小径孔のバリ取り装置
本発明は、その長手軸に関して横方向に配置された少なくとも1つの溝が形成される基体を有する孔のバリ取り用装置であって、少なくとも1つのバネブレードは、溝の長手方向に摺動状に取り外し可能であり、かつ、圧縮バネが基体の長手孔に配置され、また、制御ボルトの1つの端により支持され、他の端は、ブレードに押し退け容積方向に保持力を提供するため、ブレードに形成される制御溝に係合する。本発明は、20mm未満の孔のバリを取り除くための基体が、その前部に小さな直径のガイドスリーブを有し、該ガイドスリーブには、その中に形成された長手孔が設けられ、前記孔中で摺動する制御ボルトチップをガイドするための摺動ガイドを形成することに特徴を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載の小径孔のバリを取るための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
孔の縁のバリを除去するための装置は、本願と同一の発明者を含むEP0850119B1により知られ、これは大きな孔径に適している。しかしながら、小孔径のバリを除去することを目的としたバリ除去装置の小型化は不可能である、ということが知られている。例えば、20mm未満の直径の孔の縁のバリを除去するためのバリ除去装置が、特に、口腔外科、外科、マイクロエレクトロニクス及び小型機械工学において求められている。これまで、前記小孔径のバリを除去するのに十分な、EP0850119B1の装置によるバリ除去装置の寸法を低減することは可能ではなかった。
【0003】
その理由は、対応する寸法を低減する場合、基体は、基体の中心長手孔に配置された要素(圧縮バネ、制御ボルト、シャフト)が、あまりに小型化されなければならないため、もはやその強度が十分ではない程、小径で形成されなければならないためだった。
【特許文献1】EP0850119B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、20mm未満の小径孔のバリを除去するのに適した前記のような種類のバリ除去装置を更に発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、請求項1の技術的教示内容に特徴を有する。
【0006】
本発明の必須の特徴は、現在は、基体には、始めからブレードまでずっと比較的一定の直径が設けられてはいないが、基体には段が形成され、且つ基体の前部には、小径のガイドスリーブが挿入される受入開口が設けられ、そこには長手孔が形成され、該孔は、摺動状に取り外し可能であるように、その中で支持される制御ボルトのボルトチップ用の摺動ガイド要素として働く、ことである。
【0007】
基体を2つ、即ち比較的大きな直径を有する基体の後部、及び基体の前部に交換可能に配置される、極めて小さな直径のガイドスリーブ、に分割するというアイデアにより、いくら小さな孔の縁でも完全にバリ取り可能であるという利点がある。
【0008】
したがって、基体の長手孔中に交換可能に配置されるガイドスリーブの直径は、寸法がかなり低減される。にも拘わらず、高い機械的曲げ強さ及びねじり安定性が得られるのは、ガイドスリーブ中に配置される長手孔が、その中に取り外し可能にガイドされる制御ボルト用の摺動ガイド要素として設けられるためである。このようにして、制御ボルトは、ガイドスリーブ中の非常に小さな直径の長手孔中にピンタイプの連続を有する、この長手孔中に係合する。
【0009】
したがって、制御ボルトは、外側への曲がりやガイドスリーブ中での破壊さえ防止する。なぜならば、該ボルトは、中からガイドスリーブを支持し、その結果装置全体は、ガイドスリーブ、ガイドスリーブ中にガイドされる制御ボルト及びガイドスリーブの前端に配置されたバリ取りブレードとの関係で、直径が実質的に低減され得る。
【0010】
このようにして、例えば、2mmのガイドスリーブの直径を初めて達成することができ、このガイドスリーブの長さは約23mmで、かつ、より大きな直径で形成された基体の長さは40mmである。
【0011】
基体は、ここでは、例えば直径が8mmで、また装置全体は65mmの長さである。
【0012】
そのような装置は、ガイドスリーブ中での破壊を心配することなく、前記小型化された適用に用いることができる。何故ならば、それは、中で取り外し可能にガイドされた制御ボルトにより、内側から支持されるからである。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、ガイドスリーブは、基体の長手孔中に交換可能に維持され、かつ、大きな直径のガイドカラーを有し、該ガイドカラーは、基体の大きな直径の長手孔中に係合し、かつ、そこで例えばロックネジにより保持される。
【0014】
