説明

太陽電池モジュール間の配線構造

【課題】カーテンウォール構造において、太陽電池モジュールに取り付けた端子箱およびその配線は、端子箱および複数の端子を接続する配線が複雑に露出して室内から見える状態であり外観上問題があった。
【解決手段】太陽電池モジュールの一側に導電部の係止部を形成し、その係止部に端子を取り付け、連続する太陽電池モジュールの目地に、前記端子を隠す幅があって両側に止水片を形成した閉止部と、その閉止部の内側中央に目地内に挿入する脚部を有し、その脚部の端部に目地端に係止固定させる固定係止部を形成した目地ガスケットを取り付けることによって前記端子を隠すと共にその目地ガスケット内に各端子からの各配線を納めて導くようにすると共に上記固定係止部を覆う幅の本体の両側に止水片を有し、中央に上記脚部に設けた係止溝に係止する係止突起を有するカバーで固定係止部を覆うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールの壁面等に取り付ける太陽電池モジュール間の配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
連続する太陽電池モジュール間を接続する電気配線は、図7の部分説明図および図8の全体説明図に示す如く、各太陽電池モジュール100に接続する端子箱101は大きな形状で、各太陽電池モジュール100の裏面に接続してあると共にその各太陽電池モジュール100を接続する配線102が複雑に露出して室内から非常に見苦しいものとなっている。
【0003】
そこで、近時、太陽電池モジュールの端部に取り付けることができる端子が開発されて室内から大きな端子箱が見えないような構造がとれるようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、小さい端子とはいえ、各太陽電池モジュールに取り付けると外観上目障りとなり、しかも複数の端子を接続する配線が複雑に露出することが防げず、その複雑な配線が室内から見える状態は解決できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、太陽電池モジュールの一側に導電部の係止部を形成し、その係止部に端子を取り付け、連続する太陽電池モジュールの目地に、前記端子を隠す幅があって両側に止水片を形成した閉止部と、その閉止部の内側中央に目地内に挿入する脚部を有し、その脚部の端部に目地端に係止固定させる固定係止部を形成した目地ガスケットを取り付けることによって前記端子を隠すと共にその目地ガスケット内に各端子からの各配線を納めて導くようにすると共に上記固定係止部を覆う幅の本体の両側に止水片を有し、中央に上記脚部に設けた係止溝に係止する係止突起を有するカバーで固定係止部を覆うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明によると、太陽電池モジュールの一側端に導電部の係止部を形成し、その係止部に端子を取り付け、連続する太陽電池モジュールの目地に取り付けた目地ガスケット内に各端子からの各配線を納めて導いたことにより、各端子はガスケットによって隠され、各端子からの各配線は目地ガスケット内に納められて隠されることになり、カーテンウォールの壁面等に取り付けた太陽電池モジュールが外観上良好となり、内側から見ても見苦しくないという効果が得られる。
【0007】
また、各端子および各配線は目地に取り付けたガスケットによって隠されているだけであるために、その取り付け作業性に優れ、保守、点検も用意となる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】端子の接続状態を示す説明図
【図2】太陽電池モジュールの配線状態を示す部分説明図
【図3】太陽電池モジュールの配線状態を示す全体説明図
【図4】配線状態を示す拡大断面図
【図5】端子の接続状態を示す説明図
【図6】配線状態を示す拡大断面図
【図7】従来例の太陽電池モジュールの配線状態を示す部分説明図
【図8】太陽電池モジュールの配線状態を示す全体説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による実施例を説明する。
【0010】
実施例1
図1は端子の接続状態を示す説明図、図2は太陽電池モジュールの配線状態を示す部分説明図、図3は太陽電池モジュールの配線状態を示す全体説明図、図4は配線状態を示す拡大断面図であり、図において、1は太陽電池モジュールであり、その一側の導電部2に係止部3を形成し、その係止部3に端子4が取り付けてある。
【0011】
この端子4の係止部3の状態は、図1に示す如く、太陽電池モジュール1の導電部2のガラス5に端子4が設置できる幅の段差部6を形成して係止部3とし、その段差部6に設置するように取り付ける。このように太陽電池モジュール1の厚さ内に端子4を納めたもので、端子4が太陽電池モジュール1表面に突出しないかわずかに突出する程度に取り付けてある。
【0012】
このように各太陽電池モジュール1に取り付けた端子4からの各配線7は、図4に示す如く、端子4から各配線を目地ガスケット8内に納める。
【0013】
