説明

塗料組成物及び塗膜形成方法

【課題】
トップコート塗膜を形成せしめる塗料として使用することにより、光沢が抑制され、金属感に優れ、手で触れたときにさらっとしたスベリ感があり、傷がつきにくく耐薬品性に優れた塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜形成方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、鱗片状アルミニウム顔料、タルク顔料及び繊維素系樹脂を含む塗料組成物、該鱗片状アルミニウム顔料の平均粒子径が5〜40μmの範囲内である塗料組成物並びに、基材上に上記塗料組成物を塗装する塗膜形成方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トップコート塗膜を形成せしめる塗料として使用することにより、光沢が抑制され、金属感に優れ、手で触れたときにさらっとしたスベリ感があり、傷がつきにくく耐薬品性に優れた塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の工業製品において、ハイライト(正反射光近傍)からシェード(斜め方向)に明度が大きく変化するシルバーメタリック塗色は人気が高いものとなっている。その中でも光沢が抑制された塗色が、落ち着きがあるメタリック塗色として注目されている。
【0003】
光沢が抑制されたメタリック塗色を形成する方法としては、基材上に、鱗片状アルミニウム顔料を含むメタリック塗膜と艶調整剤を含むクリヤー塗膜の2層を形成せしめる方法が一般的である。この場合、2回の塗装工程を必要とすることになり、コストの上昇や環境負荷の増大といった問題点があった。
【0004】
1回の塗装にて艶消し塗膜を得ることができる塗料組成物として、特許文献1には、特定の水酸基含有樹脂、硬化剤、樹脂被覆された着色アルミニウム顔料、及び紫外線吸収剤を含有する1コート艶消しメタリック塗料が記載されている。樹脂被覆することで、鱗片状アルミニウム顔料の輝度を減じるものであるが、光沢の抑制が不十分である問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−339492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、トップコート塗膜を形成せしめる塗料として使用することにより、光沢が抑制され、金属感に優れ、手で触れたときにさらっとしたスベリ感があり、傷がつきにくく耐薬品性に優れた塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
1.鱗片状アルミニウム顔料、タルク顔料及び繊維素系樹脂を含む塗料組成物、
2.鱗片状アルミニウム顔料の平均粒子径が5〜40μmの範囲内である1項に記載の塗料組成物、
3.鱗片状アルミニウム顔料が、表面に樹脂組成物が被覆された樹脂コートアルミニウム顔料である1項又は2項に記載の塗料組成物、
4.タルク顔料が、鱗片状であって且つ平均粒子径が3〜15μmの範囲内である1〜3項のいずれか1項に記載の塗料組成物、
5.さらに水酸基含有樹脂及びイソシアネート化合物を含有するウレタン化反応により架橋硬化し得る樹脂組成物を含む1〜4項のいずれか1項に記載の塗料組成物、
6.基材に1項〜5項に記載された塗料組成物を塗装する塗膜形成方法、
7.基材がカラーベース塗料を塗装して得られたカラーベース塗膜である6項に記載の塗膜形成方法
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トップコート塗膜を形成せしめる塗料として使用することにより、光沢が抑制され、金属感に優れ、手で触れたときにさらっとしたスベリ感があり、傷がつきにくく耐薬品性に優れた塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜形成方法を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の塗料組成物は、塗装して得られる塗膜のハイライトにおける明度を高くすることを目的として、鱗片状アルミニウム顔料を含有する。
【0010】
鱗片状アルミニウム顔料は、一般にアルミニウムをボールミルやアトライターミル中で粉砕媒液の存在下、粉砕助剤を用いて粉砕、摩砕して製造される。粉砕助剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸のほか、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコールが使用される。粉砕媒液としてはミネラルスピリットなどの脂肪族系炭化水素が使用される。
【0011】
鱗片状アルミニウム顔料は、粉砕助剤の種類によって、リーフィングタイプとノンリーフィングタイプに大別することができる。リーフィングタイプは、塗料組成物に配合すると塗装して得られた塗膜の表面に配列(リーフィング)し、金属感の強い仕上がりが得られ、熱反射作用を有し、防錆力を発揮するものであるため、タンク・ダクト・配管類および屋上ル−フィングをはじめ各種建築材料などに利用されることが多い。本発明の塗料組成物においては塗装して得られる塗膜のハイライトの明度や、耐水性の点から、ノンリーフィングタイプの鱗片状アルミニウム顔料を使用することが好ましい。
