説明

変速機操作装置

【課題】ギヤシフト時のショックを効果的に抑制しつつ、制御をより高精度に行うとともに応答性を向上し、しかも大型化を抑制する。
【解決手段】シフト操作用シリンダ3の第1および第2シフト作動用圧力室29,30が
連絡通路44により連通可能とされるとともに、この連絡通路44に圧力差低減用電磁弁45が配設される。そして、この圧力差低減用電磁弁45が開かれて第1および第2シフト作動用圧力室29,30が連通することで、両圧力室29,30の圧力差が低減される。したがって、この圧力差の低減により、ギヤシフトが行われる際、同期機構(シンクロ機構)の同期作動におけるシフト操作用シリンダ3の第1シフト作動用ピストン23の摺動速度を必要時に抑制することができるとともにショックを低減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機のシフト動作を行うためのシフト操作用シリンダおよびセレクト動作を行うためのセレクト操作用シリンダを少なくとも有する変速機操作装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バスやトラック等の大型車両に用いられている大型の変速機においては、変速機の操作力が比較的大きいことから、変速機操作装置のギヤシフトユニット(Gear Shift Unit;GSU)にシリンダを組み込み、このシリンダの作動力を用いて、比較的軽い操作
力で円滑な変速機操作を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。その場合、変速機操作用のシリンダとして、シフト方向の操作を行うシフト操作用シリンダとセレクト方向の操作を行うセレクト操作用シリンダが用いられている。これらのシフト操作用シリンダとセレクト操作用シリンダは、いずれも、ピストン・シリンダ機構から構成されている。そして、エアー通路に設けられた電磁弁が作動されることで、エアータンクからエアー(圧縮空気)がこれらのシフト操作用シリンダおよびセレクト操作用シリンダの各圧力室に供給されるとともに、電磁弁が非作動にされることで、各圧力室に供給されたエアーが大気に排出される。
【0003】
ところで、特許文献1に記載のGSUではオイルダンパが設けられており、ギヤのシフトが行われる際、このオイルダンパのダンパ効果と電磁弁による給気の一定時間の中断とにより、変速機の同期機構(シンクロ機構)の同期作動におけるショックが低減するようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−54875号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、オイルダンパが設けられると、その分、変速機操作装置のコストが高くなるばかりでなく、オイルダンパが比較的大きいことから変速機操作装置の大型化に繋がるという問題がある。また、特許文献1に記載の変速機操作装置ではシリンダの圧力室に対してエアーの供給、排出を行う電磁弁が1つであることから、一般にこの電磁弁には二位置三方電磁弁が使用される。このため、1つのシリンダに対して二位置三方電磁弁がオン・オフ操作されることになり、シリンダの制御をきめ細かくかつより高精度に行うことが難しいという問題がある。更に、二位置三方電磁弁がオフにされると、シリンダ内に供給されていたエアーが一旦すべて排出されてしまうので、シリンダが再び作動されるためには、シリンダ内の圧力が再び所定の圧力に上昇される必要がある。このため、シリンダの再作動に多くの時間が必要となり、変速機操作装置の応答性が良好でないという問題もある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ギヤシフト時のショックを効果的に抑制しつつ、制御をより高精度に行うとともに応答性を向上し、しかも大型化を抑制することのできる変速機操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するために、本発明に係る変速機操作装置は、シフト軸にその軸方向
に摺動可能に設けられたストライカを回動させることにより変速機のシフト動作を行うシフト操作用シリンダと、前記ストライカを前記シフト軸の軸方向に移動させることで前記変速機のセレクト動作を行うセレクト操作用シリンダとを少なくとも備え、前記シフト操作用シリンダが、前記ストライカを回動させるためのシフト作動用ピストンと、前記シフト作動用ピストンによって区画形成されるとともに前記シフト作動用ピストンを作動する圧力流体がそれぞれ供給される第1および第2圧力室とを有する変速機操作装置において、前記第1圧力室と前記第2圧力室とを連通する連絡通路と、前記連絡通路に前記連絡通路を連通遮断する電磁開閉弁と、前記電磁開閉弁を開閉制御する制御部とを備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る変速機操作装置は、前記制御部が、前記シフト作動用ピストンの非作動時に前記電磁開閉弁を閉じるとともに、前記シフト作動用ピストンの作動時に前記シフト作動用ピストンのストロークが予め設定された第1所定値になったとき前記電磁開閉弁を開き、その後前記シフト作動用ピストンのストロークが同期機構の同期開始前の予め設定された第2所定値になったとき前記電磁開閉弁を閉じることを特徴としている。
