履歴管理方法及び入出庫管理方法

本発明は、農産物又は加工食品の原料となる農産物の農薬散布に関する履歴(トレーサビリィティー)管理を行うことができる履歴管理システムを提供することを目的とする。加工食品の履歴管理方法においては、管理サーバはオーダー番号、農地番号、農地に散布された農薬、及びロッド番号とが関連付けられて記憶されているデータベースを有し、ロッド番号を入力し、ロッド番号を利用してデータベースに基づいて加工食品の原材料となった農産物のオーダー番号を特定し、オーダー番号を利用してデータベースに基づいて農産物が栽培された農地の農地番号を特定し、農地番号を利用してデータベースに基づいて農地に散布された農薬を特定することを特徴とする。加工食品のロッド番号から、加工食品の原材料となった農産物が栽培された農地の農薬散布に関する情報を特定するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、農産物又は加工食品への農薬の使用等を管理することができる履歴(トレーサビリティー)管理方法、及び農薬が使用された農産物の入出庫管理方法に関する。
【背景技術】
近年、農産物又は加工食品の残留農薬濃度に関心が高まっている。我国では、許認可を受けた農薬を基準範囲内の濃度で農地や作物に散布するようにして農産物が育成されている。しかしながら、他の国では、我国とは異なった基準で農薬が使用されている場合や、全く規制がなされていない場合があった。そこで、当該他の国では適正に育成された農産物又はそのような農産物から加工された加工食品であっても、我国に輸入された場合に我国の基準には合致しない残留農薬濃度を有している場合があった。また、適正に育成されたものでない農産物又は加工食品に対して、不当な表示がなされる場合もあった。
しかしながら、我国に輸入された農産物又は加工食品が我国の基準に合致しない場合、どのような経路で輸入され、どのように流通経路に乗った農産物又は加工食品であるかを迅速且つ適切に確認することは困難であった。また、農産物又は加工食品に付された表示が、正当なものであるか、不当なものであるかを迅速且つ適切に確認することは困難であった。
そこで、農産物又は加工食品の履歴(トレーサビリティー)を正確且つ迅速に管理するためのシステムが要望されていた。
【発明の開示】
そこで本発明は、農産物が育成された農地に関する履歴管理を行うことができる履歴管理システムを提供することを目的とする。
また本発明は、農産物又は加工食品の原料となる農産物の農薬散布に関する履歴管理を行うことができる履歴管理システムを提供することを目的とする。
さらに本発明は、農作物又は加工食品の残留農薬濃度に関する情報を管理することがきる履歴管理システムを提供することを目的とする。
さらに本発明の目的は、農産物又は加工食品に関する、農地、農薬散布、残留農薬濃度等のトータルな履歴管理を行うことができる履歴管理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る加工食品の履歴管理方法においては、管理サーバはオーダー番号、農地番号、農地に散布された農薬、及びロッド番号とが関連付けられて記憶されているデータベースを有し、ロッド番号を入力し、ロッド番号を利用してデータベースに基づいて加工食品の原材料となった農産物のオーダー番号を特定し、オーダー番号を利用してデータベースに基づいて農産物が栽培された農地の農地番号を特定し、農地番号を利用してデータベースに基づいて農地に散布された農薬を特定することを特徴とする。加工食品のロッド番号から、加工食品の原材料となった農産物が栽培された農地の農薬散布に関する情報を特定するものである。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る農産物の履歴管理方法は、オーダー番号、農地番号、栽培面積及び農地に散布された農薬の使用量とが関連付けられて記憶されているデータベースを有し、オーダー番号を入力し、オーダー番号を利用してデータベースに基づいて農産物が栽培された農地の農地番号を特定し、農地番号を利用してデータベースに基づいて農産物が栽培された農地の栽培面積及び農産物が栽培された農地に散布された農薬の使用量を特定し、栽培面積及び前記農薬の使用量から単位面積当たりの農薬使用量を算出し、単位面積当たりの農薬使用量が規定を満たしているか否かを判断し、単位面積当たりの農薬使用量が規定を満たしていない場合には農産物対して異常処理を行うことを特徴とする。オーダー番号から農産物が栽培された農地に散布された農薬を特定し、農地の単位面積当たり農薬使用量を算出して、規定を満たすか否かの判断を行うものである。
