太陽光パネル設置構造及び太陽光パネル設置施工方法
【課題】施工時に太陽光パネルが太陽光パネル設置架台から滑落する恐れがなく、太陽光パネルの下に潜り込んでする作業を不要とし、太陽光パネルの設置作業性を向上させる。
【解決手段】斜面Sの傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネル2を設置する太陽光パネル設置架台5を備える。架台5は、斜面上側と下側とに間隔をあけてそれぞれ斜面横方向に延びる互いに平行な一対のパネル受け材6を有し、この斜面上側及び下側のパネル受け材6に、太陽光パネル2の斜面上側及び下側の枠材にそれぞれ固定した支持金具7をそれぞれボルトで固定する。斜面上側又は下側の支持金具7の少なくとも一方は、パネル受け材6の斜面上側の側面に接して固定される。支持金具付きの複数の太陽光パネル2を、架台5の横方向の端部でパネル受け材6に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6間に配置できる。
【解決手段】斜面Sの傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネル2を設置する太陽光パネル設置架台5を備える。架台5は、斜面上側と下側とに間隔をあけてそれぞれ斜面横方向に延びる互いに平行な一対のパネル受け材6を有し、この斜面上側及び下側のパネル受け材6に、太陽光パネル2の斜面上側及び下側の枠材にそれぞれ固定した支持金具7をそれぞれボルトで固定する。斜面上側又は下側の支持金具7の少なくとも一方は、パネル受け材6の斜面上側の側面に接して固定される。支持金具付きの複数の太陽光パネル2を、架台5の横方向の端部でパネル受け材6に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6間に配置できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、土手などの斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造 、及び太陽光パネル設置施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光パネルを屋外に設置する場合、太陽光を効果的に受光するために傾けて設置するが、河川沿いの土手や盛土された道路の側部法面などの斜面は、その向きが太陽光パネルの受光に不適当でなければ太陽光パネルを設置するスペースとして好適である。このような斜面に太陽光パネルを設置する場合、斜面に設けた基礎部に太陽光パネル設置架台を設け、その上に太陽光パネルを設置して、太陽光パネルと斜面(地面)との間に空間を形成する。
【0003】
太陽光発電装置は一般に、太陽光パネル設置架台に複数の太陽光パネルを取り付ける。 従来、各太陽光パネルを太陽光パネル設置架台に取り付ける場合、図12(イ)、(ロ)に示すように、各太陽光パネル51を太陽光パネル設置架台52の所定の箇所に直接に配置して、ボルト53等で取り付けるのが一般的である(特許文献1の図3)。51aは太陽光パネルの周囲の枠材、51bは太陽電池モジュールである。図示例では15枚の太陽光パネル51を縦横に隣接させて設置している。
【0004】
図13(イ)、(ロ)に示すように、太陽光パネル61を太陽光パネル設置架台62の架台フレーム63上でスライドさせて所定の箇所に位置させる構造のものもある(特許文献1の図1、図2)。
この太陽光パネル設置架台62は、開口部が互いに向き合って平行に配設され傾斜した断面コ字形の架台フレーム63と、両架台フレーム63の下端部に設けられたストッパ64と、両架台フレーム63の下辺に形成された複数個の螺孔65と、螺孔65に下方から挿入されて螺合し先端が太陽光パネル61の枠材61aを架台フレーム63上辺に押圧するボルト66とを備えた構造である。61bは太陽電池モジュールである。図示例では傾斜した横並びの2つの太陽光パネル設置架台62のそれぞれに3枚の太陽光パネル61を縦に隣接させて設置している。
この太陽光パネル設置架台62は、架台フレーム63が断面コ字形で開口部が互いに向き合って平行に配設されているため、太陽光パネル61の両側を太陽光パネル設置架台62の両架台フレーム63間に順次に挿入することができ、その上、架台フレーム63の下辺の螺孔65に螺合したボルト66の先端でパネル61を架台フレーム63の上辺に押圧するため、従来のようにボルトの挿通孔を合わせる必要がなく、ボルトの数も少なく、取付作業が容易であり、かつ、パネルを下方からのボルトにより押し上げて固定しているため、パネルの取付強度が大である、という効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平06−82864
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図12の太陽光パネル設置架台52ように、複数の太陽光パネルを、太陽光パネル設置架台の所定の箇所に直接に配置して、ボルトで取り付ける従来の一般的な太陽光パネル設置構造では、太陽光パネルを太陽光パネル設置架台にボルトで取り付ける作業をする際、太陽光パネルの下に潜り込んで取り付け作業をする必要が生じるケースが多いが、そのような作業は極めて作業性が悪い。また、潜り込むこと自体及び潜ってする作業によってケガなどする恐れもある。
また、傾斜した架台に太陽光パネルを設置する際に、架台に置いてボルトで固定する前の段階で太陽光パネルが滑落する恐れがある。
また、太陽光パネルと斜面との間に若干の空間(高さ空間)は必要であるが、太陽光パネルの下に潜って作業する必要のある構造の場合には、前記空間を必要以上に高く形成することが必要となり、架台を支持する脚を高くする必要がある。このため、長い脚材が必要となり、鋼材の使用量が多くなり、材料コストが高くなる。
【0007】
図13の太陽光パネル設置架台62のように、複数の太陽光パネル61を、対向する一対の架台フレーム63間に傾斜上側から順次挿入しスライドさせて所定箇所に位置させ、最初に挿入した太陽光パネルは傾斜下側のストッパ64で受け止めるとともに、各太陽光パネルの枠材61aを架台フレーム63の下辺側から捻じ込んだボルト66で上辺に押圧して固定するものは、ボルトとナットとによる締結作業がない点では作業性はよいが、中央の架台フレーム63においては太陽光パネル61の下面に潜ってするボルト締め付け作業が必要で、この点では作業性がよいとは言えない。また、太陽光パネルの枠材を架台フレームの上辺にボルトで押圧するだけでは、いずれガタが生じる恐れがあり太陽光パネルを堅固に固定することはできない。
また、例えば故障した太陽光パネルを取り替える際に、複数設置された太陽光パネルの任意の1枚を取り外すことができず、メンテナンス等の際の作業性に欠ける。
また、図示例は縦並びの太陽光パネルを横方向に2列配置した場合であるが、横方向に3列さらには多数列置した場合、横方向の中間に位置する太陽光パネルについては、太陽光パネルに潜ってする作業がかなり多くなり、作業性が悪くなる。それを避けようとすると横方向の列数を多くはできず、一基の太陽光パネル設置構造に配置できる太陽光パネルの数を多くすることができない。また、例えば土手などのように横方向に延びる斜面の場合に、太陽光パネルを横方向に多数配置することはできない。
【0008】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、太陽光パネルをボルトで架台に堅固に固定する構造を採用するがボルト締めのために太陽光パネルの下に潜り込んでする作業を不要にして、太陽光パネル設置作業の作業性を向上させることができ、ケガなどする恐れもなくし、太陽光パネルと斜面との間の高さ空間を最小限にとどめることが可能で架台を支持する脚部ないし基礎部を低くし材料コストを安くすることができ、また、太陽光パネルを架台に置いてボルトで固定する前の段階で太陽光パネルが滑落する恐れがなく、また、複数設置された太陽光パネルの任意の1枚を容易に取り外すことが可能としてメンテナンスなどの作業を容易にし、さらに、土手などの横方向に延びる斜面に設置する際に横方向に多数設置することが可能な太陽光パネル設置構造及び太陽光パネル設置施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する請求項1の発明は、斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定される支持金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、斜面上側及び斜面下側の前記支持金具の下部をそれぞれ固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側の支持金具及び前記斜面下側の支持金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されてそれぞれパネル受け材にボルトで固定されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする。
【0010】
請求項2は、請求項1の太陽光パネル設置構造において、前記支持金具が山形鋼であって、山形鋼の2つのフランジの一方が太陽光パネルの枠材の下面に固定され、他方がパネル受け材の側面にボルトにより固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定されるガイド金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、その上面に載せた前記複数の太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材の下面部をそれぞれボルトで固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側のガイド金具及び前記斜面下側のガイド金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方のガイド金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする。
