説明

塗膜転写具

【課題】 従来の塗膜転写具では、塗膜切断の際に転写ヘッドを被転写面より浮上させて塗膜切断を行っている為、塗膜切断時に塗膜の浮きが生じたり、一定形状の塗膜の切り口でなかったり、転写終了端から塗膜が剥離されてしまう等、塗膜切断部分に関する問題が発生し易い。
【解決手段】 転写具ケースの内部に転写テープの繰出機構と巻取機構が配置され、前記繰出機構から繰り出された転写テープを押圧部を介して巻取機構に巻回させる転写具であって、前記転写テープの繰り出しを抑制する抑制手段を配置すると共に、その抑制手段を常時は開放しているものの、操作体を操作することによって作動させた転写具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写具ケースに、基材の表面に転写塗膜を備えた転写テープを巻き付けた繰出機構と、その繰出機構から繰出された転写テープを基材の裏面側から被転写面に押圧して、前記転写塗膜を被転写面に転写する押圧機構と、前記繰出機構から引出され、前記押圧機構を経た基材を巻き取る巻取機構とを備えてなる塗膜転写具に関する。
その塗膜転写具の転写される塗膜としては、粘着テープや粘着性を有しないテープ等のテープ類、固体又は液体のり、接着剤等が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
塗膜転写具として多く知られているのは、修正テープであり、その修正テープには、筆記した線や文字などを隠ぺいする塗膜が基材テープ上に付着し、転写対象面に対して転写が可能なものとなっている。
従来から、使用者が前記の転写具を手に持って転写作業を行う際には、転写対象面に対して転写ヘッドの先端のみが接触している為、使用者が手に持った転写具は、転写対象面から上方に浮いた状態となっている。
その際、使用者は手指の感覚のみで転写具を保持した状態で、転写対象面に対して転写ヘッドを押し付けるとともに、その転写具を転写する方向に向かって移動させる力を加えていることになる。
その為、修正テープを正確に紙面に転写するには、転写具の進行方向とそれに直交する方向への力をバランスよく転写具から転写ヘッドの先端に伝えなければならないが、上述のように転写ヘッドの先端のみが紙面に接触していることから、このバランスを上手くとることが極めて難しく、転写ヘッドが紙面に対して片当たりすることで、転写テープの浮き上がりの発生や、安定した塗膜切断面が得られなかったりした。
よって、転写テープの片浮きが発生した場合、再度そのテープを手指で転写面に対して貼りつけたり、安定した塗膜切断面でないと次に掛る文字等、不必要な部分まで転写されてしまい、使用者にとって大変煩わしいものとなってしまう。
このような不具合は、種々の転写物を転写するための転写具全般について共通する問題である。
【0003】
そこで、転写テープの片浮きによる転写不良防止と、転写ヘッドにおける転写テープの塗膜切れによる被転写面への非転写部の発生防止を主たる目的として、特開2009−255330号公報に記載されたような転写具が考えられている。
前記特開2009−255330号公報に記載された転写具は、ケース本体内に、供給リールの歯車と巻取リールの歯車とを互いに歯合させて設けるとともに、供給リールに巻回した転写テープを、ケース本体の前端開口に設けた転写ヘッドを経て、巻取リールに巻き取るように転写機構が組み付けられた塗膜転写具において、ケース本体を、底面が被転写面に対して易滑性の平坦な摺動面をなすようにして、掌の中に抱持可能な形状としたものである。その前記前端開口付近に転写ヘッドを設けたヘッド部材を、転写ヘッドが上下し得るように設け、かつ使用時には、ヘッド部材をケース本体の前部上面に左右方向の軸回りに回動可能に軸支した操作部材の回動操作に連動させて、転写ヘッドが被転写面に対する浮上状態から、被転写面に向けて当接し押圧しうるように変動させて、転写テープの塗膜を被転写面に転写可能としている。また、不使用時には操作部材の回動操作を開放することにより、転写ヘッドが被転写面から浮上した状態となるように復帰させて、転写ヘッドによる被転写面への転写を中止しうるようにすることを特徴とするものである。
このような転写具であれば、被転写面に対する摺動操作を円滑に行うことができる。つまり、ケース本体を掌にフィットさせて握持することができ、使用時の転写操作を安定して行うことができる。
また、ケース本体の前端開口に設けられた転写ヘッドが、被転写面に対する浮上状態から被転写面に向けて当接し押圧し得るように変動させて、転写テープの塗膜を被転写面に転写可能にしてある為、使用時に操作部材を回動操作する際に、ケース本体が掌により必然的に深く握られ、力点が前方になる。
これにより、ケース本体がぐらつくことがなく、転写作業を安定して行えるとともに、転写テープの片浮きによる転写不良を効果的に防止することができる。
また、不使用時には、操作部材の回動操作を開放することにより、転写ヘッドが被転写面から浮上させた状態に復帰させて、転写ヘッドによる被転写面への転写を中止し得るようにしてある為、誤って他の個所に塗膜が転写されるのを防止することができる。
【特許文献1】特開2009−255330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開2009−255330号公報に記載された従来技術では、一般的な塗膜転写具と同様、塗膜切断の際には転写ヘッドを被転写面より浮上させて塗膜切断を行っている為、転写対象面に対して転写テープを押し付けていた押圧部(転写ヘッド)を転写対象面から浮上させることで塗膜を切断すると、転写対象面に対して押圧され密着された塗膜面の端部を基点とし、その基点から上方に向けて引っ張られるように、且つ、引き千切られるように塗膜が切断されてしまう。その為、前記転写方法では、塗膜端に塗膜の浮きが発生したり、塗膜の切り口が一定でない為に余計な部分まで塗膜が切断されてしまう。
さらに、転写時の押圧力が弱いと、切断しようと押圧部を転写面から浮上させた時に、その押圧部から塗膜が切断されず、その塗膜が転写面から剥離してしまう。
つまり、上記構成であると転写中の転写テープの浮き上がりは防止できるが、塗膜切断時に塗膜の浮きが生じたり、一定形状の塗膜の切り口でなかったり、転写終了端から塗膜が剥離されてしまう等、塗膜切断部分に関して問題が発生し易い。
そこで、本発明は以上のような問題に鑑みて、塗膜切断時に発生する塗膜の浮きの発生防止すること、直線形状の塗膜端が得られること、その塗膜端の塗膜の剥離が防止されることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本願発明は、転写具ケースの内部に転写テープの繰出機構と巻取機構が配置され、前記繰出機構から繰り出された転写テープを押圧部を介して巻取機構に巻回させる転写具であって、前記転写テープの繰り出しを抑制する抑制手段を配置すると共に、その抑制手段を常時は開放しているものの、操作体を操作することによって作動させた転写具を要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、転写具ケースの内部に転写テープの繰出機構と巻取機構が配置され、前記繰出機構から繰り出された転写テープを押圧部を介して巻取機構に巻回させる転写具であって、前記転写テープの繰り出しを抑制する抑制手段を配置すると共に、その抑制手段を常時は開放しているものの、操作体を操作することによって作動させた転写具としているので、切断したい位置で確実に切断できると共に、直線状の綺麗な塗膜の切断端を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施例の転写具ケース上部、中間ギア、巻取ギア、巻取コア、繰出ギア、転写テープを示す外観斜視図。
【図3】本発明の第1実施例の構成を示す転写具の外観図。
【図4】本発明の第1実施例に関わる抑制手段が作動していない状態を示す構成図。
【図5】本発明の第1実施例に関わる抑制手段が作動している状態を示す構成図。
【図6】本発明の第2実施例の構成を示す分解斜視図。
【図7】本発明の第2実施例の転写具ケース上部、中間ギア、巻取ギア、巻取コア、繰出ギア、転写テープを示す外観斜視図。
【図8】本発明の第2実施例の構成を示す転写具の外観図。
【図9】本発明の第2実施例に関わる抑制手段が作動していない状態を示す構成図。
【図10】本発明の第2実施例に関わる抑制手段が作動している状態を示す構成図。
【図11】本発明の第3実施例の構成を示す分解斜視図。
【図12】本発明の第3実施例のカートリッジケース上部、繰出コア、巻取コア、動力伝達ベルト、本体ケース上部、ブレーキボタン、ブレーキパッド取付部、ブレーキパッド、コイルスプリングを示す外観斜視図。
【図13】本発明の第3実施例の構成を示す転写具の外観図。
【図14】本発明の第3実施例の構成を示す転写具の外観図。
【図15】本発明の第3実施例に関わる抑制手段が作動していない状態を示す構成図。
【図16】本発明の第3実施例に関わる抑制手段が作動している状態を示す構成図。
【図17】本発明の第4実施例の構成を示す分解斜視図。
【図18】本発明の第4実施例のカートリッジケース上部、本体ケース上部、ブレーキボタン、ブレーキパッド取付部、コイルスプリングを示す外観斜視図。
【図19】本発明の第4実施例の構成を示す転写具の外観図。
【図20】本発明の第4実施例に関わる抑制手段が作動していない状態を示す構成図。
【図21】本発明の第4実施例に関わる抑制手段が作動している状態を示す構成図。
【図22】本発明の第5実施例の構成を示す分解斜視図。
【図23】本発明の第5実施例の転写テープ、繰出ギア、ブレーキ機構付き巻取ギア、巻取コアを示す外観斜視図。
【図24】本発明の第5実施例の構成を示す転写具の外観図。
【図25】本発明の第5実施例に関わる抑制手段が作動していない状態を示す構成図。
【図26】本発明の第5実施例に関わる抑制手段が作動している状態を示す構成図。
【図27】本発明の第6実施例の構成を示す分解斜視図。
【図28】本発明の第6実施例の構成を示す分解斜視図。
【図29】本発明の第6実施例の構成を示す転写具の外観図。
【図30】本発明の第6実施例に関わる抑制手段が作動していない状態を示す構成図。