さらに、上記目的を達成するために、本発明に係る入出庫管理方法は、オーダー番号、農地番号、及び農地に散布された農薬とが関連付けられて記憶されているデータベースを有し、オーダー番号を入力し、オーダー番号を利用してデータベースに基づき農産物が栽培された農地の農地番号を特定し、農地番号を利用してデータベースに基づき農地に散布された農薬を特定し、農薬が規定を満たしているか否かを判断し、農薬が前記規定を満たしていない場合には農産物対して異常処理を行うことを特徴とする。オーダー番号に基づいて農産物が栽培された農地に散布された農薬を特定し、規定に合致するもののみ入出庫を許可するように管理するものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係るシステムの全体概要を示す図である。
図2は、栽培計画作成フローを示す図である。
図3は、栽培計画入力画面を示す図である。
図4は、農薬の入庫管理フローを示す図である。
図5は、農薬入庫データ入力画面を示す図である。
図6は、農薬の出庫管理フローを示す図である。
図7は、農薬出庫データ入力画面を示す図である。
図8は、農薬散布DBを示す図である。
図9は、農産物の入庫管理フローを示す図である。
図10は、農産物データ入力画面を示す図である。
図11は、農産物DBを示す図である。
図12は、加工食品の出庫管理フローを示す図である。
図13は、加工食品データ入力画面を示す図である。
図14は、加工食品DBを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明に係る履歴管理方法を添付図面を参照して詳述する。
図1は、本発明に係る履歴管理方法を実施するためのシステムの全体概要を示す図である。本部システムサーバ20、農薬保管庫用端末30、集積所入庫端末60、加工工場出庫端末70、ユーザ端末90、及び外部データベース100が、LAN、WAN、インターネット等のクローズ又はオープンなネットワーク10に対して、相互にアクセス可能に接続されている。
本部システムサーバ20、農薬保管庫用端末30、集積所入庫端末60、加工工場出庫端末70、及びユーザ端末80は、少なくとも、CPU等から構成される制御部、各種データの送受信を行うための送受信部、ディスプレイ等の表示部、メモリや各種記録媒体等から構成される記憶部、キーボード及びマウス等から構成される入力操作部、プリンタ等から構成される出力部を有している。また、各種サーバ及び端末における各種処理を行うためのプログラムが記憶されている。さらに、各端末には、バーコードを読取るためのハンディー・ターミナル(以下「HT」と言う)が、それぞれ付属している。
外部データベース100は、公的又は私的機関のデータベースであって、最新の農薬に関する情報が蓄積されている。本部システムサーバ20は、予め設定された頻度で外部データベース100にアクセスし、必要な情報を入手して後述する農薬データベースを自己の記録部に構築している。
農薬32は、後述する農薬入庫管理フローにしたがって、農薬保管庫端末30によって登録され、農薬バーコード認識票34が発行される。農薬バーコード認識票34が添付された農薬32は、使用されるまで農薬保管庫35に保管される。農薬バーコード認識票34が添付された農薬32は、後述する農薬出庫管理フローにしたがって、農薬保管庫端末30によって出庫処理される。
本部システムサーバ20は、栽培計画を示し、オーダー番号を付与された、栽培計画票22を発行する。作業者は、栽培計画票に基づいて出庫処理された農薬32を、位置認識ポール40に対応し且つ農地番号によって特定される農地44に散布する。散布されなかった農薬32は、農薬保管庫端末30によって回収処理される。なお、栽培計画票22を本部システムサーバ20から出力せず、専用の端末を設けてその端末から出力するようにしても良い。
