説明

太陽電池用絶縁基板およびその製造方法ならびに薄膜シリコン太陽電池

【課題】規則的な凹凸形状が高精度に形成された太陽電池用絶縁基板を提供すること。
【解決手段】太陽電池用絶縁基板は、フェライト系ステンレス鋼板、または普通鋼をめっき原板とするめっき鋼板から選択される基材鋼板と、基材鋼板の表面に形成され、ポリエーテルスルホン樹脂を85質量%以上含む絶縁塗膜とを有する。絶縁塗膜の表面には、略同一形状の複数の凸部が規則的に形成されている。凸部の底面の外径は、0.05〜2.0μmである。凸部の底面の外径に対する凸部の高さの比は、0.1〜1.5である。凸部の底面の外径に対する凸部の中心間距離の比は、1.0〜4.0である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に規則的な凹凸形状を有する太陽電池用絶縁基板およびその製造方法、ならびに前記太陽電池用絶縁基板を有する薄膜シリコン太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、光電効果の一種である光起電力効果を利用して、太陽からの光エネルギーを電力に直接変換(光電変換)する電力機器である。近年、太陽電池は、電子卓上計算機や時計、カメラ、携帯電話機、ソーラーパネルなどの用途に使用されている。
【0003】
一般的に、太陽電池は、絶縁基板と、絶縁基板の上に配置された第1電極層と、第1電極層の上に配置された光電変換層と、光電変換層の上に配置された第2電極層と、を有している。太陽電池は、光電変換層にシリコンを用いるシリコン系の太陽電池と、光電変換層にIII−V族化合物半導体などを用いる化合物系の太陽電池とに大別される。さらに、シリコン系の太陽電池は、結晶シリコン型の太陽電池と、非晶質シリコン薄膜型の太陽電池とに大別される。非晶質シリコン薄膜型の太陽電池は、結晶シリコン型の太陽電池と比較して、光電変換効率が低いことが知られている。このため、現在、非晶質シリコン薄膜型の太陽電池について、光電変換層における光量を増加させて、光電変換効率を向上させることが検討されている。光電変換層における光量を増加させる方法の一つとして、絶縁基板の表面に凹凸形状(テクスチャ構造)を形成することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
特許文献1には、樹脂基板にテクスチャロールを押圧して、樹脂基板の表面にテクスチャ構造を形成する方法が記載されている。この方法では、まず、ポリアミドなどの樹脂で構成された樹脂基板を加熱する。そして、加熱された樹脂基板に対してテクスチャロールを押圧して、樹脂基板の表面に凹凸形状を形成している。
【0005】
特許文献2には、基板上に形成した塗膜にテクスチャロールを押圧して、塗膜の表面にテクスチャ構造を形成する方法が記載されている。この方法では、まず、ステンレス鋼箔などの基板の表面に形成したポリイミド系樹脂塗膜を加熱する。そして、加熱されたポリイミド系樹脂塗膜にテクスチャロールを押圧して、ポリイミド系樹脂塗膜の表面にテクスチャ構造を形成している。
【0006】
特許文献3には、金属基板の表面に顔料を含む塗料を塗布して、テクスチャ構造を有する塗膜を形成する方法が記載されている。この方法では、ステンレス鋼板などの金属基板の表面に顔料を含む塗料を塗布し、焼き付ける。この方法では、顔料が塗膜中で二次凝集するため、テクスチャ構造を有する塗膜が形成される。
【0007】
特許文献1〜3の方法で製造された各基板のテクスチャ構造を有する面に、第1電極層、光電変換層および第2電極層を形成することで、第1電極層の表面(第1電極層と光電変換層との界面)および光電変換層の表面(光電変換層と第2電極層との界面)にテクスチャ構造を有する太陽電池を作製することができる。このようにして作製された太陽電池では、光電変換層表面の傾斜面で一度反射した光が、別の傾斜面に当たって光電変換層内に進入する。また、光電変換層を通過した光が、第1電極層表面の傾斜面で乱反射して、光電変換層内に再度進入する。その結果、光電変換層内の光量が増加し、光電変換効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−298085号公報
【特許文献2】特開2003−298086号公報
【特許文献3】特開平11−177111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述した従来のテクスチャ構造を有する絶縁基板の製造方法では、規則的なテクスチャ構造を高精度に形成することができなかった。
【0010】
すなわち、特許文献1の製造方法では、基板の素材として樹脂を使用しているため、テクスチャロールを押圧するときに、樹脂が平面方向に伸びてしまい、規則的なテクスチャ構造を形成することができない。
