説明

多芯式筆記具

【課題】軸筒の太さを変えることなく、ノック部材の窓孔からの引き抜きを防止する多芯式筆記具を提供する。
【解決手段】中心軸線Xを有する筒状の軸筒と12、軸筒内に配置されるノック部材18と、ノック部材の両側面に形成されて、中心軸線に直交する方向にノック部材から突出する第1突片と27、前記軸筒内壁に設けられ後端位置から中心軸線に沿って軸筒の前端に向かうノック部材のスライド移動を案内する案内レール31であって、第1突片に係合して中心軸線に直交する径方向内側へのノック部材の移動を規制する内側レール32を有する案内レールと、ノック部材の両側面に形成されて、中心軸線に直交する方向にノック部材から突出する第2突片28であって、第1突片と当該第2突片との間に内側レールが配置され、且つ、内側レールに係合して中心軸線に直交する径方向外側へのノック部材の移動を規制する第2突片28とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具に関し、特に、例えば複数の交換可能なリフィルを備える多芯式筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
多芯式筆記具では、軸筒の中心軸線に平行に軸筒の後端に形成される複数の窓孔内に個々にノック部材が組み込まれる。ノック部材の前端にはリフィルの後端が取り付けられる。各リフィルは、ノック部材よりも軸筒の前端側で軸筒内に固定されるスペーサの中心軸線周りに均等に配置された貫通孔を通って軸筒の前端に向かって延びる。ノック部材の前端とスペーサの後端との間でリフィルにはコイルばねが取り付けられる。リフィルはコイルばねの中を貫通して配置されている。コイルばねは、ノック部材を軸筒の後端に向かって押し付ける弾性力を発揮する。
【0003】
非筆記状態では、ノック部材は、その各側面に設けられた突片によって、中心軸線に平行に軸筒の後端に形成される案内レール上にスライド可能に配置される。筆記時、ばねの弾性力に抗して軸筒の前端に向かってノック部材を移動させると、ノック部材は案内レール上をスライド移動する。その後、ノック部材が案内レールの先端から離脱すると、ノック部材は中心軸線に直交する径方向に軸筒内に入り込む。ばねの弾性力によってノック部材の後端が案内レールの先端に係合すると、リフィル先端の筆記部が軸筒の前端の孔から突出する。こうして筆記状態が確立される(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−139080号公報
【特許文献2】特開2001−113883号公報
【特許文献3】特開2008−132706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1から3に記載の多芯式筆記具に用いられるノック部材は、中心軸線に直交する径方向の力に弱い。すなわち、例えば、ユーザが、軸筒後端の窓孔から突出するノック部材の突起を把持しながら引っ張ると、軸筒の案内レールとノック部材の突片との係合が外れ、ノック部材が抜けてしまう虞がある。特に、ノック部材にクリップが設けられている場合は、ユーザがクリップを把持することによって、ノック部材が外れる方向に大きく力が加わる。それを防止しようとすると、ノック部材の突片の突出量をより大きくし、且つ、係合する案内レールの溝をより深く設ける必要がある。しかしそのためには、周方向に十分な寸法が必要となり、結果として軸筒を太くせざるを得なくなる。
【0006】
本発明は、軸筒の太さを変えることなく、ノック部材の窓孔からの引き抜きを防止する多芯式筆記具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、中心軸線を有する筒状の軸筒と、前記軸筒内に配置されるノック部材と、前記ノック部材の両側面に形成されて、前記中心軸線に直交する方向に前記ノック部材から突出する第1突片と、前記軸筒内壁に設けられ後端位置から前記中心軸線に沿って前記軸筒の前端に向かう前記ノック部材のスライド移動を案内する案内レールであって、前記第1突片に係合して前記中心軸線に直交する径方向内側への前記ノック部材の移動を規制する内側レールを有する案内レールと、前記ノック部材の両側面に形成されて、前記中心軸線に直交する方向に前記ノック部材から突出する第2突片であって、前記第1突片と当該第2突片との間に前記内側レールが配置され、且つ、前記内側レールに係合して前記中心軸線に直交する径方向外側への前記ノック部材の移動を規制する第2突片と、を具備することを特徴とする多芯式筆記具が提供される。
