説明

基板収納ケースの封印部材及び基板収納ケース

【課題】 基板収納ケースの周囲に取り付けておいても基板収納ケースから脱落して紛失することなく、しかも修理出し時に容易に封印できる状態として取り付けておくことのできる修理出し用の封印部を備えた基板収納ケースの封印部材及び基板収納ケースを提供する。
【解決手段】 上ケース体と下ケース体との間に遊技動作を制御する制御基板を収納する基板収納ケースの封印部材を、上記基板収納ケースに係止される保持用フック部を有する保持部、該保持部から延出する紐部、及び、該紐部の先端部に接続され、上記基板収納ケースの分離を防ぐ封印部から構成することで、上記封印部を上記保持部及び紐部により脱落しないように基板収納ケースに保持するようにするとともに、上記封印部に2つの係止部を段違いに設けることにより、基板収納ケースの係止穴への押込み量により、仮止めと封印(本止め)とを使い分けることができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技の動作を制御する制御基板を収納する基板収納ケースの封印部材及び基板収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシン、パチンコ機などの遊技機の遊技動作の制御は、プリント配線基板上にCPU、RAM、ROM、コネクタ等の電子部品が搭載された主制御基板に担われている。この主制御基板は、その電子部品が不正に交換されたり、他の電子部品が付加されるなどの不正改造を防止するために、基板収納ケース内に収納され、基板収納ケースが開封されないよう封止ピン(封印部材)により封止(封印)される。そして、封止された基板収納ケースは、基板ホルダーに装着されて遊技機の筐体内に取付けられる。このように制御基板は、製造工場内で封止されて遊技機に取付けられて遊技機を設置する遊技ホールへと出荷されることになる。この封止された基板収納ケースを開封しようとすると、封止ピンを破壊しなければならないようにされている。
【0003】
ところが、遊技機が遊技ホールに設置された後、その主制御基板に不具合があることが判明すると、遊技ホールでは基板収納ケースを筐体から取外し、開封して基板収納ケース内に異常がないかを確認し、その後メーカーへ修理に出すようにしているが、その際、履歴を明確にし、修理に出している間の不正を防止するために、スペアーとして備え付けられている修理出し用の封止ピンを基板収納ケースの所定箇所に取り付けて再度基板収納ケースを封印した上でメーカーへ出すようにしている。近年、この修理出し用の封止ピンを、基板収納ケースの周囲に取付けておくことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−167177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように修理出し用の封止ピンを基板収納ケースの周囲に取り付けておくと、封止ピンが衝撃などにより転落してしまうと基板収納ケースから離脱してしまい、紛失するおそれがある。
【0006】
本発明は、基板収納ケースの周囲に取り付けておいても基板収納ケースから脱落して紛失することなく、しかも修理出し時に容易に封印できる状態として取り付けておくことのできる修理出し用の封印部を備えた基板収納ケースの封印部材及び基板収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は以下の(1)〜(3)の基板収納ケースの封印部材及び基板収納ケースに係る。
【0008】
(1)上ケース体と下ケース体との間に遊技動作を制御する制御基板を収納する基板収納ケースの封印部材であって、
上記基板収納ケースに係止される保持用フック部を有する保持部、該保持部から延出する紐部、及び、該紐部の先端部に接続され、上記基板収納ケースの分離を防ぐ封印部を備え、
上記封印部は、上記紐部と接続されるベース部、該ベース部の両端部から下方へ延出する一対の第1腕部及び該第1腕部の先端部に形成された第1フック部を有する第1係止部、上記一対の第1腕部の内側の上記ベース部から上記第1腕部よりも下方へ延出する一対の第2腕部及び該第2腕部の先端部に形成された第2フック部を有する第2係止部を備えることを特徴とする基板収納ケースの封印部材。
【0009】