他の配置・構成においては、ねじ込み接続により2つの部分を連結するため、ガイドスリーブのガイドカラーに外側のネジ山を設け、かつ、基体の長手孔中に内側のネジ山を配置することが可能である。
【0015】
交換可能なガイドスリーブの配置は、設計上2つの部分に分かれ、また、ガイドスリーブはその前領域中に非常に小さな直径で設けられることができるため、そのようなバリ取り装置の製造はいまや実質的には高価ではない、という利点を有する。
【0016】
さらに他の実施例においては、ガイドスリーブは、基体の中央長手孔の中心に挿入されることが判るが、しかし、ガイドスリーブの内部では、長手孔が基体の長手中心孔に対して偏心して配置され、制御ボルトは前記長手孔内に取り外し可能にガイドされるということが判る。
【0017】
この目的のため、ブレードはいつも、ガイドスリーブ前領域中の横方向溝の開口から等距離の、その切断縁で突き出していなければならない。もし、大きな直径のブレードホルダーが使用されると、また、それが同じブレードと共に使用されることを意図すると、同じ位置で、十分このブレードの中で摺動し、また、偏心バネ制御ボルトは、ブレードの中で、同じ位置へ再び係合することになり、その結果、前記ブレードは常に、ブレードホルダーの直径に拘わりなく、ナイフホルダーから等距離突き出る。
【0018】
したがって、もし1つのツールの直径が、他より10mmだけ大きくなれば、偏心した長手中心孔の偏心距離も5mm外側に外れ、同じブレードがブレードホルダー(今度は直径がより大きい)から等距離突き出て、かつ、同一の切断作用を行う、ということを再度確実にする。
【0019】
これは、1つ且つ同一のブレードが、ある程度はツールホルダーの異なる直径にも用いられることができ、また、この手段により、ブレードをストックする必要性が大きく軽減されるという利点を提供する。
【0020】
基体が設計上偏心し、かつガイドスリーブの孔がその中心にあることも考えられる。2つの部分が組立てられて、上記の様に、同じ偏心率が生じる。
【0021】
バリ取り装置の他の機能については、EP0850119B1での開示が参照される。この開示は、本発明について述べる開示に十分に盛り込まれている。
【0022】
本発明の目的は、個々の請求項の主題だけでなく、また互いに個々の請求項の組合せにも由来する。
【0023】
要約、特に図面に示される空間的構成を含む、書類に開示される全ての情報及び特徴は、個々にまたは組合せて、先行技術と比較して新規である本発明に必須であるとして請求される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、本発明を実施する複数の方法を示す図面を参照することにより、以下に更に詳細に述べられる。本発明について必須の、更に他の特徴及び利点は、図面及びその記述により説明される。
【0025】
図1は、第1の実施例のバリ取り装置の断面である。
図2は、図1のA−A線による断面である。
図3は、中心に位置する中心孔を有する第2の実施例のバリ取り装置の断面である。
図4は、ガイドスリーブ用の、偏心して位置する中心孔を有する、図3のバリ取り装置の断面である。
【0026】
バリ取り装置の基体が図1に示されており、それはまたブレードホルダーとして参照される。基体1には、中心の連続長手孔3が配置され、その後部には内側ネジ山22が設けられている。長手孔3には、圧縮バネ7が挿入され、その後部で押しネジ(止めネジ)上に支持され、該押しネジは、適したツールで内側ネジ山22にネジ込むことができる。
【0027】
押しネジ5の調節を通して、圧縮バネ7のバネ力は調整することができる。
【0028】
長手孔3の中心軸4の中心に向けて、ガイドスリーブ30が、段付き部分から構成される前領域に設けられる。
【0029】
大きな直径のガイドカラー29は、長手孔3中に適合し、かつ、そこでロックネジ19により固定される(図2)。
【0030】
大きな直径のガイドカラー29は、その前部で、例えば僅か2mmの直径の小さな直径のガイドネック28へと変形する。
【0031】
ガイドネック28中には、非常に小さな長手孔27が設けられ、その領域中に制御ボルト8のボルトチップ25が取り外し可能にガイドされる。ボルトチップ25は、その後端でガイドカラー29を介して係合し、かつ、そこで大きな直径の圧力片26に接続され、長手孔3中に取り外し可能に収納される。圧縮バネ7の他の端は、この圧力片26に支持される。
【0032】
制御ボルト8のボルトチップ25は、前部に配置されたブレード11で、連合する制御溝12に係合し、該ブレード11は、ガイドスリーブ30の前端で、押し退け容積(ディスプレイスメント)23(図4参照)の方向に、横方向溝13(図3及び4参照)中に取り外し可能に維持される。
【0033】
もし、相応じて、ガイドスリーブ30が、例えば矢印24の方向に曲げ応力を受けると、ボルトチップ25は、長手孔27中にガイドスリーブ30を支持し、かつ、それが破壊しないように保護する。
