説明

実在認証システム

【課題】 通信回線を利用する者の実在性を充分に認証することができる実在認証システムを提供する。
【解決手段】 実在認証センターサーバ1は、利用者情報登録手段2と、実在確認手段3と、実在認証レベル決定手段4と、実在認証レベル通知手段5と、利用者登録情報通知手段6から構成され、利用者端末8は、利用者情報通知手段9と、確認情報通知手段10と、実在認証レベル表示手段11と、登録情報開示要求手段12から構成され、ウェブサイト運営者端末13は登録情報開示要求手段12から構成されており、実在認証センターサーバ1、利用者端末8及びウェブサイト運営者端末13は互いにインターネット7を介して通信可能な状態になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実在認証システムに関する。詳しくは、通信回線利用者に関する情報を登録しておき、登録された情報の開示要求を受けて開示要求をした者の指定先に、登録された情報を通知することにより、通信回線利用者の実在を認証しようとした実在認証システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
仮想空間であるインターネットの世界では、主として文字による通信が行なわれているため、提示された情報例えば、電子メールアドレス、住所、個人の氏名または会社等の名称等が実在するものなのかどうかが不明確である。
【0003】
その結果、例えばインターネットによる商取引においては、提示した情報のとおりに取引相手が確かに実在するかを確認する必要があり、また、例えばインターネットにおける掲示板やチャット等では匿名性に乗じて他者を誹謗する書き込みや、例えば男性が女性になりすましての書き込み等が行なわれ、トラブルを引き起こしている。
【0004】
そこで、インターネットを利用する者が提示した情報を確認し、安心して取引等を行なう方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、サービス事業者サーバへの申込みを、申込み代行センターが行なう申込み代行方法であって、申込み代行センターは、サービス事業者サーバの利用者を認証して利用者を登録する段階と、利用者からサービスの申込みを受付ける段階と、利用者に代わって申込み代行センターがサービス事業者サーバにサービスの申込みを行なう申込み代行段階とを有する申込み代行方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−163480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の認証方法は、インターネットを利用する者が登録した内容を照会するにとどまり、実在性を充分に認証できていなかったため信頼性という点で問題があった。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、インターネット等の通信回線を利用する者の実在性を充分に認証することができる実在認証システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の実在認証システムは、利用者端末と実在認証センターサーバとによって、通信回線利用者の実在を認証する実在認証システムであって、利用者端末は、通信回線利用者に関する情報を実在認証センターサーバに通知する利用者情報通知手段と、実在認証センターサーバから要求される通知した通信回線利用者の情報についての確認情報を通知する確認情報通知手段を備え、実在認証センターサーバは、前記利用者情報通知手段によって通知された通信回線利用者に関する情報を登録する利用者情報登録手段と、該利用者情報登録手段に登録された情報に基づいて通信回線利用者の実在を確認する実在確認手段と、該実在確認手段によって確認できた範囲に応じて通信回線利用者の実在認証レベルを決定する実在認証レベル決定手段と、該実在認証レベル決定手段によって決定された実在認証レベルを、前記利用者情報登録手段に登録した通信回線利用者に通知する実在認証レベル通知手段を備える。
【0009】
ここで、実在認証レベルを、利用者情報登録手段に登録した通信回線利用者に通知する実在認証レベル通知手段によって、登録した通信回線利用者は通知された実在認証レベルを表示でき、相手から実在性を疑われる機会が低減する。
【0010】