上記(1)の基板収納ケースの封印部材によれば、保持部は、その保持用フック部により、基板収納ケースの上ケース体又は下ケース体の周縁に形成された係止部と係止させることができ、これにより、この保持部と紐部で接続された封印部は基板収納ケースから脱落しないように保持される。
【0010】
また、封印部には、ベース部から突出して形成された第1フック部を有する第1係止部及びそれよりもさらに突出して形成された第2フック部を有する第2係止部が備えられており、基板収納ケースの上ケース体又は下ケース体の周縁に形成された係止部(係止穴)に手前側に上ケース体又は下ケース体の一方に係止でき、且つ基板収納ケースを開放可能とできる第1係止部の第1フック部の係止部(係止溝)を設けておき、奥側に上ケース体と下ケース体とが分離(開放)しないように封印できる第2係止部の第2フック部の係止部を設けておくことにより、封印部を基板収納ケースの上ケース体又は下ケース体の周縁に形成された係止部に所定の位置まで押込むことで、第1係止部により上ケース体又は下ケース体に係止できる一方、第2係止部はフリーな状態とし得、結果基板収納ケースを開放可能な状態で封印部を上ケース体又は下ケース体に仮止めした状態に保持することができる。これとともに、封印部を基板収納ケースの上ケース体又は下ケース体の周縁に形成された係止部に上記所定の位置よりもさらに奥へ押込むことにより、第2係止部により上ケース体と下ケース体とが分離しないように封印することができる。よって、例えば、上記のようにして用いることにより、上記(1)の基板収納ケースの封印部材は、基板収納ケースから離間して紛失することを防止した予備用、例えば修理出し用の封印部材となり得る。
【0011】
(2)上ケース体と下ケース体との間に遊技動作を制御する制御基板を収納する基板収納ケースの封印部材であって、
上記基板収納ケースに係止される保持用フック部を有する保持部、該保持部から延出する一対の紐部、及び、該一対の紐部のそれぞれの先端部に接続され、上記基板収納ケースの分離を防ぐ一対の封印部を備え、
上記封印部は、上記紐部と接続されるベース部、該ベース部の両端部から下方へ延出する一対の第1腕部及び該第1腕部の先端部に形成された第1フック部を有する第1係止部、並びに上記一対の第1腕部の内側の上記ベース部から上記第1腕部よりも下方へ延出する一対の第2腕部及び該第2腕部の先端部に形成された第2フック部を有する第2係止部を備えることを特徴とする基板収納ケースの封印部材。
【0012】
上記(2)の基板収納ケースの封印部材によれば、保持部と紐部で接続された一対の封印部を備えており、一方の封印部を遊技機の出荷時に基板収納ケースを封印する出荷時用封印部材として用い、他方の封印部を修理出し用の封印部材として用いることができ、上記(1)の封印部材と同様に、修理出し用の他方の封印部を、基板収納ケースの上ケース体又は下ケース体の周縁に基板収納ケースを開放可能な状態で仮止め保持できるとともに、保持部によっても保持でき、さらに出荷時用の一方の封印部と一対の紐部及び保持部を介して接続されていることからこの一方の封印部によっても基板収納ケースに保持することができる。よって、修理出し用の封印部が基板収納ケースから離間して紛失することを防止できる。
【0013】
また、封印部のベース部は、その下側(裏側)に第2係止部を形成されているので、封印状態で第2係止部を覆うようになり、外側からの操作を防止でき、不正に第2係止部の第2フック部の係止状態を解除することを防止する封印キャップとしての機能を持たせることができる。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)に記載の基板収納ケースの封印部材を基板収納ケースの周囲に取り付けてなることを特徴とする基板収納ケース。
【0015】
上述したように、上記(1)又は(2)に記載の基板収納ケースの封印部材は、基板収納ケースの周縁に脱落しないように保持しておくことができ、しかも、さらに押込めば基板収納ケースの上ケース体と下ケース体とが分離しないように封印が可能な状態で封印部を保持できるので、例えば、基板収納ケースをメーカーへ修理出しするときの修理出し用封印部材が紛失することを防止でき、しかも修理出しの際の基板収納ケースの封印を押し込めばよいだけという極めて操作容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、予備用の封印部材を、脱落して紛失することを防止して基板収納ケースの周囲に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】スロットマシンの外観構成を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構成を示す斜視図であって、前扉を開けた状態を示す。