【0012】
請求項4は、請求項1〜3のいずれか1項の太陽光パネル設置構造におけるパネル受け材が基礎部上に架台支持材を介して取り付けられる場合であって、
前記架台支持材は、前記基礎部上に固定されて斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本以上の棒状部材であり、この架台支持材上に前記パネル支持材の下面が固定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの太陽光パネル設置構造により、斜面に設けた基礎部上に、斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置施工方法であって、
前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して前記一対のパネル受け材を、その一対が斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に取り付け、
前記支持金具又はガイド金具を固定した複数の太陽光パネルを順次、斜面上側及び斜面下側の支持金具又はガイド金具の下部がパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に接するように配して斜面傾斜方向上下のパネル受け材上に載せ斜面横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材間に配置し、次いで、支持金具とパネル受け材とを、若しくは太陽光パネルの枠材とパネル受け材とをボルトにより固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明の太陽光パネル設置構造によれば、太陽光パネルを太陽光パネル設置架台に設置する作業に際して、支持金具を固定した複数の太陽光パネルを順次、斜面傾斜方向上下のパネル受け材上に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材間に配置することができる。
この場合、太陽光パネルはパネル受け材上を横方向に特に制限なくスライドさせることができるので、土手などの横方向に延びる斜面に設置する際に横方向に多数設置することが可能であり、しかもその設置作業を楽に行うことができ、施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0015】
また、太陽光パネルに予め固定した支持金具を、斜面上側及び下側で横方向に延びる2本の平行なパネル受け材の斜面傾斜方向の側面にボルトで固定するので、支持金具をパネル受け材にボルト固定する際に、太陽光パネルの下に潜り込むことなく、ボルト固定作業を行うことができる。したがって、太陽光パネルをボルトで架台に堅固に固定する構造を採用していても、太陽光パネル設置作業に際して、太陽光パネルの下に潜り込んでする作業が不要となり、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0016】
また、隣り合う太陽光パネルどうしは、それぞれに固定した支持金具で個別にパネル受け材に固定される構造であり、互いの結合関係ないし拘束関係はないので、複数設置された太陽光パネルの任意の1枚を容易に取り外すことが可能であり、故障した太陽光パネルを取り替えるメンテナンスなどの作業が容易である。
また、上記のような効果を得るために、太陽光パネルの枠材に予め固定した支持金具をパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配してボルトで固定するようにしているが、斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接しているので、太陽光パネルを傾斜した架台に置いてボルトで固定する前の段階で、傾斜した太陽光パネルが滑落する恐れはない。滑落の恐れなく作業できるので、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0017】
太陽光パネルの設置作業において、太陽光パネルの下に潜り込む作業が不要となるので、太陽光パネル設置作業の作業性を向上させることができる。また、潜り込む動作あるいは潜り込んでする作業は不安定でケガなどし易いと言えるが、そのような恐れも少ない。
また、作業者が潜り込む作業が不要なので、太陽光パネルと斜面との間の高さ空間を最小限にとどめることが可能となり、架台を支持する支柱部ないし基礎部を低くし鋼材使用量を少なくし材料コストを安くすることができる。
【0018】
請求項3の発明の太陽光パネル設置構造においては、太陽光パネルに固定するガイド金具が請求項1における支持金具と同様に、太陽光パネルをパネル受け材上を横方向に特に制限なくスライドさせることを可能にする作用をし、かつ、太陽光パネルの滑落防止の作用をするので、施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例の太陽光パネル設置構造の側面図である。
【図2】図1の太陽光パネル設置構造のA矢視による平面図である。
【図3】図1の太陽光パネル設置構造のB矢視による正面図である。
【図4】図1の太陽光パネル設置構造の拡大図である(但し水平に図示)。
【図5】図3の要部拡大図である。
【図6】図4の要部拡大図である。
【図7】パネル受け材が軽量溝形鋼、支持金具が軽量山形鋼である場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、(イ)は斜面上側の場合の一例(図1〜図6の実施例のもの)、(ロ)は斜面下側の場合の一例である。
【図8】(イ)はパネル受け材が軽量溝形鋼、支持金具がフラットバーである場合、(ロ)はパネル受け材が開口を外向きにした軽量溝形鋼、支持金具が軽量Z形鋼である場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、斜面上側の場合の例である。
【図9】パネル受け材が角形鋼管、支持金具が軽量山形鋼である場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、(イ)は斜面上側の場合の一例、(ロ)は斜面下側の場合の一例である。
【図10】パネル受け材が角形鋼管、支持金具がフラットバーである場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、斜面上側の場合の一例である。
【図11】フラットバーのガイド金具を固定した太陽光パネルの枠材をパネル受け材に直接固定する場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、(イ)、(ロ)はいずれも斜面上側の場合であるが、(イ)は軽量溝形鋼の開口を内向きにした場合、(ロ)は外向きにした場合の一例である。
【図12】従来の太陽光パネル設置構造の一例を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は(イ)のC−C拡大断面図である。
【図13】従来の太陽光パネル設置構造の他の例を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は(イ)のD−D拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施した太陽光パネル設置構造、及び太陽光パネル設置施工方法について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の一実施例の太陽光パネル設置構造1の側面図、図2は図1の太陽光パネル設置構造1のA矢視による平面図、図3は同B矢視による正面図、図4は図1の太陽光パネル設置構造1の拡大図である(但し水平に図示)、図5は図3の要部拡大図、図6は図4の要部拡大図である。
本発明は図1の通り、河川沿いの土手や盛土された道路の側部法面などの斜面Sに太陽光パネル2を設置するための太陽光パネル設置構造である。
この太陽光パネル設置構造1は、斜面Sに設けられた基礎部3と、この基礎部3上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネル2を設置する太陽光パネル設置架台5とを備えている。
この実施例では前記基礎部3が、斜面Sの斜面傾斜方向及び斜面横方向に間隔をあけた4箇所に打設された四角形状配置の4本の杭であり、斜面傾斜方向に間隔をあけた2本の杭(基礎部)3上に固定されて斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本の架台支持材4上に、斜面傾斜方向上下の2つの太陽光パネル設置架台5を設置している。
この実施例では上記のように、斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本の架台支持材4上に、斜面横方向に3つ、斜面傾斜方向に2つで合計6つの太陽光パネル2を設置している。
【0022】
前記太陽光パネル設置架台5は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部3上に架台支持材4を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材6と、前記太陽光パネル2の斜面上側及び斜面下側の枠材2aにそれぞれ上部が固定される支持金具7とを備えている。前記枠材2aは太陽光パネル2の太陽電池モジュール2bの周囲を保持する枠材である。
この実施例ではパネル受け材6として軽量溝形鋼、支持金具7として軽量山形鋼を用いている。
【0023】
軽量山形鋼である前記斜面上側の支持金具7及び前記斜面下側の支持金具7は、下方に延びる一方のフランジ7aの部分が、軽量溝形鋼である斜面上側及び下側のパネル受け材6の斜面傾斜方向の図示例ではそれぞれ外側の側面に対し側面から接するように配されて、それぞれパネル受け材6にボルト9で固定されている。なお、実施例では図3、図5に示すように2本(2箇所)のボルト9で固定しているが、強度上問題がなければ、1本(1箇所)でもよい。
図1、図4などにおいて、斜面上側のパネル受け材6を61、支持金具7を71で示し、斜面下側のパネル受け材6を62、支持金具7を72で示している。