また、本発明の実在認証システムは、実在認証センターサーバによって、通信回線利用者の実在を認証する実在認証システムであって、通信回線利用者に関する情報を受信する利用者情報受信手段と、実在認証センターサーバが要求する受信した通信回線利用者の情報についての確認情報を受信する確認情報受信手段と、前記利用者情報受信手段によって受信した通信回線利用者に関する情報を登録する利用者情報登録手段と、該利用者情報登録手段に登録された情報に基づいて通信回線利用者の実在を確認する実在確認手段と、該実在確認手段によって確認できた範囲に応じて通信回線利用者の実在認証レベルを決定する実在認証レベル決定手段と、該実在認証レベル決定手段によって決定された実在認証レベルを、前記利用者情報登録手段に登録した通信回線利用者に通知する実在認証レベル通知手段を備える。
【0011】
ここで、実在認証レベルを、利用者情報登録手段に登録した通信回線利用者に通知する実在認証レベル通知手段によって、登録した通信回線利用者は通知された実在認証レベルを表示でき、相手から実在性を疑われる機会が低減する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る実在認証システムは、インターネット等の通信回線を利用する者の実在性を充分に認証することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した実在認証システムの実施形態の一例を示す概略図である。図1において、実在認証センターサーバ1は、利用者情報登録手段2と、実在確認手段3と、実在認証レベル決定手段4と、実在認証レベル通知手段5と、利用者登録情報通知手段6から構成され、利用者端末8は、利用者情報通知手段9と、確認情報通知手段10と、実在認証レベル表示手段11と、登録情報開示要求手段12から構成され、ウェブサイト運営者端末13は登録情報開示要求手段12から構成されており、実在認証センターサーバ1、利用者端末8及びウェブサイト運営者端末13は互いにインターネット7を介して通信可能な状態になっている。
【0014】
ここで、利用者情報登録手段は、インターネット等の通信回線を利用する者(通信回線利用者、例えばウェブサイト運営者やサイトにアクセスする者)に関する情報(例えば電子メールアドレス、ホームページアドレス、氏名または名称、電話番号等)を登録できるよう構成されており、具体的には例えばデータベース等が挙げられる。
【0015】
また、実在確認手段は、利用者情報登録手段に登録された情報に基づいて通信回線利用者の実在を確認できるよう構成されており、具体的には例えば登録された電子メールアドレス宛に電子メールを送信して届くかどうかを確認したり、電子メールにおいて登録された社名や個人名についての確認情報を返信してもらうよう要求したりできるように構成されている。ここで、確認情報には、通信回線利用者本人の確認のための情報、例えば写真付き公的証明書(例えば運転免許証、パスポート等)が含まれていてもよく、これにより実在確認と通信回線利用者本人確認とを実現できる。
【0016】
更に、実在認証レベル決定手段は、実在確認手段によって確認できた範囲に応じて通信回線利用者の実在認証レベルを決定できるよう構成されており、具体的には例えば、登録された電子メールアドレスへの送信やホームページアドレスへのアクセスによってこれらが実在していることのみが確認できた実在認証レベル1、これに加えて例えば電子メールにおいて、登録された社名や個人名についての確認情報の返信要求に応じて社名や個人名まで確認できた実在認証レベル2、更に加えて登録された電話番号またはファクシミリ番号へ電話またはファクシミリ送信して受信した旨の返信要求に応じて受信が確認できた実在認証レベル3、また更に加えて公的機関発行証明書(例えば住民票、戸籍謄本等)によって確認できたか若しくは登録された住所宛へ配達証明を付けて郵便物例えば実在確認書を発送し、例えば郵便局ホームページにて最終配達完了が確認できた実在認証レベル4のように、4段階の実在認証レベルを決定することができるが、実在認証レベルが決定できるのであれば、これよりも少ない段階数またはこれよりも多い段階数としてもよい。
【0017】
また、実在認証レベル通知手段は、実在認証レベル決定手段によって決定された実在認証レベルを、利用者情報登録手段に登録した通信回線利用者に通知できるよう構成されている。ここで、実在認証レベルを、登録した通信回線利用者に通知できれば、どのような手段でもよく、例えば電子メール、電話連絡、ファクシミリ送信、郵便等によって通知できる。
