説明

塗布具の塗布先部

【目的】 塗布先部のボールとホルダーに結合状態をつくり塗布具組立の際のボール装填もれを防止すると共に、ホルダーの先端縁を滑らかな丸め面に形成して、被塗布物に疵を付けることなく塗布液を平滑に塗布し、乾燥が速くしわが発生しない塗布面を得る。
【構成】 ボール2を塗布媒体とし、ボールを抱持したボールホルダーの先端かしめ部内壁面1eにスプリング等の押圧部材6を配してボールを常に押圧して成る塗布具の塗布先部にあって、ボールホルダーの先端縁1aから後端に向けボールが先端縁から充分埋没する深さのボール径より充分径大の先端孔1bと、塗布液流通孔3に貫通するボール径より小径の連通孔1cを穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部1dに丸め加工を施した塗布具の塗布先部。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】字消し用修正液,塗料,マニキュア等化粧液,液状糊等の塗布液を容器に収蔵して成る塗布具の、塗布媒体にボールを用いた塗布先部に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールを塗布媒体とし、ボールの一部を外方に露出させ且つ充分な抱持力をもたせて先端縁を内向きにかしめ加工し更に、先端縁のかしめ部内壁面をボールと同形の球面に形成した金属製ボールホルダー内に、ボールをホルダーの先端縁に向け押圧するスプリング等の押圧部材を配して成る塗布具の塗布先部には、例えば実開平5−76569号のボール座を有するボールホルダー内でスプリングを配して直接ボールを押圧するものや、同じくボール座を有するボールホルダー内で可動子を介してスプリングの押圧力をボールに伝達するように構成した実開平5−76568号のように、塗布圧が加わるとボールがボール座に接触し回転するので、基本的にはボールホルダーの先端縁が被塗布物と接触しないタイプと、実開平5−80791号のように、先端部を絞り加工した管体内にボールと接する付勢杆を介してスプリングの押圧力をボールに伝達するように構成して、これに塗布圧が加わると、ボールは押圧部材との接触面で回転しながら沈み、管体の先端縁が被塗布物に接触するタイプとがある。更に、特開平6−15218号には先端縁のかしめ部内壁をハンマーリングして内壁面をボールと同形の球面に形成し、塗布先部の弁機能を向上させる加工手段が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術にあって、先記のボールがホルダーのボールハウス内に設けたボール座に接触して回転するタイプは、ボールとボールハウス内のクリアランスがボールに加わる塗布圧の如何にかかわることなく一定であるから、塗布液の流出量は可撓性のある材質から成る容器であるものは、ボールに塗布圧を加えると共に、容器を押圧する力の加減でコントロールされ、容器内が加圧状態のものであれば、ボールに塗布圧を加えることで定量の塗布液が吐出するしくみが得られる利点がある。しかしながら反面、例えばボールペンで紙に字を書くのとは異なりボールと被塗布物の接触だけでは塗布液の吐出量が不充分だから、容器に加える押圧力は強目となり容器内が加圧状態のものは最初から吐出量を多目にしてある。従って、被塗布物に塗布された状態は塗布液が盛り上がり乾燥に手間取るばかりでなく表面にしわが発生する。更に、ボール露出面で乾燥した塗布液皮膜や特に修正液に用いられる白色顔料がボール座周辺で詰まり現象を起こし、塗布液の吐出にスムーズ性が失われる欠点も持ち合わせていた。
【0004】又、塗布圧を加えるとボールが沈みホルダーの先端縁が被塗布物に接触するタイプは、ボールが被塗布物と押圧部材の接触面との間で回転するので、ボールに加える塗布圧を一定に保ちながら且つ容器に加える液吐出のための押圧力を適宜にコントロールすることにより、塗布液を略平らな状態で塗布できるように考案されたものである。しかしながら、略平らな状態で塗布するには、常に先端縁を被塗布物に接触させる必要があり、先端縁の具合によっては被塗布物に疵を付けたり又、塗布具の組立に際しホルダーにボールが結合されていない状態で組み立てるため、しばしば小物体であるボールがホルダー内に装填されていないことが起こり、作業中に製品同士が塗布液で汚れる等の欠点があった。
【0005】そこで、本発明の発明者は、先記の両タイプの利点,欠点を対比してみて、組立時にあっては前者のボール座があるタイプの、ホルダーとボールに結合状態が得られ、使用時にあっては後者のボールが沈みホルダーの先端縁が被塗布物に接触するタイプの、塗布液吐出のスムーズ性が良好で且つ、被塗布物に塗布した塗布液は速く乾燥してしかもしわの発生もなく平滑状態に塗布できる、それぞれの長所を活かす塗布先部の改良に思い至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる状態に鑑みてなされたものであって、ボールホルダーに金属線材を用い、後端より先端に向け塗布液流通孔を穿設し、他方先端部外径を先端縁が所要肉厚となるようテーパー状に削肉し且つ、先端から後端に向けボールが先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔と、塗布液流通孔に貫通するボールより小径の連通孔を穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部に丸め加工を施すか、或いは金属パイプを用い、その内径すなわち塗布液流通路をボール径より小径に形成し且つ、先端より後端に向けボールがその先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔を穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部に丸め加工を施すことをもって課題解決のための手段としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、字消し用修正液,塗料,マニキュア等の化粧液,液状糊等の塗布液を容器に収蔵して成る塗布具の塗布先部にあって、ボールを塗布媒体とし、ボールの一部を外方に露出させ且つ充分な抱持力をもたせて先端縁を内向きにかしめ加工し更に、先端縁のかしめ部内壁面をボールと同形の球面に形成した金属製ボールホルダー内に、ボールをホルダーの先端縁に向け押圧するスプリング等の押圧部材を配して構成した塗布具の塗布先部に関し、ホルダーとボールに組立時にあっては結合状態が得られ、使用時にあっては塗布液の吐出のスムーズ性を確保し且つ塗布液が平滑状態に塗布できて被塗布物に疵をつける心配の無い塗布先部を指向するものであって、その実施の形態は、ボールホルダーに金属線材を用い、後端より先端に向け塗布液流通孔を穿設し、他方先端部外径を先端縁が所要肉厚となるようテーパー状に削肉し且つ、先端から後端に向けボールが先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔と、塗布液流通孔に貫通するボールより小径の連通孔を穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部に丸め加工を施したものである。
【0008】更に他の実施の形態としては、ボールホルダーに金属パイプを用い、その内径すなわち塗布液流通路をボール径より小径に形成し且つ、先端より後端に向けボールがその先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔を穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部に丸め加工を施したものである。
【0009】更に上記の2つの実施の形態において、かしめ部の丸め加工が短時間のバレル研磨で、特にボール径が大きい部類を含む0.7mm〜2.0mm用ボールホルダーの先端縁かしめ部に滑らかな丸め面と加工の均一性をもたらすため、先端縁のかしめ形状について、かしめ治具を用いて第1かしめ角度を90゜〜65゜に、次いで先端開口径がボール径の90〜80%になるように第2かしめ角度を135゜〜90゜で形成した後、バレル研磨によりかしめ部に丸め加工を施したものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例を示した図面及び実験結果により得られたホルダー先端縁かしめ部仕様を示す表及び図表を基に詳説する。
【0011】図1は本発明の第1の実施例を示す塗布先部の一部切欠縦断面であり、図2は第2の実施例を示す塗布先部の一部切欠縦断面図で、図3(a),(b)は第1及び第2実施例のボールホルダー先端縁かしめ形状の拡大説明図で、図4(a),(b)は同じくバレル研磨後の先端縁及びハンマーリング後のかしめ部内壁面形状の拡大説明図である。なお、実施例の説明において同目的で使用される部材の記号は同記号を用いている。
【0012】第1実施例の塗布先部ボールホルダーは、快削ステンレス鋼等の金属線材から加工される。すなわち、後端より先端に向け塗布液流通孔3を穿設し、他方先端部外径を先端縁1aが所要肉厚となるようテーパー状に削肉し且つ、先端から後端に向けボール2が先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔1bと、塗布液流通孔に貫通するボールより小径の連通孔1cを穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部1dに丸め加工を施したものである。なお、塗布液流通孔3は、塗布液のスムーズな流動を考慮して可能な限り径大に穿設されることが好ましい。
【0013】第2実施例のボールホルダーは、ステンレス鋼等の金属パイプから加工される。すなわち、その内径の塗布液流通路5をボール径より小径に形成し且つ、先端より後端に向けボール2がその先端縁4aから充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔4bを穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部4cに丸め加工を施したものである。なお、パイプの内径(塗布液流通路)はボール径より僅かに径小であれば、ホルダーとボールの結合状態が得られるので、後記するボールの押圧部材6との関係から塗布液のスムーズな流動を考慮して極力径大に設定することが好ましい。