【0011】
また、特許文献2の製造方法では、塗膜のベース樹脂として、明確な軟化温度を有さないポリイミド系樹脂を使用しているため、テクスチャロールを押圧する条件の設定が困難であり、所望のテクスチャ構造を形成することができない。
【0012】
また、特許文献3の製造方法では、顔料の二次凝集の制御が困難であり、表面形態が不規則になってしまうため、規則的なテクスチャ構造を形成することができない。さらに、顔料の二次凝集の状態によっては、いわゆるタコツボ部が形成された表面となる可能性がある。この場合、この表面に電極層や光電変換層などを形成する際に成膜不良部ができ、太陽電池として機能しなくなる可能性がある。
【0013】
テクスチャ構造にばらつきがあると、光電変換層内において光電変換効率にばらつきが生じてしまうとともに、光電変換層に膜切れなどの欠陥が生じやすくなってしまう。その結果、光電変換層全体における光電変換効率が低下してしまうおそれがある。
【0014】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、規則的な凹凸形状(テクスチャ構造)が高精度に形成された太陽電池用絶縁基板およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、この太陽電池用絶縁基板を有する薄膜シリコン太陽電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、金属基板上にポリエーテルスルホン樹脂を主成分とする絶縁塗膜を形成し、この絶縁塗膜に型を押圧して凹凸形状を形成することにより、上記課題を解決しうることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の太陽電池用絶縁基板に関する。
[1]フェライト系ステンレス鋼板、または普通鋼板をめっき原板とするめっき鋼板から選択される基材鋼板と、前記基材鋼板の表面に形成され、ポリエーテルスルホン樹脂を85質量%以上含む絶縁塗膜と、を有し、前記絶縁塗膜の表面には略同一形状の複数の凸部が規則的に形成されており、前記凸部の底面の外径は0.05〜2.0μmの範囲内であり、前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の高さの比は0.1〜1.5の範囲内であり、前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の中心間距離の比は1.0〜4.0の範囲内である、太陽電池用絶縁基板。
[2]前記凸部の底面の外径の変動係数、前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の高さの比の変動係数、および前記凸部の底面の外形に対する前記凸部の中心間距離の比の変動係数は、いずれも10%以下である、[1]に記載の太陽電池用絶縁基板。
【0017】
また、本発明は、以下の太陽電池用絶縁基板の製造方法に関する。
[3]フェライト系ステンレス鋼板、または普通鋼をめっき原板とするめっき鋼板から選択される基材鋼板を準備する工程と、前記基材鋼板の表面にポリエーテルスルホン樹脂を85質量%以上含む絶縁塗膜を形成する工程と、前記絶縁塗膜に型を押圧して前記絶縁塗膜の表面に規則的に配置された略同一形状の複数の凸部を形成する工程とを有し、前記凸部の底面の外径は0.05〜2.0μmの範囲内であり、前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の高さの比は0.1〜1.5の範囲内であり、前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の中心間距離の比は1.0〜4.0の範囲内である、太陽電池用絶縁基板の製造方法。
[4]前記複数の凸部を形成する工程では、150〜450℃の温度の前記絶縁塗膜に、0.01〜100MPaの圧力で前記型を押圧する、[3]に記載の太陽電池用絶縁基板の製造方法。
【0018】
また、本発明は、以下の薄膜シリコン太陽電池に関する。
[5][1]または[2]に記載の太陽電池用絶縁基板と、前記太陽電池用絶縁基板の上に配置された第1電極層と、前記第1電極層の上に配置され、シリコン化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の上に配置された第2電極層と、を有する、薄膜シリコン太陽電池。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、規則的なテクスチャ構造が高精度に形成された太陽電池用絶縁基板を提供することができる。本発明の太陽電池用絶縁基板を用いることにより、光電変換効率が高い薄膜シリコン太陽電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の太陽電池用絶縁基板およびその製造方法、ならびに前記太陽電池用絶縁基板を有する薄膜シリコン太陽電池について説明する。
