家具調コタツ
【課題】支持脚の取り付け態様を変更でき、しかも、暖房器具として使用する場合の使い勝手が良好な家具調コタツを提供する。
【解決手段】天井プレート5の隅部それぞれに、基礎ボルト孔15、一辺縁側ボルト孔17、他辺縁側ボルト孔19及び中央ボルト孔21を形成する。一辺縁側ボルト孔17と基礎ボルト孔15との間隔、他辺縁側ボルト孔19と基礎ボルト孔15との間隔及び中央ボルト孔21と基礎ボルト孔15との間隔をいずれも、支持脚3の上端面11の2つのボルト孔13の間隔と等しくしておく。
基礎ボルト孔15と、一辺縁側ボルト孔17、他辺縁側ボルト孔19及び中央ボルト孔21のいずれか1つとに固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込む。
【解決手段】天井プレート5の隅部それぞれに、基礎ボルト孔15、一辺縁側ボルト孔17、他辺縁側ボルト孔19及び中央ボルト孔21を形成する。一辺縁側ボルト孔17と基礎ボルト孔15との間隔、他辺縁側ボルト孔19と基礎ボルト孔15との間隔及び中央ボルト孔21と基礎ボルト孔15との間隔をいずれも、支持脚3の上端面11の2つのボルト孔13の間隔と等しくしておく。
基礎ボルト孔15と、一辺縁側ボルト孔17、他辺縁側ボルト孔19及び中央ボルト孔21のいずれか1つとに固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冬季は暖房器具として使用でき、夏季などにはテーブルとして使用できる家具調コタツに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房用の器具であるコタツは、長方形状又は正方形状の天井部の4隅部を支持脚で支えたコタツ櫓にコタツ布団を掛け、このコタツ布団をはさんで天井部の上に天板を載せて構成し、コタツ布団の中に例えば下半身を入れて使用する。そして、コタツ櫓の天井部には、下面中央にヒーターが設けられていて、このヒーターによりコタツ布団の中が暖房される。そして、コタツ布団を取り除き、例えば天板を天井部の上に直接載せたときに、テーブルとしての十分な体裁が現れるように仕上げておくことにより、このようなコタツは家具調コタツとして構成されることとなる。
【0003】
ところで、コタツの支持脚は、断面円形又は正方形の単純な形状に形成される場合が多いが、家具調コタツの場合には、支持脚を幅広のプレート状に形成するなどしてデザイン性を高めることもある。しかしながら、例えば支持脚を幅広のプレート状に形成した場合、支持脚の取り付け態様によっては支持脚の間隔が狭まり、コタツとしての使用時に使用感が悪化するおそれがある。
【0004】
こういった点に関連して、例えば特許文献1には、コタツ櫓(やぐら1)の支持脚(脚3)を旋廻させて、支持脚の間隔を調整できるようにしたコタツ(電気こたつ)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−36211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のコタツでは、支持脚3の位置決めは、可動部15の他端両面に突起11を設けておき、この突起11の対面部との接触による摩擦で可動部15を旋回位置に保持して行われる。したがって突起11は、支持脚3及び可動部15の旋回に支障がないように形成しなければならず、コタツ櫓1の天井部の重量が突起11と対面部との間に加わることを考慮しても、支持脚3の確実な位置決めは期待できず、特許文献1に記載されたコタツは使い勝手が良くない。また、支持脚の形状にかかわらず、天井部に対する支持脚の配置状態を変更できれば、テーブルとして使用するときのデザイン性の向上も期待できるので、この点からも使い勝手の良い支持脚配置変更構造が必要となる。
【0007】
そこで本発明は、支持脚の配置状態を変更でき、しかも、使い勝手が良好な家具調コタツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明の家具調コタツは、中央下面にヒーターが設けられた長方形状又は正方形状の天井部及びこの天井部の4隅部に取り付けられた支持脚を有するコタツ櫓を備えた家具調コタツであって、前記支持脚それぞれの取り付け位置を変更できるように構成されているものである。支持脚の配置状態の変更は、支持脚の天井部への取り付け位置を変更して行われる。支持脚は、例えば、それぞれの取り付け位置に、取り外すことができるように取り付けられ又は固定される。支持脚はまた、例えば、それぞれの取り付け位置に、位置決め状態で取り付けられ又は固定される。したがって、例えば、支持脚をそれぞれの配置状態で確実に天井部に対して位置決めすることが可能となる。それぞれの取り付け位置に支持脚を取り付けて固定したときに、支持脚が天井部から側方に突出しないように構成しておけば、コタツ櫓のデザイン性を高めることができる。支持脚は、例えば、複数の取り付け手段又は固定手段(例えばボルト)を用いて天井部に取り付けられ又は固定される。本発明では、例えば、断面正方形状、断面長方形状、断面円形状又は断面楕円形状の支持脚を、天井部の隅部の外側位置や内側位置あるいは一辺縁側や他辺縁側を選択して取り付けることができるように構成する。あるいは、断面正方形状、断面長方形状又は断面楕円形状の支持脚を、特定の取り付け位置から、断面形状の中心周りに(断面形状の中心を回転中心として)所定角度回転させた場合の回転角度位置を取り付け位置として選択し、天井部に取り付けることができるように構成する。
【0009】
支持脚を幅の広いプレート状に形成すれば、支持脚のデザイン性を高めることができる。ここでは、例えば支持脚の取り付け角度を調整できるように構成する。具体的には、支持脚が、天井部の隅部で、天井部の一辺縁に沿うような第1の取り付け位置、天井部の、一辺縁と直交する他辺縁に沿うような第2の取り付け位置及び天井部の隅角を2等分又はほぼ2等分する方向に沿うような第3の取り付け位置のうちの任意の1つの取り付け位置に取り付け可能なように、かつ、取り付け位置を第1の取り付け位置、第2の取り付け位置及び第3の取り付け位置のうちの他の取り付け位置に変更することができるように構成する。このような構成は、支持脚の幅広面をどの方向に向かせるかの選択を可能とするので、デザイン性の点からも、支持脚の間隔を適正なものに調整する点からも効果的である。あるいは、天井部の隅角を切り取る方向に沿うような第4の取り付け位置にも支持脚を取り付けることができるように構成してもよい。
【0010】