この実施例では、軽量溝形鋼である斜面上側及び下側のパネル受け材6がいずれもその開口が内側に向いた態様(すなわち、それぞれの開口は斜面上側のパネル受け材6は斜面傾斜方向の下向き、斜面下側のパネル受け材6は斜面傾斜方向の上向き)で架台支持材4にボルト11で固定されている。
軽量山形鋼である斜面上側及び下側の支持金具7はそれぞれ、他方のフランジ7bにおいて太陽光パネル2の枠材2aの下面にボルト13で予め固定されている。
この実施例では、前記の通り支持金具7の下方に延びるフランジ7aが斜面上側及び下側のパネル受け材6のそれぞれ外側面に接しており、したがって、斜面上側の支持金具71が斜面上側のパネル受け材61の斜面上側の側面に接していることで、太陽光パネル2は、傾斜して状態で置かれても斜面上側の支持金具71によって滑落することを有効に防止される。
【0024】
実施例の基礎部3は、図5、図6に示すようにラセン状部3aの上端に溶接固定した円板3bの上面にボルト3cを垂直に溶接固定したラセン状の杭であり、斜面上に立てて単にラセン軸方向に打撃することで、回転しながら地中に打設される。
そして、前記架台支持材4にあけたボルト挿通穴に前記ボルト3cを挿通させて、架台支持材4を杭3の上端の円板3bに載せ、ナット3dを締め付けて、杭3の上端に固定する。
なお、上述の説明で、ボルト9、11、17について、ボルトで固定していると記載した部分は、詳しくはボルトとナットで固定しているのであるが、それを略して記載したものである。
【0025】
上述の太陽光パネル設置構造1を採用して斜面に太陽光パネル2を設置する太陽光パネル設置作業について説明する。
まず、斜面Sに基礎部として図示例ではラセン状の杭3を四角形配置の4箇所に打設する。
次いで、2本の架台支持材4それぞれについて、斜面傾斜方向の上側及び下側の2本の杭3で支持する。この場合、架台支持材4のボルト挿通穴に杭3の上端のボルト3cを挿通させて、架台支持材4を杭3の上端の円板3bに載せ、ナット3dを締め付けて、杭3の上端に固定する。
次いで、斜面傾斜方向の上側及び下側の2つの太陽光パネル設置架台5のそれぞれ斜面横方向の2本(合計4本)のパネル受け材6を、それぞれ斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に架台支持材4上に載せ、ボルト11で固定する。
次いで、支持金具7を枠材2aに固定した各太陽光パネル2を順次、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6上に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6間に配置する。図示例では、太陽光パネル設置架台5の斜面上側及び斜面下側の支持金具7の下向きのフランジ7aがパネル受け材6のそれぞれ外側の側面に接するように配した上で横方向にスライドさせ配置する。
この実施例では、各太陽光パネル設置架台5の斜面上側の支持金具71がパネル受け材61の斜面上側の側面に接して支持金具71とパネル受け材61とが係合するので、太陽光パネル2を傾斜した太陽光パネル設置架台5に置いただけのこの段階(ボルトで固定する前の段階)で、傾斜した太陽光パネル2がパネル受け材6から滑落する恐れはない。滑落の恐れなく作業できるので、施工性は良好であり、工期短縮が図られる。
次いで、パネル受け材6上に載せた支持金具7付きの各太陽光パネル2をパネル受け材6に固定する。この場合、太陽光パネル2に固定した支持金具7の下向きのフランジ7aをボルト9でパネル受け材6に固定する。
なお、上記の作業において、斜面上側及び下側の太陽光パネル設置架台5にそれぞれ、支持金具付きの太陽光パネル2を載せた後に、各太陽光パネル2を各太陽光パネル設置架台5に固定(支持金具7をパネル受け材6に固定)してもよいが、斜面上側又は下側の一方の太陽光パネル設置架台5に太陽光パネル2を載せボルト9で固定した後に、他方の太陽光パネル設置架台5に太陽光パネル2を載せボルト9で固定する手順としてもよい。
【0026】
上記の通り、太陽光パネル2を太陽光パネル設置架台5に設置する作業に際して、支持金具7を固定した複数の太陽光パネル2を順次、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6上に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6間に配置することができる。
この場合、太陽光パネル2はレール状のパネル受け材6上を横方向に特に制限なくスライドさせることができるので、土手などの横方向に延びる斜面に設置する際に横方向に多数設置することが可能であり、しかもその設置作業を楽に行うことができ、施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
また、太陽光パネル2に予め固定した支持金具7を、斜面上側及び下側で横方向に延びる2本の平行なパネル受け材6(61、62)の斜面傾斜方向の側面にボルト9で固定するので(縦向きのボルトでなく横向きのボルト9で固定するので)、支持金具7をパネル受け材6にボルト9で固定する際に、太陽光パネル2の下に潜り込むことなく、ボルト固定作業を行うことができる。したがって、太陽光パネル2をボルト9で架台5に堅固に固定する構造を採用していても、太陽光パネル設置作業に際して、太陽光パネル2の下に潜り込んでする作業が不要となり、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
また、横方向に隣り合う太陽光パネル2どうしは、それぞれに固定した支持金具7で個別にパネル受け材6に固定される構造であり、互いの結合関係ないし拘束関係はないので、複数設置された太陽光パネル2の任意の1枚を容易に取り外すことが可能であり、故障した太陽光パネル2を取り替えるメンテナンスなどの作業が容易である。
また、上記のような効果を得るために、太陽光パネル2の枠材2aに予め固定した支持金具7をパネル受け材6の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配してボルトで固定するようにしているが、斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具7はパネル受け材6の斜面上側の側面に接しているので、太陽光パネル2を傾斜した太陽光パネル設置架台5に置いてボルト9で固定する前の段階で、傾斜した太陽光パネル2が滑落する恐れはない。滑落の恐れなく作業できるので、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0027】
太陽光パネルの設置作業において、太陽光パネル2の下に潜り込む作業が不要となるので、太陽光パネル設置作業の作業性を向上させることができる。また、潜り込む動作あるいは潜り込んでする作業は不安定でケガなどし易いと言えるが、そのような恐れも少ない。
また、作業者が潜り込む作業が不要なので、太陽光パネル2と斜面との間の高さ空間を最小限にとどめることが可能となり、太陽光パネル設置架台5を支持する杭などの基礎部3を低くし鋼材使用量を少なくし材料コストを安くすることができる。
【実施例2】
【0028】
上述の通り本発明では、傾斜した太陽光パネル設置架台5の傾斜方向上下のパネル受け材6間に太陽光パネル2を載架するものであり、そして、太陽光パネル2を設置する作業としては、複数の太陽光パネル2を順次、太陽光パネル設置架台5の端部でパネル受け材6上に載せ横方向にスライドさせて配置するので、太陽光パネル2をボルトで固定する前の段階で太陽光パネル2が滑落することを防ぐことが必要である。
そのためのパネル受け材と予め太陽光パネル2に固定した支持金具又はガイド金具との関係としては、例えば図7〜図11に示すような構造が考えられる。
図7(イ)は図1〜図6で説明した実施例の場合であり、軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6(61)が開口を内向き(図7(イ)で右向き)にして配置され、軽量山形鋼による斜面上側の支持金具7(71)はその側面(下向きのフランジ7a)が斜面上側のパネル受け材61の斜面上側の側面(外側の面:ウエブ6a)に接し、側面同士がボルト9で接合された構成である。
図7(ロ)は軽量溝形鋼による斜面下側のパネル受け材6(62)が開口を外向き(図7(ロ)で右向き)にして配置され、軽量山形鋼による斜面下側の支持金具7(72)はその側面(下向きのフランジ7a)が斜面下側のパネル受け材62の斜面上側の側面(内側の面:ウエブ6a)に接し、側面同士がボルト9で接合された構成である。
【実施例3】
【0029】
図8は支持金具を太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で固定する場合である。
図8(イ)は軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6(61)が開口を内向きにして配置され、太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で上部を固定されたフラットバー(平坦な鋼板)による斜面上側の支持金具27(271)の下部が、斜面上側のパネル受け材61の斜面上側の側面(外側の面:ウエブ6a)に接し、ボルト9で接合された構成である。
図8(ロ)は軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6’(61’)が開口を外向きにして配置され、太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で上部(一方のフランジ37a)を固定された軽量Z形鋼(横向きにした軽量Z形鋼)による斜面上側の支持金具37(371)の下部(他方のフランジ37b)が、斜面上側のパネル受け材61’の斜面下側の側面(開口と反対側の面:ウエブ6a’)に接し、ボルト9で接合された構成である。この場合、必要であれば枠材2aの下面と支持金具37のウエブとの間の隙間を埋める板を介在させるとよい。