【0008】
すなわち、請求項1に記載の発明では、第2突片が、内側レールよりも中心軸線に直交する径方向内側に配置され且つ内側レールに係合して中心軸線に直交する径方向外側へのノック部材の移動を規制することによって、軸筒の太さを変えることなく、ノック部材の窓孔からの引き抜きを防止することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、前記第1突片の後端が前記内側レールの前端から離脱して前記ノック部材の後端が前記中心軸線に直交する方向に前記軸筒内に入り込む前端位置から後端位置に復帰する際に、離脱した前記内側レールが前記第1突片と前記第2突片との間に再配置されることを助力するテーパ面が前記第2突片後端に設けられていることを特徴とする多芯式筆記具が提供される。
【0010】
すなわち、請求項2に記載の発明では、第2突片がテーパ面を有することによって、ノック部材が前端位置から後端位置に復帰する際に、離脱した内側レールが第1突片と第2突片との間に再配置されることが助力され、不要な干渉を減少させることが可能となる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明によれば請求項1又は2に記載の発明において、前記案内レールが、前記第1突片に係合して前記中心軸線に直交する径方向外側への前記ノック部材の移動を規制する外側レールを有し、該外側レールと前記内側レールとの間に前記第1突片が配置されることを特徴とする多芯式筆記具が提供される。
【0012】
すなわち、請求項3に記載の発明では、内側レールと第2突片との間の係合、及び、外側レールと第1突片との間の係合によって、ノック部材の窓孔からの引き抜きをより確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
各請求項に記載の発明によれば、軸筒の太さを変えることなく、ノック部材の窓孔からの引き抜きを防止する多芯式筆記具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具が非筆記状態にある場合の構造を概略的に示す側面図である。
【図2】図1の線A−Aに沿った縦断面図である。
【図3】ノック部材の斜視図である。
【図4】ノック部材を概略的に示す側面図である。
【図5】ノック部材を概略的に示す上面図である。
【図6】図1の線B−Bに沿った横断面図である。
【図7】図1の線A−Aに沿った部分拡大縦断面図である。
【図8】図1の線C−Cに沿った部分拡大縦断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具が筆記状態にある場合の構造を概略的に示す、図1の線A−Aに沿った部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具11が非筆記状態にある場合の構造を概略的に示す側面図であり、図2は、図1の線A−Aに沿った縦断面図である。多芯式筆記具11は、中心軸線Xに沿って例えば円筒状に延びる軸筒12を有する。軸筒12は、多芯式筆記具11の前端側に配置される例えば円筒状の先軸13と、先軸13の後端に連結されて多芯式筆記具11の後端側に配置される例えば円筒状の後軸14と、を備える。ここで、本明細書中では、筆記部が突出する側を「前」側と規定し、筆記部とは反対側を「後」側と規定する。
【0016】
先軸13は例えば金属材料又は樹脂材料から形成される。後軸14は例えば樹脂材料から形成される。先軸13の前端には、リフィル(図示せず)の筆記部を突出させるための孔15が中心軸線Xに沿って形成される。先軸13及び後軸14は、例えば先軸13の後端の外周面に形成される雄ねじに後軸14の前端の内周面に形成される雌ねじが噛み合うことによって連結される。
【0017】