【図3】主基板ユニットを示す斜視図である。
【図4】主基板ケースの(A)開いた状態、(B)閉じた状態及び(C)封印された状態を示す斜視図である。
【図5】主基板ケースの展開斜視図である。
【図6】封印部材の(A)斜視図、(B)(a)正面図、(b)背面図、(c)右側面図、(d)平面図及び(e)底面図である。
【図7】(A)主基板ケースの封印部位の要部拡大図、並びに(A)内の円Aの要部断面図であって、(B)封印前及び(C)封印後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下では、スロットマシンに搭載された基板収納ケースに適用した場合について説明するが、本発明は、パチンコ機に搭載される基板収納ケースに対しても好ましく適用することができる。
【0019】
[外観構成]
図1に示すように、スロットマシン1は、前面が開放している箱形の筐体2と、この筐体2に対して開閉自在に取り付けられているドア(前扉)3とを備えている。
【0020】
ドア3の正面の上部には、遊技に関する種々の演出、情報などを表示する液晶表示器4が取り付けられ、中央部にはリールフロントパネル5が装着されている。液晶表示装置4の上には、当該液晶表示装置4に表示された演出画像等に対応した演出音、遊技状態に応じた効果音等を出力するための一対の上部スピーカー19A,19Bが取り付けられ、リールフロントパネル5の中央部には5本の有効ライン20A〜20Eが描かれた表示窓が形成されている。リールフロントパネル5の下部であって表示窓の下には、入賞が発生した場合に遊技者に対して払い出されるメダル数を表示する遊技メダル払出枚数表示器21及び遊技者が所有する有価価値としてスロットマシン1にクレジットされているメダル数を表示する遊技メダル貯留枚数表示器22などの各種表示器、表示ランプが配設されている。
【0021】
ドア3の下部には、機種名及びイメージデザイン等が印刷されたタイトルパネル6が装着され、その下方の左寄りには灰皿7が設けられ、中央部から右手にかけてメダル受け皿8が設けられている。また、メダル受け皿8の中央部に臨むように遊技メダル払出口9が設けられ、その両側に一対の下部スピーカー18A,18Bが設けられている。
【0022】
リールフロントパネル5とタイトルパネル6との間には、操作部が設けられている。この操作部の上段部の右寄りには遊技メダル投入口10が設けられ、左寄りには遊技メダル精算ボタン12、ベットボタン(貯留遊技メダル1枚毎投入ボタン13及び貯留遊技メダル3枚毎投入ボタン14)が設けられ、中寄りには液晶表示装置4の各種表示内容を切替えるための2つの液晶対応ボタンK1,K2が設けられている。
【0023】
操作部の正面部左寄りにはリールの回転を開始させるための始動レバー15が、中央にはリールの回転を停止させるための3つの停止ボタン16L,16C,16Rが、また右寄りには遊技メダル投入口10に投入した遊技メダルが詰まったときに該遊技メダルを遊技メダル払出口9から返却させるための返却ボタン17が配置されている。なお、ドア3の中央右端部には鍵11が設けられている。
【0024】
[内部構成]
図2に示すように、筐体2内の中央部には3つのリール30L,30C,30Rが配置され、その上にリール制御中継基板31が設けられ、各リール30L,30C,30Rの駆動源であるステッピングモーターなどが配置されている。
【0025】
筐体2内の奥壁上部には、スロットマシン1の基本動作やリール制御などを司るプログラムが収められたCPU、RAM,ROM、コネクタなどが搭載された主制御基板(主基板)が収められた主基板ケース100を備えた主基板ユニットが取り付けられており、筐体2内の底部には、電源装置33、遊技メダル払出装置(ホッパー)34などが配置されている。
【0026】