図8(イ)、(ロ)の実施例では、太陽光パネル2の枠材2aの下面にボルトがないので、太陽光パネル2をパネル受け材6上でスライドさせる際、そのスライドが円滑に行なわれる。また、図8(ロ)の実施例では太陽光パネル2の枠材2aを支持金具37を介してパネル受け材6に載せたまま、支持金具37とパネル受け材6とをボルト接合できる。
【実施例4】
【0030】
図9(イ)は角形鋼管による斜面上側のパネル受け材36(361)の斜面上側の側面(外側の面)に、軽量山形鋼による斜面上側の支持金具71の側面(下向きのフランジ7a)が接し、例えばワンサイドボルト19で接合された構成である。
図9(ロ)は角形鋼管による斜面下側のパネル受け材36(362)の斜面上側の側面(内側の面)に、軽量山形鋼による斜面下側の支持金具72の側面(下向きのフランジ7a)が接し、例えばワンサイドボルト19で接合された構成である。
なお、この実施例のようにパネル受け材36が角形鋼管の場合、図示のようにボルトとして片側の操作のみで締結できるワンサイドボルト19を使用することができる。図示例のワンサイドボルト19は、専用工具でボルト軸19aを掴みナット19bを捻じ込んでいくと、複数の縦スリットを入れたスリーブが先端の頭部19cで拡開して抜け止め部19dが形成され、2枚の板(軽量山形鋼7のフランジ7aと角形鋼管36の管壁と)が接合される構造である。
図示例では、パネル受け材36と架台支持材4との接合にもワンサイドボルト19’を使用している。
【実施例5】
【0031】
図10は角形鋼管による斜面上側のパネル受け材36(361)の斜面上側の側面(外側の面)に、太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で固定されたフラットバー(平坦な鋼板)による斜面上側の支持金具27(271)の下部が接し、ワンサイドボルト19で接合された構成である。
【実施例6】
【0032】
図11(イ)、(ロ)は、太陽光パネル2の斜面上側及び斜面下側の枠材2aの下面部をそれぞれ斜面上側又は斜面下側のパネル受け材6の上面部に直接ボルト39で固定する構造を採用する場合である。なお、図示例ではボルト39を捻じ込む枠材2a側のナット39aを予め枠材2aに溶接固定しているが、ワンサイドボルトを使用してもよい。
図11(イ)の実施例の場合、太陽光パネル2の斜面上側及び斜面下側の枠材2aの側面にそれぞれ、例えばフラットバー(平坦な鋼板)による斜面上側のガイド金具47(471)の上部を固定し、下部を図示例では開口部を内向きにした軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6(61)の側面(外側の側面(ウエブ6a))に当接させている。この場合、斜面上側のガイド金具47(471)は斜面上側のパネル受け材6(61)の斜面上側の側面(外側の面:ウエブ6a)に当接して、滑落防止の作用をする。
ガイド金具47は、パネル受け材6には固定されていないので、ガイド金具47付きの太陽光パネル2をパネル受け材6上に載せスライドさせて所定箇所に配する際にガイドの作用をし、かつ、前述の滑落防止の作用をするのみである。
図11(ロ)の実施例の場合、開口部を外向きにした軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6’(61’)の側面(フランジ6bの先端)に、フラットバーによる斜面上側のガイド金具47(471)の下部を当接させている。したがって、この実施例では、ガイド金具47はパネル受け材6’のフランジ6bの先端に当接してガイド作用及び滑落防止作用をする。
図11(イ)、(ロ)の実施例では、太陽光パネル2の枠材2aの下面にボルトがないので、太陽光パネル2をパネル受け材上でスライドさせる際、そのスライドが円滑に行なわれる。また、太陽光パネル2の枠材2aをパネル受け材に載せたまま、太陽光パネル2側をパネル受け材にボルト接合できる。
なお、上述した図7〜図11では、太陽光パネル2がパネル受け材6から滑落することを防止する斜面上側又は下側の一方のパネル受け材部分のみについて説明し、他方のパネル受け材部分についての説明は省略しているが、他方のパネル受け材部分は、太陽光パネル2をパネル受け材上で斜面横方向にスライドさせる際に太陽光パネル2が斜面上側に外れることも防ぐために、前記一方のパネル受け材部分と対称的な構造とするのが適切である。
【実施例7】
【0033】
上記の太陽光パネル設置構造に用いるパネル受け材は、実施例の軽量溝形鋼や角形鋼管に限定されず、平坦な上面及び側面を有する適宜の断面形状の部材を使用することができる。この場合、側面については必ずしも長さ方向の全長に亘って平坦である必要はなく、支持金具7との関係で、断続的に平坦な側面を有する構造でもよい。
支持金具は、実施例の軽量山形鋼やフラットバーに限らず、適宜の断面形状の部材を用いることができる。
また、ガイド金具も、実施例のフラットバーに限らず、適宜の部材を用いることができる。
また、架台支持材を介在させる場合に、架台支持材として実施例の軽量溝形鋼に限らず、軽量H形鋼その他の断面形状の部材を用いることができる。
【0034】
上述の実施例では、1つの太陽光パネル設置架台5に斜面横方向に並ぶ3つの太陽光パネル2を設置しているが、2つであってもよいし、またパネル受け材6を長くすることで4つ以上の太陽光パネル2を設置することができる。
また、実施例の太陽光パネル設置構造1は、架台支持材4に斜面傾斜方向の上側と下側との2つの太陽光パネル設置架台5を設置しているが、1つであってもよいし、また、架台支持材4を長くすることで、3つ以上の太陽光パネル設置架台5を設置することもできる。ただし、斜面傾斜方向の2つの太陽光パネル設置架台5どうしの間隔は、作業者がその間に容易に入って作業できる間隔とする。
また、実施例では、杭3の高さが等しく架台支持材4及び太陽光パネル設置架台5が斜面と平行であり、太陽光パネル2が斜面と平行に設置されているが、太陽光パネル設置架台5は斜面の傾斜角度に合わせる必要がなく、杭3の高さを調整するなどして設置場所に合わせた適切な傾斜角度に設定するとよい。
また、実施例では、基礎部としてラセン状の杭3を採用しているが、これに限らず種々の杭を採用することができ、また、杭に限らず、種々のタイプの基礎を採用することができる。
また、基礎部として柱状基礎である杭を採用する場合、実施例では杭を斜面に垂直に設置しているが、鉛直に設置してもよい。
また、実施例では太陽光パネル設置架台5を架台支持材4を介して基礎部3に設置しているが、太陽光パネル設置架台5を直接基礎部に設置(すなわち、パネル受け材6を基礎に直接設置)することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 太陽光パネル設置構造
2 太陽光パネル
2a 枠材
2b 太陽電池モジュール
3 杭(基礎部)
3b 円板
3c ボルト
3d ナット
4 架台支持材
5 太陽光パネル設置架台
6、6’ パネル受け材
61、61’ 斜面上側のパネル受け材
62 斜面下側のパネル受け材
6a ウエブ
6b フランジ
7 支持金具
71 斜面上側の支持金具
72 斜面下側の支持金具
7a (下方に延びる)フランジ
7b 他方のフランジ
9、11、13、17 ボルト
S 斜面
【技術分野】
【0001】
この発明は、土手などの斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造 、及び太陽光パネル設置施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光パネルを屋外に設置する場合、太陽光を効果的に受光するために傾けて設置するが、河川沿いの土手や盛土された道路の側部法面などの斜面は、その向きが太陽光パネルの受光に不適当でなければ太陽光パネルを設置するスペースとして好適である。このような斜面に太陽光パネルを設置する場合、斜面に設けた基礎部に太陽光パネル設置架台を設け、その上に太陽光パネルを設置して、太陽光パネルと斜面(地面)との間に空間を形成する。
【0003】
太陽光発電装置は一般に、太陽光パネル設置架台に複数の太陽光パネルを取り付ける。 従来、各太陽光パネルを太陽光パネル設置架台に取り付ける場合、図12(イ)、(ロ)に示すように、各太陽光パネル51を太陽光パネル設置架台52の所定の箇所に直接に配置して、ボルト53等で取り付けるのが一般的である(特許文献1の図3)。51aは太陽光パネルの周囲の枠材、51bは太陽電池モジュールである。図示例では15枚の太陽光パネル51を縦横に隣接させて設置している。
【0004】
図13(イ)、(ロ)に示すように、太陽光パネル61を太陽光パネル設置架台62の架台フレーム63上でスライドさせて所定の箇所に位置させる構造のものもある(特許文献1の図1、図2)。
この太陽光パネル設置架台62は、開口部が互いに向き合って平行に配設され傾斜した断面コ字形の架台フレーム63と、両架台フレーム63の下端部に設けられたストッパ64と、両架台フレーム63の下辺に形成された複数個の螺孔65と、螺孔65に下方から挿入されて螺合し先端が太陽光パネル61の枠材61aを架台フレーム63上辺に押圧するボルト66とを備えた構造である。61bは太陽電池モジュールである。図示例では傾斜した横並びの2つの太陽光パネル設置架台62のそれぞれに3枚の太陽光パネル61を縦に隣接させて設置している。
この太陽光パネル設置架台62は、架台フレーム63が断面コ字形で開口部が互いに向き合って平行に配設されているため、太陽光パネル61の両側を太陽光パネル設置架台62の両架台フレーム63間に順次に挿入することができ、その上、架台フレーム63の下辺の螺孔65に螺合したボルト66の先端でパネル61を架台フレーム63の上辺に押圧するため、従来のようにボルトの挿通孔を合わせる必要がなく、ボルトの数も少なく、取付作業が容易であり、かつ、パネルを下方からのボルトにより押し上げて固定しているため、パネルの取付強度が大である、という効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平06−82864