【0021】
1.太陽電池用絶縁基板
本発明の太陽電池用絶縁基板は、薄膜シリコン太陽電池に使用されうる絶縁基板である。本発明の太陽電池用絶縁基板は、基材鋼板と、基材鋼板の表面に形成された絶縁塗膜とを有する。絶縁塗膜の表面には、熱ナノインプリント技術により規則的な凹凸形状(テクスチャ構造)が高精度に形成されている。
【0022】
以下、本発明の太陽電池用絶縁基板の各構成要素について説明する。
【0023】
[基材鋼板]
基材鋼板は、熱ナノインプリント技術により絶縁塗膜の表面に規則的な凹凸形状を形成する時に、絶縁塗膜を支持し、絶縁塗膜が平面方向に伸びることを防止するための支持部材である。
【0024】
基材鋼板の種類は、特に限定されないが、熱膨張係数がシリコン(4×10−6〜5×10−6/℃)に近いものが好ましい。太陽電池は、外部の温度が高くなる場所に設置されることがある。このため、基材鋼板と光電変換層(主としてシリコンからなる)との間で熱膨張係数が大きく異なる場合、基材鋼板と光電変換層との間に熱応力が作用し、剥離が発生するおそれがある。よって、基材鋼板と光電変換層との間の熱膨張係数の差異を小さくすることによって、基材鋼板と光電変換層との間で剥離が発生するのを防止することができる。以上のことから、基材鋼板は、熱膨張係数がシリコン(4×10−6〜5×10−6/℃)に近い、フェライト系ステンレス鋼板(10.4×10−6/℃)、または普通鋼板(12.1×10−6/℃)をめっき原板とするめっき鋼板から選択されることが好ましい。普通鋼板は、耐食性を付与するためにめっき処理が施されている。
【0025】
フェライト系ステンレス鋼板の鋼種の例には、SUS430などが含まれる。また、めっき鋼板のめっき処理の例には、亜鉛めっき(電気Znめっき、溶融Znめっき)、合金化亜鉛めっき(溶融Znめっき後に合金化処理した合金化溶融Znめっき)、亜鉛合金めっき(溶融Zn−Mgめっき、溶融Zn−Al−Mgめっき、溶融Zn−Alめっき)、溶融Alめっき、溶融Al−Siめっきが含まれる。
【0026】
基材鋼板は、絶縁塗膜の密着性および耐食性を向上させる観点から、その表面に化成処理皮膜を形成されていてもよい。
【0027】
化成処理の種類は、特に限定されない。化成処理の例には、クロメート処理、クロムフリー処理、リン酸塩処理などが含まれる。化成処理によって形成された化成処理皮膜の付着量は、塗膜密着性および耐食性の向上に有効な範囲内であれば特に限定されない。たとえば、クロメート皮膜の場合、全Cr換算付着量が5〜100mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリー皮膜の場合、Ti−Mo複合皮膜では10〜500mg/m、フルオロアシッド系皮膜ではフッ素換算付着量または総金属元素換算付着量が3〜100mg/mの範囲内となるように付着量を調整すればよい。また、リン酸塩皮膜の場合、5〜500mg/mとなるように付着量を調整すればよい。
【0028】
化成処理皮膜は、公知の方法で形成されうる。たとえば、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法などの方法により基材鋼板の表面に化成処理液を塗布し、水洗せずに乾燥させればよい。乾燥温度および乾燥時間は、水分を蒸発させることができれば特に限定されない。生産性の観点から、乾燥温度は、到達板温で60〜150℃の範囲内が好ましく、乾燥時間は、2〜10秒の範囲内が好ましい。
【0029】
[絶縁塗膜]
絶縁塗膜は、ベース樹脂としてポリエーテルスルホン樹脂を含む。ポリエーテルスルホン樹脂は、非晶質樹脂であり、かつ明確な軟化温度域を有する。このため、熱ナノインプリント技術により絶縁塗膜の表面にテクスチャ構造を形成する時に、規則的なテクスチャ構造を高精度に形成することができる。絶縁塗膜におけるポリエーテルスルホン樹脂の割合は、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
【0030】
また、絶縁塗膜は顔料を含まないことが好ましい。絶縁塗膜中の顔料含有量が多い場合、熱ナノインプリント時に軟化した樹脂層の流動性を低下させるおそれがある。また、顔料が凹凸表面に顔を出すため、所望の凹凸が得られないおそれもある。具体的には、顔料配合量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0031】