【0009】
更に、本発明に係る変速機操作装置は、前記制御部が、前記同期機構の同期完了後の予め設定された第3所定値になったとき前記電磁開閉弁を開き、その後前記シフト作動用ピストンのストロークがストロークエンド前の予め設定された第4所定値になったとき前記電磁開閉弁を閉じることを特徴としている。
【0010】
更に、本発明に係る変速機操作装置は、前記第1圧力室が前記第1シフト作動給気用電磁弁を介して圧力流体が供給可能であるとともに前記第1シフト作動排気用電磁弁を介して排気可能であり、前記第2圧力室が前記第2シフト作動給気用電磁弁を介して圧力流体が供給可能であるとともに前記第2シフト作動排気用電磁弁を介して排気可能であり、前記第1シフト作動給気用電磁弁、前記第1シフト作動排気用電磁弁、前記第2シフト作動給気用電磁弁、および前記第2シフト作動排気用電磁弁が、いずれも前記制御部により制御されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
このように構成された本発明に係る変速機操作装置によれば、シフト操作用シリンダの第1および第2圧力室が連絡通路により連通可能とされるとともに、この連絡通路に電磁開閉弁が配設される。そして、この電磁開閉弁が開かれて第1および第2圧力室が連通することで、第1および第2圧力室の圧力差が低減される、したがって、ギヤシフトが行われる際、変速機の同期機構(シンクロ機構)の同期作動におけるシフト操作用シリンダのシフト作動用ピストンの摺動速度を必要時に抑制することができるとともにショックを低減することが可能となる。
【0012】
また、ともに比較的安価な連絡通路および電磁開閉弁が用いられるだけであり、前述の特許文献1に記載の変速操作装置に設けられる比較的高価なオイルダンパが不要となるので、変速機操作装置のコストを従来に比べて低減することができる。
【0013】
更に、比較的コンパクトに形成可能な連絡通路および電磁開閉弁が設けられるだけであるので、オイルダンパが設けられる場合に比べて変速機操作装置の大型化を抑制することができる。
【0014】
更に、シフト操作用シリンダの第1圧力室に対して第1シフト作動給気用電磁弁および第1シフト作動排気用電磁弁が配設されるとともに、シフト操作用シリンダの第2圧力室に対して第2シフト作動給気用電磁弁および第2シフト作動排気用電磁弁が配設される。つまり、1つの圧力室に対して、給気用および排気用の2つの電磁弁が配設される。した
がって、これらの給気用および排気用の2つの電磁弁を制御することで、シフト操作用シリンダの制御をきめ細かくかつより高精度に行うことが可能となる。
【0015】
しかも、第1および第2圧力室の圧力差を低減する電磁開閉弁により、第1および第2圧力室の圧力が制御される場合には、第1および第2圧力室内に供給された圧力流体がすべて排出されるのを抑制できる。これにより、第1および第2圧力室内の圧力を再び所定の圧力に比較的早く上昇させることが可能となる。したがって、シフト操作用シリンダの再作動に必要な時間(つまりシフト時間)を低減することができ、変速機操作装置の応答性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る変速機操作装置の実施の形態の一例の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す例のセレクト操作用シリンダの横断面図である。
【図3】図1に示す例のセレクト操作用シリンダの縦断面図である。
【図4】図1に示す例のセレクト操作用シリンダが作動位置の1つに作動した状態を模式的に示す、図1と同様の図である。
【図5】(A)および(B)は、いずれも圧力差低減用電磁弁が作動した状態を模式的に示す図である。
【図6】圧力差低減用電磁弁の制御のためのフローを示す図である。
【図7】本発明に係る変速機操作装置の実施の形態の他の例におけるセレクト操作用シリンダを示す、図3と同様の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明に係る変速機操作装置の実施の形態の一例の構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例の変速機操作装置1が適用される変速機は、前進7段(1st、2nd、3rd、4th、5th、6th、7th)、後進Rev、および4つのニュートラル位置N1,N2,N3,N4のシフトパターンSPで変速制御される。その場合
、このシフトパターンSPでは、ニュートラル位置N1が1stおよびRevに対応して設定され、またニュートラル位置N2が2ndおよび3rdに対応して設定され、更にニュートラル位置N3が4thおよび5thに対応して設定され、更にニュートラル位置N4が6thおよび7thに対応して設定されている。そして、変速機をこのシフトパターンSPで変速制御するために、変速機操作装置1は、従来の変速機操作装置と同様にセレクト操作用シリンダ2とシフト操作用シリンダ3を備えている。
【0018】
図2は、この例のセレクト操作用シリンダの横断面図、図3はセレクト操作用シリンダの縦断面図である。
