説明

変換電池

【課題】エネルギーの長期保存安定性、蓄積媒体の不要化、電気以外の形態のエネルギーとしても取出し可能なエネルギーの保存、変換手段を提供する。
【解決手段】植物から合成されるエタノールをエネルギーの保存手段とし、これを変換手段により水素に変換して動力源とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来には、リチウムイオン電池、NiCd電池、鉛蓄電池など様々な蓄電池が存在した。しかし長期安定性が無く、充電効率が悪く、輸送性も悪いなどの有様であった。また環境にやさしくないなどの不具合もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の蓄電池は、長期安定性、ケースの仮想化、他のエネルギーでのエネルギー取り出し、他のエネルギー物質との需要、供給の調整、エコエネルギーとの良い相性特性
などが全くできなかった。 また蓄電池自身が環境に優しくない物質の塊であった。
一例として水素を変換後の物質とした場合、水素が漏れなければ100%の長期安定性を有している。このような100%の長期安定性を有する蓄電池は無かった。
また、社会の流れに適切な物質であるエタノールと水素を選択すると、この蓄電池の構造自体が仮想化して蓄電池自体のケース(媒体)が不要となる。この様な入れ物無しの蓄電池はなかった。(従来の蓄電池自身が環境に優しくない物質の塊であった。)
さらに従来の蓄電池は、電気としてエネルギーを取り出すしか無かったが、この蓄電池は、電気エネルギー以外の熱、圧力などの他のエネルギーにて容易にエネルギーを取り出すことができる。
さらにまた、食料や樹脂などの需要と供給のバランスをとり、蓄電池によるエネルギーの供給不足や供給過剰を無くする事もできる蓄電池は、従来なかった。
また、環境にやさしいエコエネルギーとの相性が良い蓄電池はなかった。従来の蓄電池自身が環境に優しくない物質の塊であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1〔請求項1の手段〕
請求項1の変換電池は、
水素よりエネルギーの低いエタノール(アルコール)などの相対低エネルギー物質手段を、
エタノール(アルコール)などより高いエネルギーを有する相対高エネルギー物質手段である水素などに変換する事で電気エネルギーを蓄電する変換電池手段を備える事を特徴とする。
2〔請求項2の手段〕
請求項2の変換蓄電池における前記エンタノール(アルコール)は、
少なくともエタノール(アルコール)生産用の植物を栽培するエタノール(アルコール)用植物手段とを具備し、
さらに、
市場におけるエタノール需要と、食糧需要と、樹脂需要によりその生産量を調整する
植物からエタノールを生産する植物エタノール化手段
エタノール生産用植物を食料として利用する植物食料化手段
エタノール生産用植物から樹脂を生産する植物樹脂化手段
におけるいづれかまたはその組み合わせ
を備える事を特徴とする。
3〔請求項3の手段〕
請求項3の変換電池において、請求項2における(余剰エタノールも含む)エタノールは、
家庭用の暖房、炊事、洗濯、掃除、雑用などに使用する家庭用エネルギー手段であることを特徴とする。
4〔請求項4の手段〕
請求項4の変換電池において、
変換蓄電池からの水素(高エネルギー物質)は、自動車などの工業用などの動力源として使用される事を特徴とする。
5〔請求項5の手段〕
請求項5の変換電池は、
その電気エネルギーを太陽光発電、風力発電、地熱発電、潮力発電などのエコ電気エネルギー手段から得られる電気であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
1〔請求項1の作用および効果〕
請求項1の変換電池は、
水素よりエネルギーの低いエタノール(アルコール)などの相対低エネルギー物質手段を、
エタノール(アルコール)などより高いエネルギーを有する相対高エネルギー物質手段である水素などに変換する事で電気エネルギーを蓄電する変換電池手段を備える事を特徴とするので、
電気エネルギーを社会が必要とする2つのエネルギー準位の違う物質の変換により充電、放電を行うので、ほぼ100%という高い蓄電率を生み出す。さらにこの2つの物質の社会利用を有しているので、広義の蓄電率は、100%を超えることがができる。

2〔請求項2の作用および効果〕
請求項2の変換蓄電池における前記エンタノール(アルコール)は、
少なくともエタノール(アルコール)生産用の植物を栽培するエタノール(アルコール)用植物手段とを具備し、
さらに、
市場におけるエタノール需要と、食糧需要と、樹脂需要によりその生産量を調整する
植物からエタノールを生産する植物エタノール化手段
エタノール生産用植物を食料として利用する植物食料化手段
エタノール生産用植物から樹脂を生産する植物樹脂化手段
におけるいづれかまたはその組み合わせ
を備える事を特徴とするので、
食料、資源、エネルギーの3利用が可能となり、効率が高く、環境負荷が少ないばかりか、環境改善にもなる。