後軸14の後端には中心軸線Xに平行に延びる複数の窓孔16が形成される。窓孔16は、後軸14の後端から後軸14の前端に向かって延びる。ここでは、中心軸線Xの周りに例えば等間隔に5つの窓孔16が形成される。なお、窓孔16の数はリフィルの数に合わせて設定されてよい。各窓孔16内にはそれぞれノック部材17、18が配置される。ノック部材17、18は窓孔16に対応して中心軸線X周りに等間隔に配列される。ノック部材17、18は窓孔16内で中心軸線Xに平行に前後移動することができる。このノック部材17、18の前後移動によって、軸筒12の前端からリフィルの筆記部が突出したり後退したりする。なお、ノック部材は、本明細書に記載された実施形態においては単一の部品から構成されているが、装飾用の部品等と共に2つ以上の部品で構成される場合もある。
【0018】
本実施形態の多芯式筆記具11には、ボールペン用の4つのノック部材17と、シャープペンシル用の1つのノック部材18とが組み込まれる。ノック部材17を収容する窓孔16は、ノック部材18を収容する窓孔16よりも、中心軸線Xに沿った方向に短い。シャープペンシル用のノック部材18の後端には例えばクリップ(図示せず)が装着されてよい。ノック部材17、18は、相互に異なる形状を有するものの、ほぼ同様の構造を有する。以下、本明細書ではシャープペンシル用のノック部材18について説明する。
【0019】
軸筒12内には、ノック部材18の前端よりも前方で例えば円柱状のスペーサ19が配置される。スペーサ19は後軸14の内周面に固定される。スペーサ19は、円柱状の本体20と、本体20の前端から後端まで中心軸線Xに平行に延びる複数の貫通孔21と、を備える。各貫通孔21はリフィル(図示せず)をそれぞれ受け入れる。本体20の後端面から中心軸線Xに沿って後方にツノ部22が突出する。貫通孔21はツノ部22の周りに等間隔に配列される。スペーサ19は例えば樹脂材料から一体成形によって形成される。
【0020】
スペーサ19の本体20の後端面とノック部材18の前端面との間には弾性体すなわちコイルばね(図示せず)が挟み込まれる。コイルばね内にはリフィルが挿入される。コイルばねは、スペーサ19とノック部材18とを相互に遠ざける方向に弾性力を発揮する。この弾性力の働きで、ノック部材18は後軸14の後端に向かって押し付けられた状態で維持される。
【0021】
ノック部材18は、軸筒12内に収容されて窓孔16内で露出するスライダ本体23を備える。スライダ本体23の前端面にはリフィルの後端が挿入される取付部24が形成される。スライダ本体23の後端面は後軸14の後端に受け止められる。スライダ本体23の上端面には突起25が形成される。突起25は、後軸14の外周面から中心軸線Xに直交する径方向に外側に向かって突き出る。突起25はスライダ本体23の後端に隣接して配置される。スライダ本体23にはその後端面から後方に突き出るタブ26が形成される。タブ26は、後軸14の後端に形成される平坦面に受け止められる。
【0022】
図3は、ノック部材18の斜視図であり、図4は、ノック部材18を概略的に示す側面図であり、図5は、ノック部材18を概略的に示す上面図である。また、図6は、図1の線B−Bに沿った横断面図である。ノック部材18のスライダ本体23の各側面には、スライダ本体23の後端から前端に向かって延びる1筋の第1突片27が形成される。第1突片27、27は、スライダ本体23の両側面から相互に反対向きに突出する。
【0023】
さらに、スライダ本体23の各側面であって、第1突片27の下方、すなわち中心軸線X側には、スライダ本体23の後端近傍から前端に向かって延びる1筋の第2突片28が形成される。第2突片28、28は、スライダ本体23の両側面から相互に反対向きに突出する。第2突片28は、スライダ本体23の後端近傍から、前端近傍まで延びるのが好ましく、前端及び後端の中間部分まで延びるのがより好ましい。中心軸線Xに平行な方向の長さは、第2突片28の方が第1突片27のよりも短い。また、第2突片28の後部上面は、後端に向かって下方、すなわち中心軸線X方向に傾斜したテーパ面28aが形成されている。
【0024】
スライダ本体23の下端には、当該スライダ本体23の前端に隣接して配置される前側カム29と、当該スライダ本体23の後端に隣接して配置される後側カム30とが形成される。前側カム29及び後側カム30の各前端には、その前端に向かうにつれてスライダ本体23の下端面に近づく傾斜端が形成される。同様に、前側カム29及び後側カム30の各後端には、その後端に向かうにつれてスライダ本体23の下端面に近づく傾斜端が形成される。その一方で、図3から明らかなように、前側カム29(及び後側カム30)は、その下端に向かうにつれて先細るテーパ形状を有する。ノック部材18は、前側カム29(及び後側カム30)の下端で隣り合うノック部材18の前側カム29(及び後側カム30)にほぼ接して配置される。なお、スライダ本体23、取付部24、突起25、タブ26、第1突片27、第2突片28、前側カム29、後側カム30は一体成形によって形成される。