【0034】
ガイドスリーブ30は、さらに、基体1中で前記ロックネジ19と容易に交換可能である。
【0035】
基体1の後端に、さらに、外部ネジ山の形で具体化されるネジ肩21があり、その結果、基体1全体がまた、他の適した保持ツールにネジ止めされることができる。
【0036】
更に詳細は図3及び4に示される。
図1及び2を参照して説明された様に、同一部には同一の参照番号が用いられる。
【0037】
図4の実施例との比較によると、プッシュロッド6は、圧縮バネ7の右手端上に作用し、前記プッシュロッド6は、その後部の自由端で押しネジ5により調節可能である。
【0038】
制御ボルト8は、設計上比較的短く、大きな直径のボルト部分9で構成され、その比較的短いボルトチップ10が前方に連続し、その自由前端がブレード11の制御溝12に係合する。
【0039】
この実施例では、長手孔2は、制御ボルト8の中心長手軸に同軸に設けられる。
【0040】
しかしながら、図4の実施例では、長手孔3は、偏心オフセット16の辺りで、中心長手軸4に対して偏心して設けられる。これは、ガイドスリーブ20の一定の外部直径を有する、下方にオフセットな位置で、偏心オフセット16でブレード11の制御溝12中に係合するボルトチップ10で終わる。
【0041】
ブレードは、横方向溝13中の押し退け容積23方向に、取り外し可能に保持され、かつ、比較的大きな押し退け容積の通路(ディスプレイスメント・パス)を有する。
【0042】
図3における同じブレードは、このようにしてより大きな直径のバリ取り用の装置に使用することができる。
【0043】
図3の実施例のガイドスリーブの直径17は、例えば、7.8mmであることが可能で、一方、図4のガイドスリーブの直径は、約11.6mmであることが可能である。
【0044】
図3の実施例中では、基体1は、肩18を形成し、そこから大きく低減された直径のガイドスリーブ20に変形する。
【0045】
しかしながら、示される実際的な例では、ガイドスリーブ20は、比較する図1に示される様に、交換可能に設けられてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、第1の実施例のバリ取り装置の断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線による断面図である。
【図3】図3は、中心に位置する中心孔を有する第2の実施例の断面図である。
【図4】図4は、ガイドスリーブ用の、偏心して位置する中心孔を有する、図3によるバリ取り装置の断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1...基体
2,3...長手孔
4...中心軸
5...押しネジ(止めネジ)
6...プッシュロッド
7...圧縮バネ
8...制御ボルト
9...ボルト部分
10,25...ボルトチップ
11...ブレード
12...制御溝
13...横方向溝
14...前部
15...孔
16...偏心オフセット
17...直径
18...肩
19...ロックネジ
20,30...ガイドスリーブ
21...ネジ肩
22...内部ネジ山
23...押し退け容積の方向
24...矢印の方向
26...圧力片
27...長手孔
28...ガイドネック
29...ガイドカラー
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載の小径孔のバリを取るための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
孔の縁のバリを除去するための装置は、本願と同一の発明者を含むEP0850119B1により知られ、これは大きな孔径に適している。しかしながら、小孔径のバリを除去することを目的としたバリ除去装置の小型化は不可能である、ということが知られている。例えば、20mm未満の直径の孔の縁のバリを除去するためのバリ除去装置が、特に、口腔外科、外科、マイクロエレクトロニクス及び小型機械工学において求められている。これまで、前記小孔径のバリを除去するのに十分な、EP0850119B1の装置によるバリ除去装置の寸法を低減することは可能ではなかった。
【0003】
その理由は、対応する寸法を低減する場合、基体は、基体の中心長手孔に配置された要素(圧縮バネ、制御ボルト、シャフト)が、あまりに小型化されなければならないため、もはやその強度が十分ではない程、小径で形成されなければならないためだった。
【特許文献1】EP0850119B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、20mm未満の小径孔のバリを除去するのに適した前記のような種類のバリ除去装置を更に発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、請求項1の技術的教示内容に特徴を有する。