絶縁塗膜は、各種物性を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤の例には、レベリング剤、消泡剤が含まれる。
【0032】
絶縁塗膜の膜厚(乾燥膜厚)は、2〜40μmの範囲内が好ましい。膜厚が2μm未満の場合、十分な電気絶縁性を確保できないおそれがある。また、ピンホールなどの欠陥が発生しやすくなる。一方、膜厚が40μm超の場合、基材鋼板に対する絶縁塗膜の密着性が低下するおそれがある。また、多量のポリエーテルスルホン樹脂を消費するため、製造コストの観点からも好ましくない。
【0033】
前述の通り、絶縁塗膜の表面には、熱ナノインプリント技術により規則的な凹凸形状(テクスチャ構造)が高精度に形成されている。ここで、「規則的な凹凸形状」とは、略同一形状の複数の凸部が、略一定間隔で規則的に配列されていることを意味する。
【0034】
凸部の形状は、特に限定されない。凸部の形状の例には、円柱、円錐、円錐台、角柱、角錐、角錐台が含まれる。これらの立体図形は、面取り(R面取り、C面取り)されていてもよい。
【0035】
凸部の底面の外径は、0.05〜2.0μmの範囲内が好ましく、0.1〜1.0μmの範囲内がより好ましい。ここで、「凸部の底面の外径」とは、凸部の底面の形状が円の場合は、当該円の直径を意味し、凸部の底面の形状が多角形の場合は、当該多角形の最長の対角線の長さを意味する。
【0036】
また、凸部の底面の外径に対する凸部の高さの比は、0.1〜1.5の範囲内が好ましく、0.2〜1.3の範囲内がより好ましい。
【0037】
さらに、凸部の底面の外径に対する凸部の中心間距離の比は、1.0〜4.0の範囲内が好ましく、1.0〜2.6の範囲内がより好ましい。ここで、「凸部の中心間距離」とは、平面視したときの凸部の中心間距離を意味する。
【0038】
凸部の形状および大きさを上記範囲内とすることで、太陽電池の光電変換層表面における光の反射率を低減させるとともに、太陽電池の第1電極層表面における光の反射率を向上させることが可能となる。その結果、太陽電池の光電変換層内の光量が増加し、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる(詳細は後述する)。
【0039】
前述の通り、複数の凸部は、略同一形状であり、かつ略一定間隔で配置されている。すなわち、凸部の底面の外径の変動係数、凸部の底面の外径に対する凸部の高さの比の変動係数、および底面の外径に対する凸部の中心間距離の比の変動係数は、いずれも10%以下である。ここで「変動計数」とは、「標準偏差÷平均値×100」で求められる値を意味する(単位は%)。
【0040】
凸部の形状および中心間距離のばらつきを上記範囲内とすることで、太陽電池の光電変換効率のばらつきを抑制することができる。また、光電変換層における膜切れなどの欠陥の発生を抑制することもできる。結果として、光電変換層全体における光電変換効率の低下を抑制することができる。
【0041】
2.太陽電池用絶縁基板の製造方法
次に、本発明の太陽電池用絶縁基板の製造方法について説明する。
【0042】
本発明の太陽電池用絶縁基板の製造方法は、1)基材鋼板を準備する第1の工程と、2)基材鋼板の上に絶縁塗膜を形成する第2の工程と、3)熱ナノインプリント技術により、絶縁塗膜の表面に規則的な凹凸形状(テクスチャ構造)を形成する第3の工程と、を有する。
【0043】
以下、太陽電池用絶縁基板の製造方法の各工程について説明する。
【0044】
[第1の工程]
第1の工程では、基材鋼板を準備する。前述の通り、基材鋼板としては、フェライト系ステンレス鋼板、または普通鋼板をめっき原板とするめっき鋼板を使用することが好ましい。基材鋼板は、その表面に化成処理皮膜を形成されていてもよい。
【0045】
[第2の工程]
第2の工程では、第1の工程で準備した基材鋼板の表面に絶縁塗膜を形成する。前述の通り、絶縁塗膜は、ポリエーテルスルホン樹脂を85質量%以上含む。
【0046】
絶縁塗膜の形成方法は、特に限定されない。たとえば、基材鋼板の表面にポリエーテルスルホン樹脂を含む塗料を塗布し、焼き付ければよい(塗布法)。また、基材鋼板の表面にポリエーテルスルホン樹脂フィルムを積層してもよい(ラミネート法)。
【0047】
塗布法により絶縁塗膜を形成する場合、塗料の溶剤の種類は、ポリエーテルスルホン樹脂を溶解できれば、特に限定されない。そのような溶剤の例には、N−メチル−2−ピロリドンが含まれる。また、塗料の塗布方法も、特に限定されない。塗料の塗布方法の例には、ロールコート法、カーテンフローコート法が含まれる。塗料の焼き付け温度は、到達板温で250〜400℃程度であればよく、焼き付け時間は、20〜300秒程度であればよい。したがって、通常のプレコート鋼板連続塗装設備を使用して基材鋼板の表面に絶縁塗膜を形成することができる。このように、本発明の太陽電池用絶縁基板は、新たな製造設備を設ける必要が無いため、低コストで製造されうる。
