寸法調整可能な防虫網戸
【課題】建物開口部に合わせて縦及び横の寸法調整が可能であると共に該建物開口部に着脱自在に取り付けることができる寸法調整可能な防虫網戸を得る。
【解決手段】防虫網戸1は、防虫網2と、該防虫網2を張設する矩形の網戸枠3と、防虫網2が張設された該網戸枠3を建物開口部50に取り付けるための矩形の取付枠4とで形成され、前記網戸枠3は、左右の縦網戸枠材14及び上下の横網戸枠材15と4つの網戸枠コーナー材26A,26Bとを接着することにより形成され、前記取付枠4は、左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9と、4つの取付枠コーナー材10とを、伸縮自在に連結することにより形成され、該取付枠4と前記網戸枠3とは、面ファスナー又は永久磁石からなる取付部材5によって着脱自在である。
【解決手段】防虫網戸1は、防虫網2と、該防虫網2を張設する矩形の網戸枠3と、防虫網2が張設された該網戸枠3を建物開口部50に取り付けるための矩形の取付枠4とで形成され、前記網戸枠3は、左右の縦網戸枠材14及び上下の横網戸枠材15と4つの網戸枠コーナー材26A,26Bとを接着することにより形成され、前記取付枠4は、左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9と、4つの取付枠コーナー材10とを、伸縮自在に連結することにより形成され、該取付枠4と前記網戸枠3とは、面ファスナー又は永久磁石からなる取付部材5によって着脱自在である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓等の建物開口部に合わせて縦及び横の寸法調整が可能な防虫網戸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓等の建物開口部に取り付けて使用する防虫網戸は、一般に、アルミニウム等の金属製の網戸枠に防虫網を張設することにより形成され、螺子や金具等の適宜取付手段で建物開口部に取り付けられる。このような防虫網戸は、通常、建物開口部の寸法に合わせて規格化されており、規格に合った様々な寸法の網戸が販売されている。
【0003】
したがって、建物開口部の寸法が規格に合ったものである場合には、それに合った防虫網戸を購入して取り付けることができるが、建物開口部の寸法が規格に合っていない場合には、それに合った防虫網戸を購入することができず、規格外の防虫網戸を特別に注文しなければならないため、価格が高くなるという問題があった。
【0004】
使用者が建物開口部に合った防虫網戸を自分で組み立てて取り付けることも不可能ではないが、その場合には、その建物開口部に使用可能な枠材や防虫網等を個々に選択して購入し、それらを必要な寸法に切断したり加工したりして組み立てなければならず、非常に多くの労力と時間とを必要とする。しかも、防虫網を張設する網戸枠は、4本の枠材を必要な寸法に切断し、ビス止め等の方法で四角形状に固定することにより形成されるため、前記枠材の切断寸法を間違えると調整が利かず、完成した防虫網戸が建物開口部に取り付けられなかったり隙間が生じたりするという事態も考えられる。
また、完成した防虫網戸が建物開口部に取り付けられたとしても、汚れた防虫網を清掃する場合や、破損した防虫網を交換する場合などには、前記防虫網戸全体を建物開口部から取り外してそれらの作業を行わなければならないため、面倒である。
【0005】
特許文献1−特許文献3には、防虫ネットを網戸枠に面ファスナーで着脱自在に取り付けたものが開示されているが、これは、単に防虫ネットを網戸枠から簡単に取り外せるようにしているだけで、前記網戸枠は、4本の枠材を四角形に固定することによって形成されたものであり、前記問題点を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62−101998号公報
【特許文献2】特開2003−74270号公報
【特許文献3】特開2006−97242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、建物開口部に合わせて縦及び横の寸法調整が可能であると共に、該建物開口部に着脱自在に取り付けることができる、合理的設計構造を持った寸法調整可能な防虫網戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の防虫網戸は、防虫網と、該防虫網を張設する矩形の網戸枠と、防虫網が張設された該網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠とからなり、前記取付枠は、左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、該取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを連結する4つの取付枠コーナー材とで形成され、該取付枠コーナー材と前記縦取付枠材及び横取付枠材とを相互に伸縮自在とすることにより、該取付枠の縦、横の寸法が前記建物開口部の縦、横の寸法に合わせて調整可能であり、前記網戸枠は、左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、該網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材とで形成され、接着−分離自在の取付部材を介して前記取付枠に対して着脱自在であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明によれば、所要の形状及び寸法に切断可能な防虫網、前記防虫網を張設する矩形の網戸枠を形成するための部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材、防虫網が張設された前記網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠を形成する部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを伸縮自在に連結する4つの取付枠コーナー材、相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材からなり、該第1部材及び第2部材の一方と他方とを前記網戸枠の縦網戸枠材及び横網戸枠材と前記取付枠の縦取付枠材及び横取付枠材とにそれぞれ装着することにより、前記網戸枠を前記取付枠に対して着脱自在とする取付部材を有することを特徴とする防虫網戸用キットが提供される。
【0010】
本発明において、前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、長さ方向の少なくとも両端部が中空をなし、また、前記4つの取付枠コーナー材は、前記縦取付枠材及び横取付枠材の端部間に介在する主体部と、該主体部の側面から90度異なる方向に延出する2つの延出部とを有し、該2つの延出部の一方と他方が前記縦取付枠材及び横取付枠材の一方と他方の中空部内にそれぞれ摺動自在に嵌合していることが望ましい。
特に、前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の中空材により形成され、左右の縦取付枠材同士及び上下の横取付枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの取付枠コーナー材は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有することが望ましい。
【0011】
また、本発明において、前記網戸枠の左右の縦網戸枠材と上下の横網戸枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により形成され、左右の縦網戸枠材同士及び上下の横網戸枠材同士が互換性を有し、前記4つの網戸枠コーナー材は、防虫網の前面側に位置する第1コーナー部材と後面側に位置する第2コーナー部材とからなっていて、該第1コーナー部材と第2コーナー部材とで前記防虫網を両側から挟持していることが望ましい。
【0012】
本発明において好ましくは、前記取付部材が面ファスナー又は永久磁石で形成され、相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材を有し、該第1部材及び第2部材のうちの一方が前記網戸枠に装着され、他方が前記取付枠に装着されていることである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防虫網戸は、取付枠の左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材が4つの取付枠コーナー材に対して摺動自在となっているので、該取付枠の縦、横の寸法を建物開口部の縦、横の寸法に合わせて自在に調整することができ、その結果、規格に合った寸法の建物開口部はもちろんのこと、規格外の寸法の建物開口部であっても、該防虫網戸を確実に取り付けることができる。
また、防虫網を張設するための網戸枠と、該網戸枠を建物開口部に取り付けるための取付枠とを別に形成し、それらを取付部材で着脱自在としたことにより、防虫網の清掃時や交換時等に前記網戸枠だけを建物開口部から簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る防虫網戸を建物開口部の内部に取り付けた状態の室内側から見た正面図である。