なお、農地44には、農地を特定するための位置認識ポール40が配置されている。また、位置認識ポール40には、栽培計画票22の出力と並行して、農産物バーコード認識票42が予め配置されるように手配されている。農産物バーコード認識票42は、紙片やプラスチック片に、少なくともオーダー番号及び農地番号の情報が記載されている。なお、農産物バーコード認識票42の代わりに、位置認識ポール40が発信するデータを受信して記憶するメモリ及び送受信機能を有するICタグを用いることもできる。
農薬保管庫端末30による入庫及び出庫処理を繰り返すことにより、農地44に散布された農薬の履歴情報又は農地44で育成された農産物に散布された農薬の履歴情報を本部システムサーバ20に蓄積することができる。
農地44で育成された農産物は、容器50に収納されて、集積所65に輸送される。容器50には、位置認識ポール40に設置されている農産物バーコード認識票42を挿入するためのスロットが設けられている。作業者は、農産物を農地44から輸送する際に、位置認識ポール40から農産物バーコード認識票42を取出し、容器50のスロットに挿入する。
容器50に収納された農産物は、入庫端末60により、後述する入庫処理フローにしたがって入庫処理がされる。農産物バーコード認識票42は農薬保管庫端末30によって蓄積された散布農薬に関する履歴情報と対応しているので、入庫処理では、農産物が農薬の許認可基準に合致しているか否かを判断することが可能である。
入庫処理がされた農産物は、加工工場75で加工されて、加工食品80となる。その後、加工工場75の出庫端末70により、後述する出庫フローにしたがって出庫処理される。加工食品80は、農薬保管庫端末30によって蓄積された散布農薬に関する履歴情報及び入庫端末60によって蓄積された農産物に関する履歴情報と対応している。したがって、これらの情報に基づいて、出庫処理では、加工食品80が農薬の許認可基準に合致しているか否かを判断することが可能である。
出庫端末70は、加工食品バーコード認識票82を発行し、加工食品バーコード認識票82は加工食品80に添付される。また、加工されず、そのまま箱詰めされて出荷される農産物85に対しても、出庫端末70によって出庫処理がなされる。農薬の許認可基準に合致している農産物には、農産物バーコード認識票87が発行されて、添付される。加工食品80又は農産物85は、流通経路を経て、小売店で販売される。
このような処理を行うことにより、本部システムサーバ20は、散布された農薬に関する情報と最終的に販売される加工食品80又は農産物85又とをリンクさせて各種履歴情報を蓄積することができる。
したがって、ユーザはユーザ端末90を用いて、本部システムサーバ20にアクセスすることによって、購入した加工食品80又は農産物85の原材料が生産された農地、農地に散布された農薬、集積所、加工工場等の情報を確認することが可能となる。
図2に、栽培計画票を作成するためのフローの一例を示す。
最初に、操作者は、本部システムサーバ20の入力操作部を利用して、パスワードを入力する(ステップ201)。パスワードとしては、文字及び数字の組み合わせによるものの他、指紋認証によって操作者を確認する場合の指紋等をも含むものとする。
次に、栽培計画票に必要な情報を栽培計画入力画面を利用して入力する(ステップ202)。
栽培計画入力画面の一例を図3に示す。入力画面は、オーダー番号301、作物名称302、農地番号303、栽培面積304、収穫予定日305、収穫予定量306、農薬散布計画307のデータを入力できるように構成されている。
次に、本部システムサーバ20は、入力されたデータに基づいて栽培計画票22を出力する(ステップ203)。
オーダー番号301は、栽培計画票22によって栽培される農作物を特定するための重要なシリアル番号となる。また、栽培計画票22の農薬散布計画307に従って、後述する農薬の出庫処理が行われ、作業者によって農薬が農地(農産物)に散布される。
図4に、農薬保管庫用端末30における農薬32を農薬保管庫30に入庫するための農薬入庫管理フローの一例を示す。
最初に、操作者は、農薬保管庫用端末30の入力操作部を利用して、パスワードを入力する(ステップ401)。次に、登録済み農薬か否かを判断し(ステップ402)、未登録の場合には登録データの入力を行う(ステップ403)。登録済みの農薬か否かは、後述する農薬バーコード認識票34が添付されているか否かで判断される。