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図12の太陽光パネル設置架台52ように、複数の太陽光パネルを、太陽光パネル設置架台の所定の箇所に直接に配置して、ボルトで取り付ける従来の一般的な太陽光パネル設置構造では、太陽光パネルを太陽光パネル設置架台にボルトで取り付ける作業をする際、太陽光パネルの下に潜り込んで取り付け作業をする必要が生じるケースが多いが、そのような作業は極めて作業性が悪い。また、潜り込むこと自体及び潜ってする作業によってケガなどする恐れもある。
また、傾斜した架台に太陽光パネルを設置する際に、架台に置いてボルトで固定する前の段階で太陽光パネルが滑落する恐れがある。
また、太陽光パネルと斜面との間に若干の空間(高さ空間)は必要であるが、太陽光パネルの下に潜って作業する必要のある構造の場合には、前記空間を必要以上に高く形成することが必要となり、架台を支持する脚を高くする必要がある。このため、長い脚材が必要となり、鋼材の使用量が多くなり、材料コストが高くなる。
【0007】
図13の太陽光パネル設置架台62のように、複数の太陽光パネル61を、対向する一対の架台フレーム63間に傾斜上側から順次挿入しスライドさせて所定箇所に位置させ、最初に挿入した太陽光パネルは傾斜下側のストッパ64で受け止めるとともに、各太陽光パネルの枠材61aを架台フレーム63の下辺側から捻じ込んだボルト66で上辺に押圧して固定するものは、ボルトとナットとによる締結作業がない点では作業性はよいが、中央の架台フレーム63においては太陽光パネル61の下面に潜ってするボルト締め付け作業が必要で、この点では作業性がよいとは言えない。また、太陽光パネルの枠材を架台フレームの上辺にボルトで押圧するだけでは、いずれガタが生じる恐れがあり太陽光パネルを堅固に固定することはできない。
また、例えば故障した太陽光パネルを取り替える際に、複数設置された太陽光パネルの任意の1枚を取り外すことができず、メンテナンス等の際の作業性に欠ける。
また、図示例は縦並びの太陽光パネルを横方向に2列配置した場合であるが、横方向に3列さらには多数列置した場合、横方向の中間に位置する太陽光パネルについては、太陽光パネルに潜ってする作業がかなり多くなり、作業性が悪くなる。それを避けようとすると横方向の列数を多くはできず、一基の太陽光パネル設置構造に配置できる太陽光パネルの数を多くすることができない。また、例えば土手などのように横方向に延びる斜面の場合に、太陽光パネルを横方向に多数配置することはできない。
【0008】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、太陽光パネルをボルトで架台に堅固に固定する構造を採用するがボルト締めのために太陽光パネルの下に潜り込んでする作業を不要にして、太陽光パネル設置作業の作業性を向上させることができ、ケガなどする恐れもなくし、太陽光パネルと斜面との間の高さ空間を最小限にとどめることが可能で架台を支持する脚部ないし基礎部を低くし材料コストを安くすることができ、また、太陽光パネルを架台に置いてボルトで固定する前の段階で太陽光パネルが滑落する恐れがなく、また、複数設置された太陽光パネルの任意の1枚を容易に取り外すことが可能としてメンテナンスなどの作業を容易にし、さらに、土手などの横方向に延びる斜面に設置する際に横方向に多数設置することが可能な太陽光パネル設置構造及び太陽光パネル設置施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する請求項1の発明は、斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定される支持金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、斜面上側及び斜面下側の前記支持金具の下部をそれぞれ固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側の支持金具及び前記斜面下側の支持金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されてそれぞれパネル受け材にボルトで固定されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする。
【0010】
請求項2は、請求項1の太陽光パネル設置構造において、前記支持金具が山形鋼であって、山形鋼の2つのフランジの一方が太陽光パネルの枠材の下面に固定され、他方がパネル受け材の側面にボルトにより固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定されるガイド金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、その上面に載せた前記複数の太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材の下面部をそれぞれボルトで固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側のガイド金具及び前記斜面下側のガイド金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方のガイド金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする。
【0012】
請求項4は、請求項1〜3のいずれか1項の太陽光パネル設置構造におけるパネル受け材が基礎部上に架台支持材を介して取り付けられる場合であって、
前記架台支持材は、前記基礎部上に固定されて斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本以上の棒状部材であり、この架台支持材上に前記パネル支持材の下面が固定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの太陽光パネル設置構造により、斜面に設けた基礎部上に、斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置施工方法であって、
前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して前記一対のパネル受け材を、その一対が斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に取り付け、
前記支持金具又はガイド金具を固定した複数の太陽光パネルを順次、斜面上側及び斜面下側の支持金具又はガイド金具の下部がパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に接するように配して斜面傾斜方向上下のパネル受け材上に載せ斜面横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材間に配置し、次いで、支持金具とパネル受け材とを、若しくは太陽光パネルの枠材とパネル受け材とをボルトにより固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明の太陽光パネル設置構造によれば、太陽光パネルを太陽光パネル設置架台に設置する作業に際して、支持金具を固定した複数の太陽光パネルを順次、斜面傾斜方向上下のパネル受け材上に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材間に配置することができる。
この場合、太陽光パネルはパネル受け材上を横方向に特に制限なくスライドさせることができるので、土手などの横方向に延びる斜面に設置する際に横方向に多数設置することが可能であり、しかもその設置作業を楽に行うことができ、施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0015】
また、太陽光パネルに予め固定した支持金具を、斜面上側及び下側で横方向に延びる2本の平行なパネル受け材の斜面傾斜方向の側面にボルトで固定するので、支持金具をパネル受け材にボルト固定する際に、太陽光パネルの下に潜り込むことなく、ボルト固定作業を行うことができる。したがって、太陽光パネルをボルトで架台に堅固に固定する構造を採用していても、太陽光パネル設置作業に際して、太陽光パネルの下に潜り込んでする作業が不要となり、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0016】
また、隣り合う太陽光パネルどうしは、それぞれに固定した支持金具で個別にパネル受け材に固定される構造であり、互いの結合関係ないし拘束関係はないので、複数設置された太陽光パネルの任意の1枚を容易に取り外すことが可能であり、故障した太陽光パネルを取り替えるメンテナンスなどの作業が容易である。
また、上記のような効果を得るために、太陽光パネルの枠材に予め固定した支持金具をパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配してボルトで固定するようにしているが、斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接しているので、太陽光パネルを傾斜した架台に置いてボルトで固定する前の段階で、傾斜した太陽光パネルが滑落する恐れはない。滑落の恐れなく作業できるので、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0017】
太陽光パネルの設置作業において、太陽光パネルの下に潜り込む作業が不要となるので、太陽光パネル設置作業の作業性を向上させることができる。また、潜り込む動作あるいは潜り込んでする作業は不安定でケガなどし易いと言えるが、そのような恐れも少ない。
また、作業者が潜り込む作業が不要なので、太陽光パネルと斜面との間の高さ空間を最小限にとどめることが可能となり、架台を支持する支柱部ないし基礎部を低くし鋼材使用量を少なくし材料コストを安くすることができる。
【0018】
請求項3の発明の太陽光パネル設置構造においては、太陽光パネルに固定するガイド金具が請求項1における支持金具と同様に、太陽光パネルをパネル受け材上を横方向に特に制限なくスライドさせることを可能にする作用をし、かつ、太陽光パネルの滑落防止の作用をするので、施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例の太陽光パネル設置構造の側面図である。
