説明

尿素噴射SCR制御システム

【課題】予備ヒーティング制御を行っている期間に、エンジンアウトNOx排出量に合わせて適切な尿素噴射量を制御できる尿素噴射SCR制御システムを提供する。
【解決手段】エンジン10の排気管14に設けられたSCR触媒23と、SCR触媒23の上流側で尿素水を噴射するドージングバルブ41と、排ガス中のNOx量を測定するNOxセンサー46、47とを備え、ドージングバルブ41からの尿素水の噴射を制御する尿素噴射SCR制御システムであって、大気圧条件、外気温、エンジン水温に対応した複数のNOxモデルマップ60を備え、大気圧センサ、外気温センサ、エンジン水温センサの検出値に基づいて各NOxモデルマップ60からNOx量を決定し、その決定したNOx量に基づいてドージングバルブ41からの尿素水の噴射量を制御するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気管にSCR装置を接続し、エンジン排ガス中のNOx量に応じて尿素を噴射する尿素噴射SCR制御システムに係り、特に、NOxセンサーがセンシング可能な状態になるまで、尿素噴射を的確に制御できる尿素噴射SCR制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
尿素噴射SCR(Selective Catalytic Reduction)制御は、NOxセンサーで検出されたエンジンアウトNOx排出量に合わせて適切な尿素噴射量となるように制御を行っている(特許文献1)。この尿素噴射量が過多だと有毒物質のアンモニアを排出し、過少だとNOx浄化率の低下となり、排ガス性能に影響する。
【0003】
エンジンアウトNOx量は、NOxセンサーにより検知することが精度も高く一般的であるが、NOxセンサーは、センサー起動からNOx量をセンシング可能な状態にするまで、ある程度の時間を要する。NOxセンサーは構造上、センシング部(以下エレメント)を高温(例えば800℃)域に保つ必要があるため、ヒーティング制御を行っている。また、エレメント部はセラミックが使われているため、ヒーティング状態で、エレメントに水滴等が付着すると、破損してしまう。よって、NOxセンサーを使用する場合、エンジン始動直後(暖気前)に排気ガス中に含まれている水分や、排気管内やNOxセンサー自体が結露等によって発生した水滴が無くなるまで、予備ヒーティングを行うようにしている。この予備ヒーティングは、エレメントに水滴が付着しても破損しない温度(例えば100度)でエレメントを加熱することで、結露によりセンサー内に発生した水滴を蒸発させるものである。このように予備ヒーティングで、水滴付着の可能性が無くなってから(以下この制御を予備ヒーティング制御と言う)、高温域のヒーティング制御に移行させ、その後NOx量をセンシングしている(特許文献2、3)。
【0004】
予備ヒーティング制御を行っている時間は、NOx量の検出が出来ないため、その期間の尿素噴射制御は、センサーの代替として、NOxモデルマップ(エンジン回転と指示噴射量ごとのNOx量マップ)を使って噴射量を決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−303826号公報
【特許文献2】特開2004−360526号公報
【特許文献3】特開2010−174657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、現状のNOxモデルマップは、EGR(排ガス再循環システム)の作動有無での2枚のNOxマップ構成となっている。ここで、実際のエンジン制御では、環境ごとに各制御パラメータが補正されるため、使用環境によりエンジンアウトNOx排出量も異なる。よって、現状のNOxモデルマップ構成では、使用環境の違いで、実NOx量とのズレが発生し、適切な尿素噴射制御することが出来ず、アンモニアスリップやNOx浄化率低下を招いてしまう。
【0007】
