説明

多点検査・施工装置と方法

【課題】多数の箇所を検査・施工することができ、時間を短縮することができ、ツールの種類を追加又は変更した場合でも、装置全体の再構築が不要である多点検査・施工装置。
【解決手段】固有のツール番号I2が設定され、検査・施工位置でワーク1を検査・施工する複数のツール装置12と、検査・施工順序I1、検査・施工位置座標P及びツール番号I2を含む検査・施工情報Aを出力する管理装置16と、検査・施工位置座標P及びツール番号I2を含む指令信号Bを出力する制御装置15と、指令信号Bを位置決め装置20及びツール装置12に通信する通信ネットワーク18と、指令信号Bの検査・施工位置座標Pにツール番号I2に相当するツール装置12を位置決めする位置決め装置20とを備え、位置決め後に指令信号Bのツール番号I2に相当するツール装置12により、位置決めされた検査・施工位置においてワーク1を検査・施工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の箇所を複数のツール装置で検査・施工する多点検査・施工装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを検査・施工するツールと、そのツールをワークに位置決めする位置決め装置とを備えた、種々の自動検査・施工装置が既に提案されている(例えば特許文献1〜9)。
なお、本発明において、検査・施工とは検査又は施工を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−35238号公報、「回転機の自動検査システム」
【特許文献2】特開平7−306165号公報、「X線検査装置およびX線検査補修装置」
【特許文献3】特開平2−163604号公報、「タービン翼自動検査装置」
【特許文献4】特開平10−39084号公報、「超音波探傷装置」
【特許文献5】特開平8−271675号公報、「容器ノズルの検査方法及びその装置」
【特許文献6】特開平8−75717号公報、「超音波探傷装置」
【特許文献7】特開平7−110320号公報、「圧力容器検査装置」
【特許文献8】特開2002−351691号公報、「制御装置及びそれを用いた検査システム」
【特許文献9】特開平11−66281号公報、「画像処理検査装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の自動検査・施工装置は、検査・施工するワークと、検査・施工ツールの種類に応じて専用の位置決め装置と専用の制御装置を準備していた。しかし、この場合、新たに別のツールを使用する場合や、位置決め装置を変更する場合などに、装置全体を新規に再構築する必要があった。
【0005】
また、例えば1万箇所を超える孔を有する大型の熱交換器や蒸気発生装置の管板のように、多数の箇所を複数のツールで検査・施工する場合には、位置決めと複数の検査・施工を短時間で完了する必要があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、多数の箇所を複数のツールで検査・施工することができ、1箇所に要する時間を短縮することができ、ツールの種類を追加又は変更した場合でも、装置全体の再構築が不要である多点検査・施工装置と方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、それぞれ固有のツール番号が設定され、検査・施工位置においてワークを検査・施工する複数のツール装置と、
検査・施工順序、検査・施工位置座標及びツール番号を含む検査・施工情報を出力する管理装置と、
前記検査・施工情報の検査・施工順序の順に、検査・施工位置座標及びツール番号を含む指令信号を出力する制御装置と、
制御装置から位置決め装置及びツール装置に前記指令信号を通信する通信ネットワークと、
前記指令信号の検査・施工位置座標にツール番号に相当するツール装置を位置決めする位置決め装置と、を備え、
指令信号のツール番号に相当するツール装置を位置決め装置により位置決めした後に、位置決めされた検査・施工位置においてワークを検査・施工する、ことを特徴とする多点検査・施工装置が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、(A)複数のツール装置にそれぞれ固有のツール番号を設定し、
(B)管理装置により検査・施工順序、検査・施工位置座標及びツール番号を含む検査・施工情報を出力し、
(C)制御装置により前記検査・施工情報の検査・施工順序の順に、検査・施工位置座標及びツール番号を含む指令信号を出力し、