【図2】本発明に係る防虫網戸を建物開口部の前面に取り付けた状態の室内側から見た正面図である。
【図3】図1及び図2の防虫網戸を前面斜め上方から見た斜視図である。
【図4】図1及び図2の防虫網戸を後面斜め上方から見た斜視図である。
【図5】図3の防虫網戸を網戸枠と取付枠とに分離して示す斜視図である。
【図6】取付枠の分解斜視図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿った拡大断面図で、網戸枠と取付枠とを分離させて示す図である。
【図8】網戸枠の後面(背面)図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿った拡大断面図である。
【図10】網戸枠の分解斜視図である。
【図11】図7と同様の拡大断面図で、取付枠の構成が異なる他の実施形態を示す図である。
【図12】図7と同様の拡大断面図で、異なる取付部材を使用した更に他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係る寸法調整可能な防虫網戸1を窓等の建物開口部50における開口部枠51の内側に嵌め込んで固定(内付け)した状態を室内側から見た場合の正面図であり、図2は、前記防虫網戸1を開口部枠51の前面に当接させて固定(前面付け)した状態を室内側から見た場合の正面図である。このように本発明の防虫網戸1は、開口部枠51の内部又は前面の何れにでも取り付けることができるものであり、その取り付けには、止め螺子や両面接着テープ等が用いられる。
【0016】
前記開口部枠51は、左右の縦枠材51aと上下の横枠材51bとを四角形に連結することにより形成されている。前記縦枠材51a及び横枠材51bは、木製又はアルミニウムなどの金属製であるが、前記防虫網戸1を螺子で取り付けるときは木製のものが適しており、両面接着テープで取り付けるときは木製であっても金属製であっても構わない。
【0017】
前記防虫網戸1は、図3−図5に示すように、蚊などの小さな虫が通り抜けできない程度に小さい網目を有する防虫網2と、該防虫網2を張設するための矩形の網戸枠3と、防虫網2が張設された該網戸枠3を建物開口部50に取り付けるための矩形の取付枠4とからなるもので、該取付枠4を前記開口部枠51に螺子や両面接着テープ等の固定手段で固定し、該取付枠4に前記網戸枠3を面ファスナー等からなる取付部材5で取り外し可能に取り付けるものである。
【0018】
前記取付枠4は、図5及び図6からも分かるように、左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9と、該取付枠4のコーナーにおいて前記縦取付枠材8と横取付枠材9とを連結する4つの取付枠コーナー材10とによって形成されている。
【0019】
前記縦取付枠材8及び横取付枠材9は、断面形状が長方形をなす合成樹脂製の硬質の中空材により形成され、該縦取付枠材8及び横取付枠材9の前記網戸枠3側を向く前面8a及び9aには、凹溝状をして溝底が平らな装着部11が全長にわたって形成され、該装着部11内に、前記取付部材5の第1部材5aが、接着剤や両面接着テープ等により接着されて固定されている。
【0020】
前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の断面形状は全長にわたって均一であり、中空孔8b、9bの形も長方形である。従って、前記左右の縦取付枠材8同士及び上下の横取付枠材9同士は相互に互換性を有し、取付枠4の組立時に互いに取り換えて使用することができる。前記縦取付枠材8と横取付枠材9とが全て同一長さである場合には、全ての縦取付枠材8及び横取付枠材9が相互に互換性を有することになる。
【0021】
前記取付部材5は、面ファスナーで形成されていて、図7から明らかなように、先端が鈎形に折れ曲がった多数の鈎形突子12を有するテープ状の前記第1部材5aと、前記鈎形突子12が係脱する多数の輪奈13が形成されたテープ状の第2部材5bとを有し、該第1部材5aと第2部材5bとが相互に接着−分離自在であり、前記第1部材5aが前記縦取付枠材8及び横取付枠材9に接着されている。
これに対して前記第2部材5bは、前記網戸枠3における左右の縦網戸枠材14と上下の横網戸枠材15との後面14a,15aに接着、固定されているが、その詳細については後述する。
【0022】
前記取付枠コーナー材10は、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の端部間に介在する正方形断面の角柱状をした主体部18と、該主体部18の隣り合う側面から90度異なる方向に延出するH字形断面の2つの延出部19とを有し、該2つの延出部19の一方が前記縦取付枠材8の中空部8b内に摺動自在に嵌合し、他方が前記横取付枠材9の中空部9b内に摺動自在に嵌合している。これによって前記左右の縦取付枠材8と上下の横取付枠材9とが、前記4つの取付枠コーナー材10に対して各縦材8及び各横材9の長さ方向に伸縮自在に連結され、取付枠4の縦、横の寸法が建物開口部50枠の縦、横の寸法に合わせて調整できるようになっている。
【0023】
前記主体部18の軸方向長さ(取付枠4の前後方向の長さ)は、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の前面−後面方向の長さとほぼ同じであり、該主体部18の中心には、止め螺子を挿通するための螺子挿通孔20が該主体部18を軸方向に貫通するように設けられ、前記2つの延出部19の長さは互いに同じに形成されている。そして、前記4つの取付枠コーナー材10は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有し、どのコーナーにも使用することができるようになっている。
【0024】
前記取付枠4を、図1のように建物開口部50の木製の開口部枠51の内部に嵌め込んで止め螺子で固定するときは、図6に示すように、該取付枠4の左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9の適宜位置に錐等の工具を使用して予め螺子挿通孔21を開け、該螺子挿通孔21に挿通した止め螺子22を開口部枠51の左右の縦枠材51a及び上下の横枠材51bの内側面にねじ込んで前記縦取付枠材8及び横取付枠材9を固定する。
【0025】
また、前記取付枠4を、図2のように開口部枠51の前面に固定するときは、左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9の後面8c,9c(図4参照)にそれぞれ両面接着テープを取り付け、該両面接着テープで前記縦取付枠材8及び横取付枠材9を開口部枠51の縦枠材51a及び横枠材51bの前面に接着すると共に、該取付枠4の四隅の前記螺子挿通孔20内に止め螺子(不図示)を挿通し、該止め螺子で前記取付枠4を前記開口部枠51に固定する。
しかし、図2の場合には、前記取付枠4を前記開口部枠51に両面接着テープだけで固定するか、あるいは前記止め螺子だけで固定することもできる。特に前記開口部枠51が金属製である場合には、図1の場合にも図2の場合にも、両面接着テープだけが使用される。
【0026】
前記図1及び図2の何れの態様で前記取付枠4を開口部枠51に固定する場合でも、該取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9を取付枠コーナー材10に対して伸縮させることにより、該取付枠4の縦及び横の寸法を開口部枠51の縦及び横の寸法に合わせて調整することができるため、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9を開口部枠51の縦枠材51a及び横枠材51bにぴったりと当接させて固定することができる。
【0027】
一方、前記網戸枠3は、図5,図8、図10からよく分かるように、前記左右の縦網戸枠材14及び上下の横網戸枠材15と、該縦網戸枠材14と横網戸枠材15との端部同士を連結する4つの網戸枠コーナー材26A,26Bとを、前記防虫網2と一緒に接着剤で接着、固定することにより形成されている。
【0028】
前記左右の縦網戸枠材14と上下の横網戸枠材15とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により細長い帯板状に形成され、柔軟で可撓性を有している。該縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の幅は、前記取付枠4の縦取付枠材8の前面8a及び横取付枠材9の前面9aの幅と同じで、互いに同一幅である。
【0029】
また、前記薄板材の断面形状は、図7に横網戸枠材15について示すように、L字形をしていて、幅方向の一端に該縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の後面側に向けて突出する突縁23を有している。そして、前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の平らな後面14a,15aには、前記防虫網2の端部が接着により固定されると共に、前記取付部材5の第2部材5bが該防虫網2の上から接着により固定されている。この場合、前記防虫網2と第2部材5bとを別々に接着することなく、該第2部材5bを前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に接着する際に、それらの間に前記防虫網2を介在させておくことにより、前記第2部材5bを縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に接着するのと同時に該防虫網2も接着することができる。