図1ないし図3に示すように、セレクト操作用シリンダ2は、シリンダ本体4およびこのシリンダ本体4のシリンダ孔5内に摺動可能に配設されたセレクト作動用ピストン6を備えている。セレクト作動用ピストン6のピストンロッド7にはセレクト作動用レバー8の一端部が相対回動可能に連結されている。このセレクト作動用レバー8の中間部は変速機操作装置1のシリンダ本体4にレバー軸9を中心に回動可能に支持されている。
【0019】
また、セレクト作動用レバー8の、レバー軸9に関してピストンロッド7との連結端と反対側の端にはストライカ10が相対回動可能に連結されている。このストライカ10はシフト軸11にスプライン嵌合されることで、シフト軸11の軸方向に摺動可能にかつシフト軸11と一体的に回転可能に支持されている。したがって、ピストンロッド7が移動すると、セレクト作動用レバー8がレバー軸9を中心に回動してストライカ10がシフト
軸11に沿って摺動するようにされている。その場合、ストライカ10はピストンロッド7の移動方向と逆方向に移動する。シフト軸11はシリンダ本体4に回転可能に支持されている。
【0020】
ストライカ10は、セレクト方向でシフトパターンSPの4つのセレクト位置N1,N
2,N3,N4のいずれかに1つ設定されたときに、設定されたセレクト位置に対応するシフト位置へのシフト操作が可能になっている。
【0021】
ストライカ10とシリンダ本体4との間に、リターンスプリング12が縮設されていて、ストライカ10は図2および図3において左方へ常時付勢されている。すなわち、ストライカ10はリターンスプリング12の付勢力でニュートラル位置N1の方へ常時付勢されている。なお、図示しないが、シリンダ本体4には例えば磁気センサ等からなるセレクト位置検出センサがストライカ10に対向するようにして配設されており、このセレクト位置検出センサでセレクト位置が検出されるようになっている。
【0022】
シリンダ本体4には、セレクト作動用圧力室13がシリンダ孔5のセレクト作動用ピストン6の一側(図1において右側)に位置して設けられている。このセレクト作動用圧力室13はエアー通路14、およびこのエアー通路14と接続するセレクト作動給気用エアー通路15を介して、大気圧より高い圧力(正圧)のエアー(圧縮空気)が貯留されているエアータンク16に接続可能にされている。セレクト作動給気用エアー通路15には常閉の電磁開閉弁からなるセレクト作動給気用電磁弁17が配設されている。したがって、セレクト作動給気用電磁弁17が図1に示すように閉じたときは、セレクト作動用圧力室13とエアータンク16とが遮断されるとともに、セレクト作動給気用電磁弁17が開いたときは、セレクト作動用圧力室13とエアータンク16とがエアー通路14およびセレクト作動給気用エアー通路15を介して連通する。
【0023】
また、セレクト作動用圧力室13はエアー通路14、およびこのエアー通路14と接続するセレクト作動排気用エアー通路18を介して大気に接続可能にされている。セレクト作動排気用エアー通路18には常閉の電磁開閉弁からなるセレクト作動排気用電磁弁19が配設されている。したがって、セレクト作動排気用電磁弁19が閉じたときは、セレクト作動用圧力室13と大気とが遮断されるとともに、セレクト作動排気用電磁弁19が開いたときは、セレクト作動用圧力室13と大気とがエアー通路14およびセレクト作動排気用エアー通路18を介して連通し、セレクト作動用圧力室13が大気へ開放される。セレクト作動用圧力室13が大気へ開放されてセレクト作動用圧力室13内のエアー圧が大気圧となっているときは、リターンスプリング12の付勢力でストライカ10はニュートラル位置N1に設定される。具体的には、図1に示すようにセレクト作動用ピストン6がリターンスプリング12の付勢力でシリンダ本体4に当接するストローク領域の一端(図1において右端)に位置してそれ以上のリターンスプリング12の付勢方向と逆方向(図1において右方)への移動が阻止されることで、ストライカ10はニュートラル位置N1に設定される。
【0024】
そして、セレクト作動給気用電磁弁17が開きかつセレクト作動排気用電磁弁19が閉じるときは、セレクト作動用圧力室13はエアータンク16に連通しかつ大気と遮断される。すると、エアータンク16からエアーがセレクト作動用圧力室13に供給されてセレクト作動用ピストン6が作動する。このセレクト作動用ピストン6の作動により、ストライカ10がリターンスプリング12の付勢力に抗してニュートラル位置N1から他のニュートラル位置N2,N3,N4の方へ移動する。
【0025】
その場合、セレクト作動給気用電磁弁17の故障等の何らかの原因でエアーがエアータンク16からセレクト作動用圧力室13に供給されないときは、前述のようにストライカ
10がリターンスプリング12の付勢力で常時ニュートラル位置N1へ付勢されているので、ストライカ10はニュートラル位置N1に設定されるようになっている。これにより、このような場合にも変速機を前進1stあるいは後進Revに設定可能にして車両を発進できるようにしている。
【0026】
そして、セレクト作動給気用電磁弁17およびセレクト作動排気用電磁弁19を適宜作動制御してセレクト作動用圧力室13内のエアー圧を制御することで、ストライカ10が、セレクト方向で4つのセレクト位置N1,N2,N3,N4のいずれかに1つ設定される