ドア3の操作部の背面側には操作系制御中継基板32が取り付けられ、液晶表示装置4の背面側には当該液晶表示装置4に表示する画像の表示、上下部スピーカー18A,18B,19A,19Bの音出力などを制御するための副制御基板が収められた副基板ケース200が取り付けられている。
【0027】
[主基板ケースの構造]
図3に示すように、主基板ケース100は、主制御基板を収納する合成樹脂製の上ケース101及び下ケース102、上ケース101の側縁部に露出する主基板コネクタを覆うL字状の主基板コネクタガード(カバー)103、並びにこれら上下ケース101,102を保持し筐体2内の背面板に取り付けるための主基板ボルダー104を備える。
【0028】
上ケース101と下ケース102とは、主制御基板を収納し閉鎖した後、側端部において封印部材300によって上ケース101と下ケース102とが分離できないように結合(封印)されている。その結果、封印部材300を破壊しない限り主基板ケースを開放できなようにされる。また、上ケール101と下ケース102とが対向する部位(分離ライン)にICタグ封印シール400を貼着することで、上下ケース101,102を開放したときにその痕跡が残るようにされている。
【0029】
さらに、閉鎖された上下ケース101,102は、封印部材300を取着した部位の近傍(図中の封印部材300の直下)において、フックホルダー及び封止フックピンとを組付けることで主基板ホルダー104と分離できないように結合される。主基板コネクタガード103は、上ケース101に対してネジ止めされ、ネジを解くための回転操作ができないようにネジの頭部はシールドキャップ500で覆って封止される。
【0030】
図4(A)に示すように、上ケース101と下ケース102とは、略長方形の箱状とされ、一短辺側においてヒンジ700により結合され、このヒンジを基点に開閉自在とされている。上ケース101の両長側辺の中央部にはロック用の係止穴701,701が形成され、上ケース101と下ケース102とを閉じたときに係止穴701,701と対向するように、下ケース102の両長側辺の中央部にはロック用の係止爪702,702が形成されている。
【0031】
主制御基板1000は、四隅に固定用ネジを通すネジ穴が形成された略矩形状を有し、一方の対角をなす2つの角部を主基板固定ネジ703,703によって上ケース101内に固定される。この主制御基板1000が上ケース101内に固定された状態で、上ケース101の上から下ケース102を被せるようにして、上ケース101の係止穴701,701に下ケース102の係止爪702,702を係止して、上下ケース101,102が閉鎖される。
【0032】
図4(B)に示すように、上下ケース101,102が閉鎖されると、主制御基板1000の他方の対角をなす2つの角部のネジ穴を貫通するように下ケース102の外側から主基板ケース封印ネジ704,704によって、上ケース101、主制御基板1000及び下ケース102を結合する。
【0033】
図4(C)に示すように、上下ケース101,102の他短辺側の中央縁部には係止部が設けられ、この係止部に上下ケース101,102が閉鎖された状態で側面側から封印部材300を挿嵌して、上下ケース101,102が分離開放しないように封印される。
【0034】
次に、主基板ケース100の他短辺側の中央縁部に設けられた係止部についてより詳細に説明する。図5に示すように、上ケース101の短辺側の側面には2つの封印係止穴111,111が設けられており、その間にこれよりも小さい、封印部材300を主基板ケース100に保持するための保持係止穴112が設けられている。封印係止穴111,111のそれぞれの奥には、後述する封印部材300の第2係止部の第2フック部の先端部が挿通する開口を有する仕切り壁が設けられている。
【0035】
上ケース101の側面の封印係止穴111,111に対向する下ケース102の側面には、封印係止穴111,111内の両側壁にならって封印係止穴111,111内へと組み合わされる一対の側壁121,121が立設されており、さらに封印係止穴111,111内の奥側に位置するように仕切り壁122及び奥壁123が立設されている。
【0036】
