説明

基材の表面にフッ素樹脂潤滑皮膜を形成する方法

【課題】結合剤などを用いず、簡単な方法で、金属基材の表面などにPTFE100%の固体潤滑皮膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】相対的に摺動運動する二面間の少なくとも一方に耐摩耗性のフッ素樹脂固体潤滑皮膜を形成する方法であって、膜を形成すべき表面が粗面仕上げされた金属基材を、ポリテトラフルオロエチレン粉末と粉砕媒体ボールと共にボールミルに装填してボールミルを回転し、落下するボールの衝撃力により金属表面に密着したボリテトラフルオロエチレンの膜が形成されるまで回転を継続することを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属基材の表面に、潤滑性および耐摩耗のフッ素樹脂皮膜を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素樹脂は、耐熱性で低粘着性であり、固体潤滑剤として使用し得る程の低い摩擦抵抗を持っている。これらの特性を利用して、フッ素樹脂は台所用調理器具や加熱装置に付着した汚染物の除去を容易にする耐汚染性コーティングに使用されている。また低摩擦抵抗(潤滑性)を利用し、相対的に摺動する金属の二面間に膜を形成し、摩擦、摩耗を減少させる固体潤滑剤として使用される。
【0003】
二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛などを含めて、摺動するに面間に固体潤滑剤の薄膜を形成する方法には、単に粉末を擦り込む方法、結合剤で付着させる方法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などがあるが、PTFEに適用可能で多用されているのは結合剤で付着させる方法である。この方法はポリサルホン、ポリイミドアミドなどの結合剤を含む塗料にPTFE粉末を分散し、この塗料の塗膜を表面に形成し、乾燥後塗膜を焼付けることよりなる(特許文献1および2参照)。
【0004】
固体潤滑剤は、荷重が加えられた時接触する二面間で低いせん断力により自らが変形して下地材料を保護することが求められる。ところが結合剤にはせん断などにより自ら変形する能力が乏しいので、結合剤を使用して付着させた膜は、PTFE100%の膜に比較して固体潤滑剤としての性能が低下する。
【0005】
PTFEは非粘着性であり、溶剤にも溶けず、融点以上に加熱しても流動しないため、結合剤を使用せざるを得ず、これまでPTFE100%の固体潤滑膜をうまく形成する方法は知られていなかった。
【特許文献1】特開昭63−5717号公報
【特許文献2】特許第3051999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、結合剤などを用いず、簡単な方法で、金属基材の表面などにPTFE100%の固体潤滑皮膜を形成する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、PTFEを金属基材の表面に固着および被覆する方法としてボールミルを用いた機械的コーティング方法に着目し、添加するPTFEの性状、被覆される金属基材の性状およびボールミルの処理条件などについて鋭意検討を重ねた結果、以下に述べるようなPTFE100%の固体潤滑皮膜を形成する新しい方法を発明した。
【0008】
本発明は、平均表面粗さRaが0.6μm以上の粗面仕上げした表面を有する金属基材と、PTFEの粉末と、粉砕媒体のボールを回転するボールミル内で流動させ、落下するボールの衝撃力により金属表面に密着したPTFE皮膜が形成されるまでボールミルの回転を継続することを特徴とする金属基材の表面にフッ素樹脂潤滑皮膜を形成する方法に存する。
【0009】
皮膜の下地素材への高い密着性が望まれる場合は、皮膜をPTFEの融点以上の温度へ加熱し、焼成することができる。
【0010】
金属基材の平均表面粗さRaが0.6μm以上の粗面仕上げは、ブラスト処理、エッチング、化成処理、そしてアルミニウムの場合はプラズマ電解陽極酸化処理、および硫酸浴陽極酸化処理と組合せたブラスト処理などで達成される。
【0011】
本発明の方法は、粉砕媒体であるボールの落下衝撃によって固体PTFEへせん断力を加え、基材表面へ薄い膜として展延することを原理とするので、PTFEの展性、ボールの落下衝撃力が重要である。PTFEの展性はその分子量に関係し、平均分子量1×10〜1×10の範囲が好ましいことがわかった。ボールの落下衝撃力はボールの重量、従って比重に関係し、比重の大きいセラミックス製または金属製のボールを使用し、表面の平滑な仕上がり状態および処理物の形状に追随した仕上げを可能とするため、直径3mmφ以下の大きさのボールが平滑な薄い膜の形成に適していることがわかった。
【0012】
固体潤滑剤は、一般に油やグリースが使用不可能な又は望ましくない環境において使用される。PTFEはこれまで知られた固体潤滑剤のうち最も低い摩擦係数を有するので、結合剤を使用することなく100%PTFE潤滑膜の形成を可能とする本発明は、最も低い摩擦係数を有する固体潤滑膜の形成を可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
下記に示す表1を参照して理解されるように、ボールミルを使用したPTFE皮膜の形成は、素材表面粗さRaに関係し、Raが0.6μm以上ないと所望の機能が発揮される皮膜が形成されない。粗面仕上げは、機械的なブラスト処理および化学的なエッチング、リン酸化合物による化成処理などがある。アルミニウムの場合は、単独でプラズマ電解陽極酸化処理を行うか、または硫酸浴陽極酸化処理後、ブラスト処理を組み合わせて実施することにより、より耐磨耗性の高い皮膜を得ることができる。いずれにしても本発明の処理において平均表面粗さRaが0.6μm以上になると、PTFE粉末の付着により、摩擦係数の低減若しくは耐磨耗性の向上に対して効果的なPTFE皮膜が形成される。
【0014】
【表1】

