説明

対面式会話ノート

【課題】 外国人に対し質問する際に相手に示し、180°向きを変えることなく直ちに相手方に当方の意志を伝達し、相手方も向きを変えることなく返答の文言を指し示すことができるようにし、迅速な会話を可能とする。
【解決手段】 自国語による文言1と、これと対応する他国語による文言2とを併記する対面式会話ノートであって、自国語による文言に対し他国語による文言を180°反転して併記し、自国語による文言を指し示すことにより向きを変えることなく相手方に相手国の文言を読ませることができるようにしたことにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国旅行等の際にその国の言葉を話せずとも必要な会話を可能とする対面式会話ノートに係り、特に対面する相手方に意志を迅速に伝達し得るようにした対面式会話ノートに関する。
【背景技術】
【0002】
外国旅行時にその国の言語を話すことができないとき、意志の疎通を図ることができず、大変な不自由を強いられ、折角の旅行を十分に満喫することができないものとなる。
【0003】
このようなことから、従来図5に一部を示すように、例えば日本語による文言aと目的国の言語による文言bとを舛目cの中に同じ向きに上下に併記し、その舛目cを手指等で指し示すことにより相手方にこちらの意志を伝えるようになされた会話帳が提供されている。
【0004】
しかして上記従来の会話帳の構成では、1つの舛目c内に自国語と外国語とが同じ向きで上下に併記されているので、その舛目cを指し示して相手方に伝えるとき会話帳を180°回して向きを変え、相手方にその舛目c内の文言が読めるようにしなければならず、そのため一つの文言を伝える都度会話帳を180°回して相手方に見せなければならないことになり、店頭などにおける会話時では著しく手間どり、迅速に意志の伝達を図ることが難しかった。
【0005】
上記の点に着目してこれを改善する手段を示す文献は見当らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、対面する相手にその都度180°向きを変えることなく直ちに当方の意志を伝達することができるようにした対面式会話ノートを提供することにある。
【0007】
上記意志の伝達をよりスムーズに行うことができるようにするため、自国語と外国語との文言を横一列状に表記し、その間に設けた指標を指し示すことにより当方の意志を間違いなく相手方に伝えることができる対面式会話ノートを提供することにある。
【0008】
ここに言うノートとは、必ずしも綴じ合わせた構造に限らず、単葉のシートをルーズリーフ式に必要ページを綴じるようにしたもの、あるいはシートをカード状として携行する形態のものを含むものである。
【0009】
さらにブック状に構成する場合、小サイズのブック状として携行に便ならしめ、それでいて会話の内容を見やすいように表示することを可能とするブック状の対面式会話ノートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する手段として本発明は、自国語による文言と、これと対応する他国語による文言とを併記する対面式会話ノートであって、自国語による文言に対し他国語による文言を180°反転して併記し、自国語による文言を指し示すことにより向きを変えることなく相手方に相手国の言語による文言を読ませることができるようにしたことにある。
【0011】
上記構成による機能をより効果的に発揮させるため、自国語による文言とこの文言に対し180°向きを変えて他国語による文言を中央を境として横一列状に相対応して併記し、前記中央に舛目等による指標を設け、この指標を指し示すことにより向きを変えることなく相手方に相手国の言語による文言を読ませることができるようにして意志の伝達を図れるようにすることが好ましい。
【0012】
ここに云う「ノート」は、必ずしも綴じ合わせた構造に限らず、単葉のシートをルーズリーフ式に必要ページだけを綴じて使用する構成としたもの、あるいはシートをそのまま分離可能として必要なページのみを携行するようにしたものを含む。
【0013】
外国旅行用とする場合、その携帯時の利便性を高めるため、複数ページを綴じ合わせて小型の冊子とし、この冊子を開いたときそのページに冊子の綴じ目に対し平行する方向に自国語による文言とこの文言に対し180°向きを変えて他国語による文言を中央を境として横一列状に相対応して併記し、前記中央に指標を設けるようにすることが好ましい。
【0014】
このほか、質問形態の文言に対し相手方の返事を求める事項用として、相手方の返事を相手方が指し示して答えるための返答用文字欄を欄外に併記し、この返答用文字も自国語に対し他国語を180°反転して表示することができる。
【0015】
さらに各ページの一側部に、そのページに記載されている内容、例えば「ホテル」、「買い物」、「飲食」、「交通」、「観光サービス」等の見出しを表記することができる。
【0016】
なお、2国語による文言を一つの枠内に互いに上下逆向きとして表記する形態を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外国旅行時等において、言葉の通じない現地の人に対し物事を尋ねるとき、対面式会話ノートに記載されている自国語による質問事項を手指等で指し示すことにより相手方はその示された内容を向きを反転させることなく正対して相手国の言語で読みとることができるので、相手方に問いかけるときいちいち対面式会話ノートを180°反転させる必要がなく、これにより相手方もスムーズに意志の伝達を受け、正しく即答することができる。
【0018】
この場合、自国語による文言と相手国の言語による文言とを横一列に併記した構成とすれば、一層見やすくすることができ、誤った伝達を防止することができる。
【0019】
また上記対面式会話ノートを小型(例えばA5判)の冊子として構成し、各ページに冊子の綴じ目に対し平行する方向に自国語による文言と相手国語による文言とを横一列に併記すれば、小型の冊子でありながらページの横幅を広く使うことができ、長い文言であっても十分に記載することができる。
【0020】
さらにページの欄外に返答用文字欄を設け、この欄に同じく自国語に対し相手国語による返答を180°向きを変えて併記すれば、相手方の返答を間違いなく受けとることができ、会話を一層スムーズにかつ親しみを増して行うことができる。
【0021】