更に、この尿素噴射量のズレは、故障診断(NOxセンサーのたしからしさ診断や、NOx浄化率診断)の誤検出を引き起こしてしまう問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、予備ヒーティング制御を行っている期間に、エンジンアウトNOx排出量に合わせて適切な尿素噴射量を制御できる尿素噴射SCR制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、エンジンの排気管に設けられたSCR触媒と、SCR触媒の上流側で尿素水を噴射するドージングバルブとを備え、ドージングバルブからの尿素水の噴射を制御する尿素噴射SCR制御システムであって、大気圧条件、外気温、エンジン水温に対応した複数のNOxモデルマップを備え、大気圧検出手段、外気温検出手段、エンジン水温検出手段の検出値に基づいて各NOxモデルマップからNOx量を決定し、その決定したNOx量に基づいてドージングバルブからの尿素水の噴射量を制御することを特徴とする尿素噴射SCR制御システムである。
【0010】
請求項2の発明は、前記各NOxモデルマップは、コントロールユニットに格納され、平地での大気圧条件における外気温に応じてエンジン回転と指示噴射量からNOx量が設定された複数の外気温別NOxマップとその外気温別NOxマップから実際の外気温で外気温別NOxマップを選択すると共にその外気温別NOxマップのNOx値を補間する外気温マップ選択ファクタからなるベースマップを備えると共に、ベースマップを高地での大気圧条件でベースマップからのNOx値を補正する補正マップとを備え、さらに大気圧条件と外気温条件で決定されたNOx値をエンジン水温で補正するエンジン水温補正マップを備える請求項1記載の尿素噴射SCR制御システムである。
【0011】
請求項3の発明は、コントロールユニットには、EGR制御をしているときとEGR制御していないときの各NOxモデルマップが格納されている請求項2記載の尿素噴射SCR制御システムである。
【0012】
請求項4の発明は、排ガス中のNOx量を測定するNOxセンサーを備え、そのNOxセンサーの予備ヒーティング制御時に、大気圧検出手段、外気温検出手段、エンジン水温検出手段の検出値に基づいて各NOxモデルマップからNOx量を決定し、その決定したNOx量に基づいてドージングバルブからの尿素水の噴射量を制御する請求項1〜3いずれかに記載の尿素噴射SCR制御システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、予備ヒーティング制御期間、大気圧や外気温などの環境違いに対応した複数のNOxモデルマップを用いてエンジンアウトNOx量を決定することで、実NOx量とのズレを減らすことができる。このため、適切な尿素噴射制御が行え、排ガス性能に影響を与えることが無くなると共に、故障診断の誤診断防止、更には診断精度(閾値)を向上させることが出来るようになるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の尿素噴射SCR制御システムにおけるNOxモデルマップの構成例を示す図である。
【図2】本発明を適用するSCRシステムの一例を示す概略図である。
【図3】DCUの入出力構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
先ず、図2によりエンジンの排ガス浄化システムについて説明する。
【0017】
図2において、ディーゼルエンジン10の吸気マニホールド11には、吸気管12が接続され、排気マニホールド13には排気管14が接続される。吸気管12には、吸気量を測定するエアフローセンサ15が設けられ、そのエアフローセンサ15で、吸気スロットルバルブ16の開度が制御されて吸気量が調整される。
【0018】
排気マニホールド13と吸気マニホールド11とは、排気ガスの一部をエンジン10の吸気系に戻してNOxを低減するためのEGR(Exhaust Gas Recirculation;排気再循環)管17が接続され、そのEGR管17にEGRクーラ18とEGRバルブ19とが接続される。
【0019】
排気管14には、排気ブレーキバルブ20、排気スロットルバルブ21が接続され、その下流に、ディーゼルパティキュレートフィルタ22、SCR触媒23が設けられる。
【0020】
ECU30には、各種検出手段、すなわち、エンジンの回転数を検出する回転センサ31の検出値、車速センサ32の検出値、外気温度センサ33の検出値、大気圧センサ34の検出値が入力される。
【0021】
ECU30は、走行中、アクセル開度に応じて燃料インジェクタ35での燃料噴射量を制御し、また適宜吸気スロットルバルブ16、排気ブレーキバルブ20、排気スロットルバルブ21を制御すると共にEGRバルブ19を開閉してEGR量を制御するようになっている。