。例えば、図1にはセレクト作動用ピストン6がストロークしなくストライカ10がニュートラル位置N1に位置した状態が示され、また、図4にはセレクト作動用ピストン6が最大にストロークしてストライカ10がニュートラル位置N4へ移動した状態が示されている。このように、この例の変速機操作装置1では、1つのセレクト作動用圧力室13がセレクト作動用ピストン6の一側のみに設けられるので、従来のように2つのセレクト作動用圧力室13がセレクト作動用ピストン6の両側に設けられる変速機操作装置に比べて、セレクト作動用圧力室13へのエアー供給およびエアー排出のための配管と電磁弁とが、1つのセレクト作動用圧力室13に対応する分、削減することが可能となる。これにより、変速機操作装置1が小型コンパクトになるとともにコストが低減する。
【0027】
図1および図4に示すように、シフト操作用シリンダ3は、小径シリンダ孔20およびこの小径シリンダ孔20に連続する大径シリンダ孔21を有する。したがって、小径シリンダ孔20および大径シリンダ孔21は、シリンダ本体4に段部22を有する段付きシリンダ孔として形成されている。この段付きシリンダ孔には、第1および第2シフト作動用ピストン23,24が収容されている。第1シフト作動用ピストン23は大径部25と小
径部26とを有するとともに、第2シフト作動用ピストン24は大径部27と小径部28とを有する。
【0028】
その場合、第1シフト作動用ピストン23の大径部25の受圧面積が第1シフト作動用ピストン23の小径部26の受圧面積より大きく設定されている。また、第1シフト作動用ピストン23の小径部26の受圧面積と第2シフト作動用ピストン24の大径部27の受圧面積との和が、第1シフト作動用ピストン23の大径部25の受圧面積より大きく設定されている。
【0029】
小径シリンダ孔20には、第1シフト作動用ピストン23の大径部25が気密にかつ摺動可能に嵌合されている。また、大径シリンダ孔21には、第2シフト作動用ピストン24の大径部27が気密にかつ摺動可能に嵌合されている。更に、第2シフト作動用ピストン26の小径部28の内周面は第1シフト作動用ピストン23の小径部26の外周面に気密にかつ相対摺動可能に嵌合されているとともに、第2シフト作動用ピストン24の小径部28の外周面は小径シリンダ孔20の内周面に摺動可能に嵌合されている。
【0030】
シリンダ本体4には、第1シフト作動用圧力室29が大径シリンダ孔21に位置して形成されているとともに、第2シフト作動用圧力室30が小径シリンダ孔20に位置して形成されている。その場合、第1シフト作動用圧力室29は第1シフト作動用ピストン23の小径部26と第2シフト作動用ピストン24の大径部27とによって区画形成されているとともに、第2シフト作動用圧力室30は第1シフト作動用ピストン23の大径部25によって区画形成されている。
【0031】
そして、第1および第2シフト作動用ピストン23,24が第1シフト作動用圧力室2
9側(図1において上方)へ移動する際、第1シフト作動用ピストン23の大径部25が第2シフト作動用ピストン24の小径部28に当接しない状態では第1シフト作動用ピストン23のみが第1シフト作動用圧力室29側へ移動し、第1シフト作動用ピストン23
の大径部25が第2シフト作動用ピストン24の小径部28に当接した状態では第1および第2シフト作動用ピストン23,24がともに一体的に第1シフト作動用圧力室29側
へ移動する。また、第1および第2シフト作動用ピストン23,24が第2シフト作動用
圧力室30側(図1において下方)へ移動する際、第2シフト作動用ピストン24の大径部27が段部22に当接しない状態では第1および第2シフト作動用ピストン23,24
がともに一体的に第2シフト作動用圧力室30側へ移動し、第2シフト作動用ピストン24の大径部27が段部22に当接した状態では第1シフト作動用ピストン23のみが第2シフト作動用圧力室30側へ移動する。
【0032】
図1および図3に示すように、第1シフト作動用ピストン23にはシフトロッド31が連結固定されている。このシフトロッド31には、ジョイント部材32がシフトロッド31と一体的に移動可能に固定されている。また、シフト軸11の一端部にはシフト用レバー33の一端部が固定されている、このシフト用レバー33の他端部は、ジョイント部材32に相対回動可能に連結されている。そして、シフトロッド31の直線状の操作力がジョイント部材32およびシフト用レバー33を介してシフト軸11に伝達されることで、シフト軸11が回動されるようになっている。
【0033】
図1に示すように、第1シフト作動用圧力室29はエアー通路34、およびこのエアー通路34と接続する第1シフト作動給気用エアー通路35を介してエアータンク16に接続可能にされている。第1シフト作動給気用エアー通路35には常閉の電磁開閉弁からなる第1シフト作動給気用電磁弁36が配設されている。したがって、第1シフト作動給気用電磁弁36が閉じたときは、第1シフト作動用圧力室29とエアータンク16とが遮断されるとともに、第1シフト作動給気用電磁弁36が開いたときは、第1シフト作動用圧力室29とエアータンク16とがエアー通路34および第1シフト作動給気用エアー通路35を介して連通する。この第1シフト作動給気用電磁弁36は、変速段を前進2nd、4th、6th、および後進Revのいずれかに設定する。
【0034】
