説明

安全スイッチ装置

【課題】内ハンドル部材ではスイッチ本体からアクチュエータを引抜くことしかできないように内ハンドル部材の回動を外ハンドル部材に伝達する伝達機構を備えるとともに、該伝達機構の耐久性の向上を図ることのできる安全スイッチ装置を提供する。
【解決手段】内ハンドル部材の開放位置ULKへの回動操作時にのみ内回転軸23bに設けられた突条623が外回転軸に設けられた凸部613に係合し、凸部613を介して内回動軸23bの回動を外回動軸aに伝達して外ハンドル部材22aを開放位置ULKに移動させるため、内ハンドル部材はスイッチ本体からアクチュエータ3を引抜くことしかできない。さらに、突条623と凸部613との係合により一方のハンドル部材の回動を他方のハンドル部材に伝達するため、摩擦力による磨耗のおそれのあった従来の構成と異なり、摩擦力による磨耗のおそれがなく、伝達機構6の耐久性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば産業機械の防護扉周縁の壁面に取り付けられ、スイッチ本体に対しアクチュエータを挿入・引抜することによりスイッチ本体内の開閉器を開閉して産業機械への通電路を開閉する安全スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仕切壁で仕切られた作業領域内に工作機械や工作ロボット等の産業機械を設置し、その出入口(開口部)を閉塞する防護扉などには、作業領域内での作業者の事故防止を目的として、防護扉が開いているときには、産業機械への通電を遮断する安全スイッチ装置が設けられている。このような安全スイッチ装置の一例として、例えば、特許文献1に記載の安全スイッチ装置のように、防護扉に配設されたハンドルを操作してアクチュエータをスイッチ本体から引抜く操作をしなければ防護扉が閉鎖状態にロックされたままとなり、防護扉の開放を防止するものが知られている。
【0003】
この種の安全スイッチ装置では、作業者が作業領域に進入する場合には、作業者が扉を開閉操作するための外ハンドル部材を垂直姿勢から水平姿勢へ回動すると、外ハンドル部材の開放操作に連動してアクチュエータが安全スイッチから引抜かれる。その結果、停止信号が発せられて産業機械が動作不可能な状態となるとともに、防護扉は開放可能な状態となる。
【0004】
また、作業者が作業領域内で作業中に、誤ってアクチュエータがスイッチ本体に挿入されることを防止するため、内ハンドル部材を開放操作してアクチュエータをスイッチ本体から引抜くことはできるが、アクチュエータをスイッチ本体に挿入する閉塞操作は行うことができないように、内ハンドル部材の開放方向への回動のみ外ハンドル部材に伝達するフリーホイールが設けられている。
【0005】
【特許文献1】特許第3580990号公報([0012]〜[0015]、図3〜図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記した従来の安全スイッチ装置に設けられているフリーホイールは、中央貫通孔が形成された円盤からなり、内ハンドル部材が有する横断面が細長い六角形をなしたピンが中央貫通孔に挿通されることで、アクチュエータをスイッチ本体から引抜く内ハンドル部材の開放方向への回動にのみ外ハンドル部材が連動するように構成されている。
【0007】
このように、従来の装置は、中央貫通孔にピンを挿通して内ハンドル部材の開放方向への回動にのみ外ハンドル部材が連動するフリーホイール構造であるため、次のような問題が生じることがあった。すなわち、両ハンドル部材の回動操作が行われると、ピンが中央貫通孔の内周面に摩擦力により係止して一方のハンドル部材と他方のハンドル部材とが連動する。したがって、両ハンドル部材の回動操作が繰返し行われることで、中央貫通孔の内周面をピンが繰返し摺接することとなるため、ピンと中央貫通孔の内周面と摺接部に繰返し発生する摩擦力によって中央貫通孔およびピンが磨耗して故障するおそれがあり、技術の改善が求められていた。
【0008】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、内ハンドル部材ではスイッチ本体からアクチュエータを引抜くことしかできないように内ハンドル部材の回動を外ハンドル部材に伝達する伝達機構を備えるとともに、該伝達機構の耐久性の向上を図ることのできる安全スイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するため、この発明は、所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉側に配設されたアクチュエータと、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられ前記作業領域内に設置された産業機械の動作を制御するためのスイッチ本体とを備え、前記スイッチ本体に対し前記アクチュエータを挿入・引抜することにより前記スイッチ本体内の開閉器を開閉して前記産業機械への通電路を開閉する安全スイッチ装置において、前記扉に外側面から挿着された外回動軸が開放位置と閉塞位置との間の回動操作により回動し、前記外回動軸の前記閉塞位置への回動に連動して前記アクチュエータが前記スイッチ本体への挿入方向に移動し、前記外回動軸の前記開放位置への回動に連動して前記アクチュエータが前記スイッチ本体から引抜方向に移動するように前記アクチュエータが前記外回動軸に連携された外ハンドル部材と、前記扉に内側面から内回動軸が挿着されて該内回動軸が前記開放位置と