【図31】本発明の第6実施例に関わる抑制手段が作動している状態を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、図2、図3の図面に基づき第1実施形態の塗膜転写具の構成について説明する。転写具ケース1は転写具ケース下部10と転写具ケース上部20より構成されている。前記転写具ケース下部10は、四隅が丸みを帯びた有底の箱形状を成している。また、転写具ケース下部10内の中央部には、円柱形状を成した回転軸10aが立設されており、中間ギア30の回転軸部30aがその回転軸10aに軸支されている為、回転自在となっている。その中間ギア30は、平歯車形状を成しており、中央部に回転軸部30aが丸穴として開いている。
また、前記転写具ケース下部10の回転軸10aの前方には、円柱形状を成した回転軸10bが立設されており、巻取ギア40の回転軸部40aがその回転軸10bに軸支されている為、回転自在となっている。その前記巻取ギア40は、円筒形状を成した巻取コア受け部40bを有し、巻取コア受け部40bの底面には歯車40cを有している。
一方、前記巻取コア受け部40bの天面には、巻取コア受け部40bよりも直径が小さい円筒部40dが立設されており、さらに、その円筒部40dの中央部から天面部にかけて円筒部40dよりも外径が大の円筒部としてスリップ部40eが形成されている。尚、巻取コア受け部40b、歯車40c、円筒部40dの内径は全て同一であり、その円筒の内径部を総称して回転軸部40aと呼称する。
【0009】
また、前記スリップ部40eの天面から円筒部40dの底面にかけて、十字状の貫通穴40fが開いている。前記スリップ部40eには、巻取コア50の回転軸部50aが軸支されている。尚、その回転軸部50aは、前記スリップ部40eの側面に圧接された状態で嵌合されている。これにより、回転軸部50aは摩擦抵抗を付与された状態で回転自在に軸支され、回転軸部50aのスリップ部40eに対する回転方向への摩擦抵抗が付与されると共に、お互いが組み付けられ、また、分解が防止されている。
また、前記巻取コア50は、円筒形状を成した巻取り部50bを有している。その巻取り部50bは、繰出コア60より繰出された転写テープ70を巻き取る為、巻取り部50bの高さは、転写テープ70の幅よりも大きく設計されている。さらに、その巻取り部50bの天面には、巻取り部50bよりも直径が大の円筒部50cが立設されている。尚、巻取り部50b、円筒部50cの内径は全て同一であり、その円筒の内径部を総称して回転軸部50aと呼称する。
また、その円筒部50cにあって、その肉厚部である外径と内径のほぼ中間には、弾性変形が可能な係合部50dが形成されており、その前記係合部50dは、円筒部50cに「コ」の字型の溝50eを円弧状に形成することによって、円弧状の係合部50dとしている。その係合部50dの先端には、係合爪50fが形成されており、その係合爪50fは、円筒部50cの天面から突出した状態で形成されており、転写具ケース上部20に形成された放射状溝20dと係脱可能に係合している。
また、転写具ケース下部10の回転軸10aの後方には、円柱形状を成した回転軸10cが立設されており、繰出ギア60の回転軸部60aが軸支されている。その繰出ギア60は、円筒形状を成したテープ巻付け部60bを有し、その高さは転写テープ70の幅より大きく設計されている。前記テープ巻付け部60bの底面には、そのテープ巻付け部60bよりも直径が大の平歯車部60cを有している。尚、そのテープ巻付け部60bの内径部分の穴を回転軸部60aと呼称する。また、テープ巻付け部60bの外周には、転写テープ70が巻き付けてある。
【0010】
前記平歯車部60cにあって、その外径に近い部分には、弾性変形が可能な係合部60dが形成されており、その前記係合部60dは、平歯車部60cに「コ」の字型の溝60eを円弧状に形成することによって、円弧状の係合部60dとしている。その係合部60dの先端には、係合爪60fが形成されており、その係合爪60fは、平歯車部60cの底面から突出した状態で形成されており、転写具ケース下部10に形成された放射状溝10dと係脱可能に係合している。尚、転写具ケース下部10に形成された前記放射状溝10dは、円筒の天面に放射状の溝が切られた形状を成しており、その内径は回転軸10cの外径より大であり、その外径は繰出ギア60に設けられた「コ」の字型の溝60eの円弧部の直径よりも大である。
尚、転写具ケース下部10に対して、中間ギア30、巻取ギア40、繰出ギア60が組み付けられた際には、中間ギア30と巻取ギア40の歯車部分同士、中間ギア30と繰出ギア60の歯車部分同士が各々噛合うようになっている。その為、中間ギア30、巻取ギア40、繰出ギア60の何れかの部品が回転すると全ての部品もそれと連動して回転し、逆に何れかの部品が何らかの影響により回転が阻止されると、全ての部品の回転も止まるようになっている。
前記転写具ケース下部10の底面にあって、転写具ケース下部10前方の両角側と、回転軸10aの両側面には、それぞれ組み付け部10e、10f、10g、10hが円筒状に形成されている。また、転写具ケース下部10にあって前方の壁には、ケース下部開口部10iが、長方形状に貫通穴として空いている。さらに、転写具ケース下部10の底面にあってケース下部開口部10i近傍部には、転写ヘッド把持部10jが「コ」の字型の突起として、ケース下部開口部10iの長方形の貫通穴の両側端に対をなして立設されている。
【0011】
また、転写具ケース下部10にあって回転軸10bから見た右壁には、貫通穴としてブレーキ摺動穴10kが形成されている。
一方、転写具ケース上部20は、前記転写具ケース下部10と同様、四隅が丸みを帯びた有底の箱形状を成している。また、転写具ケース上部20内の中央部より前方には、円筒形状を成した軸受け部20aが立設されており、転写具ケース下部10の回転軸10bと嵌合可能としている。また、転写具ケース上部20内の中央部より後方には、円筒形状を成した軸受け部20bが立設されており、転写具ケース下部10の回転軸10cと嵌合可能としている。さらに、転写具ケース上部20にあって、軸受け部20aの周りには、巻取コア50の回転軸部50aの穴径と円筒部50cの外径の範囲の肉厚を持った円筒部20cが形成されている。その円筒部20cの天面には、放射状の溝が切られており、放射状溝20dとしている。
また、転写具ケース上部20には、組み付け部20e、20f、20g、20hが円筒形状に形成されており、転写具ケース下部10の組み付け部10e、10f、10g、10hと嵌合可能としている。さらに、転写具ケース上部20にあって前方の壁には、ケース上部開口部20iが、長方形状に貫通穴として空いている。また、転写具ケース上部20の底面にあってケース上部開口部20i近傍部には、転写ヘッド把持部20jが「コ」の字型の突起として、ケース上部開口部20iの長方形の貫通穴の両側端に対をなして立設されている。
【0012】
ここで、転写具ケース上部20と転写具ケース下部10が転写具ケース1として組み付けられた際、ケース上部開口部20iとケース下部開口部10iによって作られる貫通穴をケース開口部2と呼称する。そのケース開口部2には、転写ヘッド80が位置している。その転写ヘッド80は、長方体の板状を成しており、弾性変形が可能な材質を用いている。また、転写ヘッド80の前方端部には、断面形状がほぼ三角形状の押圧部80aが形成されている。更に、転写ヘッド80の押圧部80aより後方にあって、転写ヘッド80の前方部の幅方向の両側部には、ほぼ三角形状であって矢印形状を成したテープガイド80bが形成されている。また、テープガイド80bの前記矢印形状の後端部にあって、その両側面には、テープガイド80bと同様の肉厚を持った突起80cがそれぞれ形成されている。尚、転写ヘッド80が転写具ケース1へと組み付けられる際は、転写具ケース上部の転写ヘッド把持部10jと転写具ケース下部の転写ヘッド把持部20jの「コ」の字型の溝に、転写ヘッド80の突起80cが各々嵌合され、転写ヘッド80は転写具ケース1へと固定されるように構成されている。
【0013】
ここで、前記ブレーキ摺動穴10kには、ブレーキボタン90が位置している。そのブレーキボタン90は、四隅が丸みを帯びた長方体の板状を成しており、その中央部には円柱形状を成した組み付け部90aが立設されている。
また、その組み付け部90aは、ブレーキパッド取付部材100の組み付け部100bに圧入されるように嵌合されている。
そのブレーキパッド取付部材100は長方体状を成したパッド取付部100aを有し、そのパッド取付部100aと反対の面であって、その中央部には円筒形状を成した組み付け部100bが立設されている。
また、パッド取付部100aに対して、ブレーキパッド100は取り付けられている。そのブレーキパッド110はパッド取付部100aと同様の面形状をした長方体状を成しており、摩擦係数が高い弾性体で形成されている。尚、そのブレーキパッド110は、パッド取付部100aに対して取り外し可能に取り付けられている。
また、コイルスプリング120は、ブレーキパッド取付部材100の組み付け部100bに軸支される形で取り付けられ、ブレーキボタン90とブレーキパッド100の間に位置している。
尚、転写具ケース1とブレーキボタン90、ブレーキパッド取付部材100、ブレーキパッド110、コイルスプリング120が組み付けられる際には、まずブレーキパッド110をパッド取付部100aに対して組み付け、ブレーキパッド取付部材100の組み付け部100bを転写具ケース下部10のブレーキ摺動穴10kに対して摺動可能に組み合わせる。その際、ブレーキパッド取付部材100のパッド取付部100a側を転写具ケース1内にしておき、組み付け部100bの天面側は転写具ケース1の外部にくるよう配置しておく。次に、コイルスプリング120を、ブレーキパッド取付部材100の組み付け部100bに軸支される形で取り付け、この時、コイルスプリング120は転写具ケース1の外部に配置した格好となる。最後に、ブレーキボタン90は、組み付け部90aをブレーキパッド取付部材100の組み付け部100bに対してコイルスプリング120を挟む形で組み付けられる。
尚、本実施例では、転写具ケース下部10、転写具ケース上部20、中間ギア30、巻取ギア40、巻取コア50、繰出ギア60、転写テープ70、転写ヘッド80、ブレーキボタン90、ブレーキパッド取付部材100、ブレーキパッド110、コイルスプリング120の12部品で構成されている。
