説明

容器着脱保持具

【課題】手指から滑り易く、そのため、こわれ易いガラス製、陶磁器製等の容器に迅速に装着でき、容器の洗滌等の際には容易に取りはずしでき、軽量小型に形成され、安価に製作できる容器着脱保持具を提供する。
【解決手段】表面に吸着面を形成した吸着シート10、10B、又は10Cの裏面の一部又は全部に手指の滑り止めストッパー状の突起20、又は、手指の滑り止めフック状突起20B、又は、手指が握れるフック状突起20Cを設けたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス製、陶磁器製等の滑り易い容器を手指から滑らないように保持できるようにすると共に、洗滌等の際には容器から取りはずしできるようにした容器着脱保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手指から滑り易いガラス製、陶磁器製等の容器に手指の握れる把手を固着したものはあったが、高価であり、また、保管整理上、把手がスペースを多くとることから、多量に使用される容器では把手は形成されていない場合が多い。しかし、容器に把手が形成されていない場合は、手指から滑り易く、特に、身障者や老人は取扱いにくい場合が多い。このため、特開2006−218258号公報に示すような吸盤を用いた自在把手や、特開2006−265537号公報に示す再剥離用粘着シートを用いた把手などが考えられたが、前者は製作が高価につき、後者は頻繁に粘着剥離を繰返すと粘着性が弱くなる欠点があった。
そこで、本発明では、頻繁に吸着剥離を繰り返しても吸着性が弱くならない吸着シートにストッパー状の手指の滑り止め突起を固着し、また、吸着シートにフック状の手指の滑り止め突起を固着し、さらに面積の比較的大きい吸着シートに手指が握れるフック状突起を固着して、上記問題点を解決することに成功した。
【特許文献1】特開2006−218258号公報
【特許文献2】特開2006−265537号公報
【特許文献3】特開2006−176693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、手指から滑り易く、そのため、こわれ易いガラス製、陶磁器製等の容器に迅速に装着でき、容器の洗滌等の際には容易に取りはずしできる容器着脱保持具を提供するものである。
また、本発明は、軽量小型に形成され、安価に製作できる容器着脱保持具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明容器着脱保持具は、上記課題を達成するため、図示するように、表面に吸着面を形成した吸着シート10の裏面の一部又は全部に手指の滑り止めストッパー状突起20を設けたものである。
また、本発明容器着脱保持具は、上記課題を達成するため、図示するように、表面に吸着面を形成した吸着シート10Bの裏面の一部又は全部に手指の滑り止めフック状突起20Bを設けたものである。
さらに、本発明容器着脱保持具は、上記課題を達成するため、図示するように、表面に吸着面を形成した吸着シート10Cの裏面の一部又は全部に手指が握れるフック状突起20Cを設けたものである。
本発明において、容器には、物品、液体等の保存等に使用する手指から滑り易いガラス製、陶磁器製等の一部又は全部が平滑平面又は平滑曲面を形成した容器のほか、花瓶、置物等も含まれる。
吸着シートは、粘着剤を使用せず、ガラス、金属、プラスチック等の一部又は全部が平滑な平面又は曲面を設けている容器との間に介在する空気を除去して真空吸着し、また、容器との間に空気を入れて剥がすことができるフィルムシート状の微細吸盤組織からなるもので、特開2006−176693号公報その他で公知のものである。
手指の滑り止めストッパー状突起は、容器を手指で握ったとき手指から滑り落ちないように滑り止めストッパー的作用をする突起状のもので、厚手のフエルト状物、硬質発泡体成型物、ゴム成型物、その他の軽量材料からなる。
手指の滑り止めフック状突起は、指先の一部が係合できるようしたフック状の突起で、突起材質は、フエルト体、中空状合成樹脂体、硬質発泡体、ゴム成型物等の軽量材料からなる。
手指が握れるフック状突起は、中空状合成樹脂体、硬質発泡体、ゴム成型物等の軽量材料からなる。
【発明の効果】
【0005】
本発明容器着脱保持具は、容器の平滑な表面に迅速に吸着し、また、容易に剥離でき、小型軽量で済み、特に、身障者や老人等に利便をはかることができる。
また、本発明品は吸着面の経年変化が少なく長期間の使用に耐えることができる。
さらに、本発明品は、製作容易で安価につく利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明容器着脱保持具は、吸着シートとその裏面に固着した手指滑り止めのストッパー状突起を備えている。
また、本発明容器着脱保持具は、吸着シートとその裏面に固着した手指滑り止めのフック状突起を備えている。