前記閉塞位置との間の回動操作により回動する内ハンドル部材と、前記外回動軸に設けられ該外回動軸に連動する係合突起と、前記内回動軸に連動し前記係合突起に係脱自在に設けられた被係合部とを有し、前記内ハンドル部材の前記開放位置への回動操作時にのみ前記被係合部が前記係合突起に係合し、前記係合突起を介して前記内回動軸の回動を前記外回動軸に伝達して前記外ハンドル部材を前記開放位置に移動させる伝達機構とを備え、前記伝達機構は、前記内ハンドル部材の前記閉塞位置への回動操作時には前記被係合部が前記係合突起に係合せずに前記内回動軸の回動を前記外回動軸に伝達することがなく、前記外ハンドル部材の前記閉塞位置への回動操作時には前記係合突起が前記被係合部に係合し、前記被係合部を介して前記外回動軸の回動を前記内回動軸に伝達して前記内ハンドル部材を前記閉塞位置に移動させることを特徴としている(請求項1)。
【0010】
また、前記伝達機構は、前記外回動軸の先端に取り付けられ端面周縁部に前記係合突起としての凸部が形成された第1伝達部材と、回動する前記第1伝達部材に摺接するように前記内回動軸の先端に取り付けられ端面周縁部に前記被係合部としての凹部が形成された第2伝達部材とを備え、前記凹部内を前記凸部が移動し前記凹部の内壁に前記凸部が当接して係合状態となる構成でもよい(請求項2)。
【0011】
また、前記外回動軸および前記内回動軸の先端がそれぞれ断面矩形であって、前記伝達機構は、略円柱状を成し、一端面に形成された矩形の嵌合穴に前記外回動軸の先端が嵌合し、他端面に円形の枢支穴が形成されるとともに前記他端面の周縁部に前記係合突起としての凸部が形成された第1伝達部材と、少なくとも一端側が前記第1伝達部材の前記枢支穴に回転自在に緩挿する略円柱形状を成し、他端面に形成された矩形の嵌合穴に前記内回動軸の先端が嵌合し、他端側の外周面に突条が形成され、前記突条を含む円環状の前記他端側の外周面であって該突条を除く領域が前記被係合部として機能する第2伝達部材とを備え、前記第2伝達部材の前記第1伝達部材への枢支により、前記外回動軸および前記内回動軸が連結され、前記凸部が前記被係合部を摺動して前記突条に当接することで係合して前記外回動軸と前記内回動軸とが連動する構成でもよい(請求項3)。
【0012】
また、前記外ハンドル部材および前記内ハンドル部材がレバーハンドル型であって、少なくとも前記内ハンドル部材の前記開放位置は時計の短針が6時を指す状態位置であり、前記内ハンドル部材の前記閉塞位置は前記開放位置からほぼ90゜回動した位置である構成でもよい(請求項4)。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、内ハンドル部材の開放位置への回動操作時にのみ内回転軸に設けられた被係合部が外回転軸に設けられた係合突起に係合し、係合突起を介して内回動軸の回動を外回動軸に伝達して外ハンドル部材を開放位置に移動させ、内ハンドル部材の閉塞位置への回動操作時には被係合部が係合突起に係合せずに内回動軸の回動を外回動軸に伝達することがない。したがって、例えば、作業領域内で作業をしている作業者が産業機械の動作確認を行うために内ハンドル部材を閉塞位置へ回動操作したとしても、内ハンドル部材はスイッチ本体からアクチュエータを引抜くことしかできないため、スイッチ本体にアクチュエータが挿入されることがなく、作業者の安全性を確実に確保できるのは勿論のこと、被係合部と係合突起との係合により一方のハンドル部材の回動を他方のハンドル部材に伝達する構造であるため、ピンの中央貫通孔の内周面への摺接により発生する摩擦力を原因とする磨耗のおそれのあった従来のフリーホイール機構と異なり、被係合部と係合突起とが摩擦力により磨耗するおそれがなく、伝達機構の耐久性の向上を効果的に図ることができる。
【0014】
また、伝達機構は、外ハンドル部材の閉塞位置への回動操作時には係合突起が被係合部に係合し、被係合部を介して外回動軸の回動を内回動軸に伝達して内ハンドル部材を閉塞位置に移動させるため、作業領域内に作業者が閉じ込められた状態で外ハンドル部材が誤って開放位置から閉塞位置に回動操作されても、内ハンドル部材が外ハンドル部材に連動して閉塞位置に回動する。したがって、作業領域内の作業者が外ハンドル部材が回動操作されたことに気づくことができ、しかも、閉塞位置にある内ハンドル部材を開放位置に回動操作することにより内回動軸の回動が外回動軸に伝達されて外ハンドル部材が開放位置に回動するので、アクチュエータがスイッチ本体から引抜かれて扉を開放することが可能となり、作業者の安全性をよりいっそう確実に確保できる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、外回動軸の先端に取り付けられ端面周縁部に係合突起としての凸部が形成された第1伝達部材と、回動する第1伝達部材に摺接するように内回動軸の先端に取り付けられ端面周縁部に被係合部としての凹部が形成された第2伝達部材とが、凹部内を凸部が移動し凹部の内壁に凸部が当接して係合状態となるように伝達機構が構成されているため、より実用的な構成で係合突起と被係合部とを係合状態とすることができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、第2伝達部材の第1伝達部材への枢支により、外回動軸および内回動軸が連結され、凸部が被係合部を摺動して突条に当接することで係合して外回動軸と内回動軸とが連動するため、連結により第1および第2伝達部材が一体化して伝達機構の強度の向上を図ることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、レバーハンドル型の外ハンドル部材および内ハンドル部材のうち内ハンドル部材の開放位置は、時計の短針が6時を指す状態位置であり、内ハンドル部材の閉塞位置は、開放位置からほぼ90゜回動した位置であるため、外ハンドル部材を閉塞位置から開放位置に回動操作すると、自重で内ハンドル部材が開放位置に回動し、内ハンドル部材を開放位置に戻す機構を別途設ける必要がなく、簡素な構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1および図2は本発明にかかる安全スイッチ装置を示す図であり、図1は防護扉のロックが解除された状態を示し、図2は防護扉がロックされた状態を示す。