ステップ403の登録データの入力は、農薬入庫登録データ入力画面を用いて行われる。データ入力画面の一例を図5に示す。図5に示すように、操作者は、データ入力画面を用い、農薬コード501、入庫日502、内容量503、使用期限504、農薬サンプル検査番号505及び登録No506を入力する。なお、登録データの入力は、農薬の最小包装形態毎(例えば、1ビン毎)に行われる。また、登録No506は、自動付与されるようにしても良い。
次に、農薬保管庫用端末30は、本部システムサーバ20にアクセスして、予め作成されている農薬データベースを照会し、農薬コード501に該当する農薬に関する情報を取得する(ステップ404)。農薬データベースは、少なくとも取扱可能な農薬の農薬コード及び使用基準濃度(例えば、単位面積当たりの使用限度量(ml/m))等を記憶したデータベースである。本部システムサーバ20は、外部データベース100に定期的にアクセスし、常に農薬データベースを更新するものとする。使用可能な農薬の種類、使用基準濃度は各種法令等によって頻繁に変更される可能性があるので、常に最新のデータを確認する必要があるからである。
次に、農薬保管庫用端末30は、入力された農薬が取扱可能か否かを判断する(ステップ405)。農薬保管庫用端末30は、農薬データベースに該当する農薬コード501が登録されていない場合には、ステップ406で警告を発する等の異常処理を行う。異常処理によって、取扱うことができない農薬は、農薬保管庫に入庫されない。
農薬保管庫用端末30は、入力された農薬が取扱可能な場合には、所定の農薬バーコード認識票34を発行する(ステップ407)。操作者は、発行された農薬バーコード認識票34を該当する農薬32に添付して、一連の動作を完了する。なお、ステップ408及び409については後述する。
このように、パスワードによって不適切な操作者が農薬32の入庫処理を行えないようにし、農薬バーコード認識票34によって適切な農薬か否かを最小包装形態単位で判断できるようにしている。
図6に、農薬保管庫用端末30における農薬を農薬保管庫から出庫するための農薬出庫管理フローの一例を示す。
作業者は、本部システムサーバ20が発行した栽培計画票22に記載される農薬散布計画307に基づいて農薬の散布を行う。そのため、作業者は農薬保管庫用端末30の操作者に栽培計画票22を提示して、農薬32の出庫を依頼する。
最初に、操作者は、農薬保管庫用端末30の入力操作部を利用して、パスワードを入力する(ステップ601)。次に、操作者は、出庫する農薬32に添付されている農薬バーコード認識票34のバーコードを読取る(ステップ602)。次に、操作者は、農薬出庫データ入力画面を用いてデータの入力を行う。データ入力画面の一例を図7に示す。図7に示すように、操作者は、データ入力画面を用い、オーダー番号701、出庫日702、農地番号703、位置704、及び作物名称704を入力する。また、登録No706は、ステップ602により、自動的に入力される。
次に、農薬保管庫用端末30は、農薬の入庫時の登録情報及び出庫時の入力情報から、農地毎の農薬散布データベースを作成する(ステップ604)。農薬散布情報データベースの一例を図8に示す。図8の農薬散布情報データベースは、農地番号801、位置802、オーダー番号803、登録No804、農薬コード805、作物名称806、出庫日807及び内容量808から構成されている。このように、農薬散布データベースは、農地番号801を付与された特定の農地に対して、どのような農薬が散布されたかを時系列的に網羅して記録するものである。農薬保管庫用端末30が作成した農薬散布データベースのデータは、本部システムサーバ20へ送信され、本部システムサーバ20でも同様のデータベースが構築される。
なお、出庫処理は、農薬32の最小包装形態毎に行われる。
次に、図4に戻り、一旦出庫された農薬32が散布されずに回収された場合の入庫処理について説明する。
入庫時に既に農薬バーコード認識票34が添付されている場合は、ステップ402で登録済みと判断され、添付のバーコードの読取りが行われる(ステップ408)。即ち、このような場合は、一旦出庫処理が行われた後に、散布されずに回収されたものと考え、農薬散布情報を修正する(ステップ409)。具体的には、農薬散布データベース(図8参照)から、散布されたものとして記録されている登録Noの農薬32の記録を削除する。また、回収された農薬の使用期限(図5の使用期限504参照)が切れている場合には、再入庫を拒否するようにしても良い。
