説明

基板取付装置

【課題】 基板を取り付ける場合に引っかけ作業で取付ることができる。
【解決手段】 基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、基板の一端部に引っかけて保持する突出した引っかけ部と、引っかけ部を支持する支持リブと、基板の凹部に係合し横ズレを防止すると共に支持リブと引っかけ部間を連結する突起と、引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブを具備し、基板を弾性リブと引っかけ部間に装着し、しかも引っかけ部とこれを支持するリブ間に突起を設け、この突起と基板の端部に設けた切り欠きとが係合するようにしたので、基板の横ズレを阻止し簡単に基板を引っかけ部へ装着し保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ機器等の筐体に基板を取り付ける基板取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の基板取付装置を示す斜視図である。図5は、その上面図で、図6は、BB’断面図である。従来の基板取付装置は、合成樹脂のシャーシ1’の底部から立ち上がるリブの先端部に横に突出した引っかけ部4’が設けられる。シャーシ1’に設けられた孔1’aは引っかけ部4’をシャーシと一体成形にて形成される金型を避けた孔である。
【0003】電子部品等が装着され半田付けされて配線された基板2’は、取付時、引っかけ部4’に斜め上から基板2’の端部が引っかけられる。基板2’には、位置出し用の孔2’aが予め設けられ、基板2’はガイド突起3’aとネジ孔3’bを有するリブ3’の上に載置されてガイド突起3’aに位置出し用孔2’aを挿入し、基板2’の孔2’bを介しネジ孔3’bへネジ7にてネジ止めし固着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラスチックシャーシの構造では、引っかけリブに取付た基板をガイドボス、ネジ止め孔等に位置決めしネジにてネジ止めし固着していた。この場合ネジ止め用のスペースが必要であり、回路基板の設計にも制限を受け、ネジ止め作業による基板や電子部品にドライバ操作ミス等による荷重が加わり不良を生じる原因ともなっていた。本発明は、引っかけによる基板取付により、充分固着される構造の取付装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、前記基板のズレ防止突起を有する引っかけ部と、前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブを具備する基板取付装置である。
【0006】また、本発明は、基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、前記基板のズレ防止突起を有する引っかけ部と、前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブと、前記引っかけリブと弾性リブを支持する支持部を具備する基板取付装置である。
【0007】また、本発明は、基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、前記基板の一端部に引っかけて保持する突出した引っかけ部と、前記引っかけ部を支持する支持リブと、前記基板の凹部に係合し横ズレを防止すると共に前記支持リブと前記引っかけ部間を連結する突起と前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブを、具備する基板取付装置である。
【0008】また、本発明は、基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、先端部に基板を案内する傾斜面を有し前記基板をその一端部に引っかけて保持する引っかけ部と、前記引っかけ部を支持し弾性を有する支持リブと、前記基板の凹部に係合し横ズレを防止すると共に前記支持リブと前記引っかけ部間を連結する突起と前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブを、具備する基板取付装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の基板取付装置のー実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の基板取付装置の一実施例の組み付けを示す斜視図である。図2は、その上面図で、図3はAA’断面図である。
【0010】合成樹脂で一体成形されるシャーシ1には、シャーシ1の底からリブ3が立ち上がり上面部に傾斜を有する引っかけ部4が基板2へ向き傾斜方向へ横に突出して設けられる。リブ3に設けられた引っかけ部4の近傍には、引っかけ部4に引っかけられた基板2を下から押上げる向きに斜め上方に傾斜した弾性リブ6が設けられる。
【0011】横に延びた引っかけ部4の下方に突起5を有し、この突起5は、直立したリブ3の面と横に延びた引っかけ部4とを連結し引っかけ部4の引っかけ角度を維持するための補強効果を有する。
【0012】基板2は、基板自体の弾性と、リブ3の弾性を利用して引っかけ部4の上面部の傾斜に沿って図示せずも、向き合う位置に設けられた引っかけ部4の間に押し込まれ弾性リブ6を押さえると共に、リブ3を弾性に抗し引っかけ部4が突出した分押し広げて、引っかけ部4へ引っかけられ装着される。このとき基板2の端部に設けられた切り欠き部2aが引っかけ部4とリブ3間に設けられた突起5に係合し基板2の横方向へのズレを阻止する。
【0013】合成樹脂のシャーシ1の孔1aはリブ3に突出して設けられる引っかけ部4、突起5及び弾性リブ6の下方への成形時に型を抜くために設けた孔である。リブ3は図示せずも基板2を保持するために基板2の対向する辺の周囲に少なくとも一対設けられ、基板2を保持し装着状態を維持する。
【0014】引っかけ部4と一体成形されたズレ防止用の突起5を設け、リブ3と引っかけ部4間を連結するようにしたので、引っかけ部4は時間が経過しても変形する心配が無く、基板2を引っかけ保持する力の脆弱化を防止する。また、下から基板を合成樹脂による弾性で押す弾性リブ6は、スペースとして長く弾性リブ長を有するように成すことができるので弾力を維持して、長期間に亘り基板2を保持することができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、基板を弾性リブと引っかけ部間に装着し、しかも引っかけ部とこれを支持するリブ間に突起を設け、この突起と基板の端部に設けた切り欠きとが係合するようにしたので、基板の横ズレを阻止し簡単に基板を引っかけ部へ装着し保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板取付装置の一実施例の組み付けを示す斜視図。
【図2】本発明の基板取付装置の一実施例を示す上面図。
【図3】本発明の基板取付装置のAA’断面図。
【図4】従来の基板取付装置の斜視図。
【図5】従来の基板取付装置の上面図。
【図6】従来の基板取付装置のBB’断面図。
【符号の説明】
1 シャーシ
1a 孔
2 基板
2a 切り欠き
3 リブ
4 引っかけ部
5 突起
6 弾性リブ
7 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、前記基板のズレ防止突起を有する引っかけ部と、前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブを具備することを特徴とする基板取付装置。
【請求項2】 基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、前記基板のズレ防止突起を有する引っかけ部と、前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブと、前記引っかけ部と弾性リブを支持する支持部を具備することを特徴とする基板取付装置。
【請求項3】 基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、前記基板の一端部に引っかけて保持する突出した引っかけ部と、前記引っかけ部を支持する支持リブと、前記基板の凹部に係合し横ズレを防止すると共に前記支持リブと前記引っかけ部間を連結する突起と前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブを、具備することを特徴とする基板取付装置。
【請求項4】 基板等をオーディオ機器等に取り付ける合成樹脂の基板取付装置において、先端部に基板を案内する傾斜面を有し前記基板をその一端部に引っかけて保持する引っかけ部と、前記引っかけ部を支持し弾性を有する支持リブと、前記基板の凹部に係合し横ズレを防止すると共に前記支持リブと前記引っかけ部間を連結する突起と前記引っかけ部に引っかけられた基板を押圧支持する弾性リブを、具備することを特徴とする基板取付装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図4】
image rotate


【公開番号】特開平11−307961
【公開日】平成11年(1999)11月5日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−128314
【出願日】平成10年(1998)4月22日
【出願人】(000004167)日本コロムビア株式会社 (5)