【0022】
次に、エンジン10からの排気ガス中のNOxを処理するためのSCR触媒23からなるSCRシステム40を説明する。
【0023】
このSCRシステム40は、エンジン10の排気管14に設けられたSCR触媒23と、SCR触媒23の上流側(排気ガスの上流側)で尿素水を噴射するドージングバルブ41と、尿素水を貯留する尿素タンク42と、尿素タンク42内の尿素水を吸い上げてドージングバルブ41に尿素水を供給するSMポンプ及び余剰の尿素水を尿素タンク42内に戻すリバーティングバルブを有するサプライモジュール43と、ドージングバルブ41やサプライモジュール43などを制御するドージングコントロールユニット(DCU;Dosing Control Unit)44とを備える。
【0024】
ECU30は、エンジン10の運転状況に応じエンジンパラメータをドージングコントロールユニット44に出力し、これによりドージングコントロールユニット44が、後述する各センサーの検出値を基に、サプライモジュール43とドージングバルブ41を制御するようになっている。
【0025】
ドージングバルブ41の上流側の排気管14には、SCR触媒23の入口における排気ガスの温度(SCR入口温度)を測定する排気温度センサー45が設けられる。また、SCR触媒23の上流側には、SCR触媒23の上流側でのNOx濃度を検出する上流側NOxセンサー46が設けられ、SCR触媒23の下流側には、SCR触媒23の下流側でのNOx濃度を検出する下流側NOxセンサー47が設けられる。
【0026】
尿素タンク42には、尿素水の水位や品質、温度などを測定するSCRセンサー48が設けられる。
【0027】
尿素タンク42とサプライモジュール43には、エンジン10を冷却するための冷却水を循環する冷却ライン49が接続される。冷却ライン49は、尿素タンク42内を通り、冷却ライン49を流れる冷却水と尿素タンク42内の尿素水との間で熱交換するようにされる。
【0028】
冷却ライン49には、尿素タンク42に冷却水を供給するか否かを切り替えるタンクヒータバルブ(クーラントバルブ)50が設けられる。また、ドージングバルブ41にも冷却ライン49が接続されるが、ドージングバルブ41には、タンクヒータバルブ50の開閉に拘わらず、冷却水が供給されるように構成されている。
【0029】
なお、図2では図を簡略化しており示されていないが、冷却ライン49は、サプライモジュール43も冷却するように設けられる。
【0030】
次に、図3によりドージングバルブ41やサプライモジュール43を制御すドージングコントロールユニット(DCU)44の入出力構成について説明する。
【0031】
図3に示すように、DCU44には、上流側NOxセンサー46、下流側NOxセンサー47、SCRセンサー48(水位センサー、温度センサー及び品質センサー)、排気温度センサー45、サプライモジュール43のSM温度センサー51と尿素水圧力センサー52の検出値が入力され、またECU30から外気温、大気圧、エンジンパラメータ(エンジン回転数、燃料の指示噴射量、エンジン水温など)の信号が入力される。
【0032】
DCU44は、タンクヒータバルブ50、サプライモジュール43のSMポンプ53とリバーティングバルブ54、ドージングバルブ41、上流側NOxセンサー用ヒータ46H、及び下流側NOxセンサー用ヒータ47Hを制御するようになっている。
【0033】
このDCU44の基本的な制御を説明する。
【0034】
先ず、DCU44は、エンジン始動時などに上流側NOxセンサー46と下流側NOxセンサー47を予備ヒーティング制御を行う。すなわち上流側NOxセンサー用ヒータ46H及び下流側NOxセンサー用ヒータ47Hにて、上流側NOxセンサー46と下流側NOxセンサー47を予備ヒーティングし、その後、水分などの凝縮水の影響をなくした後、上流側NOxセンサー46と下流側NOxセンサー47を高温に保持してNOxの検出を行う。
【0035】
次に、予備ヒーティング制御後、DCU44は、上流側NOxセンサー46の値に基づいて基本の尿素水量を決定すると共に、この基本の尿素水量を下流側NOxセンサー47の検出値やエンジンパラメータ信号等に基づいて補正し、ドージングバルブ41からSCR触媒23に噴射する尿素水量を決定する。