【0014】本発明に用いる塗布媒体としてのボール2は、ボール径が0.7mm〜2.0mmのものであってかなり径大の部に属するボール径を含むものであるから、先端縁1a,4aをかしめ治具によりかしめ加工した後、かしめ部1d,4cにバレル研磨による丸め加工を施す場合、ボールを単に抱持する通常のかしめ方法ではかしめ部を含む先端部の丸め形状が均一に出来ないばかりか、バレル研磨時間がかなり長時間を要する結果となり、ホルダーとボール2が結合状態にあるのでホルダー先端縁からボールが充分埋没するように設定してあっても、砥石にボールが接触することはさけられず、ボールに変形の危惧がある。従って、先記の塗布液流通孔3又は塗布液流通路5を径大にする配慮に加え、かしめ部を含む先端縁の丸め加工のバレル研磨時間を極力短時間でその効果が得られるように配慮することが重要である。
【0015】本発明は、バレル研磨によるかしめ部1d,4cを含む先端縁1a,4aの丸め加工を、短時間で且つ滑らかな丸めが保証されるかしめ加工に、実験の結果から第1かしめ角θ1及び第2かしめ角θ2と、先端開口径Dに最適な丸め形状を得る規則性を見い出したものである(表1及び図5参照)。
【0016】すなわち、ボール径0.3,0.5,0.7,1.0,1.6,2.0mm用として先端開口径Dをボール径の80〜88%に加工した6種類のボールホルダー,4について、第1かしめ角θ1を90゜,80゜,70゜の3種類と、第2かしめ角θ2を140゜,130゜,120゜,100゜の4種類のかしめ治具を用いて先端縁1a,4aをかしめ加工した、ボール径毎の加工仕様を一覧表にまとめたのが表1であり、表1に記載したボール径毎の各数値をグラフ化したのが図5R>5である。
【0017】
【表1】


【0018】ボールホルダーの先端開口径Dは経験的に決めた数値であり、第1かしめ角θ1と第2かしめ角θ2は作図してみて研磨代が最も少なくなる角度を割り出したが、手持ちのかしめ治具から近い角度の治具を用いたので、図5のグラフ上にプロットされたボール径毎の各数値がかならずしも最適値を示していないことを考え合わせると、先端開口径と第1,第2かしめ角の間には最適な丸め形状を得る規則性が存在していることになる。
【0019】本発明は以上の結果から、特にボール径が0.7mm〜2.0mmに用いるボールホルダーの先端縁かしめ形状を、かしめ治具を用いて第1かしめ角θ1を90゜〜65゜に、次いで先端開口径Dがボール径の90〜80%になるように第2かしめ角度θ2を135゜〜90゜で形成することを示唆したものである。
【0020】以上のようにかしめ加工されたボールホルダーは、バレル研磨時間を著しく短縮でき、ボール2の抱持力と係わる先端開口径Dに変化を来すことなく先端縁かしめ部1d,4cに滑らかな丸め加工が出来たので(図4(a),(b)参照)、ボール抱持力を低下させることなく又、ボールが砥石と接触して変形することも防ぐことができ、かしめ部内壁面1e,4dとボールが接触して構成する弁機構が完全に機能する結果が得られた。なお、実験においては第1かしめ,第2かしめを別々に加工したが、同時加工できるかしめ治具を用いることも勿論可能なことであると共に、かしめ角度に多少の自由度があることも実験品の観察から窺い知ることができる。
【0021】本発明の塗布先部は、金属製ボールホルダーが先端縁かしめ部内壁面1e,4dを塗布媒体であるボール2と同形の球面に形成し且つ、かしめ加工後バレル研磨で丸め加工された先端縁1a,4aからその一部を外方に露出させてボールが装填され、ボールの後端面と接する押圧部材6が当該ボールホルダーの塗布液流通孔3又は、塗布液流通路5内に配設され、塗布具本体7の先端穴7aに嵌着されると共に、押圧部材の後端部が塗布具本体の押圧部材受部7bで保持され、ボールが所定の押圧力によりボールホルダーのかしめ部内壁面に当接されるように構成されている。なお、ボールホルダーのかしめ部内壁面をボールと同形の球面に形成するハンマーリングはかしめ加工の直後又は、バレル研磨後のいずれで行っても別に問題はない。更に、先記した塗布液流通孔又は、塗布液流通路と押圧部材との関係は、塗布液の流動のスムーズ性に配慮して塗布液流通空間が充分確保された状態にあることは当然なことである。
【0022】本発明に用いる塗布具本体7は、可撓性のある材質から成る容器を手指で押圧の加減をして用いるもの(図示せず)或いは、塗布具本体先端部を被覆するキャップ嵌着時の操作で容器内を加圧して用いるもの(図示せず)のいずれであってもよく又、押圧部材6を第1実施例(図1)のようにコイルスプリングで直接ボール2を押圧したり、第2実施例(図2)のようにボールとコイルスプリング間に押圧子を介在させたり、コイルスプリングの一端を棒状にしてボールに接触させる(図示せず)など適宜な手段が選択されて良い。
【0023】以上の如くに構成された塗布具は、被塗布物に塗布先部の先端を押し当てると塗布媒体であるボール2が沈み、ボールホルダーの内壁面1e,4dとボールの接触で弁作用が働いていたのを解除し、更に塗布圧が加わると被塗布物にホルダー先端縁1a,4aが接触する。塗布具本体7を手指で押圧して塗布液の吐出量を加減するタイプはここで容器を適宜に押圧しながら又、加圧方式のものは被塗布物にホルダー先端縁を接触させたまま塗布部に塗布液を塗布する。かくして、被塗布物に塗布された塗布液は必要以上に盛り上がることなく略平滑な状態で塗布されるので、乾燥も速く、乾燥後の塗布面にしわが出ることも少ない美麗な塗布面を得ることができるものである。