【0006】
本発明の必須の特徴は、現在は、基体には、始めからブレードまでずっと比較的一定の直径が設けられてはいないが、基体には段が形成され、且つ基体の前部には、小径のガイドスリーブが挿入される受入開口が設けられ、そこには長手孔が形成され、該孔は、摺動状に取り外し可能であるように、その中で支持される制御ボルトのボルトチップ用の摺動ガイド要素として働く、ことである。
【0007】
基体を2つ、即ち比較的大きな直径を有する基体の後部、及び基体の前部に交換可能に配置される、極めて小さな直径のガイドスリーブ、に分割するというアイデアにより、いくら小さな孔の縁でも完全にバリ取り可能であるという利点がある。
【0008】
したがって、基体の長手孔中に交換可能に配置されるガイドスリーブの直径は、寸法がかなり低減される。にも拘わらず、高い機械的曲げ強さ及びねじり安定性が得られるのは、ガイドスリーブ中に配置される長手孔が、その中に取り外し可能にガイドされる制御ボルト用の摺動ガイド要素として設けられるためである。このようにして、制御ボルトは、ガイドスリーブ中の非常に小さな直径の長手孔中にピンタイプの連続を有する、この長手孔中に係合する。
【0009】
したがって、制御ボルトは、外側への曲がりやガイドスリーブ中での破壊さえ防止する。なぜならば、該ボルトは、中からガイドスリーブを支持し、その結果装置全体は、ガイドスリーブ、ガイドスリーブ中にガイドされる制御ボルト及びガイドスリーブの前端に配置されたバリ取りブレードとの関係で、直径が実質的に低減され得る。
【0010】
このようにして、例えば、2mmのガイドスリーブの直径を初めて達成することができ、このガイドスリーブの長さは約23mmで、かつ、より大きな直径で形成された基体の長さは40mmである。
【0011】
基体は、ここでは、例えば直径が8mmで、また装置全体は65mmの長さである。
【0012】
そのような装置は、ガイドスリーブ中での破壊を心配することなく、前記小型化された適用に用いることができる。何故ならば、それは、中で取り外し可能にガイドされた制御ボルトにより、内側から支持されるからである。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、ガイドスリーブは、基体の長手孔中に交換可能に維持され、かつ、大きな直径のガイドカラーを有し、該ガイドカラーは、基体の大きな直径の長手孔中に係合し、かつ、そこで例えばロックネジにより保持される。
【0014】
他の配置・構成においては、ねじ込み接続により2つの部分を連結するため、ガイドスリーブのガイドカラーに外側のネジ山を設け、かつ、基体の長手孔中に内側のネジ山を配置することが可能である。
【0015】
交換可能なガイドスリーブの配置は、設計上2つの部分に分かれ、また、ガイドスリーブはその前領域中に非常に小さな直径で設けられることができるため、そのようなバリ取り装置の製造はいまや実質的には高価ではない、という利点を有する。
【0016】
さらに他の実施例においては、ガイドスリーブは、基体の中央長手孔の中心に挿入されることが判るが、しかし、ガイドスリーブの内部では、長手孔が基体の長手中心孔に対して偏心して配置され、制御ボルトは前記長手孔内に取り外し可能にガイドされるということが判る。
【0017】
この目的のため、ブレードはいつも、ガイドスリーブ前領域中の横方向溝の開口から等距離の、その切断縁で突き出していなければならない。もし、大きな直径のブレードホルダーが使用されると、また、それが同じブレードと共に使用されることを意図すると、同じ位置で、十分このブレードの中で摺動し、また、偏心バネ制御ボルトは、ブレードの中で、同じ位置へ再び係合することになり、その結果、前記ブレードは常に、ブレードホルダーの直径に拘わりなく、ナイフホルダーから等距離突き出る。
【0018】
したがって、もし1つのツールの直径が、他より10mmだけ大きくなれば、偏心した長手中心孔の偏心距離も5mm外側に外れ、同じブレードがブレードホルダー(今度は直径がより大きい)から等距離突き出て、かつ、同一の切断作用を行う、ということを再度確実にする。
【0019】
これは、1つ且つ同一のブレードが、ある程度はツールホルダーの異なる直径にも用いられることができ、また、この手段により、ブレードをストックする必要性が大きく軽減されるという利点を提供する。
【0020】
基体が設計上偏心し、かつガイドスリーブの孔がその中心にあることも考えられる。2つの部分が組立てられて、上記の様に、同じ偏心率が生じる。
【0021】
バリ取り装置の他の機能については、EP0850119B1での開示が参照される。この開示は、本発明について述べる開示に十分に盛り込まれている。