【0030】
前記縦網戸枠材14と横網戸枠材15とは、互いに同じ断面形状を有する同一形態の部材であるため、全てが同一長さである場合には相互に互換性を有し、網戸枠3の組立時に互いに取り換えて使用することができる。しかし、図示したように縦網戸枠材14と横網戸枠材15との長さが異なる場合には、左右の縦網戸枠材14同士及び上下の横網戸枠材15同士が相互に互換性を有し、左右の縦網戸枠材14同士は、上下反転させることにより互いに取り換えて使用することができ、上下の横網戸枠材15同士は、左右反転させることにより互いに取り換えて使用することができる。
【0031】
前記網戸枠3の4つの網戸枠コーナー材26A,26Bは、硬質の合成樹脂で形成されたもので、該網戸枠3の上端部左右に位置する2つの上部コーナー材26Aと、該網戸枠3の下端部左右に位置する2つの下部コーナー材26Bとに分類される。
【0032】
前記上部コーナー材26Aは、図10から分かるように、防虫網2の前面側に位置する第1コーナー部材26aと後面側に位置する第2コーナー部材26bとからなっていて、これら第1コーナー部材26aと第2コーナー部材26bとの間に該防虫網2の隅角部が挟持されている。
【0033】
前記第1コーナー部材26aは、直角に連なる薄板状の縦片部27及び横片部28と、該縦片部27及び横片部28に直線状の2つの短辺29aが連なる三角形か又は三角形に類似した形をなす薄板状の張出部29とで形成され、該張出部29の長辺29bは内側にやや湾曲した形をなしている。前記縦片部27及び横片部28の幅は、前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の幅とほぼ等しく、また、該縦片部27と横片部28の長さは互いに等しい。
【0034】
前記第1コーナー部材26aの防虫網2側を向く後面には、前記縦片部27と横片部28とが連なる角部の位置と、前記張出部29の2つの短辺29aに近い位置とに、全部で3つの小突起30(図9参照)がそれぞれ形成されている。そして、該第1コーナー部材26aは、前記縦片部27が前記縦網戸枠材14に重なり、前記横片部28が前記横網戸枠材15に重なり、前記張出部29が前記防虫網2の隅角部前面に重なるように配設されている。
【0035】
前記第2コーナー部材26bは、正面視形状が正方形の薄いブロック状をした基体部33と、三角形か又は三角形に類似した形をなす薄板状の張出部34とからなっていて、該張出部34は、直線状の2つの短辺34aが交わる頂点の位置で前記基体部33の1つの角部に連なっている。該張出部34は、前記第1コーナー部材26aの張出部29と実質的に同じ形状及び大きさを有するものである。
また、前記基体部33の中心部と、前記張出部34の前記2つの短辺34aに近い位置とには、前記第1コーナー部材26aの小突起30が嵌合する小孔35がそれぞれ形成されている。
【0036】
そして、前記第2コーナー部材26bは、前記防虫網2の後面側に前記第1コーナー部材26aと対向して配設されることにより、前記基体部33が前記縦網戸枠材14と横網戸枠材15との端部に隣接する網戸枠角部の位置を占め、前記張出部29が前記第1コーナー部材26aの張出部29と重なり合う位置を占め、前記小孔35内に前記第1コーナー部材26aの小突起30が嵌合し(図9参照)、その状態で該第2コーナー部材26bと前記第1コーナー部材26aとが、前記防虫網2を介して接着剤により相互に接着、固定されている。
前記左右2つの上部コーナー材26Aは、互いに同じ構成を有しているため相互に互換性があり、左右いずれの側にも使用することができる。
【0037】
一方、網戸枠3の下端部に位置する前記下部コーナー材26Bは、該網戸枠3を取付枠4から取り外す際に指を掛けるための取っ手36を有するもので、この点が前記上部コーナー材26Aと相違するだけで、それ以外は実質的に前記上部コーナー材26Aと同じ構成である。そこで、該上部コーナー材26Aと同じ主要構成部分に該上部コーナー材26Aと同じ符号を付してその説明は省略し、前記取っ手36に関連する構成について以下に説明する。
【0038】
前記取っ手36は、防虫網2の前面側に位置する第1コーナー部材26aに形成されている。このため該第1コーナー部材26aの縦片部27及び横片部28には、網戸枠3の前面側に向けて延出する張出壁37と、該張出壁37の端部から前記縦片部27及び横片部28と平行に延出する手掛壁38とが一体に形成され、該張出壁37と手掛壁38とによって前記取っ手36が形成されている。
【0039】
また、左右2つの下部コーナー材26Bは、互いに同じ構成を有しているため相互に互換性があり、左右いずれの側にも使用することができる。前記取っ手36をなくして下部コーナー材26Bを上部コーナー材26Aと同一構成にした場合は、上下4つのコーナー材に互換性を持たせることができる。
【0040】
そして前記網戸枠3は、建物開口部50に固定された前記取付枠4に対し、取付部材5の第1部材5aと第2部材5bとを互いに接着させることにより、図2及び図3に示すような態様で分離自在に取り付けられる。
【0041】
防虫網2の清掃や交換等のため前記網戸枠3を取付枠4から取り外す時は、前記取っ手36を手前に引っ張って該網戸枠3の下端両角部の部分を取付枠4から引き離したあと、縦網戸枠材14及び横網戸枠材15を撓ませつつ該網戸枠3の他の部分を順次引き離すことにより、該網戸枠3全体を前記取付枠4から取り外すことができる。
防虫網2の清掃や交換等が終わった網戸枠3は、再び前記取付枠4に前記取付部材5で取り付けられる。
【0042】
ここで、前記防虫網戸1は、図3−図5に示すように建物開口部50の寸法に合った完成品の形で使用者に提供(販売)することもできるが、図6及び図10に示すように、前記防虫網2、網戸枠3、取付枠4、及び取付部材5等を、それらを形成する前記各部品を一組のキットとして使用者に提供し、それを使用者あるいは提供者が現場で建物開口部50に合った寸法に加工して組み立て、それを該建物開口部50に取り付けるようにすることもできる。この場合、キットの中に、両面接着テープや接着剤等が必要に応じて組み入れられる。
【0043】
防虫網戸をキットとして提供する場合、前記防虫網2は、その縦寸法及び横寸法が建物開口部50の縦寸法X及び横寸法Yより大きい状態のまま提供され、前記網戸枠3及び取付枠4の各縦材8,14及び各横材9,15も、開口部枠51の縦枠材51a及び横枠材51bより長さが長い状態で提供される。そして、前記防虫網2及び各縦材8,14及び各横材9,15が開口部枠51の縦寸法X及び横寸法Yに合わせて切断され、組み立てられる。その手順について以下に簡単に説明する。
【0044】
図1に示すように防虫網戸1を開口部枠51内に嵌め込んだ状態に取り付ける場合は、先ず、前記取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9と、網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15とを、開口部枠51の縦及び横の寸法(内側寸法)X,Yに合わせて切断する。この場合、縦取付枠材8及び縦網戸枠材14は、開口部枠51の縦寸法Xから上下の横取付枠材9又は横網戸枠材15の幅xを差し引いた長さ(X−2x)に切断し、横取付枠材9及び横網戸枠材15は、開口部の横寸法Yから左右の縦取付枠材8又は縦網戸枠材14の幅yを差し引いた長さ(Y−2y)に切断する。なお、前記幅xと幅yとは等しい。前記各枠材8,9及び14,15の切断は、一般家庭にあるカッターナイフや鋸等で行うことができる。
そして、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部11に取付部材5の第1部材5aを接着、固定すると共に、螺子挿通孔21を開けたあと、4つの取付枠コーナー材10で図5のように組み立てる。
【0045】
次に、前記取付枠4を、第1部材5aが接着された面を上にして床に置き、縦取付枠材8及び横取付枠材9の第1部材5aに第2部材5bを付着させた状態にしたあと、該取付枠4上に前記防虫網2を広げて載せ、更に左右の縦網戸枠材14及び上下の横網戸枠材15を該防虫網2の上から前記第2部材5b上に重ねて載置し、該縦網戸枠材14及び横網戸枠材15と前記第2部材5bとを防虫網2を介して接着剤で相互に接着して固定すると共に、4つの網戸枠コーナー材26A,26Bの第1コーナー部材26aを前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に接着して固定する。
【0046】
続いて、前記防虫網2と縦網戸枠材14及び横網戸枠材15と第1コーナー部材26aと第2部材5bとが一体に接着されたものを、前記取付枠4から取り外し、前記防虫網2を網戸枠3の大きさに合わせてカッターナイフや鋏等で切断すると共に、前記網戸枠コーナー材26A,26Bの第2コーナー部材26bを前記第1コーナー部材26aに重ねて接着、固定し、これによって前記網戸枠3が完成する。
そして、前記取付枠4を建物開口部50の開口部枠51に前述したようにして取り付けたあと、該取付枠4に前記網戸枠3を取り付けることにより、建物開口部50への防虫網戸1の取り付けが完了する。