【0014】
次に、本実施例の作用について図4、図5を基に説明する。転写テープ70の転写時において、繰出ギア60より繰出された転写テープ70は、組み付け部10hに向かって送出され、転写具ケース1の内壁側と組み付け部10hの間であって組み付け部10hの側面に接触しながら通過し、折り返されながら転写ヘッド80へと向かう。そして、転写テープ70は、転写ヘッド80の下面を通過し、押圧部80aで接触しながら折り返され、その折り返された転写テープ70は、巻取コア50の巻取り部50bによって巻き取られる構成となっている。
尚、本構成では転写テープ70が組み付け部10h、押圧部80aへと接触しながらテープが折り返される構成となっているが、その際は転写テープ70の基材テープT側の面が接触している為、転写塗膜S側の面には触れる事がないので、転写塗膜Sの傷付き・汚れ等が防止されている。
【0015】
本機構で転写物を転写する場合には、一般的な転写具と同様、転写具ケース1を把持し、転写ヘッド80の押圧部80aを転写対象面に接地させて転写させる動作によって転写塗膜Sが転写対象面へと転写される仕組みとなっており、転写ヘッド80の押圧部80aを転写対象面から離すことで転写塗膜Sを切断できる機構となっている。
また、本機構の特徴として転写塗膜Sを切断させる際には、前記転写対象面から転写ヘッド80の押圧部80aを離す方法の他、切断したい箇所で転写具ケース1の外部に設けられたブレーキボタン90を転写具ケース1の内部側へと押込む操作を行い、かつ、転写動作を続行すると、前記ブレーキボタン90を押込む操作を行った箇所から塗膜Sの切断ができる仕組みとなっている。
以下、具体的に説明する。前記ブレーキボタン90を転写具ケース1の内部側へと押込む操作を行うと、ブレーキボタン90に対して組み付けられているブレーキパッド取付部材100、ブレーキパッド110も連動して動作し、そのブレーキパッド110が巻取りギア40の外周面へと接触する。即ち、そのブレーキパッド110は、摩擦係数が高い弾性体で形成されている為、ブレーキパッド110と巻取ギア40が接触している状態においては、巻取ギア40の回転が阻止されているのである。
また、巻取ギア40の回転が阻止されると、それに連動してお互いに噛み合って動作している中間ギア30と繰出ギア60の回転も止まり、その繰出ギア60の回転が止まると、転写テープ70を繰出す行為が阻止されるようになる。よって、転写具ケース1の外部に設けられたブレーキボタン90を転写具ケース1の内部側へと押込む操作を行う事で、ブレーキパッド110と巻取ギア40を接触することとなり、連動して繰出ギアの回転が阻止されて転写テープ70を送出することが出来なくなる。つまり、前記状態で転写動作を行っても転写テープ70が繰出されることはない為、ブレーキボタン90を押込んで転写動作を行う事で、その地点より必然的に転写塗膜Sの切断が出来るように構成されている。
尚、前記転写塗膜Sの切断方法を行うと、一般的な転写塗膜Sを転写対象面から離して切断させる方法より明らかに有意な効果を得る事ができる。
【0016】
一般的な塗膜切断の方法では、前述もしたように、「押圧箇所から塗膜が切断できない。」、「テープの切れ方が不揃いになる。」、「塗膜の端部が浮いてしまう。」と言う問題が生じる。その他、転写ヘッド80を転写対象面から離す方向によっては、転写塗膜Sが、転写ヘッド80の先端(押圧部80a付近)に位置しないだけではなく、転写塗膜Sが基材テープTから剥離する問題がある。この様な現象が発生してしまうと、例えば、塗膜転写具が修正テープである場合には、「消したい文字まで修正塗膜が来ない。」、「塗膜端が浮いてしまう。」、「消したい文字よりも先まで修正塗膜が貼られてしまう。」、「塗膜が転写ヘッド先端にない為、貼り出し時の転写荷重が重くなる。」、「貼り終わりが汚い。」等、様々な弊害をもたらすこととなる。
しかしながら、本実施例の容易にブレーキボタン90を操作し、転写塗膜Sを切断する操作方法であると、塗膜を切断させる際に転写ヘッドを転写対象面から離す必要がなく、さらに転写対象面へと押圧荷重を掛けながら塗膜を切断できる為に前記問題点が全て解消されることとなる。
また、前記塗膜切断操作によって塗膜Sの貼り終わりが綺麗に切断される事により、再び転写具を使用する際の貼り始めの塗膜も綺麗な状態で引き出すことが可能となる。
尚、ブレーキボタン90はコイルスプリング120の弾性的性質によって、転写具ケース1に押込む動作を止めると元の状態へと復元するよう設計されている。その為、ブレーキボタン90を転写具ケース1へと押込んだ状態以外の場合は、ブレーキパッド110と巻取ギア40を接触することがない為、各回転運動を行う部品の回転が阻止されることもない。
【0017】
また、転写テープ70の繰出ギア60に対する巻付け径が巻取コア50より大きい時でも、繰出ギア60からのテープ引出し速度よりも巻取コア50によるテープ巻取り速度が速くなるように設計しているため、常に巻取コア50が繰出ギア60よりも多く転写テープ70を巻き取る働きをしている。その結果、使用済みの転写テープ70を巻取コア50に確実に巻取ることができるようになっており、余計に転写テープ70を巻き取ろうとしても、巻取コア50の回転軸部50aと巻取ギア40のスリップ部40eがスリップする為、転写テープ70を余計に巻き取ろうとする力を緩和するように設計されている。
また、本実施例では、転写対象面へと塗膜を転写する際、転写テープ70を繰出ギア60から送出する仕組みとなっているが、テープを繰出す回転方向と逆方向には繰出ギア60が回転しないように、転写具ケース下部10の放射状溝10dと繰出ギア60の係合爪60fが噛み合って逆回転が防止されている。さらに、前記逆回転防止構造だけでは、歯車伝達機構である中間ギア30、巻取ギア40、繰出ギア60の回転が阻止されるだけとなっている為、巻取コア50の逆回転も防止させなくてはならない。その為、前記構成と同様にして、転写具ケース上部20の放射状溝20dと巻取コア50の係合爪50fとで逆回転が防止されている。上記構成を採ることによって、例えば転写する際の転写ヘッド80の向きが逆であって、間違った転写操作をしても、テープ弛みを生じさせることがない。
【0018】
以上の構成が基本的な構成であるが、さらに具体的に説明する。前記転写具ケース1は、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリルニトリル・ブジタエン・スチレン共重合体、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂などの樹脂成型品となっている。また、転写具ケース1を構成する肉厚としては、0.5mm〜2.0mmの範囲が好ましい。ちなみに、2.0mmを超えてしまうと、成形後にその成形品が冷えにくくなってしまい、厚みが0.5mm未満であると、強度が損なわれてしまう危険性がある。
前記転写テープ70は、基材としての合成樹脂の基材テープTの表面に、文字修正用塗膜、装飾用着色塗膜、接着用粘着膜、蛍光塗膜等の接着性を有する転写塗膜Sを備えている。その転写テープ70は、繰出ギア60のテープ巻付け部60bに巻付けられており、繰出ギア60から繰出された転写テープTを、前記転写ヘッド80によって転写テープ70の裏面側から紙等の被転写面に押圧して、転写塗膜Sを被転写面に転写するのである。
また、その転写ヘッド80を通過した後の使用済みの転写テープT(基材である転写テープ)は、巻取コア50によって巻取られる。尚、前記転写ヘッド80には、摺動性、耐久性、柔軟性を加味し、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、金属(ステンレス、真鍮、ピアノ線等)等の素材を用いるのが好ましい。
前記中間ギア30、巻取ギア40、巻取コア50、繰出コア60、ブレーキボタン90、ブレーキパッド取付部材100の材質としては、摺動性、耐久性のあるポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリルニトリル・ブジタエン・スチレン共重合体、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂などの樹脂材料を用いるのが好ましい。
【0019】
次に、図6、図7、図8の図面に基づき第2実施形態の転写具の構成について説明する。
前記第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施例では、前記実施例1と異なり、実施例1のブレーキボタン90、ブレーキパッド取付部材100、ブレーキパッド110、コイルスプリング120が省略された構成となっている。これら4部品の代用として弾性復元が可能なブレーキボタン130が追加され、さらに、実施例1のブレーキ摺動穴10kの形状を変更し、長方形状の貫通穴としてブレーキ摺動穴10lが空いている。尚、転写具ケース下部10の外観部にあって、ブレーキ摺動穴10lの部分には、ブレーキ摺動穴10lより幅広の長方形状の溝としてブレーキボタン取付部10mが設けられている。
前記ブレーキボタン130は、その外観上おおよそ「T」字型の形状を成しており、その厚さはブレーキ摺動穴10lの穴の高さと同じである。その「T」字の両端側は、「T」字の下方に対して長方形状にケース取付部130aが貫通穴として空けられている。
尚、転写具ケース1としてブレーキボタン130が組み付けられた際には、転写具ケース下部10のブレーキボタン取付部10mに対して、ブレーキボタン130のケース取付部130aが取り付け固定されている。そのブレーキボタン130の材質は、前記実施例1のブレーキパッド110と同様に、摩擦係数が高い弾性体で形成されており、指で軽く押すと変形する程度の弾性体である。
【0020】
次に、本実施例の作用について図9、図10を基に説明する。尚、転写テープの送出経路、転写方法、転写テープの逆転防止方法等の説明は、前記第1実施形態と同様の作用である為その省略をする。
本機構で転写物を転写する場合には、一般的な転写具と同様、転写具ケース1を把持し、転写ヘッド80の押圧部80aを転写対象面に接地させて転写させる動作によって転写塗膜Sが転写対象面へと転写される仕組みとなっており、転写ヘッド80の押圧部80aを転写対象面から離すことで転写塗膜Sを切断できる機構となっている。
