説明

屋上緑化用植栽コンテナー

【課題】 単種類の緑化用植栽コンテナーでもって、草花の播種、培地、育苗・生育が可能で、生育過程期や生育後、緑化すべき設置場所への移管をする場合や、敷設などで、該コンテナーを隣接配置することが可能な連結具兼用嵩上げ部材を構成することにより、コンテナー内で植栽された植物などを損傷する惧れなく複数個を積み重ねて運搬する事や、該緑化用植栽コンテナーを平面敷設連結した時に、連結部の底壁角部で該連結具に接合が可能な制震用パッド等を具備し、地震発生時などでも、該緑化用植栽コンテナー等の連結部や該コンテナーに掛かる外部応力を減衰させて、該コンテナーの破損を回避出来る緑化用植栽コンテナーを提供すること。
【解決手段】 緑化すべき設置場所に対して平面固定状に設置される該コンテナー1と、該コンテナー1を複数個に隣接配置される連結具兼用嵩上げ部材2と連結固定軸3に接合された制震用パッド4等からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋上(陸屋根)や一般住宅のベランダなどに植栽緑化を主な目的として、建物の屋上(陸屋根)やベランダなどに敷設される緑化用植栽コンテナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
市販されているこの種の植栽用プランタンやトレーは、上部を開放した浅い矩形箱状に形成されて、建物の屋上(陸屋根)やベランダなどの緑化すべき設置場所に、縦横等に隣接配置して敷設される。しかしながら、緑化用植栽プランタンやトレーを敷設した後は、植栽された草花の観賞、植生状態の確認や植栽トレーの設置具合などを調べることがあり、その際に、敷設された植栽トレーの植栽部の緑化されたその中に誤って足を踏み入れることがある。これらの植栽用プランタンやトレーは、緑化された中を歩行できるようにすることは望ましいことであるが、該植栽用プランタンやトレー自体の強度も十分でない為、誤って場内に足を踏み入れた場合でも、植栽部の壊滅的な陥没や容器本体自体などの破損を回避出来る構造体が望ましく、該植栽部分(容器も含む)入れ替えの簡易性やコンテナー機能の利便性と強度を持った植栽用コンテナーが望ましい。
【0003】
しかしながら従来の多くの緑化用植栽トレーでは、当然のことながら敷設された植栽トレーの植栽部全面に草花等の植物が植栽されているため、場内に足を踏み入れる余地がないのが現状であったり、また、植物の移植などをする際に誤って植栽部に足を踏み入れて草花を損傷させたり、植栽部の土を陥没させることがあった。又、隣接配置して連結する部分の強度や構造が脆弱であるため、強風や地震などの振動により、連結部の外れや破損の起こることが予測され、この種の植栽トレー連結具としては、断面形状が逆「U」字形状の連結具本体で、隣接する植栽トレーの縁部に係止するように形成してあるものがあった。このような連結具の取り付け方法は、一例として、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、生育した植栽用トレー自体を緑化すべき設置場所へ、複数個植栽トレーを移設する時に積み重ねて運搬する事が出来るコンテナー嵩上げ部材が知られている。一例として、特許文献2に開示されている。
また、屋上への固定機能は備えなくても、図6http://www8.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjitemdrw.ipdl?N0000=235&N0500=4E_N/;>9?=;?;8///&N0001=155&N0552=9&N0553=000021に示すように、連結具兼用嵩上げ部材に接合が可能な制震用パッド等を具備し、地震発生時などの振動でも、該緑化用植栽コンテナー等の連結部や該コンテナーに掛かる外部応力を減衰させて、該コンテナーの破損を回避出来る機能を付加することが望ましい。
以上のそれぞれの例に挙げた植栽用コンテナーと連結具兼用嵩上げ部材は、生産性や加工性、及び、コスト面等から、大量生産方式で安価に形成でき、軽量で適度な弾性や強度を備え、且つ、リサイクル再加工等に優れた合成樹脂で形成されるのが一般的である。