図1(a)、図2(a1),(a2)は安全スイッチ装置を上側から見た平面図、図1(b)、図2(b)は安全スイッチ装置のハンドル部分を作業領域の外からみた正面図の部分断面図、図1(c)、図2(c)は安全スイッチ装置を作業領域の外から見た正面図、図1(d)、図2(d)は安全スイッチ装置の右側面図である。なお、図2(a1)は防護扉周縁を形成するアルミフレームに配設されている安全スイッチ装置のアクチュエータ機構部のみを示している。また、図1(d)は、アクチュエータ3の動作が見易いように同図(c)の固定部材4の右側の側壁の記載を省略している。
【0019】
また、図3は本発明の安全スイッチ装置の要部拡大図であり、(a)は外ハンドル部材22a、内ハンドル22b、伝達機構6、連結部材5、アクチュエータ3を示す斜視図、(b)は(a)の一点鎖線で囲まれた部分で示す伝達機構6が備える第1伝達部材61および第2伝達部材62を示す図、(c)は(b)の第1および第2伝達部材61,62が連結された状態を示す図である。また、図4は図3(a)の分解斜視図であり、(a)は図3(a)を左斜上方から見た分解斜視図、(b)は図3(b)を右斜め上方から見た分解斜視図である。
【0020】
本発明における安全スイッチ装置は、図1に示すように、ロボット等の産業機械にケーブル11を介して電気的に接続されるスイッチ本体1とアクチュエータ機構部2とを備えている。また、アクチュエータ機構部2は、スイッチ本体1にアクチュエータ挿入口12から挿入・引抜されてして図示省略するスイッチ本体1内に配設された開閉器の開閉状態を切り換えるアクチュエータ3と、アクチュエータ3および連結部材5が内部に収納される収納ケース21と、レバーハンドル型の外ハンドル部材22aおよび内ハンドル部材22bと、後で詳細に説明する伝達機構6とを備えている。
【0021】
スイッチ本体1は工作機械や工作ロボット等の産業機械が動作する所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部(出入口)周縁を形成する例えばアルミニウム製のフレームWに取り付けられた平面視コ字状の固定部材4を介して配設されている。スイッチ本体1の上面にはアクチュエータ挿入口12が形成されており、下面からはスイッチ本体1内部に配設された開閉器(図示せず)に接続されたケーブル11がケーブル引き出し口からスイッチ本体1の外部に引き出され、ロボット等の産業機械に接続されている。このとき、開閉器の開閉により、例えば、産業機械への電源の供給、遮断が切り換えられて産業機械の動作が制御される。
【0022】
また、図1(d)に示すように、固定部材4の左側の側面には後述する連結部材5およびアクチュエータ3が通過可能に開口部42が形成されており、開口部42の下部には連結部材5の係合部51と係合する係合溝41が形成されている。また、アクチュエータ機構部2を構成する収納ケース21は仕切壁の開口部を開閉自在に配設された防護扉の周縁を形成する例えばアルミニウム製のフレームDに配設されている。そして、収納ケース21の内部には伝達機構6が配設されている。
【0023】
つぎに、伝達機構6の構成について図1ないし図4を参照して詳細に説明する。図3および図4に示すように、伝達機構6は、防護扉の外側面から挿着され、外回動軸23aの開放位置ULKと閉塞位置LKとの間の回動に連動する略円柱状を成す第1伝達部材61と、防護扉の内側面から挿着され、内回動軸23bの開放位置ULKと閉塞位置LKとの間の回動に連動する第2伝達部材62とを備えている。そして、先端が断面矩形の外回動軸23aが第1伝達部材61の一端面に形成された矩形の嵌合穴611に嵌合することで、第1伝達部材61は外回動軸23aの開放位置ULKと閉塞位置LKとの間の回動に連動し、先端が断面矩形の内回動軸23bが第2伝達部材62の他端面に形成された矩形の嵌合穴622に嵌合することで、第2伝達部材は内回動軸23bの開放位置ULKと閉塞位置LKとの間の回動に連動する。
【0024】
また、図3および図4に示すように、第1伝達部材61の一端側は連結部材5の一端部に形成され嵌合突起55aを有する結合穴55に挿通可能に構成されており、第1伝達部材61が結合穴55に挿通されて第1伝達部材61の外周に形成された嵌合溝612と嵌合突起55aとが嵌合して連結部材5と第1伝達部材61とが結合される。また、連結部材5の他端部にアクチュエータ3の一端が回動自在に支持されており、外ハンドル部材22aが開放位置ULKと閉塞位置LKとの間の回動操作により回動し、外回動軸22aの回動に第1伝達部材61が連動することで、該第1伝達部材61と結合している連結部材5が外回動軸23aを回動の中心として回動する。したがって、外ハンドル部材22a(外回動軸23a)の閉塞位置LKへの回動に連動して連結部材5が回動し、連結部材5の他端部に支持されているアクチュエータがスイッチ本体1への挿入方向に移動する一方、外ハンドル部材22a(外回動軸23a)の開放位置ULKへの回動に連動してアクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜方向に移動するようにアクチュエータ3が外ハンドル部材22aと連携されている。