3〔請求項3の作用および効果〕
変換電池において、請求項2における(余剰エタノールも含む)エタノールは、
家庭用の暖房、炊事、洗濯、掃除、雑用などに使用する家庭用エネルギー手段であることを特徴とするので、
エネルギー効率が高い。

4〔請求項4の作用および効果〕
請求項4の変換電池において、
変換蓄電池からの水素(高エネルギー物質)は、自動車などの工業用などの動力源として使用される事を特徴とするので、
エネルギー効率が高い。

5〔請求項5の作用および効果〕
請求項5の変換電池は、
その電気エネルギーを太陽光発電、風力発電、地熱発電、潮力発電などのエコ電気エネルギー手段から得られる電気であることを特徴とするので、
環境負荷が小さい。またエネルギー効率も高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の 変換電池を、図1〜図2に示す実施例または変形例に基づき説明する。
【0007】
〔実施例の構成〕
図1において
変換電池は、変換電池手段を少なくとも備える。
a変換電池手段は、
電気エネルギーを利用して、エタノールから水素を発生させるエタノール水素発生手段を少なくとも備える。この化学反応は、既知の反応を利用して行われる。
b相対低エネルギー物質手段として
植物、ここでは、米である。エタノール(アルコール)用植物手段として米を採用する。米は、通常の米作手段にて水田において製造される。
植物エタノール化手段として米によりエタノールを産生する既知の酒造手段を採用する。
c相対高エネルギー物質手段として
水素を選択する。
電気エネルギー源として太陽電池を採用する。
【0008】
[動作]
太陽電池に光りがあたると電気エネルギーが発生し、その電気エネルギーは、エタノール水素発生手段に注入され、エタノールから水素が発生する。この反応により水素のエネルギーからエタノールのエネルギーを差し引いた分が蓄電される。この時発生した水素は、瓶、水素吸収素材などにて保存される。
【0009】
[効果]
電気エネルギーを社会が必要とする2つのエネルギー準位の違う物質の変換により充電、放電を行う点におき、ほぼ100%という高い蓄電率を生み出す。さらにこの2つの物質の社会利用が多様性を有しているので、広義の蓄電率は、100%を超えるのである。このような電池は、従来に無い。
{ここでの蓄電率は、
ある時刻での社会の必要としている電気エネルギーEsと変換電池の2物質におけるエネルギー差Etにおいて、 (Et/Es)・100 を蓄電率とする。 すると余剰エタノールが存在すれば、蓄電率が100%を超える計算となる。}
さらに
電気が水素という物質により保存されるので、長期安定性がよい。輸送性もよい。環境性も良い。エネルギー性も良い。
余剰エタノールは、エネルギー性、食品性も良い。
さらにまた原料が植物なら食料転換もでき、樹脂転換もできる。
ここで、
電気エネルギーを太陽電池、風力発電、潮力発電、地熱発電のような環境性の良い電源からとるとさらに環境性が良い。そして、従来の太陽電池からの電気エネルギー利用率をはるかに凌ぐ効果を有している。
【0010】
[変形例]
上記例において、エタノールは、米から作ったが、他の物質からでもよい。
【実施例1】
【0011】
第1実施例の変換電池は、少なくとも変換電池手段とを備える。
【0012】
[第1実施例の形態]
第1実施例は、図2のごとくの各手段のいづれかまたはその組み合わせを有する。
【0013】
[構成]
図2のごとく構成をなす。ここで、これら構成手段において、

1 水素よりエネルギーの低いエタノール(アルコール)などの相対低エネルギー物質手段
一例として、米作→米→酒造からなる相対低エネルギー(準位)物質生成手段などを使用して得る。化学合成アルコールはエネルギー効率が悪いが使用はできる。

2 水素などエタノール(アルコール)などより高いエネルギーを有する相対高エネルギー物質手段

変換電池手段 前述のごとくエタノール水素発生手段を使用する。

4 エタノール(アルコール)生産用の植物を栽培するエタノール(アルコール)用植物手段
ここでは、稲、米の生産手段が一例である

5 植物からエタノールを生産する植物エタノール化手段
ここでは、酒造を採用する。 ここで、どのような微生物で、どのような植物を発酵させて得られたアルコールでも良い。

