説明

太陽光発電設備

【課題】設備管理者以外の者が直流電力系統を勝手に切り離すことができないようにすると共に、中継箱からのケーブルがコネクタから外されない状態で覆蓋を移動した場合でもケーブルの切断、破損という事故が発生することなく、より安全に保守・点検作業が行える太陽光発電設備を提供すること。
【解決手段】複数の移動式覆蓋上に設置された太陽電池モジュール20を直列に接続した太陽電池アレイ(21−1、21−2)と、直流電力系統と、インバータ23を備えた太陽光発電設備において、複数の移動式覆蓋は上下に重なり合う上側覆蓋12と下側覆蓋11を具備し、上側覆蓋12に切断器17と、コネクタ16を備えると共に、開閉扉を備えた中継箱15を設置し、中継箱15の扉を開閉するための鍵を備え、該鍵により中継箱15の扉を開けないと切断器17の開閉及びコネクタ16の着脱ができない構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下水処理設備における沈殿池、ろ過池等の池の上部を覆い、必要に応じて天井部を開閉する移動式覆蓋上に太陽電池モジュールを配設し、該太陽電池モジュールで発電した直流電力を交流電力に変換し、該変換した交流電力を施設内の負荷に使用し、また、余剰電力を商用系統に売電する太陽光発電設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上下水処理設備の沈殿池、ろ過池等の池の上部を覆う移動式覆蓋を設け、更に、この移動式覆蓋上に太陽電池モジュールを設置することは、池に藻が発生するのを抑制すると共に、発電した電力を施設内で使用することで施設のランニングコストが削減できることから、その導入が普及してきている。また、覆蓋を密閉型にすれば薬物などの池内への投入が防止でき、所謂テロ対策にも効果的である。
【0003】
上記沈殿池やろ過池等は周期的に清掃などの保守・点検を行うので、設置した覆蓋を開閉する必要がある。そのため覆蓋自体が移動できる機構を備えている。従来、覆蓋を開放し、保守・点検を実施することを想定し、太陽電池モジュールで発電した直流電力を流す直流電力ケーブルは覆蓋が移動できるように折り畳んで収納するような処置がなされていた(特許文献1参照)。
【0004】
上記のようにケーブルを折り畳んで収納すると、当然ながら、必要とするケーブルの長さよりも長いケーブルが必要となり、かつ、折り畳んで収納するための器具を設置する必要があり、コストアップにつながっていた。また、直流電力系統ではケーブルが長くなれば、それにともない電力損失が大きくなる。
【0005】
また、覆蓋の内側にケーブルを収納する場合、池を清掃する場合の清掃作業の邪魔となると共に、作業時に太陽光電池モジュールが発電状態であれば(外側収納の場合も同様)、300V程度の直流電圧がケーブルに負荷されており、作業等でケーブルが破損すれば思わぬ感電等の事故に結びつく可能性がある。
【0006】
また、ケーブルを覆蓋の外側に収納する場合は、覆蓋の外側にケーブルを布設するための工事が必要となり、これもコストアップにつながる。かつ、不要なケーブルが弛んだ状態で放置された状態であれば、外観上も好ましいものとはならず、ケーブルの破損など不慮の事態につながることも懸念される。
【0007】
そこで、本願の発明者たちは上記問題を解決するために、直流電力系統である太陽電池アレイからインバータまでで選択的に系統から切離手段を設けることで、ケーブルの収容をなくし、対象の池の保守・点検作業を向上させた太陽光発電設備を開発している(特願2004−369805号)。
【特許文献1】特開2002−250080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記太陽光発電設備において、切離し手段である切断器及びコネクタを設置する中継箱は屋外仕様であるため防水機能は保持するが、箱を開閉する機構には制限がなかった。よって、設備管理者以外の者が切断器やコネクタを勝手に外すことが可能であり、不慮の事故につながる虞があった。
【0009】