【0025】
また、図3(b)に示すように、第1伝達部材61の他端面に円形の枢支穴614形成されるとともに該他端面の周縁部に本発明の「係合突起」としての凸部613が形成されている。また、図3(c)に示すように、第2伝達部材62の一端側が第1伝達部材61の枢支穴614に回転自在に緩挿する略円柱形状を成し、他端側の外周面に突条623が形成され、突条623を含む円環状の他端側の外周面であって突条623を除く領域(本発明の「凹部」に相当)622が本発明の「被係合部」として機能している。
【0026】
したがって、第2伝達部材62の第1伝達部材61への枢支により、外回動軸23aおよび内回動軸23bが連結され、凸部613が被係合部622を摺動して突条623に当接することで係合して外回動軸23aと内回動軸23bとが連動することとなる。
【0027】
このとき、図3(a)〜(c)に示すように、第1伝達部材61に形成され外回動軸23aに連動する凸部613と、第2伝達部材62に形成され内回動軸23bに連動し凸部613に係脱自在な被係合部622とは、内ハンドル部材22bの開放位置ULKへの回動操作時にのみ被係合部622の突条623が凸部613に係合し、凸部613を介して内回動軸23bの回動を外回動軸22aに伝達して外ハンドル部材22aを開放位置ULKに移動させるように構成されている。
【0028】
また、図3(a)〜(c)に示すように、内ハンドル部材22bの閉塞位置LKへの回動操作時には被係合部622の突条623が凸部613に係合せずに内回動軸23bの回動を外回動軸23aに伝達することがない。また、外ハンドル部材22aの閉塞位置ULへの回動操作時には凸部613が被係合部622の突条623に係合し、突条623を介して外回動軸23bの回動を内回動軸23bに伝達して内ハンドル部材22bを閉塞位置LKに移動させるように構成されている。
【0029】
また、図1および図2に示すように、外ハンドル部材22aおよび内ハンドル部材22bの開放位置ULKは、時計の短針が6時を指す状態位置であり、外ハンドル部材22aおよび内ハンドル部材22bの閉塞位置LKは、開放位置ULKからほぼ90°回動した位置となるように構成されている。したがって、図3(a)〜(b)に示すように、外ハンドル部材22aを閉塞位置LKから開放位置ULKへ回動操作するときは、凸部613は被係合部622の突条623に係合しないため、外ハンドル部材22aの閉塞位置LKから開放位置ULKへの回動操作に内ハンドル部材22bは連動しない。しかしながら、外ハンドル部材22aを開放位置ULKへ回動することで、凸部613と突条623との係合状態が解除されるため、内ハンドル部材22bの閉塞位置LKから開放位置ULKへの回動が可能となり、内ハンドル部材22bの自重で該内ハンドル部材22bは閉塞位置LKから開放位置ULKへと回動することとなる。
【0030】
つぎに、図1ないし図4を参照して、連結部材5およびアクチュエータ3について詳細に説明する。連結部材5の中央部には上記した固定部材4の係合溝41と係脱自在に係合部51が形成されており、図2(c)中の実線矢印の閉塞位置LK方向への外ハンドル部材22aの回動に連動して連結部材5が回動することで係合溝41と係合し、これとは逆に図2(c)中の実線矢印の開放位置ULK方向への外ハンドル部材22aの回動に連動して連結部材5が回動することで、図1(c)に示すように係合溝41との係合が解除されるように構成されている。
【0031】
また、このように外ハンドル部材22aを回動させて防護扉の閉塞操作を行うことにより、図2(a2)に示すように連結部材5が連動して外ハンドル部材22aと同方向に回動して係合部51と係合溝41とが係合し、固定部材4と連結部材5とが係止され、これにより図2(a2)中のX矢印の方向およびY矢印の方向の防護扉の開閉方向を含む2方向への連結部材5の移動が規制され、防護扉が閉塞状態にロックされた状態となる。
【0032】
また、アクチュエータ3は一端が連結部材5に図示省略したねじりコイルバネを介して支持ピン54によって回動自在に支持されており、図1(b)に示すように、このねじりコイルバネによって他端が連結部材5の回動軸23aに近接する方向に付勢されている。そして、アクチュエータ3は、図2(c)に示すように、外ハンドル部材22aを回動させて防護扉の閉塞操作を行うことにより、連結部材5と連動して外ハンドル部材22aと同方向に回動移動して他端側からアクチュエータ挿入口12を介してスイッチ本体1に挿入される。このとき、アクチュエータ3はねじりコイルバネの付勢に抗して支持ピン54を回動中心として回動しつつスイッチ本体1に挿入される。
【0033】
また、収納ケース21内部には、図1(b)に示すように、連結部材5およびアクチュエータ3を収納ケース21の収納方向へ付勢するねじりコイルバネ(図示省略)が配設されている。そのため、外ハンドル部材22aを図2(c)中の実線矢印の開放位置ULK方向に回動させて防護扉の開放操作を行うことにより、連結部材5およびアクチュエータ3が外ハンドル部材22aに連動して外ハンドル部材22aと同方向に回動移動して収納ケース21内に確実に収納される。このように、他端部にアクチュエータ3が支持された連結部材5の一端部が外側伝達部材61と直接結合されているため、両ハンドル部材22a,22bの回動力をアクチュエータ3に伝達するのに、従来必要であったラックや歯車等の精密部品を必要とせず、非常に簡素な構成でアクチュエータ3をスイッチ本体1に挿入・引抜することができる。