さらに、本発明容器着脱保持具は、吸着シートとその裏面に固着した手指が握れるフック状突起を備えている。
【実施例1】
【0007】
本発明容器着脱保持具の実施例1が図1乃至図3に示されている。本発明実施例1の容器着脱保持具は、吸着シート10と手指滑り止めストッパー状突起20とを備えている。
吸着シート10は、剥離シート11、微細組織状吸盤シート12、基材シート13からなり、剥離シート11は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の剥離性の高いフィルムシート、吸盤シート12は、アクリル系樹脂等を使用した多数の微細な多孔組織構造の吸盤を形成した公知のフィルムシート、基材シート13は、ポリエステル等の非塩素系フィルムシートからなっている。
ストッパー状突起20は、厚板短片状のフエルト製のもので、突起20は、平滑曲面を配慮して長手方向は短く成形されて吸着シート10の基材シート13に固着される。
従って、図3に示すように、吸着シート10の剥離シート11を剥いで吸盤面12を容器30の平滑面に吸着させれば、手指で容器30を握った場合ストッパー状突起20により手指の滑り止めができる。
【実施例2】
【0008】
本発明容器着脱保持具の実施例2が図4乃至図6に示されている。本発明実施例2の容器着脱保持具は、吸着シート10Bと手指滑り止めフック状突起20Bとを備えている。
吸着シート10Bは、図4及び図5に示すように、実施例1の吸着シート10と同じ構成であるので、詳細説明は省略する。
フック状突起20Bは、軽量の硬質発泡体成形品等のフック状突起21Bと基盤22Bにより形成され、基盤22Bは吸着シート10Bの基材シート13Bに固着される。
従って、図6に示すように、吸着シート10Bの剥離シート11Bを剥いで吸盤面12Bを容器30Bの平滑面に吸着させれば、指先をフック状突起21Bに係合して使用でき手指の滑り止めができる。
【実施例3】
【0009】
本発明容器着脱保持具の実施例3が図7乃至図9に示されている。本発明実施例3の容器着脱保持具は、吸着シート10Cと手指が握れるフック状突起20Cとを備えている。
吸着シート10Cは、図7及び図9に示すように、実施例1の吸着シート10と同じ構成であるが、面積は大きく、容器の胴回りの1/2以上の長さ、容器の高さの1/4〜1/2以上の巾が望ましい。
フック状突起20Cは、軽量の硬質発泡体成型品、ゴム成型物等のフック状突起21Cと基盤22Cにより形成され、基盤22Cは吸着シート10Cの基材シート13Cに固着される。
従って、図9に示すように、吸着シート10Cの剥離シート11Cを剥いで吸盤面12Cを容器30Cの平滑面に吸着させれば、フック状突起21Cを手指で握って使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明の容器着脱保持具は、構造簡単、小型軽量で安価に量産できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明実施例1を示す別の斜視図である。
【図3】本発明実施例1の使用状態説明図である。
【図4】本発明実施例2を示す斜視図である。
【図5】本発明実施例2を示す別の斜視図である。
【図6】本発明実施例2の使用状態説明図である。
【図7】本発明実施例3を示す斜視図である。
【図8】本発明実施例3を示す別の斜視図である。
【図9】本発明実施例3の使用状態説明図である。
【符号の説明】
【0012】
10、10B、10C 吸着シート
11、11B、11C 剥離シート
12、12B、12C 吸盤シート
13、13B、13C 基材シート
20 手指滑り止めストッパー状突起
20B 手指滑り止めフック状突起
20C 手指が握れるフック状突起
30、30B、30C 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に吸着面を形成した吸着シート10の裏面の一部又は全部に手指の滑り止めストッパー状突起20を設けた容器着脱保持具。
【請求項2】
表面に吸着面を形成した吸着シート10Bの裏面の一部又は全部に手指の滑り止めフック状突起20Bを設けた容器着脱保持具。
【請求項3】
表面に吸着面を形成した吸着シート10Cの裏面の一部又は全部に手指が握れるフック状突起20Cを設けた容器着脱保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−113947(P2008−113947A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301595(P2006−301595)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000104515)キソ化成産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】