【0047】
なお、図2のように防虫網戸1を開口部枠51の前面に取り付ける場合は、取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9と網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15とを、開口部枠51の内側寸法に等しい長さに切断すれば良く、それ以外の手順は前記図1の場合と同じである。
【0048】
前記実施形態では、図7に示すように、取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部11が、深さ全体に渡って溝幅が一定の凹溝状に形成されているが、図11に示すように、装着部11を、溝の口縁に一対の張出縁11aを溝内側に向けて突出させることによって該口縁の溝幅を狭くした凹溝状に形成することもでき、この場合には、該装着部11に接着した取付部材5の第1部材5aが一部剥離した場合でも、該第1部材5aが前記張出縁11aに溝の内側から係止して外部に抜け出さないようにすることができる。
なお、前記実施形態においては、前記取付部材5の第1部材5aが取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9に取り付けられ、第2部材5bが網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に取り付けられているが、それらの配置は逆であっても良い。
【0049】
あるいは、前記取付部材5として、前述した面ファスナーの代わりに永久磁石を使用することもできる。この永久磁石としては、プラス極とマイナス極とを厚さ方向に着磁した帯状のベルトマグネットが好適に使用される。そして、図12に示すように、取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部39に、プラス極又はマイナス極を網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15側に向けたベルトマグネットが第1部材5aとして装着され、前記網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の装着部40に、マイナス極又はプラス極を前記取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9側に向けたベルトマグネットが第2部材5bとして装着される。
【0050】
前記装着部39,40は中空状に形成されていて、各縦材8,14及び横材9,15の端部から前記第1部材5a及び第2部材5bを挿入するようになっているが、該装着部39,40は、図7及び図11の縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部11のように、一定溝幅の凹溝状に形成するかあるいは溝の口縁に張出縁11aを有する凹溝状に形成し、前記ベルトマグネットを接着により固定することもできる。
【0051】
また、前記実施形態においては、縦取付枠材8及び横取付枠材9が全体として中空状に形成されているが、必ずしも全体が中空である必要はなく、少なくとも長さ方向の両端が中空状に形成されていて、前記取付枠コーナー材10の延出部19が嵌合できるようになっていれば良い。
【符号の説明】
【0052】
1 防虫網戸
2 防虫網
3 網戸枠
4 取付枠
5 取付部材
5a 第1部材
5b 第2部材
8 縦取付枠材
9 横取付枠材
10 取付枠コーナー材
14 縦網戸枠材
15 横網戸枠材
18 主体部
19 延出部
26A,26B 網戸枠コーナー材
26a 第1コーナー部材
26b 第2コーナー部材
50 建物開口部
51 開口部枠
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓等の建物開口部に合わせて縦及び横の寸法調整が可能な防虫網戸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓等の建物開口部に取り付けて使用する防虫網戸は、一般に、アルミニウム等の金属製の網戸枠に防虫網を張設することにより形成され、螺子や金具等の適宜取付手段で建物開口部に取り付けられる。このような防虫網戸は、通常、建物開口部の寸法に合わせて規格化されており、規格に合った様々な寸法の網戸が販売されている。
【0003】
したがって、建物開口部の寸法が規格に合ったものである場合には、それに合った防虫網戸を購入して取り付けることができるが、建物開口部の寸法が規格に合っていない場合には、それに合った防虫網戸を購入することができず、規格外の防虫網戸を特別に注文しなければならないため、価格が高くなるという問題があった。
【0004】
使用者が建物開口部に合った防虫網戸を自分で組み立てて取り付けることも不可能ではないが、その場合には、その建物開口部に使用可能な枠材や防虫網等を個々に選択して購入し、それらを必要な寸法に切断したり加工したりして組み立てなければならず、非常に多くの労力と時間とを必要とする。しかも、防虫網を張設する網戸枠は、4本の枠材を必要な寸法に切断し、ビス止め等の方法で四角形状に固定することにより形成されるため、前記枠材の切断寸法を間違えると調整が利かず、完成した防虫網戸が建物開口部に取り付けられなかったり隙間が生じたりするという事態も考えられる。
また、完成した防虫網戸が建物開口部に取り付けられたとしても、汚れた防虫網を清掃する場合や、破損した防虫網を交換する場合などには、前記防虫網戸全体を建物開口部から取り外してそれらの作業を行わなければならないため、面倒である。
【0005】
特許文献1−特許文献3には、防虫ネットを網戸枠に面ファスナーで着脱自在に取り付けたものが開示されているが、これは、単に防虫ネットを網戸枠から簡単に取り外せるようにしているだけで、前記網戸枠は、4本の枠材を四角形に固定することによって形成されたものであり、前記問題点を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62−101998号公報
【特許文献2】特開2003−74270号公報
【特許文献3】特開2006−97242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、建物開口部に合わせて縦及び横の寸法調整が可能であると共に、該建物開口部に着脱自在に取り付けることができる、合理的設計構造を持った寸法調整可能な防虫網戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の防虫網戸は、防虫網と、該防虫網を張設する矩形の網戸枠と、防虫網が張設された該網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠とからなり、前記取付枠は、左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、該取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを連結する4つの取付枠コーナー材とで形成され、該取付枠コーナー材と前記縦取付枠材及び横取付枠材とを相互に伸縮自在とすることにより、該取付枠の縦、横の寸法が前記建物開口部の縦、横の寸法に合わせて調整可能であり、前記網戸枠は、左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、該網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材とで形成され、接着−分離自在の取付部材を介して前記取付枠に対して着脱自在であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明によれば、所要の形状及び寸法に切断可能な防虫網、前記防虫網を張設する矩形の網戸枠を形成するための部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材、防虫網が張設された前記網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠を形成する部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを伸縮自在に連結する4つの取付枠コーナー材、相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材からなり、該第1部材及び第2部材の一方と他方とを前記網戸枠の縦網戸枠材及び横網戸枠材と前記取付枠の縦取付枠材及び横取付枠材とにそれぞれ装着することにより、前記網戸枠を前記取付枠に対して着脱自在とする取付部材を有することを特徴とする防虫網戸用キットが提供される。
【0010】
本発明において、前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、長さ方向の少なくとも両端部が中空をなし、また、前記4つの取付枠コーナー材は、前記縦取付枠材及び横取付枠材の端部間に介在する主体部と、該主体部の側面から90度異なる方向に延出する2つの延出部とを有し、該2つの延出部の一方と他方が前記縦取付枠材及び横取付枠材の一方と他方の中空部内にそれぞれ摺動自在に嵌合していることが望ましい。