支持脚の天井部への取り付けは、ボルトを用いて行うことができる。例えば、天井部の4隅部にそれぞれ、複数個のボルト孔を形成しておくとともに、支持脚の上端面にねじ孔を設けておく。そして、天井部のボルト孔にボルトを通し、このボルトを支持脚のねじ孔にねじ込むことにより支持脚を天井部に取り付け又は固定する。支持脚の取り付け位置の変更は、ボルトを通すボルト孔を変更することにより行なうことができる。支持脚の上端面のねじ孔は、長さ方向(支持脚の幅方向)に間隔をあけて2つ設けることができ、天井部には、2つのねじ孔に対応した2つ一組のボルト孔を複数組設ける。ここで、一組のボルト孔が、天井部の一辺縁に沿うように、また、天井部の他辺縁に沿うように、さらに、天井部の隅角を2等分又はほぼ2等分する方向に沿うように形成されていれば、支持脚を、第1の取り付け位置、第2の取り付け位置及び第3の取り付け位置のうちの任意の1つの取り付け位置に、ボルトを用いて取り付け又は固定することができる。さらに、一組のボルト孔が、天井部の隅角を切り取る方向に沿うように形されていれば、支持脚を第4の位置に取り付け又は固定することができる。
【0011】
より一般的には、天井部の4隅部にそれぞれ、複数組のボルト孔を形成しておくとともに(例えば2つ一組のボルト孔を複数組形成しておくとともに)、支持脚の上端面に、それぞれの組のボルト孔に対応した一組のねじ孔を設けておく。そして、天井部のいずれか一組のボルト孔にボルトを通し、このボルトを支持脚の一組のねじ孔にねじ込むことにより支持脚を天井部に取り付け又は固定する。支持脚の取り付け位置の変更は、ボルトを通すボルト孔の組を変更することにより行うことができる。ここで、支持脚の上端面に、それぞれの組のボルト孔に対応した別の組のねじ孔を設けておけば、支持脚の取り付け位置の変更は、ボルトをねじ込むねじ孔の組を変更することによっても行うことができ、ボルトをねじ込むねじ孔の組を変更することにより、例えば、支持脚を断面形状の中心を回転中心として45°回転した状態とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の家具調コタツでは、コタツとしての使い勝手を損なうことなく、支持脚の配置状態を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図3】図2に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図4】支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【図5】天板の分解斜視図である。
【図6】天井プレートの分解斜視図である。
【図7】支持脚を天井プレートの第2の位置に取り付ける場合を説明する図である。
【図8】支持脚を天井プレートの第3の位置に取り付ける場合を説明する図である。
【図9】支持脚の3つの取り付け態様を説明する図である。
【図10】支持脚の取り付け位置の変更例を示す図である。
【図11】本発明に係る別の家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図12】図11に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図13】支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【図14】天井プレートの分解斜視図である。
【図15】支持脚を天井プレートの他の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図、図2は本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図3は図2に示す家具調コタツの分解斜視図、図4は支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【0016】
家具調コタツ1は、4隅部がそれぞれ支持脚3で支えられた長方形状の天井プレート(天井部)5上に、すなわち、コタツ櫓上に、天井プレート5と同一又はほぼ同一の長方形状の天板7を載せることにより構成されていて、天板7は、家具調コタツ1を暖房器具として使用する場合(図1の場合)には、コタツ布団9を介して天井プレート5上に載せられ、テーブルとして使用する場合(図2の場合)には、天井プレート5上に直接載せられる。
【0017】
コタツ櫓の支持脚3は、断面が細長い長方形状であるプレート体として形成され(ただし、幅方向外端面は、曲率の小さな円弧状断面を有している)、この支持脚3の上端面11の長さ方向両端部にはそれぞれ、雌ねじ孔であるボルト孔13が設けられている。
【0018】
天井プレート5の隅部にはそれぞれ、基礎ボルト孔15、一辺縁側ボルト孔17、他辺縁側ボルト孔19及び中央ボルト孔21が上下方向に貫通して形成されている。基礎ボルト孔15は、天井プレート5の隅部の最も隅(天井プレート5の一辺縁23と他辺縁25との交点付近)に設けられ、一辺縁側ボルト孔17は、天井プレート5の一辺縁23に沿って、基礎ボルト孔15と所定の間隔があくように設けられ、他辺縁側ボルト孔19は、天井プレート5の他辺縁25に沿って、基礎ボルト孔15と所定の間隔があくように設けられ、中央ボルト孔21は、隅角の二等分線(仮想線)Kに沿って、基礎ボルト孔15と所定の間隔があくように設けられている。一辺縁側ボルト孔17と基礎ボルト孔15との間隔、他辺縁側ボルト孔19と基礎ボルト孔15との間隔及び中央ボルト孔21と基礎ボルト孔15との間隔はいずれも、支持脚3の上端面11の2つのボルト孔13の間隔に等しくなっている。
【0019】
支持脚3はそれぞれ、基礎ボルト孔15及び一辺縁側ボルト孔17に通された固定ボルト27を、支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込むことにより、天井プレート5の隅部に取り付けられている。ここでは、支持脚3は、幅方向が天井プレート5の一辺縁23に沿う第1の取り付け位置に取り付けられている。
【0020】
図5は天板7の分解斜視図である。
【0021】
天板7は、天板用角材29を組み合わせて形成された長方形状の天板用枠部31と、この天板用枠部31内に配置されたハニカム紙33と、天板用枠部31の上下両面側に固定して設けられた表面プレート35及び裏面プレート37と、から構成されている。ハニカム紙33は、天板用枠部31の内側形状と同一又はほぼ同一に形成され、天板用角材31と同一又はほぼ同一の厚みを有している。
【0022】
図6は天井プレート5の分解斜視図である。
【0023】
コタツ櫓の天井プレート5は、天井プレート用角材39を組み合わせて形成された長方形状の天井プレート用枠部41と、この天井プレート用枠部41の上下両面側に固定して設けられた上面プレート部43及び下面プレート部45と、から構成され、天井プレート用枠部41内の長辺方向中間位置には、短辺方向に延びる2本の補強角材47が配置されていて、天井プレート用角材39と補強角材47とは同一又はほぼ同一の厚みを有している。また、天井プレート用枠部41の4隅部内側には、天井プレート用角材39と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒49が固定されている。
