくなると、冷媒温度センサ10の検出する冷媒温度が上がり、予め設定された目標蒸発温度になるように地中熱循環ポンプ14の回転数を下げて、地中熱循環回路13を循環する不凍液の流量を下げるように制御している。
【0025】
つまり、パワー半導体16の発熱量が大きい時は、地中熱循環回路13を循環する不凍液の流量が大きく、バイパス管15側を流れる不凍液の流量も大きくなる。この時は、図3に示されるように、大流量時の熱媒流路7bとバイパス管15との圧力損失の差は大きいので、バイパス管15側に不凍液が流れ過ぎることはなく、パワー半導体16の適切な冷却が行われるものである。逆に、パワー半導体16の発熱量が小さい時は、地中熱循環回路13を循環する不凍液の流量が小さく、バイパス管15側を流れる不凍液の流量も小さくなる。この時は、図3に示されるように、小流量時の熱媒流路7bとバイパス管15との圧力損失の差は小さくなるので、バイパス管15側に適切な量の不凍液が流れ、パワー半導体16の適切な冷却が行われる。したがって、本実施形態では、負荷の大小に応じて地中熱循環ポンプ14の回転数が可変制御される暖房運転時において、バイパス管15側に適切な量の不凍液が流れ、パワー半導体16が過冷却状態となることがなく、また、過熱状態となることもなく、パワー半導体16の適切な冷却が行われるものである。
【0026】
なお、本発明は先に説明した一実施形態に限定されるものでなく、本実施形態では、ヒートシンク17の複数のフィン18間にバイパス管15を這わせてフィン18とバイパス管15とを接触させてバイパス管15を流れる不凍液により冷却を行っているが、フィン18にバイパス管15を貫通させてバイパス管15を流れる不凍液により冷却を行うものであってもよく、バイパス管15とヒートシンク17が熱的に接続していればよいものであり、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な変形が可能であり、これを妨げるものではない。
【0027】
また、本実施形態では、熱源側熱交換器7としてプレート式熱交換器を使用したが、熱源側熱交換器7の熱媒流路7bの流量に対する圧力損失の特性の傾きが、バイパス管15の流量に対する圧力損失の特性の傾きより小さいという関係性を有する熱媒流路7bを備えた熱源側熱交換器7であればプレート式熱交換器に限定されるものではない。
【0028】
また、本実施形態では、地中熱交換器11は地中に複数設置され互いに並列に接続されているが、複数の地中熱交換器11を互いに直列に接続してもよく、また、地中熱交換器11を複数設置せず、地中から所望の採熱ができるのであれば、地中熱交換器11を1本だけ設置したものであってもよい。
【0029】
また、本実施形態では、地中熱交換器11を地中に設置するものとし、地中熱交換器11は地中に直接埋設され地中熱を採熱しているが、地中熱交換器11を井戸の中に設置し、地中熱によって温められた井戸水から採熱するものも地中熱交換器11を地中に設置するものに含まれるものである。
【0030】
また、本実施形態では、床暖房パネル等の負荷端末19により被空調空間である室内を加熱する熱媒循環式の暖房運転を負荷運転としたが、被空調空間である室内に負荷側熱交換器5を有する室内機(図示せず)を設け、この室内機内で圧縮機4から吐出された高温冷媒を室内空気と直接熱交換し、送風により室内を加熱する暖房運転を負荷運転としてもよいものであり、また、負荷端末19を給湯等に使用する湯水を貯湯する貯湯タンク(図示せず)とし、貯湯タンク内の湯水を沸き上げる沸き上げ運転を負荷運転としてもよいものである。
【0031】
また、本実施形態では、地中熱交換器11により地中から地中熱を採熱し、熱源側熱交換器7を蒸発器として機能させると共に、負荷側熱交換器5を凝縮器として機能させて負荷側を加熱する暖房運転を負荷運転としたが、地中熱交換器11によって地中と熱交換して地中に排熱し、熱源側熱交換器7を凝縮器として機能させると共に、負荷側熱交換器5を蒸発器として機能させて負荷側を冷却する冷房運転を負荷運転としてもよいものである。
【符号の説明】
【0032】
4 圧縮機
5 負荷側熱交換器
5a 負荷側熱交換器の冷媒流路
6 膨張弁
7 熱源側熱交換器
7a 熱源側熱交換器の冷媒流路
7b 熱源側熱交換器の熱媒流路
8 冷媒配管
9 ヒートポンプ回路
11 地中熱交換器
12 熱媒配管
13 地中熱循環回路
14 地中熱循環ポンプ
15 バイパス管
16 パワー半導体
17 ヒートシンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、負荷側熱交換器の冷媒流路、減圧手段、熱源側熱交換器の冷媒流路を冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路と、前記熱源側熱交換器の熱媒流路と地中に設置された地中熱交換器とを熱媒配管で環状に接続した地中熱循環回路と、該地中熱循環回路に熱媒を循環させる回転数可変の地中熱循環ポンプと、前記圧縮機の駆動を制御するパワー半導体と、該パワー半導体の発する熱を放熱する放熱器と、前記熱源側熱交換器より上流側の前記熱媒配管から分岐し前記熱源側熱交換器の熱媒流路をバイパスして前記放熱器と熱的に接続したバイパス管とを備え、前記地中熱交換器により地中と熱交換し、前記熱源側熱交換器を蒸発器または凝縮器として機能させると共に、前記負荷側熱交換器を凝縮器または蒸発器として機能させて負荷側を加熱または冷却する負荷運転を行い、該負荷運転時の負荷の大小に応じて前記地中熱循環ポンプの回転数を可変制御する地中熱ヒートポンプ装置であって、前記熱源側熱交換器の熱媒流路と前記バイパス管とは、前記バイパス管を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きが、前記熱源側熱交換器の熱媒流路を流れる熱媒の流量に対する圧力損失の特性の傾きより大きく、且つ、前記地中熱循環ポンプの回転数の可変範囲の略全域で前記バイパス管の圧力損失が前記熱源側熱交換器の熱媒流路の圧力損失より大きくなるような関係性を有するようにしたことを特徴とする地中熱ヒートポンプ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−241984(P2012−241984A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113127(P2011−113127)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)