また、本機構の特徴として転写塗膜Sを切断させる際には、転写対象面から転写ヘッド80の押圧部80aを離す方法の他、転写塗膜Sを切断したい場合には、切断したい箇所で転写具ケース1の外部に設けられたブレーキボタン130を転写具ケース1の内部側へと押込む操作を行い、かつ、そのまま転写動作を続行すると、ブレーキボタン130を押込む操作を行った箇所から塗膜切断できる仕組みとなっている。
以下、具体的に説明する。まず、前記ブレーキボタン130の天面部を転写具ケース1の内部側へと押込む操作を行うと、前記ブレーキボタン130は「T」字の両端部が転写具ケース下部10のブレーキボタン取付部10mに対して取付固定されている為、その両端部を支点とし、天面部だけがケース1の内部側へと変形移動する。すると、その天面部の変形移動と共に、ブレーキボタン130の「T」字の下方部分も転写具ケース1の内部側へと移動し、最終的には巻取りギア40の外周面へと接触することとなる。そのブレーキボタン130は、摩擦係数が高い弾性体で形成されている為、ブレーキボタン130と巻取ギア40が接触している状態においては、その摩擦力によって巻取ギア40の回転が阻止されているのである。
【0021】
また、巻取ギア40の回転が阻止されると、それに連動してお互いに噛み合って動作している中間ギア30と繰出ギア60の回転も止まり、繰出ギア60の回転が止まると、転写テープ70を繰出す行為が阻止されるようになる。よって、転写具ケース1の外部に設けられたブレーキボタン130を転写具ケース1の外部から内部側へとボタンを押込む操作を行う事で、ブレーキボタン130の「T」字部分の両端が変形して巻取ギア40と接触することとなり、それに連動して繰出ギア60の回転が阻止されて転写テープ70を送出することが出来なくなる。つまり、前記状態で転写動作を行っても転写テープ70が繰出されることはない為、ブレーキボタン130を押込んで転写動作を行う事で、その地点より必然的に転写塗膜Sの切断が出来るように構成されている。
尚、ブレーキボタン130は、その部品自体の弾性的性質によって、転写具ケース1に押込む動作を止めると元の状態へと復元するよう設計されている。その為、ブレーキボタン130を転写具ケース1へと押込んだ状態以外の場合は、ブレーキボタン130と巻取ギア40を接触することがない為、各回転運動を行う部品の回転が阻止されることもない。
また、本実施例では、第1実施形態と比較するとブレーキボタン90、ブレーキパッド取付部材100、ブレーキパッド110、コイルスプリング120の4部品をブレーキボタン130の一部品で代用している。つまり、本実施例で用いたブレーキボタン130の形状にすることで、4部品時とほぼ同等の機能をブレーキボタン130に持たせている為、部品点数の面で大幅なコストダウンを図ることができる。
【0022】
次に、図11、図12、図13、図14の図面に基づき第3実施形態の塗膜転写具の構成について説明する。前記第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。
カートリッジケース3は、カートリッジケース下部200とカートリッジケース上部210より構成されている。前記カートリッジケース下部200は、前方から後方にかけて幅広となる長方体形状を成した板状部となっており、その後方部は丸みを帯びた形状をしている。そのカートリッジケース下部200の中央部より後方には、円筒形状を成した回転軸200aが立設されており、繰出コア220が軸支されている為、回転自在となっている。その繰出コア220は、内径が同一の大円筒部220aと小円筒部であるテープ巻付け部220bとで構成されている。尚、テープ巻付け部220bの高さは、転写テープ70の幅よりも高い。また、大円筒部220aの外周には、大円筒部220aの厚さよりも幅が狭い溝であるベルト巻付け部220cが彫られている。
また、前記カートリッジケース下部200の中央部より前方には、円柱形状を成した回転軸200bが立設されており、巻取コア230が軸支され、回転自在となっている。その前記巻取コア230は、円筒形状を成したテープ巻取り部230aを有しており、その天面近傍の外周部には、ベルト巻付け部230iが形成されている。
また、テープ巻取り部230aの外周であって、その底面部にはテープ巻取り部230aよりも外径が大の円筒部230bを有している。さらに、テープ巻取り部230aの外周であって、ベルト巻付け部230iの下方には、テープ巻取り部230aよりも外径が大の円筒部230cを有している。尚、前記円筒部230bと円筒部230cで挟まれたテープ巻取り部230aの高さは、少なくとも転写テープ70の幅よりも高く形成されている。
また、前記円筒部230bにあって、円筒部230bの外径内でテープ巻取り部230aの外径以上の面のほぼ中間には、弾性変形が可能な係合部230dが形成されており、その前記係合部230dは、円筒部230bに「コ」の字型の溝230eを円弧状に形成することによって、円弧状の係合部230dとしている。その係合部230dの先端には、係合爪230fが形成されており、その係合爪230fは、円筒部230bの底面から突出した状態で形成されており、カートリッジケース下部200に形成された放射状溝200cと係脱可能に係合している。
さらに、前記テープ巻取り部230aの天面には、外径がテープ巻取り部230aの内径よりも大である円柱部230gが立設されている。その円柱部230gの天面には、「−」形状の溝230hが中央部に彫られた形で形成されている。
尚、繰出コア220と巻取コア230は、動力伝達ベルト240によって、一方が回転すると、もう一方も回転するように、ベルト巻付け部220cとベルト巻付け部230iに断面形状が円のゴムベルトが巻回されている。
前記カートリッジケース下部200に形成された放射状溝200cは、円筒の天面に放射状の溝が切られた形状を成しており、その内径は回転軸200bの外径より大であり、その外径は巻取コア230に設けられた「コ」の字型の溝230eの円弧部の直径よりも大である。また、カートリッジケース下部200の後端部であって、その中央には円筒形状を成した組み付け部200dが形成されている。さらに、カートリッジケース下部200の前方端部近傍にも円筒形状を成した組み付け部200eが形成されている。また、カートリッジケース下部200の前方端部には、「T」字型の凹凸部200fが形成されている。
【0023】
一方、カートリッジケース上部210は、カートリッジケース下部200とほぼ同等の長さを有した長方体の板状形状を成している。また、カートリッジケース上部210の中央部より後方には、円柱形状をした組み付け部210aが形成されており、カートリッジケース下部200の回転軸200aと組み付けられる構成となっている。さらに、カートリッジケース上部210内の中央部より前方には、円形状の穴として、巻取コア受軸210bが貫通穴として空いており、巻取コア230の円柱部230gを軸として回転自在に嵌まるよう構成されている。
また、カートリッジケース上部210には、円柱形状を成した組み付け部210c、組み付け部210dが形成されており、組み付け部210cがカートリッジケース下部200の組み付け部200eと組み付けられ、組み付け部210dがカートリッジケース200dと組み付けられるよう構成されている。さらに、カートリッジケース上部210の前方端部には、カートリッジケース下部200と同形状の、「T」字型の凹凸部210eが形成されている。
また、転写ヘッド250は、前記凹凸部210eに対して、その凹凸部で固定されるように位置している。その転写ヘッド250は、長方体の板状を成しており、弾性変形が可能な材質を用いており、その転写ヘッド250の前方端部には、断面形状がほぼ三角形状の押圧部250aが形成されている。また、その転写ヘッド250の押圧部250aより後方にあって、転写ヘッド250の前方部の幅方向の両側部には、ほぼ三角形状を成したテープガイド250bが形成されている。尚、転写ヘッド250の後方端部には、「H」型の形状を成したカートリッジ組み付け部250cが形成されている。
【0024】
ここで、本実施例のカートリッジ4の構成部品としては、カートリッジケース下部200、カートリッジケース上部210、繰出コア220、巻取コア230、動力伝達ベルト240、転写ヘッド250、転写テープ70の以上7部品で構成されている。また、前記7部品がカートリッジ4として組み付けられる場合には、カートリッジケース下部200を基準とすると、転写テープ70が巻き付けられた繰出コア220が回転軸200aに回転自在に取り付けられる。同様に、巻取コア230は回転軸200bに回転自在に取り付けられ、繰出コア220と巻取コア230は、動力伝達ベルト240によって、一方が回転すると、もう一方も回転するように、ベルト巻付け部220cとベルト巻付け部230iに動力伝達ベルト240が巻回される。
そして、カートリッジケース下部200の「T」字型の凹凸部200fに対して、転写ヘッド250の「H」型の形状を成したカートリッジ組み付け部250cがカートリッジケース下部200の外部に押圧部250aが頭を出すような格好で嵌まる。最後に、カートリッジケース上部210の組み付け部210a、巻取コア受軸210b、組み付け部210c、組み付け部210dが、各々回転軸200a、円柱部230g、組み付け部200e、組み付け部200dへと組み付けられるよう構成されている。以上が、カートリッジ4の構成である。
【0025】
次に、本体ケース5の構成について説明する。本体ケース下部260は、底面がカートリッジケース下部200と同形状である有底の箱型形状を成している。その本体ケース下部260の前方部の壁には、ケース下部開口部260aが貫通穴として形成されている。また、本体ケース下部260のほぼ中央部であって両側面の内壁側には、長方形状を成した嵌合溝260bが形成されている。