【0018】
また、利用者登録情報通知手段は、利用者情報登録手段に登録された情報の開示要求を受けて、開示要求をした者の指定先に利用者情報登録手段に登録された情報を通知できるよう構成されている。ここで、開示要求をした者の指定先に登録された情報を通知できれば、どのような手段でもよく、例えば電子メール、電話連絡、ファクシミリ送信、郵便等によって通知できる。また、通信回線利用者に関する情報の登録、通信回線利用者の実在確認、確認できた範囲に応じての実在認証レベルの決定、及び登録した通信回線利用者への決定したレベルの通知が行なえるのであれば、実在認証センターサーバは利用者登録情報通知手段を備えていなくてもよい。
【0019】
また、利用者情報通知手段は、利用者情報登録手段に通信回線利用者の情報を登録するために通信回線利用者の情報を実在認証センターに通知できるよう構成されている。ここで、通信回線利用者の情報を実在認証センターに通知できればどのような手段でもよく、例えば電子メール、電話連絡、ファクシミリ送信、郵便等によって通知できる。
【0020】
また、確認情報通知手段は、実在確認手段から要求された登録情報についての確認情報を実在認証センターに通知できるよう構成されている。ここで、登録情報についての確認情報を実在認証センターに通知できればどのような手段でもよく、例えば電子メール、電話連絡、ファクシミリ送信、郵便等によって通知できる。
【0021】
また、実在認証レベル表示手段は、実在認証レベル通知手段によって通知された実在認証レベルを表示できるよう構成されている。ここで、実在認証レベルを表示できればどのような表示方法でもよく、例えばホームページにおいて、掲示板やチャットにおいて、またはインターネット上の商取引において、実在認証レベルを、文字、画像、色、音声等によって表示してもよい。
【0022】
また、登録情報開示要求手段は、利用者情報登録手段に登録された情報を開示して指定先に通知することを要求できるよう構成されている。ここで、登録された情報の開示を要求できればどのような手段でもよく、例えば電子メール、電話連絡、ファクシミリ送信、郵便等によって要求してもよい。
【0023】
図2は、実在認証レベルを決定し通知するまでの流れを示すフローチャートである。実在認証センターに登録を希望するインターネット利用者は、インターネット利用者自身に関する情報(例えば電子メールアドレス、ホームページアドレス、氏名または名称、電話番号等)を、インターネット利用者の端末装置(例えばコンピュータ等)から実在認証センターの端末装置に送信し、送信された情報は実在認証登録データベース(格納装置)に登録される(ステップS1)。ここで、コンピュータ等の端末装置を用いた登録を例に挙げて説明したが、コンピュータ等の端末装置を所有していない登録希望者の場合は、電話やファクシミリまたは郵便等によって氏名または名称、電話番号等の情報を実在認証センターに通知して実在認証登録データベースにこれら情報を登録してもよい。
【0024】
次に、登録された情報を確認するために、登録された情報に基づいて電子メールアドレス等を登録したインターネット利用者(登録者)へ確認のための情報を送信し、登録されている電子メールアドレス等の情報(登録者情報)と登録者からの返信内容との一致の程度に応じて、上記のように実在認証レベルを決定する(ステップS2)。
【0025】
次に、決定された実在認証レベルを登録者へ送信して、登録者に実在認証レベルを通知する(ステップS3)。
【0026】
登録者は、実在認証レベルの通知を受けるので、インターネット上例えば自身のホームページにおいてまたは掲示板やチャット等において、インターネット利用者の名称や呼称等と併せて実在認証レベルを表示でき、その結果、インターネット上で通信を行なう場合に相手の詳細情報が確認出来なくても実在認証レベルが判るので、レベルに応じた確認がすでに実施されていることが認識され、安心してインターネット上で相手との通信を行なえる。
【0027】
また、登録者は、実在認証登録データベースに登録されている自身の登録者情報の開示を要求して、登録者が指定する端末装置等に送信することを実在認証センターに要求できる。これによって、例えば登録者がインターネット上の通信相手から実在性について疑われ、取引等に支障をきたしそうな場合でも、登録者情報を提示することが可能であり、取引等を円滑に行なうことができる。