【0048】
また、塗布法により絶縁塗膜を形成する場合、塗布工程および焼き付け工程を繰り返して多層構造の塗膜を形成してもよい。これにより、ピンホール発生を抑制することができる。
【0049】
[第3の工程]
第3の工程では、凸部の形状の反転パターンが形成された型を絶縁塗膜に押圧して、絶縁塗膜に規則的に配置された略同一形状の複数の凸部(テクスチャ構造)を形成する。
【0050】
絶縁塗膜に型を押圧する方法(ナノインプリント技術)は、特に限定されない。たとえば、板状の型を塗装鋼板(絶縁塗膜を形成した基材鋼板)に押圧してもよいし、塗装鋼板を板状の型に押圧してもよい。また、板状の型の押圧と塗装鋼板の送り出しを交互に行うステップアンドリピート方式、またはテクスチャロールを用いた連続ロールプレス方式により、絶縁塗膜に型を押圧してもよい。連続ロールプレス方式を採用した場合、基材鋼板の寸法が実質的に制限されることがなく、また、テクスチャ構造を高速かつ再現性よく形成することができる。したがって、大量生産を行う観点からは、連続ロールプレス方式でテクスチャ構造を形成することが好ましい。
【0051】
テクスチャ構造の形成を連続ロールプレス方式で行う場合、塗装鋼板の送り速度は、1〜200m/分の範囲内が好ましく、3〜100m/分の範囲内がより好ましい。送り速度が1m/分未満である場合、生産効率が低下してしまう。一方、送り速度が200m/分超の場合、複数の凸部(テクスチャ構造)を高精度に形成できないおそれがある。
【0052】
絶縁塗膜に型を押圧する時、絶縁塗膜は、主成分であるポリエーテルスルホン樹脂の軟化温度以上に加熱されていることが好ましい。より具体的には、絶縁塗膜の温度は、150〜450℃の範囲内が好ましく、200〜350℃の範囲内がより好ましい。絶縁塗膜の温度が150℃未満である場合、絶縁塗膜が変形しにくいため、複数の凸部(テクスチャ構造)を高精度に形成できないおそれがある。一方、絶縁塗膜の温度が350℃超の場合、絶縁塗膜が歪む、または熱分解してしまうため、複数の凸部を高精度に形成できないおそれがある。最適な加熱温度は、絶縁塗膜の厚みや組成などに応じて適宜設定されうる。
【0053】
また、複数の凸部を高精度に形成する観点から、絶縁塗膜に対する型の押圧力は0.01〜100MPaの範囲内が好ましく、0.1〜50MPaの範囲内がより好ましい。押圧力が0.01MPa未満の場合、絶縁塗膜が変形しにくいため、複数の凸部(テクスチャ構造)を高精度に形成できないおそれがある。一方、押圧力が100MPa超の場合、絶縁塗膜に歪みが生じるため、複数の凸部を高精度に形成できないおそれがある。
【0054】
形成した複数の凸部の形状を安定化させるために、型を絶縁塗膜に押圧した後に、絶縁塗膜を冷却することが好ましい。絶縁塗膜の温度がポリエーテルスルホン樹脂の軟化温度以上の温度で維持された場合、形成された複数の凸部(テクスチャ構造)の形状が変化してしまうおそれがある。絶縁塗膜の冷却方法は、特に限定されない。冷却方法の例には、絶縁塗膜に低温ガスを吹き付ける方法、絶縁塗膜をチルロールに接触させる方法が含まれる。
【0055】
以上の手順により、本発明の太陽電池用絶縁基板を製造することができる。
【0056】
本発明の製造方法では、熱膨張係数がシリコンに近い基材鋼板の表面に、ポリエーテルスルホン樹脂を含む絶縁塗膜を形成し、熱ナノインプリント技術によって絶縁塗膜の表面に凸部(テクスチャ構造)を形成する。このように、本発明の製造方法では、基材鋼板によって絶縁塗膜を支持しているため、熱ナノインプリント時に絶縁塗膜が平面方向に伸びることがない。また、絶縁塗膜の主成分が、非晶質樹脂であり、かつ明確な軟化温度域を有するポリエーテルスルホン樹脂であるため、本発明の製造方法では、規則的な凸部(テクスチャ構造)を高精度に形成することができる。
【0057】
3.薄膜シリコン太陽電池
次に、本発明の薄膜シリコン太陽電池について説明する。
【0058】
本発明の薄膜シリコン太陽電池は、絶縁基板と、絶縁基板の上に配置された第1電極層と、第1電極層の上に配置された光電変換層と、光電変換層の上に配置された第2電極層とを有する。また、本発明の薄膜シリコン太陽電池は、第1電極層と光電変換層との間に拡散防止層をさらに有していてもよい。本発明の薄膜シリコン太陽電池は、絶縁基板として本発明の太陽電池用絶縁基板を有することを特徴とする。
【0059】