【0015】
先に述べたとおり、PTFEの分子量は皮膜の品質に影響する。平滑な表面を有する皮膜を形成するためには、平均分子量(数平均分子量)が1×10〜1×10の範囲にあるもの、例えば2〜5万のものが好ましい。分子量が過大であると形成される皮膜の表面粗さが大きくなり易く、またPTFEの付着性も悪化するため良好なフッ素皮膜を形成し難くなる。反対に過小の場合は基材表面に付着し易く、薄膜にコントロールするのが困難になる。
【0016】
ボールの重量は、その落下衝撃力によって基材表面でPTFEへせん断力を加え、展延させるのに過不足ない重量であることが理想的であるが、ボールの材質がアルミナのようなセラミックス製の場合、ボールの直径は3mmφ以下であることが適当である。匹敵する比重を有する他のセラミックス製または金属製のボールについても同様である。このボール直径は、円筒面のような曲面に皮膜を形成する場合にも適応する。これは、フッ素粉末はボール表面に一旦付着し、各ボールに付着したフッ素が製品表面に叩き付けられるため、より均一に製品表面にフッ素が付着する効果があるからであり、このためPTFEの粒子径はそれ程重要ではなく、1〜20μmの範囲のものであればよい。
【0017】
ボールミルへのPTFEとボールの合計仕込量およびボールミルの回転数は、ボールの落下距離が最大になるように制御される。ボールの落下衝撃はPTFEが過剰に付着するのを妨げるようにも作用するので、本発明の方法によって形成されるPTFE皮膜の厚みは適切にセルフコントロールされる。下記の表2より、セルフコントロールにより膜が一定の厚みに達するまでには、上に述べた適切な条件が満たされれば通常1時間で十分である。
【0018】
【表2】

【0019】
このようにして形成された薄い皮膜は、単にPTFE粉末を擦り込んだものと異なり、通常下地基材への十分な密着性を発揮する。しかしながら高い荷重が加わる場合のように、基材への一層高い密着性が求められる場合には、皮膜をPTFEの融点(327℃)以上の温度で焼成することが有用である。高分子量のPTFEは融点に達しても流動しないが、本発明のように分子量が1×10〜1×10の範囲にある場合、分子量10万以上のPTFEと比べ流動し易い傾向を示す。また焼成は、皮膜の動摩擦係数を有意に低下させる効果がある。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、本発明は以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
【0021】
皮膜形成方法
本発明によるフッ素樹脂潤滑皮膜の形成方法として、平均分子量1×10〜1×10のポリテトラフルオロエチレン粉末(粒子径:1〜20μm)と、セラミックス製または金属製メディアと、表面に微細な凹凸を形成した製品をボールミルのポット内に収納し、ポットごと回転させることにより発生する機械的エネルギーを利用して製品表面にフッ素樹脂のコーティング皮膜を形成した。
【0022】
本発明によるフッ素処理条件
本発明によるフッ素処理条件として、ボールミルに仕込んだボールとPTFEの重量比は、ボール/PTFE=40/1〜120/1の範囲が処理可能な範囲であり、下記に述べる実施例においては全てボール/PTFE=50/1の重量比でボールミルを用いたフッ素コーティングを実施した。また、本発明の実施例2〜14においてフッ素樹脂潤滑皮膜の形成に用いたコーティング材は、全て分子量2万のPTFEを使用した。
【0023】
摩擦係数及び耐摩耗性の評価方法
・ 評価機器:新東科学製表面性測定機 トライボギア14FW
・ 相手材:5mmφ鋼球
・ 荷重:1Kg
・ 摩耗速度:2400mm/min
・ 摩耗距離:10mm 往復摩耗
・ 環境:室温ドライ雰囲気
本発明の実施例(フッ素樹脂潤滑皮膜)およびその比較例については、上記の試験条件および試験機で各サンプルの摩擦係数及び耐摩耗性について測定を行い評価した。摩擦係数については、静摩擦係数:μsと動摩擦係数:μkとを測定した。また、耐摩耗性は、摩耗時摩擦力が急激に上昇し始める摩耗回数によって判定した(したがって、摩耗回数が大きいほど耐摩耗性が良いことを示している)。
以下に、本発明の実施例(フッ素樹脂潤滑皮膜)およびその比較例のサンプル作製条件を示す。
【0024】
実施例1
実施例1では、処理原料となるフッ素樹脂(四フッ化エチレン樹脂,PTFE)粉末の分子量を変化させたものを使用し、ブラスト処理したSPCC(冷延鋼板)板をボールミルポットにて1時間処理した場合の、フッ素コーティング皮膜の表面粗さRa,摩擦係数,耐摩耗性について上述された評価方法にて評価を行った。
【0025】
表3は、フッ素樹脂粉末の変化させた分子量および各分子量における表面粗さRaなどの測定結果である。表3から、原料であるPTFE粉末の分子量が20〜30万ぐらいになると、処理後のテストピース表面粗さが粗くなる傾向が認められるとともに、ポット内においてフッ素粉末の凝集が生じやすい傾向があることがわかった。したがって、皮膜の耐摩耗性、仕上げ表面状態、連続コーティング処理性を考慮すると、PTFEの平均分子量は1×10〜1×10の範囲にあることが好ましい。
【0026】
【表3】