【0022】
本発明の目的は、個々の請求項の主題だけでなく、また互いに個々の請求項の組合せにも由来する。
【0023】
要約、特に図面に示される空間的構成を含む、書類に開示される全ての情報及び特徴は、個々にまたは組合せて、先行技術と比較して新規である本発明に必須であるとして請求される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、本発明を実施する複数の方法を示す図面を参照することにより、以下に更に詳細に述べられる。本発明について必須の、更に他の特徴及び利点は、図面及びその記述により説明される。
【0025】
図1は、第1の実施例のバリ取り装置の断面である。
図2は、図1のA−A線による断面である。
図3は、中心に位置する中心孔を有する第2の実施例のバリ取り装置の断面である。
図4は、ガイドスリーブ用の、偏心して位置する中心孔を有する、図3のバリ取り装置の断面である。
【0026】
バリ取り装置の基体が図1に示されており、それはまたブレードホルダーとして参照される。基体1には、中心の連続長手孔3が配置され、その後部には内側ネジ山22が設けられている。長手孔3には、圧縮バネ7が挿入され、その後部で押しネジ(止めネジ)上に支持され、該押しネジは、適したツールで内側ネジ山22にネジ込むことができる。
【0027】
押しネジ5の調節を通して、圧縮バネ7のバネ力は調整することができる。
【0028】
長手孔3の中心軸4の中心に向けて、ガイドスリーブ30が、段付き部分から構成される前領域に設けられる。
【0029】
大きな直径のガイドカラー29は、長手孔3中に適合し、かつ、そこでロックネジ19により固定される(図2)。
【0030】
大きな直径のガイドカラー29は、その前部で、例えば僅か2mmの直径の小さな直径のガイドネック28へと変形する。
【0031】
ガイドネック28中には、非常に小さな長手孔27が設けられ、その領域中に制御ボルト8のボルトチップ25が取り外し可能にガイドされる。ボルトチップ25は、その後端でガイドカラー29を介して係合し、かつ、そこで大きな直径の圧力片26に接続され、長手孔3中に取り外し可能に収納される。圧縮バネ7の他の端は、この圧力片26に支持される。
【0032】
制御ボルト8のボルトチップ25は、前部に配置されたブレード11で、連合する制御溝12に係合し、該ブレード11は、ガイドスリーブ30の前端で、押し退け容積(ディスプレイスメント)23(図4参照)の方向に、横方向溝13(図3及び4参照)中に取り外し可能に維持される。
【0033】
もし、相応じて、ガイドスリーブ30が、例えば矢印24の方向に曲げ応力を受けると、ボルトチップ25は、長手孔27中にガイドスリーブ30を支持し、かつ、それが破壊しないように保護する。
【0034】
ガイドスリーブ30は、さらに、基体1中で前記ロックネジ19と容易に交換可能である。
【0035】
基体1の後端に、さらに、外部ネジ山の形で具体化されるネジ肩21があり、その結果、基体1全体がまた、他の適した保持ツールにネジ止めされることができる。
【0036】
更に詳細は図3及び4に示される。
図1及び2を参照して説明された様に、同一部には同一の参照番号が用いられる。
【0037】
図4の実施例との比較によると、プッシュロッド6は、圧縮バネ7の右手端上に作用し、前記プッシュロッド6は、その後部の自由端で押しネジ5により調節可能である。
【0038】
制御ボルト8は、設計上比較的短く、大きな直径のボルト部分9で構成され、その比較的短いボルトチップ10が前方に連続し、その自由前端がブレード11の制御溝12に係合する。
【0039】
この実施例では、長手孔2は、制御ボルト8の中心長手軸に同軸に設けられる。
【0040】
しかしながら、図4の実施例では、長手孔3は、偏心オフセット16の辺りで、中心長手軸4に対して偏心して設けられる。これは、ガイドスリーブ20の一定の外部直径を有する、下方にオフセットな位置で、偏心オフセット16でブレード11の制御溝12中に係合するボルトチップ10で終わる。
【0041】
ブレードは、横方向溝13中の押し退け容積23方向に、取り外し可能に保持され、かつ、比較的大きな押し退け容積の通路(ディスプレイスメント・パス)を有する。
【0042】
図3における同じブレードは、このようにしてより大きな直径のバリ取り用の装置に使用することができる。
【0043】
図3の実施例のガイドスリーブの直径17は、例えば、7.8mmであることが可能で、一方、図4のガイドスリーブの直径は、約11.6mmであることが可能である。
【0044】
図3の実施例中では、基体1は、肩18を形成し、そこから大きく低減された直径のガイドスリーブ20に変形する。
【0045】