【0012】
上記鱗片状アルミニウム顔料の大きさは、平均粒径が5〜40μmの範囲内のものを使用することが、塗装された塗膜の仕上がり性やハイライトの明度の点から好ましく、より好ましくは粒径が7〜25μmの範囲内もの、特に好ましくは8〜23μmの範囲内ものである。厚さは0.05〜0.5μmの範囲内のものを使用することが好ましい。ここでいう粒径及び厚さは、マイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300(商品名、日機装社製)を用いてレーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。
【0013】
また、鱗片状アルミニウム顔料の含有量は、塗装して得られる塗膜の仕上がり性の点から、塗料中の樹脂固形分100質量部に対して、合計で0.1〜25質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.3〜20質量部の範囲内、特に好ましくは0.5〜20質量部の範囲内である。
【0014】
本発明の鱗片状アルミニウム顔料としては、塗装して得られる塗膜の耐薬品性の点から鱗片状アルミニウム顔料100質量部に対して、0.01〜10質量部のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/又は0.01〜30質量部のラジカル重合性二重結合を有する燐酸モノ又はジエステル及び2〜50質量部のラジカル重合性二重結合を3個以上有する単量体から生成した高度に三次元した樹脂によって強固に密着して表面被覆された樹脂コートアルミニウム顔料を使用することができる。
【0015】
本発明の塗料組成物においては、鱗片状アルミニウム顔料として、着色アルミニウム顔料を使用することができる。着色アルミニウム顔料としては、鱗片状アルミニウム顔料の表面に、着色顔料を吸着せしめ、さらに樹脂被覆したものを挙げることができる。例えば、特開平1−315470号に記載されている着色アルミニウム顔料を使用することができる。または、鱗片状アルミニウム顔料の表面に酸化鉄等を化学蒸着し、さらに樹脂被覆したものを挙げることができる。
【0016】
本発明の塗料組成物は、光沢を抑制し、触感を向上させることを目的として、タルク顔料を含有する。タルクとは、滑石という鉱石を微粉砕した無機粉末であり、組成的には、含水珪酸マグネシウム[MgSi10(OH)]である。タルク顔料とは、該タルクを粉砕、分級して得られた平均粒子径が3〜15μmの範囲内の鱗片状顔料である。ここでいう平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300(商品名、日機装社製)を用いてレーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。本発明においては、塗装して得られる塗膜の光沢を抑制し柔らかな質感を付与する点から、平均粒子径が3〜15μmの範囲内のタルク顔料を使用することが好ましい。
【0017】
本発明の塗料組成物においては、塗装して得られる塗膜の色相や明度を微調整することを目的として、着色顔料を配合することができる。該着色顔料としては、特に制限されるものではないが、具体的には、例えば、透明性酸化鉄顔料、チタンイエロー等の複合酸化物顔料、微粒子酸化チタン顔料等の無機顔料;アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料等の有機顔料;カーボンブラック顔料等が挙げられ、これらはそれぞれ単独又は2種もしくはそれ以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
本発明においては、塗装して得られる塗膜の金属感の点において、着色顔料を配合せしめる場合、一次粒子径が200nm以下の透明性の顔料を使用することが好ましい。
【0019】
該着色顔料は、粉体として塗料中に配合することができるが、着色顔料を樹脂組成物の一部と混合分散して予め顔料分散体を調製し、これを残りの樹脂成分や他の成分と共に混合することにより塗料化することもできる。顔料分散体の調製にあたっては、必要に応じて、消泡剤、分散剤、表面調整剤等の慣用の塗料添加剤を使用することができる。
【0020】
本発明の塗料組成物に着色顔料を配合せしめる場合、その配合量は、塗装して得られる塗膜の明度は金属感の点から、樹脂組成物(固形分)100質量部に、通常0.01〜30質量部、特に0.05〜25質量部の範囲内であることが好ましい。
【0021】
本発明の塗料組成物は、塗膜形成過程における塗料の粘性を制御し、上記鱗片状アルミニウム顔料を塗膜中で塗膜と平行に配向せしめる点から、繊維素系樹脂を含有する。繊維素系樹脂とは、セルロースエステル等のセルロース誘導体を含む樹脂であり、本発明の塗料組成物には、塗料用として従来から使用されているものが使用できる。
【0022】