以下、本発明の薄膜シリコン太陽電池の各構成要素について説明する。
【0060】
[絶縁基板]
絶縁基板として、前述した太陽電池用絶縁基板を使用する。すなわち、ここで使用する絶縁基板は、熱膨張係数がシリコンに近い、フェライト系ステンレス鋼板または普通鋼板をめっき原板とするめっき鋼板の表面に、ポリエーテルスルホン樹脂を含む絶縁塗膜を形成し、絶縁塗膜の表面に熱ナノインプリント技術で規則的な複数の凸部(テクスチャ構造)を形成したものである。
【0061】
[第1電極層]
第1電極層は、導電性の薄膜である。第1電極層は、第2電極層と協働して光電変換層で発生した電気を取り出す。第1電極層の素材の例には、金属(金属化合物)、導電性樹脂が含まれる。金属の種類は、導電性を有するものであれば特に限定さない。電極として使用しうる金属の例には、ZnO、Al、ステンレス鋼、Tiが含まれる。第1電極層の膜厚は、特に限定されないが、0.01〜10μmの範囲内が好ましい。
【0062】
第1電極層は、絶縁塗膜のテクスチャ構造が形成された面に形成されている。第1電極層は、絶縁塗膜表面の複数の凸部の形状に倣って、全体として波打つように形成されている。したがって、第1電極層の表面(第1電極層と光電変換層(または拡散防止層)との界面)の形状は、絶縁塗膜のテクスチャ構造と略同一である。
【0063】
[拡散防止層]
本発明の薄膜シリコン太陽電池は、第1電極層と光電変換層の間に拡散防止層を有していてもよい。拡散防止層は、第1電極層の構成成分が光電変換層に拡散するのを防止すると共に、第1電極層と光電変換層との界面の抵抗を低減させる。拡散防止層の素材の例には、ステンレス鋼、Ti、Crが含まれる。拡散防止層の膜厚は、特に限定されないが、3〜5nmの範囲内が好ましい。
【0064】
[光電変換層]
光電変換層は、シリコンを主成分とする薄膜である。光電変換層は、光が照射されたときに光起電力効果により電気を生じさせる。光電変換層の素材としては、アモルファスシリコンや微結晶シリコンなどが使用されうる。
【0065】
薄膜シリコン太陽電池では、pn接合を有する2層構造の光電変換層、またはpin接合を有する3層構造の光電変換層が形成される。2層構造の光電変換層は、リンを添加したアモルファスシリコンで構成されたn型シリコン層およびホウ素を添加したアモルファスシリコンで構成されたp型シリコン層からなる。3層構造の光電変換層の例には、前述のn型シリコン層、何も添加していないアモルファスシリコンで構成されたi型シリコン層および前述のp型シリコン層からなるものや、前述のn型シリコン層の代わりに微結晶シリコン層を用いたものが含まれる。光電変換層の膜厚は、特に限定されないが、0.2〜50μmの範囲内が好ましい。
【0066】
光電変換層は、第1電極層(または拡散防止層)の上に形成されている。したがって、光電変換層は、第1電極層(または拡散防止層)の複数の凸部の形状に倣って、全体として波打つように形成されている。よって、光電変換層の表面(光電変換層と第2電極層との界面)の形状は、絶縁塗膜のテクスチャ構造と略同一である。
【0067】
[第2電極層]
第2電極層は、透光性および導電性を有する薄膜である。第2電極層は、第1電極層と協働して、光電変換層で発生した電気を取り出す。第2電極層の素材の例には、透光性を有する金属(金属化合物)、透光性を有する導電性樹脂が含まれる。金属は、透光性および導電性を有するものであれば特に限定さない。そのような金属の例には、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)が含まれる。第2電極層の膜厚は、特に限定されないが、0.01〜10μmの範囲内が好ましい。
【0068】
以下、本発明の薄膜シリコン太陽電池の製造方法について簡単に説明する。
【0069】
本発明の薄膜シリコン太陽電池は、本発明の太陽電池用絶縁基板の絶縁塗膜側の面に、スパッタ法などにより、第1電極層(および拡散防止層)を形成する。次いで、第1電極層(または拡散防止層)の表面にプラズマCVD法などにより光電変換層を形成する。そして、光電変換層の表面に第2電極層を形成する。
【0070】
以上のように、本発明の薄膜シリコン太陽電池は、第1電極層の表面(第1電極層と光電変換層(または拡散防止層)との界面)および光電変換層の表面(光電変換層と第2電極層との界面)にテクスチャ構造を有する。本発明の薄膜シリコン太陽電池では、光電変換層表面の傾斜面で一度反射した光が、別の傾斜面に当たって光電変換層内に進入する。また、光電変換層を通過した光が、第1電極層表面の傾斜面で乱反射して、光電変換層内に再度進入する。その結果、光電変換層内の光量が増加し、光電変換効率が向上する。
【0071】