また、第1シフト作動用圧力室29はエアー通路34、およびこのエアー通路34と接続する第1シフト作動排気用エアー通路37を介して大気に接続可能にされている。第1シフト作動排気用エアー通路37には常閉の電磁開閉弁からなる第1シフト作動排気用電磁弁38が配設されている。したがって、第1シフト作動排気用電磁弁38が閉じたときは、第1シフト作動用圧力室29と大気とが遮断されるとともに、第1シフト作動排気用電磁弁38が開いたときは、第1シフト作動用圧力室29と大気とがエアー通路34および第1シフト作動排気用エアー通路37を介して連通し、第1シフト作動用圧力室29が大気へ開放される。
【0035】
更に、第2シフト作動用圧力室30はエアー通路39、およびこのエアー通路39と接続する第2シフト作動給気用エアー通路40を介してエアータンク16に接続可能にされている。第2シフト作動給気用エアー通路40には常閉の電磁開閉弁からなる第2シフト作動給気用電磁弁41が配設されている。したがって、第2シフト作動給気用電磁弁41が閉じたときは、第2シフト作動用圧力室30とエアータンク16とが遮断されるとともに、第2シフト作動給気用電磁弁41が開いたときは、第2シフト作動用圧力室30とエアータンク16とがエアー通路39および第2シフト作動給気用エアー通路40を介して連通する(なお、図1には第1シフト作動給気用エアー通路35と第2シフト作動給気用エアー通路40は、エアータンク16に通じるエアー通路の部分が共通エアー通路として示されている。)。この第2シフト作動給気用電磁弁41は、変速段を前進1st、3rd、5th、および7thのいずれかに設定する。
【0036】
更に、第1および第2シフト作動給気用電磁弁36,41は、シフト方向でニューラル
位置N1,N2,N3,N4のいずれかに設定する。すなわち、第1および第2シフト作動
給気用電磁弁36,41がともに開かれると、第1および第2シフト作動用圧力室29,30内には、同圧のエアーが供給される。このとき、前述のように第1シフト作動用ピストン23の大径部25の受圧面積が第1シフト作動用ピストン23の小径部26の受圧面積より大きく設定されることで、第1シフト作動用ピストン23自体には小径部26に作用する力が差し引かれた第1シフト作動用圧力室29側への押圧力が作用される。また、第1シフト作動用ピストン23の大径部25の受圧面積と第2シフト作動用ピストン24の大径部27の受圧面積との和が、第1シフト作動用ピストン23の大径部25の受圧面積より大きく設定されることで、第1および第2シフト作動用ピストン23,24の一体と
なったピストンには大径部27に作用する力が差し引かれた第2シフト作動用圧力室30側への押圧力が作用される。
【0037】
これにより、第1および第2シフト作動用ピストン23,24がそれぞれどの位置にあ
っても、最終的には第2シフト作動用ピストン24の大径部27が段部22に当接するとともに第1シフト作動用ピストン23の大径部25が第2シフト作動用ピストン24の小径部28に当接し、第1および第2シフト作動用ピストン23,24の一体ピストンは図
1に示す状態となる。第1および第2シフト作動用ピストン23,24の一体ピストンの
この状態では、ストライカ10はシフト方向でニュートラル位置N1,N2,N3,N4の
いずれかの位置となる。したがって、第2シフト作動用ピストン24は、ストライカ10をシフト方向でニュートラル位置に設定するニュートラル位置設定ピストンとして機能する。
【0038】
また、第2シフト作動用圧力室30はエアー通路39、およびこのエアー通路39と接続する第2シフト作動排気用エアー通路42を介して大気に接続可能にされている。第2シフト作動排気用エアー通路42には常閉の電磁開閉弁からなる第2シフト作動排気用電磁弁43が配設されている。したがって、第2シフト作動排気用電磁弁43が閉じたときは、第2シフト作動用圧力室30と大気とが遮断されるとともに、第2シフト作動排気用電磁弁43が開いたときは、第2シフト作動用圧力室30と大気とがエアー通路39および第2シフト作動排気用エアー通路42を介して連通し、第2シフト作動用圧力室30が大気へ開放される。
【0039】
更に、図1に示すようにシフト操作シリンダ3の第1および第2シフト作動用圧力室29,30は、連絡通路44により連通可能とされている。この連絡通路44には、常閉の
電磁開閉弁からなる圧力差低減用電磁弁45が配設されている。通常時(非通電時)は、圧力差低減用電磁弁45は閉じて連絡通路44が遮断され、第1および第2シフト作動用圧力室29,30が互いに遮断されるようになっている。また、図5(A)および(B)
に示すように通電時は、圧力差低減用電磁弁45は開いて、連絡通路44が連通される、つまり第1および第2シフト作動用圧力室29,30が互いに連通されるようになってい
る。なお、図5(A)は第1シフト作動用圧力室29内の圧力が第2シフト作動用圧力室30内の圧力よりも高い場合を示し、また、図5(B)は第2シフト作動用圧力室30内の圧力が第1シフト作動用圧力室29内の圧力よりも高い場合を示す。
【0040】
そして、セレクト作動給気用電磁弁17、セレクト作動排気用電磁弁19、第1シフト作動給気用電磁弁36、第1シフト作動排気用電磁弁38、第2シフト作動給気用電磁弁41、および第2シフト作動排気用電磁弁43は、それぞれ図示しない位置センサからのセレクト位置検出信号およびシフト位置検出信号と、ドライバの操作による図示しないチェンジレバーのセレクト位置およびシフト位置の各検出信号に基づいて図示しない電子制御装置(ECU)によって作動(開閉)制御される。また、圧力差低減用電磁弁45は、図示しないストロークセンサによる第1シフト作動用ピストン23のストローク検出信号(つまり、ジョイント部材32のストローク検出信号)に基づいてECUによって作動(開閉)制御される。