側壁121,121のそれぞれには、後述する封印部材300の第1係止部の第1フック部が係止させられる2つの係止溝が所定間隔隔てて設けられている。これら係止溝は、仕切り壁122よりも手前側に、上側が開口されて形成され、上ケース101から下ケース102を開放した際に、封印部材300の第1係止部の第1フック部が上側の開口から抜け出るようにされている。仕切り壁122には、封印部材300の第2係止部の第2フック部が封印係止穴111,111から抜け出ないように係止させられる開口が設けられ、奥壁123には封印部材300の第2係止部の第2フック部の先端部を収容できる窪みが形成されている。
【0037】
[封印部材の構造]
次に、封印部材300の構造についてより詳細に説明する。図6に示すように、封印部材300は、合成樹脂製とされ、主基板ケース100の上ケース101に係止される保持用フック部301を有する保持部302、この保持部302から延出する一対の紐部303,303、及び、一対の紐部303,303のそれぞれの先端部に接続され、主基板ケース100(上ケース101と下ケース102)の分離を防ぐ一対の封印部304,304を備えている。
【0038】
保持部302は、板状の基部302aと保持用フック部301とを有し、保持用フック部301は、基部302aの下面中央部から延出する軸部301aとその先端で左右に突出する爪(鉤)301bとを有する。
【0039】
封印部304は、保持部302の基部302aの上面の端部から延出する紐部303と接続されるベース部305、ベース部305の両端部から下方へ延出する板状の一対の第1腕部306,306及び第1腕部306,306の先端中央部に形成され外側に突出する爪状(鉤状)の第1フック部307,307を有する第1係止部308,308を有する。また、ベース部305の下面の中央部であって一対の第1腕部306,306の内側から第1腕部306,306よりも長く下方へ延出する一対の第2腕部309,309及び第2腕部309,309の先端部に形成され外側に突出する爪状(鉤状)の第2フック部310,310を有する第2係止部311,311を有する。一対の第2腕部309,309(第2フック部310,310)は、所定間隔離間して設けられている。
【0040】
[封印状態]
以下、封印部材300により主基板ケースを封印する前及び封印した後の封印部位の状態について説明する。図7(A)に封印部材300を封印係止穴111及び保持係止穴112に挿嵌して上ケース101と下ケース102とを封印するときの封印部位を示す。図7(B)に封印前の状態、つまり封印部材300が主基板ケース100に仮止めされた状態を示す。封印部材300は、封印前は、保持部302の保持用フック部301が上ケース101の保持係止穴112に押し込まれることにより、保持係止穴112の内壁に保持用フック部301の爪301bが係止され、上ケース101の側壁に取着される。他方、封印部材300の一対の封印部304は、それぞれ封印係止穴111,111に浅く押し込まれて、下ケース102の側壁121,121の手前側の係止溝に第1係止部308の一対の第1フック部307,307が係止されている。このとき、第2係止部311の第2フック部310は、仕切り壁122の手前側の封印係止穴111内に、いずれとも係止することなくフリーな状態とされている。この封印部材300を主基板ケース100に仮止めした状態では、上ケース101から下ケース102を開くと、第1係止部308の第1フック部307は下ケース102の側壁122の手前側の係止溝の開放された上部から抜け出すことができるようになっており、上ケース101と下ケース102との開閉が可能である。
【0041】
この仮止め状態で、仮に封印部材300の封印部304が封印係止穴111から万が一にも抜け落ちたとしても紐部303により接続された保持部302が上ケース101に係止されていることにより、封印部材300の封印部304が主基板ケース100から脱落することを防止できる。また、仮に封印部材300の保持部302が保持係止穴112から万が一にも抜け落ちたとしても、封印部304自体が下ケース101の側壁121の手前側の係止溝に係止されていることにより、封印部材300の封印部304が主基板ケース100から脱落することを防止できる。
【0042】
