説明

密封装置

【課題】低トルク化を図った密封装置を提供する。
【解決手段】高圧側(H)の流体圧力が高くなるにつれて第1シールリング10自体が拡径することで、リップ部12の先端12aが軸孔310の内周面に接触するように構成された樹脂製の第1シールリング10と、環状溝210内において第1シールリング10よりも高圧側(H)に装着されて、流体圧力によって、胴体部11を押圧し、かつ環状溝210の溝底面に対して密着するように構成された弾性体製の第2シールリング20と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸とハウジングの軸孔との間の環状隙間を封止する密封装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止するシールリングが知られている。図6を参照して、従来例に係るシールリングについて説明する。図6は従来例に係るシールリングの模式的断面図である。なお、図6においてはシールリングの使用時の状態を示しており、同図(A)は差圧がない状態、同図(B)は差圧が高い状態をそれぞれ示している。
【0003】
図示のシールリング500は、軸200の外周に設けられた環状溝210に装着される。そして、シールリング500が、ハウジング300の軸孔310の内周面と環状溝210の側面のそれぞれに接触することで、軸200とハウジング300の軸孔310との間の環状隙間を封止する。なお、図示のシールリング500の場合、軸孔310の内周面への接触面積の方が、環状溝210の側面への接触面積よりも広くするように設計されている。これにより、軸200とハウジング300が相対的に回転する際、シールリング500と環状溝210との間で摺動し、シールリング500と軸孔310との間では摺動しない。
【0004】
なお、高圧となる側(H)と低圧となる側(L)との間の差圧がない場合(あるいは極めて低い場合)には、シールリング500と軸孔310の内周面との間や、シールリング500と環状溝210の側面との間には隙間が生じ得る(図6(A)参照)。そして、高圧となる側(H)と低圧となる側(L)との間の差圧が高くなると、シールリング500は、拡径すると共に、低圧となる側(L)に押圧され、軸孔310の内周面と環状溝210の側面に対してそれぞれ接触した状態となる(図6(B)参照)。
【0005】
ここで、軸200とハウジング300が相対的に回転する際には、上記の通り、シールリング500と環状溝210との間で摺動するため、回転トルクが発生する。この回転トルクは、受圧面積(摺動部分の面積)が広いほど、また、差圧が大きいほど大きくなる。回転トルクが大きければ大きいほど機械的損失が大きくなるため、より低減させることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−121603号公報
【特許文献2】特開2007−198478号公報
【特許文献3】特開2011−144847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、低トルク化を図った密封装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0009】
本発明の密封装置は、
軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記環状溝内に装着される樹脂製の第1シールリングであって、前記環状溝における低圧となる側の側面に対して密着可能に設けられる胴体部、及び該胴体部の外周において高圧となる側に向かって傾くように伸びるリップ部を有すると共に、高圧となる側の流体圧力が高くなるにつれて第1シールリング自体が拡径することで、前記リップ部の先端が前記ハウジングに設けられた軸孔の内周面に接触するように構成された第1シールリングと、
前記環状溝内において第1シールリングよりも高圧となる側に装着されて、前記流体圧力によって、前記胴体部を押圧し、かつ前記環状溝の溝底面に対して密着するように構成された弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、高圧となる側の流体圧力が高くなると、第1シールリングにおけるリップ部の先端が、ハウジングに設けられた軸孔の内周面に接触する。また、第2シールリングは第1シールリングの胴体部を押圧し、かつ環状溝の溝底面に密着した状態となる。このように、第1シールリングにおけるリップ部の先端と軸孔の内周面との接触部分、第1シールリングの胴体部と第2シールリングとの接触部分、及び第2シールリングと環状溝の溝底面との接触部分にてシール部が発生する。そして、第2シールリングによって第1シールリングの胴体部を低圧となる側に向かって押圧させることによって、軸とハウジングが相対的に回転する際には、第1シールリングにおけるリップ部の先端と軸孔の内周面との接触部分でのみ摺動させることが可能となる。また、第2シールリングが第1シールリングの胴体部を押圧し、かつ環状溝の溝底面に密着した状態となることによって、胴体部の内周面側に密封対象流体が入り込むことを抑制でき、第1シールリングに対して拡径方向に作用する力の増加を抑制することができる。従って、流体圧力が高まっても、第1シールリングにおけるリップ部の先端と軸孔の内周面との摺動抵抗の増加を抑制することができる。
【0011】
前記胴体部と前記リップ部とを繋ぐ付近は他の部位に比して厚みが厚くなっているとよい。
【0012】