【特許文献1】特願平2001−315228号、特開2004−024047号
【特許文献2】特開2001−213436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来の緑化用植栽トレーは、隣接配置して敷設した際、植栽部上面を誤って歩行した場合、植栽部が壊滅的に陥没しないような構造ではなかったり、緑化用植栽コンテナーでもって、緑化すべき設置場所への移設などをする場合には、専用のコンテナー嵩上げ用部材が必要であった。
【0006】
本発明の目的は、単種類の緑化用植栽コンテナーでもって、草花の播種、培地、育苗・生育が可能で、生育過程期や生育後、緑化すべき設置場所への移設をする場合や、敷設などで、該コンテナーを隣接配置することが可能な連結具兼用嵩上げ部材で構成することにより、コンテナー内で播種、培地、育苗・生育、および植栽された植物等を損傷する惧れなく複数個を積み重ねて運搬する事や、該緑化用植栽コンテナーを平面敷設連結した時に、連結部の底壁角部で該連結具に接合が可能な制震用パッド等を具備し、地震発生時などでも、該緑化用植栽コンテナー等の連結部や該コンテナーに掛かる外部応力を減衰させて、該コンテナーや連結具の破損する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明に係る屋上緑化用植栽コンテナーと該コンテナーを複数個に隣接配置される連結具兼用嵩上げ部材に付設する連結固定軸に接合された制震用パッド等とからなるように構成したものである。
【0008】
また、前記コンテナーを複数個、積み重ねての運搬や、該コンテナーを平面敷設して連結が可能となるように、側壁の四隅角上部に連結具兼用嵩上げ部材と互いに嵌め合い係合する係合凹部を形成せしめ、一種類の連結具兼用嵩上げ部材で、該連結具兼用嵩上げ部材に設けられた積み重ね用係止部と敷設時の連結用係止部に切り替えて嵌合させることことができるように構成されている。
【0009】
また、 前記コンテナーの植栽部の土が乾燥、固形化し、該コンテナーの側壁部との間に隙間が出来て、降雨時の雨水等による浮き上がりや、強風などで、めくれ(剥離)による崩れを生じないように、前記コンテナーを複数個、隣接配置して連結することにより、前記連結具兼用嵩上げ部材に設けられた鍔部が植栽部四隅コーナーの土の表面を押さえて敷設設置するように構成されている。また、多量の雨水などによる冠水で、前記コンテナー内の植栽部の草花を枯らさないように、該コンテナー内に水位レベルを変えて、オーバーフロー用の排水孔を設けてある。
【0010】
また、前記コンテナーを複数個、隣接配置し、前記連結具兼用嵩上げ部材で固定された、該連結部の底壁外角部で該連結具兼用嵩上げ部材に付設して、連結固定軸と接合可能な制震用パッド等を具備し、地震発生時などの振動でも、該コンテナーや連結部に掛かる外部応力を減衰させて、該コンテナーや連結具兼用嵩上げ部材の破損を回避出来る機能を付加して構成されている。
【0011】
また、 前記連結具兼用嵩上げ部材は、前記コンテナーを隣接配置して敷設し、連結完了後に、強風や地震時の揺れなどの影響を受けても簡単に連結が外れないように、連結具兼用嵩上げ部材に着脱操作自在となる螺子や係止爪を有するピン等の連結固定軸を付設されるように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0013】
(請求項1によれば、)単種類の緑化用植栽コンテナーでもって、草花などの播種、培地、育苗・生育が可能で、生育過程期や生育後、緑化すべき設置場所への移設、該コンテナー1を隣接配置して敷設することが出来る。また、該コンテナー1内面の底部に複数個の凸部1aを設けたことより、該コンテナー1の強度も上がり、植栽部5上面を誤って歩行した場合でも、該凸部1aで踏み止めることが出来るため、該植栽部5が壊滅的に陥没しないような構成となっている。
【0014】