このようにして、農薬32の農薬保管庫35への入庫及び出庫の管理を行うことにより、農地番号を付与された特定の農地44に対して、どのような農薬32が散布されたかを時系列的に網羅して記録することが可能となる。
農薬散布情報が時系列的に記録されている農地44から収穫された農産物は、作業者によって容器50に収納されて、農地44から集積所65へ搬送される。容器50には、農産物バーコード認識票42が添付されている。農産物バーコード認識票42は、栽培計画票22と同時に本部システムサーバ20から出力されて、適当な時期に位置認識ポール40に設置されている。
図9に、入庫端末60における農産物を集積所65に入庫する入庫フローの一例を示す。
農産物が容器50に収納されて集積所65に運搬されてくると、操作者は、入庫端末60の入力操作部を利用して、パスワードを入力する(ステップ901)。次に、操作者は、農産物が入った容器50に添付されている農産物バーコード認識票42のバーコードを読取る(ステップ902)。ここで、農産物バーコード認識票42のバーコードには、少なくとも、オーダー番号及び農地番号に関するデータが表されているものとする。また、バーコードの読取りと合わせて、収穫日(集積所への入庫日)及び収穫量が付属の時計及び計量装置によって自動的に入力されることが好ましい。なお、操作者が、入庫端末60を用い、農産物データ入力画面を利用して各種データを入力するようにしても良い。農産物データ入力画面の一例を図10に示す。入力画面は、オーダー番号1001、農地番号1002、作物名称1003、収穫日1004、容量1005及び集積所1006を入力できるように構成されている。
次に、入庫端末60は、本部システムサーバ20にアクセスして、入力されたオーダー番号1001及び農地番号1002に基づいて農薬散布データベース(図8参照)を照会し、収穫された農産物に関して該当する農地に散布された農薬に関する情報を取得する(ステップ903)。
次に、入庫端末60は、ステップ903で取得した農薬毎に農薬使用濃度(単位面積当たりの農薬散布量)を計算する(ステップ904)。図8の場合、1000mの農地(農地番号:F−FM−0001)に対して、200mlの農薬(N−NN−0001)が散布されているので、農薬使用濃度は、0.2ml/mとなる。
次に、入庫端末60は、本部システムサーバ20にアクセスして、農薬データベースを照会し(ステップ905)、少なくとも以下の2点について判断を行う(ステップ906)。
1)ステップ903で取得した農薬コード(図8の農薬コード805)に該当する農薬が、農薬データベースに使用可能な農薬として登録されているか。
2)ステップ904で算出した農薬使用濃度が使用基準濃度以下か。
上記の2点の両方を満たさない場合には、農産物を集積所65に入庫させないように異常処理を行い(ステップ907)、入庫フローを終了する。異常処理としては、警告を発する事等が考えられる。
上記の2点を満足した場合、農産物の容器50は、次の抜き取り検査工程に進む。抜き取り工程では、操作者により容器50から特定量の農産物が無作為に抜き取られ、残留農薬の検査が行われる。残留農薬の検査の結果、残留農薬濃度が基準値以上の場合、該当する容器50の農産物は集積所65に入庫されない。
ステップ908では、残留農薬検査結果の入力が行われる。ステップ909では、各種入力データを基に、入庫端末60が、農産物データベースを作成し、入庫のためのフローを完了する。この手順にしたがって、容器50の農産物は集積所65内に入庫される。
農産物データベースの一例を図11に示す。農産物データベースには、オーダー番号1101、農地番号1102、作物名称1103、収穫日1104、容量1105、栽培面積1106、登録No1107、農薬コード1108、出庫日1109、容量1110、ステップ904で算出された使用濃度1112及びその農薬コード1111、ステップ908で入力された抜き取り検査実施日1113、残留農薬コード1114及び残留濃度1115が記録されるように構成されている。このように、農産物データベースには、オーダー番号及び農地番号から特定される農作物に関する散布農薬、使用濃度、及び残留農薬に関するデータが記録されることとなる。
入庫端末60が作成した農産物データベースのデータは、本部システムサーバ20へ送信され、本部システムサーバ20でも同様のデータベースが構築される。