(D)通信ネットワークを介して、制御装置から位置決め装置及びツール装置に前記指令信号を通信し、
(E)位置決め装置により、前記指令信号の検査・施工位置座標にツール番号に相当するツール装置を位置決めし、
(F)指令信号のツール番号に相当するツール装置を位置決め装置により位置決めした後に、位置決めされた検査・施工位置においてワークを検査・施工する、ことを特徴とする多点検査・施工方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明の装置と方法によれば、それぞれ固有のツール番号が複数のツール装置に設定されているので、管理装置により検査・施工情報を出力し、制御装置により指令信号を出力し、通信ネットワークを介して指令信号を位置決め装置及びツール装置に通信することにより、位置決め装置により、指令信号に含まれる検査・施工位置座標にツール番号に相当するツール装置を位置決めすることができる。
【0010】
また、各ツール装置は、位置決め装置による位置決め後に、位置決めされた検査・施工位置においてワークを検査・施工するので、通信ネットワークを介してツール番号を出力するだけで、該当するツール装置により位置決めされた検査・施工位置においてワークを検査・施工することができる。
【0011】
従って、ツール装置を追加又は変更した場合でも、追加又は変更したツール装置にツール番号を設定するだけで、管理装置により追加又は変更したツール装置を制御することができ、装置全体の再構築が不要である。
【0012】
また、多数の箇所を複数のツール装置で検査・施工する場合でも、位置決め装置によりツール番号に相当するツール装置を順次位置決めすることができるので、位置決めに要する時間を短縮し、1箇所に要する検査・施工時間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が対象とするワークの一例を示す図である。
【図2】本発明による装置の全体構成図である。
【図3】本発明による装置のシステム構成図である。
【図4】本発明による方法の全体フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明が対象とするワークの一例を示す図である。
この図において、ワーク1は、大型の熱交換器又は蒸気発生装置の管板である。この管板1は、例えば直径約4mの円板であり、2万箇所を超えるチューブ用の貫通孔2を有する。貫通孔2の直径は、例えば10〜30mmである。
なお、本発明のワーク1は、このような管板1に限定されず、100を超える多数の箇所を2以上のツールで検査・施工するものであればよい。
【0016】
この例で管板1は、表面が鉛直に位置決めされ、中心Oを原点とする直交2軸(x軸、y軸)が管板1の表面に設定されている。また、z軸は管板1の表面に直交する軸である。
各貫通孔2には伝熱管(チューブ)が裏面から挿入されている。各貫通孔2のx−y座標は、予め計測され既知であり、各貫通孔2における溶接位置も予め既知であるものとする。
【0017】
この場合、本発明による装置により、多数の貫通孔2に対して、a.チューブ位置を計測し、b.チューブを管板1に溶接し、c.溶接部のビード形状を計測し、d.溶接部の写真を撮る必要がある。
この4工程を仮に30秒で実施できるとすると、2万箇所を実施するには、1万分≒167時間≒6.9日が必要となる。
従って、各貫通孔2において必要なすべての工程(検査・施工)をできるだけ短時間に自動でできることが重要となる。
【0018】
図2は、本発明による装置の全体構成図であり、図3は本発明による装置のシステム構成図である。
図2、図3に示すように、本発明の多点検査・施工装置10は、複数のツール装置12、制御装置15、管理装置16、通信ネットワーク18、及び位置決め装置20を備える。
【0019】
複数のツール装置12は、それぞれ固有のツール番号I2が設定され、位置決め装置20による位置決め後に位置決めされた検査・施工位置においてワーク1を検査・施工するようになっている。
また各ツール装置12は、通信ネットワーク18を介してツール番号I2を受信したときに、そのツール番号I2に相当するツール装置12が作動してワーク1を検査・施工し、その結果と終了信号を出力するようになっている。
【0020】
検査・施工とは、この例において、チューブ位置計測、溶接、ビード形状計測、及び写真撮影であり、同一の貫通孔2に対して、a.チューブ位置の計測、b.チューブの管板1への溶接、c.溶接部のビード形状の計測、d.溶接部の写真撮影の4工程を順に実施するようになっている。