本発明の塗料組成物においては、上記繊維素系樹脂以外の樹脂をビヒクル形成成分として含有していてもよい。その場合、通常、塗料用の塗膜形成樹脂として使用されている樹脂を制限なく使用できる。例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂等を単独あるいは組み合わせて非架橋のラッカータイプとすることもできるが、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋形成樹脂と組み合わせて架橋硬化型とすることもできる。
【0023】
本発明の塗料組成物において、繊維素系樹脂以外の樹脂を使用する場合、その量は、繊維素系の樹脂とそれ以外の樹脂の固形分の質量比として、5/95〜50/50の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは、10/90〜40/60である。繊維素系樹脂の含有量が多すぎると、塗装して得られる塗膜の耐水性が低下する問題点が生じる可能性があり、少なすぎると鱗片状アルミニウム顔料の配向性が低下する可能性がある。
【0024】
本発明の塗料組成物は、上記繊維素系樹脂以外の樹脂として、水酸基含有樹脂及びイソシアネート基を有する化合物を含んでなるウレタン化反応により架橋硬化し得る樹脂組成物を含有することができる。
【0025】
上記水酸基含有樹脂としては、例えば、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの水酸基含有樹脂は、通常、有機溶剤及び/又は水等の溶媒に溶解または分散して使用される。
【0026】
上記水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性単量体を必須成分とし、さらに必要に応じてカルボキシル基含有重合性単量体及びアクリル系単量体を含んでなる重合性単量体成分を常法により(共)重合することによって製造されるものを使用することができる。水酸基含有アクリル樹脂としては、一般に1000〜100000、特に5000〜80000の範囲内の数平均分子量、一般に20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び一般に0〜100mgKOH/g、特に0〜70mgKOH/gの範囲内の酸価を有するものが好適である。
【0027】
上記水酸基含有重合性単量体は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ少なくとも1個有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の炭素数2〜20のグリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物等を挙げることができる。
【0028】
上記カルボキシル基含有重合性単量体は、1分子中にカルボキシル基及び重合性不飽和結合をそれぞれ少なくとも1個有する化合物であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸等及びこれらの酸の無水物やハーフエステル化物等を挙げることができる。
【0029】
上記アクリル系単量体には、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコールとのモノエステル化物が包含され、具体的には、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等を挙げることができる。
【0030】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタアクリレートを、そして「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
【0031】
水酸基含有アクリル樹脂の製造にあたり、上記の水酸基含有重合性単量体、カルボキシル基含有重合性単量体及びアクリル系単量体に加えて、その他の重合性単量体を併用することもできる。
【0032】
その他の重合性単量体としては、例えば、メトキシブチルアクリレート、メトキシブチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のアルコキシエステル;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−t−ブチルアミノエチルアクリレート、N−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等のアミノアクリル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル等を挙げることができる。
【0033】
上記水酸基含有ポリエステル樹脂としては、通常、多塩基酸と多価アルコールとをエステル化反応させることによって製造されるものを使用することができる。
【0034】
上記多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物等を挙げることができ、また、上記多価アルコールは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
【0035】