そして各ページの一側部に見出しを表記すれば、尋ねたい事項のページを迅速に開くことができ、会話を効率よく進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は本発明による対面式会話ノートの一実施形態の一つのページを示すもので、この実施形態では日本語による文言1と、これと対応する韓国語による文言2とが横一列状に併記され、これら文言1、2間(中央位置)には指示しやすくするための指標3である舛目がそれぞれ設けられている。
【0023】
前記各文言1、2は、日本語の文言1に対し韓国語の文言2が180°向きを異らせてあり、日本人が自国語である日本語で表記された文言1の文頭に位置する指標3を手指や筆記具の先端等で指し示すことにより相手方はその指標3に対応する韓国語による文言2を向きを変えることなく直ちに読んで当方の意志が間違いなく伝達されるようになされている。
【0024】
この構成によれば、横一列状に2国の文言1、2が併記されているので、長めの文言(文章)であっても十分に記載することが可能であり、細かい意志の伝達を図ることが可能となる。これは相手方からの意志の伝達時においても全く同様にして行うことができる。
【0025】
図1において符号4は、質問形態の文言に対し相手側の返答を示す返答文字欄であり、この返答文字欄4にも日本語と韓国語とによる返事を示す文言5、6が180°向きを異にして表記されている。そして両文言5、6間に指標7が設けられていて指示時に分かりやすくされている。
【0026】
一方、ページの一側部には、そのページに記載の内容、例えばホテルに関する事項、買い物、飲食、交通、観光サービス等の事項を示す見出し8、8・・・が表記されており、使用時に該当ページが検索しやすくされている。
【0027】
図2は、本発明による対面式会話ノートを外国旅行等の際に携行性を高めながら十分な内容を盛り込むことができ、しかも相手方との意志の伝達が良好になされるようにした実施形態を示している。
【0028】
すなわち小型の冊子10として構成され、ページを開いたとき図3に示すように冊子10の綴じ目11(折り目)に対し平行する方向に前記図1と同様、日本語による文言1と韓国語による文言2とが横一列状に併記され、その間の中央位置に舛目からなる指標3が設けられている。
【0029】
これにより冊子10をA5判程度の携帯に便利なサイズとして構成しても、両国の言語による文言1、2を横並びに対応させて併記することができ、長めの文章であっても2国分の文言を記載することができる。
【0030】
この実施形態においても、前述の返答文字欄4、見出し8を設けることは任意である。
【0031】
図4は本発明の他の実施形態を示すもので、2国の言語による文言1、2を横並びでなく上下並びとして併記するようにした場合であり、一つの枠12内に日本語による文言1に対し韓国語による文言2を上下逆向きとして表記されている。この場合は、その枠12が指標としての機能を持ち、この枠12を指し示すことにより相手方に当方の意志を伝え、相手方は冊子10の向きを180°反転させることなく直ちに自国語(韓国語)でその意志を読みとることができるようになされている。
【0032】
この実施形態においても、前記実施形態と同様、返答文字欄4、見出し8を設けることができる。
【0033】
上記実施形態においては、1つの枠12ごとに1枚のカードとし、これらをその一端でリング状止具で単語カードのように綴じて使用するようにしてもよい。またこのように構成して会話の練習帳として使用することもできる。
【0034】
図示の実施形態では、自国語として日本語、他国語として韓国語の場合について示したが、日本語と英語、日本語と中国語、日本語とフランス語等、任意の組み合わせで構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による対面式会話ノートの一実施形態の一ページを示す平面図。
【図2】同、ブック形態とした状態の外観の一例を示す斜視図。
【図3】同、見開き状態に開いた平面図。
【図4】同、他の実施形態を示す平面図。
【図5】従来用いられている会話帳の説明図。
【符号の説明】
【0036】
1、5 自国語による文言
2、6 他国語による文言
3、7 指標
4 返答文字欄
8 見出し
10 冊子
11 綴じ目
12 枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自国語による文言と、これと対応する他国語による文言とを併記する対面式会話ノートであって、自国語による文言に対し他国語による文言を180°反転して併記し、自国語による文言を指し示すことにより向きを変えることなく相手方に相手国の言語による文言を読ませることができるようにしたことを特徴とする対面式会話ノート。
【請求項2】
自国語による文言と、これと対応する他国語による文言とを併記する対面式会話ノートであって、自国語による文言とこの文言に対し180°向きを変えて他国語による文言を中央を境として横一列状に相対応して併記し、前記中央に舛目等による指標を設け、この指標を指し示すことにより向きを変えることなく相手方に相手国の言語による文言を読ませるようにしたことを特徴とする対面式会話ノート。
【請求項3】
自国語による文言と、これと対応する他国語による文言とを併記する対面式会話ノートであって、複数ページを綴じ合わせて小型の冊子とされ、この冊子を開いたときそのページに冊子の綴じ目に対し平行する方向に自国語による文言とこの文言に対し180°向きを変えて他国語による文言を中央を境として横一列状に相対応して併記し、前記中央に舛目等による指標を設け、この指標を指し示すことにより向きを変えることなく相手方に相手国の言語による文言を読ませるようにしたことを特徴とする対面式会話ノート。
【請求項4】
質問形態の文言に対し相手側の返事を相手方が指し示して答えるための返答用文字欄が欄外に併記され、この返答用文字も自国語に対し他国語が180°反転して表記されている請求項1〜3のいずれか1項記載の対面式会話ノート。
【請求項5】
各ページの一側部にそのページに記載されている内容を示す見出しが表示されている請求項1〜4のいずれか1項記載の対面式会話ノート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−116743(P2006−116743A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−304574(P2004−304574)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000010021)株式会社小学館 (7)