また、本発明の薄膜シリコン太陽電池では、第1電極層の表面および光電変換層の表面のテクスチャ構造のばらつきが小さい。このため、本発明の薄膜シリコン太陽電池は、光電変換層内における光電変換効率のばらつきが小さく(光電変換効率が低い箇所が生じず)、光電変換効率が高い。
【0072】
以下、本発明を実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
【実施例】
【0073】
[太陽電池用絶縁基板の作製]
基材鋼板として、以下の3種類の鋼板を準備した。
・フェライト系ステンレス鋼板(SUS430:厚さ0.3mm)
・普通鋼板を原板とする電気亜鉛めっき鋼板(厚さ0.3mm)
・オーステナイト系ステンレス鋼板(SUS304:厚さ0.3mm)
【0074】
各基材鋼板の表面を弱アルカリ脱脂(pH8.0、液温60℃、浸漬時間1分間)により洗浄した。次いで、各基材鋼板の表面にクロメート処理液をバーコーターで塗布した後、160℃で45秒間加熱して、化成処理皮膜を形成した。
【0075】
化成処理された各基材鋼板の表面に、ポリエーテルスルホン樹脂塗料として、ポリエーテルスルホン樹脂粉末(スミカエクセル5003P;住友化学工業株式会社)またはこれに顔料として平均粒径10nmのシリカ粒子を80:20の重量比率で混合したものを溶媒に溶かしたもの、あるいはポリアミド樹脂塗料として6−ナイロン樹脂系塗料(トレジンF−30K;ナガセケムテックス株式会社)を塗布し、到達板温320℃で60秒間焼き付けて、乾燥膜厚10μmの絶縁塗膜を形成した。
【0076】
各塗装鋼板を130〜480℃の範囲内で加熱した後、所定の凹凸パターンを有するテクスチャロールを絶縁塗膜に押圧して、絶縁塗膜の表面にテクスチャ構造を形成した。
【0077】
使用した基材鋼板の種類、絶縁塗膜に含まれる樹脂の種類、テクスチャロールの凹凸パターンの形状、テクスチャロールの押圧条件を表1に示す。なお、表中の「凸部の形状」は、絶縁塗膜に形成されるべき凸部の形状(理想形状)として示した。実際には、テクスチャロールには、凸部を反転させた凹部が形成されている。形成されるべき凸部の形状は、略円錐台形状である。
【0078】
【表1】

【0079】
[テクスチャ構造の計測]
各太陽電池用絶縁基板(実施例1〜6、比較例1〜12)について、凸部の底面の外径、凸部の底面の外径に対する凸部の高さの比、および凸部の底面の外径に対する凸部の中心間距離の比をそれぞれ計測した。凸部の底面の外径、高さおよび中心間距離は、レーザー顕微鏡を用いて計測した。各太陽電池用絶縁基板について、10個の凸部の底面の外径、高さおよび中心間距離を計測した。これらの測定結果を表2に示す。
【0080】
[薄膜シリコン太陽電池の作製]
各太陽電池用絶縁基板(実施例1〜6、比較例1〜12)を用いて薄膜シリコン太陽電池を作製した。
【0081】
各太陽電池用絶縁基板を、弱アルカリ系洗浄剤中において超音波洗浄した後、超純水中において超音波洗浄し、乾燥させた。次いで、各太陽電池用絶縁基板のテクスチャ構造を形成した面に、スパッタ法でZnO(20nm)、Ag(250nm)およびZnO(20nm)を順番に成膜して、第1電極層を形成した。次いで、第1電極層の上に、プラズマCVD法でn型シリコン(Pをドープ;20nm)、i型シリコン(300nm)、p型シリコン(Bをドープ;20nm)を順番に成膜して、光電変換層を形成した。次いで、光電変換層の上に、スパッタ法でITO(70nm)を成膜して、第2電極層を形成した。最後に、第2電極層の上に、スパッタ法でAg(250nm)を成膜して、取り出し電極および配線を形成した。
【0082】
[太陽電池の出力測定]
各太陽電池用絶縁基板(実施例1〜6、比較例1〜12)を用いて作製した各薄膜シリコン太陽電池について、山下電装株式会社製のソーラシミュレータを用いて、AM1.5,100mW/cmの光源下における出力を測定した。各薄膜シリコン太陽電池の出力を表2に示す。
【0083】
【表2】

【0084】
表2に示されるように、比較例1の太陽電池用絶縁基板を含む太陽電池は、実施例1〜6の太陽電池と比較して、出力値が低かった。これは、基材鋼板として使用したSUS304の熱膨張係数(17.6×10−6/℃)が、シリコンの熱膨張係数(4×10−6〜5×10−6/℃)に比べて顕著に大きいため、基材鋼板と光電変換層との間に剥離が発生したためと考えられる。
【0085】
比較例2の太陽電池用絶縁基板は、凸部の形状および中心間距離のばらつきが大きかった。また、比較例2の太陽電池用絶縁基板を含む太陽電池は、実施例1〜6の太陽電池用絶縁基板を含む太陽電池と比較して出力値が低かった、または、発電しないものが多かった。これは、絶縁塗膜中に20%の微細シリカ顔料を含んでおり、顔料が凝集したことにより規則正しい凹凸が成形できなかったため、また、電極および光電変換層の成形時に未形成部のような欠陥が発生したためと考えられる。