特に、前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の中空材により形成され、左右の縦取付枠材同士及び上下の横取付枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの取付枠コーナー材は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有することが望ましい。
【0011】
また、本発明において、前記網戸枠の左右の縦網戸枠材と上下の横網戸枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により形成され、左右の縦網戸枠材同士及び上下の横網戸枠材同士が互換性を有し、前記4つの網戸枠コーナー材は、防虫網の前面側に位置する第1コーナー部材と後面側に位置する第2コーナー部材とからなっていて、該第1コーナー部材と第2コーナー部材とで前記防虫網を両側から挟持していることが望ましい。
【0012】
本発明において好ましくは、前記取付部材が面ファスナー又は永久磁石で形成され、相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材を有し、該第1部材及び第2部材のうちの一方が前記網戸枠に装着され、他方が前記取付枠に装着されていることである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防虫網戸は、取付枠の左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材が4つの取付枠コーナー材に対して摺動自在となっているので、該取付枠の縦、横の寸法を建物開口部の縦、横の寸法に合わせて自在に調整することができ、その結果、規格に合った寸法の建物開口部はもちろんのこと、規格外の寸法の建物開口部であっても、該防虫網戸を確実に取り付けることができる。
また、防虫網を張設するための網戸枠と、該網戸枠を建物開口部に取り付けるための取付枠とを別に形成し、それらを取付部材で着脱自在としたことにより、防虫網の清掃時や交換時等に前記網戸枠だけを建物開口部から簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る防虫網戸を建物開口部の内部に取り付けた状態の室内側から見た正面図である。
【図2】本発明に係る防虫網戸を建物開口部の前面に取り付けた状態の室内側から見た正面図である。
【図3】図1及び図2の防虫網戸を前面斜め上方から見た斜視図である。
【図4】図1及び図2の防虫網戸を後面斜め上方から見た斜視図である。
【図5】図3の防虫網戸を網戸枠と取付枠とに分離して示す斜視図である。
【図6】取付枠の分解斜視図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿った拡大断面図で、網戸枠と取付枠とを分離させて示す図である。
【図8】網戸枠の後面(背面)図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿った拡大断面図である。
【図10】網戸枠の分解斜視図である。
【図11】図7と同様の拡大断面図で、取付枠の構成が異なる他の実施形態を示す図である。
【図12】図7と同様の拡大断面図で、異なる取付部材を使用した更に他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係る寸法調整可能な防虫網戸1を窓等の建物開口部50における開口部枠51の内側に嵌め込んで固定(内付け)した状態を室内側から見た場合の正面図であり、図2は、前記防虫網戸1を開口部枠51の前面に当接させて固定(前面付け)した状態を室内側から見た場合の正面図である。このように本発明の防虫網戸1は、開口部枠51の内部又は前面の何れにでも取り付けることができるものであり、その取り付けには、止め螺子や両面接着テープ等が用いられる。
【0016】
前記開口部枠51は、左右の縦枠材51aと上下の横枠材51bとを四角形に連結することにより形成されている。前記縦枠材51a及び横枠材51bは、木製又はアルミニウムなどの金属製であるが、前記防虫網戸1を螺子で取り付けるときは木製のものが適しており、両面接着テープで取り付けるときは木製であっても金属製であっても構わない。
【0017】
前記防虫網戸1は、図3−図5に示すように、蚊などの小さな虫が通り抜けできない程度に小さい網目を有する防虫網2と、該防虫網2を張設するための矩形の網戸枠3と、防虫網2が張設された該網戸枠3を建物開口部50に取り付けるための矩形の取付枠4とからなるもので、該取付枠4を前記開口部枠51に螺子や両面接着テープ等の固定手段で固定し、該取付枠4に前記網戸枠3を面ファスナー等からなる取付部材5で取り外し可能に取り付けるものである。
【0018】
前記取付枠4は、図5及び図6からも分かるように、左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9と、該取付枠4のコーナーにおいて前記縦取付枠材8と横取付枠材9とを連結する4つの取付枠コーナー材10とによって形成されている。
【0019】
前記縦取付枠材8及び横取付枠材9は、断面形状が長方形をなす合成樹脂製の硬質の中空材により形成され、該縦取付枠材8及び横取付枠材9の前記網戸枠3側を向く前面8a及び9aには、凹溝状をして溝底が平らな装着部11が全長にわたって形成され、該装着部11内に、前記取付部材5の第1部材5aが、接着剤や両面接着テープ等により接着されて固定されている。
【0020】
前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の断面形状は全長にわたって均一であり、中空孔8b、9bの形も長方形である。従って、前記左右の縦取付枠材8同士及び上下の横取付枠材9同士は相互に互換性を有し、取付枠4の組立時に互いに取り換えて使用することができる。前記縦取付枠材8と横取付枠材9とが全て同一長さである場合には、全ての縦取付枠材8及び横取付枠材9が相互に互換性を有することになる。
【0021】
前記取付部材5は、面ファスナーで形成されていて、図7から明らかなように、先端が鈎形に折れ曲がった多数の鈎形突子12を有するテープ状の前記第1部材5aと、前記鈎形突子12が係脱する多数の輪奈13が形成されたテープ状の第2部材5bとを有し、該第1部材5aと第2部材5bとが相互に接着−分離自在であり、前記第1部材5aが前記縦取付枠材8及び横取付枠材9に接着されている。
これに対して前記第2部材5bは、前記網戸枠3における左右の縦網戸枠材14と上下の横網戸枠材15との後面14a,15aに接着、固定されているが、その詳細については後述する。
【0022】
前記取付枠コーナー材10は、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の端部間に介在する正方形断面の角柱状をした主体部18と、該主体部18の隣り合う側面から90度異なる方向に延出するH字形断面の2つの延出部19とを有し、該2つの延出部19の一方が前記縦取付枠材8の中空部8b内に摺動自在に嵌合し、他方が前記横取付枠材9の中空部9b内に摺動自在に嵌合している。これによって前記左右の縦取付枠材8と上下の横取付枠材9とが、前記4つの取付枠コーナー材10に対して各縦材8及び各横材9の長さ方向に伸縮自在に連結され、取付枠4の縦、横の寸法が建物開口部50枠の縦、横の寸法に合わせて調整できるようになっている。
【0023】
前記主体部18の軸方向長さ(取付枠4の前後方向の長さ)は、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の前面−後面方向の長さとほぼ同じであり、該主体部18の中心には、止め螺子を挿通するための螺子挿通孔20が該主体部18を軸方向に貫通するように設けられ、前記2つの延出部19の長さは互いに同じに形成されている。そして、前記4つの取付枠コーナー材10は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有し、どのコーナーにも使用することができるようになっている。
【0024】
前記取付枠4を、図1のように建物開口部50の木製の開口部枠51の内部に嵌め込んで止め螺子で固定するときは、図6に示すように、該取付枠4の左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9の適宜位置に錐等の工具を使用して予め螺子挿通孔21を開け、該螺子挿通孔21に挿通した止め螺子22を開口部枠51の左右の縦枠材51a及び上下の横枠材51bの内側面にねじ込んで前記縦取付枠材8及び横取付枠材9を固定する。
【0025】
また、前記取付枠4を、図2のように開口部枠51の前面に固定するときは、左右の縦取付枠材8及び上下の横取付枠材9の後面8c,9c(図4参照)にそれぞれ両面接着テープを取り付け、該両面接着テープで前記縦取付枠材8及び横取付枠材9を開口部枠51の縦枠材51a及び横枠材51bの前面に接着すると共に、該取付枠4の四隅の前記螺子挿通孔20内に止め螺子(不図示)を挿通し、該止め螺子で前記取付枠4を前記開口部枠51に固定する。
しかし、図2の場合には、前記取付枠4を前記開口部枠51に両面接着テープだけで固定するか、あるいは前記止め螺子だけで固定することもできる。特に前記開口部枠51が金属製である場合には、図1の場合にも図2の場合にも、両面接着テープだけが使用される。
【0026】