【0034】
次に、外ハンドル部材22aを回動操作したときの動作について説明する。まず、図1に示すように外ハンドル部材22aを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞することで、アクチュエータ機構部2とスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、外ハンドル部材22aを図2(c)中の実線矢印の閉塞位置LK方向に回動させると、外ハンドル部材22aの回動に連動して連結部材5が同じ方向に回動し、まず、係合部51が係合溝41と係合して、連結部材5のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらに外ハンドル部材22aを回動させることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給される。
【0035】
また、外ハンドル部材22aを図2(c)中の実線矢印の開放位置ULK方向に回動させると、外ハンドル部材22aに連動して連結部材5が回動移動してアクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51と係合溝41との係合状態が解除され、連結部材5がX,Y矢印の両方向に移動可能な状態となる。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉がロック解除されて開放可能になる。
【0036】
次に、内ハンドル部材22bを回動操作したときの動作について図5を参照して説明する。図5は内ハンドル部材22bを回動操作した状態を説明するために収納ケース21内を作業領域側から見た要部断面図であり、(a)は外ハンドル部材22aが開放位置ULKから閉塞位置LKへ回動操作された状態を示す図、(b)は内ハンドル部材22bが閉塞位置LKから開放位置ULKへ回動操作された状態を示す図、(c)は内ハンドル部材が開放位置ULKから閉塞位置LKへ回動操作された状態を示す図である。なお、伝達機構6の状態を説明するために内ハンドル部材22bは図示省略している。
【0037】
まず、図5(a)に示すように、外ハンドル部材22aが開放位置ULKから閉塞位置LKに回動操作されると、該回動操作に連携してアクチュエータ3が移動してスイッチ本体1内に挿入される。このとき、第1伝達部材61の凸部613が第2伝達部材62の突条623に係合することで該突条623を介して外ハンドル部材22aの回動が第2伝達部材62に伝達されて内ハンドル部材22bも閉塞位置LKへと移動する。
【0038】
次に、図5(b)に示すように、内ハンドル部材22bが閉塞位置LKから開放位置ULKに回動操作されると、第2伝達部材62の突条623が第1伝達部材61の凸部613に係合することで該凸部613を介して内ハンドル部材22bの回動が第1伝達部材61に伝達されて外ハンドル部材22bも開放位置ULKへと移動する。このとき、外ハンドル部材22bの閉塞位置LKから開放位置ULKへの回動に連携してアクチュエータ3も移動してスイッチ本体から引き抜かれる。
【0039】
さらに、図5(c)に示すように、外ハンドル部材22aが開放位置ULKに位置する状態で、内ハンドル部材22bを開放位置ULKから閉塞位置LKへ回動操作しても、突条623が凸部613に係合しないため、内ハンドル部材22bの回動が第1伝達部材61に伝達されず、外ハンドル部材22aは内ハンドル部材22aに連動して回動しない。したがって、外ハンドル部材22aが閉塞位置LKに位置するときには、内ハンドル部材22bによって外ハンドル部材22aを開放位置ULKに移動させてアクチュエータ3をスイッチ本体1から引抜くことができるが、外ハンドル部材22aが開放位置ULKに位置するときには、内ハンドル部材22bによって外ハンドル部材22aを閉塞位置LKへ移動できないため、アクチュエータ3をスイッチ本体1に挿入できないこととなる。
【0040】
なお、図6に示すように、内ハンドル部材22bを開放位置ULKから閉塞位置LKへ回動操作したときは、収納ケース21に形成された第2伝達部材を枢支する枢支穴21aに設けられた係止突起21bに突条623が当接することで、内ハンドル部材22bが閉塞位置LKを越えて回動しないように構成されている。図6は収納ケース21内を表側から見た要部断面図である。
【0041】
以上のように、この実施形態では、内ハンドル部材22bの開放位置ULKへの回動操作時にのみ内回転軸23bに設けられた被係合部622(突条623)が外回転軸23aに設けられた凸部613に係合し、凸部613を介して内回動軸23bの回動を外回動軸23aに伝達して外ハンドル部材22aを開放位置ULKに移動させ、内ハンドル部材22bの閉塞位置LKへの回動操作時には被係合部622(突条623)が凸部613に係合せずに内回動軸23bの回動を外回動軸23aに伝達することがない。
【0042】