一方、本体ケース上部270は、本体ケース下部260と同形状である有底の箱型形状を成している。その本体ケース下部270の前方部の壁には、ケース上部開口部270aが貫通穴として空いている。また、本体ケース上部270底面部の中央部より前方には、円形状の貫通穴として、テープ巻取り溝270bが形成されている。さらに、本体ケース上部270底面部の中央部より後方には、ほぼ楕円形状の貫通穴であるブレーキ摺動穴270cが形成されており、本体ケース上部270にあって前記テープ巻取り溝270b部分には、テープ巻取り溝270bの穴径よりも内径が大である円筒部材として、クリアランス部材270dが形成されている。また、本体ケース上部270のほぼ中央部であって両側面の壁側には、長方形状を成したスリット穴270eが形成されており、本体ケース上部270の底面であって、前記スリット穴270eによって壁に形成される長方形状の内壁側には、長方体形状をなした突起270fが本体ケース270の側壁より高い位置まで設けられている。その突起270fの外壁側であって、天面近傍には、断面が三角形状を成した突起として、ケース嵌合リブ270gとして形成されている。
また、前記本体ケース上部270の天面側であって、ブレーキ摺動穴270cには、ブレーキボタン280が配置されている。そのブレーキボタン280は、大円柱部280aと、小円筒部280bより形成されている。また、前記本体ケース上部270のブレーキ摺動穴270cに対して、摺動可能となるようにブレーキパッド取付部材290が取り付けられている。そのブレーキパッド取付部材290は、円柱形状を成したパッド取付部290aと、ブレーキ摺動穴270cとほぼ同形状の外観を持つ円筒部としてブレーキボタン取付部290bより構成されている。
前記パッド取付部290aには、ブレーキパッド300が取り付けられている。そのブレーキパッド300は摩擦係数が高い弾性体で形成されており、その形状は、ブレーキパッド取付部材290のパッド取付部290aの面と同直径の半月形状をした2枚のパッドから成り、半月形状のパッド間の隙間はカートリッジケース上部210の幅より広く構成されている。また、コイルスプリング310は、ブレーキパッド取付部材290のブレーキボタン取付部290bに軸支される形で取り付けられ、ブレーキボタン280とパッド取付部290の間に位置している。
【0026】
尚、本体ケース上部270とブレーキボタン280、ブレーキパッド取付部材290、ブレーキパッド300、コイルスプリング310が組み付けられる際には、まずブレーキパッド300をパッド取付部290aに対して組み付け、ブレーキパッド取付部材290のブレーキボタン取付部290bを本体ケース上部270のブレーキ摺動穴270cに対して摺動可能に組み合わせる。その際、ブレーキパッド取付部材290のパッド取付部290a側を、本体ケース上部270の内側にしておき、ブレーキボタン取付部290bの天面側が本体ケース上部270の外部にくるよう配置しておく。次に、コイルスプリング310を、ブレーキパッド取付部材290のブレーキボタン取付部290bに軸支される形で取り付け、この時にコイルスプリング310が本体ケース上部270の外部に配置した格好となる。最後に、ブレーキボタン280は、小円筒部280bをブレーキパッド取付部材290のブレーキボタン取付部290bに対してコイルスプリング310を挟む形で組み付けられる。
尚、転写具として用いる場合には、前記構成に加えて本体ケース下部260とカートリッジ4を組み合わせればよい。その構成は、本体ケース下部260に対して、カートリッジ4のカートリッジケース下部200を挿入し、次に本体ケース下部260に対して本体ケース上部270を組み付ける。また、前記本体ケース下部260に対して本体ケース上部270を組み付ける際、本体ケース上部270に設けられたケース嵌合リブ270gが、本体ケース下部260の嵌合溝260bに対して嵌合するようになっている。
本実施例では、カートリッジケース下部200、カートリッジケース上部210、繰出コア220、巻取コア230、動力伝達ベルト240、転写ヘッド250、本体ケース下部260、本体ケース上部270、ブレーキボタン280、ブレーキパッド取付部材290、ブレーキパッド300、コイルスプリング310、転写テープ70の13部品で構成されている。
【0027】
次に、本実施例の作用について図15、図16を基に説明する。転写テープ70の転写時において、繰出コア220より繰出された転写テープ70は、転写ヘッド250へと向かい、転写ヘッド250の下面を通過し、押圧部250aで接触しながら折り返され、その折り返された転写テープ70は、巻取コア230のテープ巻取り部230aによって巻き取られる構成となっている。尚、本構成では、転写テープ70が、押圧部250aへと接触し、テープが折り返される構成となっているが、その際、転写テープ70の基材テープT側の面が接触している為、転写塗膜S側の面には触れる事がないので、転写塗膜Sの傷付き・汚れ等が防止されている。
本機構で転写物を転写する場合には、一般的な転写具と同様、本体ケース5を把持し、転写ヘッド250の押圧部250aを転写対象面に接地させて転写させる動作によって転写塗膜Sが転写対象面へと転写される仕組みとなっており、転写ヘッド250の押圧部250aを転写対象面から離すことで転写塗膜Sを切断できる機構となっている。
また、本機構の特徴として転写塗膜Sを切断させる際には、転写対象面から転写ヘッド250の押圧部250aを離す方法の他、転写塗膜Sを切断したい場合には、切断したい箇所で本体ケース上部270の外部に設けられたブレーキボタン280を本体ケース5の内部側へと押込む操作を行い、かつ、そのまま転写動作を続行すると、ブレーキボタン280を押込む操作を行った箇所から塗膜切断できる仕組みとなっている。
以下、具体的に説明する。前記ブレーキボタン280を本体ケース5の内部側へと押込む操作を行うと、ブレーキボタン280に対して組み付けられているブレーキパッド取付部材290、ブレーキパッド300も連動して動作し、ブレーキパッド300は繰出コア220の大円筒部の天面へと接触する。即ち、ブレーキパッド300は、摩擦係数が高い弾性体で形成されている為、ブレーキパッド300と繰出コア220が接触している状態においては、繰出コア220の回転が阻止されているのである。
また、繰出コア220のテープ巻付け部220bには、転写テープ70が直接巻回されている構成である為、繰出コア220の回転が阻止されると、転写テープ70を繰出す行為が阻止されるようになる。よって、本体ケース上部270の外部に設けられたブレーキボタン280を本体ケース の内部側へと押込む操作を行う事で、ブレーキパッド300と繰出コア220が接触し、繰出コア220の回転が阻止されて、転写テープ70を送出することが出来なくなる。つまり、前記状態で転写動作を行っても転写テープ70が繰出されることはない為、ブレーキボタン280を押込んで転写動作を行う事で、その地点より必然的に転写塗膜Sの切断が出来るように構成されている。
尚、ブレーキボタン280はコイルスプリング310の弾性的性質によって、本体ケース5に押込む動作を止めると元の状態へと復元するよう設計されている。その為、ブレーキボタン280を本体ケース5へと押込んだ状態以外の場合は、ブレーキパッド300と巻取コア230が接触することがない為、各回転運動を行う部品の回転が阻止されることもない。
【0028】
また、本実施例においても、転写テープ70の繰出コア220に対する巻付け径が巻取コア230より大きい時でも、繰出コア220からのテープ引出し速度よりも巻取コア230によるテープ巻取り速度が速くなるように設計しているため、常に巻取コア230が繰出コア220よりも多く転写テープ70を巻き取る働きをしている。その結果、使用済みの転写テープ70を巻取コア230に確実に巻取ることができるようになっており、余計に転写テープ70を巻き取ろうとしても、繰出コア220と巻取コア230の動力伝達手段として動力伝達ベルト240が巻回されており、過剰な張力が発生するとスリップする為、転写テープ70を余計に巻き取ろうとする力を緩和するように設計がなされている。
また、本実施例では、転写対象面へと塗膜を転写する際、転写テープ70を繰出コア220から送出する仕組みとなっているが、テープを繰出す回転方向と逆方向には繰出コア220が回転しないように、カートリッジケース下部200の放射状溝200cと巻取コア230の係合爪230fが噛み合って逆回転が防止されている。
上記構成を採ることによって、例えば転写する際に転写ヘッド250の向きが逆であって、間違った転写操作をしても、テープ弛みを生じさせることがない。更に、何らかの要因によって、テープ弛みが発生した場合には、本体ケース上部270のテープ巻取り溝270bより、巻取コア230の「−」形状の溝230hに対して、マイナスドライバーや硬貨等を用いて巻取コア230をテープ巻取り方向へと回転させることで、テープ弛みを解消することができる。
また、本実施例は、前記第1実施形態、第2実施形態と異なり、ブレーキボタンが転写具の側面に配置されているが、これは転写具の持ち方が使用するユーザーによって異なり、その持ち方によってブレーキボタンを押し易い位置が変わってくる為に転写具ケース側面に対してブレーキボタンを配置している。
【0029】
次に、図17、図18、図19の図面に基づき第4実施形態の塗膜転写具の構成について説明する。前記第3実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。
本実施例では前記第3実施形態と異なり、実施例3のブレーキパッド300が省略された構成となり、その代用として繰出コア220とブレーキパッド取付部材290の形状を変更させている。その繰出コア220は、大円筒部220aの天面に、内径がテープ巻付け部220bよりも大で、外径が大円筒部220aの外径とほぼ同等の面に、放射状の溝が切られた放射状溝220dを有している。また、前記ブレーキパッド取付部材290には、前記第3実施形態におけるパッド取付部290aの面と同直径の半月形状をした2枚の突部290cから成り、その突部290cの天面には放射状の溝が形成され、ブレーキパッド部290dとしている。尚、そのブレーキパッド部290dの半月形状のパッド間の隙間は、カートリッジケース上部210の幅より広く構成されている。
また、本実施例では、カートリッジケース下部200、カートリッジケース上部210、繰出コア220、巻取コア230、動力伝達ベルト240、転写ヘッド250、本体ケース下部260、本体ケース上部270、ブレーキボタン280、ブレーキパッド取付部材290、コイルスプリング310、転写テープ70の12部品で構成されている。
【0030】
次に、本実施例の作用について図20、図21を基に説明する。尚、前記第3実施形態と同様の作用である為、転写テープの送出経路、転写方法、転写テープの逆転防止方法、弛み解消機構等の説明は省略する。