6 エタノール生産用植物を食料として利用する植物食料化手段
ここでは、米を使用したので稲を米に加工する手段が一例である。

7 エタノール生産用植物から樹脂を生産する植物樹脂化手段
5から7の使用は、市場におけるエタノール需要と、食糧需要と、樹脂需要によりその生産量を調整できる。

8 家庭用の暖房、炊事、洗濯、掃除、雑用などに使用する家庭用エネルギー手段

変換蓄電池からの水素(高エネルギー物質)は、自動車、工場などの工業用などの動力源として使用されてもよい。
水素は、会社用、エタノールは民生用がお薦めである。 しかし水素貯蔵用合金などの安全性が確保されれば、民生用としてもお薦めである。

10 変換する電気エネルギーを太陽光発電、風力発電、地熱発電、潮力発電などのエコ電気エネルギー手段から得られる電気であれば、さらに環境負荷特性が良い。

などなど、ひとつひとつの手段は、既知のものであるので、くどくど説明はしない。
【0014】
[動作]
社会がこの図2を利用し始める事が動作である。
【0015】
[効果]
この図2を利用した社会は、エネルギー、資源ともに自給自足となるばかりか、エネルギー、資源輸出もできる。つまり環境負荷が少ないばかりか、環境負荷が−にも成り得るのである。すなわち環境改善となる場合もある。具体的には、火山の爆発によるCO2の発生による地球環境悪化を改善するなどである。このような大きな効果を有する発明は、いままでに無く、もしあったなら地球環境問題は存在していない。
【0016】
[変形例]
上記実施例では、主に米を使用したが、他の物質を使用してエタノールを生産しても良い。
上記実施例では、相対低エネルギー(準位)物質生成手段として米作と酒造を使用したが、他の作物や製造手段を使用しても良い。
【0017】
[総合変形例]
【0018】
エタノールを生産できれば、どのような植物でも微生物でも動物でもよい。またどのような手段でもエタノールを産生できればよい。ただ環境負荷が少なければ少ないほど、この変換電池の変換効率は高くなる。またエタノール以外の相対低エネルギー(準位)物質を使用してもよい。一例として菜種、トウモロコシ、芋、樹木などである。
【0019】
変換する電気は、火力発電、水力発電、太陽電池などの電気エネルギーなどどのような電気エネルギーでも良いが、特にエコ電気エネルギーが特にお薦めである。
【0020】
食品用の植物を栽培する食料様植物手段
樹脂生産用の植物を栽培する樹脂様植物手段
におけるいづれかまたはその組み合わせを使用してもよい。その場合、樹脂や食料とエタノールの生産調整ができ大変、社会環境効率がたかい。
【0021】
ゴミからでるメタンや硫化水素などを使用してもよい。
【0022】
上記実施例または変形例は単独で実施しても良いし、また組み合わせて実施しても良い。また他の用途に使用しても良い。また上記手段に関しても、術者や製造者が取捨選択し使用、製造するなど単独あるいはどのような組み合わせの構成をなしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
人類が面している最大の問題である持続的な成長を成し遂げる事ができるので、現在存在するどの技術より利用すべきものである。

【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】変換電池の一例。
【図2】変換電池の一例。(効率上昇のための種々なオプションを含む)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換電池は、
水素よりエネルギーの低いエタノール(アルコール)などの相対低エネルギー物質手段を、
エタノール(アルコール)などより高いエネルギーを有する相対高エネルギー物質手段である水素などに変換する事で電気エネルギーを蓄電する変換電池手段を備える事を特徴とする変換電池。
【請求項2】
前記変換蓄電池における前記エンタノール(アルコール)は、
少なくともエタノール(アルコール)生産用の植物を栽培するエタノール(アルコール)用植物手段とを具備し、
さらに、
市場におけるエタノール需要と、食糧需要と、樹脂需要によりその生産量を調整する
植物からエタノールを生産する植物エタノール化手段
エタノール生産用植物を食料として利用する植物食料化手段
エタノール生産用植物から樹脂を生産する植物樹脂化手段
におけるいづれかまたはその組み合わせ
を備える事を特徴とする変換電池。
【請求項3】
変換電池において、請求項2における(余剰エタノールも含む)エタノールは、
家庭用の暖房、炊事、洗濯、掃除、雑用などに使用する家庭用エネルギー手段であることを特徴とする変換電池
【請求項4】
請求項1から請求項3のいづれかの変換電池において、
変換蓄電池からの水素(高エネルギー物質)は、自動車などの工業用などの動力源として使用される事を特徴とする変換電池
【請求項5】
請求項1から請求項4のいづれかの変換電池は、
その電気エネルギーを太陽光発電、風力発電、地熱発電、潮力発電などのエコ電気エネルギー手段から得られる電気であることを特徴とする変換電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−68541(P2011−68541A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223496(P2009−223496)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(302008858)有限会社 ミクロデント (28)