【図2】図1の太陽光パネル設置構造のA矢視による平面図である。
【図3】図1の太陽光パネル設置構造のB矢視による正面図である。
【図4】図1の太陽光パネル設置構造の拡大図である(但し水平に図示)。
【図5】図3の要部拡大図である。
【図6】図4の要部拡大図である。
【図7】パネル受け材が軽量溝形鋼、支持金具が軽量山形鋼である場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、(イ)は斜面上側の場合の一例(図1〜図6の実施例のもの)、(ロ)は斜面下側の場合の一例である。
【図8】(イ)はパネル受け材が軽量溝形鋼、支持金具がフラットバーである場合、(ロ)はパネル受け材が開口を外向きにした軽量溝形鋼、支持金具が軽量Z形鋼である場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、斜面上側の場合の例である。
【図9】パネル受け材が角形鋼管、支持金具が軽量山形鋼である場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、(イ)は斜面上側の場合の一例、(ロ)は斜面下側の場合の一例である。
【図10】パネル受け材が角形鋼管、支持金具がフラットバーである場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、斜面上側の場合の一例である。
【図11】フラットバーのガイド金具を固定した太陽光パネルの枠材をパネル受け材に直接固定する場合の太陽光パネル取付構造の例を示すもので、(イ)、(ロ)はいずれも斜面上側の場合であるが、(イ)は軽量溝形鋼の開口を内向きにした場合、(ロ)は外向きにした場合の一例である。
【図12】従来の太陽光パネル設置構造の一例を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は(イ)のC−C拡大断面図である。
【図13】従来の太陽光パネル設置構造の他の例を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は(イ)のD−D拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施した太陽光パネル設置構造、及び太陽光パネル設置施工方法について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の一実施例の太陽光パネル設置構造1の側面図、図2は図1の太陽光パネル設置構造1のA矢視による平面図、図3は同B矢視による正面図、図4は図1の太陽光パネル設置構造1の拡大図である(但し水平に図示)、図5は図3の要部拡大図、図6は図4の要部拡大図である。
本発明は図1の通り、河川沿いの土手や盛土された道路の側部法面などの斜面Sに太陽光パネル2を設置するための太陽光パネル設置構造である。
この太陽光パネル設置構造1は、斜面Sに設けられた基礎部3と、この基礎部3上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネル2を設置する太陽光パネル設置架台5とを備えている。
この実施例では前記基礎部3が、斜面Sの斜面傾斜方向及び斜面横方向に間隔をあけた4箇所に打設された四角形状配置の4本の杭であり、斜面傾斜方向に間隔をあけた2本の杭(基礎部)3上に固定されて斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本の架台支持材4上に、斜面傾斜方向上下の2つの太陽光パネル設置架台5を設置している。
この実施例では上記のように、斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本の架台支持材4上に、斜面横方向に3つ、斜面傾斜方向に2つで合計6つの太陽光パネル2を設置している。
【0022】
前記太陽光パネル設置架台5は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部3上に架台支持材4を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材6と、前記太陽光パネル2の斜面上側及び斜面下側の枠材2aにそれぞれ上部が固定される支持金具7とを備えている。前記枠材2aは太陽光パネル2の太陽電池モジュール2bの周囲を保持する枠材である。
この実施例ではパネル受け材6として軽量溝形鋼、支持金具7として軽量山形鋼を用いている。
【0023】
軽量山形鋼である前記斜面上側の支持金具7及び前記斜面下側の支持金具7は、下方に延びる一方のフランジ7aの部分が、軽量溝形鋼である斜面上側及び下側のパネル受け材6の斜面傾斜方向の図示例ではそれぞれ外側の側面に対し側面から接するように配されて、それぞれパネル受け材6にボルト9で固定されている。なお、実施例では図3、図5に示すように2本(2箇所)のボルト9で固定しているが、強度上問題がなければ、1本(1箇所)でもよい。
図1、図4などにおいて、斜面上側のパネル受け材6を61、支持金具7を71で示し、斜面下側のパネル受け材6を62、支持金具7を72で示している。
この実施例では、軽量溝形鋼である斜面上側及び下側のパネル受け材6がいずれもその開口が内側に向いた態様(すなわち、それぞれの開口は斜面上側のパネル受け材6は斜面傾斜方向の下向き、斜面下側のパネル受け材6は斜面傾斜方向の上向き)で架台支持材4にボルト11で固定されている。
軽量山形鋼である斜面上側及び下側の支持金具7はそれぞれ、他方のフランジ7bにおいて太陽光パネル2の枠材2aの下面にボルト13で予め固定されている。
この実施例では、前記の通り支持金具7の下方に延びるフランジ7aが斜面上側及び下側のパネル受け材6のそれぞれ外側面に接しており、したがって、斜面上側の支持金具71が斜面上側のパネル受け材61の斜面上側の側面に接していることで、太陽光パネル2は、傾斜して状態で置かれても斜面上側の支持金具71によって滑落することを有効に防止される。
【0024】
実施例の基礎部3は、図5、図6に示すようにラセン状部3aの上端に溶接固定した円板3bの上面にボルト3cを垂直に溶接固定したラセン状の杭であり、斜面上に立てて単にラセン軸方向に打撃することで、回転しながら地中に打設される。
そして、前記架台支持材4にあけたボルト挿通穴に前記ボルト3cを挿通させて、架台支持材4を杭3の上端の円板3bに載せ、ナット3dを締め付けて、杭3の上端に固定する。
なお、上述の説明で、ボルト9、11、17について、ボルトで固定していると記載した部分は、詳しくはボルトとナットで固定しているのであるが、それを略して記載したものである。
【0025】
上述の太陽光パネル設置構造1を採用して斜面に太陽光パネル2を設置する太陽光パネル設置作業について説明する。
まず、斜面Sに基礎部として図示例ではラセン状の杭3を四角形配置の4箇所に打設する。
次いで、2本の架台支持材4それぞれについて、斜面傾斜方向の上側及び下側の2本の杭3で支持する。この場合、架台支持材4のボルト挿通穴に杭3の上端のボルト3cを挿通させて、架台支持材4を杭3の上端の円板3bに載せ、ナット3dを締め付けて、杭3の上端に固定する。
次いで、斜面傾斜方向の上側及び下側の2つの太陽光パネル設置架台5のそれぞれ斜面横方向の2本(合計4本)のパネル受け材6を、それぞれ斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に架台支持材4上に載せ、ボルト11で固定する。
次いで、支持金具7を枠材2aに固定した各太陽光パネル2を順次、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6上に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6間に配置する。図示例では、太陽光パネル設置架台5の斜面上側及び斜面下側の支持金具7の下向きのフランジ7aがパネル受け材6のそれぞれ外側の側面に接するように配した上で横方向にスライドさせ配置する。
この実施例では、各太陽光パネル設置架台5の斜面上側の支持金具71がパネル受け材61の斜面上側の側面に接して支持金具71とパネル受け材61とが係合するので、太陽光パネル2を傾斜した太陽光パネル設置架台5に置いただけのこの段階(ボルトで固定する前の段階)で、傾斜した太陽光パネル2がパネル受け材6から滑落する恐れはない。滑落の恐れなく作業できるので、施工性は良好であり、工期短縮が図られる。
次いで、パネル受け材6上に載せた支持金具7付きの各太陽光パネル2をパネル受け材6に固定する。この場合、太陽光パネル2に固定した支持金具7の下向きのフランジ7aをボルト9でパネル受け材6に固定する。
なお、上記の作業において、斜面上側及び下側の太陽光パネル設置架台5にそれぞれ、支持金具付きの太陽光パネル2を載せた後に、各太陽光パネル2を各太陽光パネル設置架台5に固定(支持金具7をパネル受け材6に固定)してもよいが、斜面上側又は下側の一方の太陽光パネル設置架台5に太陽光パネル2を載せボルト9で固定した後に、他方の太陽光パネル設置架台5に太陽光パネル2を載せボルト9で固定する手順としてもよい。
【0026】
上記の通り、太陽光パネル2を太陽光パネル設置架台5に設置する作業に際して、支持金具7を固定した複数の太陽光パネル2を順次、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6上に載せ横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材6間に配置することができる。
この場合、太陽光パネル2はレール状のパネル受け材6上を横方向に特に制限なくスライドさせることができるので、土手などの横方向に延びる斜面に設置する際に横方向に多数設置することが可能であり、しかもその設置作業を楽に行うことができ、施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