これにより、流体圧力の増加に伴って、リップ部が拡径方向に変形してしまうことを抑制できる。従って、流体圧力が高まっても、第1シールリングにおけるリップ部の先端と軸孔の内周面との摺動抵抗の増加をより一層抑制することができる。
【0013】
第1シールリングにおける高圧となる側の側面には、前記胴体部と前記リップ部に跨るリブが複数設けられていることも好適である。
【0014】
これにより、流体圧力の増加に伴って、リップ部が拡径方向に変形してしまうことを抑制できる。従って、流体圧力が高まっても、第1シールリングにおけるリップ部の先端と軸孔の内周面との摺動抵抗の増加をより一層抑制することができる。
【0015】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、低トルク化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。
【図2】図2は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。
【図3】図3は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。
【図4】図4は本発明の実施例2に係る密封装置の模式的断面図である。
【図5】図5は本発明の実施例3に係る密封装置の模式的断面図である。
【図6】図6は従来例に係るシールリングの模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
(実施例1)
図1〜図3を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置について説明する。なお、本実施例に係る密封装置は、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止することが必要な機構を有する各種装置に用いられる。例えば、自動車用のATやCVTなどの変速機において、油圧を保持させるために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する用途に好適に用いることができる。なお、この場合、密封対象流体は油である。
【0020】
<密封装置の構成>
本実施例に係る密封装置100の構成について説明する。なお、図1〜図3はいずれも本実施例に係る密封装置100の模式的断面図であり、使用時の状態を示している。なお、図1は高圧となる側(以下、高圧側(H)と称する)と低圧となる側(以下、低圧側(L)と称する)との差圧がない場合(あるいは極めて低い場合)を示し、図2は高圧側(H)の流体圧力が高まり始めて、上記差圧が発生し始めた状態を示し、図3は上記差圧が高くなった状態を示している。
【0021】
本実施例に係る密封装置100は、軸200の外周に設けられた環状溝210に装着され、相対的に回転する軸200とハウジング300との間の環状隙間を封止する。そして、この密封装置100は、環状溝210内に装着される樹脂製の第1シールリング10と、環状溝210内において第1シールリング10よりも高圧側(H)に装着される弾性体製の第2シールリング20とから構成される。なお、第1シールリング10の素材としては、例えば、PTFE(四フッ化エチレン)やナイロン等を、仕様用途に応じて適宜選択することができる。また、第2シールリング20の素材としては、例えば、ニトリルゴムやEPDM、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムを、仕様用途に応じて適宜選択することができる。
【0022】
第1シールリング10は、環状溝210における低圧側(L)の側面に対して密着可能に設けられる胴体部11と、胴体部11の外周において高圧側(H)に向かって傾くように伸びるリップ部12とを有している。また、第1シールリング10は、周方向の1か所に不図示のカット部(合口)を有しており、容易に拡径可能に構成されている。なお、カット部の具体例としてはバイアスカットを挙げることができる。
【0023】
そして、この第1シールリング10は、高圧側(H)と低圧側(L)の差圧が発生していない状態(あるいは極めて低い状態)ではハウジング300に設けられた軸孔310の内周面とリップ部12の先端12aとの間には隙間が形成されるように構成されている。また、この第1シールリング10は、高圧側(H)の流体圧力が高くなるにつれて第1シールリング10自体が拡径することで、リップ部12の先端12aが軸孔310の内周面に接触するように構成されている。
【0024】
第2シールリング20は、いわゆるOリングである。この第2シールリング20は、環状溝210内に装着されることで、環状溝210の溝底面に密着するように構成されている。また、この第2シールリング20は、高圧側(H)の流体圧力が高まることによって、第1シールリング10における胴体部11を押圧するように構成されている。
【0025】
また、第1シールリング10における胴体部11の幅(軸方向の距離)と第2シールリング20の最大幅(軸方向の最大距離(直径に相当))の和は、環状溝210の溝幅よりも小さくなるように設定されている。従って、高圧側(H)と低圧側(L)の差圧が発生していない状態(あるいは極めて低い状態)では、第1シールリング10における胴体部11と第2シールリング20との間には隙間が形成され得る(図1参照)。
【0026】
<密封装置の使用時のメカニズム>
高圧側(H)と低圧側(L)の差圧が発生していない状態(あるいは極めて低い状態)では、上記の通り、ハウジング300に設けられた軸孔310の内周面と第1シールリング10におけるリップ部12の先端12aとの間には隙間が形成されている。また、第1シールリング10における胴体部11と第2シールリング20との間には隙間が形成され得る状態にある(図1参照)。