【0021】
図3の例において、ツール装置12は、形状計測ツール12A、溶接ツール12B、及び撮影ツール12Cである。
形状計測ツール12Aは、2つの異なる検査・施工(a.チューブ位置の計測とc.溶接部のビード形状の計測)を実施できるようになっており、各検査・施工に異なるモード番号I3が設定されている。
【0022】
また各ツール装置12(形状計測ツール12A、溶接ツール12B、及び撮影ツール12C)は、それぞれツール本体13A,13B,13Cとその制御盤14A,14B,14Cとからなる。
各ツール装置12は、ツール本体13A,13B,13Cの基準位置が貫通孔2の基準位置(例えば中心)に位置決めされたとき、その検査・施工位置においてそれぞれ独立して作動し、それぞれの検査・施工(a.チューブ位置の計測、b.チューブの管板1への溶接、c.溶接部のビード形状の計測、d.溶接部の写真撮影)を実施し、予め設定された検査・施工データ、解析結果及び終了信号を通信ネットワーク18へ出力するようになっている。
【0023】
なお、本発明において、ツール装置12は、上述した例に限定されず、例えば、管孔内径を計測する内径計測ツール、溶接部をX線検査するX線検査ツール、その他のツールであってもよい。
このような予め設定されていないツール装置12を用いる場合、新規のツール装置12に対してそれぞれ固有のツール番号I2と必要な場合にはモード番号I3を設定する。
【0024】
図2、図3において、管理装置16は、例えばコンピュータ(PC)であり、検査・施工順序I1、検査・施工位置座標P(x、y、z)及びツール番号I2を含む検査・施工情報Aを出力する。また、管理装置16は、記憶装置を有しており、各ツール装置12から出力された検査・施工データ及び解析結果を通信ネットワーク18及び制御装置15を介して受信し記憶するようになっている。
なお、制御装置15を介さず、通信ネットワーク18から直接これらのデータを受信してもよい。
【0025】
制御装置15は、例えばコンピュータ(PC)であり、検査・施工情報Aの検査・施工順序I1の順に、検査・施工位置座標P(x、y、z)及びツール番号I2を含む指令信号Bを出力する。
【0026】
また形状計測ツール12Aのように、あるツール装置12に異なるモード番号I3が設定されている場合には、検査・施工情報Aと指令信号Bにモード番号I3を含める。また後述する位置決め装置番号I4が設定されている場合には、検査・施工情報Aと指令信号Bに位置決め装置番号I4を含める。
【0027】
従って、検査・施工情報Aは、検査・施工順序I1、検査・施工位置座標P(x、y、z)、ツール番号I2、モード番号I3、位置決め装置番号I4を含むデータ列であり、指令信号Bは、検査・施工位置座標P(x、y、z)、ツール番号I2、モード番号I3、位置決め装置番号I4を含むデータ列である。
ツール番号I2、モード番号I3、位置決め装置番号I4は、好ましくは正の整数である。しかし、本発明はこれに限定されず、任意の数字又は記号であってもよい。
【0028】
検査・施工情報Aは、同時に多数のデータ列を制御装置15に出力してもよい。この場合、制御装置15はこの検査・施工情報Aを記憶装置に記憶する。
指令信号Bは、検査・施工情報Aの検査・施工順序I1の順に、単一のデータ列である指令信号Bを通信ネットワーク18に出力し、各ツール装置12から出力された終了信号を受信するまで待機する。
なお、複数の位置決め装置20を用い、相互の干渉が回避できる場合には、複数の位置決め装置20に相当する複数の指令信号Bを出力してもよい。
【0029】
通信ネットワーク18は、例えばLANであり、制御装置15から位置決め装置20及びツール装置12に指令信号Bを通信する。また、双方向の通信が可能であり、各ツール装置12から出力された検査・施工データ、解析結果及び終了信号は、通信ネットワーク18を介して制御装置15及び管理装置16に送信される。
【0030】
位置決め装置20は、指令信号Bの検査・施工位置座標P(x、y、z)にツール番号I2に相当するツール装置12を位置決めする。
図2において、位置決め装置20は、複数のツール12を一体に移動するヘッド22を備え、ヘッド22をx−y平面上で2次元的にNC制御で移動するようになっている。なお、z軸方向のNC制御を行ってもよい。
また、図3において、位置決め装置20は、装置本体20aと制御盤20bとからなる。
【0031】