【0041】
図6は、圧力差低減用電磁弁の制御のためのフローを示す図である。
チェンジレバーによるシフトチェンジ操作が行われないときは、圧力差低減用電磁弁45は閉じられ、第1および第2シフト作動用圧力室29,30は互いに遮断された状態に
なっている。この状態で、図6に示すようにステップS1でチェンジレバーによりシフトチェンジが行われてシフトチェンジ信号がECUに入力されると、ステップS2でチェンジさせようとする目標シフト位置にストライカ10を移動させるために、ECUは第1および第2シフト吸気用電磁弁36,41および第1および第2シフト排気用電磁弁38,43のうち、対応する電磁弁を作動させてギヤチェンジを開始する。すると、第1および第2シフト作動用圧力室29,30のうち、第1シフト作動用ピストン23がストライカ1
0を目標シフト位置にストロークさせる側のシフト作動用圧力室にエアーが供給される。これにより、第1シフト作動用ピストン23がストライカ10を目標シフト位置に移動させるようにストロークする。このとき、第1および第2シフト作動用圧力室29,30の
うち、他側のシフト作動用圧力室から大気圧の空気が排出される。この第1シフト作動用ピストン23のストロークはストロークセンサにより検出される。
【0042】
ステップS3で第1シフト作動用ピストン23のストロークが予め設定された第1所定値になったか否かが判断される。第1シフト作動用ピストン23のストロークが第1所定値になっていないと判断されると、このステップS3の処理が繰り返される。ステップS3で第1シフト作動用ピストン23のストロークが第1所定値になったと判断されると、ステップS4で図5(A)または(B)に示すように圧力差低減用電磁弁45が開かれる。これにより、第1および第2シフト作動用圧力室29,30は互いに連通する。すると
、第1および第2シフト作動用圧力室29,30のうち、第1シフト作動用ピストン23
がストロークした側と反対側のシフト作動用圧力室のエアー、つまりエアーが供給されたシフト作動用圧力室のエアーが連絡通路44および開いた圧力差低減用電磁弁45を通って第1シフト作動用ピストン23がストロークした側のシフト作動用圧力室へ流動する。したがって、第1および第2シフト作動用圧力室29,30の間の圧力差が低減し、第1
シフト作動用ピストン23のストローク速度が減少する。
【0043】
第1シフト作動用ピストン23が更にストロークして、ステップS5で第1シフト作動用ピストン23のストロークが予め設定された同期開始前の第2所定値になったか否かが判断される。第1シフト作動用ピストン23のストロークが同期開始前の第2所定値になっていないと判断されると、このステップS5の処理が繰り返される。ステップS5で第1シフト作動用ピストン23のストロークが同期開始前の第2所定値になったと判断されると、ステップS6で圧力差低減用電磁弁45が閉じられる。これにより、第1および第2シフト作動用圧力室29,30は互いに遮断される。すると、エアーが連絡通路44を
流動しなくなる。これにより、第1および第2シフト作動用圧力室29,30間の圧力差
が再び増大する。第1シフト作動用ピストン23が更にストロークして同期が開始される。このとき、前述の圧力差が増大に転じてもまだ大きくないので、第1シフト作動用ピストン23のストローク速度がそれほど大きくなく、同期作動におけるショックが抑制される。
【0044】
そして、ステップ7で同期が完了すると、ステップS8で第1シフト作動用ピストン23のストロークが予め設定された同期完了後の第3所定値になったか否かが判断される。第1シフト作動用ピストン23のストロークが同期完了後の第3所定値になっていないと判断されると、このステップS8の処理が繰り返される。ステップS8で第1シフト作動用ピストン23のストロークが予め設定された同期完了後の第3所定値になったと判断されると、ステップS9で圧力差低減用電磁弁45が開かれる。これにより、第1および第2シフト作動用圧力室29,30は再び互いに連通する。すると、第1および第2シフト
作動用圧力室29,30のうち、第1シフト作動用ピストン23がストロークした側と反
対側のシフト作動用圧力室のエアー、つまりエアーが供給されたシフト作動用圧力室のエアーが連絡通路44および開いた圧力差低減用電磁弁45を通って第1シフト作動用ピストン23がストロークした側のシフト作動用圧力室へ流動する。したがって、第1および第2シフト作動用圧力室29,30の間の圧力差が低減し、第1シフト作動用ピストン2
3のストローク速度が減少する。
【0045】
第1シフト作動用ピストン23が更にストロークして、ステップS10で第1シフト作動用ピストン23のストロークが予め設定されたストロークエンド前の第4所定値になったか否かが判断される。第1シフト作動用ピストン23のストロークがストロークエンド前の第4所定値になっていないと判断されると、このステップS10の処理が繰り返される。ステップS10で第1シフト作動用ピストン23のストロークがストロークエンド前の第4所定値になったと判断されると、ステップS11で圧力差低減用電磁弁45が閉じられる。これにより、第1および第2シフト作動用圧力室29,30は互いに遮断される