【0086】
比較例3の太陽電池用絶縁基板は、凸部の形状および中心間距離のばらつきが大きかった。これは、絶縁塗膜のベース樹脂としてポリアミド樹脂(PA)を使用したためと考えられる。また、比較例9〜12の太陽電池用絶縁基板も、凸部の形状および中心間距離のばらつきが大きかった。これは、テクスチャロールの押圧条件が最適な条件ではなかったためと考えられる。このようにテクスチャ構造が乱れてしまったため、比較例2,3,9〜12の太陽電池用絶縁基板を含む太陽電池は、実施例1〜6の太陽電池と比較して、出力値が低かった。
【0087】
比較例4〜8の太陽電池用絶縁基板を含む太陽電池は、実施例1〜6の太陽電池と比較して、出力値が低かった。これは、太陽電池用絶縁基板に形成されたテクスチャ構造が最適な形状ではないため、光電変換層における光量を十分に増加させることができなかったためだと考えられる。
【0088】
一方、実施例1〜6の太陽電池用絶縁基板は、凸部の形状および中心間距離のばらつきが小さかった。また、実施例1〜6の太陽電池用絶縁基板を含む太陽電池は、いずれも出力値が高かった(8.8mW/cm以上)。従来の薄膜シリコン太陽電池の出力は、6.5〜7.5mW/cm程度であることから、実施例1〜6の太陽電池は、高性能の薄膜シリコン太陽電池として使用できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の太陽電池用絶縁基板は、例えば、各種電子機器の電源となる太陽電池やソーラーパネルなどに好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェライト系ステンレス鋼板、または普通鋼板をめっき原板とするめっき鋼板から選択される基材鋼板と、
前記基材鋼板の表面に形成され、ポリエーテルスルホン樹脂を85質量%以上含む絶縁塗膜と、を有し、
前記絶縁塗膜の表面には、略同一形状の複数の凸部が規則的に形成されており、
前記凸部の底面の外径は、0.05〜2.0μmの範囲内であり、
前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の高さの比は、0.1〜1.5の範囲内であり、
前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の中心間距離の比は、1.0〜4.0の範囲内である、
太陽電池用絶縁基板。
【請求項2】
前記凸部の底面の外径の変動係数、前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の高さの比の変動係数、および前記凸部の底面の外形に対する前記凸部の中心間距離の比の変動係数は、いずれも10%以下である、
請求項1に記載の太陽電池用絶縁基板。
【請求項3】
フェライト系ステンレス鋼板、または普通鋼をめっき原板とするめっき鋼板から選択される基材鋼板を準備する工程と、
前記基材鋼板の表面に、ポリエーテルスルホン樹脂を85質量%以上含む絶縁塗膜を形成する工程と、
前記絶縁塗膜に型を押圧して、前記絶縁塗膜の表面に規則的に配置された略同一形状の複数の凸部を形成する工程と、を有し、
前記凸部の底面の外径は、0.05〜2.0μmの範囲内であり、
前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の高さの比は、0.1〜1.5の範囲内であり、
前記凸部の底面の外径に対する前記凸部の中心間距離の比は、1.0〜4.0の範囲内である、
太陽電池用絶縁基板の製造方法。
【請求項4】
前記複数の凸部を形成する工程では、150〜450℃の温度の前記絶縁塗膜に、0.01〜100MPaの圧力で前記型を押圧する、請求項3に記載の太陽電池用絶縁基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の太陽電池用絶縁基板と、
前記太陽電池用絶縁基板の上に配置された第1電極層と、
前記第1電極層の上に配置され、シリコン化合物を含む光電変換層と、
前記光電変換層の上に配置された第2電極層と、
を有する、薄膜シリコン太陽電池。

【公開番号】特開2013−38318(P2013−38318A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174917(P2011−174917)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000004581)日新製鋼株式会社 (1,178)
【Fターム(参考)】