本機構で転写物を転写する場合には、一般的な転写具と同様、本体ケース5を把持し、転写ヘッド250の押圧部250aを転写対象面に接地させて転写させる動作によって転写塗膜Sが転写対象面へと転写される仕組みとなっており、転写ヘッド250の押圧部250aを転写対象面から離すことで転写塗膜Sを切断できる機構となっている。
また、本機構の特徴として転写塗膜Sを切断させる際には、転写対象面から転写ヘッド250の押圧部250aを離す方法の他、転写塗膜Sを切断したい場合には、切断したい箇所で本体ケース上部270の外部に設けられたブレーキボタン280を本体ケース5の内部側へと押込む操作を行い、かつ、そのまま転写動作を続行すると、ブレーキボタン280を押込む操作を行った箇所から塗膜切断できる仕組みとなっている。
以下、具体的に説明する。前記ブレーキボタン280を本体ケース5の内部側へと押込む操作を行うと、ブレーキボタン280に対して組み付けられているブレーキパッド取付部材290が連動して動作し、ブレーキパッド部290dが繰出コア220の放射状溝220dと接触することとなる。即ち、ブレーキパッド部290d、及び放射状溝220dには、それらが互いに接触すると嵌り込む突起と溝が放射状に形成されているのである。
また、前記ブレーキパッド取付部材290のブレーキボタン取付部290bは、本体ケース上部270のブレーキ摺動穴270cに対して縦方向に対して摺動可能に組み合わせられており、穴がほぼ楕円形状をしている為に回転が防止されている。その為、ブレーキパッド部290dと放射状溝220dが接触している状態においては、繰出コア220の回転が阻止されている。
さらに、繰出コア220のテープ巻付け部220bには、転写テープ70が直接巻回されている構成である為、繰出コア220の回転が阻止されると、転写テープ70を繰出す行為が阻止されるようになる。よって、本体ケース上部270の外部に設けられたブレーキボタン280を本体ケース5の内部側へと押込む操作を行う事で、ブレーキパッド部290dと放射状溝220dが接触し、繰出コア220の回転が阻止されて、転写テープ70を送出することが出来なくなる。つまり、前記状態で転写動作を行っても転写テープ70が繰出されることはない為、ブレーキボタン280を押込んで転写動作を行う事で、その地点より必然的に転写塗膜Sの切断が出来るように構成されている。
尚、ブレーキボタン280はコイルスプリング310の弾性的性質によって、本体ケース5に押込む動作を止めると元の状態へと復元するよう設計されている。その為、ブレーキボタン280を本体ケース5へと押込んだ状態以外の場合は、ブレーキパッド部290dと放射状溝220dが接触することがない為、各回転運動を行う部品の回転が阻止されることもない。
また、本実施例は、前記第1実施例、第2実施形態と異なり、ブレーキボタンが転写具の側面に配置されているが、これは転写具の持ち方が使用するユーザーによって異なり、その持ち方によってブレーキボタンを押し易い位置が変わってくる為に転写具ケース側面に対してブレーキボタンを配置している。さらに、前記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態と異なり、転写テープを送出する伝達手段の回転を摩擦部材を用いて、その摩擦力を使用して回転制御を行っていない点が異なる。摩擦部材では各コアの回転を止める際に、回転が上手く制御出来ずに滑りが生じたり、摩擦力によってパッドが消耗してしまうが、本実施例では、部品に設けられた凹凸部材によって各コアの回転を止めることで確実に回転を止める事が出来、更に耐久性も向上する。
【0031】
次に、図22、図23、図24の図面に基づき第5実施形態の塗膜転写具の構成について説明する。前記第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。
本体ケース6は、ケース下部400とケース上部410が接合されて構成されている。そのケース下部400の、前方には転写ヘッド420の転写ヘッド軸支部420aを組み付ける為に円筒状に突設された転写ヘッド固定部400aが形成されている。また、その転写ヘッド固定部400aを軸とし、回転自在に取り付けられるように、ブレーキ機構430が組み付けられている。そのブレーキ機構430は板状の形状を成しており、後方に設けられた回転軸部430aが丸穴として空いている。さらに、ブレーキ機構430の板状の両側端には、ガイド壁430bとガイド壁430cを形成されており、ガイド壁430bの外側であって、回転軸部430aよりもやや前方には、ほぼ「L」字型の突起としてバネ部430dが形成されている。前記ガイド壁430bの外側であって、そのバネ部430dの後方には、長方体の突起430eが形成され、その突起430eの天面部付近に断面形状が三角形のブレーキ突起430fが形成されている。このブレーキ突起430fが、後述する逆転防止部450cと噛み合うのである。
前記ケース下部400の中央部より後方には、円筒状の支持円筒400bが設けられ、繰出ギア440が回転自在に軸支されている。尚、前記支持円筒400bの周囲には、前記支持円筒400bを中心とする環状に複数の鋸刃状の溝を形成した逆転防止溝400cが設けられ、前記繰出ギア440に係合爪440aと係合するようになっている。その為、前記繰出ギア440は、転写テープ70のテープ繰出方向のみ回転が許容されるように構成されている。
【0032】
また、前記ケース下部400の中央部より前方には、円筒状の支持円筒400dが設けられ、ブレーキ機構付き巻取ギア450が回転自在に軸支されている。そのブレーキ機構付き巻取ギア450は、小歯車部450aと大歯車部450bとから成り、その大歯車部450bは、前記ブレーキ突起430fと噛合った際、転写テープ70を巻取る際の巻取り方向には回転しないように逆転防止部450cが形成されている。また、そのブレーキ機構付き巻取ギア450は、その大歯車部450bの天面にスリップ部450dが形成されており、巻取コア460がそのスリップ部450dの側面に圧接された状態で嵌合されている。
これにより、巻取コア460は摩擦抵抗を付与された状態で回転自在に軸支され、巻取コア460のスリップ部450dに対する回転方向への摩擦抵抗が付与されると共に、お互いが組み付けられ、また、分解が防止されている構成となっている。
前記巻取コア460は円筒形状を成しており、その天面部には、その円筒よりも直径が大の円柱部460aを有している。尚、その円柱部460aの中心部には、「−」の形状をした貫通穴として、テープ弛み解消機構部460bが形成されている。また、ケース上部410にあって、その中心よりも前方部には、丸穴形状を成した貫通穴として窓穴410aが空いている。
一方、ケース下部400の前方部には、ケース下部開口部400eが形成されているが、ケース下部400の底面であって、かつ、ケース下部開口部400e近傍の下方側面には、ほぼ長方体状を成した突起として、転写ヘッド受部400fが形成されている。また、ケース下部400の底面であって、かつケース下部開口部400e近傍の上方側面には、ほぼ長方体状を成した突起として、ブレーキ機構乗越えリブ400gが形成されている。
尚、転写具として前記部品同士が組み付けられる場合は、まずケース下部400の支持円筒400bに対して転写テープ70が巻回された繰出ギア440が回転自在に組み付けられ、巻取ギア450対して圧接された状態で嵌合された巻取コア460が、巻取ギア450がケース下部400の支持円筒400dに先に組み付けられるような形で回転自在に組み付けられる。
そして、転写ヘッド固定部400aを軸としブレーキ機構430の回転軸部430aが回転自在に取り付けられ、その上から転写ヘッド固定部400aに対して転写ヘッド軸支部420aが組み付けられている。尚、この時に転写ヘッド420は、ケース下部400の転写ヘッド受部400fとブレーキ機構乗越えリブ400gの間に配置されている。
以上のように、ケース下部400に対して各部品が組み付けられた後で、ケース上部410がケース下部400に組み付けられることで、転写具の構成としている。
ケース下部400の側面であって、その前方部には、後述する突起410bと同様なほぼ長方体状の突起400h(図示せず)が形成されており、同様にしてケース上部410の側面であって、その前方部には、ほぼ長方形状の突起410bがそれぞれ形成されている。転写ヘッドカバー470は、転写具として各部品が組み付けられた際に、本体ケース6に対して組み付けられることとなり、本体ケース6の前方部に位置される。その転写ヘッドカバー470は、板状部470aを有しており、その両側面にガイド壁470bとガイド壁470cが立設されている。そのガイド壁470b、470cには、高さ方向ほぼ中間部に長手方向に対する長穴が空いており、それぞれスライド穴470d、スライド穴470eとしている。よって本体ケース6に対して転写ヘッドカバー470を組み付ける際には、本体ケース6に設けられた突起400h、410bに対して転写ヘッドカバーのスライド穴470d、470eが摺動可能に取り付けられるように構成されている。
【0033】
次に、本実施例の作用について図25、図26を基に説明する。転写テープ70の転写時において、繰出ギア440より繰出された転写テープ70は、ケース下部400に立設された組み付け部400iへと向かい、次に転写ヘッド420の下面を通過し、転写ヘッド420先端部の押圧部420bで接触しながら折り返され、その折り返された転写テープ70は、巻取コア460(図示せず)によって巻き取られる構成となっている。尚、本構成では転写テープ70が、押圧部420bへと接触し、テープが折り返される構成となっているが、その際、転写テープ70の基材テープT側の面が接触している為、転写塗膜S側の面には触れる事がないので、転写塗膜Sの傷付き・汚れ等が防止されている。
【0034】
本機構で転写物を転写する場合には、一般的な転写具と同様、本体ケース6を把持し、転写ヘッド420の押圧部420bを転写対象面に接地させて転写させる動作によって転写塗膜Sが転写対象面へと転写される仕組みとなっており、転写ヘッド420の押圧部420bを転写対象面から離すことで転写塗膜Sを切断できる機構となっている。また、本機構の特徴として転写塗膜Sを切断させる際には、転写対象面から転写ヘッド420の押圧部420bを離す方法の他、転写塗膜Sを切断したい場合には、切断したい箇所で転写ヘッド420を転写対象面に対して転写荷重以上の力を加えて押込む操作を行い、かつ、そのまま転写動作を続行すると、転写ヘッド420を押込む操作を行った箇所から塗膜切断できる仕組みとなっている。
