説明

太陽熱利用型給水器

【課題】従来の動力を使わない給水器は給水口を地中に埋没させ毛細管現象を利用して連続的に給水するために、しみ出させる水の量の調節が難しかった。1日あたりの給水量を大まかに設定し、滴下して給水する給水器を提供する。
【解決手段】ペットボトルに代表されるような密閉された容器のキャップに細いチューブ2を密着させて通し、容器1内に水を入れ、チューブ2の一端を容器1内の水中に没してキャップをしっかり締める。この装置を給水場所に設置する。容器1に日光が当たること、または、外気温の上昇に伴い容器1内の気温が上がると、容器1内の空気が膨張して、その圧力により水がチューブ2から押し出さてチューブ4の先端から滴下する。1日に押し出される水の総量は設置時に容器1内に入っていた空気の体積と容器内気温の日較差によって決まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は、ペットボトルに代表されるような密閉された容器内の空気の温度が太陽熱により上昇して膨張したことによる圧力で容器内の水を一端が水中に没したチューブを通じて給水する装置に関するものである。
【背景技術】
【002】
従来から、ペットボトルを逆さにして水圧を利用してキャップ部に特殊な工夫を施した植物への給水器が特許文献1に開示されている。また、毛細管現象を利用した植物への給水器としては特許文献2が開示されている。
【特許文献1】登録実用新案第3040560号
【特許文献2】登録実用新案第3037656号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【003】
従来の動力を使わない給水器は給水口を地中に埋没させ毛細管現象を利用して給水するために、陽差しとは関係なく連続的に行われていた。また、給水口からしみ出させる水の量の調節が難しかった。本発明は動植物が水を欲する陽差しの強い陽にたくさん給水し、1日あたりの給水量を大まかに設定して給水し、滴下して給水することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【004】
この課題を解決するための請求項1の発明は、ペットボトルに代表されるような容器のキャップに細いチューブを密着させて通し、容器内に水を入れ、チューブの一端を容器内の水中に没してキャップをしっかり締める。
【005】
この装置を給水場所に設置する。容器に日光が当たること、または、外気温の上昇に伴い容器内の気温が上がると、容器内の空気が膨張して、その圧力により水がチューブから押し出さてチューブの先端から滴下する。1日に押し出される水の総量は設置時に容器内に入っていた空気の量と気温の日較差によって決まる。
【発明の効果】
【006】
本発明により、灌漑設備のない場所で本装置を直射日光を避けて設置することで動植物に1日あたりの給水量を設定して無人で給水することができる。
【007】
本装置を1日中直射日光の当たる場所に設置することにより、雲が発生して陽が陰った後で、再度陽が差す度に給水することになるので、1日に複数回の給水をすることができる。
【008】
また、都市部においてこの設置方法をとることにより夏季の打ち水装置として利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【009】
図1はチューブを1つ付けたものである。チューブの本数だけ給水できるので、容器の大きさと給水量との兼ね合いでチューブの本数は任意である。ただし、チューブを複数にしたときのそれぞれの給水量は1本の場合の本数分の1になる。
【産業上の利用の可能性】
【010】
本発明は家庭やオフィスなどの観葉植物等の水やりだけでなく農業や林業での苗への水やり装置として、また、都市部においては夏季の打ち水装置としても幅広く利用できる。そして、太陽エネルギーだけをエネルギー源とする装置であるので環境に優しい取り組みが求められている社会の要求に合致して産業上の利用の可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【011】
図1はチューブを1つ付け、水を3分の1程度入れた装置全体の概略断面図である。
【符号の説明】
【012】
1 密閉された容器
2 チューブ
3 空気
4 水
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉された容器内の空気の温度が上昇して膨張したことによる圧力で容器内の水を水中に一端を没したチューブを通じて給水する装置。
【請求項2】
密閉されたペットボトル内の空気の温度が上昇して膨張したことによる圧力でペットボトル内の水を水中に一端を没したチューブを通じて給水することを可能とするペットボトルのチューブ付キャップ。