。すると、エアーが連絡通路44を流動しなくなる。これにより、第1および第2シフト作動用圧力室29,30間の圧力差が再び増大する。第1シフト作動用ピストン23が更
にストロークしてストロークエンドになる。このとき、前述の圧力差が増大に転じてもまだ大きくないので、第1シフト作動用ピストン23のストローク速度がそれほど大きくなく、ストロークエンドにおけるショックが抑制される。
【0046】
次に、ステップS12で、第1および第2シフト吸気用電磁弁36,41および第1お
よび第2シフト排気用電磁弁38,43のうち、ステップS2で作動された電磁弁を非作
動にする(つまり閉じる)ことで、ギヤシフトが完了する。こうして、圧力差低減用電磁弁の制御が終了する。
【0047】
この例の変速操作装置1によれば、シフト操作用シリンダ3の第1および第2シフト作動用圧力室29,30が連絡通路44により連通可能とされるとともに、この連絡通路4
4に電磁開閉弁からなる圧力差低減用電磁弁45が配設される。そして、この圧力差低減用電磁弁45が開かれて第1および第2シフト作動用圧力室29,30が連通することで
、第1および第2シフト作動用圧力室29,30の圧力差が低減される。したがって、ギ
ヤシフトが行われる際、同期機構(シンクロ機構)の同期作動におけるシフト操作用シリンダ3の第1シフト作動用ピストン23の摺動速度を必要時に抑制することができるとともにショックを低減することが可能となる。
【0048】
また、ともに比較的安価な連絡通路44および電磁開閉弁が用いられるだけで、前述の特許文献1に記載の変速操作装置に設けられる比較的高価なオイルダンパが不要となるので、GSUのコストを従来に比べて低減することができる。
【0049】
更に、比較的コンパクトに形成可能な連絡通路44および電磁開閉弁が設けられるだけであるので、オイルダンパが設けられる場合に比べてGSUの大型化を抑制することができる。
【0050】
更に、シフト操作用シリンダ3の第1シフト作動用圧力室29に対して第1シフト作動給気用電磁弁36および第1シフト作動排気用電磁弁38が配設されるとともに、シフト操作用シリンダ3の第2シフト作動用圧力室30に対して第2シフト作動給気用電磁弁41および第2シフト作動排気用電磁弁43が配設される。つまり、1つの圧力室に対して、給気用および排気用の2つの電磁弁が配設される。したがって、これらの給気用および排気用の2つの電磁弁を制御することで、シフト操作用シリンダ3の制御をきめ細かくかつより高精度に行うことが可能となる。
【0051】
しかも、第1および第2シフト作動用圧力室29,30の圧力差を低減する圧力差低減
用電磁弁45により、第1および第2シフト作動用圧力室29,30の圧力が制御される
場合には、第1および第2シフト作動用圧力室29,30内に供給されたエアーがすべて
排出されるのを抑制できる。これにより、第1および第2シフト作動用圧力室29,30
内の圧力を再び所定の圧力に比較的早く上昇させることが可能となる。したがって、シフト操作用シリンダ3の再作動に必要な時間(つまりシフト時間)を低減することができ、GSUの応答性を向上することが可能となる。
【0052】
図7は、本発明に係る変速機操作装置の実施の形態の他の例におけるセレクト操作用シリンダの、図3と同様の縦断面図である。
前述の例のセレクト操作用シリンダ2は、ピストン6がシフト軸11からオフセットされて設けられるとともに、ピストン6のストロークがシフト軸11に摺動可能に嵌合されたストライカ10にセレクト作動用レバー8を介して伝達される、いわゆるレバー方式のセレクト操作用シリンダ2である。これに対して、図7に示すようにこの例のセレクト操作用シリンダ2はセレクト作動用レバー8を用いない直動方式のセレクト操作用シリンダ2である。
【0053】
すなわち、図7に示すようにシリンダ本体4にシリンダ孔5がシフト軸11と同軸に設けられるとともに、シフト軸11を支持する支持部46が一体にかつ外径が等しく形成された円柱部47および円筒部48を含む突状部で構成されている。その場合、これらの円柱部47および円筒部48はシフト軸11と同軸に設けられている。
【0054】
また、ピストン6が円筒状に形成されている。このピストン6は、その外周側がシリンダ孔5の内周面に気密にかつ摺動可能に嵌合されているとともに、その内周側が支持部46の外周面に気密にかつ摺動可能に嵌合されている。これにより、ピストン6はシリンダ孔5内にセレクト作動用圧力室13をピストン6の一端側に位置して区画形成している。更に、ピストン6の他端側がストライカ10に軸方向に当接されている。そして、エアーがセレクト作動用圧力室13に供給されないときは、リターンスプリング12により、ピストン6およびストライカ10が図7に示す非作動位置に設定される。また、エアーがセレクト作動用圧力室13に供給されたときは、このエアーの圧力でピストン6がストライカ10を直接押圧しながら図7において右方へストロークする。これにより、ストライカ10がセレクト方向にストロークする。
この例の変速機操作装置1の他の構成および他の作用効果は前述の例と同じである。
【0055】