図7(C)に封印後の状態、つまり封印部材300が主基板ケース100の上ケース101と下ケース102とを分離しないように封印した状態を示す。封印部材300の一方の封印部304(図中、「A」と描かれた側の封印部)は、上記仮止めされた状態から、さらに封印係止穴111に押し込まれて、下ケース102の側壁121の奥側の係止溝に第1係止部308の一対の第1フック部307,307が係止されるとともに、第2係止部311の第2フック部310は、仕切り壁122の開口を通過し、封印係止穴111から抜け出ないように仕切り壁122の内壁に係止され、その結果、上ケース101と下ケース102とが分離しないように封印される。また、この状態で第2フック部310の先端部は、下ケース102の奥壁123の窪み部に収まっている。
【0043】
他方、封印部材300の他方の封印部304(図中、「F」と描かれた側の封印部)は、仮止めされた状態のままとされ、修理出し用(スペアー用)の封印部材として利用できる。つまり、仮に封印部材300の他方の封印部304が封印係止穴111から万が一にも抜け落ちたとしても紐部303により接続された保持部302が上ケース101に係止されていることにより、封印部材300の封印部304が主基板ケース100から脱落することを防止できる。また、仮に封印部材300の保持部302が保持係止穴112から万が一にも抜け落ちたとしても、封印部304自体が下ケース101の側壁121の手前側の係止溝に係止されていることにより、また、一方の封印部304が封印状態で主基板ケース100に係止されているので、封印部材300の他方の封印部304が主基板ケース100から脱落することをより一層防止することができる。
【0044】
以上、保持部から延出する一対の紐部303,303、及び該一対の紐部303,303のそれぞれの先端部に接続された一対の封印部304,304を備えた本発明の実施の形態について説明したが、本発明の封印部材はこれに限らず、保持部から延出する1本の紐部、及び該紐部の先端部に接続された1つの封印部を有する構造の封印部材としても、予備用(修理出し用)の封印部材として良好に使用することができる。
【符号の説明】
【0045】
100 主基板ケース
101 上ケース
102 下ケース
300 封印部材
302 保持部
303 紐部
304 封印部
308 第1係止部
311 第2係止部
1000 主制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ケース体と下ケース体との間に遊技動作を制御する制御基板を収納する基板収納ケースの封印部材であって、
上記基板収納ケースに係止される保持用フック部を有する保持部、該保持部から延出する紐部、及び、該紐部の先端部に接続され、上記基板収納ケースの分離を防ぐ封印部を備え、
上記封印部は、上記紐部と接続されるベース部、該ベース部の両端部から下方へ延出する一対の第1腕部及び該第1腕部の先端部に形成された第1フック部を有する第1係止部、上記一対の第1腕部の内側の上記ベース部から上記第1腕部よりも下方へ延出する一対の第2腕部及び該第2腕部の先端部に形成された第2フック部を有する第2係止部を備えることを特徴とする基板収納ケースの封印部材。
【請求項2】
上ケース体と下ケース体との間に遊技動作を制御する制御基板を収納する基板収納ケースの封印部材であって、
上記基板収納ケースに係止される保持用フック部を有する保持部、該保持部から延出する一対の紐部、及び、該一対の紐部のそれぞれの先端部に接続され、上記基板収納ケースの分離を防ぐ一対の封印部を備え、
上記封印部は、上記紐部と接続されるベース部、該ベース部の両端部から下方へ延出する一対の第1腕部及び該第1腕部の先端部に形成された第1フック部を有する第1係止部、並びに上記一対の第1腕部の内側の上記ベース部から上記第1腕部よりも下方へ延出する一対の第2腕部及び該第2腕部の先端部に形成された第2フック部を有する第2係止部を備えることを特徴とする基板収納ケースの封印部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板収納ケースの封印部材を基板収納ケースの周囲に取り付けてなることを特徴とする基板収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−167321(P2011−167321A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33102(P2010−33102)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(301073598)株式会社SNKプレイモア (116)
【Fターム(参考)】