【0024】
天井プレート5に設けられた基礎ボルト孔15、一辺縁側ボルト孔17及び他辺縁側ボルト孔19はそれぞれ、上面プレート部43、天井プレート用角材39及び下面プレート部45を貫通して設けられ、天井プレート5に設けられた中央ボルト孔21は、上面プレート部43、補強駒49及び下面プレート部45を貫通して設けられている。なお、それぞれのボルト孔15、17、19及び21の上面プレート部43部分は、固定ボルト27の頭部を収容するように大径に形成されている。
【0025】
天井プレート5の中央下面にはヒーター51が取り付けられているが、ヒーター51の取り付けは、ヒーター51に設けられたL型金具53と取り付けネジ55を用いて行われる。すなわち、L型金具53の取り付け孔57に取り付けネジ55を通し、取り付けネジ55を下面プレート部45及び補強角材47にねじ込んでヒーター51を下面プレート部45の中央下面に固定する。
【0026】
図7は支持脚3を天井プレート5の第2の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図、図8は支持脚3を天井プレート5の第3の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図、図9は支持脚3の3つの取り付け態様を説明する図である。
【0027】
基礎ボルト孔15及び他辺縁側ボルト孔19に通された固定ボルト27を、支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込むことにより、支持脚3は、幅方向が天井プレート5の他辺縁25に沿う第2の取り付け位置に取り付けられ(図7参照)、基礎ボルト孔15及び中央ボルト孔21に通された固定ボルト27を、支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込むことにより、支持脚3は、幅方向が隅角の2等分線に沿う第3の取り付け位置に取り付けられる(図8参照)。すなわち、支持脚3(図4参照)は、基礎ボルト孔15位置を中心として回転させた場合の、天井プレート5からはみ出ない3つの位置のいずれかで、天板プレート5に固定されることとなる(図9参照)。
【0028】
なお、天板プレート5の隅部にそれぞれ、隅角を切り取る方向に沿って並ぶように一対の補助ボルト孔59、59を設け、この補助ボルト孔59、59に固定ボルト27を通すことにより、支持脚3を、隅角の切り取り方向に沿う第4の取り付け位置に取り付けることができるようにしてもよい(図10参照)。ただし、この場合には、支持脚3の幅方向両端面を断面円弧状に形成する。また、すべての支持脚3を同じ取り付け位置で天板プレート5に取り付ける必要はない。すなわち、ある支持脚3を第1の取り付け位置に取り付け、別の支持脚3を第2の取り付け位置に取り付けるといったことも可能である。
【0029】
図11は本発明に係る別の家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図12は図11に示す家具調コタツの分解斜視図、図13は支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【0030】
別の家具調コタツ101は、家具調コタツ1の支持脚3の構成及び天井プレート5の隅部のボルト孔15、17、19、21の構成を変更したものであり、その他の構成や機能は家具調コタツ1と同一なので、同一部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0031】
家具調コタツ101は、4隅部がそれぞれ支持脚103で支えられた長方形状の天井プレート(天井部)105上に、すなわち、コタツ櫓上に、天井プレート105と同一又はほぼ同一の長方形状の天板7を載せることにより構成されている。
【0032】
コタツ櫓の支持脚103は、断面正方形の角柱状に形成され、この支持脚103の上端面107にはそれぞれ、雌ねじ孔である4つのボルト孔109、111、113、115が設けられていて、2つのボルト孔109、111は、支持脚103の上端面107の対角位置に設けられて一組のボルト孔を構成し、別の2つのボルト孔113、115は、支持脚103の上端面107を2つの長方形に二等分する二等分線(仮想線)L上端面107の両端側に設けられて別の一組のボルト孔を構成している。一組のボルト孔(109、111)の間隔は別の一組のボルト孔(113、115)の間隔と等しくなるように設定されている。
【0033】
天井プレート105の隅部にはそれぞれ、正方形区画(仮想線)Mの中心に中央ボルト孔117が、正方形区画Mの4つの角のそれぞれに選択ボルト孔119、121、123、125が上下方向に貫通して形成されていて、中央ボルト孔117と選択ボルト孔119、中央ボルト孔117と選択ボルト孔121、中央ボルト孔117と選択ボルト孔123、中央ボルト孔117と選択ボルト孔125はそれぞれ、第1の組のボルト孔、第2の組のボルト孔、第3の組のボルト孔、第4の組のボルト孔を構成している。第1の組のボルト孔(117、119)、第2の組のボルト孔(117、121)、第3の組のボルト孔(117、123)及び第4の組のボルト孔(117、125)の間隔は、一組のボルト孔(109、111)の間隔(別の一組のボルト孔(113、115)の間隔と等しい)と等しくなるように設定されている。
【0034】
支持脚103はそれぞれ、第1の組のボルト孔(117、119)に通された固定ボルト27を、支持脚103の上端面107の一組のボルト孔(109、111)にねじ込むことにより、天井プレート105の隅部に取り付けられている。ここでは、支持脚103は、上端面107の隅部が天井プレート105の隅部に対応する状態(上端面107の一辺縁が天井プレート105の一辺縁23と平行に位置し、上端面107の他辺縁が天井プレート105の他辺縁25と平行に位置している状態)で最も外側に位置している(第1の取り付け位置)。
【0035】
図14は天井プレート105の分解斜視図である。
【0036】
コタツ櫓の天井プレート105は、補強駒127が補強駒49よりも大きな正方形状に形成されていること、および、中央ボルト孔117、選択ボルト孔119、121、123、125がすべて、この補強駒127を貫通する位置に形成されていることを除き、天井プレート5と同一の構成を有している。なお、それぞれのボルト孔117、119、121,123及び125の上面プレート部43部分は、固定ボルト27の頭部を収容するように大径に形成されている。