【0036】
本発明においては、予備ヒーティング制御を行っている期間、上流側NOxセンサー46と下流側NOxセンサー47でのNOx検出が行われないため、DCU44が、ECU30からのエンジン運転条件であるエンジンパラメータと外気温、大気圧、エンジン水温に応じて尿素噴射量を制御するものである。
【0037】
この尿素噴射SCR制御システムを図1により説明する。
【0038】
図1は、図3で説明したDCU44に格納されるNOxモデルマップの構成例を示したものである。
【0039】
図1においては、EGR制御を行っているときのNOxモデルマップの例で、大気圧条件に応じて3つのNOxモデルマップ60−1、60−2、60−3を備え、さらにエンジン水温補正マップ61を備えて構成される。この3つのNOxモデルマップ60−1、60−2、60−3は、第1のNOxモデルマップ60−1が、平地における大気圧条件(1)でのベースマップであり、第2のNOxモデルマップ60−2が、例えば高度1000mに相当する大気圧条件(2)での補正マップ1であり、第3のNOxモデルマップ60−3が、例えば高度2000mに相当する大気圧条件(3)での補正マップ2である。
【0040】
先ず第1のNOxモデルマップ60−1は、外気温(例えば−40℃〜+40℃の範囲で任意に設定)に応じた複数の外気温別NOxマップ62a1、62b1、62c1、62d1と、外気温が入力され、その外気温に応じて、これら外気温別NOxマップ62a1、62b1、62c1、62d1から2つの外気温別NOxマップを選択する外気温度マップ選択ファクタ63−1とが格納されている。
【0041】
これら外気温別NOxマップ62a1、62b1、62c1、62d1は、設定の外気温でエンジンが運転されるときのエンジン回転と燃料の指示噴射量ごとで決定されるNOx量が記憶されており、外気温度マップ選択ファクタ63−1は、検出された外気温から外気温別NOxマップ62a1、62b1、62c1、62d1のうち、検出された外気温に対して高く設定されている外気温別NOxマップ(例えば62b1)と、低く設定されている外気温別NOxマップ62c1とを選択し、これら外気温別NOxマップ62b1、62c1で決定されるNOx値を外気温で補間し、そのNOx値を加算器66に出力するようになっている。
【0042】
第1のNOxモデルマップ60−1に対して、第2、第3のNOxモデルマップ60−2、60−3は、設定された大気圧条件(2)、(3)と、設定の外気温別NOxマップ62a2、62a3、62b2、62b3、62c2、62c3、62d2、62d3と、外気温度マップ選択ファクタ63−2、63−3とでNOx値を補正する補正マップ1、2を備え、さらにNOxモデルマップ60−2、60−3からの補正NOx値を、さらに実際の大気圧で補間するための大気圧補正マップ64−2、64−3とを備え、NOxモデルマップ60−2、60−3からの補正NOx値と大気圧補正マップ64−2、64−3の補間値が乗算器65−2、65−3に入力されて補正NOxを加算器66に出力するようになっている。
【0043】
この3つのNOxモデルマップ60−1、60−2、60−3は、先ず第1のNOxモデルマップ60−1で、エンジン運転状態(エンジン回転数と指示噴射量)と外気温に基づいてNOx値が決定され、そのNOx値が加算器66に入力され、また大気圧条件(2)、(3)に応じて、第2、第3のNOxモデルマップ60−2、60−3の乗算器65−2、65−3のいずれかから補正NOx値が加算器66に入力され、第1のNOxモデルマップ60−1のNOx値が大気圧条件(2)、(3)で補正されて、乗算器67に出力され、乗算器67で、エンジン水温補正マップ61からのエンジン水温による補正値が乗算されて、大気圧、外気温、エンジン水温に基づいたNOx値が出力される。
【0044】
この3つのNOxモデルマップ60−1、60−2、60−3は、EGR制御しているときのマップ構成例であり、EGR制御していないときのエンジンアウトNOx値は、EGR制御しているときのNOx値と相違するため、別途EGR制御無しのときを考慮した3つのNOxモデルマップ60がDCU44に格納されている。
【0045】
DCU44は、エンジン運転条件(エンジン回転数と指示噴射量)に対して、NOxモデルマップ60−1、60−2、60−3、エンジン水温補正マップ61に基づいて決定されたNOx値に基づいてドージングバルブ41から噴射する尿素量を決定する。