【0025】
図7は、図1の線A−Aに沿った部分拡大縦断面図であり、図8は、図1の線C−Cに沿った部分拡大縦断面図である。図6と共に図7及び図8を参照すると、第1突片27、27は、後軸14内に形成される案内レール31、31上にそれぞれ支持される。案内レール31は中心軸線Xに平行に延びる。案内レール31は、中心軸線X側に設けられた内側レール32と、後軸14側に設けられた外側レール33とを有している。ノック部材18の第1突片27は、内側レール32と外側レール33との間に配置される。また、内側レール32は、第1突片27と第2突片28との間に配置される。案内レール31は、後軸14の内壁から径方向内側に延びる5つのブロック34の側面に形成される。ブロック34は後軸14の内壁に一体化される。ブロック34は中心軸線X周りに等間隔に配列される。
【0026】
相互に隣り合うブロック34、34同士の間に1つのノック部材18又はノック部材17が配置される。ノック部材18は、相互に隣り合うブロック34、34同士の間から中心軸線Xに向かって延びる。図6から明らかなように、第1突片27が内側レール32と係合することによって、中心軸線Xに直交する径方向内側へのスライダ本体23すなわちノック部材18の移動が規制される。
【0027】
また、相互に隣り合う外側レール33、33同士によって窓孔16の幅が規定される。中心軸線Xに直交する方向に規定される窓孔16の幅は、同様に中心軸線Xに直交する方向に規定される第1突片27、27の両端の距離よりも小さい。従って、第1突片27が外側レール33と係合することによって、中心軸線Xに直交する径方向外側へのスライダ本体23すなわちノック部材18の移動が規制される。
【0028】
しかしながら、第1突片27と外側レール33との係合のみでは、ノック部材18の窓孔16からの引き抜きを完全に防止することは困難である。第1突片27と外側レール33との係合をより強固にするためには、上述のように、第1突片27の突出量をより大きくし、且つ、それを受容する案内レール31の溝をより深く設ける必要がある。そのように構成すると、図6からも明らかなように、ブロック34の中間部分の周方向の厚みが薄くなり、強度が十分に確保できない。そこで、外側レール33と第1突片27との係合に代えて、又は、この係合と併せて、第2突片28と内側レール32との係合を利用する。
【0029】
相互に隣り合う内側レール32、32間の距離は、中心軸線Xに直交する方向に規定される第2突片28、28の両端の距離よりも小さい。従って、第2突片28が内側レール32と係合することによって、中心軸線Xに直交する径方向外側へのスライダ本体23すなわちノック部材18の移動が規制される。その結果、窓孔16からノック部材18が引き抜かれることを防止することができる。
【0030】
第2突片28の突出量をより大きくすることによって、第2突片28と内側レール32との係合をより強固にすることができる。第2突片28の突出量は、隣り合うノック部材17、18と干渉しない範囲において任意に設定可能である。すなわち、第1突片27のように、ブロック34の強度の減少を考慮に入れる必要はない。また、第2突片28の形状においても、内側レール32との係合を確保でき、且つ、ノック部材18のスライド移動を阻害しない限りにおいて任意に構成することができる。なお、図6において、第2突片28を、シャープペンシル用のノック部材18のスライダ本体23にのみ設けているが、ボールペン用のノック部材17のスライダ本体にも設けてよい。
【0031】
次に、本発明に係る多芯式筆記具11の使用方法を説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具11が筆記状態にある場合の構造を概略的に示す、図1の線A−Aに沿った部分拡大断面図である。
【0032】