また、ポリエステル樹脂として、あまに油脂肪酸、やし油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸等の(半)乾性油脂肪酸等で変性した脂肪酸変性ポリエステル樹脂を使用することもできる。これらの脂肪酸による変性量は、油長で一般に30質量%以下であることが好ましい。また、安息香酸等の一塩基酸を一部反応させたものであってもよい。
【0036】
ポリエステル樹脂としては、一般に1000〜50000、特に2000〜20000の範囲内の数平均分子量、一般に20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び一般に0〜100mgKOH/g、特に0〜70mgKOH/gの範囲内の酸価を有するものが好適である。
【0037】
上記イソシアネート化合物には、1分子中に少なくとも2個の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が包含され、該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(もしくは−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(もしくは1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネ−ト、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート類、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;水添MDI及び水添MDIの誘導体;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に少なくとも3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン 、ヘキサントリオール等のポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びソシアヌレート環付加物等を挙げることができる。
【0038】
本発明の塗料組成物における上記水酸基含有樹脂及びイソシアネート化合物の配合割合は、水酸基含有樹脂中の水酸基1当量に対し、イソシアネート化合物中のイソシアネート基が一般に0.5〜2当量、特に0.8〜1.2当量の範囲内となるようにすることが好ましい。イソシアネート化合物中のイソシアネート基の割合が0.5当量未満であると、形成される塗膜の架橋密度が低く塗膜物性が不十分となり、反対に2当量を越えると、形成される塗膜の性能は良好であるが、塗膜の乾燥性が低下し、実用性に問題がある。
【0039】
本発明の塗料組成物には、さらに、必要に応じて、水あるいは有機溶剤等の溶媒、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種塗料添加剤、体質顔料等を適宜配合することができる。
【0040】
本発明の塗料組成物は、以上に述べた鱗片状アルミニウム顔料、タルク顔料、必要に応じて配合される着色顔料及び繊維素系樹脂や水又は有機溶剤等の溶媒、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、体質顔料等を同一容器に梱包せしめた1液型塗料であってもよいが、イソシアネート化合物及び必要に応じて配合される水や有機溶媒等を別の容器に梱包し、塗装前に混合する2液型塗料であってもよい。
【0041】
本発明の塗料組成物は、水や有機溶媒等を加えて、塗装に適正な粘度に調整した後に、回転霧化塗装、エアスプレー、エアレススプレー等のそれ自体既知の方法で塗装することができ、その膜厚は、基材の隠蔽性、塗膜の平滑性等の観点から、硬化塗膜に基づいて通常5〜60μm、好ましくは10〜30μmの範囲内とすることができる。本発明の塗料組成物による塗膜は、通常、常温〜約150℃の範囲内の温度で架橋硬化させることができる。
【0042】
次に本発明の塗膜形成方法について説明する。本発明の塗膜形成方法においては、上記の如き塗料組成物を基材に塗装する。
【0043】
基材としては、鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属やこれらを含む合金、及びこれらの金属によるメッキまたは蒸着が施された成型物、ならびに、ガラス、プラスチックや発泡体などによる成型物等を挙げることができる。さらにこれらの素材に応じて適宜、脱脂処理や表面処理を行なったものを基材とすることができる。さらに、上記基材に下塗り塗膜や中塗り塗膜を形成させて基材とすることもでき、これらのものが特に好ましい。
【0044】
上記下塗り塗膜とは、素材表面を隠蔽したり、素材に防食性及び防錆性などを付与するために形成されるものであり、下塗り塗料を塗装し、乾燥、硬化することによって得ることができる。この下塗り塗料種としては特に限定されるものではなく、例えば、電着塗料、溶剤型プライマー等を挙げることができる。
【0045】
また、上記中塗り塗膜とは、素材表面や下塗り塗膜を隠蔽したり、付着性や耐チッピング性などを付与したり、複層塗膜における明度を調整するために形成されるものであり、素材表面や下塗り塗膜上に、中塗り塗料を塗装し、乾燥、硬化することによって得ることができる。中塗り塗料種は、特に限定されるものではなく、既知のものを使用でき、例えば、熱硬化性樹脂組成物及び着色顔料を必須成分とする有機溶剤系又は水系の中塗り塗料を好ましく使用できる。