【0046】
これにより、予備ヒーティング制御期間、NOxセンサー46、47からのNOx検出がなくても、適切な尿素噴射量の制御が行える。
【0047】
本発明においては、NOxモデルマップと実NOx量のズレを解消するために、環境の違い(大気圧、外気温、エンジン水温など)に対応したNOxモデルマップをDCU44に格納し、これらの環境の違いに対応してNOx量を求めることで実NOx量のズレを解消できる。また当然マップ数が多い方がNOx量の精度は上がるが、極端な複数マップ化は現実的ではないので、ある程度の複数マップ化として途中のNOx量は補間値にて対応させる。
【0048】
このように本発明は、環境違いに対応したNOxモデルマップ化により実NOx量とのズレを減らすことができるため、適切な尿素噴射制御により、排ガス性能に影響を与えることが無くなると共に、故障診断の誤診断防止、更には診断精度(閾値)を向上させることが出来るようになる。
【0049】
上述の実施の形態では、3つのNOxモデルマップ60とエンジン水温補正マップ61で、NOx値を決定する例を示したが、NOxモデルマップ60は、大気圧条件をさらに細かくして4つ以上にしてもよいし、温度別NOxマップも4つとしたが、これ以上であってもよい。さらに3つのNOxモデルマップ60のうち1つをベースマップとし、他を補正マップとする例で説明したが、それぞれ大気圧条件下で独立したベースマップで構成するようにしてもよい。
【0050】
また、NOxモデルマップ60をDCU44に格納する例で説明したがECU30に格納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 エンジン
14 排気管
23 SCR触媒
41 ドージングバルブ
46 上流側NOxセンサー
47 下流側NOxセンサー
60−1〜60−3 NOxモデルマップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気管に設けられたSCR触媒と、SCR触媒の上流側で尿素水を噴射するドージングバルブとを備え、ドージングバルブからの尿素水の噴射を制御する尿素噴射SCR制御システムであって、大気圧条件、外気温、エンジン水温に対応した複数のNOxモデルマップを備え、大気圧検出手段、外気温検出手段、エンジン水温検出手段の検出値に基づいて各NOxモデルマップからNOx量を決定し、その決定したNOx量に基づいてドージングバルブからの尿素水の噴射量を制御することを特徴とする尿素噴射SCR制御システム。
【請求項2】
前記各NOxモデルマップは、コントロールユニットに格納され、平地での大気圧条件における外気温に応じてエンジン回転と指示噴射量からNOx量が設定された複数の外気温別NOxマップとその外気温別NOxマップから実際の外気温で外気温別NOxマップを選択すると共にその外気温別NOxマップのNOx値を補間する外気温マップ選択ファクタからなるベースマップを備えると共に、ベースマップを高地での大気圧条件でベースマップからのNOx値を補正する補正マップとを備え、さらに大気圧条件と外気温条件で決定されたNOx値をエンジン水温で補正するエンジン水温補正マップを備える請求項1記載の尿素噴射SCR制御システム。
【請求項3】
前記コントロールユニットには、EGR制御をしているときとEGR制御していないときの各NOxモデルマップが格納されている請求項2記載の尿素噴射SCR制御システム。
【請求項4】
排ガス中のNOx量を測定するNOxセンサーを備え、そのNOxセンサーの予備ヒーティング制御時に、大気圧検出手段、外気温検出手段、エンジン水温検出手段の検出値に基づいて各NOxモデルマップからNOx量を決定し、その決定したNOx量に基づいてドージングバルブからの尿素水の噴射量を制御する請求項1〜3いずれかに記載の尿素噴射SCR制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−72391(P2013−72391A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212943(P2011−212943)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】