したがって、例えば、作業領域内で作業をしている作業者が産業機械の動作確認を行うために内ハンドル部材22bを閉塞位置LKへ回動操作したとしても、内ハンドル部材22bはスイッチ本体1からアクチュエータ3を引抜くことしかできないため、スイッチ本体1にアクチュエータ3が挿入されることがなく、作業者の安全性を確実に確保できる。さらに、被係合部622(突条623)と凸部613との係合により一方のハンドル部材の回動を他方のハンドル部材に伝達するため、ピンの中央貫通孔の内周面への摺接により発生する摩擦力を原因とする磨耗のおそれのあった従来のフリーホイール機構と異なり、被係合部622(突条623)と凸部613とが摩擦力により磨耗するおそれがなく、伝達機構6の耐久性の向上を効果的に図ることができる。
【0043】
また、伝達機構6は、外ハンドル部材22aの閉塞位置LKへの回動操作時には凸部613が被係合部622(突条623)に係合し、被係合部622を介して外回動軸23aの回動を内回動軸23bに伝達して内ハンドル部材22bを閉塞位置LKに移動させるため、作業領域内に作業者が閉じ込められた状態で外ハンドル部材22aが誤って開放位置ULKから閉塞位置LKに回動操作されても、内ハンドル部材22bが外ハンドル部材22aに連動して閉塞位置LKに回動する。したがって、作業領域内の作業者が外ハンドル部材22aが回動操作されたことに気づくことができ、しかも、閉塞位置LKにある内ハンドル部材22bを開放位置ULKに回動操作することにより内回動軸23bの回動が外回動軸23aに伝達されて外ハンドル部材22aが開放位置ULKに回動するので、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれて扉を開放することが可能となり、作業者の安全性をよりいっそう確実に確保できる。
【0044】
また、第2伝達部材62の第1伝達部材61への枢支により、外回動軸23aおよび内回動軸23bが連結され、凸部613が被係合部622(凹部)を摺動して突条613に当接することで係合して外回動軸23aと内回動軸23bとが連動するため、連結により第1および第2伝達部材が一体化して伝達機構6の強度の向上を図ることができる。
【0045】
また、外ハンドル部材22aおよび内ハンドル部材22bの開放位置ULKは、時計の短針が6時を指す状態位置であり、外ハンドル部材22aおよび内ハンドル部材22bの閉塞位置LKは、開放位置ULKからほぼ90゜回動した位置であるため、外ハンドル部材22aを閉塞位置LKから開放位置ULKに回動操作すると、自重で内ハンドル部材22bが開放位置ULKに回動し、内ハンドル部材22bを開放位置ULKに戻す機構を別途設ける必要がなく、簡素な構成とすることができる。
【0046】
また、外ハンドル部材22bの閉塞操作により、防護扉を閉塞するとともに、アクチュエータ3をスイッチ本体1に挿入させて連結部材5の係合部51を固定部材4の係合溝41に係合させ、防護扉を閉塞状態にロックすることができる。そのため、防護扉がロックされた状態で、誤操作等により防護扉を強引に開放しようとしたとしても、係合部51が固定部材4の係合溝41に係合して防護扉を閉塞状態にロックしているため防護扉を開放しようとする力がスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることはない。また、作業領域内で動作している産業機械の振動によって防護扉等が振動したとしても、このような振動がスイッチ本体1とアクチュエータ3に直接加わるのを防止することができる。したがって、スイッチ本体1ならびにアクチュエータ3に負担をかけることなく扉を確実にロックできるとともに、安全スイッチ装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0047】
また、この実施形態では、連結部材5の他端部に支持されたアクチュエータ3がスイッチ本体1の操作部に挿入される。そして、連結部材5の係合部51が係合溝41と係合することで、連結部材5がX,Y矢印の両方向の2方向に移動するのを規制することができる。外ハンドル部材22aの閉塞操作によって連結部材5が外回動軸23aを中心に回動して連結部材5の係合部51が固定部材4の係合溝41と係合するとともに、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されて連結部材5の係合部51が固定部材41と係合するため、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動が規制され、防護扉をがたつくことなく閉塞状態に、より確実にロックすることができる。したがって、防護扉の開放方向が、X矢印方向となるスライド式扉、あるいはY矢印方向となる回動式扉のいずれであっても、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動を規制しているので、確実に防護扉を閉塞状態にロックすることができる。
【0048】
また、外ハンドル部材22aの閉塞操作を行うことにより、防護扉の閉塞状態でのロックと、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入とを同時に行うことができる。また、防護扉を開放しようと力を加えても、仕切壁の開口部周縁を構成するフレームWに取り付けられた固定部材4に連結部材5の係合部51が係合することで、防護扉の移動が規制され防護扉が閉塞状態にロックされているため、防護扉を開放しようとする力がスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることがない。このとき、スイッチ本体1やアクチュエータ3とは関係なく、連結部材5および固定部材4の材質(金属、プラスチック等)、あるいは厚さや太さを変更することで防護扉のロック強度を目的に応じて簡単に変更することができる。したがって、スイッチ本体1やアクチュエータ3の強度を向上させるために安全スイッチ装置を大型化する必要がない。