(請求項2によれば、)コンテナー1を複数個、積み重ねての運搬や、該コンテナー1を平面敷設して連結を行う際、一種類の連結具兼用嵩上げ部材2で、該連結具兼用嵩上げ部材2に設けられた積み重ね用係止部2aと敷設時の連結用係止部2bに切り替えて嵌合させることことができることにより、取り扱いが非常に簡単であり、運搬および敷設作業の手間も掛からない。
【0015】
(請求項3によれば、) コンテナー1を複数個、隣接配置して連結することにより、前記連結具兼用嵩上げ部材2に設けられた鍔部2cが植栽部5の土を押さえることにより、植栽部5の土が乾燥、固体化し、該コンテナーの側壁部1bとの間に隙間が出来て、降雨時の雨水等による浮き上がりや、強風などで、めくれ(剥離)による崩れを生じないようになる。
【0016】
(請求項4、5によれば、)前記コンテナー1を複数個、隣接配置し、前記連結具兼用嵩上げ部材2で固定し、強風や地震時の揺れなどの影響を受けても簡単に連結が外れないようにするため、連結部底部に制震用パッド4等を敷設し、連結具兼用嵩上げ部材2に付設する、着脱操作自在となる螺子や係止爪を有するピン等の連結固定軸3で接合することにより、該コンテナー1や連結具兼用嵩上げ部材2に掛かる外部応力を減衰させて、これらの破損を回避することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0018】
図1に、本発明に係る屋上緑化用植栽コンテナーの一形態を示し、屋上緑化用植栽コンテナーは、コンテナー1と、連結具兼用嵩上げ部材2および連結固定軸3を具備し、複数個の隣接配置で連結をして使用するものである。
また、植栽部5の上面を誤って歩行した場合でも、植栽部5が壊滅的に陥没しないようにコンテナー1内面の底部に複数個の凸部1aを設けたものである。
【0019】
図2に、連結具兼用嵩上げ部材2により複数個のコンテナー1を積み重ねての一形態を示したものである。また、連結具兼用嵩上げ部材2の上面にはコンテナー1の底部角部に設けられた孔1fと挿通して嵌めこむ凸部2dを形成されている。また、該コンテナー1の側壁部1bの四隅角上部に連結具兼用嵩上げ部材2と互いに嵌め合い係合する係合凹部1cと係合壁部1dを形成せしめ、一種類の連結具兼用嵩上げ部材2で、該連結具兼用嵩上げ部材2に設けられた積み重ね用係止部2aと敷設時の連結用係止部2bに切り替えて嵌合させることことができる。
【0020】
図3に、連結具兼用嵩上げ部材2に付設する連結固定軸3は、コンテナー1の側壁部1bの四隅角部外面に連結具兼用嵩上げ部材2に付設する連結固定軸3の雄ねじと係合して螺合する係止爪1eを形成させている。また、多量の雨水などによる冠水で、該コンテナー1内の植栽部5の草花を枯らさないように、該コンテナー1内に水位レベルを変えて、オーバーフロー用の排水孔1gおよび1hを設けてある。該排水孔1h
は、該コンテナー1の側壁部1bの四隅角上部に連結具兼用嵩上げ部材2と互いに嵌め合い係合する係合凹部1cと係合壁部1dを形成する内部を併用し、該底部角部に設けられた孔1fにより、該コンテナー1の外へ排水される。
【0021】
複数個のコンテナー1を隣接配置で連結固定する場合、連結具兼用嵩上げ部材2に付設する連結固定軸3(市販されている雄ねじ等)をドライバー等の工具でねじ込まずに挿通させて、該連結固定軸3のネジ山三角部(図示省略の)が該コンテナー1の外側四隅角に形成せしめた係止爪1eと螺合して固定ができるように構成されている。また、固定解除の場合をする場合は、ドライバー工具等で、通常のネジ回しの要領で取り外すことが可能なように構成をしてある。図4は該コンテナー1と連結具兼用嵩上げ部材2と連結固定軸3を分離した状態を示す。
【0022】
屋上緑化用植栽コンテナー1を平面敷設連結した時に、連結部の底壁角部で該連結固定軸3に接合が可能な制震用パッド4等を具備し、地震発生時などでも、該コンテナー1や連結具兼用嵩上げ部材2に掛かる外部応力を減衰させて破損等を回避できるように構成されている。図5は、該コンテナー1と連結具兼用嵩上げ部材2、および連結固定軸3と制震用パッド4等を組み込みした状態を示す。又、図6では、一部断面作用説明図を示す。