また、移動式覆蓋には各々ストッパーなどの固定器具が備えているが、前記中継箱のコネクタを外さないで固定器具を解除すれば、覆蓋は移動することが可能であるから、ケーブルの全長以上に覆蓋が移動すれば、ケーブルに負荷(張力)が掛かり、ケーブル切断という事故につながる虞があった。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、設備管理者以外の者が直流電力系統を勝手に切り離すことができないようにすると共に、中継箱からのケーブルがコネクタから外されない状態で覆蓋を移動した場合でもケーブルの切断、破損という事故が発生することなく、より安全に保守・点検作業が行える太陽光発電設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、複数の移動式覆蓋上に設置された太陽電池モジュールを複数枚電気的に直列に接続して所定の容量を発電できるように構成した太陽電池アレイと、該太陽電池アレイによって発電した直流電力を送電する直流電力ケーブルを具備する直流電力系統と、該直流電力系統からの直流電力を交流電力に変換するインバータを備えた太陽光発電設備において、前記複数の移動式覆蓋は上下に重なり合う上側覆蓋と下側覆蓋を具備し、前記上側覆蓋に前記直流電力系統を切離すための切断器と、前記直流電力ケーブルが接続されたコネクタを備えると共に、開閉扉を備えた中継箱を設置し、前記中継箱の扉を開閉するための鍵を備え、前記鍵により前記中継箱の扉を開けないと前記切断器の開閉及び前記コネクタの着脱ができない構造となっていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の太陽光発電設備において、前記移動式覆蓋は池を覆うように設置されており、該池の外の前記上側覆蓋近傍に箱体を設け、前記箱体には前記中継箱から前記インバータへ至る直流電力系統の直流電力ケーブルが通ると共に、該直流電力ケーブルを固定・保持するケーブル固定保持機構を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の太陽光発電設備において、前記移動式覆蓋を構成する上側覆蓋及び下側覆蓋には該覆蓋を固定するストッパーを設けると共に、該上側覆蓋には前記箱体或いは前記池近傍の固定物体に一端が繋がれた紐体の他端が繋がれ、該上側覆蓋の移動により前記直流電力ケーブルに張力が掛らないように該紐体の長さを設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、鍵により中継箱の扉を開けないと切断器の開閉及びコネクタの着脱ができない構造となっているので、鍵を管理することで、設備管理者以外の者が容易に切断器(ブレーカ等)の開閉及びコネクタの着脱ができなくなり、直流電力系統を勝手に切り離すことができないから、感電等の不慮の事故を防止できる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、池の外の上側覆蓋近傍に設けた箱体に中継箱からインバータへ至る直流電力系統の直流電力ケーブルが通ると共に、該直流電力ケーブルを固定・保持するケーブル固定保持機構を設けたので、直流電力ケーブルが安定した状態で固定・保持される。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、上側覆蓋には箱体或いは池近傍の固定物体に一端が繋がれた紐体の他端が繋がれ上側覆蓋の移動により直流電力ケーブルに張力が掛らないように紐体の長さを設定するので、直流電力ケーブルとコネクタが接続した状態で上側覆蓋のストッパーを外し上側覆蓋を移動させても、直流電力ケーブルに負荷(張力)がかからない。よって、ケーブルの切断、破損等の事故が防止でき、保守・点検作業の安全性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る太陽光発電設備の外観構成例を示す図である。太陽光発電設備は浄水場の3つのろ過池に設置した移動式の覆蓋上に太陽電池モジュールを設置したものである。この移動式の覆蓋10はFRP(繊維強化プラスチック)製、アルミ合金製、鋼製等で、それ自体に遮光機能がある構造でも、該覆蓋10の天井部(上面)に設置する太陽電池モジュール20を含めて遮光機能を持たせるものでもよい。