また、太陽光パネル2に予め固定した支持金具7を、斜面上側及び下側で横方向に延びる2本の平行なパネル受け材6(61、62)の斜面傾斜方向の側面にボルト9で固定するので(縦向きのボルトでなく横向きのボルト9で固定するので)、支持金具7をパネル受け材6にボルト9で固定する際に、太陽光パネル2の下に潜り込むことなく、ボルト固定作業を行うことができる。したがって、太陽光パネル2をボルト9で架台5に堅固に固定する構造を採用していても、太陽光パネル設置作業に際して、太陽光パネル2の下に潜り込んでする作業が不要となり、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
また、横方向に隣り合う太陽光パネル2どうしは、それぞれに固定した支持金具7で個別にパネル受け材6に固定される構造であり、互いの結合関係ないし拘束関係はないので、複数設置された太陽光パネル2の任意の1枚を容易に取り外すことが可能であり、故障した太陽光パネル2を取り替えるメンテナンスなどの作業が容易である。
また、上記のような効果を得るために、太陽光パネル2の枠材2aに予め固定した支持金具7をパネル受け材6の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配してボルトで固定するようにしているが、斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具7はパネル受け材6の斜面上側の側面に接しているので、太陽光パネル2を傾斜した太陽光パネル設置架台5に置いてボルト9で固定する前の段階で、傾斜した太陽光パネル2が滑落する恐れはない。滑落の恐れなく作業できるので、この点でも施工性が良好であり、工期短縮が図られる。
【0027】
太陽光パネルの設置作業において、太陽光パネル2の下に潜り込む作業が不要となるので、太陽光パネル設置作業の作業性を向上させることができる。また、潜り込む動作あるいは潜り込んでする作業は不安定でケガなどし易いと言えるが、そのような恐れも少ない。
また、作業者が潜り込む作業が不要なので、太陽光パネル2と斜面との間の高さ空間を最小限にとどめることが可能となり、太陽光パネル設置架台5を支持する杭などの基礎部3を低くし鋼材使用量を少なくし材料コストを安くすることができる。
【実施例2】
【0028】
上述の通り本発明では、傾斜した太陽光パネル設置架台5の傾斜方向上下のパネル受け材6間に太陽光パネル2を載架するものであり、そして、太陽光パネル2を設置する作業としては、複数の太陽光パネル2を順次、太陽光パネル設置架台5の端部でパネル受け材6上に載せ横方向にスライドさせて配置するので、太陽光パネル2をボルトで固定する前の段階で太陽光パネル2が滑落することを防ぐことが必要である。
そのためのパネル受け材と予め太陽光パネル2に固定した支持金具又はガイド金具との関係としては、例えば図7〜図11に示すような構造が考えられる。
図7(イ)は図1〜図6で説明した実施例の場合であり、軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6(61)が開口を内向き(図7(イ)で右向き)にして配置され、軽量山形鋼による斜面上側の支持金具7(71)はその側面(下向きのフランジ7a)が斜面上側のパネル受け材61の斜面上側の側面(外側の面:ウエブ6a)に接し、側面同士がボルト9で接合された構成である。
図7(ロ)は軽量溝形鋼による斜面下側のパネル受け材6(62)が開口を外向き(図7(ロ)で右向き)にして配置され、軽量山形鋼による斜面下側の支持金具7(72)はその側面(下向きのフランジ7a)が斜面下側のパネル受け材62の斜面上側の側面(内側の面:ウエブ6a)に接し、側面同士がボルト9で接合された構成である。
【実施例3】
【0029】
図8は支持金具を太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で固定する場合である。
図8(イ)は軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6(61)が開口を内向きにして配置され、太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で上部を固定されたフラットバー(平坦な鋼板)による斜面上側の支持金具27(271)の下部が、斜面上側のパネル受け材61の斜面上側の側面(外側の面:ウエブ6a)に接し、ボルト9で接合された構成である。
図8(ロ)は軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6’(61’)が開口を外向きにして配置され、太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で上部(一方のフランジ37a)を固定された軽量Z形鋼(横向きにした軽量Z形鋼)による斜面上側の支持金具37(371)の下部(他方のフランジ37b)が、斜面上側のパネル受け材61’の斜面下側の側面(開口と反対側の面:ウエブ6a’)に接し、ボルト9で接合された構成である。この場合、必要であれば枠材2aの下面と支持金具37のウエブとの間の隙間を埋める板を介在させるとよい。
図8(イ)、(ロ)の実施例では、太陽光パネル2の枠材2aの下面にボルトがないので、太陽光パネル2をパネル受け材6上でスライドさせる際、そのスライドが円滑に行なわれる。また、図8(ロ)の実施例では太陽光パネル2の枠材2aを支持金具37を介してパネル受け材6に載せたまま、支持金具37とパネル受け材6とをボルト接合できる。
【実施例4】
【0030】
図9(イ)は角形鋼管による斜面上側のパネル受け材36(361)の斜面上側の側面(外側の面)に、軽量山形鋼による斜面上側の支持金具71の側面(下向きのフランジ7a)が接し、例えばワンサイドボルト19で接合された構成である。
図9(ロ)は角形鋼管による斜面下側のパネル受け材36(362)の斜面上側の側面(内側の面)に、軽量山形鋼による斜面下側の支持金具72の側面(下向きのフランジ7a)が接し、例えばワンサイドボルト19で接合された構成である。
なお、この実施例のようにパネル受け材36が角形鋼管の場合、図示のようにボルトとして片側の操作のみで締結できるワンサイドボルト19を使用することができる。図示例のワンサイドボルト19は、専用工具でボルト軸19aを掴みナット19bを捻じ込んでいくと、複数の縦スリットを入れたスリーブが先端の頭部19cで拡開して抜け止め部19dが形成され、2枚の板(軽量山形鋼7のフランジ7aと角形鋼管36の管壁と)が接合される構造である。
図示例では、パネル受け材36と架台支持材4との接合にもワンサイドボルト19’を使用している。
【実施例5】
【0031】
図10は角形鋼管による斜面上側のパネル受け材36(361)の斜面上側の側面(外側の面)に、太陽光パネル2の枠材2aの側面にボルト23で固定されたフラットバー(平坦な鋼板)による斜面上側の支持金具27(271)の下部が接し、ワンサイドボルト19で接合された構成である。
【実施例6】
【0032】
図11(イ)、(ロ)は、太陽光パネル2の斜面上側及び斜面下側の枠材2aの下面部をそれぞれ斜面上側又は斜面下側のパネル受け材6の上面部に直接ボルト39で固定する構造を採用する場合である。なお、図示例ではボルト39を捻じ込む枠材2a側のナット39aを予め枠材2aに溶接固定しているが、ワンサイドボルトを使用してもよい。
図11(イ)の実施例の場合、太陽光パネル2の斜面上側及び斜面下側の枠材2aの側面にそれぞれ、例えばフラットバー(平坦な鋼板)による斜面上側のガイド金具47(471)の上部を固定し、下部を図示例では開口部を内向きにした軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6(61)の側面(外側の側面(ウエブ6a))に当接させている。この場合、斜面上側のガイド金具47(471)は斜面上側のパネル受け材6(61)の斜面上側の側面(外側の面:ウエブ6a)に当接して、滑落防止の作用をする。
ガイド金具47は、パネル受け材6には固定されていないので、ガイド金具47付きの太陽光パネル2をパネル受け材6上に載せスライドさせて所定箇所に配する際にガイドの作用をし、かつ、前述の滑落防止の作用をするのみである。
図11(ロ)の実施例の場合、開口部を外向きにした軽量溝形鋼による斜面上側のパネル受け材6’(61’)の側面(フランジ6bの先端)に、フラットバーによる斜面上側のガイド金具47(471)の下部を当接させている。したがって、この実施例では、ガイド金具47はパネル受け材6’のフランジ6bの先端に当接してガイド作用及び滑落防止作用をする。
図11(イ)、(ロ)の実施例では、太陽光パネル2の枠材2aの下面にボルトがないので、太陽光パネル2をパネル受け材上でスライドさせる際、そのスライドが円滑に行なわれる。また、太陽光パネル2の枠材2aをパネル受け材に載せたまま、太陽光パネル2側をパネル受け材にボルト接合できる。
なお、上述した図7〜図11では、太陽光パネル2がパネル受け材6から滑落することを防止する斜面上側又は下側の一方のパネル受け材部分のみについて説明し、他方のパネル受け材部分についての説明は省略しているが、他方のパネル受け材部分は、太陽光パネル2をパネル受け材上で斜面横方向にスライドさせる際に太陽光パネル2が斜面上側に外れることも防ぐために、前記一方のパネル受け材部分と対称的な構造とするのが適切である。
【実施例7】
【0033】
上記の太陽光パネル設置構造に用いるパネル受け材は、実施例の軽量溝形鋼や角形鋼管に限定されず、平坦な上面及び側面を有する適宜の断面形状の部材を使用することができる。この場合、側面については必ずしも長さ方向の全長に亘って平坦である必要はなく、支持金具7との関係で、断続的に平坦な側面を有する構造でもよい。
支持金具は、実施例の軽量山形鋼やフラットバーに限らず、適宜の断面形状の部材を用いることができる。
また、ガイド金具も、実施例のフラットバーに限らず、適宜の部材を用いることができる。
また、架台支持材を介在させる場合に、架台支持材として実施例の軽量溝形鋼に限らず、軽量H形鋼その他の断面形状の部材を用いることができる。
【0034】
上述の実施例では、1つの太陽光パネル設置架台5に斜面横方向に並ぶ3つの太陽光パネル2を設置しているが、2つであってもよいし、またパネル受け材6を長くすることで4つ以上の太陽光パネル2を設置することができる。