前記図1及び図2の何れの態様で前記取付枠4を開口部枠51に固定する場合でも、該取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9を取付枠コーナー材10に対して伸縮させることにより、該取付枠4の縦及び横の寸法を開口部枠51の縦及び横の寸法に合わせて調整することができるため、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9を開口部枠51の縦枠材51a及び横枠材51bにぴったりと当接させて固定することができる。
【0027】
一方、前記網戸枠3は、図5,図8、図10からよく分かるように、前記左右の縦網戸枠材14及び上下の横網戸枠材15と、該縦網戸枠材14と横網戸枠材15との端部同士を連結する4つの網戸枠コーナー材26A,26Bとを、前記防虫網2と一緒に接着剤で接着、固定することにより形成されている。
【0028】
前記左右の縦網戸枠材14と上下の横網戸枠材15とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により細長い帯板状に形成され、柔軟で可撓性を有している。該縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の幅は、前記取付枠4の縦取付枠材8の前面8a及び横取付枠材9の前面9aの幅と同じで、互いに同一幅である。
【0029】
また、前記薄板材の断面形状は、図7に横網戸枠材15について示すように、L字形をしていて、幅方向の一端に該縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の後面側に向けて突出する突縁23を有している。そして、前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の平らな後面14a,15aには、前記防虫網2の端部が接着により固定されると共に、前記取付部材5の第2部材5bが該防虫網2の上から接着により固定されている。この場合、前記防虫網2と第2部材5bとを別々に接着することなく、該第2部材5bを前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に接着する際に、それらの間に前記防虫網2を介在させておくことにより、前記第2部材5bを縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に接着するのと同時に該防虫網2も接着することができる。
【0030】
前記縦網戸枠材14と横網戸枠材15とは、互いに同じ断面形状を有する同一形態の部材であるため、全てが同一長さである場合には相互に互換性を有し、網戸枠3の組立時に互いに取り換えて使用することができる。しかし、図示したように縦網戸枠材14と横網戸枠材15との長さが異なる場合には、左右の縦網戸枠材14同士及び上下の横網戸枠材15同士が相互に互換性を有し、左右の縦網戸枠材14同士は、上下反転させることにより互いに取り換えて使用することができ、上下の横網戸枠材15同士は、左右反転させることにより互いに取り換えて使用することができる。
【0031】
前記網戸枠3の4つの網戸枠コーナー材26A,26Bは、硬質の合成樹脂で形成されたもので、該網戸枠3の上端部左右に位置する2つの上部コーナー材26Aと、該網戸枠3の下端部左右に位置する2つの下部コーナー材26Bとに分類される。
【0032】
前記上部コーナー材26Aは、図10から分かるように、防虫網2の前面側に位置する第1コーナー部材26aと後面側に位置する第2コーナー部材26bとからなっていて、これら第1コーナー部材26aと第2コーナー部材26bとの間に該防虫網2の隅角部が挟持されている。
【0033】
前記第1コーナー部材26aは、直角に連なる薄板状の縦片部27及び横片部28と、該縦片部27及び横片部28に直線状の2つの短辺29aが連なる三角形か又は三角形に類似した形をなす薄板状の張出部29とで形成され、該張出部29の長辺29bは内側にやや湾曲した形をなしている。前記縦片部27及び横片部28の幅は、前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の幅とほぼ等しく、また、該縦片部27と横片部28の長さは互いに等しい。
【0034】
前記第1コーナー部材26aの防虫網2側を向く後面には、前記縦片部27と横片部28とが連なる角部の位置と、前記張出部29の2つの短辺29aに近い位置とに、全部で3つの小突起30(図9参照)がそれぞれ形成されている。そして、該第1コーナー部材26aは、前記縦片部27が前記縦網戸枠材14に重なり、前記横片部28が前記横網戸枠材15に重なり、前記張出部29が前記防虫網2の隅角部前面に重なるように配設されている。
【0035】
前記第2コーナー部材26bは、正面視形状が正方形の薄いブロック状をした基体部33と、三角形か又は三角形に類似した形をなす薄板状の張出部34とからなっていて、該張出部34は、直線状の2つの短辺34aが交わる頂点の位置で前記基体部33の1つの角部に連なっている。該張出部34は、前記第1コーナー部材26aの張出部29と実質的に同じ形状及び大きさを有するものである。
また、前記基体部33の中心部と、前記張出部34の前記2つの短辺34aに近い位置とには、前記第1コーナー部材26aの小突起30が嵌合する小孔35がそれぞれ形成されている。
【0036】
そして、前記第2コーナー部材26bは、前記防虫網2の後面側に前記第1コーナー部材26aと対向して配設されることにより、前記基体部33が前記縦網戸枠材14と横網戸枠材15との端部に隣接する網戸枠角部の位置を占め、前記張出部29が前記第1コーナー部材26aの張出部29と重なり合う位置を占め、前記小孔35内に前記第1コーナー部材26aの小突起30が嵌合し(図9参照)、その状態で該第2コーナー部材26bと前記第1コーナー部材26aとが、前記防虫網2を介して接着剤により相互に接着、固定されている。
前記左右2つの上部コーナー材26Aは、互いに同じ構成を有しているため相互に互換性があり、左右いずれの側にも使用することができる。
【0037】
一方、網戸枠3の下端部に位置する前記下部コーナー材26Bは、該網戸枠3を取付枠4から取り外す際に指を掛けるための取っ手36を有するもので、この点が前記上部コーナー材26Aと相違するだけで、それ以外は実質的に前記上部コーナー材26Aと同じ構成である。そこで、該上部コーナー材26Aと同じ主要構成部分に該上部コーナー材26Aと同じ符号を付してその説明は省略し、前記取っ手36に関連する構成について以下に説明する。
【0038】
前記取っ手36は、防虫網2の前面側に位置する第1コーナー部材26aに形成されている。このため該第1コーナー部材26aの縦片部27及び横片部28には、網戸枠3の前面側に向けて延出する張出壁37と、該張出壁37の端部から前記縦片部27及び横片部28と平行に延出する手掛壁38とが一体に形成され、該張出壁37と手掛壁38とによって前記取っ手36が形成されている。
【0039】
また、左右2つの下部コーナー材26Bは、互いに同じ構成を有しているため相互に互換性があり、左右いずれの側にも使用することができる。前記取っ手36をなくして下部コーナー材26Bを上部コーナー材26Aと同一構成にした場合は、上下4つのコーナー材に互換性を持たせることができる。
【0040】
そして前記網戸枠3は、建物開口部50に固定された前記取付枠4に対し、取付部材5の第1部材5aと第2部材5bとを互いに接着させることにより、図2及び図3に示すような態様で分離自在に取り付けられる。
【0041】
防虫網2の清掃や交換等のため前記網戸枠3を取付枠4から取り外す時は、前記取っ手36を手前に引っ張って該網戸枠3の下端両角部の部分を取付枠4から引き離したあと、縦網戸枠材14及び横網戸枠材15を撓ませつつ該網戸枠3の他の部分を順次引き離すことにより、該網戸枠3全体を前記取付枠4から取り外すことができる。
防虫網2の清掃や交換等が終わった網戸枠3は、再び前記取付枠4に前記取付部材5で取り付けられる。
【0042】
ここで、前記防虫網戸1は、図3−図5に示すように建物開口部50の寸法に合った完成品の形で使用者に提供(販売)することもできるが、図6及び図10に示すように、前記防虫網2、網戸枠3、取付枠4、及び取付部材5等を、それらを形成する前記各部品を一組のキットとして使用者に提供し、それを使用者あるいは提供者が現場で建物開口部50に合った寸法に加工して組み立て、それを該建物開口部50に取り付けるようにすることもできる。この場合、キットの中に、両面接着テープや接着剤等が必要に応じて組み入れられる。
【0043】
防虫網戸をキットとして提供する場合、前記防虫網2は、その縦寸法及び横寸法が建物開口部50の縦寸法X及び横寸法Yより大きい状態のまま提供され、前記網戸枠3及び取付枠4の各縦材8,14及び各横材9,15も、開口部枠51の縦枠材51a及び横枠材51bより長さが長い状態で提供される。そして、前記防虫網2及び各縦材8,14及び各横材9,15が開口部枠51の縦寸法X及び横寸法Yに合わせて切断され、組み立てられる。その手順について以下に簡単に説明する。
【0044】