【0018】
図1では1つのろ過池あたり上下に重なり合う下側覆蓋11と上側覆蓋12からなる移動式の覆蓋10が3台設置されており、覆蓋10の下側覆蓋11及び上側覆蓋12はそれぞれ下側覆蓋移動レール31、上側覆蓋移動レール32を移動する移動機構を備え、互いに上下に重なり合ったり、左右に展開できるようになっている。図1では手前と中央のろ過池の覆蓋10を移動して、手前のろ過池30が全開となった状態を示している。
【0019】
上記下側覆蓋11及び上側覆蓋12のそれぞれの天井部に複数枚の太陽電池モジュール20が設置されている。該太陽電池モジュール20の種類は、結晶シリコン、アモルファスシリコン系、薄膜シリコン系、化合物半導体(GaAs系、CIS系等)系等特に限定されるものではない。
【0020】
図2は太陽光発電設備の配線系統例を示す図である。上下に重なり合う2つの覆蓋に設置される複数の太陽電池モジュール20で一つの太陽電池アレイ21を形成している例を示している。所定の容量を発電する太陽電池アレイとするためにも上下に重なった2つの覆蓋上に必要枚数の太陽電池モジュール20を設置したものである。ここでは、下側覆蓋11と上側覆蓋12に夫々8枚づつ合計16枚の太陽電池モジュール20を設置し、下側覆蓋11の8枚の太陽電池モジュール20を直列に接続(電機的に直列に接続)して小太陽電池アレイ21−1を構成し、上側覆蓋12の8枚の太陽電池モジュール20を直列に接続(電機的に直列に接続)して小太陽電池アレイ21−2を構成し、更に小太陽電池アレイ21−1と小太陽電池アレイ21−2を直列に接続(電機的に直列に接続)し、太陽電池アレイ21としている。
【0021】
一つの太陽電池アレイ21あたり、定格状態(25°、AM:1.5)で直流電圧:300V程度、発電容量:2kW程度、全体では9つの太陽電池アレイで18kW程度の直流電力を発電することができる。ここでは、太陽電池アレイ21が2つの小太陽電池アレイ21−1と21−2に分割され、それぞれ下側覆蓋11と上側覆蓋12に設置されているので、下側覆蓋11と上側覆蓋12にはそれぞれ端子台13、14を設置し、専用のケーブルSCBで接続している。即ち、端子台13及び端子台14には夫々端子T1、T2、T3が設けられ、各端子T1、T2、T3は互いに専用ケーブルSCB内のケーブルSCB1、SCB2、SCB3で接続されている。この専用ケーブルSCBには、例えばキャプタイヤケーブル(導体をゴムで絶縁したうえ、外側に丈夫なキャプタイヤゴムを被せた丸型に仕上げたケーブル)を用いる。
【0022】
下側覆蓋11の端子台13の端子T1には、太陽電池モジュール20を8枚直列に接続してなる小太陽電池アレイ21−1の負(−)端子がケーブルCB1で接続され、端子T2には小太陽電池アレイ21−1の正(+)端子がケーブルCB2で接続され、端子T3には小太陽電池アレイ21−1のアース端子TeがケーブルCB3で接続されている。
【0023】
また、上側覆蓋12には中継箱15が設けられ、該中継箱15はコネクタ16、切断器17を備えている。上側覆蓋12の端子台14の端子T1には太陽電池モジュール20を8枚直列に接続してなる小太陽電池アレイ21−2の正(+)端子がケーブルCB4で接続され、端子T2には中継箱15の切断器17の端子B1がケーブルCB5で接続され、端子T3には小太陽電池アレイ21−2のアース端子Te1がケーブルCB6で接続されている。また、中継箱15の切断器17の端子A1と小太陽電池アレイ21−2の負(−)端子がケーブルCB7で接続されている。また、中継箱15内では切断器17の端子の端子A2とコネクタ16のピンCN1が接続され、切断器17の端子の端子B2とコネクタ16のピンCN2が接続されている。
【0024】
19はろ過池30の外で上側覆蓋12の近傍に設置した箱体であり、中継箱15のコネクタ16のピンCN1、CN2、CN3に接続されたケーブルCB9、CB10、CB11は該箱体19の内部を通って外部端子(負(−)端子)T5、外部端子(正(+)端子)T4、外部アース端子 TEに接続される。該箱体19内にはケーブルCB9、CB10、CB11(直流電力ケーブル24)を固定・保持する機構を備えている。ケーブルCB9、CB10は直流電力系統を構成する。外部端子(負(−)端子)T5、外部端子(正(+)端子)T4には一本の直流電力ケーブルCB12が接続され、該直流電力ケーブルCB12及び接続箱22を介して太陽電池アレイ21で発電された電力はインバータ23に送られ、交流電力に変換されるようになっている。なお、接続箱22を介さず直流電力を直接インバータに送る場合もある。