なお、同じオーダー番号で特定される農産物の容量が多い場合には、複数の容器50を利用することもできる。その場合、各容器50にシリアル番号を付与し、容器毎に管理しても良い。
図9に示す入庫処理終了後、容器50の農産物を加工する場合には、加工工場75における加工工程に進む。加工工程終了後、出庫端末70によって出庫処理がなされる。
図12に、出庫端末70における農産物を加工工場から出庫するための出庫フローの一例を示す。
最初に、操作者は、出庫端末70の入力操作部を利用して、パスワードを入力する(ステップ1201)。次に、操作者は、出庫端末70を用い、加工食品データ入力画面を利用して各種データを入力する。加工食品データ入力画面の一例を図13に示す。入力画面は、加工食品名称1301、加工日1302、加工場所1303、ロッド番号1304、オーダー番号1305、農地番号1306、作物名称1307、収穫日1308を入力できるように構成されている。
ロッド番号は、加工食品を製造する単位である。したがって、同一ロット番号の加工商品は、同一の原材料及び同一の条件で加工及び製造されたものと考えられる。
図13に示す各種データの内、オーダー番号1305、農地番号1306、作物名称1307、及び収穫日1308は、加工食品80を製造する原材料となった農産物の農産物バーコード認識票42に基づくデータである。したがって、加工工場75内で、農産物バーコード認識票42と加工食品80のロッド番号1304との対応付けが常になされている。
次に、出庫端末70は、本部システムサーバ20にアクセスして、入力されたオーダー番号1305及び農地番号1306に基づいて農産物データベース(図11参照)を照会し、加工食品80の原材料となった農産物に関する情報を取得する(ステップ1203)。
次に、入庫端末70は、本部システムサーバ20にアクセスして、農薬データベースを照会し(ステップ1204)、少なくとも以下の2点について判断を行う(ステップ1205)。
1)ステップ1203で取得した農薬コード(例えば、図11における農薬コード1108、農薬コード1111又は残留農薬コード1114)に該当する農薬が、農薬データベースに使用可能な農薬として登録されているか。
2)ステップ1203で取得した農薬濃度(例えば、図11における使用濃度1112又は残留濃度1115)が使用基準濃度以下か。
上記の2点の両方を満たさない場合には、加工食品80を出庫させないように異常処理を行い(ステップ1206)、出庫フローを終了する。異常処理としては、警告を発する事等が考えられる。なお、再度農薬データベースの照会を行って、上記の2点について判断を行う理由は、集積所65に入庫時から加工工場75から出庫時の間で、各種基準が変更される場合もあるからである。
上記の2点を満足した場合、加工食品80は、次の抜き取り検査工程に進む。抜き取り工程では、操作者により特定量の加工食品80を無作為に抜き取り、残留農薬の検査が行われる。残留農薬の検査の結果、残留農薬濃度が基準値以上の場合、該当する加工食品80は出庫されない。
ステップ1207では、残留農薬検査結果の入力が行われる。ステップ1208では、各種入力データを基に、出庫端末70が、加工食品データベースを作成する。
加工食品データベースの一例を図14に示す。加工食品データベースには、ロッド番号1401、加工場所1402、加工食品名称1403、加工日1404、ステップ1207で入力された抜き取り検査実施日1405、残留農薬コード1406及び残留濃度1407、ステップ1203で取得したオーダー番号1408、農地番号1409、作物名称1410、収穫日1411、容量1412、栽培面積1413、登録No1414、農薬コード1415、出庫日1416、容量1417、農薬コード1418、使用濃度1419、抜き取り検査実施日1420、残留農薬コード1421及び残留濃度1422が記録できるように構成されている。
このように、加工食品データベースには、加工食品の原材料となった、特定の農地番号の農地から収穫された特定の農作物に関する散布農薬、使用濃度及び、残留農薬に関するデータが記録されることとなる。出庫端末70が作成した加工食品データベースのデータは、本部システムサーバ20へ送信され、本部システムサーバ20でも同様のデータベースが構築される。
次に、出庫端末70は、ロッド番号に対応した加工食品バーコード認識票82を出力して、出庫のためのフローを完了する。操作者は、出力された加工食品バーコード認識票82を加工食品80(又は加工食品の梱包容器)に添付する。