また、実施例の太陽光パネル設置構造1は、架台支持材4に斜面傾斜方向の上側と下側との2つの太陽光パネル設置架台5を設置しているが、1つであってもよいし、また、架台支持材4を長くすることで、3つ以上の太陽光パネル設置架台5を設置することもできる。ただし、斜面傾斜方向の2つの太陽光パネル設置架台5どうしの間隔は、作業者がその間に容易に入って作業できる間隔とする。
また、実施例では、杭3の高さが等しく架台支持材4及び太陽光パネル設置架台5が斜面と平行であり、太陽光パネル2が斜面と平行に設置されているが、太陽光パネル設置架台5は斜面の傾斜角度に合わせる必要がなく、杭3の高さを調整するなどして設置場所に合わせた適切な傾斜角度に設定するとよい。
また、実施例では、基礎部としてラセン状の杭3を採用しているが、これに限らず種々の杭を採用することができ、また、杭に限らず、種々のタイプの基礎を採用することができる。
また、基礎部として柱状基礎である杭を採用する場合、実施例では杭を斜面に垂直に設置しているが、鉛直に設置してもよい。
また、実施例では太陽光パネル設置架台5を架台支持材4を介して基礎部3に設置しているが、太陽光パネル設置架台5を直接基礎部に設置(すなわち、パネル受け材6を基礎に直接設置)することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 太陽光パネル設置構造
2 太陽光パネル
2a 枠材
2b 太陽電池モジュール
3 杭(基礎部)
3b 円板
3c ボルト
3d ナット
4 架台支持材
5 太陽光パネル設置架台
6、6’ パネル受け材
61、61’ 斜面上側のパネル受け材
62 斜面下側のパネル受け材
6a ウエブ
6b フランジ
7 支持金具
71 斜面上側の支持金具
72 斜面下側の支持金具
7a (下方に延びる)フランジ
7b 他方のフランジ
9、11、13、17 ボルト
S 斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定される支持金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、斜面上側及び斜面下側の前記支持金具の下部をそれぞれ固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側の支持金具及び前記斜面下側の支持金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されてそれぞれパネル受け材にボルトで固定されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする太陽光パネル設置構造。
【請求項2】
前記支持金具が山形鋼であって、山形鋼の2つのフランジの一方が太陽光パネルの枠材の下面に固定され、他方がパネル受け材の側面にボルトにより固定されていることを特徴とする請求項1記載の太陽光パネル設置構造。
【請求項3】
斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定されるガイド金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、その上面に載せた前記複数の太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材の下面部をそれぞれボルトで固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側のガイド金具及び前記斜面下側のガイド金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方のガイド金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする太陽光パネル設置構造。
【請求項4】
前記パネル受け材が基礎部上に架台支持材を介して取り付けられる場合であって、
前記架台支持材は、前記基礎部上に固定されて斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本以上の棒状部材であり、この架台支持材上に前記パネル支持材の下面が固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光パネル設置構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの太陽光パネル設置構造により、斜面に設けた基礎部上に、斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置施工方法であって、
前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して前記一対のパネル受け材を、その一対が斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に取り付け、
前記支持金具又はガイド金具を固定した複数の太陽光パネルを順次、斜面上側及び斜面下側の支持金具又はガイド金具の下部がパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に接するように配して斜面傾斜方向上下のパネル受け材上に載せ斜面横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材間に配置し、次いで、支持金具とパネル受け材とを、若しくは太陽光パネルの枠材とパネル受け材とをボルトにより固定することを特徴とする太陽光パネル設置施工方法。
【請求項1】
斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定される支持金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、斜面上側及び斜面下側の前記支持金具の下部をそれぞれ固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側の支持金具及び前記斜面下側の支持金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されてそれぞれパネル受け材にボルトで固定されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方の支持金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする太陽光パネル設置構造。
【請求項2】
前記支持金具が山形鋼であって、山形鋼の2つのフランジの一方が太陽光パネルの枠材の下面に固定され、他方がパネル受け材の側面にボルトにより固定されていることを特徴とする請求項1記載の太陽光パネル設置構造。
【請求項3】
斜面に太陽光パネルを設置するための太陽光パネル設置構造であって、
斜面に設けられた基礎部と、この基礎部上に設けられて斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置架台とを備え、
前記太陽光パネル設置架台は、斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に配されて前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して取り付けられる、平坦な上面及び側面を有する棒状のパネル受け材と、前記太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材にそれぞれ上部が固定されるガイド金具とを備え、斜面上側及び斜面下側の前記パネル受け材は、その上面に載せた前記複数の太陽光パネルの斜面上側及び斜面下側の枠材の下面部をそれぞれボルトで固定することで前記複数の太陽光パネルを載架し、
前記斜面上側のガイド金具及び前記斜面下側のガイド金具はそれぞれ、その下部が前記斜面上側のパネル受け材又は前記斜面下側のパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に対し側面から接するように配されるとともに、前記斜面上側又は斜面下側の少なくとも一方のガイド金具はパネル受け材の斜面上側の側面に接していることを特徴とする太陽光パネル設置構造。
【請求項4】
前記パネル受け材が基礎部上に架台支持材を介して取り付けられる場合であって、
前記架台支持材は、前記基礎部上に固定されて斜面傾斜方向をなす互いに平行な2本以上の棒状部材であり、この架台支持材上に前記パネル支持材の下面が固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光パネル設置構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの太陽光パネル設置構造により、斜面に設けた基礎部上に、斜面の傾斜方向と直交する横方向に隣り合うように配される複数の太陽光パネルを設置する太陽光パネル設置施工方法であって、
前記基礎部上に直接又は架台支持材を介して前記一対のパネル受け材を、その一対が斜面の傾斜方向と直交する横方向に延長する態様で斜面上側と斜面下側とに間隔をあけて互いに平行に取り付け、
前記支持金具又はガイド金具を固定した複数の太陽光パネルを順次、斜面上側及び斜面下側の支持金具又はガイド金具の下部がパネル受け材の斜面傾斜方向の側面に接するように配して斜面傾斜方向上下のパネル受け材上に載せ斜面横方向にスライドさせて、斜面傾斜方向上下のパネル受け材間に配置し、次いで、支持金具とパネル受け材とを、若しくは太陽光パネルの枠材とパネル受け材とをボルトにより固定することを特徴とする太陽光パネル設置施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−89658(P2013−89658A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226474(P2011−226474)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
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