【0025】
図3はろ過池30の外の上側覆蓋12の近傍に設置した箱体19と中継箱15をつなぐ直流電力ケーブル(内部にケーブルCB9、CB10、CB11を備えている)24の接続と解列状態を示す図であり、図3(a)は直流電力ケーブル24を接続した状態、図3(b)はケーブル24を解列した状態を示す。中継箱15からの直流電力ケーブル24は前述のように箱体19を通り、これに続く電線管(図示せず)内から接続箱22に至る。該箱体19は直流電力ケーブル24を収納することもできる。また、中継箱15のコネクタ16から外した直流電力ケーブル24を留め置くケーブル留置機構25を備えている。
【0026】
図4は箱体と上側覆蓋12に紐体26(チェーン、ロープ等)を繋げた状態を示したものである。図4の状態、即ち中継箱15から箱体19に直流電力ケーブル24が繋がった状態から、上側覆蓋12を移動させようとした場合、紐体26により上側覆蓋12の移動が制限され、ケーブル24に負荷(張力)がかからないように、該紐体26の長さを設定することにより、直流電力ケーブル24が切断したり、破損するおそれがなくなる。また、この紐体26が上側覆蓋12に係止具27に繋がった状態で係止部に施錠できる機能を付加すれば更に安全性は向上する。
【0027】
また、中継箱15は開閉扉を備え、該扉には鍵により施錠する構成とし、該鍵により扉を開けないと中継箱15内に設置された切断器17の開閉及びコネクタ16のピンCN1、CN2、CN3が着脱できない構造となっている。下側覆蓋11と上側覆蓋12からなる覆蓋10を移動する場合は、下記の(1)乃至(4)の手順で行う。
【0028】
(1)中継箱15の扉を開け、切断器17を開放し、直流電力ケーブル24をコネクタ16から外し箱体19のケーブル留置機構25に留め置く。
(2)紐体26を上側覆蓋12から外す(係止部に施錠機能を備えている場合は施錠を解除して外す)。
(3)図示しないストッパー(固定金具)を解除する。
(4)覆蓋10(上側覆蓋12、下側覆蓋11)を移動する。
【0029】
太陽光発電設備を上記のように、複数の移動式の覆蓋10が下側覆蓋11と上側覆蓋12からなる上下に重なり合う構造(通常、上下に重なり合う下側覆蓋11と上側覆蓋12の2つの覆蓋に設置した太陽電池モジュール20で1つの太陽電池アレイ21を構成する)とし、上側覆蓋10に切断器17とコネクタ16を備えた中継箱15を設置し、該中継箱15に鍵等で開閉できる扉を設け、鍵等で扉を開けた状態でなければ、切断器17の開閉及びコネクタ16のコネクタピンCN1、CN2、CN3が着脱できない構造とすることにより、設備管理者以外の者は容易に切断器(ブレーカ等)17の開閉やコネクタ16のコネクタピンCN1、CN2、CN3を着脱できない。これにより感電等の不慮の事故を防止できる。
【0030】
上記中継箱15から接続箱22(又はインバータ23)への直流電力系統において、上側覆蓋12に設けた中継箱15の池外近辺に箱体19を設置する。中継箱15からの直流電力ケーブル24は箱体19を通り、接続箱22(又はインバータ23)へ繋がる。中継箱15からの直流電力ケーブル24は箱体19により固定・保持されると共に、必要に応じて余長分のケーブルが収納される。これにより直流電力ケーブル24は安定した状態で固定、保持される。また、上側覆蓋12を移動するため、中継箱15のコネクタ16から外された直流電力ケーブル24を箱体19のケーブル留置機構25に留め置くようにする。これによりコネクタ16から外された直流電力ケーブル24が所定の位置に収まり、保守、点検作業に支障となることがない。
【0031】