【0027】
比較例1
比較例1は、溶剤系潤滑塗料を使用した皮膜の形成例であって、ポリエーテルサルフォン樹脂をバインダーとしたフッ素樹脂タイプの塗料(PTFE/バインダーの重量比=64/36)をブラスト処理したSPCC板に塗装後、380℃×20分焼付けを実施して作製したものである。
【0028】
比較例2
比較例2は、溶剤系潤滑塗料を使用した皮膜の形成例であって、エポキシ樹脂をバインダーとしたフッ素樹脂タイプの塗料(PTFE/バインダーの重量比=38/62)をブラスト処理したSPCC板に塗装後、180℃×20分焼付けを実施して作製したものである。
【0029】
比較例3
比較例3は、溶剤系潤滑塗料を使用した皮膜の形成例であって、ポリアミドイミド樹脂をバインダーとしたフッ素樹脂タイプの塗料(PTFE/バインダーの重量比=1/1)をブラスト処理したSPCC板に塗装後、230℃×20分焼付けを実施して作製したものである。
【0030】
比較例4
比較例4は、ブラスト処理していないSPCC板のブランク材である。
【0031】
実施例2
実施例2は、ブラスト処理したSPCC板に分子量2万のPTFE粉末を用い、実施例1と同条件で処理した後、380℃×10分焼付けを実施して作製したものである。
【0032】
比較例5
比較例5は、ブラスト処理していないSPCC板のブランク材に実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、380℃×10分焼付けを実施して作製したものである。
【0033】
実施例3
実施例3は、ブラスト処理したSPCC板に実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0034】
比較例6
比較例6は、ブラスト処理していないSPCC板のブランク材に実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0035】
比較例7
比較例7は、ブラスト処理していないSUS430板のブランク材である。
【0036】
実施例4
実施例4は、ブラスト処理したSUS430板を実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、380℃×10分焼付けを実施して作製したものである。
【0037】
比較例8
比較例8は、ブラスト処理していない純アルミニウム板(1100)のブランク材である。
【0038】
実施例5
実施例5は、ブラスト処理した純アルミニウム板(1100)を実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、380℃×10分焼付けを実施して作製したものである。
【0039】
実施例6
実施例6は、ブラスト処理した純アルミニウム板(1100)を実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0040】
実施例7
実施例7は、30%NaOH,40℃×10分のエッチング処理を実施したアルミニウム板を実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0041】
比較例9
比較例9は、アルミニウム板(5052)にプラズマ電解陽極酸化処理(プラズマ電解陽極酸化処理,20℃×40分,膜厚25μm)を実施して作製したものである。
【0042】
実施例8
実施例8は、比較例9と同条件でプラズマ電解陽極酸化処理したアルミニウム板(5052)を、実施例2と同条件でフッ素樹脂コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0043】
実施例9
実施例9は、比較例9と同条件でプラズマ電解陽極酸化処理したアルミニウム板(5052)を、実施例2と同条件でフッ素樹脂コーティングを実施した後、380℃×10分焼付けを実施して作製したものである。
【0044】
比較例10
比較例10は、アルミニウム板(5052)に硫酸浴陽極酸化処理(15%HSO,18℃,1.5A/dm,30分,膜厚10μm)を実施して作製したものである。
【0045】
実施例10
実施例10は、比較例10と同条件で硫酸浴陽極酸化処理したアルミニウム陽極酸化皮膜面上をブラスト処理し、実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0046】
比較例11
比較例11は、アルミニウム板(5052)に硬質陽極酸化処理(20%HSO,3A/dm,5℃,30分,膜厚20μm)を実施して作製したものである。
【0047】
実施例11
実施例11は、比較例11と同条件で硬質陽極酸化処理したアルミニウム陽極酸化皮膜面上をブラスト処理し、実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0048】
比較例12
比較例12は、SPCC板に燐酸マンガン処理を施して作製したものである。
【0049】
実施例12
実施例12は、比較例12と同条件で燐酸マンガン処理したSPCC板を、実施例2と同条件でフッ素コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0050】
比較例13
比較例13は、SPCC板に燐酸亜鉛処理を実施して作製したものである。
【0051】
実施例13
実施例13は、比較例13と同条件で燐酸亜鉛処理したSPCC板を、実施例2と同条件でフッ素樹脂コーティングを実施した後、焼付けを実施せずに作製したものである。
【0052】
実施例14
実施例14は、ブラスト処理することにより表面粗さRaが1.85μmとなったポリフェニレンサルファイド(PPS)成形体にフッ素樹脂コーティングを実施して作製したものである。
【0053】
比較例14
比較例14は、無処理のPPS成形体である。
【0054】
上述された実施例2〜14および比較例1〜14のサンプルについて、被表面処理素材の表面処理条件などを変化させた場合の摩擦係数および耐磨耗性等についての測定結果を表4に示す。
【0055】
【表4】