【0049】
また、この実施形態では、外ハンドル部材22aの開放操作により防護扉のロック状態が解除されて開口部が開放された際、図示省略したねじりコイルバネの付勢力によってアクチュエータ3は収納ケース21に収納される。したがって、物資等が作業領域に進入する際にアクチュエータ3に引っ掛かってアクチュエータ3を破損することを防止できる。
【0050】
また、この実施形態では、外ハンドル部材22aの閉塞操作を行う前であって、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれた状態のときには、アクチュエータ3の他端側がねじりコイルバネによって連結部材5の回動の中心である外回動軸23aに近接する方向に付勢されている。そして、外ハンドル部材23aの閉塞操作により、アクチュエータ3の他端がスイッチ本体1に挿入される際には、アクチュエータ3はねじりコイルバネによる付勢に抗してアクチュエータ3の他端が外回動軸23aから離間する方向へ回動しながらスイッチ本体1に挿入される。このように、連結部材5に対してアクチュエータ3が回動自在に支持され、アクチュエータ3は連結部材5に対して回動しつつスイッチ本体1へ挿入されるため、アクチュエータ3が回動自在に支持されていない場合に比べてスイッチ本体1に挿入されるアクチュエータ3の他端の出っ張りが抑えられ、アクチュエータ3を含む連結部材5の回動のために確保すべきスペースが少なくて済み、しかも、アクチュエータ3が挿入されるべきスイッチ本体1側のアクチュエータ挿入口12も余裕を見込んで大きくする必要がなく、安全スイッチ装置の小型化を図ることができる。また、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入を滑らかにすることができる。
【0051】
また、この実施形態では、外ハンドル部材22aによる防護扉の閉塞操作が行われると、まず係合部51が係合溝41に係合して防護扉が閉塞状態にロックされるため防護扉が振動するのを防止できる。そして、このように防護扉の振動が防止された状態で、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されるため、アクチュエータ3が操作部に挿入される際におけるアクチュエータ3のスイッチ本体1の本体ケースとの接触等を防止することができる。したがって、アクチュエータ3のスイッチ本体1の操作部への挿入を確実に行えるため、アクチュエータ3のスイッチ本体1との接触等による破損を確実に防止することができる。
【0052】
また、この実施形態では、作業者の外ハンドル部材22aの回動に連動して第1伝達部材61に結合された連結部材5が回動するため、アクチュエータ3を移動させるのにラックや歯車等の精密部品を用いなくてもよく、簡易な構成で連結部材5を回動させることができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記した実施形態では、第2伝達部材62の第1伝達部材への枢支により、第1および第2伝達部材61,62を連結しているが、本発明の「係合突起」としての凸部が形成された第1伝達部材61と、本発明の「被係合部」としての凹部が形成された第2伝達部材62とが摺接するように構成し、凹部内を凸部が移動し、凹部の内壁に凸部が当接して係合状態となるように構成してもよい。すなわち、外回動軸23aの先端に取り付けられ端面周縁部に係合突起としての凸部が形成された第1伝達部材61と、回動する第1伝達部材61に摺接するように内回動軸23bの先端に取り付けられ端面周縁部に被係合部としての凹部が形成された第2伝達部材62とが、凹部内を凸部が移動し凹部の内壁に凸部が当接して係合状態となるようにして伝達機構6が構成されているため、実用的な構成で係合突起と被係合部とを係合状態とすることができる。
【0054】
また、図7に示すように、スイッチ本体1にスイッチカバー10を取り付けてもよい。その他の構成および動作は上記実施形態と同様であるため、その構成および動作の説明は相当符号を付してその説明を省略する。このような構成とすれば、スイッチ本体1に形成されたアクチュエータ挿入口12からゴミや塵が進入してスイッチが誤動作するのを防止できる。なお、図7はこの発明の変形例の一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示す。
【0055】
また、外ハンドル部材22aおよび内ハンドル部材22bは、上記したレバーハンドル型に限らず、丸玉状のドアノブ型であってもよい。
【0056】
また、図8(a2)に示すように、外ハンドル部材22aのみの開放位置ULKがほぼ水平方向を向くように構成してもよい。その他の構成および動作は上記実施形態と同様であるため、その構成および動作の説明は相当符号を付してその説明を省略する。このように、両ハンドル部材22a,22bの開放位置ULKと閉塞位置LKとを必ずしも一致させる必要はなく、安全スイッチ装置の配設場所や使用態様に応じて様々な角度で両ハンドル部材22a,22bを取り付けることができる。なお、図8はこの発明の変形例の一例を示す図であり、(a1),(a2)は防護扉のロックが解除された状態を示し、(b1),(b2)は防護扉がロックされた状態を示す。また、図8(a1),(b1)は安全スイッチ装置のハンドル部分を作業領域の外からみた正面図の部分断面図、図8(a2),(b2)は安全スイッチ装置を作業領域の外から見た正面図である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の一実施形態たる安全スイッチ装置を示す図である。