覆蓋10は移動式であるので、移動しない場合は、通常、ストッパー(固定金具等)で覆蓋10は固定されている。中継箱15から箱体19までの直流電力ケーブル24は覆蓋10移動するための長さを有しないので、該直流電力ケーブル24が外れた状態でないとう覆蓋10(上側覆蓋12)は移動できない。中継箱15のコネクタ16と直流電力ケーブル24が繋がった状態で上側覆蓋12が移動すると直流電力ケーブル24が切断する虞があるので、中継箱15が設置されている上側覆蓋12と箱体19若しくは池近傍の物体に紐体を繋げて、該直流電力ケーブル24が接続された状態では上側覆蓋12の移動が制限される構成としている。
【0032】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態例では、浄水場の3つのろ過池に設置した移動式の覆蓋上に太陽電池モジュール20を設置した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば上下水処理設備の沈殿池、ろ過池等、所定の場所を覆う複数の移動式覆蓋が設置されている場所であれば、複数の覆蓋に太陽電池モジュールを設置し、本発明に係る太陽光発電設備を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る太陽光発電設備の外観構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る太陽光発電設備の配線系統の構成例を示す図である。
【図3】本発明に係る太陽光発電設備の覆蓋の上側覆蓋及びその近傍を示す図である。
【図4】本発明に係る太陽光発電設備の覆蓋の上側覆蓋及びその近傍を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
10 覆蓋
11 下側覆蓋
12 上側覆蓋
13 端子台
14 端子台
15 中継箱
16 コネクタ
17 切断器
19 箱体
20 太陽電池モジュール
21 太陽電池アレイ
22 接続箱
23 インバータ
24 直流電力ケーブル
25 ケーブル留置機構
26 紐体
27 係止具
30 ろ過池
31 下側覆蓋移動レール
32 上側覆蓋移動レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動式覆蓋上に設置された太陽電池モジュールを複数枚電気的に直列に接続して所定の容量を発電できるように構成した太陽電池アレイと、該太陽電池アレイによって発電した直流電力を送電する直流電力ケーブルを具備する直流電力系統と、該直流電力系統からの直流電力を交流電力に変換するインバータを備えた太陽光発電設備において、
前記複数の移動式覆蓋は上下に重なり合う上側覆蓋と下側覆蓋を具備し、
前記上側覆蓋に、前記直流電力系統を切離すための切断器と、前記直流電力ケーブルが接続されたコネクタを備えると共に、開閉扉を備えた中継箱を設置し、
前記中継箱の扉を開閉するための鍵を備え、
前記鍵により前記中継箱の扉を開けないと前記切断器の開閉及び前記コネクタの着脱ができない構造となっていることを特徴とする太陽光発電設備。
【請求項2】
請求項1記載の太陽光発電設備において、
前記移動式覆蓋は池を覆うように設置されており、該池の外の前記上側覆蓋近傍に箱体を設け、
前記箱体には前記中継箱から前記インバータへ至る直流電力系統の直流電力ケーブルが通ると共に、該直流電力ケーブルを固定・保持するケーブル固定保持機構を設けたことを特徴とする太陽光発電設備。
【請求項3】
請求項2記載の太陽光発電設備において、
前記移動式覆蓋を構成する上側覆蓋及び下側覆蓋には該覆蓋を固定するストッパーを設けると共に、該上側覆蓋には前記箱体或いは前記池近傍の固定物体に一端が繋がれた紐体の他端が繋がれ、該上側覆蓋の移動により前記直流電力ケーブルに張力が掛らないように該紐体の長さを設定したことを特徴とする太陽光発電設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−73714(P2007−73714A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−258564(P2005−258564)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】