上記目地ガスケット8は、例えば、図示する如く、取り付けた端子4を隠すための幅があり、しかも止水片11を両側に形成した閉止部12とその閉止部12の中央に目地内に挿入する脚部13を有し、その脚部13の端部に目地端に係止固定する固定係止部14を設けた構造である。
【0014】
さらに、その固定係止部14を覆うカバー15が設けてある。このカバー15は、例えば、固定係止部14を覆う幅の本体の両側に止水片16を有し、中央に上記脚部13に設けた係止溝17に係止する係止突起18を有した構造である。
【0015】
なお、上記の説明は、各太陽電池モジュール1に形成した係止部3は目地を挟んで向かい合わせに形成して端子4を対向配置した場合で説明を行ったが、従来の図8に示す如く、それぞれ同一側に係止部を形成して端子を取り付けた構造においても全く同様に目地ガスケット8内に納めることができる。
【0016】
以上の構成によると、太陽電池モジュール1の一側の導電部2に形成した段差部6に取り付けた端子4は、外観上目地ガスケット8内に納まり、しかも、端子4からの配線7はその目地ガスケット8内に納まることにより、端子4および配線7はすべて目地ガスケット8によって隠され、外観上見えないことになる。また、各ガスケットは目地に着脱が容易であるために、保守、点検に際しても作業上の障害はない。
実施例2
図5は端子の接続状態を示す説明図、図6は配線状態を示す拡大断面図であり、図において、1は太陽電池モジュールであり、その一側の導電部2に係止部3を形成し、その係止部3に端子4が取り付けてある。
【0017】
この端子4の係止部3の状態は、図5に示す如く、太陽電池モジュール1の導電部2のガラス5に端子が設置できる程度の切り欠22を形成して係止部3とし、その切り欠22内に納まるように端子4を取り付ける。このように本実施例も太陽電池モジュール1の厚さ内に端子4を納めたもので、端子4が太陽電池モジュール1表面に突出しないかわずかに突出する程度に取り付けてある。
【0018】
このように各太陽電池モジュール1に取り付けた端子4からの各配線7は、図6に示す如く、端子4から各配線を目地ガスケット8内に納める。
【0019】
上記において、係止部3の状態以外は、目地ガスケットやカバー等は上記実施例1と同様であるために説明は省略する。
【0020】
この構成によっても上記実施の形態例と同様に、太陽電池モジュール1の一側の導電部2に形成した切り欠22に取り付けた端子4は、外観上目地ガスケット8内に納まり、しかも、端子4からの配線7はその目地ガスケット8に納まることにより、端子4および配線7はすべて目地ガスケット8によって隠され、外観上見えないことになる。また、ガスケットは目地に着脱が容易であるために、保守、点検に際しても作業上の障害はない。
【0021】
以上詳細に説明した本発明によると、太陽電池モジュールの一側端に導電部の係止部を形成し、その係止部に端子を取り付け、連続する太陽電池モジュールの目地に取り付けた目地ガスケット内に各端子からの各配線を納めて導いたことにより、各端子は目地ガスケットによって隠され、各端子からの各配線は目地ガスケット内に納められて隠されることになり、カーテンウォールの壁面等に取り付けた太陽電池モジュールが外観上良好となり、内側から見ても見苦しくないという効果を有する。
【0022】
また、各端子および各配線は目地に取り付けたガスケットによって隠されているだけであるために、その取り付けの作業性に優れ、保守、点検も容易となる効果を有する。
【符号の説明】
【0023】
1 太陽電池モジュール
2 導電部
3 係止部
4 端子
5 ガラス
6 段差部
7 配線
8 目地ガスケット
11 止水片
12 閉止部
13 脚部
14 固定係止部
15 カバー
16 止水片
17 係止溝
18 係止突起
22 切り欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールの一側に導電部の係止部を形成し、その係止部に端子を取り付け、連続する太陽電池モジュールの目地に、前記端子を隠す幅があって両側に止水片を形成した閉止部と、その閉止部の内側中央に目地内に挿入する脚部を有し、その脚部の端部に目地端に係止固定させる固定係止部を形成した目地ガスケットを取り付けることによって前記端子を隠すと共にその目地ガスケット内に各端子からの各配線を納めて導くようにすると共に上記固定係止部を覆う幅の本体の両側に止水片を有し、中央に上記脚部に設けた係止溝に係止する係止突起を有するカバーで固定係止部を覆うことを特徴とする太陽電池モジュール間の配線構造。



























【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−103567(P2010−103567A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24161(P2010−24161)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【分割の表示】特願平11−188179の分割
【原出願日】平成11年7月1日(1999.7.1)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】