【0046】
特に基材として、下塗り塗膜あるいは中塗り塗膜を形成させる場合においては、下塗り
塗膜及び中塗り塗膜を加熱し、架橋硬化後に前述の塗料組成物を塗装することができる。あるいは、下塗り塗膜を加熱し、架橋硬化後に中塗り塗膜を形成せしめ、中塗り塗膜が未硬化の状態で、前述の塗料組成物を塗装することもできる。又は、下塗り塗膜及び中塗り塗膜が未硬化の状態で前述の塗料組成物を塗装してもよい。
【0047】
本発明の塗膜形成方法においては、カラーベース塗料を塗装して得られたカラーベース塗膜を基材としてもよい。カラーベース塗膜は、上記各種素材や、下塗り塗膜及び中塗り塗膜上に形成することができる。
【0048】
カラーベース塗料を、下塗り塗膜又は中塗り塗膜上に塗装する場合、下塗り塗膜あるいは中塗り塗膜を加熱し、架橋硬化後に塗装することができるが、下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が未硬化の状態で、カラーベース塗料を塗装することもできる。
【0049】
本発明におけるカラーベース塗料とは、基材の明度や色相を調整するために塗装せしめるものであって、着色顔料及びビヒクル形成成分である樹脂成分を含む塗料である。本発明の塗膜形成方法においては、基材を特定の色調に調整されたカラーベース塗膜とすることによって、前記塗料組成物を塗装した際に膜厚が変化しても色調や質感の差が少なくなったり、塗膜表面が傷ついた場合に目立ちにくくなる効果を奏するものである。
【0050】
本発明方法におけるカラーベース塗料は、着色顔料として酸化チタン顔料を配合せしめることができる。
【0051】
酸化チタン顔料は、屈折率が高いことから白色顔料として広く使用されているものであり、結晶形によってルチル型とアナターゼ型があり、本発明においてはいずれを使用しても良いが、耐候性の点からルチル型を使用することができる。また、分散性や耐候性を向上させることを目的として、表面をシリカ、ジルコニウム、アルミニウム等の無機化合物で処理したものを使用しても良い。塗膜の隠蔽力の点から、一次粒子径が100〜400nmの範囲内のものを使用することが好ましく、さらに好ましくは、200〜300nmの範囲内のものである。
【0052】
カラーベース塗料が酸化チタン顔料を含有する場合その含有量は、隠蔽性や仕上がり性の点から、後述するビヒクル形成成分である樹脂固形分100質量部に対して、10〜200質量部が好ましく、特に好ましくは、20〜180質量部である。
【0053】
カラーベース塗料には、酸化チタン顔料の他にも、複層塗膜の色相や明度を微調整することを目的として、着色顔料を配合することができる。着色顔料としては、特に制限されるものではないが、具体的には、チタンイエローなどの複合金属酸化物顔料や透明性酸化鉄顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料等の有機顔料及びカーボンブラック顔料等の中から任意のものを1種もしくはそれ以上を組み合わせて使用することができる。
【0054】
本発明において、カラーベース塗料に酸化チタン顔料以外の着色顔料を配合せしめる場合その含有量は、複層塗膜の明度の点から、樹脂固形分100質量部に対して0.01〜30質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜25質量部の範囲内であることが好ましい。
【0055】
カラーベース塗料におけるビヒクルである樹脂成分としては、具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、必要に応じてメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤とを併用したものが挙げられ、これらは有機溶剤及び/又は水などの溶媒に溶解または分散して使用される。
【0056】
さらに、カラーベース塗料には、必要に応じて、水あるいは有機溶剤等の溶媒、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、体質顔料などを適宜配合することができる。
【0057】
カラーベース塗料は、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて10〜150μmの範囲内とするのが、塗膜の平滑性の点から好ましく、より好ましくは20〜100μmの範囲内である。ベース塗料による塗膜は通常、常温〜約150℃の温度で架橋硬化させることができる。
【0058】
本発明の塗膜形成方法においてにおいてカラーベース塗料を塗装して得られるカラーベース塗膜を基材とする場合、その塗膜は、加熱硬化後に前記塗料組成物を塗装することができる。または加熱硬化させることなく未硬化の状態で、塗装してもよい。
【0059】