【0037】
図15は支持脚103を天井プレート105の他の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図である。
【0038】
支持脚103を、天井プレート105の第1の組のボルト孔(117、119)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115、図13参照)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第2の取り付け位置に固定することができる(図15a)。支持脚103を、天井プレート105の第2の組のボルト孔(117、121)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の一組のボルト孔(109,111、図13参照)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から一辺縁23に沿って内側にずらした(より正確には一辺縁23に沿って内側にずらし、90°回転させた)第3の取り付け位置に固定することができる(図15b)。支持脚103を、天井プレート105の第2の組のボルト孔(117、121)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第3の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第4の取り付け位置に固定することができる(図15c)。支持脚103を、天井プレート105の第3の組のボルト孔(117、123)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の一組のボルト孔(109、111)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から、天井プレート105の隅角の二等分線K(図4参照)に沿って内側にずらした第5の取り付け位置に固定することができる(図15d)。支持脚103を、天井プレート105の第3の組のボルト孔(117、123)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第5の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第6の取り付け位置に固定することができる(図15e)。支持脚103を、天井プレート105の第4の組のボルト孔(117、125)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の一組のボルト孔117(109、111)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から他辺縁25に沿って内側にずらした(より正確には他辺縁25に沿って内側にずらし、90°回転させた)第7の取り付け位置に固定することができる(図15f)。支持脚103を、天井プレート105の第4の組のボルト孔(117、125)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第7の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第8の取り付け位置に固定することができる(図15g)。
【0039】
なお、すべての支持脚103を同じ取り付け位置で天板プレート105に取り付ける必要はない。すなわち、ある支持脚103を第1の取り付け位置に取り付け、別の支持脚103を第2の取り付け位置に取り付けるといったことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の家具調コタツは、暖房器具として使用してもテーブルとして使用しても優れた特徴を有するものである。
【符号の説明】
【0041】
1、101 家具調コタツ
3、103 支持脚
5、105 天井プレート(天井部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、冬季は暖房器具として使用でき、夏季などにはテーブルとして使用できる家具調コタツに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房用の器具であるコタツは、長方形状又は正方形状の天井部の4隅部を支持脚で支えたコタツ櫓にコタツ布団を掛け、このコタツ布団をはさんで天井部の上に天板を載せて構成し、コタツ布団の中に例えば下半身を入れて使用する。そして、コタツ櫓の天井部には、下面中央にヒーターが設けられていて、このヒーターによりコタツ布団の中が暖房される。そして、コタツ布団を取り除き、例えば天板を天井部の上に直接載せたときに、テーブルとしての十分な体裁が現れるように仕上げておくことにより、このようなコタツは家具調コタツとして構成されることとなる。
【0003】
ところで、コタツの支持脚は、断面円形又は正方形の単純な形状に形成される場合が多いが、家具調コタツの場合には、支持脚を幅広のプレート状に形成するなどしてデザイン性を高めることもある。しかしながら、例えば支持脚を幅広のプレート状に形成した場合、支持脚の取り付け態様によっては支持脚の間隔が狭まり、コタツとしての使用時に使用感が悪化するおそれがある。
【0004】
こういった点に関連して、例えば特許文献1には、コタツ櫓(やぐら1)の支持脚(脚3)を旋廻させて、支持脚の間隔を調整できるようにしたコタツ(電気こたつ)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−36211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のコタツでは、支持脚3の位置決めは、可動部15の他端両面に突起11を設けておき、この突起11の対面部との接触による摩擦で可動部15を旋回位置に保持して行われる。したがって突起11は、支持脚3及び可動部15の旋回に支障がないように形成しなければならず、コタツ櫓1の天井部の重量が突起11と対面部との間に加わることを考慮しても、支持脚3の確実な位置決めは期待できず、特許文献1に記載されたコタツは使い勝手が良くない。また、支持脚の形状にかかわらず、天井部に対する支持脚の配置状態を変更できれば、テーブルとして使用するときのデザイン性の向上も期待できるので、この点からも使い勝手の良い支持脚配置変更構造が必要となる。
【0007】