非筆記状態の多芯式筆記具11は、図7及び図8に示すように、後端位置のノック部材18はその後端で後軸14の後端に受け止められる。例えばユーザが突起25に指を置いてコイルばねの弾性力に抗してノック部材18を前方にスライド移動させると、第1突片27、27が内側レール32、32に案内されてノック部材18はスライド移動する。ノック部材18がさらに前方にスライド移動すると、第1突片27、27の後端が内側レール32、32から離脱し、図9に示すように、ノック部材18の後端側は後軸14内に入り込む。このとき、ノック部材18の後端側の入り込みによって、ノック部材18の後端面は内側レール32の前端に係合する。同時に、ノック部材18の後端のタブ26は内側レール32上に受け止められる。こうしてノック部材18が前端位置に位置決めされると、リフィル先端の筆記部が先軸13の孔15から突出する。コイルばねには最大の弾性力が蓄積される。コイルばねの弾性力によってノック部材18の後端は内側レール32の前端に押し付けられる。こうして多芯式筆記具11では筆記状態が確立される。
【0033】
筆記状態から非筆記状態への復帰にあたって、後端位置にある別のノック部材17を例えばユーザが前方に向かってスライド移動させると、別のノック部材17の前側カム29が、前端位置にあるノック部材18の後側カム30に接触する。その結果、前端位置にあるノック部材18の後端側は後軸14の外側に向かって移動する。こうして前端位置にあるノック部材18の後端と内側レール32との係合が解除される。このとき、コイルばねの弾性力によってノック部材18は後端位置に向かって押し戻される。リフィル先端の筆記部は先軸13内に収容される。こうして多芯式筆記具11は非筆記状態に復帰する。
【0034】
筆記状態から非筆記状態、すなわち前端位置から後端位置に復帰する際に、離脱した内側レール32は、第1突片27と第2突片28との間に再配置されなければならない。これについて、上述のように、第2突片28の後部上面には、テーパ面28aが形成されている。テーパ面28aがあることによって、内側レール32の再配置を助力し、不要な干渉を減少させることが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
11 多芯式筆記具
12 軸筒
18 ノック部材
27 第1突片
28 第2突片
31 案内レール
32 内側レール
X 中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を有する筒状の軸筒と、
前記軸筒内に配置されるノック部材と、
前記ノック部材の両側面に形成されて、前記中心軸線に直交する方向に前記ノック部材から突出する第1突片と、
前記軸筒内壁に設けられ後端位置から前記中心軸線に沿って前記軸筒の前端に向かう前記ノック部材のスライド移動を案内する案内レールであって、前記第1突片に係合して前記中心軸線に直交する径方向内側への前記ノック部材の移動を規制する内側レールを有する案内レールと、
前記ノック部材の両側面に形成されて、前記中心軸線に直交する方向に前記ノック部材から突出する第2突片であって、前記第1突片と当該第2突片との間に前記内側レールが配置され、且つ、前記内側レールに係合して前記中心軸線に直交する径方向外側への前記ノック部材の移動を規制する第2突片と、を具備することを特徴とする多芯式筆記具。
【請求項2】
前記第1突片の後端が前記内側レールの前端から離脱して前記ノック部材の後端が前記中心軸線に直交する方向に前記軸筒内に入り込む前端位置から後端位置に復帰する際に、離脱した前記内側レールが前記第1突片と前記第2突片との間に再配置されることを助力するテーパ面が前記第2突片後端に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多芯式筆記具。
【請求項3】
前記案内レールが、前記第1突片に係合して前記中心軸線に直交する径方向外側への前記ノック部材の移動を規制する外側レールを有し、該外側レールと前記内側レールとの間に前記第1突片が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多芯式筆記具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−111823(P2013−111823A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259303(P2011−259303)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】