図1に示すように防虫網戸1を開口部枠51内に嵌め込んだ状態に取り付ける場合は、先ず、前記取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9と、網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15とを、開口部枠51の縦及び横の寸法(内側寸法)X,Yに合わせて切断する。この場合、縦取付枠材8及び縦網戸枠材14は、開口部枠51の縦寸法Xから上下の横取付枠材9又は横網戸枠材15の幅xを差し引いた長さ(X−2x)に切断し、横取付枠材9及び横網戸枠材15は、開口部の横寸法Yから左右の縦取付枠材8又は縦網戸枠材14の幅yを差し引いた長さ(Y−2y)に切断する。なお、前記幅xと幅yとは等しい。前記各枠材8,9及び14,15の切断は、一般家庭にあるカッターナイフや鋸等で行うことができる。
そして、前記縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部11に取付部材5の第1部材5aを接着、固定すると共に、螺子挿通孔21を開けたあと、4つの取付枠コーナー材10で図5のように組み立てる。
【0045】
次に、前記取付枠4を、第1部材5aが接着された面を上にして床に置き、縦取付枠材8及び横取付枠材9の第1部材5aに第2部材5bを付着させた状態にしたあと、該取付枠4上に前記防虫網2を広げて載せ、更に左右の縦網戸枠材14及び上下の横網戸枠材15を該防虫網2の上から前記第2部材5b上に重ねて載置し、該縦網戸枠材14及び横網戸枠材15と前記第2部材5bとを防虫網2を介して接着剤で相互に接着して固定すると共に、4つの網戸枠コーナー材26A,26Bの第1コーナー部材26aを前記縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に接着して固定する。
【0046】
続いて、前記防虫網2と縦網戸枠材14及び横網戸枠材15と第1コーナー部材26aと第2部材5bとが一体に接着されたものを、前記取付枠4から取り外し、前記防虫網2を網戸枠3の大きさに合わせてカッターナイフや鋏等で切断すると共に、前記網戸枠コーナー材26A,26Bの第2コーナー部材26bを前記第1コーナー部材26aに重ねて接着、固定し、これによって前記網戸枠3が完成する。
そして、前記取付枠4を建物開口部50の開口部枠51に前述したようにして取り付けたあと、該取付枠4に前記網戸枠3を取り付けることにより、建物開口部50への防虫網戸1の取り付けが完了する。
【0047】
なお、図2のように防虫網戸1を開口部枠51の前面に取り付ける場合は、取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9と網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15とを、開口部枠51の内側寸法に等しい長さに切断すれば良く、それ以外の手順は前記図1の場合と同じである。
【0048】
前記実施形態では、図7に示すように、取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部11が、深さ全体に渡って溝幅が一定の凹溝状に形成されているが、図11に示すように、装着部11を、溝の口縁に一対の張出縁11aを溝内側に向けて突出させることによって該口縁の溝幅を狭くした凹溝状に形成することもでき、この場合には、該装着部11に接着した取付部材5の第1部材5aが一部剥離した場合でも、該第1部材5aが前記張出縁11aに溝の内側から係止して外部に抜け出さないようにすることができる。
なお、前記実施形態においては、前記取付部材5の第1部材5aが取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9に取り付けられ、第2部材5bが網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15に取り付けられているが、それらの配置は逆であっても良い。
【0049】
あるいは、前記取付部材5として、前述した面ファスナーの代わりに永久磁石を使用することもできる。この永久磁石としては、プラス極とマイナス極とを厚さ方向に着磁した帯状のベルトマグネットが好適に使用される。そして、図12に示すように、取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部39に、プラス極又はマイナス極を網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15側に向けたベルトマグネットが第1部材5aとして装着され、前記網戸枠3の縦網戸枠材14及び横網戸枠材15の装着部40に、マイナス極又はプラス極を前記取付枠4の縦取付枠材8及び横取付枠材9側に向けたベルトマグネットが第2部材5bとして装着される。
【0050】
前記装着部39,40は中空状に形成されていて、各縦材8,14及び横材9,15の端部から前記第1部材5a及び第2部材5bを挿入するようになっているが、該装着部39,40は、図7及び図11の縦取付枠材8及び横取付枠材9の装着部11のように、一定溝幅の凹溝状に形成するかあるいは溝の口縁に張出縁11aを有する凹溝状に形成し、前記ベルトマグネットを接着により固定することもできる。
【0051】
また、前記実施形態においては、縦取付枠材8及び横取付枠材9が全体として中空状に形成されているが、必ずしも全体が中空である必要はなく、少なくとも長さ方向の両端が中空状に形成されていて、前記取付枠コーナー材10の延出部19が嵌合できるようになっていれば良い。
【符号の説明】
【0052】
1 防虫網戸
2 防虫網
3 網戸枠
4 取付枠
5 取付部材
5a 第1部材
5b 第2部材
8 縦取付枠材
9 横取付枠材
10 取付枠コーナー材
14 縦網戸枠材
15 横網戸枠材
18 主体部
19 延出部
26A,26B 網戸枠コーナー材
26a 第1コーナー部材
26b 第2コーナー部材
50 建物開口部
51 開口部枠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防虫網と、該防虫網を張設する矩形の網戸枠と、防虫網が張設された該網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠とからなり、
前記取付枠は、左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、該取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを連結する4つの取付枠コーナー材とで形成され、該取付枠コーナー材と前記縦取付枠材及び横取付枠材とを相互に伸縮自在とすることにより、該取付枠の縦、横の寸法が前記建物開口部の縦、横の寸法に合わせて調整可能であり、
前記網戸枠は、左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、該網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材とで形成され、接着−分離自在の取付部材を介して前記取付枠に対して着脱自在である、
ことを特徴とする寸法調整可能な防虫網戸。
【請求項2】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、長さ方向の少なくとも両端部が中空をなし、また、前記4つの取付枠コーナー材は、前記縦取付枠材及び横取付枠材の端部間に介在する主体部と、該主体部の側面から90度異なる方向に延出する2つの延出部とを有し、該2つの延出部の一方と他方が前記縦取付枠材及び横取付枠材の一方と他方の中空部内にそれぞれ摺動自在に嵌合していることを特徴とする請求項1に記載の防虫網戸。
【請求項3】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の中空材により形成され、左右の縦取付枠材同士及び上下の横取付枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの取付枠コーナー材は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有することを特徴とする請求項2に記載の防虫網戸。
【請求項4】
前記網戸枠の左右の縦網戸枠材と上下の横網戸枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により形成され、左右の縦網戸枠材同士及び上下の横網戸枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの網戸枠コーナー材は、防虫網の前面側に位置する第1コーナー部材と後面側に位置する第2コーナー部材とからなっていて、該第1コーナー部材と第2コーナー部材とで前記防虫網が両側から挟持されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の防虫網戸。
【請求項5】
前記取付部材は、面ファスナー又は永久磁石からなっていて、相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材を有し、該第1部材及び第2部材のうちの一方が前記網戸枠に装着され、他方が前記取付枠に装着されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の防虫網戸。
【請求項6】
所要の形状及び寸法に切断可能な防虫網、
前記防虫網を張設する矩形の網戸枠を形成するための部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材、