本発明の塗料組成物は、上記各種基材に静電塗装、エアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて5〜30μmの範囲内とするのが、塗膜の平滑性の点から好ましい。通常、所定の膜厚となるように塗装した後に、加熱し、乾燥硬化せしめることができるが、未硬化の状態でも後述するクリヤー塗料を塗装することができる。本発明の塗料組成物の塗膜それ自体は、焼き付け乾燥型の場合、通常、約50〜約180℃の温度で架橋硬化させることができ、常温乾燥型又は強制乾燥型の場合には、通常、常温乾燥〜約80℃の温度で硬化させることができる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。また、水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
【0061】
製造例1:水酸基含有アクリル樹脂(1)の製造
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にキシレン50部及び酢酸ブチル22部を仕込み、撹拌混合し、120℃に昇温した。次いで同温度に保持した反応容器内に、下記のモノマー/重合開始剤の混合物(1)を3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、キシレン10部及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.6部からなる混合物を同温度に保持しつつ1時間30分かけて滴下し、さらに2時間熟成して、水酸基価82mgKOH/g、数平均分子量20,000、樹脂固形分55%の水酸基含有アクリル樹脂(1)を得た。
モノマー/重合開始剤の混合物(1):
メチルメタクリレ−ト27部、n−ブチルアクリレート23部、ヒドロキシエチルメタクリレート19部、スチレン30部、アクリル酸1部及び2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5部からなる混合物。
【0062】
製造例2:水酸基含有アクリル樹脂(2)の製造
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にキシレン50部及び酢酸ブチル22部を仕込み、撹拌混合し、120℃に昇温した。次いで同温度に保持した反応容器内に、下記のモノマー/重合開始剤の混合物(2)を3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、キシレン10部及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.6部からなる混合物を同温度に保持しつつ1時間30分かけて滴下し、さらに2時間熟成して、水酸基価82mgKOH/g、数平均分子量20,000、樹脂固形分55%の水酸基含有アクリル樹脂(2)を得た。
モノマー/重合開始剤の混合物(2):
スチレン35部、メチルメタクリレート5部、i−ブチルメタクリレート33部、2−エチルヘキシルアクリレート10部、ヒドロキシエチルメタクリレート17部、アクリル酸1部及び2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5部からなる混合物。
(実施例1)
塗料組成物1の調製
製造例1で得られた水酸基含有アクリル樹脂(1)85部(固形分)、予めエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解せしめたCAB381(セルロースアセテートブチラート、イーストマンケミカルズ社製)15部(固形分)、CR−8801(樹脂コートアルミニウムフレーク顔料、旭化成アルミ社製、平均粒子径15.2μm)11部、ミクロエースL−1(タルク顔料、日本タルク社製、平均粒子径5.1μm)を攪拌混合し、スミジュールN3300(商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート、住化バイエルウレタン社製)22.9部を加え、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約30%の塗料組成物1を調製した。
(実施例2〜8)
塗料組成物2〜8の調製
前記塗料組成物1と同様にして、表1に示す組成にて塗料組成物2〜8を調製した。
【0063】
【表1】

【0064】
(比較例1〜3)
前記塗料組成物1と同様にして、表1に示す組成にて塗料組成物9〜11を調製した。
【0065】
カラーベース塗料の調製
製造例1で得られた水酸基含有アクリル樹脂(1)100部(固形分)、CR−95(ルチル型酸化チタン顔料、石原産業社製)100部、MONARCH1300(カーボンブラック顔料、コロンビアカーボン社製)2部を攪拌混合し、スミジュールN3300(商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート、住化バイエルウレタン社製)27部を加え、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約50%のカラーベース塗料を調製した。
【0066】
クリヤー塗料の調製
製造例1で得られた水酸基含有アクリル樹脂(1)100部(固形分)、CARPLEX CS−801(微粉シリカ顔料、エボニック社製)20部を攪拌混合し、スミジュールN3300(商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート、住化バイエルウレタン社製)27部を加え、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約40%のクリヤー塗料を調製した。