なお、農産物の加工がなされず、農産物自体として梱包されて出荷される場合にも、図12のフローと同様の出庫処理が、出庫端末70でなされ、問題がない場合には、オーダー番号に対応するバーコード認識票87が梱包容器85に添付される。
このような処理手順を経て、加工食品80又は農産物85が市場に流通されて、ユーザの手元に届く。ユーザは加工食品バーコード認識票82又はバーコード認識票87を手がかりして、加工食品又は農産物に関するデータにアクセスすることができる。具体的には、ユーザ端末90から本部システムサーバ20にアクセスし、加工食品バーコード認識票82(ロッド番号1401)又はバーコード認識票87(オーダー番号1101)をキーにして、加工食品データベース(図14参照)又は農産物データベース(図11参照)の内容を閲覧する。データベースを閲覧することによって、加工食品又は農産物に付された表示が、正当なものであるか否かを迅速且つ適切に確認することができる。さらに、加工食品又は農産物に関係する農薬散布情報、原産地情報及び加工場所情報等についても確認することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーダー番号、農地番号、農地に散布された農薬、及びロッド番号とが関連付けられて記憶されているデータベースを有するサーバにおける、農薬の散布を行いながら、農地番号によって特定された農地でオーダー番号に応じて栽培された農産物からロッド番号によって特定される加工食品の履歴管理を行うための履歴管理方法において、
ロッド番号を入力し、
前記ロッド番号を利用して、前記データベースに基づいて、加工食品の原材料となった農産物のオーダー番号を特定し、
前記オーダー番号を利用して、前記データベースに基づいて、前記農産物が栽培された農地の農地番号を特定し、
前記農地番号を利用して、前記データベースに基づいて、前記農地に散布された農薬を特定することを特徴とする加工食品の履歴管理方法。
【請求項2】
オーダー番号、農地番号、栽培面積及び農地に散布された農薬の使用量とが関連付けられて記憶されているデータベースを有する端末における、オーダー番号に応じて農薬の散布を行いながら、農地番号によって特定された農地で栽培された農産物の履歴管理を行うための履歴管理方法において、
オーダー番号を入力し、
前記オーダー番号を利用して、前記データベースに基づいて、前記農産物が栽培された農地の農地番号を特定し、
前記農地番号を利用して、前記データベースに基づいて、前記農産物が栽培された農地の栽培面積及び、前記農産物が栽培された農地に散布された農薬の使用量を特定し、
前記栽培面積及び前記農薬の使用量から、単位面積当たりの農薬使用量を算出し、
前記単位面積当たりの農薬使用量が規定を満たしているか否かを判断し、
前記単位面積当たりの農薬使用量が前記規定を満たしていない場合には、前記農産物対して異常処理を行うことを特徴とする農産物の履歴管理方法。
【請求項3】
オーダー番号、農地番号、及び農地に散布された農薬とが関連付けられて記憶されているデータベースを有する端末における、オーダー番号に応じて農地番号によって特定された農地で栽培された農産物の入庫を管理するための入出庫管理方法において、
オーダー番号を入力し、
前記オーダー番号を利用して、前記データベースに基づき、前記農産物が栽培された農地の農地番号を特定し、
前記農地番号を利用して、前記データベースに基づき、前記農地に散布された農薬を特定し、
前記農薬が規定を満たしているか否かを判断し、
前記農薬が前記規定を満たしていない場合には、前記農産物対して異常処理を行うことを特徴とする入出庫管理方法。

【国際公開番号】WO2004/036472
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【発行日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544724(P2004−544724)
【国際出願番号】PCT/JP2003/001945
【国際出願日】平成15年2月21日(2003.2.21)
【出願人】(502416659)日本トレシステック株式会社 (1)
【出願人】(000000147)伊藤忠商事株式会社 (43)