以下、具体的に説明する。前記転写ヘッド420を転写荷重以上の力で押込む操作を行うと、転写ヘッド420は転写対象面から上方向に力を受ける事となる。この下方から上方への力によって、転写ヘッド420をガイド壁430bと430cによって把持しているブレーキ機構430も同様に転写対象面より同方向の力を受けることとなる。そして、ブレーキ機構430は、一定の転写荷重であればケース下部400に設けられたブレーキ機構乗越えリブ400gによって、転写対象面から受ける荷重を受けるよう構成されているが、転写荷重以上の力が加わった時にはブレーキ機構乗越えリブ400gを乗り越えるようになっている。
この時、ケース下部400の転写ヘッド固定部400aを回転中心として転写ヘッド420、及びブレーキ機構430も回転する為、ケース下部400の側壁に当接されているブレーキ機構430の「L」字型の突起であるバネ部430dも弾性的に変形する。さらに、転写荷重以上の力が転写ヘッド420に加わると、回転したブレーキ機構430のブレーキ突起430fがブレーキ機構付き巻取ギア450の逆転防止部450cへと係合固定される。この係合によって、ブレーキ機構付き巻取ギア450の回転は阻止され、それと噛合い連動して動作している繰出ギア440の回転も阻止される。
また、繰出ギア440には、転写テープ70が直接巻回されている構成である為、繰出ギア440の回転が阻止されると、転写テープ70を繰出す行為が阻止されるようになる。よって、転写ヘッド420を転写荷重以上の強い荷重で転写対象面に対して押込むと、ブレーキ突起430fがブレーキ機構付き巻取ギア450の逆転防止部450cへと係合固定されて各ギアの回転が阻止される為、転写テープ70を送出することが出来なくなる。つまり、前記状態で転写動作を行っても転写テープ70が繰出されることはない為、ブレーキ突起430fがブレーキ機構付き巻取ギア450の逆転防止部450cへと係合固定された地点より転写対象面に粘着転写された前記転写塗膜Sと、未使用の転写テープ70の転写塗膜Sとの境界部に張力が生じ、前記転写塗膜Sはその境界部で切断されるようになる。
また、前記一連の転写作業が終わると、転写ヘッド420は、ブレーキ機構430によって現状の位置へと復元される。
さらに、具体的に説明する。転写の引き始めから、塗膜の切断作業までの一連の転写作業が終わると、転写ヘッド420を転写対象面より離すこととなる。この時、転写ヘッド420を転写対象面に向けて押圧し、ケース本体6内へと押込む。この転写ヘッド420の押込み動作によって、ケース下部400の転写ヘッド固定部400aを回転中心として転写ヘッド420、及びブレーキ機構430が、ブレーキ機構430のブレーキ突起430fがブレーキ機構付き巻取ギア450の逆転防止部450cへと係合固定される箇所まで回転移動する。また、この時、ケース下部400の側壁に当接されているブレーキ機構430の「L」字型の突起であるバネ部430dは弾性的に変形しており、その弾性的性質により変形はしているが転写ヘッド420が転写対象面へと押圧していない位置まで復元させようとする力が働いている。よって、転写ヘッド420を転写対象面より離すと、ブレーキ機構430のバネ部430dによって元の状態へと復元しようとする力が働く為、ブレーキ突起430fがブレーキ機構付き巻取ギア450の逆転防止部450cへの係合固定部が解除され、転写ヘッド420、及びブレーキ機構430が転写開始前の状態へと復元する。
【0035】
尚、本実施例においても、前記転写テープ70の繰出ギア440に対する巻付け径が巻取コア460より大きい時でも、繰出ギア440からのテープ引出し速度よりも巻取コア460によるテープ巻取り速度が速くなるように設計しているため、常に巻取コア460が繰出ギア440よりも多く転写テープ70を巻き取る働きをしている。その結果、使用済みの転写テープ70を巻取コア460に確実に巻取ることができるようになっており、余計に転写テープ70を巻き取ろうとしても、巻取コア460の内面と巻取ギア450のスリップ部450dがスリップする為、転写テープ70を余計に巻き取ろうとする力を緩和するように設計されている。
また、本実施例では、転写対象面へと塗膜を転写する際、転写テープ70を繰出ギア440から送出する仕組みとなっているが、テープを繰出す回転方向と逆方向には繰出ギア440が回転しないように、ケース下部400の放射状溝400cと繰出ギア440の係合爪440aが噛み合って逆回転が防止されている。更に、何らかの要因によって、テープ弛みが発生した場合には、ケース上部410の窓穴410aから「−」の形状をしたテープ弛み解消機構部460bに対して、マイナスドライバーや硬貨等を用いて巻取コア460を時計回りに回転させることで、テープ弛みを解消することができる。
また、本実施例は、前記第1〜4実施形態と異なり、転写テープを止める手段を転写ヘッドの操作により行っている為、本体の外観部に対してブレーキ機構が突出していない為、不用意にブレーキ機構に触れることがない。
【0036】
次に、図27、図28、図29の図面に基づき第6実施形態の塗膜転写具の構成について説明する。前記実施例1と同様の構成については、その説明を省略する。カートリッジケース7は、カートリッジケース下部500とカートリッジケース上部510が接合されて構成されている。そのカートリッジケース下部500の前方には、突設された転写ヘッド固定部500aが形成されており、転写ヘッド520の転写ヘッド軸支部520aが嵌合固定されている。
また、カートリッジケース下部500の後方には、円筒形状を成した回転軸500bが突設されており、繰出ギア530が軸支されている。その繰出ギア530には、転写テープ70が巻回された繰出コア540が摩擦抵抗を付与された状態で回転自在に軸支され、回転方向への摩擦抵抗が付与されると共に、お互いが組み付けられ、また、分解が防止されている。また、繰出コア540は、円筒形状を成しており、その繰出しコア540の側面には、円盤部が形成されている。そして、その円盤部の周縁部には鋸刃状の突起が複数形成されており、その突起が送出防止部540aとなっている。
さらに、カートリッジケース下部500のほぼ中央には、円筒形状を成した回転軸500cが突設されており、転写テープ70を巻き取る為の巻取ギア550が軸支されている。また、カートリッジケース下部500にあって、回転軸500cと回転軸500bのほぼ中間には、回転軸500dが立設されており、中間ギア560が軸支されている。
尚、前記カートリッジケース下部500、カートリッジケース上部510、転写ヘッド520、繰出ギア530、繰出コア540、巻取ギア550、中間ギア560、転写テープ70の8部品によってカートリッジ8としており、本実施例のカートリッジ8は、それ単体で転写作業が可能となるよう構成されている。
本体ケース前部570は筒状を成しており、その本体ケース前部570にはカートリッジ8が挿入され、そのカートリッジ8を前後に摺動可能としている。
一方、本体ケース後部下部580は、ほぼ箱状を成している。その本体ケース後部下部580の底面であって、ほぼ中央部には壁580aが立設されている。同様に本体ケース後部上部590は、ほぼ箱状を成しており、その本体ケース後部上部590の底面であって、ほぼ中央部には壁590aが立設されている。その壁590aのほぼ中央部には、円柱形状を成したバネ受部590bが形成されている。また、本体ケース後部上部590の底面であって、側面の壁側、且つ、繰出コア540の上方には、長方体状を成したギア受部590cが形成されている。
尚、転写具として使用する場合は、本体ケース前部570に対して、カートリッジ8を挿入し、次に本体ケース後部下部580と本体ケース後部上部590を組み付け、バネ受部590bに対してコイルばね600を取り付けたものを本体ケース前部570に挿入する。その際、カートリッジ8はコイルばね600の弾性力を受けながら、転写具内に収納されるよう構成されている。
また、本実施例では、カートリッジケース下部500、カートリッジケース上部510、転写ヘッド520、繰出ギア530、繰出コア540、巻取ギア550、中間ギア560、本体ケース前部570、本体ケース後部下部580と本体ケース後部上部590、コイルばね600、転写テープ70の12部品で構成されている。
【0037】
次に、本実施例の作用について図30、図31を基に説明する。転写テープ70の転写時において、繰出コア540より繰出された転写テープ70は、転写ヘッド520の下面を通過し、転写ヘッド520先端部の押圧部520bで接触しながら折り返され、その折り返された転写テープ70は、巻取ギア550によって巻き取られる構成となっている。
尚、本構成では転写テープ70が、押圧部520bへと接触し、テープが折り返される構成となっているが、その際、転写テープ70の基材テープT側の面が接触している為、転写塗膜S側の面には触れる事がないので、転写塗膜Sの傷付き・汚れ等が防止されている。
【0038】
本機構で転写物を転写する場合には、一般的な転写具と同様、本体ケース前部570を把持し、転写ヘッド520の押圧部520bを転写対象面に接地させて転写させる動作によって転写塗膜Sが転写対象面へと転写される仕組みとなっており、転写ヘッド520の押圧部520bを転写対象面から離すことで転写塗膜Sを切断できる機構となっている。
また、本機構の特徴として転写塗膜Sを切断させる際には、転写対象面から転写ヘッド520の押圧部520bを離す方法の他、切断したい箇所で転写ヘッド520を転写対象面に対して転写荷重以上の力を加えて押込む操作を行い、かつ、そのまま転写動作を続行すると、転写ヘッド520を押込む操作を行った箇所から塗膜切断できる仕組みとなっている。