またこの場合、位置決め装置20は、ツール番号I2に相当するツール装置12に対し、ヘッド22を直前のツール装置12との相対位置に応じてシフトさせ、検査・施工位置座標にそのツール装置12を位置決めするようになっている。
【0032】
なお、位置決め装置20は上述した構成に限定されず、例えば多関節ロボットや6軸ロボットであってもよい。
【0033】
また、位置決め装置20は1台に限定されず、複数であってもよい。
複数の位置決め装置20を用いる場合には、各位置決め装置20に異なる位置決め装置番号I4を設定する。
この場合、検査・施工情報A及び指令信号Bは、位置決め装置番号I4を含む。また、位置決め装置番号I4に相当する位置決め装置20により、ツール装置12を位置決めする。
【0034】
図4は、本発明による方法の全体フロー図である。
この図において、本発明の方法は、S1〜S6の各ステップ(工程)からなる。
【0035】
S1では、複数のツール装置12にそれぞれ固有のツール番号I1を設定する。また各ツール装置12は、通信ネットワーク18を介してそれぞれ設定されたツール番号I2を受信したときに、位置決め装置20による位置決め後に位置決めされた検査・施工位置においてワーク1を検査・施工し、その結果と終了信号を出力するように設定する。
【0036】
S2では、管理装置16により検査・施工順序I1、検査・施工位置座標P(x、y、z)及びツール番号I2を含む検査・施工情報Aを出力する。検査・施工情報Aには、必要により、モード番号I3、位置決め装置番号I4を含める。
【0037】
S3では、制御装置15により検査・施工情報Aの検査・施工順序I1の順に、検査・施工位置座標P(x、y、z)及びツール番号I2を含む指令信号Bを出力する。指令信号Bには、必要により、モード番号I3、位置決め装置番号I4を含める。
【0038】
S4では、通信ネットワーク18を介して、制御装置15から位置決め装置20及びツール装置12に指令信号Bを通信する。
【0039】
S5では、位置決め装置20により、指令信号Bの検査・施工位置座標P(x、y、z)にツール番号I2に相当するツール装置12を位置決めする。
【0040】
S6では、位置決め装置20による位置決め後に、指令信号Bのツール番号I2に相当するツール装置12により、位置決めされた検査・施工位置においてワーク1を検査・施工する。
【0041】
S3〜S6のステップは、検査・施工毎に繰り返される。
すなわち、S3において指令信号Bは、検査・施工情報Aの検査・施工順序I1の順に、単一のデータ列である指令信号Bを通信ネットワーク18に出力し、各ツール装置12から出力された終了信号を受信するまで待機する。
S5における位置決めは、ヘッド22に複数のツール12が一体に取り付けられている場合、位置決め装置20は、ツール番号I2に相当するツール装置12に対し、ヘッド22を直前のツール装置12との相対位置に応じてシフトさせ、検査・施工位置座標にそのツール装置12を位置決めするのがよい。
S6における検査・施工は、例えば1つの貫通孔2に対してa.チューブ位置の計測、b.チューブの管板1への溶接、c.溶接部のビード形状の計測、d.溶接部の写真撮影であり、この4工程を順次実施する。
また1つの貫通孔2に対し4工程が完了したら、次の指令信号Bに基づき次の貫通孔2の検査・施工に移行する。
【0042】
上述した本発明の装置と方法によれば、それぞれ固有のツール番号I2が複数のツール装置12に設定されているので、管理装置16により検査・施工情報Aを出力し、制御装置15により指令信号Bを出力し、通信ネットワーク18を介して、指令信号Bを位置決め装置20及びツール装置12に通信することにより、位置決め装置20により、指令信号Bに含まれる検査・施工位置座標P(x、y、z)にツール番号I2に相当するツール装置12を位置決めすることができる。
【0043】
また、各ツール装置12は、位置決め装置20による位置決め後に、位置決めされた検査・施工位置においてワーク1を検査・施工するので、通信ネットワーク18を介してツール番号I2を出力するだけで、該当するツール装置12により位置決めされた検査・施工位置においてワーク1を検査・施工することができる。
【0044】
従って、ツール装置12を追加又は変更した場合でも、追加又は変更したツール装置12にツール番号I2を設定するだけで、管理装置16で追加又は変更したツール装置12を制御することができ、装置全体の再構築が不要である。
【0045】
また、多数の箇所を複数のツール装置12で検査・施工する場合でも、位置決め装置20によりツール番号I2に相当するツール装置12を順次位置決めすることができるので、位置決めに要する時間を短縮し、1箇所に要する検査・施工時間を短縮することができる。