【0056】
表1に示されるPTFE皮膜の付着量確保の観点からの他、表4に示されるPTFE皮膜の摩擦係数の低減および耐摩耗性向上の観点からも、ボールミルを使用したPTFE皮膜の形成は少なくとも表面粗さRaが0.6μm以上の素材に適用されることが好ましいことが確認された。
【0057】
また、本発明によるPTFE皮膜の形成に適した粗面仕上げは、実施例2〜4で示されるような機械的なブラスト処理の他、実施例12,13で示されるような化学的なエッチングおよびリン酸化合物による化成処理などを使用することも有効である。また、被処理材がアルミニウムの場合は、単独でプラズマ電解陽極酸化処理を行うか、または硫酸浴陽極酸化処理後、ブラスト処理を組み合わせて実施することにより、より耐磨耗性の高い皮膜を得ることができる。(実施例5〜11及び比較例8〜11参照)。さらに、素材がポリフェニレンサルファイド(PPS)のような素材であっても、本発明によるフッ素樹脂固体潤滑皮膜の形成方法を有効に適用できることがわかった。
【0058】
また、ボールミル処理により形成したフッ素樹脂固体潤滑皮膜の焼付け・焼成は、皮膜の動摩擦係数を有意に低下させる効果があることがわかった。このため、被処理材への皮膜のより高い密着性および高い耐磨耗性を望む場合は、形成されたフッ素樹脂固体潤滑皮膜をPTFEの融点(327℃)以上の温度で焼成することが効果的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に摺動運動する二面間の少なくとも一方に耐摩耗性のフッ素樹脂固体潤滑皮膜を形成する方法であって、膜を形成すべき表面が粗面仕上げされた金属基材を、ポリテトラフルオロエチレン粉末と粉砕媒体ボールと共にボールミルに装填してボールミルを回転し、落下するボールの衝撃力により金属表面に密着したボリテトラフルオロエチレンの膜が形成されるまで回転を継続することを特徴とする方法。
【請求項2】
形成されたポリテトラフルオロエチレンの皮膜をその融点以上の温度において焼成する工程をさらに含む請求項1の方法。
【請求項3】
基材の平均表面粗さRaが0.6μm以上の表面粗さを有し、その仕上げ方法としては、機械的なブラスト処理、エッチング処理、リン酸塩化成処理、またはアルミニウムの電解陽極酸化処理によって実施される請求項1または2の方法。
【請求項4】
ポリテトラフルオロエチレンの平均分子量が、1×10ないし1×10の範囲にある請求項1ないし3のいずれかの方法。
【請求項5】
粉砕媒体であるボールがセラミックス製または金属製であり、その直径が3mmφ以下である請求項1ないし4のいずれかの方法。

【公開番号】特開2009−155699(P2009−155699A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336600(P2007−336600)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000103677)オキツモ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】