【図2】この発明の一実施形態たる安全スイッチ装置を示す図である。
【図3】この発明の一実施形態たる安全スイッチ装置の要部拡大図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5】内ハンドル部材を回動操作した状態を説明するために収納ケース内を作業領域側から見た要部断面図である。
【図6】収納ケース内を表側から見た要部断面図である。
【図7】この発明の変形例の一例を示す図である。
【図8】この発明の変形例の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1…スイッチ本体
22a…外ハンドル部材
22b…内ハンドル部材
23a…外回動軸
23b…内回動軸
3…アクチュエータ
6…伝達機構
61…第1伝達部材
611…嵌合穴
613…凸部(係合突起)
614…枢支穴
62…第2伝達部材
621…嵌合穴
622…被係合部(凹部)
623…突条
ULK…開放位置
LK…閉塞位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉側に配設されたアクチュエータと、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられ前記作業領域内に設置された産業機械の動作を制御するためのスイッチ本体とを備え、前記スイッチ本体に対し前記アクチュエータを挿入・引抜することにより前記スイッチ本体内の開閉器を開閉して前記産業機械への通電路を開閉する安全スイッチ装置において、
前記扉に外側面から挿着された外回動軸が開放位置と閉塞位置との間の回動操作により回動し、前記外回動軸の前記閉塞位置への回動に連動して前記アクチュエータが前記スイッチ本体への挿入方向に移動し、前記外回動軸の前記開放位置への回動に連動して前記アクチュエータが前記スイッチ本体から引抜方向に移動するように前記アクチュエータが前記外回動軸に連携された外ハンドル部材と、
前記扉に内側面から内回動軸が挿着されて該内回動軸が前記開放位置と前記閉塞位置との間の回動操作により回動する内ハンドル部材と、
前記外回動軸に設けられ該外回動軸に連動する係合突起と、前記内回動軸に連動し前記係合突起に係脱自在に設けられた被係合部とを有し、前記内ハンドル部材の前記開放位置への回動操作時にのみ前記被係合部が前記係合突起に係合し、前記係合突起を介して前記内回動軸の回動を前記外回動軸に伝達して前記外ハンドル部材を前記開放位置に移動させる伝達機構とを備え、
前記伝達機構は、
前記内ハンドル部材の前記閉塞位置への回動操作時には前記被係合部が前記係合突起に係合せずに前記内回動軸の回動を前記外回動軸に伝達することがなく、
前記外ハンドル部材の前記閉塞位置への回動操作時には前記係合突起が前記被係合部に係合し、前記被係合部を介して前記外回動軸の回動を前記内回動軸に伝達して前記内ハンドル部材を前記閉塞位置に移動させる
ことを特徴とする安全スイッチ装置。
【請求項2】
前記伝達機構は、
前記外回動軸の先端に取り付けられ端面周縁部に前記係合突起としての凸部が形成された第1伝達部材と、
回動する前記第1伝達部材に摺接するように前記内回動軸の先端に取り付けられ端面周縁部に前記被係合部としての凹部が形成された第2伝達部材とを備え、
前記凹部内を前記凸部が移動し前記凹部の内壁に前記凸部が当接して係合状態となることを特徴とする請求項1に記載の安全スイッチ装置。
【請求項3】
前記外回動軸および前記内回動軸の先端がそれぞれ断面矩形であって、
前記伝達機構は、
略円柱状を成し、一端面に形成された矩形の嵌合穴に前記外回動軸の先端が嵌合し、他端面に円形の枢支穴が形成されるとともに前記他端面の周縁部に前記係合突起としての凸部が形成された第1伝達部材と、
少なくとも一端側が前記第1伝達部材の前記枢支穴に回転自在に緩挿する略円柱形状を成し、他端面に形成された矩形の嵌合穴に前記内回動軸の先端が嵌合し、他端側の外周面に突条が形成され、前記突条を含む円環状の前記他端側の外周面であって該突条を除く領域が前記被係合部として機能する第2伝達部材とを備え、
前記第2伝達部材の前記第1伝達部材への枢支により、前記外回動軸および前記内回動軸が連結され、前記凸部が前記被係合部を摺動して前記突条に当接することで係合して前記外回動軸と前記内回動軸とが連動することを特徴とする請求項1に記載の安全スイッチ装置。
【請求項4】
前記外ハンドル部材および前記内ハンドル部材がレバーハンドル型であって、少なくとも前記内ハンドル部材の前記開放位置は時計の短針が6時を指す状態位置であり、前記内ハンドル部材の前記閉塞位置は前記開放位置からほぼ90゜回動した位置であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の安全スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−287913(P2008−287913A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129169(P2007−129169)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】