そこで本発明は、支持脚の配置状態を変更でき、しかも、使い勝手が良好な家具調コタツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明の家具調コタツは、中央下面にヒーターが設けられた長方形状又は正方形状の天井部及びこの天井部の4隅部に取り付けられた支持脚を有するコタツ櫓を備えた家具調コタツであって、前記支持脚それぞれの取り付け位置を変更できるように構成されているものである。支持脚の配置状態の変更は、支持脚の天井部への取り付け位置を変更して行われる。支持脚は、例えば、それぞれの取り付け位置に、取り外すことができるように取り付けられ又は固定される。支持脚はまた、例えば、それぞれの取り付け位置に、位置決め状態で取り付けられ又は固定される。したがって、例えば、支持脚をそれぞれの配置状態で確実に天井部に対して位置決めすることが可能となる。それぞれの取り付け位置に支持脚を取り付けて固定したときに、支持脚が天井部から側方に突出しないように構成しておけば、コタツ櫓のデザイン性を高めることができる。支持脚は、例えば、複数の取り付け手段又は固定手段(例えばボルト)を用いて天井部に取り付けられ又は固定される。本発明では、例えば、断面正方形状、断面長方形状、断面円形状又は断面楕円形状の支持脚を、天井部の隅部の外側位置や内側位置あるいは一辺縁側や他辺縁側を選択して取り付けることができるように構成する。あるいは、断面正方形状、断面長方形状又は断面楕円形状の支持脚を、特定の取り付け位置から、断面形状の中心周りに(断面形状の中心を回転中心として)所定角度回転させた場合の回転角度位置を取り付け位置として選択し、天井部に取り付けることができるように構成する。
【0009】
支持脚を幅の広いプレート状に形成すれば、支持脚のデザイン性を高めることができる。ここでは、例えば支持脚の取り付け角度を調整できるように構成する。具体的には、支持脚が、天井部の隅部で、天井部の一辺縁に沿うような第1の取り付け位置、天井部の、一辺縁と直交する他辺縁に沿うような第2の取り付け位置及び天井部の隅角を2等分又はほぼ2等分する方向に沿うような第3の取り付け位置のうちの任意の1つの取り付け位置に取り付け可能なように、かつ、取り付け位置を第1の取り付け位置、第2の取り付け位置及び第3の取り付け位置のうちの他の取り付け位置に変更することができるように構成する。このような構成は、支持脚の幅広面をどの方向に向かせるかの選択を可能とするので、デザイン性の点からも、支持脚の間隔を適正なものに調整する点からも効果的である。あるいは、天井部の隅角を切り取る方向に沿うような第4の取り付け位置にも支持脚を取り付けることができるように構成してもよい。
【0010】
支持脚の天井部への取り付けは、ボルトを用いて行うことができる。例えば、天井部の4隅部にそれぞれ、複数個のボルト孔を形成しておくとともに、支持脚の上端面にねじ孔を設けておく。そして、天井部のボルト孔にボルトを通し、このボルトを支持脚のねじ孔にねじ込むことにより支持脚を天井部に取り付け又は固定する。支持脚の取り付け位置の変更は、ボルトを通すボルト孔を変更することにより行なうことができる。支持脚の上端面のねじ孔は、長さ方向(支持脚の幅方向)に間隔をあけて2つ設けることができ、天井部には、2つのねじ孔に対応した2つ一組のボルト孔を複数組設ける。ここで、一組のボルト孔が、天井部の一辺縁に沿うように、また、天井部の他辺縁に沿うように、さらに、天井部の隅角を2等分又はほぼ2等分する方向に沿うように形成されていれば、支持脚を、第1の取り付け位置、第2の取り付け位置及び第3の取り付け位置のうちの任意の1つの取り付け位置に、ボルトを用いて取り付け又は固定することができる。さらに、一組のボルト孔が、天井部の隅角を切り取る方向に沿うように形されていれば、支持脚を第4の位置に取り付け又は固定することができる。
【0011】
より一般的には、天井部の4隅部にそれぞれ、複数組のボルト孔を形成しておくとともに(例えば2つ一組のボルト孔を複数組形成しておくとともに)、支持脚の上端面に、それぞれの組のボルト孔に対応した一組のねじ孔を設けておく。そして、天井部のいずれか一組のボルト孔にボルトを通し、このボルトを支持脚の一組のねじ孔にねじ込むことにより支持脚を天井部に取り付け又は固定する。支持脚の取り付け位置の変更は、ボルトを通すボルト孔の組を変更することにより行うことができる。ここで、支持脚の上端面に、それぞれの組のボルト孔に対応した別の組のねじ孔を設けておけば、支持脚の取り付け位置の変更は、ボルトをねじ込むねじ孔の組を変更することによっても行うことができ、ボルトをねじ込むねじ孔の組を変更することにより、例えば、支持脚を断面形状の中心を回転中心として45°回転した状態とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の家具調コタツでは、コタツとしての使い勝手を損なうことなく、支持脚の配置状態を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図3】図2に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図4】支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【図5】天板の分解斜視図である。
【図6】天井プレートの分解斜視図である。
【図7】支持脚を天井プレートの第2の位置に取り付ける場合を説明する図である。
【図8】支持脚を天井プレートの第3の位置に取り付ける場合を説明する図である。
【図9】支持脚の3つの取り付け態様を説明する図である。
【図10】支持脚の取り付け位置の変更例を示す図である。
【図11】本発明に係る別の家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図12】図11に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図13】支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【図14】天井プレートの分解斜視図である。
【図15】支持脚を天井プレートの他の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図、図2は本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図3は図2に示す家具調コタツの分解斜視図、図4は支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【0016】