試験板の作製
基材1:中塗り塗膜が形成された塗板
脱脂及びりん酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400×300×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロンGT−10HT」(商品名:関西ペイント株式会社製、エポキシ樹脂・ポリアミン系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させて電着塗膜を得た。
【0067】
得られた電着塗面に、中塗り塗料「ルーガベーク中塗りグレー」(商品名:関西ペイント株式会社製、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系、有機溶剤型)をエアスプレーにて硬化塗膜に基づいて膜厚30μmになるように塗装し、140℃で30分加熱して架橋硬化させて、中塗り塗膜が形成された塗板(基材1)を作製した。
基材2:カラーベース塗膜
基材1に前記カラーベース塗料を、エアスプレーを用いて、硬化塗膜として20μmとなるように塗装し、塗装後、室温約20℃の実験室に約15分静置した後80℃で30分間加熱して乾燥硬化せしめ、カラーベース塗膜(基材2)を得た。
実施例10〜15,17,18、比較例4〜6
表2に示す構成にて、基材に塗料組成物1〜12を、エアスプレーを用いて、硬化塗膜として20μmとなるように塗装し、塗装後、室温約20℃の実験室に約15分静置した後、熱風循環式乾燥炉を使用して、80℃で30分間加熱して試験板を得た。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例16
基材1に塗料組成物7を、エアスプレーを用いて、硬化塗膜として20μmとなるように塗装し、塗装後、室温約20℃の実験室に約15分静置した後、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱して試験板を得た。
比較例7
基材1に塗料組成物11をエアスプレーを用いて、硬化塗膜として20μmとなるように塗装した。塗装後、室温約20℃の実験室に約15分静置し、熱風循環式乾燥炉を使用して、80℃で30分間加熱して乾燥硬化せしめ、さらにクリヤー塗料を硬化塗膜として30μmとなるように塗装し、塗装後、室温約20℃の実験室に約15分静置した後、80℃で30分間加熱して試験板を得た。
評価
上記で得た試験板を下記に示す基準で評価し、結果を表2に示した。
(60°鏡面光沢度)
ビックケミー社製BYK−TriGrossを使用して、塗膜の60°鏡面光沢度を測定した。
(目視による金属感評価)
晴れた日の午後1時から2時の間に、直射日光が当たる屋外において、工業製品向け塗料の塗色設計に3年以上従事している熟練した技術者及びデザイナーが、観察角度を変えて塗板を観察して、金属感を次の基準で評価した。
4:金属感に優れる。
3:金属感がある。
2:金属感がほとんどない。
1:金属感がない。
(スベリ感)
塗板を指先で軽く触れてスベリ感を評価した。
4:スベリ感に優れる。
3:スベリ感がある。
2:スベリ感がほとんどない。
1:スベリ感がない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の塗料組成物及び塗膜形成方法は、各種工業製品、特に自動二輪車の金属性フレームやタンク等に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鱗片状アルミニウム顔料、タルク顔料及び繊維素系樹脂を含む塗料組成物。
【請求項2】
鱗片状アルミニウム顔料の平均粒子径が5〜40μmの範囲内である請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
鱗片状アルミニウム顔料が、表面に樹脂組成物が被覆された樹脂コートアルミニウム顔料である請求項1又は請求項2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
タルク顔料が、鱗片状であって且つ平均粒子径が3〜15μmの範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタリック塗料組成物。
【請求項5】
さらに水酸基含有樹脂及びイソシアネート化合物を含有するウレタン化反応により架橋硬化し得る樹脂組成物を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項6】
基材に、請求項1〜5のいずれか1項に記載された塗料組成物を塗装する塗膜形成方法。
【請求項7】
基材がカラーベース塗料を塗装して得られたカラーベース塗膜である請求項6に記載の塗膜形成方法。

【公開番号】特開2013−53235(P2013−53235A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192167(P2011−192167)
【出願日】平成23年9月3日(2011.9.3)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】