なお、前述の例では圧力流体として正圧のエアー(圧縮空気)を用いているが、本発明はこれに限定されることはなく、圧力流体として作動油等の正圧の液体を用いていることもできる。また、前述の例では圧力差低減用電磁弁45の開閉制御のタイミングに第1シフト作動用ピストン23のストローク値を用いているが、同期開始前ではこのタイミングに第1シフト作動用ピストン23のストロークの微分値を用いることもできる。
【0056】
更に、同期後では、このタイミングにギヤの回転数、第1および第2シフト作動用圧力室29,30内の圧力を用いることもできる。例えば、第1および第2シフト作動用圧力
室29,30内の圧力と第1シフト作動用ピストン23の各受圧面積との積の差から第1
シフト作動用ピストン23に作用する力を求め、その力が一定値を越えたとき、圧力差低減用電磁弁45を開くようにする。その他、前述のようにストロークセンサあるいは圧力センサからの検出値の微分値および積分値を用いることも可能である。
要は、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る変速機操作装置は、変速機のシフト動作を行うためのシフト操作用シリンダおよびセレクト動作を行うためのセレクト操作用シリンダを少なくとも有する変速機操
作装置に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
1…変速機操作装置、2…セレクト操作用シリンダ、3…シフト操作用シリンダ、4…シリンダ本体、5…シリンダ孔、6…セレクト作動用ピストン、7…ピストンロッド、8…セレクト作動用レバー、10…ストライカ、11…シフト軸、12…リターンスプリング、13…セレクト作動用圧力室、16…エアータンク、17…セレクト作動給気用電磁弁、19…セレクト作動排気用電磁弁、20…小径シリンダ孔、21…大径シリンダ孔、22…段部、23…第1シフト作動用ピストン、24…第2シフト作動用ピストン、25,
27…大径部、26,28…小径部、29…第1シフト作動用圧力室、30…第2シフト
作動用圧力室、31…シフトロッド、32…ジョイント部材、33…シフト用レバー、36…第1シフト作動給気用電磁弁、38…第1シフト作動排気用電磁弁、41…第2シフト作動給気用電磁弁、43…第2シフト作動排気用電磁弁、44…連絡通路、45…圧力差低減用電磁弁、46…支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフト軸にその軸方向に摺動可能に設けられたストライカを回動させることにより変速機のシフト動作を行うシフト操作用シリンダと、前記ストライカを前記シフト軸の軸方向に移動させることで前記変速機のセレクト動作を行うセレクト操作用シリンダとを少なくとも備え、
前記シフト操作用シリンダが、前記ストライカを回動させるためのシフト作動用ピストンと、前記シフト作動用ピストンによって区画形成されるとともに前記シフト作動用ピストンを作動する圧力流体がそれぞれ供給される第1および第2圧力室とを有する変速機操作装置において、
前記第1圧力室と前記第2圧力室とを連通する連絡通路と、前記連絡通路に前記連絡通路を連通遮断する電磁開閉弁と、
前記電磁開閉弁を開閉制御する制御部とを備えることを特徴とする変速機操作装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記シフト作動用ピストンの非作動時に前記電磁開閉弁を閉じるとともに、前記シフト作動用ピストンの作動時に前記シフト作動用ピストンのストロークが予め設定された第1所定値になったとき前記電磁開閉弁を開き、その後前記シフト作動用ピストンのストロークが同期機構の同期開始前の予め設定された第2所定値になったとき前記電磁開閉弁を閉じることを特徴とする請求項1に記載の変速機操作装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記同期機構の同期完了後の予め設定された第3所定値になったとき前記電磁開閉弁を開き、その後前記シフト作動用ピストンのストロークがストロークエンド前の予め設定された第4所定値になったとき前記電磁開閉弁を閉じることを特徴とする請求項2に記載の変速機操作装置。
【請求項4】
前記第1圧力室は前記第1シフト作動給気用電磁弁を介して圧力流体が供給可能であるとともに前記第1シフト作動排気用電磁弁を介して排気可能であり、
前記第2圧力室は前記第2シフト作動給気用電磁弁を介して圧力流体が供給可能であるとともに前記第2シフト作動排気用電磁弁を介して排気可能であり、
前記第1シフト作動給気用電磁弁、前記第1シフト作動排気用電磁弁、前記第2シフト作動給気用電磁弁、および前記第2シフト作動排気用電磁弁は、いずれも前記制御部により制御されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の変速機操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−92189(P2013−92189A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234010(P2011−234010)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000003333)ボッシュ株式会社 (510)
【Fターム(参考)】