家具調コタツ1は、4隅部がそれぞれ支持脚3で支えられた長方形状の天井プレート(天井部)5上に、すなわち、コタツ櫓上に、天井プレート5と同一又はほぼ同一の長方形状の天板7を載せることにより構成されていて、天板7は、家具調コタツ1を暖房器具として使用する場合(図1の場合)には、コタツ布団9を介して天井プレート5上に載せられ、テーブルとして使用する場合(図2の場合)には、天井プレート5上に直接載せられる。
【0017】
コタツ櫓の支持脚3は、断面が細長い長方形状であるプレート体として形成され(ただし、幅方向外端面は、曲率の小さな円弧状断面を有している)、この支持脚3の上端面11の長さ方向両端部にはそれぞれ、雌ねじ孔であるボルト孔13が設けられている。
【0018】
天井プレート5の隅部にはそれぞれ、基礎ボルト孔15、一辺縁側ボルト孔17、他辺縁側ボルト孔19及び中央ボルト孔21が上下方向に貫通して形成されている。基礎ボルト孔15は、天井プレート5の隅部の最も隅(天井プレート5の一辺縁23と他辺縁25との交点付近)に設けられ、一辺縁側ボルト孔17は、天井プレート5の一辺縁23に沿って、基礎ボルト孔15と所定の間隔があくように設けられ、他辺縁側ボルト孔19は、天井プレート5の他辺縁25に沿って、基礎ボルト孔15と所定の間隔があくように設けられ、中央ボルト孔21は、隅角の二等分線(仮想線)Kに沿って、基礎ボルト孔15と所定の間隔があくように設けられている。一辺縁側ボルト孔17と基礎ボルト孔15との間隔、他辺縁側ボルト孔19と基礎ボルト孔15との間隔及び中央ボルト孔21と基礎ボルト孔15との間隔はいずれも、支持脚3の上端面11の2つのボルト孔13の間隔に等しくなっている。
【0019】
支持脚3はそれぞれ、基礎ボルト孔15及び一辺縁側ボルト孔17に通された固定ボルト27を、支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込むことにより、天井プレート5の隅部に取り付けられている。ここでは、支持脚3は、幅方向が天井プレート5の一辺縁23に沿う第1の取り付け位置に取り付けられている。
【0020】
図5は天板7の分解斜視図である。
【0021】
天板7は、天板用角材29を組み合わせて形成された長方形状の天板用枠部31と、この天板用枠部31内に配置されたハニカム紙33と、天板用枠部31の上下両面側に固定して設けられた表面プレート35及び裏面プレート37と、から構成されている。ハニカム紙33は、天板用枠部31の内側形状と同一又はほぼ同一に形成され、天板用角材31と同一又はほぼ同一の厚みを有している。
【0022】
図6は天井プレート5の分解斜視図である。
【0023】
コタツ櫓の天井プレート5は、天井プレート用角材39を組み合わせて形成された長方形状の天井プレート用枠部41と、この天井プレート用枠部41の上下両面側に固定して設けられた上面プレート部43及び下面プレート部45と、から構成され、天井プレート用枠部41内の長辺方向中間位置には、短辺方向に延びる2本の補強角材47が配置されていて、天井プレート用角材39と補強角材47とは同一又はほぼ同一の厚みを有している。また、天井プレート用枠部41の4隅部内側には、天井プレート用角材39と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒49が固定されている。
【0024】
天井プレート5に設けられた基礎ボルト孔15、一辺縁側ボルト孔17及び他辺縁側ボルト孔19はそれぞれ、上面プレート部43、天井プレート用角材39及び下面プレート部45を貫通して設けられ、天井プレート5に設けられた中央ボルト孔21は、上面プレート部43、補強駒49及び下面プレート部45を貫通して設けられている。なお、それぞれのボルト孔15、17、19及び21の上面プレート部43部分は、固定ボルト27の頭部を収容するように大径に形成されている。
【0025】
天井プレート5の中央下面にはヒーター51が取り付けられているが、ヒーター51の取り付けは、ヒーター51に設けられたL型金具53と取り付けネジ55を用いて行われる。すなわち、L型金具53の取り付け孔57に取り付けネジ55を通し、取り付けネジ55を下面プレート部45及び補強角材47にねじ込んでヒーター51を下面プレート部45の中央下面に固定する。
【0026】
図7は支持脚3を天井プレート5の第2の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図、図8は支持脚3を天井プレート5の第3の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図、図9は支持脚3の3つの取り付け態様を説明する図である。
【0027】
基礎ボルト孔15及び他辺縁側ボルト孔19に通された固定ボルト27を、支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込むことにより、支持脚3は、幅方向が天井プレート5の他辺縁25に沿う第2の取り付け位置に取り付けられ(図7参照)、基礎ボルト孔15及び中央ボルト孔21に通された固定ボルト27を、支持脚3の上端面11のボルト孔13にねじ込むことにより、支持脚3は、幅方向が隅角の2等分線に沿う第3の取り付け位置に取り付けられる(図8参照)。すなわち、支持脚3(図4参照)は、基礎ボルト孔15位置を中心として回転させた場合の、天井プレート5からはみ出ない3つの位置のいずれかで、天板プレート5に固定されることとなる(図9参照)。
【0028】
なお、天板プレート5の隅部にそれぞれ、隅角を切り取る方向に沿って並ぶように一対の補助ボルト孔59、59を設け、この補助ボルト孔59、59に固定ボルト27を通すことにより、支持脚3を、隅角の切り取り方向に沿う第4の取り付け位置に取り付けることができるようにしてもよい(図10参照)。ただし、この場合には、支持脚3の幅方向両端面を断面円弧状に形成する。また、すべての支持脚3を同じ取り付け位置で天板プレート5に取り付ける必要はない。すなわち、ある支持脚3を第1の取り付け位置に取り付け、別の支持脚3を第2の取り付け位置に取り付けるといったことも可能である。
【0029】
図11は本発明に係る別の家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図12は図11に示す家具調コタツの分解斜視図、図13は支持脚の取り付け個所の拡大図である。
【0030】
別の家具調コタツ101は、家具調コタツ1の支持脚3の構成及び天井プレート5の隅部のボルト孔15、17、19、21の構成を変更したものであり、その他の構成や機能は家具調コタツ1と同一なので、同一部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0031】
家具調コタツ101は、4隅部がそれぞれ支持脚103で支えられた長方形状の天井プレート(天井部)105上に、すなわち、コタツ櫓上に、天井プレート105と同一又はほぼ同一の長方形状の天板7を載せることにより構成されている。