しかしながら、示される実際的な例では、ガイドスリーブ20は、比較する図1に示される様に、交換可能に設けられてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、第1の実施例のバリ取り装置の断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線による断面図である。
【図3】図3は、中心に位置する中心孔を有する第2の実施例の断面図である。
【図4】図4は、ガイドスリーブ用の、偏心して位置する中心孔を有する、図3によるバリ取り装置の断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1...基体
2,3...長手孔
4...中心軸
5...押しネジ(止めネジ)
6...プッシュロッド
7...圧縮バネ
8...制御ボルト
9...ボルト部分
10,25...ボルトチップ
11...ブレード
12...制御溝
13...横方向溝
14...前部
15...孔
16...偏心オフセット
17...直径
18...肩
19...ロックネジ
20,30...ガイドスリーブ
21...ネジ肩
22...内部ネジ山
23...押し退け容積の方向
24...矢印の方向
26...圧力片
27...長手孔
28...ガイドネック
29...ガイドカラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その長手軸に対して交差して位置する少なくとも1つの溝(13)が形成される基体(1)を有する、孔の縁のバリ取り用装置であって、該装置では少なくとも1つのバネブレード(11)が、溝(13)の長手方向に摺動状に取り外し可能であり、また、圧縮バネ(7)が、基体(1)の長手孔(3)中に配置され、かつ、制御ボルト(8)の一端により支持され、該制御ボルト(8)の他の端は、前記ブレード(11)に押し退け容積方向(23)の保持力を提供するためブレード(11)中に形成された制御溝(12)中に係合し、
該装置は、20mm未満の直径の孔のバリを取るための基体(1)が、その前部で、より小さな直径のガイドスリーブ(20,30)へと形成され、該ガイドスリーブ(20,30)には長手孔(27)が設けられ、この長手孔が、その中に摺動状かつ取り外し可能に支持される制御ボルト(8)のボルトチップ(10,25)をガイドするための摺動ガイドエレメント(27)を形成することを特徴とする。
【請求項2】
制御ボルト(8)が、基体(1)の長手孔(3)中で取り外し可能な圧力片(26)で形成され、その前部で非常に小さな直径のボルトチップ(25)が支持されることを特徴とする、請求項1に記載のバリ取り用装置。
【請求項3】
ガイドスリーブ(30)が、基体(1)の長手孔中に交換可能に受入れられる、大きな直径のガイドカラー(29)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のバリ取り用装置。
【請求項4】
ガイドスリーブ(30)のガイドカラー(29)が、非常に小さな直径のガイドネック(28)に変形し、そこでは制御ボルト(8)が摺動ガイド要素中に取り外し可能にガイドされることを特徴とする、請求項3に記載のバリ取り用装置。
【請求項5】
ガイドスリーブ(20,30)が、同軸状に延び、かつ、基体中の長手孔(3)と一直線に並ぶことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項6】
ガイドスリーブ(20)の長手軸が、基体(1)の長手孔(3)の中心軸(4)に関して偏心して延びることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリ取り用装置(図4)。
【請求項7】
圧縮バネ(7)が、ラセン圧縮バネであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項8】
圧縮バネ(7)が、レッグスプリングであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項9】
圧縮バネ(7)が、平ラセンバネであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項10】
ブレード(11)の制御溝(12)が、ルートを有し、該ルートから、第1の直線が、第2の直線が接続される制御ボルト(8)の正中線に関して斜めに延び、第2の直線は第1の直線に比してより平らな傾きのルートを有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項11】
ルートが、制御溝(12)の制御ボルト(8)の正中線から横方向にオフセットしていることを特徴とする、請求項10に記載のバリ取り用装置。
【請求項1】