【0023】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、該コンテナー1の形状、および該コンテナー1の側壁部1bの四隅角部に形成された、連結具兼用嵩上げ部材2と互いに嵌め合い係合する係合壁部1dや連結具兼用嵩上げ部材2、連結具兼用嵩上げ部材2の鍔2c上部の凸部2dの形状、個数などは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の一形態を示すと共に使用状態の説明を兼ねた斜視図である。
【図2】本発明の他の実施の一形態を示すと共に使用状態の説明を兼ねた斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態を示すと共に一部分解組立の説明を兼ねた斜視図である。
【図5】本発明の使用状態を示す斜視図である。
【図6】一部横断面作用説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 コンテナー
2 連結具兼用嵩上げ部材
3 連結固定軸
4 制震用パッド
5 植栽部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単種類の緑化用植栽コンテナーでもって、草花などの播種、培地、育苗・生育が可能で、生育過程期や生育後、緑化すべき設置場所への移設、該コンテナー1を隣接配置して敷設した際、植栽部上面を誤って歩行した場合でも、植栽部5が壊滅的に陥没しないようにコンテナー1の内面底部に複数個の凸部1aを設けたことを特徴とする屋上緑化用植栽コンテナー。
【請求項2】
前記コンテナー1を複数個、積み重ねての運搬や、該コンテナー1を平面敷設して連結が可能となるように、側壁の四隅角上部、および、該底部に連結具兼用嵩上げ部材2と互いに嵌め合い係合する係合凹部1cを形成せしめ、一種類の連結具兼用嵩上げ部材2で、該連結具兼用嵩上げ部材2に設けられた積み重ね用係止部2aと敷設時の連結用係止部2bに切り替えて嵌合させることことができることを特徴とする請求項1記載の屋上緑化用植栽コンテナー。
【請求項3】
前記コンテナー1の植栽部5土が乾燥、固体化し、該コンテナー1と側壁部1bとの間に隙間が出来て、降雨時の雨水などによる浮き上がりや、強風などで、めくれ(剥離)による崩れを生じないように、前記コンテナー1を複数個、隣接配置して連結したり、該コンテナー1を単体で使用する場合でも、前記連結具兼用嵩上げ部材2に設けられた鍔部2cが植栽部の土を押さえて敷設設置することを特徴とする請求項1又は2に記載の屋上緑化用植栽コンテナー。
【請求項4】
前記コンテナー1を複数個、隣接配置し、前記連結具兼用嵩上げ部材2で固定された、該連結部の底壁外角部で該連結具兼用嵩上げ部材に付設する連結固定軸3に接合が可能な制震用パッド4等を具備し、地震発生時などでも、該緑化用植栽コンテナー1等の連結部や該コンテナー1に掛かる外部応力を減衰させて、該コンテナー1の破損を回避出来る機能を付加したことを特徴とした請求項2又は3に記載の屋上緑化用植栽コンテナー。
【請求項5】
前記連結具兼用嵩上げ部材2は、前記コンテナー1を隣接配置して敷設し、連結完了後に、強風や地震発生時の揺れなどの影響を受けても簡単に連結が外れないように、着脱操作自在となる螺子や係止爪を有するピン等の連結固定軸3を付設させたことを特徴とした請求項2又は3、4に記載の屋上緑化用植栽コンテナー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−63(P2007−63A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183049(P2005−183049)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(304001785)
【Fターム(参考)】