【0028】
更に、登録者は、自分の実在が認証されていることから匿名ではいられないとの意識が生じ、公序良俗に反する行為や犯罪に関与する際に抑止力が働くことが期待される。
【0029】
また、本発明を適用した実在認証システムに登録しておくことで、例えばインターネット利用者は、多数のウェブサイト等ごとに同じような登録作業を行なって実在性を示さなくても、実在認証レベルの提示を行なうことで多数のウェブサイト等に実在性を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を適用した実在認証システムの実施形態の一例を示す概略図である。
【図2】実在認証レベルを決定し通知するまでの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
1 実在認証センターサーバ
2 利用者情報登録手段
3 実在確認手段
4 実在認証レベル決定手段
5 実在認証レベル通知手段
6 利用者登録情報通知手段
7 インターネット
8 利用者端末
9 利用者情報通知手段
10 確認情報通知手段
11 実在認証レベル表示手段
12 登録情報開示要求手段
13 ウェブサイト運営者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末と実在認証センターサーバとによって、通信回線利用者の実在を認証する実在認証システムであって、
利用者端末は、
通信回線利用者に関する情報を実在認証センターサーバに通知する利用者情報通知手段と、
実在認証センターサーバから要求される通知した通信回線利用者の情報についての確認情報を通知する確認情報通知手段を備え、
実在認証センターサーバは、
前記利用者情報通知手段によって通知された通信回線利用者に関する情報を登録する利用者情報登録手段と、
該利用者情報登録手段に登録された情報に基づいて通信回線利用者の実在を確認する実在確認手段と、
該実在確認手段によって確認できた範囲に応じて通信回線利用者の実在認証レベルを決定する実在認証レベル決定手段と、
該実在認証レベル決定手段によって決定された実在認証レベルを、前記利用者情報登録手段に登録した通信回線利用者に通知する実在認証レベル通知手段を備える
実在認証システム。
【請求項2】
前記実在認証センターサーバは、前記利用者情報登録手段に登録された情報の開示要求を受けて、開示要求をした者の指定先に前記利用者情報登録手段に登録された情報を通知する利用者登録情報通知手段を備える
請求項1に記載の実在認証システム。
【請求項3】
前記確認情報は、通信回線利用者本人の確認のための情報を含む
請求項1または請求項2に記載の実在認証システム。
【請求項4】
実在認証センターサーバによって、通信回線利用者の実在を認証する実在認証システムであって、
通信回線利用者に関する情報を受信する利用者情報受信手段と、
実在認証センターサーバが要求する受信した通信回線利用者の情報についての確認情報を受信する確認情報受信手段と、
前記利用者情報受信手段によって受信した通信回線利用者に関する情報を登録する利用者情報登録手段と、
該利用者情報登録手段に登録された情報に基づいて通信回線利用者の実在を確認する実在確認手段と、
該実在確認手段によって確認できた範囲に応じて通信回線利用者の実在認証レベルを決定する実在認証レベル決定手段と、
該実在認証レベル決定手段によって決定された実在認証レベルを、前記利用者情報登録手段に登録した通信回線利用者に通知する実在認証レベル通知手段を備える
実在認証システム。
【請求項5】
前記利用者情報登録手段に登録された情報の開示要求を受けて、開示要求をした者の指定先に前記利用者情報登録手段に登録された情報を通知する利用者登録情報通知手段を備える
請求項4に記載の実在認証システム。
【請求項6】
前記確認情報は、通信回線利用者本人の確認のための情報を含む
請求項4または請求項5に記載の実在認証システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−154888(P2006−154888A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339939(P2004−339939)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(301006220)有限会社アイオーエス (2)
【Fターム(参考)】