防虫網が張設された前記網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠を形成する部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを伸縮自在に連結する4つの取付枠コーナー材、
相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材からなり、該第1部材及び第2部材の一方と他方とを前記網戸枠の縦網戸枠材及び横網戸枠材と前記取付枠の縦取付枠材及び横取付枠材とにそれぞれ装着することにより、前記網戸枠を前記取付枠に対して着脱自在とする取付部材、
を有することを特徴とする防虫網戸用キット。
【請求項7】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、長さ方向の少なくとも両端部が中空をなし、また、前記4つの取付枠コーナー材は、前記縦取付枠材及び横取付枠材の端部間に介在する主体部と、該主体部の側面から90度異なる方向に延出する2つの延出部とを有していて、該2つの延出部が前記縦取付枠材及び横取付枠材の中空部内に摺動自在に嵌合することにより該縦取付枠材及び横取付枠材を伸縮自在に連結することを特徴とする請求項6に記載の防虫網戸用キット。
【請求項8】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の中空材により形成され、左右の縦取付枠材同士及び上下の横取付枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの取付枠コーナー材は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有することを特徴とする請求項7に記載の防虫網戸用キット。
【請求項9】
前記網戸枠の左右の縦網戸枠材と上下の横網戸枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により形成され、左右の縦網戸枠材同士及び上下の横網戸枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの網戸枠コーナー材は、防虫網の前面側に位置する第1コーナー部材と後面側に位置する第2コーナー部材とからなっていて、該第1コーナー部材と第2コーナー部材との間に前記防虫網を挟持することを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の防虫網戸用キット。
【請求項1】
防虫網と、該防虫網を張設する矩形の網戸枠と、防虫網が張設された該網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠とからなり、
前記取付枠は、左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、該取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを連結する4つの取付枠コーナー材とで形成され、該取付枠コーナー材と前記縦取付枠材及び横取付枠材とを相互に伸縮自在とすることにより、該取付枠の縦、横の寸法が前記建物開口部の縦、横の寸法に合わせて調整可能であり、
前記網戸枠は、左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、該網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材とで形成され、接着−分離自在の取付部材を介して前記取付枠に対して着脱自在である、
ことを特徴とする寸法調整可能な防虫網戸。
【請求項2】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、長さ方向の少なくとも両端部が中空をなし、また、前記4つの取付枠コーナー材は、前記縦取付枠材及び横取付枠材の端部間に介在する主体部と、該主体部の側面から90度異なる方向に延出する2つの延出部とを有し、該2つの延出部の一方と他方が前記縦取付枠材及び横取付枠材の一方と他方の中空部内にそれぞれ摺動自在に嵌合していることを特徴とする請求項1に記載の防虫網戸。
【請求項3】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の中空材により形成され、左右の縦取付枠材同士及び上下の横取付枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの取付枠コーナー材は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有することを特徴とする請求項2に記載の防虫網戸。
【請求項4】
前記網戸枠の左右の縦網戸枠材と上下の横網戸枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により形成され、左右の縦網戸枠材同士及び上下の横網戸枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの網戸枠コーナー材は、防虫網の前面側に位置する第1コーナー部材と後面側に位置する第2コーナー部材とからなっていて、該第1コーナー部材と第2コーナー部材とで前記防虫網が両側から挟持されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の防虫網戸。
【請求項5】
前記取付部材は、面ファスナー又は永久磁石からなっていて、相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材を有し、該第1部材及び第2部材のうちの一方が前記網戸枠に装着され、他方が前記取付枠に装着されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の防虫網戸。
【請求項6】
所要の形状及び寸法に切断可能な防虫網、
前記防虫網を張設する矩形の網戸枠を形成するための部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦網戸枠材及び上下の横網戸枠材と、網戸枠のコーナーにおいて前記縦網戸枠材と横網戸枠材とを連結する4つの網戸枠コーナー材、
防虫網が張設された前記網戸枠を建物開口部に取り付けるための矩形の取付枠を形成する部品であって、所要の長さに切断可能な合成樹脂製の左右の縦取付枠材及び上下の横取付枠材と、取付枠のコーナーにおいて前記縦取付枠材と横取付枠材とを伸縮自在に連結する4つの取付枠コーナー材、
相互に接着−分離自在の第1部材及び第2部材からなり、該第1部材及び第2部材の一方と他方とを前記網戸枠の縦網戸枠材及び横網戸枠材と前記取付枠の縦取付枠材及び横取付枠材とにそれぞれ装着することにより、前記網戸枠を前記取付枠に対して着脱自在とする取付部材、
を有することを特徴とする防虫網戸用キット。
【請求項7】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、長さ方向の少なくとも両端部が中空をなし、また、前記4つの取付枠コーナー材は、前記縦取付枠材及び横取付枠材の端部間に介在する主体部と、該主体部の側面から90度異なる方向に延出する2つの延出部とを有していて、該2つの延出部が前記縦取付枠材及び横取付枠材の中空部内に摺動自在に嵌合することにより該縦取付枠材及び横取付枠材を伸縮自在に連結することを特徴とする請求項6に記載の防虫網戸用キット。
【請求項8】
前記取付枠の左右の縦取付枠材と上下の横取付枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の中空材により形成され、左右の縦取付枠材同士及び上下の横取付枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの取付枠コーナー材は、互いに同一形状をなして相互に互換性を有することを特徴とする請求項7に記載の防虫網戸用キット。
【請求項9】
前記網戸枠の左右の縦網戸枠材と上下の横網戸枠材とは、全長にわたって均一な断面形状を有する合成樹脂製の薄板材により形成され、左右の縦網戸枠材同士及び上下の横網戸枠材同士が互換性を有し、また、前記4つの網戸枠コーナー材は、防虫網の前面側に位置する第1コーナー部材と後面側に位置する第2コーナー部材とからなっていて、該第1コーナー部材と第2コーナー部材との間に前記防虫網を挟持することを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の防虫網戸用キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−162964(P2012−162964A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26124(P2011−26124)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000107930)セイキ販売株式会社 (57)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000107930)セイキ販売株式会社 (57)
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