【0032】
コタツ櫓の支持脚103は、断面正方形の角柱状に形成され、この支持脚103の上端面107にはそれぞれ、雌ねじ孔である4つのボルト孔109、111、113、115が設けられていて、2つのボルト孔109、111は、支持脚103の上端面107の対角位置に設けられて一組のボルト孔を構成し、別の2つのボルト孔113、115は、支持脚103の上端面107を2つの長方形に二等分する二等分線(仮想線)L上端面107の両端側に設けられて別の一組のボルト孔を構成している。一組のボルト孔(109、111)の間隔は別の一組のボルト孔(113、115)の間隔と等しくなるように設定されている。
【0033】
天井プレート105の隅部にはそれぞれ、正方形区画(仮想線)Mの中心に中央ボルト孔117が、正方形区画Mの4つの角のそれぞれに選択ボルト孔119、121、123、125が上下方向に貫通して形成されていて、中央ボルト孔117と選択ボルト孔119、中央ボルト孔117と選択ボルト孔121、中央ボルト孔117と選択ボルト孔123、中央ボルト孔117と選択ボルト孔125はそれぞれ、第1の組のボルト孔、第2の組のボルト孔、第3の組のボルト孔、第4の組のボルト孔を構成している。第1の組のボルト孔(117、119)、第2の組のボルト孔(117、121)、第3の組のボルト孔(117、123)及び第4の組のボルト孔(117、125)の間隔は、一組のボルト孔(109、111)の間隔(別の一組のボルト孔(113、115)の間隔と等しい)と等しくなるように設定されている。
【0034】
支持脚103はそれぞれ、第1の組のボルト孔(117、119)に通された固定ボルト27を、支持脚103の上端面107の一組のボルト孔(109、111)にねじ込むことにより、天井プレート105の隅部に取り付けられている。ここでは、支持脚103は、上端面107の隅部が天井プレート105の隅部に対応する状態(上端面107の一辺縁が天井プレート105の一辺縁23と平行に位置し、上端面107の他辺縁が天井プレート105の他辺縁25と平行に位置している状態)で最も外側に位置している(第1の取り付け位置)。
【0035】
図14は天井プレート105の分解斜視図である。
【0036】
コタツ櫓の天井プレート105は、補強駒127が補強駒49よりも大きな正方形状に形成されていること、および、中央ボルト孔117、選択ボルト孔119、121、123、125がすべて、この補強駒127を貫通する位置に形成されていることを除き、天井プレート5と同一の構成を有している。なお、それぞれのボルト孔117、119、121,123及び125の上面プレート部43部分は、固定ボルト27の頭部を収容するように大径に形成されている。
【0037】
図15は支持脚103を天井プレート105の他の取り付け位置に取り付ける場合を説明する図である。
【0038】
支持脚103を、天井プレート105の第1の組のボルト孔(117、119)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115、図13参照)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第2の取り付け位置に固定することができる(図15a)。支持脚103を、天井プレート105の第2の組のボルト孔(117、121)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の一組のボルト孔(109,111、図13参照)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から一辺縁23に沿って内側にずらした(より正確には一辺縁23に沿って内側にずらし、90°回転させた)第3の取り付け位置に固定することができる(図15b)。支持脚103を、天井プレート105の第2の組のボルト孔(117、121)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第3の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第4の取り付け位置に固定することができる(図15c)。支持脚103を、天井プレート105の第3の組のボルト孔(117、123)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の一組のボルト孔(109、111)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から、天井プレート105の隅角の二等分線K(図4参照)に沿って内側にずらした第5の取り付け位置に固定することができる(図15d)。支持脚103を、天井プレート105の第3の組のボルト孔(117、123)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第5の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第6の取り付け位置に固定することができる(図15e)。支持脚103を、天井プレート105の第4の組のボルト孔(117、125)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の一組のボルト孔117(109、111)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第1の取り付け位置から他辺縁25に沿って内側にずらした(より正確には他辺縁25に沿って内側にずらし、90°回転させた)第7の取り付け位置に固定することができる(図15f)。支持脚103を、天井プレート105の第4の組のボルト孔(117、125)に固定ボルト27を通し、この固定ボルト27を支持脚103の別の一組のボルト孔(113、115)にねじ込むことにより取り付ければ、支持脚103を、第7の取り付け位置から、上端面107の中心を回転中心として45°回転させた第8の取り付け位置に固定することができる(図15g)。
【0039】
なお、すべての支持脚103を同じ取り付け位置で天板プレート105に取り付ける必要はない。すなわち、ある支持脚103を第1の取り付け位置に取り付け、別の支持脚103を第2の取り付け位置に取り付けるといったことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の家具調コタツは、暖房器具として使用してもテーブルとして使用しても優れた特徴を有するものである。
【符号の説明】
【0041】
1、101 家具調コタツ
3、103 支持脚