【0024】
【発明の効果】本発明は、塗布先部のボールホルダーに金属線材を用いて、その先端から後端に向け先端縁からボールが充分埋没する深さのボール径より僅かに径大の先端孔と、塗布液流通孔に貫通するボール径より小径の連通孔を穿設し又は、ボール径より小径の塗布液流通路を有する金属パイプを用い、先端縁からボールが充分埋没する深さの先端孔を穿設し、これにボールをそれぞれの先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工することにより、ホルダー加工機内でホルダーとボールの結合状態が得られる。更に、先端縁を2段のかしめ角でかしめ加工した後、バレル研磨により丸め加工するので、研磨時間が著しく短縮できて、ボールと砥石が過度に接触することが防げるので、ボール面を変形させずにホルダー先端縁を滑らかな丸め面に研磨することができるものである。従って、塗布具組立の際にボールの装填もれから起こる製品汚れのトラブルを未然に防止できるばかりでなく、被塗布物に接触するホルダーの先端縁は、被塗布面を疵つけることなく塗布液は略平滑な状態で塗布されるので乾燥も速く、乾燥後の塗布面にしわがでることもなく美麗な塗布面が得られる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す塗布先部の一部切欠縦断面図である。
【図2】第2実施例を示す塗布先部の一部切欠縦断面図である。
【図3】ボールホルダー先端縁かしめ形状の拡大説明図である。図3(a)は第1実施例(図1)のボールホルダー先端部であって、図3(b)は第2実施例(図2)のボールホルダー先端部である。
【図4】バレル研磨後の先端縁及びハンマーリング後のかしめ部内壁面の拡大説明図である。図4(a)は第1実施例(図1)のボールホルダー先端部であって、図4(b)は第2実施例(図2)のボールホルダー先端部である。
【図5】ボールホルダー先端縁かしめ形状について表1をグラフ化した説明図である。
【符号の説明】
ボールホルダー
1a 先端縁
1b 先端孔
1c 連通孔
1d かしめ部
1e かしめ部内壁面
2 ボール
3 塗布液流通孔
ボールホルダー
4a 先端縁
4b 先端孔
4c かしめ部
4d かしめ部内壁面
5 塗布液流通路
6 押圧部材
7 塗布具本体
D 先端開口径
θ1 第1かしめ角度
θ2 第2かしめ角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボールを塗布媒体とし、ボールの一部を外方に露出させ且つ充分な抱持力をもたせて先端縁を内向きにかしめ加工し更に、先端縁のかしめ部内壁面をボールと同形の球面に形成した金属製ボールホルダー内に、ボールをホルダー先端縁に向け押圧するスプリング等の押圧部材を配して成る塗布具の塗布先部において、前記ボールホルダー()は金属線材を用い、後端より先端に向け塗布液流通孔(3)を穿設し、他方先端部外径を先端縁(1a)が所要肉厚となるようテーパー状に削肉し且つ、先端から後端に向けボール(2)が先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔(1b)と、塗布液流通孔に貫通するボールより小径の連通孔(1c)を穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部(1d)に丸め加工を施したことを特徴とする塗布具の塗布先部。
【請求項2】 ボールを塗布媒体とし、ボールの一部を外方に露出させ且つ充分な抱持力をもたせて先端縁を内向きにかしめ加工し更に、先端縁のかしめ部内壁面をボールと同形の球面に形成した金属製ボールホルダー内に、ボールをホルダー先端縁に向け押圧するスプリング等の押圧部材を配して成る塗布具の塗布先部において、前記ボールホルダー()は金属パイプを用い、その内径すなわち塗布液流通路(5)をボール径より小径に形成し且つ、先端より後端に向けボール(2)がその先端縁(4a)から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径の先端孔(4b)を穿設し更に、ボールを先端孔内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨によりかしめ部(4c)に丸め加工を施したことを特徴とする塗布具の塗布先部。
【請求項3】 ボール径が0.7mm〜2.0mmのボールホルダー(),()の先端縁かしめ形状を、第1かしめ角度(θ1)を90゜〜65゜に、次いで先端開口径(D)がボール径の90〜80%になるように第2かしめ角度(θ2)を135゜〜90゜で形成した後、バレル研磨によりかしめ部(1d),(4c)に丸め加工を施したことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の塗布具の塗布先部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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