【0046】
また、ツール装置12及び位置決め装置20は、共通の通信ネットワーク18を介して管理装置16と接続されており、通信のやり取りの内容が、ツール装置12、位置決め装置20で、それぞれ共通であるため、位置決め装置20が汎用的に交換可能であり、ツール装置12も汎用的に交換可能である。
【0047】
また、検査・施工の種類が変わっても上位装置(制御装置15と管理装置16)は変わらないため、ユーザーは共通の使用方法で検査・施工を実施することができる。
従って、検査・施工の種類ごとに新しいシステムを構築するコストが削減できる。また検査・施工の種類ごとにシステムの使用方法を覚えるコストを削減できる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0049】
1 ワーク(管板)、2 貫通孔、
10 多点検査・施工装置、12 ツール装置、
12A 形状計測ツール、12B 溶接ツール、12C 撮影ツール、
13A,13B,13C ツール本体、
14A,14B,14C 制御盤、
15 制御装置、16 管理装置、18 通信ネットワーク(LAN)、
20 位置決め装置、22 ヘッド、
A 検査・施工情報、B 指令信号、P 検査・施工位置座標、
I1 検査・施工順序、I2 ツール番号、
I3 モード番号、I4 位置決め装置番号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ固有のツール番号が設定され、検査・施工位置においてワークを検査・施工する複数のツール装置と、
検査・施工順序、検査・施工位置座標及びツール番号を含む検査・施工情報を出力する管理装置と、
前記検査・施工情報の検査・施工順序の順に、検査・施工位置座標及びツール番号を含む指令信号を出力する制御装置と、
制御装置から位置決め装置及びツール装置に前記指令信号を通信する通信ネットワークと、
前記指令信号の検査・施工位置座標にツール番号に相当するツール装置を位置決めする位置決め装置と、を備え、
指令信号のツール番号に相当するツール装置を位置決め装置により位置決めした後に、位置決めされた検査・施工位置においてワークを検査・施工する、ことを特徴とする多点検査・施工装置。
【請求項2】
単一のツール装置が、複数の異なる検査・施工を実施する場合に、各検査・施工に異なるモード番号が設定されており、
前記検査・施工情報及び指令信号は、モード番号を含み、
指令信号のツール番号に相当するツール装置により、モード番号に相当する検査・施工を実施する、ことを特徴とする請求項1に記載の多点検査・施工装置。
【請求項3】
複数の位置決め装置を用いる場合に、各位置決め装置に異なる位置決め装置番号が設定されており、
前記検査・施工情報及び指令信号は、位置決め装置番号を含み、
位置決め装置番号に相当する位置決め装置により、ツール装置を位置決めする、ことを特徴とする請求項1に記載の多点検査・施工装置。
【請求項4】
前記複数のツール装置を一体に移動するヘッドを備え、
前記位置決め装置は、ツール番号に相当するツール装置に対し、ヘッドを直前のツール装置との相対位置に応じてシフトさせ、検査・施工位置座標に前記ツール装置を位置決めする、ことを特徴とする請求項1に記載の多点検査・施工装置。
【請求項5】
(A)複数のツール装置にそれぞれ固有のツール番号を設定し、
(B)管理装置により検査・施工順序、検査・施工位置座標及びツール番号を含む検査・施工情報を出力し、
(C)制御装置により前記検査・施工情報の検査・施工順序の順に、検査・施工位置座標及びツール番号を含む指令信号を出力し、
(D)通信ネットワークを介して、制御装置から位置決め装置及びツール装置に前記指令信号を通信し、
(E)位置決め装置により、前記指令信号の検査・施工位置座標にツール番号に相当するツール装置を位置決めし、
(F)指令信号のツール番号に相当するツール装置を位置決め装置により位置決めした後に、位置決めされた検査・施工位置においてワークを検査・施工する、ことを特徴とする多点検査・施工方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−97707(P2013−97707A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242094(P2011−242094)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】