5、105 天井プレート(天井部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央下面にヒーターが設けられた長方形状又は正方形状の天井部及びこの天井部の4隅部に取り付けられた支持脚を有するコタツ櫓を備えた家具調コタツであって、
前記支持脚それぞれの取り付け位置を変更できるように構成されている、ことを特徴とする家具調コタツ。
【請求項2】
前記支持脚は、幅が広いプレート状に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項3】
前記支持脚はそれぞれ、前記天井部の隅部で、前記天井部の一辺縁に沿うような第1の取り付け位置、前記天井部の、前記一辺縁と直交する他辺縁に沿うような第2の取り付け位置及び前記天井部の隅角を2等分又はほぼ2等分する方向に沿うような第3の取り付け位置のうちの任意の1つの取り付け位置に取り付けることができ、かつ、取り付け位置を前記第1の取り付け位置、前記第2の取り付け位置及び前記第3の取り付け位置のうちの他の取り付け位置に変更できる、ことを特徴とする請求項2記載の家具調コタツ。
【請求項4】
前記支持脚は、前記第1の取り付け位置、前記第2の取り付け位置及び前記第3の取り付け位置のいずれの取り付け位置に取り付けられても、前記天井部から側方に突出しないように形成されている、ことを特徴とする請求項3記載の家具調コタツ。
【請求項5】
前記天井部の前記4隅部にはそれぞれ、複数個のボルト孔が形成され、前記支持脚の上端面にはねじ孔が設けられていて、前記支持脚の前記天井部への取り付けは、前記天井部の前記ボルト孔にボルトを通し、このボルトを前記支持脚のねじ孔にねじ込むことにより行われ、前記支持脚の取り付け位置の変更は、前記ボルトを通す前記ボルト孔を変更することにより行われる、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項6】
前記天井部の前記4隅部にはそれぞれ、複数組のボルト孔が形成され、前記支持脚の上端面には、それぞれの組のボルト孔に対応した一組のねじ孔が設けられていて、前記支持脚の前記天井部への取り付けは、前記天井部の一組の前記ボルト孔にボルトを通し、このボルトを前記支持脚の一組の前記ねじ孔にねじ込むことにより行われ、前記支持脚の取り付け位置の変更は、前記ボルトを通す前記ボルト孔の組を変更することにより行われる、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項7】
前記支持脚の上端面には、それぞれの組のボルト孔に対応した別の組のねじ孔が設けられ、前記支持脚の前記天井部への取り付けは、前記天井部の一組の前記ボルト孔にボルトを通し、このボルトを前記支持脚のいずれかの組の前記ねじ孔にねじ込むことにより行われ、前記支持脚の取り付け位置の変更は、前記ボルトを通す前記ボルト孔の組を変更することにより及び/又は前記ボルトをねじ込む前記ねじ孔の組を変更することにより行われる、ことを特徴とする請求項6記載の家具調コタツ。
【請求項1】
中央下面にヒーターが設けられた長方形状又は正方形状の天井部及びこの天井部の4隅部に取り付けられた支持脚を有するコタツ櫓を備えた家具調コタツであって、
前記支持脚それぞれの取り付け位置を変更できるように構成されている、ことを特徴とする家具調コタツ。
【請求項2】
前記支持脚は、幅が広いプレート状に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項3】
前記支持脚はそれぞれ、前記天井部の隅部で、前記天井部の一辺縁に沿うような第1の取り付け位置、前記天井部の、前記一辺縁と直交する他辺縁に沿うような第2の取り付け位置及び前記天井部の隅角を2等分又はほぼ2等分する方向に沿うような第3の取り付け位置のうちの任意の1つの取り付け位置に取り付けることができ、かつ、取り付け位置を前記第1の取り付け位置、前記第2の取り付け位置及び前記第3の取り付け位置のうちの他の取り付け位置に変更できる、ことを特徴とする請求項2記載の家具調コタツ。
【請求項4】
前記支持脚は、前記第1の取り付け位置、前記第2の取り付け位置及び前記第3の取り付け位置のいずれの取り付け位置に取り付けられても、前記天井部から側方に突出しないように形成されている、ことを特徴とする請求項3記載の家具調コタツ。
【請求項5】
前記天井部の前記4隅部にはそれぞれ、複数個のボルト孔が形成され、前記支持脚の上端面にはねじ孔が設けられていて、前記支持脚の前記天井部への取り付けは、前記天井部の前記ボルト孔にボルトを通し、このボルトを前記支持脚のねじ孔にねじ込むことにより行われ、前記支持脚の取り付け位置の変更は、前記ボルトを通す前記ボルト孔を変更することにより行われる、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項6】
前記天井部の前記4隅部にはそれぞれ、複数組のボルト孔が形成され、前記支持脚の上端面には、それぞれの組のボルト孔に対応した一組のねじ孔が設けられていて、前記支持脚の前記天井部への取り付けは、前記天井部の一組の前記ボルト孔にボルトを通し、このボルトを前記支持脚の一組の前記ねじ孔にねじ込むことにより行われ、前記支持脚の取り付け位置の変更は、前記ボルトを通す前記ボルト孔の組を変更することにより行われる、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項7】
前記支持脚の上端面には、それぞれの組のボルト孔に対応した別の組のねじ孔が設けられ、前記支持脚の前記天井部への取り付けは、前記天井部の一組の前記ボルト孔にボルトを通し、このボルトを前記支持脚のいずれかの組の前記ねじ孔にねじ込むことにより行われ、前記支持脚の取り付け位置の変更は、前記ボルトを通す前記ボルト孔の組を変更することにより及び/又は前記ボルトをねじ込む前記ねじ孔の組を変更することにより行われる、ことを特徴とする請求項6記載の家具調コタツ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−242055(P2012−242055A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115244(P2011−115244)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(300078338)静和YBJ株式会社 (6)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(300078338)静和YBJ株式会社 (6)
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