【0027】
そして、高圧側(H)の流体圧力が高まり始めると、第1シールリング10の胴体部11の内周面と、リップ部12の内周側の傾斜面に対する流体圧力が高まっていく(図2中、矢印参照)。これにより、第1シールリング10自体が拡径し、リップ部12の先端12aが軸孔310の内周面に接触する(図2参照)。
【0028】
そして、高圧側(H)と低圧側(L)の差圧が高くなった状態では、第2シールリング20が、第1シールリング10の胴体部11を押圧し、かつ環状溝210の溝底面に対してより密着した状態となる。これにより、第1シールリング10におけるリップ部12の先端12aと軸孔310の内周面との接触部分、第1シールリング10の胴体部11と第2シールリング20との接触部分、及び第2シールリング20と環状溝210の溝底面との接触部分にてシール部が発生する。以下、それぞれシール部S1,S2,S3と称する(図3参照)。
【0029】
また、第1シールリング10の胴体部11は、第2シールリング20により低圧側(L)に向かって押圧されて、環状溝210における低圧側(L)の側面に押し付けられるため、第1シールリング10は環状溝210に固定された状態となる。従って、軸200とハウジング300が相対的に回転する際には、シール部S1でのみ摺動させることが可能となる。
【0030】
更に、シール部S2とシール部S3が形成されることによって、第1シールリング10における胴体部11の内周面側に密封対象流体が入り込むことを抑制できる。そのため、これらのシール部S2,S3が形成された後は、高圧側(H)の流体圧力が高まっても、胴体部11の内周面側に作用する流体圧力は殆ど変化しない。
【0031】
<本実施例に係る密封装置の優れた点>
以上説明したように、本実施例に係る密封装置100によれば、軸200とハウジング300が相対的に回転する際には、第1シールリング10におけるリップ部12の先端12aと軸孔310の内周面との接触部分(シール部S1)でのみ摺動させることが可能となる。これにより、リップ部12の先端12aはエッジ状であるので、線接触状態での摺動が可能となる。
【0032】
また、シール部S2,S3によって、高圧側(H)の流体圧力が高まっても、胴体部1
1の内周面側に作用する流体圧力の増加を抑制することができる。これにより、第1シールリング10に対して拡径方向に作用する力の増加を抑制することができ、リップ部12の先端12aの軸孔310の内周面に対する面圧の増加を抑制できる。
【0033】
以上のように、摺動部分を線接触状態として、摺動部の面積を可及的に狭くすることと、流体圧力が高まっても、リップ部12の先端12aの軸孔310の内周面に対する面圧の増加を抑制できることとが相俟って、摺動抵抗の増加を効果的に抑制することができる。これにより、回転トルクの増加を抑制し、機械的損失を低減することが可能となる。
【0034】
(実施例2)
図4には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、第1シールリングにおける胴体部とリップ部とを繋ぐ付近を他の部位に比して厚みを厚くした場合の構成を示している。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。なお、図4は本実施例に係る密封装置100の模式的断面図であり、使用時の状態(高圧側(H)と低圧側(L)との差圧がない場合(あるいは極めて低い場合))を示している。また、(A)〜(C)は各種の実施例を示している。
【0035】
本実施例に係る密封装置100においても、実施例1の場合と同様に、環状溝210内に装着される樹脂製の第1シールリング10a,10b,10cと、環状溝210内において第1シールリング10a,10b,10cよりも高圧側(H)に装着される弾性体製の第2シールリング20とから構成される。第2のシールリング20については、上記実施例1の場合と同一である。
【0036】
本実施例においては、第1シールリング10a,10b,10cを構成する胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近が他の部位に比して厚みが厚くなっている点のみが上記実施例1と異なっている。
【0037】
図4(A)に示す第1シールリング10aの場合、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近において、内周面側の曲率半径の方が外周面側の曲率半径よりも大きくすることによって、当該付近の厚みを厚くしている。
【0038】
図4(B)に示す第1シールリング10bの場合、リップ部12における内周面側の傾斜面のテーパ角度を、外周面側の傾斜面のテーパ角度よりも大きくすることによって、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近の厚みを厚くしている。
【0039】
図4(C)に示す第1シールリング10cの場合、リップ部12を胴体部11の先端付近から屈折させた形状とするのではなく、リップ部12を胴体部11の側面側から突出させるような形状とすることによって、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近の厚みを厚くしている。
【0040】