以下、具体的に説明する。前記転写ヘッド520を転写荷重以上の力で押込む操作を行うと、転写ヘッド520は転写対象面から上方向に力を受ける事となる。この転写ヘッド520が受ける下方から上方への力によって、カートリッジ8も同方向に力を受けることとなり、カートリッジ8はコイルばね600の弾性力を受けながら転写具内後方へと後退することとなる。そして、そのカートリッジ8は、後退し続けるとカートリッジ8内にある繰出コア540の送出防止部540aと本体ケース後部上部590に凸部として設けられたギア受部590cが係合するようになり、前記送出防止部540aと前記ギア受部590cとが係合するところまで移動する。
この送出防止部540aとギア受部590cの係合によって、繰出コア540の回転は阻止されることとなり、繰出コア540に対して転写テープ70は直接巻回されている構成である為、転写テープ70を繰出す行為が阻止されるようになる。よって、転写ヘッド520を転写荷重以上の強い荷重で転写対象面に対して押込むと、カートリッジ8全体が転写具の後方へと後退する為、送出防止部540aもカートリッジ8の移動と共に後退し、ギア受部590cへと係合固定されて、転写テープ70を送出することが出来なくなる。尚、この送出防止部540aとギア受部590cとが係合固定され、転写テープ70を送出不能にする状態のことをブレーキ状態と称す。つまり、前記ブレーキ状態で転写動作を行っても転写テープ70が繰出されることはない為、ブレーキを掛けた地点より転写対象面に粘着転写された前記転写塗膜Sと、未使用の転写テープ70の転写塗膜Sとの境界部に張力が生じ、前記転写塗膜Sはその境界部で切断されるようになる。尚、転写動作を終了し、転写ヘッド520を転写対象面より離すと、コイルばね600の弾性的性質によって、カートリッジ8は転写動作前の元の位置へと復元するよう設計されている。
また、本実施例では、カートリッジ8の復元方法をコイルばね600の弾性力によって行っているが、例えば、コイルばね600とボールペンに用いられるようなカム機構を組み合わせることによって、カートリッジ8を転写具内に後退させ、ブレーキを掛けた時に音を発生させるようにしても良い。前記構成を採ることによって、使用者に対してブレーキがかかった事を認識させることができる。
【0039】
尚、本実施例においても、前記転写テープ70の繰出コア540に対する巻付け径が巻取ギア550より大きい時でも、繰出コア540からのテープ引出し速度よりも巻取ギア550によるテープ巻取り速度が速くなるように設計しているため、常に巻取ギア550が繰出コア540よりも多く転写テープ70を巻き取る働きをしている。その結果、使用済みの転写テープ70を巻取ギア550に確実に巻取ることができるようになっており、余計に転写テープ70を巻き取ろうとしても、繰出ギア530と繰出コア540がスリップする為、転写テープ70を余計に巻き取ろうとする力を緩和するように設計されている。
【0040】
また、本実施例は、前記第5実施形態と同様、転写テープを止める手段を転写ヘッドの操作により行っているが、転写圧を強くかけただけではブレーキがかからないように構成されている。具体的に説明すると、通常は転写ヘッド530を寝かせた状態で転写を行うが、カートリッジ8の摺動方向は転写具の前後方向のみと限定されている。その為、転写圧を強くかけただけでは、カートリッジ8は前後方向へ摺動しない。よって、カートリッジ8を転写具内後方へと摺動させ、ブレーキをかける際には、転写具を立てた状態で転写対象面に向けて押込む操作が必要となる。
以上により、使用者が明確な意識を持って塗膜切断を行う場合においてのみブレーキをかけることができ、かつ、転写ヘッドに対して不用意に必要以上の転写圧がかかってもブレーキがかかることがない。
【0041】
さらに、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上に記載した前記実施例1〜6で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、材料、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材料などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態におけるケースの形状、各部寸法は、ケース内部の部品等の形状に応じて変更することができる。更に、転写ヘッドは板状の転写ヘッドに限らず、先端側が片状若しくはローラー形状となるヘッド等を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 転写具ケース
2 ケース開口部
3 カートリッジケース
4 カートリッジ
5 本体ケース
6 本体ケース
7 カートリッジケース
8 カートリッジ
S 転写塗膜
T 基材テープ
10 転写具ケース下部
10a 回転軸
10b 回転軸
10c 回転軸
10d 放射状溝
10e 組み付け部
10f 組み付け部
10g 組み付け部
10h 組み付け部
10i ケース下部開口部
10j 転写ヘッド把持部
10k ブレーキ摺動穴
10l ブレーキ摺動穴
10m ブレーキボタン取付部
20 転写具ケース上部
20a 軸受け部
20b 軸受け部
20c 円筒部
20d 放射状溝
20e 組み付け部
20f 組み付け部
20g 組み付け部
20h 組み付け部
20i ケース上部開口部
20j 転写ヘッド把持部
30 中間ギア
30a 回転軸部
40 巻取ギア
40a 回転軸部
40b 巻取りコア受部
40c 歯車
40d 円筒部
40e スリップ部
40f 十字状の貫通穴
50 巻取コア
50a 回転軸部
50b 巻取り部
50c 円筒部
50d 係合部
50e 「コ」の字型の溝
50f 係合爪
60 繰出ギア
60a 回転軸部
60b テープ巻付け部
60c 平歯車部
60d 係合部
60e 「コ」の字型の溝
60f 係合爪
70 転写テープ
80 転写ヘッド
80a 押圧部
80b テープガイド
80c 突起
90 ブレーキボタン
90a 組み付け部
100 ブレーキパッド取付部材
100a パッド取付部
100b 組み付け部
110 ブレーキパッド
120 コイルスプリング
130 ブレーキボタン
130a ブレーキボタン
200 カートリッジケース下部
200a 回転軸
200b 回転軸
200c 放射状溝
200d 組み付け部
200e 組み付け部
200f 「T」字型の凹凸部
210 カートリッジケース上部
210a 組み付け部
210b 巻取コア受軸
210c 組み付け部
210d 組み付け部
210e 「T」字型の凹凸部
220 繰出コア
220a 大円筒部
220b テープ巻付け部
220c ベルト巻付け部
230 巻取コア
230a テープ巻取り部
230b 円筒部
230c 円筒部
230d 係合部
230e 「コ」の字型の溝
230f 係合爪
230g 円柱部
230h 「−」形状の溝
230i ベルト巻付け部
240 動力伝達ベルト
250 転写ヘッド
250a 押圧部
250b テープガイド
250c カートリッジ組み付け部
260 本体ケース下部
260a ケース下部開口部
260b 嵌合溝
270 本体ケース上部
270a ケース上部開口部
270b テープ巻取り溝
270c ブレーキ摺動穴
270d クリアランス部材
270e スリット穴
270f 突起
270g ケース嵌合リブ
280 ブレーキボタン
280a 大円柱部
280b 小円筒部
290 ブレーキパッド取付部材
290a パッド取付部
290b ブレーキボタン取付部
290c 突部
290d ブレーキパッド部
300 ブレーキパッド
310 コイルスプリング
400 ケース下部
400a 転写ヘッド固定部
400b 支持円筒
400c 逆転防止溝
400d 支持円筒
400e ケース下部開口部
400f 転写ヘッド受部
400g ブレーキ機構乗越えリブ
400h 突起
400i 組み付け部
410 ケース上部
410a 窓穴
410b 長方形状の突起
420 転写ヘッド
420a 転写ヘッド軸支部
420b 押圧部
430 ブレーキ機構
430a 回転軸部
430b ガイド壁
430c ガイド壁
430d バネ部
430e 突起
430f ブレーキ突起
440 繰出ギア
440a 係合爪
450 ブレーキ機構付き巻取ギア
450a 小歯車部
450b 大歯車部
450c 逆転防止部
450d スリップ部
460 巻取コア
460a 円柱部
460b テープ弛み解消機構部
470 転写ヘッドカバー
470a 板状部
470b ガイド壁
470c ガイド壁
470d スライド穴
470e スライド穴
500 カートリッジケース下部
500a 転写ヘッド固定部
500b 回転軸
500c 回転軸
500d 回転軸
510 カートリッジケース上部
520 転写ヘッド
520a 転写ヘッド軸支部
520b 押圧部
530 繰出ギア
540 繰出コア
540a 送出防止部
550 巻取ギア
560 中間ギア
570 本体ケース前部
580 本体ケース後部下部
580a 壁
590 本体ケース後部上部
590a 壁
590b バネ受部
590c ギア受部
600 コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写具ケースの内部に転写テープの繰出機構と巻取機構が配置され、前記繰出機構から繰り出された転写テープを押圧部を介して巻取機構に巻回させる転写具であって、前記転写テープの繰り出しを抑制する抑制手段を配置すると共に、その抑制手段を常時は開放しているものの、操作体を操作することによって作動させた転写具。
【請求項2】
前記抑制手段を摩擦部材によってなした請求項1記載の転写具。
【請求項3】
前記抑制手段を噛合によってなした請求項1記載の転写具。
【請求項4】
前記抑制手段の操作部を転写具ケースの側面に配置した請求項1〜請求項3の何れかに記載の転写具。
【請求項5】
前記抑制手段の操作部を、転写テープが巻回された押圧部とした請求項1〜請求項4の何れかに記載の転写具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−245695(P2011−245695A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119796(P2010−119796)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【出願人】(000115119)ユニオンケミカー株式会社 (67)
【Fターム(参考)】