その長手軸に対して交差して位置する少なくとも1つの溝(13)が形成される基体(1)を有する、孔の縁のバリ取り用装置であって、該装置では少なくとも1つのバネブレード(11)が、溝(13)の長手方向に摺動状に取り外し可能であり、また、圧縮バネ(7)が、基体(1)の長手孔(3)中に配置され、かつ、制御ボルト(8)の一端により支持され、該制御ボルト(8)の他の端は、前記ブレード(11)に押し退け容積方向(23)の保持力を提供するためブレード(11)中に形成された制御溝(12)中に係合し、
該装置は、20mm未満の直径の孔のバリを取るための基体(1)が、その前部で、より小さな直径のガイドスリーブ(20,30)へと形成され、該ガイドスリーブ(20,30)には長手孔(27)が設けられ、この長手孔が、その中に摺動状かつ取り外し可能に支持される制御ボルト(8)のボルトチップ(10,25)をガイドするための摺動ガイドエレメント(27)を形成することを特徴とする。
【請求項2】
制御ボルト(8)が、基体(1)の長手孔(3)中で取り外し可能な圧力片(26)で形成され、その前部で非常に小さな直径のボルトチップ(25)が支持されることを特徴とする、請求項1に記載のバリ取り用装置。
【請求項3】
ガイドスリーブ(30)が、基体(1)の長手孔中に交換可能に受入れられる、大きな直径のガイドカラー(29)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のバリ取り用装置。
【請求項4】
ガイドスリーブ(30)のガイドカラー(29)が、非常に小さな直径のガイドネック(28)に変形し、そこでは制御ボルト(8)が摺動ガイド要素中に取り外し可能にガイドされることを特徴とする、請求項3に記載のバリ取り用装置。
【請求項5】
ガイドスリーブ(20,30)が、同軸状に延び、かつ、基体中の長手孔(3)と一直線に並ぶことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項6】
ガイドスリーブ(20)の長手軸が、基体(1)の長手孔(3)の中心軸(4)に関して偏心して延びることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリ取り用装置(図4)。
【請求項7】
圧縮バネ(7)が、ラセン圧縮バネであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項8】
圧縮バネ(7)が、レッグスプリングであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項9】
圧縮バネ(7)が、平ラセンバネであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項10】
ブレード(11)の制御溝(12)が、ルートを有し、該ルートから、第1の直線が、第2の直線が接続される制御ボルト(8)の正中線に関して斜めに延び、第2の直線は第1の直線に比してより平らな傾きのルートを有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバリ取り用装置。
【請求項11】
ルートが、制御溝(12)の制御ボルト(8)の正中線から横方向にオフセットしていることを特徴とする、請求項10に記載のバリ取り用装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公表番号】特表2008−519697(P2008−519697A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540538(P2007−540538)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011676
【国際公開番号】WO2006/050841
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(501459723)
【氏名又は名称原語表記】HEULE, Ulf
【住所又は居所原語表記】Jacob−Schmid−Heiny−Strasse 12 CH−9436 Balgach Switzerland
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011676
【国際公開番号】WO2006/050841
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(501459723)
【氏名又は名称原語表記】HEULE, Ulf
【住所又は居所原語表記】Jacob−Schmid−Heiny−Strasse 12 CH−9436 Balgach Switzerland
【Fターム(参考)】
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