以上のように、本実施例においては、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近が他の部位に比して厚みが厚くなる構成を採用しているので、その付近の剛性が高くなっている。これにより、高圧側(H)の流体圧力が増加しても、リップ部12が拡径方向に変形してしまうことを抑制できる。従って、流体圧力が高まっても、第1シールリング10a,10b,10cにおけるリップ部12の先端と軸孔310の内周面との摺動抵抗の増加を、上記実施例1の場合に比べて、より一層抑制することができる。なお、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ部位の幅W(図4(A)参照)が他の部位と同等の幅に設定した場合と、当該幅をその1.4倍に設定した場合とでトルクを比べると、前者に比して後者の方を70%程度に低減できることが確認できた。
【0041】
(実施例3)
図5には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、第1シールリングにおける高圧となる側の側面には、胴体部とリップ部に跨るリブが複数設けられている場合の構成を示している。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。なお、図5(A)は本実施例に係る密封装置100の模式的断面図であり、使用時の状態(高圧側(H)と低圧側(L)との差圧がない場合(あるいは極めて低い場合))を示している。また、図5(B)は本実施例に係る密封装置100の一部破断斜視図である。
【0042】
本実施例に係る密封装置100においても、実施例1の場合と同様に、環状溝210内に装着される樹脂製の第1シールリング10dと、環状溝210内において第1シールリング10dよりも高圧側(H)に装着される弾性体製の第2シールリング20とから構成される。第2のシールリング20については、上記実施例1の場合と同一である。
【0043】
本実施例においては、第1シールリング10dにおける高圧側(H)の側面に、胴体部11とリップ部12に跨るリブ13が複数設けられている点のみが上記実施例1と異なっている。
【0044】
以上のように、本実施例においては、胴体部11とリップ部12に跨るリブ13が複数設けられている構成を採用しているので、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近の剛性が高くなっている。これにより、高圧側(H)の流体圧力が増加しても、リップ部12が拡径方向に変形してしまうことを抑制できる。従って、流体圧力が高まっても、第1シールリング10dにおけるリップ部12の先端と軸孔310の内周面との摺動抵抗の増加を、上記実施例1の場合に比べて、より一層抑制することができる。なお、上記実施例2で説明したように、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近が他の部位に比して厚みが厚くなる構成を採用した上で、本実施例で説明したように複数のリブ13を設ける構成を採用してもよい。そうすることで、胴体部11とリップ部12とを繋ぐ付近の剛性をより一層高めることが可能となる。
【0045】
(その他)
上記各実施例においては、第2シールリング20がOリングの場合を示したが、第2シールリング20はOリングに限定されるものではない。すなわち、第2シールリング20は、第1シールリング10の胴体部11を押圧し、かつ環状溝210の溝底面に対して密着する機能を有する各種シールリングを採用できる。例えば、Dリングや角リングなども採用し得る。
【符号の説明】
【0046】
10,10a,10b,10c 第1シールリング
11 胴体部
12 リップ部
12a (リップ部の)先端
13 リブ
20 第2シールリング
100 密封装置
200 軸
210 環状溝
300 ハウジング
310 軸孔
S1,S2,S3 シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記環状溝内に装着される樹脂製の第1シールリングであって、前記環状溝における低圧となる側の側面に対して密着可能に設けられる胴体部、及び該胴体部の外周において高圧となる側に向かって傾くように伸びるリップ部を有すると共に、高圧となる側の流体圧力が高くなるにつれて第1シールリング自体が拡径することで、前記リップ部の先端が前記ハウジングに設けられた軸孔の内周面に接触するように構成された第1シールリングと、
前記環状溝内において第1シールリングよりも高圧となる側に装着されて、前記流体圧力によって、前記胴体部を押圧し、かつ前記環状溝の溝底面に対して密着するように構成された弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする密封装置。
【請求項2】
前記胴体部と前記リップ部とを繋ぐ付近は他の部位に比して厚みが厚くなっていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
【請求項3】
第1シールリングにおける高圧となる側の側面には、前記胴体部と前記リップ部に跨るリブが複数設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−113326(P2013−113326A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257514(P2011−257514)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】